JP2017116201A - 熱交換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器に散布された水を確実に熱交換器表面に定着させ、水の蒸発潜熱利用による熱交換器の放熱性能向上を図ることができる熱交換装置を提供する。
【解決手段】熱交換装置3は、コア101に向かって空気を導入し、コア101において空気を熱交換させ、コア101を通過した空気を導出する外気流路は、散布部101Aを通る空気が流れる第1外気流路14A,15Aと、非散布部101Bを通る空気が流れる第2外気流路14B,15Bと、を含み、第1外気流路14A,15Aを流れる空気に対する抵抗を、第2外気流路14B,15Bを流れる空気に対する抵抗よりも高める抵抗部16を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換装置に関する。
熱交換器本体に水を散布して蒸発させ、水の蒸発潜熱により熱交換器温度を低下させて熱交換器の放熱能力を向上させる熱交換装置が提案されている。下記特許文献1では、熱交換器を構成する金属部材表面が撥水性を呈していたことに着目し、水の蒸発潜熱の利用による冷却能力向上を図っている。具体的には、(1)熱交換器にできるだけ広範囲に水を散布すること、(2)熱交換器表面において水膜をできるだけ広げるようにすること、を行っている。
特開2002−372385号公報
しかしながら、熱交換器表面において水膜をできるだけ広げるように工夫したとしても、熱交換器が搭載されている車両の走行速度が速くなると、熱交換器を通過する走行風の速度も速くなり、熱交換器表面の水を剥離しようとする力が働く。そのため、散布された水が蒸発する前に熱交換器表面から剥離してしまうか、散布された水が熱交換器表面に到達する前に熱交換器をそのまま通過してしまう場合があった。また、車速が遅い場合であっても、熱交換器における熱交換機能を十分に発揮させるためにファンの回転数を上げると、同様の現象が起きてしまう場合があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱交換器に散布された水を確実に熱交換器表面に定着させ、水の蒸発潜熱利用による熱交換器の放熱性能向上を図ることができる熱交換装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る熱交換装置は、コアの内部流路を流れる流体と前記コアを通過する空気との間で熱交換し、前記流体を冷却するものであって、前記コアには水が散布される散布部及び水が散布されない非散布部とが設けられてなる熱交換器と、前記散布部に水を散布する散水装置と、を備え、前記コアに向かって空気を導入し、前記コアにおいて空気を熱交換させ、前記コアを通過した空気を導出する外気流路は、前記散布部を通る空気が流れる第1外気流路と、前記非散布部を通る空気が流れる第2外気流路とを含み、前記第1外気流路を流れる空気に対する抵抗を、前記第2外気流路を流れる空気に対する抵抗よりも高める抵抗部を更に備える。
これによれば、散布部を通る空気の流路である第1外気流路を流れる空気に対する抵抗を、非散布部を通る空気の流路である第2外気流路を流れる空気に対する抵抗よりも高めるように抵抗部が設けられているので、第1外気流路は相対的に空気が流れにくくなる一方で、第2外気流路は相対的に空気が流れやすくなる。従って、第1外気流路を流れる空気の流速が抑制され、流速が抑制された空気が散布部を通るので、散布部に散布された水は空気によって吹き飛ばされにくくなり、散布部に留まる。水が散布部に留まると、散布部の表面に広がる時間が確保されるので、蒸発による冷却効果を発揮させ、熱交換器の放熱効率を向上させることができる。
本発明によれば、熱交換器に散布された水を確実に熱交換器表面に定着させ、水の蒸発潜熱利用による熱交換器の放熱性能向上を図ることができる熱交換装置を提供することができる。
