JP2017119504A - 荷籠の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】二輪車等の車体に対する荷籠の改良された取付構造を提供する。【解決手段】荷籠に、車体上のいずれかの取付箇所(パニアステー等の車体上の任意の位置)に着脱可能に取り付けるための取付部21a、21bを設ける。この取付部は、車体に取り付けられた荷籠の左右両側に設ける。このように構成すれば、1種類の荷籠を、車体の左側でも右側でも、どちらにも取り付けることができる。すなわち、左右別々に形状の異なる荷籠を用意する必要がなく、部品点数の削減による製造コスト低減が可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に対する荷籠の取付構造に関する。
二輪車に取り付けるアクセサリ(任意要素)として、後部座席の左右両サイドに取り付けて荷物を収容する荷籠が従来から知られている。そのような荷籠は、一般的にはパニアケースと呼ばれ、特許文献1では左右のサイドトランクとして紹介されている。
このような荷籠に関して、製造コストの低減が望まれる。
特開2013−212742号公報
そこで、本発明の目的は、製造コストを低減できる荷籠の取付構造を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明により、荷籠が車体の左右両側にそれぞれ取り付けられる荷籠取付構造が提供される。荷籠には、車体に着脱可能に取り付けるための「取付部」が形成される。この「取付部」は、荷籠が車体に取り付けられた状態で左右両側にそれぞれ設けられている。
車体に取り付けられた荷籠の左右両側に「取付部」を設けているので、同一形状の一種類の荷籠を、車体の左側でも右側でも、どちらにも取り付けることができる。すなわち、左右別々に異なる形状の荷籠を用意する必要がなく、部品点数の削減による製造コスト低減が可能となる。
また、本発明により、荷籠と、当該荷籠の固定とは異なる機能を有する部材(例えば、同乗者が握るタンデムグリップ)とが、車体上に設けた取付箇所を共用して当該車体に取り付けられている荷籠取付構造が提供される。
このような荷籠取付構造によれば、部品共通化によって部品点数を削減し、コストダウンを図ることができる。
本発明の一実施形態に係る荷籠取付構造が適用される自動二輪車を説明する図。 図1の自動二輪車を真上から見た図。 図1、2で使用されているパニアケース(荷籠)を説明する図。 図3のパニアケースに取付ブラケットを連結した状態を説明する図。 図3のパニアケースへの取付ブラケットの連結態様を説明する図。 取付ブラケットを介してパニアケースを車体に取り付ける例を説明する図。 パニアケースの防水性を高める実施形態を説明する図。 パニアケースの防水性を高める実施形態を説明する図。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。図1および図2は、本発明の一実施形態に係る荷籠取付構造が適用された自動二輪車を簡略化して示している。パニアケースは、荷籠であって、荷物を収容するためのケースである。パニアケースは、車両走行に要求される機能を備えた車載部品ではないことから、取り付けられない状態での走行が可能である。例えば、パニアケースは、車体に対して着脱可能に形成されて、車体製造後に運転者の好みに応じて後付けされたり、取り外されたりする。
本実施形態では、車体の左右両側にパニアケース(荷籠)10が着脱可能に取り付けられている。アクセサリとしてのパニアケース10は、状況に応じて取付/取外を行うものである。
本実施形態では、本発明の荷籠取付構造は、自動二輪車に対して適用される。図1に示したように、自動二輪車の車体骨格を構成するフレームは、燃料タンク(不図示)やエンジンを支持するメインフレーム部と、メインフレーム部から後方に延在し運転者シートを支持するシート支持部と、シート支持部から後方に延在し同乗者シート等を支持するフレーム延長部と、で構成される。
メインフレーム部の前部にはヘッドパイプが配置されていて、操舵ハンドルを回転自在に保持している。操舵ハンドルの操舵角と連動して動くフロントフォークが前輪を両側から支持しており、当該フロントフォーク内にはスプリング等で構成されるフロントサスペンション(図示せず)が内蔵されていて、前輪が路面から受ける衝撃を吸収する。
メインフレーム部の後部にはスイングアームが配置されていて、後輪は、このスイングアームの先端に保持されている。スイングアームとフレーム延長部とを連結するように配置されたリアサスペンションによって、後輪が路面から受ける衝撃が吸収される。
メインフレーム部に保持された駆動源であるエンジンからの出力は、変速機(図示せず)およびチェーンを介して後輪に伝達され、推進力を地面に伝えて車体を前進させる。自動二輪車は、運転者が車体に跨って脚で車体を挟む鞍乗型車両であって、このような車両に対して、本発明の荷籠取付構造を好適に適用することができる。
フレーム延長部は、同乗者シートを支持する部分からさらに後方に延在して、積載物支持用のプレート部材70を支持している。フレーム構造は、本実施形態では、外殻意匠部材であるカウルで覆われる。
パニアケース10の前端は、運転者シートの前端よりも後方に位置している。また、同乗者シート面と同じか、またはそれよりも下方位置にパニアケース上面が配置されているので、同乗者を乗せた状態でも、パニアケース10と同乗者との干渉を防ぐことができる。
図3は、図2中のパニアケース10のみを単独で示しており、図3(a)は開閉蓋30が閉じた状態を、図3(b)は開閉蓋30が開いた状態を、それぞれ示している。
図3(a)に示しているように、パニアケース10は、車体に取り付けられた状態で車体の前後方向Xに沿う方向の寸法となる縦寸法X1が、車体の左右方向Yに沿う方向の寸法となる横寸法Y1よりも大きく形成される。すなわち、パニアケース10は、真上から見た時に、前後方向Xに沿って延びる長辺と、左右方向Yに沿って延びる短辺とを含んで長方形状に構成されている。
