JP2017115644A - 燃料噴射装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気管中に燃料を噴射する燃料噴射装置の燃料経路へのエアの混入の有無を判定可能な、新規かつ改良された燃料噴射装置の制御装置を提供する。【解決手段】燃料噴射装置の制御装置は、制御弁を閉じた状態で開閉制御弁を開かせて燃料を制御弁に供給した後に開閉制御弁を閉じさせ、さらに、開閉制御弁を閉じた状態で制御弁を開かせる判定用制御を実行する弁制御部と、開閉制御弁を閉じさせる際の上流側圧力センサ及び下流側圧力センサのセンサ値と制御弁を開弁させた後の上流側圧力センサ及び下流側圧力センサのセンサ値とに基づいて上流側燃料通路及び下流側燃料通路のうちのいずれかに混入したエアの有無を判定する判定部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料噴射装置の制御装置に関し、特に、排気管内に燃料を噴射する燃料噴射装置の制御装置に関する。
従来、車両に搭載される内燃機関の排気中に、窒素酸化物(以下、「NOx」ともいう。)や微粒子状物質(以下、「PM」ともいう。)が含まれる場合がある。このうち、PMを捕集するための機器として、パティキュレートフィルタがある。パティキュレートフィルタは、内燃機関の排気管に配設され、排気が当該パティキュレートフィルタを通過する際に排気中のPMを捕集する。パティキュレートフィルタを備えた排気浄化システムでは、パティキュレートフィルタの目詰まりを防止するために、パティキュレートフィルタの温度を300℃〜600℃程度に上昇させてパティキュレートフィルタに堆積したPMを強制的に燃焼(酸化)させる再生制御が適時に行われる。
例えば、特許文献1には、排気管にパティキュレートフィルタが設けられ、パティキュレートフィルタの上流側で、内燃機関の燃料を排気管中に噴射する燃料噴射器が開示されている。具体的に、かかる燃料噴射器は、噴射された燃料がパティキュレートフィルタの上流側に設けられた酸化触媒を通過する際に酸化され、このときに発生する酸化熱によって排気温度を上昇させて、パティキュレートフィルタに堆積したPMを燃焼させる装置として使用される。この他、排気管に直接燃料を噴射する燃料噴射装置は、排気通路中に配設された触媒の温度を上昇させ、触媒を活性化させる技術にも用いられ得る。
特表2009−526944号公報
ここで、かかる燃料噴射装置では、例えば、車両の組立時、燃料切れの発生時、燃料噴射装置又は排気管のメンテナンスの実施時、又は、燃料噴射器の気密不良時等に、燃料経路内に空気が混入する場合がある。燃料経路内に空気が混入していると、燃料噴射装置から空気のみが噴射されたり、燃料の霧化が不十分となって排気管内に均一に燃料が供給されなくなったりする。このような状態では、燃料噴射制御の開始後の燃料噴射量が不足し、酸化触媒の温度上昇が不十分になるおそれがある。この場合、燃料噴射量が増加するように制御を行うと、酸化触媒の温度が急激に上昇して、パティキュレートフィルタや触媒を溶損させるおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、排気管中に燃料を噴射する燃料噴射装置の燃料経路へのエアの混入の有無を判定可能な、新規かつ改良された燃料噴射装置の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、供給される燃料圧力が設定圧を超えたときに開弁して排気管内に燃料を噴射する開閉弁と、開閉弁に向けて供給される燃料量を調整する制御弁と、制御弁の上流側で制御弁への燃料の供給及び停止を制御する開閉制御弁と、開閉制御弁と制御弁との間の上流側燃料通路に設けられた上流側圧力センサと、制御弁と開閉弁との間の下流側燃料通路に設けられた下流側圧力センサと、を備えた燃料噴射装置を制御するための制御装置であって、制御弁を閉じた状態で開閉制御弁を開かせて燃料を制御弁に供給した後に開閉制御弁を閉じさせ、さらに、開閉制御弁を閉じた状態で制御弁を開かせる判定用制御を実行する弁制御部と、開閉制御弁を閉じさせる際の上流側圧力センサ及び下流側圧力センサのセンサ値と制御弁を開弁させた後の上流側圧力センサ及び下流側圧力センサのセンサ値とに基づいて上流側燃料通路及び下流側燃料通路のうちのいずれかに混入したエアの有無を判定する判定部と、を備える、燃料噴射装置の制御装置が提供される。