図1は、第1実施形態である熱交換装置の概略構成を示すブロック図である。 図2(A)は第1実施形態である熱交換装置の平面図であり、図2(B)は第1実施形態である熱交換装置の正面図である。 図3(A)は第2実施形態である熱交換装置の平面図であり、図3(B)は第2実施形態である熱交換装置の正面図である。 図4は、第3実施形態である熱交換装置の平面図である。 図5(A)は第4実施形態である熱交換装置の平面図であり、図5(B)は第4実施形態である熱交換装置の正面図である。 図6(A)は第5実施形態である熱交換装置の平面図であり、図6(B)は第5実施形態である熱交換装置の正面図である。 図7(A)は第6実施形態である熱交換装置の平面図であり、図6(B)は第6実施形態である熱交換装置の正面図である。 図8は、第7実施形態である熱交換装置の平面図である。 図9は、第8実施形態における非散布部のチューブ及びフィンを示す図である。 図10は、第8実施形態における散布部のチューブ及びフィンを示す図である。 図11は、第8実施形態における散布部のチューブ及びフィンの変形例を示す図である。 図12(A)は第9実施形態である熱交換装置の平面図であり、図12(B)は第9実施形態である熱交換装置の正面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態である熱交換装置3について、図1を参照しながら説明する。図1に示されるように熱交換装置3は、燃料電池自動車2に搭載されている。燃料電池自動車2には、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池40と、燃料電池40を冷却するための熱交換装置3と、気液分離器50と、加湿経路501と、が搭載されている。
燃料電池40は、図示しないインバータ等の電気機器に電力を供給するように構成されている。インバータは、燃料電池40から供給された直流電流を交流電流に変換して走行用モータに供給してモータを駆動する。また、電気化学反応に用いられなかった未反応の酸素および水素は、排気ガスとして燃料電池40から排出される。
電気化学反応のためには、燃料電池40内の電解質膜は、水分を含んだ湿潤状態となっている必要がある。このため、後述のように燃料電池40に供給される空気および水素の両方、若しくはいずれか一方に加湿を行い、これらの加湿されたガスを燃料電池40に供給することで、燃料電池40内の電解質を加湿するように構成されている。
燃料電池40内部では、電気化学反応によって生成水が発生する。生成水は、排気ガスに含まれた状態で燃料電池40の外部に排出される。燃料電池40の外部に排気ガスに含まれた状態で排出された生成水は、気液分離器50において分離され貯められる。気液分離器50に貯められた水は、加湿経路501を通して燃料電池40への水分補給に用いられるとともに、熱交換装置3を構成するラジエータ10の冷却にも用いられる。
燃料電池40においては、電気化学反応によって熱が発生する。燃料電池40は、発電効率を保つため、運転中は所定範囲内の温度となるように調整する必要がある。このため、燃料電池40において発生した熱を系外に放出する必要がある。本実施形態の熱交換装置3は、この熱を系外に放出するための冷却システムとして用いられている。
熱交換装置3は、ラジエータ10と、散水装置11と、ファンシュラウド12と、ファン13と、を備えている。ラジエータ10は、本発明の熱交換器に相当する。ラジエータ10から見て車両前方側には上流側外気流路14が形成されている。ラジエータ10から見て車両後方側には、ファンシュラウド12に画定された下流側外気流路15が形成されている。
燃料電池自動車2が走行している場合には、走行風としての外気が車両前方より流れ込み、上流側外気流路14を通ってラジエータ10に至る。ラジエータ10において熱交換した外気は、下流側外気流路15に流れて、車外に放出される。燃料電池自動車2が停止している場合には、ファン13を駆動して外気の流れを形成する。この場合も同様に、外気が車両前方より流れ込み、上流側外気流路14を通ってラジエータ10に至る。ラジエータ10において熱交換した外気は、下流側外気流路15に流れて、車外に放出される。
散水装置11は、ラジエータ10において蒸発潜熱を利用した冷却効果を発揮するために、ラジエータ10に水を散布する装置である。熱交換装置3は、散水ポンプ18を備えている。散水装置11には、散水ポンプ18の駆動により気液分離器50に貯められた水が供給される。
熱交換装置3と燃料電池40との間に冷却水を循環するための循環ポンプ17が設けられている。循環ポンプ17の駆動により、燃料電池40を冷却して温度が上昇した冷却水は、熱交換装置3を構成するラジエータ10に送られ、ラジエータ10において外気と熱交換して冷却され燃料電池40に還流する。