以後、車体にパニアケースが取り付けられた状態における前後方向を、単に前後方向と称する。また、車体にパニアケースが取り付けられた状態における左右方向を、単に左右方向と称する。
パニアケース10は、荷物を収容する収容空間が形成される荷籠本体20と、荷籠本体20を上方から覆う開閉蓋30と、開閉蓋によって荷籠本体を施錠する施錠部32とを含んで構成される。荷籠本体20は、底壁L(図4a参照)と、底壁Lの縁部から上方に延びる周壁(F、R、S1、S2)とを含んでおり、上方に開放された開口が形成されている。本実施形態では、底壁Lは四角板状に形成され、周壁は、四角筒状に形成されていて、前方を向く前壁Fと、後方を向く後壁Rと、左右一対の側壁S1、S2とを有する。これらによって、荷籠本体20は、直方体状の収容空間を有している。
開閉蓋30は、荷籠本体20上縁部よりも大きい形状に形成される。これによって閉状態において、上面視で荷籠本体20の上縁部が隠される(図2参照)。また、開閉蓋30の下端部は、閉状態において、荷籠本体20の周壁上端部よりも下方に位置しており、その結果、開閉蓋30と荷籠本体20の周壁(F、R、S1、S2)とが鉛直方向において互いに重なる部分が形成される。これによって、開閉蓋30と荷籠本体20の周壁との間に、収容空間と外部空間とを連通する隙間が形成されるのを防いでいる。つまり、周壁(F、R、S1、S2)は、開閉蓋30を閉じた時にその内周側に係合して、雨水の侵入を防止する他、こじ開け防止(盗難防止)の機能も果たす。
図3(b)等に示しているように、パニアケース10は、紐部材25を含んでいる。紐部材25は、変形可能な材料で構成されていて、その一端を荷籠本体20の内壁に固定され、他端を開閉蓋30の内壁に固定されている。この紐部材25は、開閉蓋30の開き具合が過剰になることを阻止する機能を有している。具体的には、紐部材25によって、荷籠本体20と開閉蓋30とが、所定間隔以上離れてしまうことが防がれる。
図4(a)に示しているように、パニアケース10の外形は、前後方向に延びてパニアケースの左右方向中心を通過する仮想縦中心面Aに関して対称である。その結果、次のような効果が得られる。
二輪車の左右両側にパニアケース10を同時に取り付けた場合を想定する。各パニアケース10の外形が仮想縦中心面Aに関して対称であるので、車体の左右方向一方からパニアケースを見た印象と、車体の左右方向他方からパニアケースを見た印象とを同じにすることができ、外観を統一して美観を向上することができる。
図4(a)に示しているように、パニアケース10の外形は、左右方向に延びてパニアケースの前後方向中心を通過する仮想横中心面Bに関しては非対称である。つまり、施錠部32の一部が後壁Rから露出したり、回動連結部31が形成されていることで、パニアケース外観が、仮想横中心面Bに関して非対称となる。
二輪車の左右両側にパニアケース10を同時に取り付けた場合を想定する。左右のパニアケースが前後方向に同じ向き(姿勢)で車体に取り付けられるべきものである場合にも拘わらず、互いに反対向きに取り付けられたとする。その場合、パニアケース10が仮想横中心面Bに関して非対称であれば、対称である場合と比較して、装着された2つのパニアケースの向きが異なっていることを視覚的に認識し易くなる。
すなわち、仮想横中心面Bに関して非対称に構成することで、パニアケース10が、二輪車の前後方向に決められた向き(姿勢)で組み付けられていることを直感的に示すことができる。すなわち、誤組(誤った向きで組み付けられること)の防止効果に優れる。
開閉蓋30は、荷籠本体20の開口を開く開状態と、荷籠本体20の開口を閉じる閉状態とを切り替え可能に構成される。開閉蓋30は、回動連結部31(図1参照)によって荷籠本体20に連結されていて、荷籠本体20に対して相対変位することで、開閉状態が切り替えられる。回動連結部31は、荷籠本体20の長方形筒状の周壁のいずれかの部分に配置されていればよい。本実施形態では、回動連結部31は、前壁Fに形成されている。
図4(a)に示したように、荷籠本体の前壁Fの上端付近にヒンジ軸部31aが不動に固定されており、一方、このヒンジ軸部31aに回動支持されるスリーブ状部材(図示せず)が開閉蓋30に形成されている。これらヒンジ軸部とスリーブ状部材が相対回動可能に連結されることで、開閉蓋30は、荷籠本体20に対してヒンジ軸線回りに角変位が可能となる。
開閉蓋30が回動する際の回動軸(図示の実施形態では、ヒンジ軸部31a)は、車体の左右方向に延びている。回動連結部31が車体前方側に位置する場合、ユーザーは車体の後方側から左右のパニアケース10を立ち位置を変えずに開閉蓋30を上下させることができ、ユーザーの使用時における作業性が向上する。
また、回動連結部31が車体前方側に位置している。ユーザーが開閉蓋30をキッチリと閉じなかった場合や、閉じ忘れた場合を想定する。その場合、回動軸が車両の進行方向側に存在するので、走行風圧を受けても、走行中に開閉蓋30が不用意に開き難くなる。
施錠部32は、開閉蓋30が閉じられた状態から開閉蓋が開放方向へ移動することを阻止する阻止部材32aと、阻止部材を開閉操作する係止操作部32bとを含む。係止操作部32bが操作されることで、阻止部材32aの係止状態と非係止状態とが切り替わる。係止状態では、阻止部材32aは、開閉蓋30側に固定された係止金具32cと係合する。
本実施形態では、キー孔に挿入されたキーが回されることで係止操作が実施される。本実施形態では、施錠部32が後方側に配置されているので、走行時に雨水や泥などが施錠部32(のキー孔)に進入することを防ぐことができる。
また、後方側に施錠部32が配置されている。これによって、車体後方からパニアケース10上の施錠部32へ近づき易いので、解錠操作が行い易い。さらに、パニアケース10が車体の左右両側に取り付けられた場合に、施錠部32がパニアケース10上で車体前方側に位置している場合と比べて、ユーザーは立ち位置をほとんど変えずに、両方のパニアケースの施錠部32を連続して操作し易くなる。
図3(b)に示したように、荷籠本体20の両側壁S1、S2の上部には、収納空間の外側へと突出するプレート部Pが形成されている。プレート部Pは、側壁S1、S2上の凹んだ領域の全幅に渡って前後方向に延在している。各プレート部Pには、前後方向に間隔を置いて2つの取付開口21aが、プレート部Pの厚み方向に貫通して形成されている。
