JP2017116417A - 光電式ほこりセンサおよび空調機器 - Google Patents

光電式ほこりセンサおよび空調機器 Download PDF

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学 山元
中澤 健
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Tetsuro Ikeda
徹朗 池田
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Abstract

【課題】ほこり検出領域を通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域を通過するほこりに関する物理量を正確に検出できる光電式ほこりセンサを提供する。【解決手段】光電式ほこりセンサ1は、ほこり(D)が通過するほこり検出領域(SA)に光を常時照射する発光部(4)と、発光部(4)からの光がほこり検出領域(SA)を通過するほこり(D)で反射した光を捉える受光部(5)と、受光部(5)からの受光信号に基づいて、ほこり(D)の有無,濃度または粒径の少なくとも1つを検出する信号処理部(20)を備える。信号処理部(20)は、受光部(5)からの受光信号に基づいて、ほこり(D)がほこり検出領域(SA)を通過する時間を計測する時間計測部(26)を有する。【選択図】図2

Description

この発明は、光電式ほこりセンサおよび空調機器に関し、詳しくは、ほこりの有無や濃度や粒径を検出する光電式ほこりセンサおよびそれを使用した空調機器に関する。
科学技術の進展に伴い空気の汚れが問題にされるようになってきている。例えば、たばこの煙、煤塵などの微粒子、微粉末に代表される汚れ粒子、あるいはハウスダストなどの微粒子(本明細書では検出対象としてのダスト類をまとめて単に「ほこり」という。)による空気の汚染状況を検出する光電式ほこりセンサが提案されている(例えば、特開平8−62136号公報(特許文献1)、特開平11−94741号公報(特許文献2)、特開2000−356583号公報(特許文献3)参照)。
このような光電式ほこりセンサは、例えば、動作効率を向上させる等の観点から、空気清浄器や空気清浄機能付きエアーコンディショナ等の空調機器に搭載されることがある。
図9A〜図9Dは、従来の光電式ほこりセンサ501の一例を示す図であって、図9Aは光電式ほこりセンサ501の断面図を示し、図9Bは光電式ほこりセンサ501の正面図を示し、図9Cは光電式ほこりセンサ501の底面図を示し、図9Dは光電式ほこりセンサ501の背面図を示している。なお、図9Aにおいて、符号507は、筐体508の内壁等にて反射した不要光を遮る遮蔽板である。
図9A〜図9Dに示す従来の光電式ほこりセンサ501は、筐体508の表板502にほこり通過孔502aが形成され、筐体508の裏板503にほこり通過孔503aが形成されている。このほこり通過孔503aから裏面側のほこりDを導入して、各ほこり通過孔502a,503a間のほこり通過経路に通し、正面側のほこり通過孔502aから排出するようになっている。
また、光電式ほこりセンサ501は、筐体508に保持された発光部504および受光部505を備えている。発光部504は、発光素子(例えば、発光ダイオード)504a、発光部レンズ541および発光部スリット542を備えている。この光電式ほこりセンサ501は、発光素子504aから出射した照射光Leを発光部レンズ541および発光部スリット542を介してほこり通過経路のほこり検出領域SAへ照射するようになっている。
一方、受光部505は、受光素子(例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタ)505a、受光部レンズ551および受光部スリット552を備えている。この光電式ほこりセンサ501は、ほこり検出領域SAからの反射光Lrを受光部スリット552および受光部レンズ551を介して受光素子505aで受光するようになっている。
発光部504における発光部レンズ541および発光部スリット542は、発光素子504aからの光(ビーム)を絞って、ほこり検出領域SAに効果的に照射するためのものである。
また、受光部505における受光部レンズ551および受光部スリット552は、ほこり検出領域SAからの反射光Lrを絞って受光素子505aに効果的に照射するためのものである。
ここで、ほこり検出領域SAを通るほこりDが少ない或いは無いとみなせる場合は、発光部504からの照射光Leはほこり検出領域SAを通過して遮光エリア506に至るので、受光部505の受光量が極めて低くなる。
一方、ほこり検出領域SAを通るほこりDが多い或いは有るとみなせる場合は、発光部504からの照射光Leの一部がほこり検出領域SAのほこりDにより反射されて受光部505に入射し、受光部505の受光量が上昇する。光電式ほこりセンサ501は、この受光量の変動に伴う受光部505における受光素子505aの受光信号の変動に基づいて、ほこり検出領域SAを通るほこりDの有無を検出し、或いは、受光素子505aの受光信号のレベルに基づいて、ほこり検出領域SAを通るほこりDの総量を検出するようになっている。
次に、従来の光電式ほこりセンサ501の検出動作について説明する。
図10は、従来の光電式ほこりセンサ501の検出部510および制御部520の回路構成の一例を概略的に示す回路ブロック図である。図10に示すように、光電式ほこりセンサ501は、検出部510および制御部520を備えている。検出部510は、発光部504と、受光部505とで構成されている。
発光部504は、上記の構成に加えて、駆動回路504bを備えている。受光部505は、上記の構成に加えて、増幅回路を備えている。この増幅回路は、例えば、受光素子505aと制御部520との間で直列接続された複数の増幅回路G1,〜,Gn(nは2以上の整数)とされ得る。なお、図10において、符号F1,〜,Fn(nは2以上の整数)はハイパスフィルターである。
検出部510では、駆動回路504bからの駆動信号にて駆動した発光素子504aからの照射光(例えば、パルス光)Leをほこり検出領域SAにおけるほこりDに反射させて、ほこりDからの反射光Lrを受光素子505aで捉え、受光素子505aからの受光信号を増幅回路G1,〜,Gnにて増幅した後、制御部520へ送信する。
図11(a),(b)は、ほこり検出領域SAにほこりDが少ない或いは無いとみなせるときと、ほこり検出領域SAにほこりDが多い或いは有るとみなせるときとの光電式ほこりセンサ501の検出状態の時間的変化の一例を説明するための図であって、図11(a)は、制御部520から発光部504への駆動入力波形の時間変化を示す図であり、図11(b)は、受光部505から制御部520への受光信号波形の時間変化を示す図である。なお、図11(a),(b)において、符号Tは駆動入力波形の周期を示し、符号Pwは駆動入力波形の値がゼロでない(即ち、発光素子504aが発光している)期間の幅(例えばパルス幅)を示す。