本発明によれば、燃料経路の上流側から開閉制御弁、制御弁、及び開閉弁を備えた燃料噴射装置における、開閉制御弁と制御弁との間の圧力値、及び、制御弁と開閉弁との間の圧力値に基づいて、供給経路内へのエアの混入の有無を判定することができる。したがって、エアが混入している場合には、エア抜き制御を実行したり、警告動作を行ったり等、適切な対応を取ることができ、パティキュレートフィルタや触媒等の破損を防止することができる。
判定部によりエアが混入していると判定された場合、弁制御部は、開閉制御弁を開かせた状態で制御弁の開閉制御を行うエア抜き制御を実行してもよい。
弁制御部は、所定の単位時間に対する開弁時間の比であるデューティ比を制御することにより制御弁を制御し、弁制御部は、エア抜き制御時において、デューティ比を小さくして制御弁を開かせてもよい。
弁制御部は、判定部によりエアが混入していないと判定されるまで、判定用制御及びエア抜き制御を繰り返してもよい。
判定部は、エアが混入していると判定した回数が所定の閾値を超えた場合に警告動作をさせてもよい。
判定部は、上流側圧力センサ及び下流側圧力センサのセンサ値として、所定期間内の平均値又は所定回数の平均値を用いて判定を行ってもよい。
判定部は、あらかじめ定められた所定の判定実施条件の成立、及び、ユーザによる判定開始指示の入力の少なくとも一方の条件にしたがって、弁制御部に判定用制御を実行させ、判定を行ってもよい。
本発明によれば、排気管中に燃料を噴射する燃料噴射装置の燃料経路へのエアの混入の有無を判定することが可能となる。
本発明の実施の形態にかかる排気浄化システムの構成例を示す模式図である。 同実施形態にかかる燃料噴射装置の構成例を示す模式図である。 同実施形態にかかる燃料噴射装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。 エアの混入度合いの違いによる圧力の挙動の違いについて示す説明図である。 同実施形態にかかる制御装置による制御方法を示すフローチャートである。 エア判定モード時の処理を示すフローチャートである。 圧力判定の処理を示すフローチャートである。 エア抜きモード時の処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.排気浄化システムの全体構成>
図1は、本実施形態にかかる排気浄化システム100の全体構成の一例を示している。かかる排気浄化システム100は、酸化触媒21及びパティキュレートフィルタ22を有する排気浄化ユニット20と、排気管11内に燃料を噴射する燃料噴射装置90と、排気温度の昇温制御を行う制御装置60を備える。本実施形態では、ディーゼルエンジン等の内燃機関5の制御装置が制御装置60として機能する。かかる排気浄化システム100は、内燃機関5の一態様としてのディーゼルエンジンの排気を浄化するシステムであって、内燃機関5の排気中に含まれるPMをパティキュレートフィルタ22によって捕集し、排気を浄化させるシステムである。
排気浄化ユニット20は、酸化触媒21とパティキュレートフィルタ22とを排気上流側から順次に備える。内燃機関5から排出される排気は、排気管11を流れ、酸化触媒21及びパティキュレートフィルタ22を通過して外部へ排出される。なお、パティキュレートフィルタ22の下流には、排気中の窒素酸化物等の他の成分を除去するための装置が配置されていてもよい。