また、本実施形態の燃料電池自動車2には各種制御を行う図示しない制御部が設けられている。制御部には、負荷からの要求電力信号や図示しない温度センサからの冷却水温度信号等が入力される。制御部は、ファン13、循環ポンプ17、散水ポンプ18等に制御信号を出力するように構成されており、冷却水温度に基づいてラジエータ10に対する水の噴射制御を行う。
続いて、図2を参照しながら、熱交換装置3の構成について説明を加える。ラジエータ10は、コア101と、タンク102、103と、を備えている。燃料電池40を冷却して高温となった冷却水は、タンク102に流れ込む。タンク102に流れ込んだ冷却水は、コア101に流れ込む。コア101においては、冷却水は外気と熱交換し、温度が低下さいた状態でタンク103に流れ込む。タンク103に流れこんだ冷却水は、燃料電池40に向けて流出する。
コア101は、燃料電池40内を循環して高温になった冷却水の熱交換を行う部分である。コア101は、冷却水が流れるチューブ(図2においては明示しない)と放熱用のフィン(図2においては明示しない)とを有する。チューブは、コア101の内部流路を形成している。
コア101には、散布部101Aと、非散布部101Bとが設けられている。散布部101Aは、散水装置11によって水が散布される領域を含むものである。非散布部101Bは、コア101から散布部101Aを除外した領域であって、散水装置11によって水が散布されない領域である。
上流側外気流路14がコア101に向かって空気を導入し、コア101において熱交換された空気は、下流側外気流路15によって導出される。外気流路は、コア101を挟んだ上流側・下流側という観点からは、上流側外気流路14と下流側外気流路15とを有するものである。
上流側外気流路14を、散布部101Aを通る外気を流すのか、又は非散布部101Bを通る外気を流すのか、という観点から捉えると、上流側第1外気流路14Aと上流側第2外気流路14Bとを有するものとして把握することができる。上流側第1外気流路14Aは、散布部101Aに向かう外気が通る領域であり、上流側第2外気流路14Bは、非散布部101Bに向かう外気が通る領域である。
下流側外気流路15を、散布部101Aを通った外気を流すのか、又は非散布部101Bを通った外気を流すのか、という観点から捉えると、下流側第1外気流路15Aと下流側第2外気流路15Bとを有するものとして把握することができる。下流側第1外気流路15Aは、散布部101Aを通過した外気が通る領域であり、下流側第2外気流路15Bは、非散布部101Bを通過した外気が通る領域である。
散水装置11は、図2(B)に示されるように、ラジエータ10の散布部101Aに向けて水を噴射するように配置されている。また、散水装置11は、ラジエータ10の上部に対応する位置に配置されている。本実施形態の場合、散水装置11は、上流側第1外気流路14Aに配置されている。
ファンシュラウド12は、ラジエータ10から車両後方側に延びるように配置されている。ファンシュラウド12は、下流側外気流路15を画定するように形成されてなる箱状の部材である。ファンシュラウド12は、第1側部121と、第2側部122と、下流端部123と、を有している。第1側部121は、タンク102と下流端部123とを繋ぐように配置されている。第2側部122は、タンク103と下流端部123とを繋ぐように配置されている。図2には明示しないけれども、ファンシュラウド12は、第1側部121と第2側部122とを繋ぐと共に下流端部123にも繋がれている上側部及び下側部とを有している。上側部と下側部とは、互いに対向するように配置されている。
下流端部123には、ファン13が設けられている。ファン13は、モータ(不図示)によって駆動されると吸込み流を発生する。ファン13の駆動によって、上流側外気流路14からコア101を通って下流側外気流路15に至る外気の流れが形成される。
上流側外気流路14からコア101を通って下流側外気流路15に至る外気の流れを利用することで、ラジエータ10は外気と冷却水との間で熱交換し、冷却水を冷却して燃料電池40に還流させている。本実施形態では、上記したように、更に散水装置11を設け、散布部101Aに散水し、散布部101Aにおいて散布した水を蒸発させている。この水の蒸発潜熱により、ラジエータ10の温度を低下させて、熱交換性能を高めている。散布部101Aにおいて水の蒸発潜熱効果を高めるためには、散布部101Aに水を滞在させて蒸発させる必要がある。一方で、上記したようにコア101における熱交換のために外気が導入されており、この外気の通過風速が上がると、散布部101Aに散布した水が十分に広がる前に通過してしまい、蒸発潜熱の効果を低減させることになる。