図11(a),(b)に示すように、光電式ほこりセンサ501では、ほこり検出領域SAにほこりDが少ない或いは無いとみなせるときは(図11(b)の領域α1参照)、受光部505の受光信号のレベルは低くなる。一方、ほこり検出領域SAにほこりDが多い或いは有るとみなせるときは(図11(b)の領域α2参照)、受光部505の受光信号のレベルは大きくなる。そして、ほこりDが多くなればそれに伴い受光信号のレベルは大きくなっていく。
特開平8−62136号公報 特開平11−94741号公報 特開2000−356583号公報
上記従来の光電式ほこりセンサを搭載した空調機器において、光電式ほこりセンサのほこり検出領域SAにほこりを含んだ空気を通過させるには、空調機器の空気の流れをそのまま利用して、ほこりを含んだ空気を通過させることが多い。
空調機器には、ほこりフィルターが搭載されていることが多く、また、光電式ほこりセンサに非常に大きなほこりが通過するのを防止するために、ほこり検出領域SAの前にほこりフィルターを搭載することも多い。
空調機器のほこりフィルターにほこりが堆積すると、空調機器が取り込む空気の量が減ってしまい、空調機器の性能が十分に発揮できなくなるので、ほこりフィルターにほこりが堆積したことを検出することが望ましいが、ほこりが堆積したことを検出するセンサを追加することはコストアップとなる。
また、このほこりフィルターにほこりが堆積すると、空調機器の風量設定を同じ状態にしても、ほこりフィルターを通過する空気の風速が遅くなるため、光電式ほこりセンサのほこり検出領域SAを通過するほこりの量が少なくなる。
さらに、ほこり検出領域SAにほこりを通過させる手段を搭載せずに、周囲の空気の流れを利用するシステムとした場合、ほこり検出領域SAを通過するほこりの量は、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速に大きく依存することになる。
本発明は、そのような実情を鑑みてなされたもので、ほこり検出領域を通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域を通過するほこりに関する物理量を正確に検出できる光電式ほこりセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の光電式ほこりセンサは、
ほこりが通過するほこり検出領域に光を常時照射する発光部と、
上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した光を捉えるか、または、上記発光部からの光を上記ほこり検出領域を介して直接受光し、上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで上記発光部からの光の一部が遮られる受光部と、
上記受光部からの受光信号に基づいて、上記ほこりの有無,濃度または粒径の少なくとも1つを検出する信号処理部と
を備え、
上記信号処理部は、上記受光部からの受光信号に基づいて、上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過する時間を計測する時間計測部を有することを特徴とする。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した光を上記受光部で捉える光電式ほこりセンサであって、
上記信号処理部は、
上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された第1閾値を超えたか否かを判定する第1閾値判定部と、
上記第1閾値判定部が上記受光部からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと判定してから、上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された第2閾値を下回ったか否かを判定する第2閾値判定部と
を有し、
上記時間計測部は、上記受光部からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと上記第1閾値判定部が判定した時点から、上記受光部からの受光信号のレベルが上記第2閾値を下回ったと上記第2閾値判定部が判定した時点までの時間を計測する。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記第2閾値は、上記第1閾値よりも低い値に設定されている。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部は、
上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した反射光を上記受光部で捉える光電式ほこりセンサであって、
上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
上記受光部からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部が判定してから、上記受光部からの受光信号のレベルがピーク値になったか否かを判定するピーク値判定部と
を有し、
上記時間計測部は、上記受光部からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部が判定した時点から、上記受光部からの受光信号のレベルがピーク値になったと上記ピーク値判定部が判定した時点までの時間を計測する。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部は、
上記ほこりが通過する上記ほこり検出領域の通過方向の距離および上記時間計測部により計測された上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過する時間に基づいて、上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過するときの通過速度を演算する通過速度演算部を有する。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部は、
上記時間計測部により計測された上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過する時間と上記受光部からの受光信号の振幅に基づいて、上記ほこりの量を演算するほこり量演算部を有する。
また、この発明の空調機器では、
上記のいずれか1つの光電式ほこりセンサを備えていることを特徴とする。