また、図4(a)に示したように、荷籠本体20の底壁Lには、仮想縦中心面Aの両側にそれぞれ2つ(合計4つ)の取付開口21bが、底壁Lの厚み方向に貫通して形成されている。
上下の取付開口21a、21bは、パニアケース10を二輪車上に予め構成されている任意の取付箇所(本実施形態では、図1中で拡大図示した固定ナット部11)に着脱可能に取り付けるための「取付部」として機能する。本実施形態では、上下の「取付部(取付開口21a、21b)」にボルト部材29を通して取付ブラケット40を固定し、この取付ブラケット40を介して、当該取付部が車体に連結される。
図4(a)で仮想縦中心面Aよりも左側の領域に関して、上方の「取付部(取付開口21a)」が2つ存在し、両者は互いに前後方向に間隔をあけて配置されている。一方の「取付部」は、荷籠本体の前後方向中央部に対して前方に配置され、他方の「取付部」は、荷籠本体の前後方向中央部に対して後方に配置される。前後方向中央部と一方の「取付部」との間の距離は、前後方向中央部と他方の「取付部」との間の距離と等しく形成される。
図4(a)で仮想縦中心面Aよりも左側の領域に関して、下方の「取付部(取付開口21b)」が2つ存在し、両者は互いに前後方向に間隔をあけて配置されている。一方の「取付部」は、荷籠本体の前後方向中央部に対して前方に配置され、他方の「取付部」は、荷籠本体の前後方向中央部に対して後方に配置される。前後方向中央部と一方の「取付部」との間の距離は、前後方向中央部と他方の「取付部」との間の距離と等しく形成される。
図4(a)で仮想縦中心面Aよりも右側の領域に関しても、上記と同様に、上下に2つづつ「取付部(取付開口21a、21b)」が存在する。以上のような「取付部」をそれぞれ、パニアケース10の左右両側に形成しているので、同一形状の一種類の荷籠を、車体の左側でも右側でも、どちらにも取り付けることができる。すなわち、左右別々に異なる形状のパニアケースを用意する必要がなく、部品点数の削減による製造コスト低減が可能となる。
具体的には、左右の荷籠本体20を構成する部品点数が減る、荷籠本体20を製造するための金型は1セット用意すれば足りる、といった要因でコストが低減できる。また、金型は1セット用意すれば足りるので、左右の金型の出来具合に起因する左右不均一といった不都合が生じることもない。
上下の取付開口21a、21b(取付部)の上面側領域は、開閉蓋30が閉じられた場合には、パニアケース10の内側に隠れて、外側からこれにアクセスすることはできない。開閉蓋30が開いた時にだけ、上方から取付開口21a、21bへのアクセスが可能となる。
本実施形態では、取付開口21a、21bに通したボルト部材29によってパニアケース10は車体に(取付ブラケット40を介して)取り付けられるが、開閉蓋30を施錠部32でロックした状態では、外部からボルト部材29の頭部(すなわち、取付部に対して荷籠取り外しのために操作される操作部)にアクセスすることが不可能となる。これにより、盗難に代表される不所望なパニアケース10の車体からの取外しを防止することができる。
さらには、パニアケース10の両側に取付開口21a、21b(取付部)を配置しているので片側サイドの取付開口は使用されないこととなるが、当該使用されない取付開口が外部に露出するのを防止して、美観を高めるとともに、損傷等のダメージから保護することもできる。
特に本実施形態では、取付開口21a、21bの上面側領域および固定されたボルト部材頭部が上方から開閉蓋30に隠れて外部から視認されることがないので、美観の低下を招かないという利点もある。なお、取付開口21a、21bの下面側領域は、もともと外部からは殆ど見えない。
また、開閉蓋30の裏面側において、ボルト部材29の頭部(図4a参照)が収容されるボルト頭部収容空間を設けるようにしてもよい。これによって、ボルト頭部と開閉蓋30との干渉を防ぐことができる。
本実施形態では、取付ブラケット40を介してパニアケース10が車体に取り付けられる。図4は、取付ブラケット40を荷籠本体20に取り付けた状態を示している。また、図5は、取付ブラケット40を実線で示すとともに、荷籠本体20の概略形状を一点鎖線で示し、さらに荷籠本体20の底壁Lおよびプレート部Pを部分的に図示している。
取付ブラケット40は、金属材料を用いて一体物として構成されている。取付ブラケット40は、荷籠本体20の底壁Lを下方側から支持する下方支持部41と、荷籠本体20の上側のプレート部Pを下方側から支持する上方支持部42と、これら両支持部を連結して上下に延びる接続部43と、を含む。さらに、上方支持部42に沿って水平方向に棒状部材44が一体的に設けられていて、その両端に一体に設けたプレート部材X、Yに貫通孔45、46が形成されている。
下方支持部41および上方支持部42は、それぞれ90°屈曲する板状に構成されており、互いに対向する領域に、上下方向の貫通孔41a、42aが形成されている。
取付ブラケット40とパニアケース10とを連結する場合、荷籠本体20側のプレート部Pを上方支持部42の上に重ねるとともに、底壁Lを下方支持部41の上に重ねる。そして、ボルト部材29を取付開口21aおよび貫通孔42aに挿通する。貫通孔42aの下方側には、ナット部42bが一体成形されていて、そこにボルト部材29が締結され、これによって、上側の「取付部」である取付開口21aに、取付ブラケット40の上方支持部42が固定される。
同様に、ボルト部材29を取付開口21bおよび貫通孔41aに挿通する。貫通孔41aの下方側には、ナット部41bが一体成形されていて、そこにボルト部材29が締結され、これによって、下側の「取付部」である取付開口21bに、取付ブラケット40の下方支持部41が固定される。
図5に示しているように、取付ブラケット40の下方支持部41と連結される底壁L上の領域L’は、その周囲の部分に比べて上方に盛り上がる形状とされている。これによって、取付ブラケット40とパニアケース10とを一体化して車体から取り外した場合であっても、下方支持部41がパニアケース10の底面から下方に突出する量を減じることができる。これによって、パニアケース10を安定して地面に置き易くなる。