そこで本実施形態では、抵抗部16を設けている。抵抗部16は、下流側第1外気流路15Aに設けられている。図2(B)に示されるように、抵抗部16は、外気流の上流側から下流側を見通す方向において、散布部101Aの中央領域を含む多くの領域と重なるように設けられている。上流側第1外気流路14A及び下流側第1外気流路15Aにおける外気の流れを見てみると、抵抗部16が設けられることで実質的に流路が狭められ、外気の流れが阻害されている。上流側第1外気流路14A及び下流側第1外気流路15Aにおける外気の流れが阻害されると、外気は上流側第2外気流路14B及び下流側第2外気流路15Bに多く流れるようになる。結果として、上流側第1外気流路14A及び下流側第1外気流路15Aにおける外気の流速は低下し、散布部101Aにおける水の定着を促進することができる。
上記したように第1実施形態では、抵抗部16は、第1外気流路における散布部101Aの下流側、すなわち下流側第1外気流路15Aにおいて、散布部101Aと対向するように設けられている。抵抗部16は、第1外気流路における散布部101Aの下流側である下流側第1外気流路15Aにおいて、散布部101Aと対向するように配置されているので、例えば、散布された水が散布部101Aを通過して飛び散った場合であっても、その飛び散った水を受け止めることができる。従って、上流側第1外気流路14A及び下流側第1外気流路15Aを流れる空気の速度を抑制することに加えて、周囲に飛び散った水が他の部品等についてしまうことを抑制することができる。
上記した第1実施形態においては、ファンシュラウド12が設けられた態様について説明した。一方、図3に示される第2実施形態としての熱交換装置3Aのように、ファンシュラウド12が設けられていないラジエータ10に対しても、同様に抵抗部16を設けることができる。
上記した第1実施形態及び第2実施形態においては、抵抗部16を、第1外気流路における散布部101Aの下流側である下流側第1外気流路15Aに設けたけれども、散布部101Aの上流側に設けることもできる。第3実施形態としての熱交換装置3Bとして図4に示されるように、抵抗部16を、第1外気流路における散布部101Aの上流側である上流側第1外気流路14Aに設けることもできる。
熱交換装置3Bでは、抵抗部16Bは、第1外気流路における散布部101Aの上流側、すなわち上流側第1外気流路14Aにおいて、散布部101Aと対向するように設けられている。抵抗部16Bは、第1外気流路における散布部101Aの上流側である上流側第1外気流路14Aにおいて散布部101Aと対向するように配置されているので、空気が抵抗部16Bに衝突して第2外気流路側である上流側第2外気流路14Bに流れやすくなるため、第1外気流路である上流側第1外気流路14A及び下流側第1外気流路15Aを流れる空気の速度を確実に抑制することができる。尚、抵抗部16Bを上流側に配置した場合であっても、図2を参照しながら説明した熱交換装置3のようにファンシュラウド12を設けることができる。
上記した第1実施形態から第3実施形態では、抵抗部16を散布部101Aに対向するように配置したけれども、散布部101Aを流れる外気の流速を落とすという観点からは、散布部101Aに対して抵抗部16を対向配置しない態様も採用することができる。抵抗部16を散布部101Aに対向配置しない第4実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5に示される熱交換装置3Cは、第1実施形態の熱交換装置3Cにおける抵抗部16の配置位置及び配置方向を変えた抵抗部16Cを備える。
熱交換装置3Cでは、抵抗部16Cは、ファンシュラウド12の内部において、ファンシュラウド12の下流端部123からラジエータ10に向けて延びるように設けられている。図5(A)に示されるように、抵抗部16Cは、コア101とは当接せず間隔を空ける位置まで設けられている。抵抗部16Cは、下流側第1外気流路15Aに設けられている。もっとも、下流側第1外気流路15Aと下流側第2外気流路15Bとの境界は、その定義からいっても明確に存在するわけではない。抵抗部16Cは、散布部101Aからファン13に至る外気の流れの途上において、その流れる流路である下流側第1外気流路15Aを狭窄するように設けられていればよいものである。従って、抵抗部16Cを平面視において斜めに配置することもできる。