以上より明らかなように、この発明の光電式ほこりセンサによれば、ほこり検出領域を通過しているほこりの通過速度を観測することが可能になり、そのほこりの通過速度から、ほこり検出領域を通過する空気の風速を観測することができる。
このほこり検出領域を通過する空気の風速に応じて、受光部からの受光信号に基づいて検出されたほこりの有無,濃度または粒径の少なくとも1つを補正することによって、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速に依存せずに、ほこりに関する物理量を正確に検出することができる。
さらに、上記光電式ほこりセンサを備えた空調機器によれば、例えば、ほこりフィルターにほこりが堆積する前の風速を記憶しておいて、同じ空調設定で風速が一定以上遅くなることを検出することで、新たなセンサを追加することなく、光電式ほこりセンサを用いて、ほこりフィルターが目詰まりしたことを検出できるようになる。
図1は本発明の第1実施形態に係る光電式ほこりセンサの概略構造を示す説明図であって、光電式ほこりセンサの内部構造を透視的に示す正面図である。 図2は上記光電式ほこりセンサの検出部および信号処理部の回路構成を概略的に示す回路ブロック図である。 図3は上記光電式ほこりセンサの検出状態の時間的変化を示す図である。 図4はほこり検出領域をほこりが通過した時の上記光電式ほこりセンサの受光信号の一例を説明するための図である。 図5は本発明の第2実施形態における空調機器のブロック図である。 図6は本発明の第3実施形態における光電式ほこりセンサの検出部および制御部の回路構成を概略的に示す回路ブロック図である。 図7は本発明の第4実施形態における光電式ほこりセンサの検出部および受光部の配置を概略的に示す図である。 図8は上記光電式ほこりセンサの検出状態の時間的変化を示す図である。 図9Aは従来の光電式ほこりセンサの一例を示す断面図である。 図9Bは上記光電式ほこりセンサの正面図である。 図9Cは上記光電式ほこりセンサの底面図である。 図9Dは上記光電式ほこりセンサの背面図である。 図10は上記光電式ほこりセンサの検出部および制御部の回路構成の一例を概略的に示す回路ブロック図である。 図11は上記光電式ほこりセンサの検出状態の時間的変化を示す図である。
以下、この発明の光電式ほこりセンサおよび空調機器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電式ほこりセンサ1の概略構造を示す説明図であって、光電式ほこりセンサ1の内部構造を透視的に示す正面図である。
光電式ほこりセンサ1は、周囲の枠体を構成する筐体8と、筐体8の内側で固定された発光部4および受光部5とを備えている。筐体8には、表面側を保護する表板が設けられ、裏面側を保護する裏板が設けられている。この表板には第1通過穴2aが形成され、裏板には第2通過穴2a,3aが形成されている。そして、筐体8は、外部からの気流を表板における第1通過穴2aから導入すると共に裏板における第2通過穴3aから排出して、ほこり通過経路を形成するようになっている。
ほこり通過経路の一部の空間には、発光部4からの照射光Leが常時照射されるほこり検出領域SAが形成されている。また、受光部5は、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDからの反射光Lrを受光し、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDを検出する。
即ち、光電式ほこりセンサ1は、ほこりDが含まれる検出対象としての気流を筐体8内に通過させる第1,第2通過穴2a,3aと、導入した気流を通過させる通過経路と、通過経路に形成されたほこり検出領域SAと、ほこり検出領域SAに照射光Leを常時照射する発光部4と、ほこり検出領域SAに導入された気流に含まれるほこりDからの反射光Lrを受光する受光部5と、発光部4および受光部5を保持する筐体8とを備え、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDを検出するようになっている。筐体8の内側の内壁8wは、通過経路の発光部4側の発光側内壁8w’と、通過経路の受光部5側の受光側内壁8w”とを有している。
発光部4は発光素子4a(例えば、発光ダイオード(LED))を有しており、受光部5は受光素子5a(例えば、フォトダイオード)を有している。詳しくは、発光部4は、発光素子4aに加えて、発光部レンズ41および発光部スリット42を備え、発光素子4aからの光ビーム径を発光部レンズ41および発光部スリット42にて絞って集光することで、最適化した照射光Leをほこり検出領域SAへ照射する構成とされている。また、受光部5は、受光素子5aに加えて、受光部レンズ51および受光部スリット52を備え、ほこり検出領域SAからの反射光Lrを受光部スリット52および受光部レンズ51にて絞って集光することで、最適化して受光素子5aに受光する構成とされている。これにより、ほこり検出領域SAを最適な領域に調整することができる。
発光部4および受光部5の間には、内壁8wから反射する不要光や、発光部4と受光部5との間での直接光の影響を排除し得る位置に遮蔽板7が配設されている。内壁8wは、不要な反射光を吸収しやすいように黒色としている。
図2は、上記第1実施形態に係る光電式ほこりセンサ1の回路構成の一例を概略的に示す回路ブロック図である。
図2に示すように、光電式ほこりセンサ1は、検出部10および信号処理部20を備えている。検出部10は、発光部4および受光部5を備えている。
上記発光部4は、発光素子4aおよびその発光素子4aを駆動する駆動回路4bで構成されている。発光部4は、駆動回路4bにより一定の照射光Leを常時発光するようになっている。
また、受光部5は、受光素子(ここではフォトダイオード)5aと、複数の(ここでは二つの)増幅回路G1,G2とを備えている。受光素子5aは、受光信号(検出したほこり粒径に対応するほこり信号)として信号処理部20のA/D(アナログ/デジタル)コンバーター21へ出力するようになっている。増幅回路G1,G2は、受光素子5aの受光信号(出力信号)を増幅するためのものである。増幅回路G1,G2は、受光素子5aと、信号処理部20(ここでは信号処理部20のA/Dコンバーター21)との間で直列に接続されている。かかる構成を備えた受光部5は、反射光Lrを受光した受光素子5aの受光信号を増幅回路G1,G2で増幅できるようになっている。