また、排気浄化システム100は、ディーゼル燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30内の燃料を吸い上げて圧送する燃料ポンプ32と、燃料に含まれる異物等を除去するための燃料フィルタ34とを備えている。燃料タンク30内の燃料は、燃料ポンプ32によって吐出され、燃料供給管36を通って燃料フィルタ34へ送られる。燃料フィルタ34を通過した燃料の一部は、燃料通路38aを通って燃料噴射装置90へ送られる。また、燃料フィルタ34へ送られた燃料の一部は、燃料供給管37を通って内燃機関5へ供給する燃料を高圧で保持するコモンレール(図示せず。)へ送られる。コモンレールに送られた燃料のうち、余剰分の燃料は燃料還流管39を通って燃料タンク30に戻される。
なお、本実施形態では、内燃機関5に燃料を供給する燃料経路から分岐する燃料通路38aを介して、燃料噴射装置90に対して燃料が供給されているが、内燃機関5に燃料を供給する燃料経路から独立した燃料経路が設けられてもよい。また、燃料噴射装置90に供給される燃料を貯蔵する燃料タンクは、内燃機関5に供給される燃料を貯蔵する燃料タンク30とは別に設けられてもよい。
<2.排気浄化ユニット>
パティキュレートフィルタ22は、排気がパティキュレートフィルタ22を通過する際に排気中のPM(微粒子状物質)を捕集する。パティキュレートフィルタ22は、公知のフィルタ、例えば、セラミック材料から構成されたハニカム構造のフィルタを用いることができる。パティキュレートフィルタ22に捕集されたPMは、パティキュレートフィルタ22の再生制御が行われるまでの間、パティキュレートフィルタ22上に堆積し得る。
酸化触媒21は、内燃機関5でのポスト噴射等によって排気とともに排気管11内に供給された未燃燃料や、燃料噴射装置90から噴射された燃料を酸化する。これにより、酸化熱が発生し、酸化触媒21を通過する排気の温度が上昇する。酸化触媒21は、公知の触媒、例えば、アルミナに白金を担持させたものに所定量のセリウム等の希土類元素を添加したものを用いることができる。酸化触媒21で発生する酸化熱によりパティキュレートフィルタ22に流入する排気の温度が上昇し、パティキュレートフィルタ22が加熱される。これにより、パティキュレートフィルタ22に捕集されたPMが燃焼し、パティキュレートフィルタ22が再生される。
排気浄化ユニット20は、酸化触媒21の上流及び下流にそれぞれ温度センサ50,52を備える。また、排気浄化ユニット20は、パティキュレートフィルタ22の上流側と下流側の圧力差を検出する差圧センサ54を備えている。これらセンサのセンサ値は制御装置60に送られて、それぞれの位置での温度や差圧が検出される。なお、かかる温度や差圧が演算によって推定可能である場合には、これらのセンサは省略されていてもよい。
排気浄化システム100では、パティキュレートフィルタ22に堆積したPMを強制的に燃焼させる強制再生制御が適時行われる。パティキュレートフィルタ22に捕集されたPMの堆積量が多くなるほど、パティキュレートフィルタ22の上流側の圧力と下流側の圧力との差が大きくなる。本実施形態にかかる排気浄化システム100では、差圧センサ54により検出される差圧が大きくなったときに、強制再生制御が行われる。
強制再生制御では、燃料噴射装置90により酸化触媒21の上流の排気管11内に燃料が噴射され、かかる燃料が酸化触媒21で酸化される際に発生する酸化熱により、パティキュレートフィルタ22に流れ込む排気温度が上昇する。これにより、パティキュレートフィルタ22の温度が300℃〜600℃程度に上昇させられる。
強制再生制御を行う場合、例えば、制御装置60は、内燃機関5での吸気絞り、ポスト噴射等によって排気温度を上昇させる。また、排気温度が上昇し、酸化触媒21の温度が上昇すると、制御装置60は、燃料噴射装置90から燃料を噴射させる。これにより、酸化触媒21では燃料が酸化され、排気温度がさらに上昇する。この際、パティキュレートフィルタ22に流入する排気の温度が300℃〜600℃程度となるように、燃料噴射装置90による燃料の噴射量が調節される。
これにより、酸化触媒21で生じた酸化熱により高温にされた排気がパティキュレートフィルタ22へ流入し、パティキュレートフィルタ22内のPMが燃焼する。燃料噴射装置90からの燃料噴射による強制再生制御は、パティキュレートフィルタ22に捕集されたと推定されるPMの量に応じて、例えば15分〜30分程度行われる。