本実施形態では、挿通されたボルト部材29が鉛直軸回りに回転されナット部41b、42bに締結されることで、当該ボルト部材の頭部と上方支持部42とでプレート部Pを狭持固定したり、これを緩めて取り外すことができる。あるいは、当該ボルト部材の頭部と下方支持部41とで底壁L’を狭持固定したり、これを緩めて取り外すことができる。
なお、図示はしていないが、ボルト部材29は、弾性部材を介在させて、荷籠本体20と取付ブラケット40を連結していることが好ましく、それによって、路面やエンジンからの振動を低減したり、振動あるいは過度な締付けに起因する割れを防止するといった効果が得られる。
図4から良く分かるように、荷籠本体20の周壁は、前後方向中央部の左右方向寸法が、前後方向両端部の寸法よりも小さい形状に形成されている。すなわち前後方向中央部が内側に凹んだ形状に形成され、凹んだ部分は、取付ブラケット40の棒状の接続部43が配置されるスペースとして機能する(図4b参照)。これによって、パニアケース10全体を車体になるべく近づけることができる。また、当該凹んだ部分に接続部43が隠されることで取付ブラケット40が原因で美観が低下するのを抑えることができる。
さらに、このような凹んだ形状であるが故に、周壁全体が平坦面の場合と比べて、パニアケース10の強度を高めることができる。
プレート部Pおよび底壁L’上で、ボルト部材29の頭部が位置する取付開口21a、21bの周縁の部位は、そのさらに外側周辺部位と比べて上方へ膨らんだ形状、あるいは下方に凹んだ形状とすることも可能である(図示せず)。
膨らんだ形状とする場合には、ボルト部材を締結操作する時に、周囲部分と工具との干渉を防ぐことができ、取付ブラケット40の着脱操作が容易となる。凹んだ形状とする場合には、ボルト頭部の周囲部分に対する上方への突出量を減らすことができ、収容物とボルト頭部との干渉を抑えることができる。
図6の場合のように、パニアケース10が車体の左側に取り付けられる場合、図4(a)中右側の側壁に設けた「上側の取付部(取付開口21a)」および底壁L上で右側寄りに設けた「下側の取付部(取付開口21b)」を用いて、荷籠本体20が車体に連結される。その際、反対側(図4a中、左側)に存在する上下の「取付部」は、車体への取付けに寄与しない。
図4の場合のように、パニアケース10が車体の右側(上記とは反対側)に取り付けられる場合には、左側の側壁に設けた「上側の取付部」および底壁L上で左寄りに設けた「下側の取付部」を用いて、荷籠本体20が車体に連結される。その際、図4a中、右側)に存在する上下の「取付部」は、車体への取付けに寄与しない。
このように左右に個別に「取付部」が設けられることで、パニアケース10の向きを不変としたまま、車体の左右両側にパニアケース10をそれぞれ取り付けることができる。言い換えると、車体の左右一方に取り付けられたパニアケースを車体の他方側に取り付ける場合でも、パニアケースを車体に対して左右に平行移動すればよい。
上側の「取付部」に対して締結操作を行う締結部材(本実施形態では、ボルト部材29)は、開閉蓋30が閉まった状態では、当該開閉蓋30で上方から覆われて、外部への露出が防がれる。一方、下側の「取付部」に対して締結操作を行う締結部材(本実施形態では、ボルト部材29)は、開閉蓋30が閉まった状態では、荷籠本体20の収容空間内に配置される。
以上のように、開閉蓋30が閉じた状態において、取付部(取付開口21a、21b)自体の一部が外部に露出したとしても、締結部材(ボルト部材29)の外部への露出が防がれることが好ましく、それによって、締結部材(ボルト部材29)を外そうとする行為(盗難等)を防止することができる。
フレーム延長部には、パニアケース10を車体に連結するための固定部が形成される。固定部は、車体の左右両側にそれぞれ形成される。左右の各固定部は、車体前後方向に離れた複数の固定部分を含んでいる。本実施形態では、図1に示すように、フレーム延長部には固定ナット部11が接続固定されていて、固定ナット部11に形成されたネジ孔11aを利用して、取付ブラケット40およびタンデムグリップ90が共通のボルト部材で共締めされる。
図1から分かるように、パニアケース10と車体(フレーム延長部)を連結する固定ナット部11が、側面視でパニアケース10に重なる位置に配置されている。すなわち、固定ナット部11に係合されたボルト部材103、104(図6参照)も、パニアケース10と対向する位置に配置されることとなる。その結果、左右方向外側からボルト部材に工具を近づけ難くなり、盗難防止性を向上させることができる。
固定ナット部材11は一種の接続構造であって、そこには、(i)パニアケース10と、(ii)それ以外の車体装備品や付属部品などの外部部品(例えば、タンデムグリップ)と、を接続することができる。すなわち、パニアケース10とそれ以外の外部部品とを、当該接続構造を共用する形で取り付けることができる。
カウルに形成された貫通孔を通して、ネジ孔11aの開口が車体側方に露出する。本実施形態では、ネジ孔11aは、車幅方向に軸線が延びて車幅外側にされている。カウルは、ネジ孔に対向する部分を除く領域に形成される。
取付ブラケット40とパニアケース10を連結固定した後、図6に示すように、取付ブラケット40を車体に取り付けることで、パニアケース10を車体に取り付けることができる(なお、図6では、開閉蓋30の図示は省略している)。
図6では隠れて見えないが、図1に部分的に拡大して示したように、内部に設けたフレーム延長部に固定ナット部11が形成されている。そして、この固定ナット部11を共用して、タンデムグリップ90と取付ブラケット40とが共通のボルト部材103、104で共締め固定される。すなわち、ボルト部材103は、取付ブラケット40のプレート部材Xに形成した貫通孔45およびタンデムグリップ90に形成した貫通孔93を通過して、固定ナット部11に締結される。同様に、ボルト部材104は、取付ブラケット40のプレート部材Yに形成した貫通孔46およびタンデムグリップ90に形成した貫通孔94を通過して、固定ナット部11に締結される。