即ち、受光素子5aで検出する反射光Lrの信号は極めて小さいことから、複数の増幅回路G1,G2を用いてA/Dコンバーター21での処理が可能なレベルにまで反射光Lrの信号を増幅する。つまり、複数の増幅回路G1,G2によって増幅部を構成し、増幅部は、検出したほこり量に対応する検出信号(ほこり信号)を出力する構成としている。また、増幅部を構成する複数の増幅回路の少なくとも一つ(ここでは増幅回路G1)には、増幅部(ここでは増幅回路G1)の増幅率を調整する増幅率調整部(可変抵抗Rc)が設けられている。これにより、信号処理部20による受光信号の検出精度を向上させることができる。
信号処理部20は、マイクロコンピュータで構成され、検出部10からの検出信号をA/D(アナログ/デジタル)変換するA/Dコンバーター21と、第1閾値判定部22と、第2閾値判定部23と、通過速度演算部24と、ほこり量演算部25と、時間計測部の一例としてのタイマ26と、記憶部27とを有する。この信号処理部20は、アナログ信号としての受光信号(検出信号)をA/Dコンバーター21でデジタル信号に信号変換して必要な信号処理を行うことにより、ほこりDを含んだ空気の風速や、ほこり量の検出を行うようになっている。ここで、ほこり量は、単位体積当たりのほこりDの数とする。なお、ほこりDのそれぞれの粒径に応じて、粒径毎のほこりDの数に重み付けされた単位体積当たりのほこりDの数としてもよい。
なお、ほこり量に限らず、ほこりDの有無、濃度、粒径のうちの少なくとも1つを検出するようにしてもよい。
光電式ほこりセンサ1の内壁8w(図1に示す)から反射する不要光や、発光部4と受光部5との間での直接光による受光信号波形のDC成分を除去し、ほこりDからの反射光Lrによる本来の受光信号(検出信号)のみを通過させるために、複数の増幅回路G1,G2のうち少なくとも一つ(ここでは全て)の増幅回路の前段にハイパスフィルターF1,F2が挿入されている。このハイパスフィルターF1,F2は、例えば、簡単な周波数フィルター(具体的にはキャパシタ(コンデンサ)と抵抗器とで構成されたもの)を用いることができる。
図3(a)〜(c)は、ほこり検出領域SAにほこりDが少ない或いは無いとみなせるときと、ほこり検出領域SAにほこりDが多い或いは有るとみなせるときとの光電式ほこりセンサ1の検出状態の時間的変化の一例を説明するための図であって、図3(a)は、駆動回路4bから発光素子4aへの駆動電流の時間変化を示す図であり、図3(b)はほこり検出領域SAを通過するほこりDの時間変化を示す図であり、図3(c)は、受光部5から信号処理部20への受光信号波形の時間変化を示す図である。
ほこり検出領域SAにほこりDがないときは、受光信号波形に変化が無いためDC成分を除去した検出信号はゼロになる。一方、ほこり検出領域SAにほこりDが侵入したときは、受光信号波形が変化するので、この変化分が増幅されて検出信号が出力され、さらに、ほこりDが大きくなればそれに伴い検出信号レベルは大きくなっていく。この侵入したほこりDが、ほこり検出領域SAから外れると、受光信号波形はほこり検出領域SAにほこりDが無いときの信号レベルに戻り、増幅された検出信号もゼロレベルに戻る。
上記受光素子5aで検出する反射光Lrの信号が極めて小さいので、受光素子5aや増幅回路G1,G2で発生する不要なノイズをそのまま増幅すると、検出信号がノイズに埋もれて検出信号をモニタできなくなる。増幅回路G1,G2のカットオフ周波数を低くすると、ノイズの高周波成分が増幅されなくなるので、検出信号のノイズレベルを低減することができる。
一方、増幅回路G1,G2のカットオフ周波数を低くし過ぎると、ほこり検出領域SAをほこりDが通過している時間と、増幅された検出信号が出力される時間にズレが生じるため、増幅回路G1,G2のカットオフ周波数は、ほこり検出領域SAをほこりDが通過する時間内で十分応答できる周波数に設定することが必要となる。
このような増幅回路G1,G2を設けることで、ほこり検出領域SAをほこりDが通過している期間だけ、ほこりDの粒径に応じた検出信号が検出部10から出力される。
この検出信号が信号処理部20(ここではA/Dコンバーター21)に入力され、検出信号が予め設定された任意の第1閾値を超えたか否かを第1閾値判定部22により判定する。そして、第1閾値判定部22が受光部5からの検出信号のレベルが第1閾値を超えたと判定すると、ほこり検出領域SAにほこりDが侵入したものとする。
次に、受光部5からの検出信号のレベルが予め設定された任意の第2閾値(<第1閾値)を下回ったか否かを第2閾値判定部23により判定して、第2閾値判定部23が受光部5からの検出信号のレベルが第2閾値を下回ったと判定すると、ほこり検出領域SAからほこりDが出たものとする。
この検出信号が第1閾値を超えてから第2閾値を下回るまでの時間をタイマ26(時間計測部)で計測することで、ほこりDがほこり検出領域SAを通過するのに要した時間(検出領域通過時間)を計測することができる。
図4(a)〜(c)は、ほこり検出領域SAにほこりDが通過した時の光電式ほこりセンサ1の検出信号の一例を説明するための図であって、図4(a)は、光電式ほこりセンサ1の検出信号に不要ノイズが重畳した時の波形を示す図であり、図4(b)は、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入したと判定する電圧とほこり検出領域SAからほこりDが出たと判定する電圧をともに第1閾値とした時の判定波形を示す図であり、図4(c)は、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入したと判定する電圧を第1閾値とし、ほこり検出領域SAからほこりDが出たと判定する電圧を第2閾値とした時の判定波形を示す図である。
検出信号には不要なノイズが含まれるので、図4(b)のように第1閾値と第2閾値を同じ電圧にすると、閾値を超えた直後に閾値を下回ることがあり、この短いパルスの時間を、ほこりDがほこり検出領域SAを通過した時間であると誤認識することがある。したがって、第2閾値は、第1閾値よりも低い電圧レベルで、かつ、第1閾値と第2閾値との電圧レベルの差が不要ノイズの振幅よりも大きい電圧レベルに設定されることが望ましい。
ほこり検出領域SAのほこりDの通過方向の距離と、ほこりDがほこり検出領域SAを通過するのに要した時間から、検出したほこりDがほこり検出領域SAを通過した時の通過速度を通過速度演算部24により計算でき、その通過速度がほこりDを含んだ空気の風速となる。
単位体積当たりのほこりDの数が同じであっても、ほこり検出領域SAを通過するほこりDの数は、ほこり検出領域SAを通過するほこりDを含んだ空気の風速が速い場合は多くなり、ほこりDを含んだ空気の風速が遅い場合は少なくなる。そこで、検出したほこりDの数を計測した風速に応じてほこり量演算部25により補正することによって、ほこりDを含んだ空気の風速の影響を受けずに単位体積当たりのほこりDの数を計測できるようになり、ほこり検出領域SAに風速が調整された空気を送り込まなくても、正確なほこりDの数(ほこり量)を計測することができる。