図5(B)に示されるように、抵抗部16Cは、上下方向においては、コア101の上下方向長さの半分程度の位置まで延びている。抵抗部16Cの上下方向の配置位置も、散布部101Aからファン13に至る外気の流れの途上において、その流れる流路である下流側第1外気流路15Aを狭窄するように設けられていればよいものである。
上記したように第4実施形態では、抵抗部16Cは、ファンシュラウド12の内部であって、散布部101Aからファン13に至る間の第1外気流路である下流側第1外気流路15Aに、下流側第1外気流路15Aの少なくとも一部を狭めるように設けられている。
抵抗部16Cは、ファンシュラウド12で画定された外気流路の内、下流側第1外気流路15Aの少なくとも一部を狭めるように設けられているので、第1外気流路側の抵抗が増え、第1外気流路を流れる空気の速度を抑制することができる。また、抵抗部16Cは、ファンシュラウド12の内部に設けられているので、ファンシュラウド12の内部スペースを有効活用することができる。
上記したように、抵抗部16Cは、ファンシュラウド12の下流端を構成する部分である下流端部123から熱交換器であるラジエータ10に向けて延びるように設けられている。抵抗部16Cをファンシュラウド12の下流端部123からラジエータ10に向かうように構成しているので、抵抗部16Cをファンシュラウド12と一体となったものとすることができ、取り付けが容易なものとなる。
下流側第1外気流路15Aの少なくとも一部を狭めるという観点からは、図6に示される第5実施形態である熱交換装置3Dのような態様も好ましいものである。熱交換装置3Dにおいては、抵抗部16Dは下流端部123ともラジエータ10とも間隔をおいて配置されており、図に明示しないファンシュラウド12の上端部から延びるように配置されている。
同様に、下流側第1外気流路15Aの少なくとも一部を狭めるという観点からは、図7に示される第6実施形態である熱交換装置3Eのような態様も好ましいものである。熱交換装置3Eにおいては、抵抗部16Eはラジエータ10に当接する一方で、下流端部123とは間隔をおいて配置されており、図に明示しないファンシュラウド12の上端部から延びるように配置されている。
下流側第1外気流路15Aを狭めるという観点からは、図8に示される第7実施形態である熱交換装置3Fのような態様も好ましいものである。熱交換装置3Fにおいては、抵抗部16Fが、下流端部123からラジエータ10に至るように設けられている。抵抗部16Fは、下流端部123に当接すると共に、ラジエータ10にも当接している。抵抗部16Fは、図に明示しないファンシュラウド12の上端部から延びるように配置されている。
抵抗部16Fをファンシュラウド12からラジエータ10に至るように構成しているので、散布部101Aからファンシュラウド12の下流端部123に至る下流側第1外気流路15Aと、非散布部101Bからファン13に至る下流側第2外気流路15Bとを抵抗部16Fで分断することができ、散布部101Aにおける空気の流速を確実に低下させることができる。
熱交換器であるラジエータ10は、非散布時に求められる熱交換性能を非散布部101Bにおいて果たすように構成されていることが好ましい。抵抗部16Fが、下流側第1外気流路15Aと下流側第2外気流路15Bとを分断し、散布部101Aに流れる外気が顕著に低下するためである。このように、非散布時に熱交換器に求められる熱交換性能を非散布部101Bにおいて果たすように構成されているので、散布部101Aにおける熱交換性能の低下を考慮すること無く抵抗部16Fを配置することができ、散布部101Aにおける空気の流速を十分に低下させることができる。
上記した第1実施形態から第7実施形態では、熱交換器であるラジエータ10の外側に抵抗部16〜16Fを配置している。散布部101Aにおける外気の流速を低下させれば効果は発揮できるのであるから、散布部101Aにおいて直接的に外気の流れの抵抗となる手段を設けることも好ましい態様である。