下方支持部41および上方支持部42が一体的に連結された取付ブラケット40を介して、パニアケース10を車体に連結するので、上方に設けた棒状部材44を車体から分離するだけで、パニアケース10を(取付ブラケット40を装着した状態で)車体から取り外すことができる。
取付ブラケット40は、荷籠本体20よりも剛性の高い材料で形成される。例えば、荷籠本体20が樹脂材料によって形成され、取付ブラケット40は金属材料によって形成される。また、取付ブラケット40は、下方支持部41によって、パニアケース10を底壁下側から支持しているので、パニアケース10の積載可能質量を高めることができる。
図6に示したように、取付ブラケット40を介してパニアケース10を車体に取り付ける場合、取付ブラケット40上のプレート部材X、Yに設けた貫通孔45、46にボルト部材103、105を通して、車体上の固定ナット部11(図1参照)にパニアケース10を連結する。この場合、真上から見た図2から良く分かるように、取付ブラケット40は、車体とパニアケース10とによって挟み込まれるように配置されることとなる。すなわち、パニアケース10は、取付ブラケット40と車体との連結箇所(固定ナット部11)に対向して位置している。
したがって、取付ブラケット40の周辺空間を狭くする効果があり、また、取付ブラケット40自体が外部から視認し難くなるので、取付ブラケット40へのアクセスが困難となり、盗難防止効果を高めることができる。
特に、プレート部材Xに挿通されるボルト部材103に関して言うと、当該ボルト部材の長さが、車体とパニアケース10との間の隙間幅よりも長くなっているので、パニアケース10が取り付けられた状態において、物理的にボルト部材103が抜けない構造となっており、これによっても盗難防止効果が高められている。プレート部材Yについても、取付ブラケット40の形状やボルト部材104の長さを適宜変更すれば、同じ盗難防止効果を得ることができる。
パニアケースを固定すること以外の機能を有する部材(例えば、同乗者が掴むタンデムグリップ)を使用する場合、「車体に形成される当該タンデムグリップを車体に取り付ける構造」と「パニアケース10を車体に取り付ける構造」を共用化することで、部品点数を削減(コストダウン)したり、任意装備であるパニアケース10が車体に装着されない場合の二輪車の美観を向上させることができる。以下に、具体的に説明する。
前述した通り、図4〜6では、パニアケース10に取付ブラケット40を連結し、この取付ブラケット40を介して、パニアケース10を車体に取り付けている。図6は、その場合の左側のパニアケース10について、車体への取付構造を説明する部分拡大斜視図である。なお、図示を明確にするため、開閉蓋30は省略して描いている。この例では、タンデムグリップは、車体の両側に配置された右グリップ部80および左グリップ部90で構成されている。
左グリップ部90は、複数のパイプ状部材で構成されていて、2つの貫通孔93、94を有しており、ここに通したボルト部材103、104で車体に取り付けられる構成である。一方、上述したように、取付ブラケット40のプレート部材X、Yには、それぞれ貫通孔45、46が形成されている。
そして、貫通孔45と貫通孔93に1本の共通のボルト部材103が通され、同様に、貫通孔45と貫通孔94に1本の共通のボルト部材104が通されている。このように、タンデムグリップ側の貫通孔と、取付ブラケット側の貫通孔とに共通して通される1本のボルト部材(その他の連結部材)を「共締部材」と呼ぶ。
本実施形態では、左グリップ部90に対して2本の「共締部材」が使用されていることとなる。「共締部材」の本数は、本発明において特に限定されるものではない。(右グリップ部80に対しても同じ)
このような「共締部材」を採用することによって、次のような効果が得られる。すなわち、パニアケース10を車体に取り付けるためだけの専用の取付構造部を車体側に設ける必要がなくなる。
また、パニアケース10は、任意装備であって、これを車体から取り外してしまうこともある。その場合、仮にパニアケース専用の取付構造部が車体側に存在すると、使用されていないネジ孔等が外部に露出し車体の美観を損ねてしまう。本実施形態の「共締部材」を採用すれば、パニアケース10を取り外してしまった後では、当該「共締部材」によって、タンデムグリップが車体に取り付けられるので、使用されないネジ孔等が外部に露出することが防がれる(美観を損ねることがない)。
仮にタンデムグリップも取り外された場合でも、上のような共締め構造を採用しない場合と比較すると、カウルに形成する開口を減らせる分だけ美観が向上する。
さらに、元々タンデムグリップを固定するボルト部材を使用してパニアケース10も固定するので、後からパニアケースを買い足した場合でも、追加のボルト部材を別途購入する必要はなく、ユーザーは出費を抑えることができる(コスト低減)。
図2は、車体の左右両側にパニアケース10が取り付けられた状態を真上から示している。図2に示したように、タンデムグリップは、車体の両側に配置された右グリップ部80と左グリップ部90とで構成されている。右グリップ部80および左グリップ部90は、車体後方に行くほどに接近するように配置されていて、後方のプレート部材70において連結されている。
タンデムグリップの右グリップ部80と左グリップ部90が車体後方に行くほどに接近するように配置されている場合、図2に示しているように、車体の両サイドに取り付けられる各パニアケース10も、両グリップ部80、90に沿って、車体後方に行くほどに接近するように傾斜させることが好ましい。図2では、車体両側のパニアケース10について、その仮想縦中心面Aを示しているが(図4a参照)、車体後方にいく程に両者が接近していることが分かる。
このように構成すると、両サイドのパニアケース10を含めた車体後方に向かう車体シルエットをスリムに保って、外観を向上させることができる。さらには、パニアケース10の側壁S1、S2(図3b参照)が両グリップ部80、90に対してほぼ均等な間隔を保って取り付けられるので、同乗者がタンデムグリップを握り易くなる。