すなわち、タイマ26(時間計測部)により計測されたほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間および受光部5からの検出信号の振幅に基づいて、単位体積当たりのほこりDの数すなわちほこりDの量をほこり量演算部25により演算することが可能になる。
上記構成の光電式ほこりセンサ1では、ほこり検出領域SAを通過するほこりD毎の受光部5からの検出信号に基づいて、ほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間を計測することにより、ほこり検出領域SAを通過しているほこりDの通過速度を観測することが可能になる。そのほこりDの通過速度から、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を観測することができる。
ここで、ほこり検出領域SAはほこりDの粒径に比べて非常に大きいため、ほこりDの粒径によってほこり検出領域SAを通過するのに要する時間はほとんど変わらない。
上記ほこり検出領域SAを通過するほこりDで発光部4からの照射光が反射した光を捉える光電式ほこりセンサ1では、発光部4からの照射光のほこり検出領域SAへの進行路上に集光レンズである発光部レンズ41および発光部スリット42を配置し、さらにほこり検出領域SAからの反射光の受光部5への進行路上に集光レンズである受光部レンズ51および受光部スリット52を配置している。これにより、発光部4から照射される出力光および受光部5に受光される反射光の光径を絞ることができ、ほこりDについて1個毎の出力波形を分けて観測しやすくなる結果、ほこりDの検出精度を高めることができる。
単位体積当りのほこりDの数が同じ場合、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速が速い場合は通過するほこりDの数が多くなり、風速が遅い場合は通過するほこりDの数は少なくなるので、検出したほこりDの数を風速に応じて信号処理部20のほこり量演算部25で補正することにより、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速の変化に対して影響を受けない検出が可能になる。
さらに、粒径が小さいほこりDを検出した時の受光部5の出力波形(検出信号の波形)と、粒径が大きいほこりDを検出した時の出力波形の振幅は異なるので、その出力波形を信号処理部20のマイクロコンピュータ等で判定するようにすれば、ほこり検出領域SAを通過しているほこりDの粒径を判別することができる。
このほこりDの粒径のデータとほこり検出領域SAを通過する空気の風速のデータを演算することで、粒径毎のほこりDの数を風速の影響を受けずに信号処理部20で正確に検出することができるようになる。
したがって、上記第1実施形態の光電式ほこりセンサ1によれば、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域SAを通過するほこりDに関する物理量(ほこりDの有無,濃度,粒径)を正確に検出することができる。
また、上記受光部5からの検出信号のレベルが第1閾値を超えたと第1閾値判定部22が判定した時点から、受光部5からの検出信号のレベルが第2閾値を下回ったと第2閾値判定部23が判定した時点までの時間をタイマ26(時間計測部)により計測することによって、受光部5からの検出信号に含まれる不要なノイズの短いパルスの時間を、ほこり検出領域SAをほこりDが通過した時間であると誤って計測するのを防止できる。
また、上記第2閾値を第1閾値よりも低い値に設定することによって、受光部5からの検出信号に含まれる不要なノイズの短いパルスの時間を誤って計測するのを確実に防止することができる。
〔第2実施形態〕
多くの空調機器は、大きいほこりを吸い込まないように、吸い込み口にほこりフィルターを備えたものが多い。また、光電式ほこりセンサにおいても、ほこり検出領域SAにほこりが堆積することを防ぐ等の目的で、光電式ほこりセンサの空気の取り込み口にほこりフィルターを備えることも多い。
ほこりフィルターを備えた空調機器は、ほこりフィルターにほこりが堆積すると、同じ空調設定で動作させたとしても、吸い込む空気の風速は遅くなる。
そこで、本発明の第2実施形態のほこりフィルター101を備えた図5に示す空調機器100は、本発明の第1実施形態に係る光電式ほこりセンサ1を搭載している。
この空調機器100は、ほこりフィルター101と、ほこりフィルター101の下流側に配置された光電式ほこりセンサ1と、ほこりフィルター101を介して吸い込んだ空気を上方に吹き出す送風ファン102を備えている。
この第2実施形態の空調機器100は、ほこりフィルター101にほこりが堆積していない時に空調機器100が吸い込む空気の第1の風速を光電式ほこりセンサ1により計測しておいて、同じ空調設定で空調機器100が吸い込む空気の第2の風速を光電式ほこりセンサ1により測定する。そして、一定の風速差(=第1の風速−第2の風速)が生じた時は、ほこりフィルター101が目詰まりしたと判定することで、追加のセンサを搭載せずに、ほこりフィルター101が目詰まりしたことを検出することができる。
上記第2実施形態の空調機器は、本実施の形態に係る光電式ほこりセンサ1を備えていることにより、光電式ほこりセンサ1を通過する空気の風速を読み取ることができ、フィルターの目詰まりを検出することが可能となる。
なお、本発明に係る空調機器には、空気調和機、空気清浄器や空気清浄機能付きエアーコンディショナなどを含むことができる。その際、光電式ほこりセンサ1の信号処理部20(図2参照)を空調機器の制御部と共通にすることができる。
〔第3実施形態〕
単位体積当たりのほこりDの数が多くなると、ほこり検出領域SAを同時に複数個のほこりDが通過するようになる。ほこり検出領域SAに複数個のほこりDが通過すると、検出信号が繋がってしまう。このときに、第1閾値を超えてから第2閾値を下回るまでの時間を計測すると、複数個のほこりDが全て通過するまでの時間を計測することになり、この計測値から風速を計算すると、実際にほこり検出領域SAを通過している空気の風速とは大きく異なった値を算出することになる。
ほこり検出領域SAの領域内でも、ほこりDの検出感度は一様ではなく、ほこり検出領域SAの中心部が最も検出感度が高いため、ほこりDがほこり検出領域SAを通過する時の検出信号は、徐々に信号レベルが大きくなり、ほこり検出領域SAの中心部で最も振幅が大きくなる。
そこで、ほこり検出領域SAにほこりDが侵入してから、検出信号がピーク値になるまでの時間を計測することで、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入してから、ほこり検出領域SAの中心に到達するのに要した時間を計測する。この時間は、第1実施形態での計測時間である、ほこり検出領域SAを通過するのに要した時間(検出領域通過時間)の半分程度の時間となる。