この観点からの第8実施形態について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、第8実施形態における非散布部101Baのチューブ101a及びフィン101bを示している。非散布部101Baにおいては、隣接するチューブ101aの間隔であるチューブピッチがTPBとなるように構成されている。フィン101bの厚みはFtBである。フィン101bの山の間隔であるフィンピッチがFPBとなるように構成されている。
図10は、散布部101Aaのチューブ101c及びフィン101dを示している。散布部101Aaにおいては、隣接するチューブ101cの間隔であるチューブピッチがTPAとなるように構成されている。フィン101dの山の間隔であるフィンピッチがFPAとなるように構成されている。
散布部101Aaにおける外気の流速を非散布部101Baにおける外気の流速よりも低下させればよいのであるから、チューブ101a及びフィン101bの隙間よりも、チューブ101c及びフィン101dの隙間を狭くする。具体的には、チューブピッチについては、TPA<TPBとなるように配置されている。また、フィンピッチについては、FPA<FPBとなるように構成されている。尚、図11に示されるように、チューブピッチ及びフィンピッチを変えずに、フィン101bの板厚FtBに対して、板厚をFtAとしたフィン101eを用いた散布部101Abも好ましい態様である。この場合、板厚はFtB<FtAである。
第8実施形態では、チューブ101c及びフィン101dのピッチやフィン101eの厚みを調整することで抵抗部16G,16Hをコアである散布部101Aa,101Abに設けているので、熱交換器以外における外気流路に抵抗部を配置しなくてもよくなり、熱交換装置における設計の自由度が増える。
抵抗部16G,16Hとしてのチューブ101c、フィン101d及びフィン101eは、散布部101Aaの少なくとも一部において、第1外気流路を狭窄するように設けられている。
抵抗部16G,16Hとしてのチューブ101c、フィン101d及びフィン101eは、散布部101Aa,101Abにおいて第1外気流路を狭窄するように設けられているので、散布部101Aa,101Abにおける空気の流速が抑制される。よって、散布部101Aa,101Abに散布された水は、空気によって吹き飛ばされにくくなり、より熱交換器に留まることが出来る。また、熱交換器のコアの一部が抵抗部16G,16Hとして機能するので、抵抗部として別の部品を増やす必要がないため、抵抗部を配置するスペース等を考慮する必要がない。
散布部101Aaにおいて隣接するチューブ101cの間隔を変更するだけで抵抗部16Gとして機能させているので、簡便な構成で散布部に散布された水を熱交換器に留まらせることができる。
散布部101Aaにおいてフィン101dのピッチを変更し、隣接するフィン101dの間隔を変更するだけで抵抗部16Gとして機能させているので、簡便な構成で散布部101Aaに散布された水を熱交換器に留まらせることができる。
散布部101Abにおけるフィン101eの厚みを非散布部101Baにおけるフィン101bの厚みよりも厚くすることで、散布部101Abにおいて隣接するフィン101eの間隔を狭くすることができるので、フィン101eの厚みの調整という簡便な手段で散布部101Abに散布された水を熱交換器に留まらせることができる。
本発明の第9実施形態について図12を参照しながら説明する。第9実施形態の熱交換装置3Gは、散水装置11が散布部101Aに対向する位置ではなく、車両の前方から見て、抵抗部16及び散布部101Aと重ならない位置に配置されている。このようなオフセット配置は、上記したいずれの実施形態においても適用することができる。
上記したように各実施形態では、散布部101A,101Aa,101Abを通る空気の流路である第1外気流路を流れる空気に対する抵抗を、非散布部101B,101Baを通る空気の流路である第2外気流路を流れる空気に対する抵抗よりも高めるように抵抗部16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G,16Hが設けられているので、第1外気流路は相対的に空気が流れにくくなる一方で、第2外気流路は相対的に空気が流れやすくなる。従って、第1外気流路を流れる空気の流速が抑制され、流速が抑制された空気が散布部101A,101Aa,101Abを通るので、散布部101A,101Aa,101Abに散布された水は空気によって吹き飛ばされにくくなり、散布部101A,101Aa,101Abに留まる。水が散布部101A,101Aa,101Abに留まると、散布部101A,101Aa,101Abの表面に広がる時間が確保されるので、蒸発による冷却効果を発揮させ、熱交換器の放熱効率を向上させることができる。