図1に示したように、パニアケース10を車体に対して傾斜して取り付ける構成について説明する。パニアケース10は、荷籠本体20と、荷籠本体に回動連結部31において回動可能に連結された開閉蓋30と、開閉蓋30をロックする施錠部32とを備える。
図1の例では、パニアケース10は、二輪車の車体に対して前方側が低く、後方側が高くなるように傾斜しており、回動連結部31が低い前方側に位置し、施錠部32が高い後方側に設けられている。このような構成によって、次のような効果が得られる。
すなわち、回動連結部31の位置が低いので開閉蓋30が重力で不用意に勢いよく閉まることを(回動連結部31が高い位置にある場合と比べて)抑止でき、安全性を高めることができる。さらに、施錠部32の位置が高いので、ここにアクセスし易く、作業性が高まる。
このような効果は、パニアケース10が図1とは逆方向に傾斜している場合でも、回動連結部31を低く、施錠部32を高く構成することで、同様に実現することができる。
また、図1において一点鎖線で示しているように、開閉蓋30は、取付状態で開いた場合には、鉛直線に対して、荷籠本体20から離れる方向に傾斜するよう構成されていることが(必須ではないが)好ましい。そのような構成によって、開閉蓋30が自重によって閉じることを抑止することができ、開いた状態を維持し易い。
<他の実施形態>
本実施形態では、「取付部」としてパニアケース10に取付開口21a、21bを形成していた。本発明の他の実施形態において、このような「取付部」としては、ボルト部材が通される開口に限られず、何らかの係合を利用して車体側に取り付けるための構造部であれば、任意のものを採用可能である。例えば、スナップフィット構造を採用する場合にパニアケース側に設けられる構造部や、パニアケースに一体成形した雄ネジをもって「取付部」としてもよい。また、フレーム延長部に形成した固定ナット部11に限らず、パニアケース10は、車体側のいずれかの箇所に対して連結されるものであればよい。
本実施形態では、パニアケース10は、取付ブラケット40を介して車体に取り付けられている。本発明の他の実施形態において、「取付部」がボルト部材やその他の係合構造によって車体に直接取り付けられ、それにより、パニアケース10が車体に取り付けられる構造でもよい。
ただし、取付ブラケット40を介在させることで、次のような効果が得られる。すなわち、複数種類の車体に対して、各車体用に専用の取付ブラケットを用意しておけば、1つのパニアケース10を当該複数種類の車体に対して汎用的に使用することが可能となる。
本実施形態では、パニアケース10の外形を、仮想横中心面Bに関して非対称に構成して誤組を防止していた。本発明の他の実施形態において、例えば、パニアケース10のプレート部Pに隣接して形成した2個の取付開口21aに関して(図3b参照)、その径寸法を互いに異ならせる。このような構成によっても、(例えば、相対的に大径の取付開口21aが車体前方側で、小径の取付開口21bが車体後方側であることを表示しておくことで)、1つのパニアケース10が左右いずれの側に取り付けられた場合であっても、二輪車の前後方向に決められた向き(姿勢)で間違い無く組み付けられることを確実とし、それによって誤組を防止する効果が得られる。
さらに、2個の隣接する取付開口21aの形状を異ならせることや、両開口に挿通されるボルト部材29の径寸法およびネジ山ピッチの少なくとも一方を互いにに異ならせることによっても、同様に誤組防止効果を得ることができる。
本実施形態では、二輪車に着脱可能なタンデムグリップ80、90を利用して、パニアケース10に取り付けた取付ブラケット40と当該タンデムグリップ80、90とに設けた各貫通孔に1本の「共締部材」を通している。しかし、タンデムグリップ以外の付属部材(例えば、アクセサリ用の荷台、乗員用の背もたれ、トップケース固定用のステー、その他)を利用した場合でも、同様の共締構造を実現することができる。
任意装備であるパニアケースは、それを取り外した状態で二輪車を使用することもある。その場合に、使用されないネジ孔等が不自然に露出するのを避けることができる。これによって、車体の美観を常に良好に保つことができる。
本発明の他の実施形態において、開閉蓋30は、必ずしも回動可能に荷籠本体20に連結されたものでなくてもよい(例えば、着脱可能に、スライド可能に、その他)。また、施錠部32としては、例えばダイヤルロック等、何らかの形式でロックを行うものであればよい。さらに「施錠部」は、施錠(ロック)とまでは言えなくても、一時的に開閉蓋30が開かない程度に留める等、何らかの係止操作を行う部分も包含する意味である。それは、例えばボタンのような操作部であってもよい。
パニアケース10の内部収容空間の壁面構成等については、対称である必要はなく、適宜自由に設計することが可能である。回動連結部31としては、荷籠本体20と開閉蓋30とを相対的に回動可能に連結するものであれば、適宜自由に選択することが可能である。本発明の荷籠取付構造は、二輪車以外の鞍乗型車両、例えば四輪バギー、水上バイク、雪上バイク等に対しても、本発明の荷籠取付構造を同様に適用できる。
<追加の実施形態>
次に、図7、8を参照して、パニアケース(荷籠)10の防水性を高める構成について説明する。図7は、図4(b)中の荷籠本体20のコーナ部を拡大して示している。
荷籠本体20は、有底箱状に形成される荷籠基部22と、荷籠基部22の上部開口の周囲に形成されるフランジ部50とを備える。フランジ部50は、荷籠基部22の上部開口に連なり、当該開口に対して径方向外側に突出している。言い換えると、フランジ部50は、荷籠基部22の外周面に対して、開口中心に対する外側方向に突出している。本実施形態のフランジ部50は、荷籠基部22の上部開口の全周に渡って形成され、当該開口に沿って枠状に延在している。荷籠基部22は、四角箱状に形成されており、フランジ部50は、荷籠基部22の各辺に沿って延在している。
図8(a)は、図7中のb−b断面を、開閉蓋30が閉じられた状態で、概略的に示している。図8(a)に示すように、フランジ部50は、荷籠の周方向と垂直な断面がL字形状に形成されている。具体的には、フランジ部50は、荷籠基部22から径方向に外側に突出する突出部分50aと、突出部分の外側端部に連なって下方に延びる折返部分50bと、を有する。このように荷籠基部22を一周するフランジ部50が形成されることで、上部開口における荷籠の剛性を高めることができる。