図6はこの発明の第3実施形態の光電式ほこりセンサ301の回路構成の一例を概略的に示す回路ブロック図を示している。
図6に示すように、光電式ほこりセンサ301は、検出部10および信号処理部320を備えている。検出部10は、第1実施形態の光電式ほこりセンサ1の検出部10と同一の構成をしている。
また、信号処理部320は、マイクロコンピュータで構成され、検出部10からの検出信号をA/D変換するA/Dコンバーター321と、閾値判定部322と、ピーク値判定部323と、通過速度演算部324と、ほこり量演算部325と、時間計測部の一例としてのタイマ326と、記憶部327とを有する。この信号処理部320は、アナログ信号としての受光信号(検出信号)をA/Dコンバーター321でデジタル信号に信号変換して必要な信号処理を行うことにより、ほこりDを含んだ空気の風速や、ほこりDの粒径の検出を行うようになっている。
上記第3実施形態の光電式ほこりセンサ301では、ほこり検出領域SAにほこりDが侵入したと判定するのは、第1実施形態と同様に、検出信号が予め設定された任意の閾値を超えたと閾値判定部322が判定したときとする。
次に、検出信号のピーク値の判定は、検出信号をA/Dコンバーター321で一定時間毎に検出信号の電圧レベルを検出し、前回の検出レベルより低い値を検出した時に、ピーク値判定部323により検出信号がピーク値を迎えたと判定する。
これにより、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入してから、ほこり検出領域SAの中心に到達するのに要した時間を計測することができる。このほこり検出領域SAに侵入してから中心に到達するまでの時間は、ほこり検出領域SAを通過するのに要した時間(検出領域通過時間)の半分程度であるので、2倍することによってほこり検出領域SAをほこりDが通過する時間が求まる。
このようにして、ほこり検出領域SAに複数個のほこりDが通過して検出信号が繋がってしまっても、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入してから中心に到達するまでの時間(すなわち、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入してから検出信号がピーク値になるまでの時間)を正確に計測することができ、この計測された時間から、ほこり検出領域SAを通過している空気の風速を正確に求めることが可能になる。
なお、検出信号には不要なノイズが含まれるので、前回の検出レベルを少しでも下回った時を検出信号のピーク値として検出すると、検出信号のピーク値以外をピーク値として検出することがあるので、前回の検出レベルより低いと判定するのは、前回の検出レベルから不要ノイズの振幅分低い判定電圧よりも低い電圧を検出した時だけとすることが望ましい。
また、ほこり検出領域SAのほこりDの通過方向の距離と、ほこりDがほこり検出領域SAを通過するのに要した時間から、検出したほこりDがほこり検出領域SAを通過した時の通過速度を通過速度演算部324により計算でき、その通過速度がほこりDを含んだ空気の風速となる。
また、タイマ26(時間計測部)により計測されたほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間および受光部5からの検出信号の振幅に基づいて、ほこりDの量をほこり量演算部25により演算することが可能になる。
上記第3実施形態の光電式ほこりセンサ301は、第1実施形態の光電式ほこりセンサ1と同様の効果を有する。
〔第4実施形態〕
上記第1実施形態の光電式ほこりセンサ1は、ほこり検出領域SAを通過する気流中のほこりDによって反射した反射光Lrを検出している。
これに対して、本発明の第4実施形態の光電式ほこりセンサは、図7に示すように、発光部404は一定の照射光Leを常時発光するようになっていて、受光部405は発光部404からの照射光Leを直接受光する配置としている。発光部404からの照射光Leが直接受光部15に照射される配置とすることによって、ほこりDに遮られることなく、ほこり検出領域SAをそのまま通過してきた通過光Ltを受光部15により受光して、ほこりDを検出する。
図8(a),(b)は、この第4実施形態において、ほこり検出領域SAにほこりDが少ない或いは無いとみなせるときと、ほこり検出領域SAにほこりDが多い或いは有るとみなせるときとの光電式ほこりセンサの検出状態の時間的変化の一例を説明するための図であって、図8(a)は、ほこり検出領域SAを通過するほこりDの時間変化を示す図であり、図8(b)は、受光部405からの受光信号波形の時間変化を示す図である。
ほこり検出領域SAにほこりDがないときは、受光信号波形に変化が無いため、DC成分を除去した検出信号はゼロになる。一方、ほこり検出領域SAにほこりDが侵入したときは、受光信号が減少するので、この減少分が増幅された検出信号が出力され、さらに、ほこりDが大きくなればそれに伴い検出信号の減少幅は大きくなっていく。この侵入したほこりDが、ほこり検出領域SAから外れると、受光信号波形は、ほこり検出領域SAにほこりDが無いときの信号レベルに戻り、増幅された検出信号もゼロレベルに戻る。
上記第4実施形態の光電式ほこりセンサは、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域SAを通過するほこりDに関する物理量(ほこりDの有無,濃度,粒径)を正確に検出できる。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第4実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の光電式ほこりセンサは、
ほこりDが通過するほこり検出領域SAに光を常時照射する発光部4,404と、
上記発光部4からの光が上記ほこり検出領域SAを通過する上記ほこりDで反射した光を捉えるか、または、上記発光部404からの光を上記ほこり検出領域SAを介して直接受光し、上記ほこり検出領域SAを通過する上記ほこりDで上記発光部404からの光の一部が遮られる受光部5,405と、
上記受光部5,405からの受光信号に基づいて、上記ほこりDの有無,濃度または粒径の少なくとも1つを検出する信号処理部20,320と
を備え、
上記信号処理部20,320は、上記受光部5,405からの受光信号に基づいて、上記ほこりDが上記ほこり検出領域SAを通過する時間を計測する時間計測部26,326を有することを特徴とする。