3,3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G:熱交換装置
10:熱交換器
101:コア
101A,101Aa,101Ab:散布部
101B,101Ba:非散布部
11:散水装置
12:ファンシュラウド
16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G,16H:抵抗部

Claims (12)

  1. 熱交換装置(3,3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G)であって、
    コア(101)の内部流路を流れる流体と前記コアを通過する空気との間で熱交換し、前記流体を冷却するものであって、前記コアには水が散布される散布部(101A,101Aa,101Ab)及び水が散布されない非散布部(101B,101Ba)とが設けられてなる熱交換器(10)と、
    前記散布部に水を散布する散水装置(11)と、を備え、
    前記コアに向かって空気を導入し、前記コアにおいて空気を熱交換させ、前記コアを通過した空気を導出する外気流路は、前記散布部を通る空気が流れる第1外気流路(14A,15A)と、前記非散布部を通る空気が流れる第2外気流路(14B,15B)とを含み、
    前記第1外気流路を流れる空気に対する抵抗を、前記第2外気流路を流れる空気に対する抵抗よりも高める抵抗部(16,16A,16B,16C,16D,16E,16F,16G,16H)を更に備える熱交換装置。
  2. 前記抵抗部(16B)は、前記第1外気流路における前記散布部の上流側において、前記散布部と対向するように設けられている、請求項1に記載の熱交換装置。
  3. 前記抵抗部(16)は、前記第1外気流路における前記散布部の下流側において、前記散布部と対向するように設けられている、請求項1に記載の熱交換装置。
  4. 前記熱交換器から前記外気流路の下流側に伸び、前記外気流路を画定するファンシュラウド(12)と、前記ファンシュラウドの下流端において吸込み流を形成するファン(13)と、が設けられており、
    前記抵抗部(16C,16D,16E,16F)は、前記ファンシュラウドの内部であって、前記散布部から前記ファンに至る間の前記第1外気流路に、前記第1外気流路の少なくとも一部を狭めるように設けられている、請求項1に記載の熱交換装置。
  5. 前記抵抗部(16C)は、前記ファンシュラウドの下流端を構成する部分から前記熱交換器に向けて延びるように設けられている、請求項4に記載の熱交換装置。
  6. 前記抵抗部(16F)は、前記ファンシュラウドの下流端から前記熱交換器に接する部分まで延びるように設けられている、請求項5に記載の熱交換装置。
  7. 前記熱交換器は、非散布時に求められる熱交換性能を前記非散布部において果たすように構成されている、請求項6に記載の熱交換装置。
  8. 前記抵抗部(16G,16H)は、前記コアに設けられている、請求項1に記載の熱交換装置。
  9. 前記抵抗部は、前記散布部の少なくとも一部において、前記第1外気流路を狭窄するように設けられている、請求項8に記載の熱交換装置。
  10. 前記コアは、複数のフィンと複数のチューブとを有し、
    前記抵抗部(16G)は、前記散布部において隣接する前記チューブ(101c)の間隔を、前記非散布部において隣接する前記チューブ(101a)の間隔よりも狭くすることによって構成されている、請求項9に記載の熱交換装置。
  11. 前記コアは、複数のフィンと複数のチューブとを有し、
    前記抵抗部(16G)は、前記散布部において隣接する前記フィン(101d)の間隔を、前記非散布部において隣接する前記フィン(101b)の間隔よりも狭くすることによって構成されている、請求項9に記載の熱交換装置。
  12. 前記散布部における前記フィン(101e)の厚みを、前記非散布部におけるフィン(101b)の厚みよりも厚く構成している、請求項11に記載の熱交換装置。
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