また荷籠本体20には、荷籠基部22の上部から上方に突出する立設部55が形成される。立設部55は、フランジ部50の突出部分50aの根元付近からから上方に突出する。立設部55は、フランジ部50と同様に、荷籠基部22の上部開口の全周に渡って形成されている。これによって、荷籠の剛性をさらに高めることができる。本実施形態では、立設部55の厚み方向寸法は、荷籠基部22の厚み方向寸法に比べて大きく形成される。
突出部分50aには、上下方向に貫通する水抜き孔51が形成されている。水抜き孔51は、フランジ部50の突出部分50a上で、荷籠基部22および立設部55よりも外側で折返部分50bよりも内側位置に形成されている。水抜き孔51は、荷籠基部22の各辺に沿って、荷籠周方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、各水抜き孔51は、荷籠周方向に延びる長孔形状に形成される。突出部分50aのうちで、隣接する2つの水抜き孔51間に位置する部分は、折返部分50bを荷籠基部22に連結するための連結部分として機能する。
図8(a)に示すように、開閉蓋30の周縁部には、下方に開放する溝61が形成されていて、この溝61内に後述する防水部材60が配置される。溝61は、周縁部の全周に渡って形成されている。開閉蓋30の周縁部は、当該開閉蓋30が閉位置にあるとき立設部55よりも内側に位置する内側部分30aと、立設部よりも外側に位置する外側部分30bと、内側部分上部と外側部分上部とを連結する連結部分30cと、を有する。連結部分30cは、立設部55の上方で当該立設部55に対向して位置する。
開閉蓋30の周縁部の内側部分30aと外側部分30bとの間の空間(溝61)の幅寸法W1は、立設部55の厚み寸法W2よりも大きく形成される。これにより、開閉蓋30の開閉にあたって、開閉蓋30の周縁部と立設部55との摺動や変形を防いで、円滑な開閉を行うことができる。このように、開閉蓋30の周縁部の溝61の断面形状が略U字状に形成されることで、開閉蓋30の剛性を高めることができる。本実施形態では、開閉蓋30を閉じた状態において、連結部分30cと立壁部55との間の隙間を塞ぐ防水部材60が溝61内に配置されている。
防水部材60は、荷籠本体20および開閉蓋30に比べて可撓性が高い材料によって構成される。開閉蓋30を閉じた状態では、連結部分30cが防水部材60を立設部55に押し付けて防水部材60を変形させることで、立設部55外から立設部55内への水の浸入を防ぐことができる。防水部材60は、外力が与えられていない自然状態において、周縁部に形成される溝61の断面形状(内側部分30aと外側部分30bとの間の幅寸法W1)よりも大きい幅寸法を有することが好ましい。防水部材60が収縮変形された状態で溝61内に収容されることで、防水部材60の復元力によって、当該防水部材60と内側部分30aおよび外側部分30bとの隙間を減らすことができる。
開閉蓋30を閉じた状態において、外側部分30bの下端面Yは、フランジ部の折返部分50bの上面Zに対向する。本実施形態では、外側部分30bの下端面Yが、フランジ部の折返部分の上面Zよりも上方に位置して、それらの間に上下方向の隙間が形成される。また外側部分30bの外面と、フランジ部の折返部分50bの外面とは、大略的に同じ面に沿って延びることが好ましい。あるいは、外側部分30bの外面は、折返部分50bの外面よりも外側に位置してもよい。
またフランジ部の折返部分50bは、その下部50b1が上部50b2に比べて肉厚に形成される。言い換えると、折返部分50bは、突出部分50aに隣接する部分が残余の部分に比べて切除された形状に形成される。これによって、フランジ部50に形成される水抜き孔51を大きくすることができる。
図8(a)に示したように、高圧洗浄時にノズルから勢いよく噴射された高圧の洗浄水は、外側部分30bの下端面Yと、折返部分50bの上面Zとの間から内部に浸入する場合がある。浸入したとしても、水抜き孔51から流れ出ることで、内側部分30aと外側部分30bとの間の空間での圧力上昇を抑えることができる。
図8(b)は、水抜き孔51による効果を説明するため、比較例として、水抜き孔51が存在しない場合の対応する断面図を示している。図8(b)では、高圧洗浄水の逃げ場がなく、内側部分30aと外側部分30bとの間の空間内の圧力がノズル圧に近くなる場合がある。この場合、開閉蓋30による荷籠本体20の押付け圧を高めたりして、防水性を高める他の構造が要求される場合がある。
<図示した実施形態における他の効果>
図示した実施形態では、荷籠が車体に対して左右逆に取り付けられる場合があるので、水抜き孔51も荷籠の左右両側に形成されることが好ましい。これにより、荷籠の剛性を高めつつ、防水効果も向上できる。また、開閉蓋30と荷籠本体20の外面が面一となっているので、高圧洗浄の水が斜め方向から吹き付けられた場合でも、当該洗浄水が浸入し難くなる。
内側部分30aと外側部分30bとの間の内部空間(溝61)は、荷籠の周方向に拡がっている。したがって、高圧洗浄水が周方向にも流れることで、圧力上昇をさらに抑えることができる。また高圧洗浄水が浸入した場合でも、周方向に離散して形成された複数の水抜き孔32も介して高圧洗浄水が排出されるが故に、圧力上昇をさらに抑えることができる。さらに、水抜き孔31は、長孔状に形成されているので、排水性能を向上できる。
フランジ部の折返部分の上面Zと開閉蓋の外側部分の下端面Yとの隙間位置と、立設部55と連結部分30cとの対向位置とが、上下方向に離れて配置されるので、対向位置での圧力上昇をさらに防ぐことができる。さらに隙間位置よりも上方に対向位置が配置されることで、重力の影響によってさらに対向位置での圧力上昇を防ぐことができる。