上記構成によれば、ほこり検出領域SAを通過するほこりD毎の受光部5,405からの受光信号に基づいて、ほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間を計測することにより、ほこり検出領域SAを通過しているほこりDの通過速度を観測することが可能になる。そのほこりDの通過速度から、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を観測することができる。
ここで、本発明の光電式ほこりセンサにおいて、ほこり検出領域SAはほこりDの粒径に比べて非常に大きいため、ほこりDの粒径によってほこり検出領域SAを通過するのに要する時間はほとんど変わらない。
例えば、ほこり検出領域SAを通過するほこりDで発光部4からの光が反射した光を捉える光電式ほこりセンサにおいて、発光部4からの照射光のほこり検出領域SAへの進行路上に集光レンズおよびスリットを配置し、さらにほこり検出領域SAからの反射光の受光部5への進行路上に集光レンズおよびスリットを配置しておけば、発光部4から照射される出力光および受光部5に受光される反射光の光径を絞ることができ、ほこりD1個毎の出力波形を分けて観測しやすくなる結果、ほこりDの検出精度を高めることができる。
単位体積当りのほこりDの数が同じ場合、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速が速い場合は通過するほこりDの数が多くなり、風速が遅い場合は通過するほこりDの数は少なくなるので、検出したほこりDの数を風速に応じて補正することで、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速の変化に対して影響を受けない検出が可能になる。
さらに、粒径が小さいほこりDを検出した時の受光部5,405の出力波形と、粒径が大きいほこりDを検出した時の出力波形の振幅は異なるので、その出力波形を信号処理部20で判定するようにすれば、ほこり検出領域SAを通過しているほこりDの粒径を判別することができる。
このほこりDの粒径のデータとほこり検出領域SAを通過する空気の風速のデータを信号処理部20により演算することで、粒径毎のほこりDの数を風速の影響を受けずに正確に検出することができるようになる。
したがって、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域SAを通過するほこりDに関する物理量(ほこりDの有無,濃度,粒径)を正確に検出することができる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記発光部4からの光が上記ほこり検出領域SAを通過する上記ほこりDで反射した光を上記受光部5で捉える光電式ほこりセンサであって、
上記信号処理部20は、
上記受光部5からの受光信号のレベルが予め設定された第1閾値を超えたか否かを判定する第1閾値判定部22と、
上記第1閾値判定部22が上記受光部5からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと判定してから、上記受光部5からの受光信号のレベルが予め設定された第2閾値を下回ったか否かを判定する第2閾値判定部23と
を有し、
上記時間計測部26は、上記受光部5からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと上記第1閾値判定部22が判定した時点から、上記受光部5からの受光信号のレベルが上記第2閾値を下回ったと上記第2閾値判定部23が判定した時点までの時間を計測する。
上記実施形態によれば、受光部5からの受光信号のレベルが第1閾値を超えたと第1閾値判定部22が判定した時点から、受光部5からの受光信号のレベルが第2閾値を下回ったと第2閾値判定部23が判定した時点までの時間を時間計測部26により計測することによって、受光部5からの受光信号に含まれる不要なノイズの短いパルスの時間を、ほこり検出領域SAをほこりDが通過した時間であると誤って計測するのを防止できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記第2閾値は、上記第1閾値よりも低い値に設定されている。
上記実施形態によれば、第2閾値を第1閾値よりも低い値に設定することによって、受光部5からの受光信号に含まれる不要なノイズの短いパルスの時間を誤って計測するのを確実に防止できる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部320は、
上記発光部4からの光が上記ほこり検出領域SAを通過する上記ほこりDで反射した反射光を上記受光部5で捉える光電式ほこりセンサであって、
上記受光部5からの受光信号のレベルが予め設定された閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部322と、
上記受光部5からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部が判定してから、上記受光部5からの受光信号のレベルがピーク値になったか否かを判定するピーク値判定部323と
を有し、
上記時間計測部26,326は、上記受光部5からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部322が判定した時点から、上記受光部5からの受光信号のレベルがピーク値になったと上記ピーク値判定部323が判定した時点までの時間を計測する。
上記実施形態によれば、受光部5からの受光信号のレベルが閾値を超えたと閾値判定部322が判定した時点から、受光部5からの受光信号のレベルがピーク値になったとピーク値判定部323が判定した時点までの時間を時間計測部26,326により計測することによって、ほこりDがほこり検出領域SAに侵入してから、ほこり検出領域SAの中心に到達するのに要した時間を計測することができる。この計測された時間から、ほこり検出領域SAを通過しているほこりDの通過速度を求めることが可能になる。
これにより、ほこり検出領域SAに複数個のほこりDが通過して受光信号が繋がってしまっても、ほこり検出領域SAの中心に到達するのに要した時間に基づいて求めたほこりDの通過速度から、ほこり検出領域SAを通過している空気の風速を正確に求めることが可能になる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部20,320は、
上記ほこりDが通過する上記ほこり検出領域SAの通過方向の距離および上記時間計測部26,326により計測された上記ほこりDが上記ほこり検出領域SAを通過する時間に基づいて、上記ほこりDが上記ほこり検出領域SAを通過するときの通過速度を演算する通過速度演算部24,324を有する。
上記実施形態によれば、ほこりDが通過するほこり検出領域SAの通過方向の距離および時間計測部26,326により計測されたほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間に基づいて、ほこりDがほこり検出領域SAを通過するときの通過速度を通過速度演算部24,324により演算することによって、そのほこりDの通過速度に相当する空気(ほこりDを含む)の風速が容易に得られる。
また、一実施形態の光電式ほこりセンサでは、
上記信号処理部20,320は、
上記時間計測部26,326により計測された上記ほこりDが上記ほこり検出領域SAを通過する時間と上記受光部5からの受光信号の振幅に基づいて、上記ほこりDの量を演算するほこり量演算部25,325を有する。
上記実施形態によれば、時間計測部26,326により計測されたほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間と受光部5からの受光信号の振幅に基づいて、ほこりDの量をほこり量演算部25,325により演算する。例えば、ほこりDがほこり検出領域SAを通過する時間の短長に応じてほこりDの量を増減させ、受光部5からの受光信号の振幅の大小に応じてほこりDの量を増減させる。これにより、正確なほこりDの量を求めることができる。
また、この発明の空調機器では、
上記のいずれか1つの光電式ほこりセンサを備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、上記光電式ほこりセンサを用いることによって、ほこり検出領域SAを通過する空気の風速を測定することが可能になると共に、空気の流れに依存することなく、ほこり検出領域SAを通過するほこりDに関する物理量を正確に検出できる機能を備えた空調機器を実現することができる。
1…光電式ほこりセンサ
4…発光部
5…受光部
7…遮蔽板
8…筐体
10…検出部
20…信号処理部
21…A/Dコンバーター
22…第1閾値判定部
23…第2閾値判定部
24…通過速度演算部
25…ほこり量演算部
26…タイマ
27…記憶部
100…空調機器
101…ほこりフィルター
102…送風ファン
301…光電式ほこりセンサ
320…信号処理部
321…A/Dコンバーター
322…閾値判定部
323…ピーク値判定部
324…通過速度演算部
325…ほこり量演算部
326…タイマ
327…記憶部
404…発光部
405…受光部
D…ほこり
F1,F2…ハイパスフィルター
G1,G2…増幅回路
Le…照射光
Lr…反射光
Lt…通過光
Rc…可変抵抗
SA…ほこり検出領域

Claims (6)

  1. ほこりが通過するほこり検出領域に光を常時照射する発光部と、
    上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した光を捉えるか、または、上記発光部からの光を上記ほこり検出領域を介して直接受光し、上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで上記発光部からの光の一部が遮られる受光部と、
    上記受光部からの受光信号に基づいて、上記ほこりの有無,濃度または粒径の少なくとも1つを検出する信号処理部と
    を備え、
    上記信号処理部は、上記受光部からの受光信号に基づいて、上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過する時間を計測する時間計測部を有することを特徴とする光電式ほこりセンサ。
  2. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサにおいて、
    上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した光を上記受光部で捉える光電式ほこりセンサであって、
    上記信号処理部は、
    上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された第1閾値を超えたか否かを判定する第1閾値判定部と、
    上記第1閾値判定部が上記受光部からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと判定してから、上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された第2閾値を下回ったか否かを判定する第2閾値判定部と
    を有し、
    上記時間計測部は、上記受光部からの受光信号のレベルが上記第1閾値を超えたと上記第1閾値判定部が判定した時点から、上記受光部からの受光信号のレベルが上記第2閾値を下回ったと上記第2閾値判定部が判定した時点までの時間を計測することを特徴とする光電式ほこりセンサ。
  3. 請求項2に記載の光電式ほこりセンサにおいて、
    上記第2閾値は、上記第1閾値よりも低い値に設定されていることを特徴とする光電式ほこりセンサ。
  4. 請求項1に記載の光電式ほこりセンサにおいて、
    上記信号処理部は、
    上記発光部からの光が上記ほこり検出領域を通過する上記ほこりで反射した反射光を上記受光部で捉える光電式ほこりセンサであって、
    上記受光部からの受光信号のレベルが予め設定された閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
    上記受光部からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部が判定してから、上記受光部からの受光信号のレベルがピーク値になったか否かを判定するピーク値判定部と
    を有し、
    上記時間計測部は、上記受光部からの受光信号のレベルが上記閾値を超えたと上記閾値判定部が判定した時点から、上記受光部からの受光信号のレベルがピーク値になったと上記ピーク値判定部が判定した時点までの時間を計測することを特徴とする光電式ほこりセンサ。
  5. 請求項1から4までのいずれか1つに記載の光電式ほこりセンサにおいて、
    上記信号処理部は、
    上記ほこりが通過する上記ほこり検出領域の通過方向の距離および上記時間計測部により計測された上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過する時間に基づいて、上記ほこりが上記ほこり検出領域を通過するときの通過速度を演算する通過速度演算部を有することを特徴とする光電式ほこりセンサ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1つに記載の光電式ほこりセンサを備えていることを特徴とする空調機器。
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