本実施形態では、図7、8(a)から分かるように、荷籠本体の側壁から横方向に突出するフランジ部50を備えた荷籠を前提として、そのような荷籠のフランジ部50に水抜き孔51を設けている。そして、開閉蓋30は、閉位置にあるときその外側部分30bがフランジ部50の最も外縁側に対向する構成とし、水抜き孔51をそれよりも荷籠内方に位置させている。これにより、荷籠の側方にベルト状に張り出す外観が得られ(図3a参照)、デザイン的にも優れた構成となっている。すなわち、本実施形態によれば、防水性が高く、デザイン性にも優れた荷籠が提供される。
<他の実施形態>
高圧洗浄を予定していない場合には、荷籠から水抜き孔51を省略してもよい。荷籠を車体に取り付けるための取付部が両側に形成されているのであれば、水抜き孔51が存在しなくても、そのような荷籠は本発明に含まれる。
逆に、高圧洗浄が予定されている場合は、荷籠を車体に取り付けるための取付部を左右両側に有していない荷籠であっても、水抜き孔51を備えているのであれば、そのような荷籠は本発明に含まれる。
なお、図4(a)、(b)に示した例では、水抜き孔51は、荷籠本体20の左右側壁中央付近を除いて形成されている。このように、水抜き孔51を設ける場所および数は、任意に設定することができる。荷籠本体20の全周に渡って水抜き孔51を設ける場合に、高い防水性を得ることができる。なお、各水抜き孔51のサイズおよび間隔は、適宜設定することが可能である。
10 パニアケース(荷籠)
11 固定ナット部
11a ネジ孔
20 荷籠本体
21a、21b 取付開口(取付部)
22 荷籠基部
29 ボルト部材
30 開閉蓋
30a 内側部分
30b 外側部分
30c 連結部分
31 回動連結部
32 施錠部
40 取付ブラケット
41 下方支持部
42 上方支持部
41a、42a 貫通孔
41b、42b ナット部
43 接続部
44 棒状部材
45、46 貫通孔
50 フランジ部
50a 突出部分
50b 折返部分
51 水抜き孔
55 立設部
60 防水部材
61 溝
70 プレート部材
80 タンデムグリップ(右グリップ部)
90 タンデムグリップ(左グリップ部)
93、94 貫通孔
103、104 ボルト部材

Claims (14)

  1. 荷籠が車体の左右両側にそれぞれ取り付けられる荷籠取付構造であって、
    荷籠には、車体に着脱可能に取り付けるための取付部が形成され、
    当該取付部は、荷籠が車体に取り付けられた状態で左右両側にそれぞれ設けられている、荷籠取付構造。
  2. 前記荷籠の外形は、荷籠が車体に取り付けられた状態で前後方向に延びる仮想縦中心面に関して対称である、請求項1記載の荷籠取付構造。
  3. 前記荷籠の外形は、荷籠が車体に取り付けられた状態で左右方向に延びる仮想横中心面に関して非対称である、請求項1または2記載の荷籠取付構造。
  4. 前記荷籠は、荷籠本体と、当該荷籠本体に対して回動可能に連結された開閉蓋とを備え、
    当該開閉蓋の回動軸は、荷籠が車体に取り付けられた状態で左右方向に延びている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  5. 前記荷籠は、荷籠本体と、当該荷籠本体を開閉する開閉蓋と、当該開閉蓋を閉状態に係止する施錠部とを備え、
    当該施錠部の施錠の際に操作される係止操作部は、車体に取り付けられた状態で前方側または後方側の端面に位置している、請求項1〜4のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  6. 前記荷籠は、荷籠本体と、当該荷籠本体を開閉する開閉蓋とを備え、
    前記取付部に対して荷籠取り外しのために操作される操作部が、開閉蓋を閉じた状態では当該開閉蓋と荷籠本体とで覆われる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  7. 前記荷籠の取付部は、荷籠を車体に取り付けるための取付ブラケットを介して、車体に取り付けられている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  8. 車体に取り付けられた前記荷籠の車体よりの面は、前記取付ブラケットと車体との連結箇所に対向して位置している、請求項7記載の荷籠取付構造。
  9. 前記荷籠が取り付けられる車体上の取付箇所に対して、荷籠と、当該荷籠の固定とは異なる機能を有する部材とが、当該取付箇所を共用して車体に取り付けられている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  10. 荷籠と、当該荷籠の固定とは異なる機能を有する部材とが、車体上に設けた取付箇所を共用して当該車体に取り付けられている、荷籠取付構造。
  11. 前記荷籠は、荷籠本体と、当該荷籠本体に回動連結部において回動可能に連結された開閉蓋と、当該開閉蓋を閉状態に係止する施錠部とを備え、
    当該荷籠は、二輪車の車体に対して前後方向のうち一方部分が低く、他方部分が高くなるように傾斜して、当該車体に取り付けられており、
    前記回動連結部を前記一方部分に設け、施錠部を前記他方部分に設けている、請求項1〜10記載のいずれか1つに記載の荷籠取付構造。
  12. 車体の側方に取り付けられる荷籠であって、
    車体に着脱可能に取り付けるための取付部を、当該荷籠が車体に取り付けられた状態における左右両側にそれぞれ備えている、荷籠。
  13. 開口を有する荷籠本体と、当該荷籠本体の開口を開閉する開閉蓋とを備える請求項12記載の荷籠であって、
    荷籠本体は開口の周囲にフランジ部を備え、当該フランジ部は、開閉蓋が荷籠本体の開口を閉じる閉位置にあるときに当該開閉蓋の外周縁と対向する領域よりも内側の位置に、水抜き孔を備えている、荷籠。
  14. 開口を有する荷籠本体と、当該荷籠本体の開口を開閉する開閉蓋とを備え、車体に取り付けられる荷籠であって、
    荷籠本体は開口の周囲にフランジ部を備え、当該フランジ部は、開閉蓋が荷籠本体の開口を閉じる閉位置にあるときに当該開閉蓋の外周縁と対向する領域よりも内側の位置に、水抜き孔を備えている、荷籠。
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