<3.燃料噴射装置>
燃料噴射装置90は、酸化触媒21の上流の排気管11内に燃料を噴射する噴射ユニット80と、噴射ユニット80からの燃料の噴射量を調節する調量ユニット70とを備えている。図1に示すように、調量ユニット70には燃料通路38aが接続され、燃料ポンプ32により圧送される燃料の一部が調量ユニット70に供給される。また、調量ユニット70と噴射ユニット80とは燃料通路(下流側燃料通路)38bにより接続され、調量ユニット70で調量された燃料が噴射ユニット80に供給される。
図2は、燃料噴射装置90の構成例を示す模式図である。調量ユニット70は、燃料が流れる方向に沿って上流側から順に、開閉制御弁72、上流側圧力センサ74、制御弁76、及び下流側圧力センサ78を備える。
開閉制御弁72は、調量ユニット70による燃料の調量を行う際に開かれ、調量を行わない場合に閉じられる弁である。開閉制御弁72は、例えば、電磁駆動式のオンオフ弁により構成され、非通電時に閉弁され、通電時に開弁される。例えば、開閉制御弁72は、通常制御モードにおいて、パティキュレートフィルタ22の強制再生制御を行う場合に開弁され、強制再生制御を行わない場合に閉弁される。これにより、制御弁76への燃料の供給及び停止が制御される。開閉制御弁72の開弁及び閉弁は、制御装置60によって制御される。
制御弁76は、噴射ユニット80から排気管11へ燃料を噴射する際の噴射量を調節する弁である。制御弁76は、例えば、電磁駆動式の制御弁により構成され、制御装置60から送信されるPWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいてデューティ駆動される。具体的に、制御装置60は、上流側圧力センサ74のセンサ値により得られる燃料の圧力と、所定の演算により求められる目標噴射量とに基づいて、所定の単位時間に対する制御弁76の開弁時間の比であるデューティ比、及び、所定の単位時間の長さのうちの少なくとも一方を調節する。これにより、噴射ユニット80へ供給する燃料の量が調節される。
上流側圧力センサ74は、開閉制御弁72と制御弁76との間の上流側燃料通路38aaに設けられ、制御弁76の上流側の燃料の圧力(以下、「上流側燃料圧力」ともいう。)を測定する。同じ量の燃料を噴射ユニット80へ供給する場合、上流側燃料圧力が相対的に高いほど、制御弁76のデューティ比は小さく設定され、上流側燃料圧力が相対的に低いほど、制御弁76のデューティ比は大きくなるように設定される。
なお、開閉制御弁72と制御弁76との間、又は、開閉制御弁72の上流側に、オリフィス通路や一方向弁を有する燃料還流管が接続されていてもよい。かかる燃料還流管を備えることにより、制御弁76に供給される燃料の圧力が著しく高くなることが防止され、上流側圧力センサ74の破損を防ぐことができる。
下流側圧力センサ78は、制御弁76と開閉弁81との間の下流側燃料通路38bに設けられ、制御弁76の下流側の燃料の圧力(以下、「下流側燃料圧力」ともいう。)を測定する。本実施形態では、下流側圧力センサ78のセンサ値が、燃料通路38aa,38bに混入したエアの有無の判定に用いられる。この他、下流側圧力センサ78のセンサ値は、様々な異常診断に用いられてもよい。例えば、制御弁76を開弁する制御が行われているにも関わらず、下流側燃料圧力が上昇しない場合には、制御弁76が故障により閉じている又は開閉弁81が開弁状態で固着していると判定することができる。
噴射ユニット80は、調量ユニット70から送られる燃料の圧力に応じて開弁する機械式の開閉弁81を備える。開閉弁81は、弁体82と圧縮バネ84を備え、調量ユニット70から送られる燃料の圧力が圧縮バネ84の付勢力により調整された開弁圧を超えると開弁するように構成されている。かかる噴射ユニット80には内燃機関5の冷却水が循環しており、噴射ユニット80の温度は冷却水の温度(80℃程度)に維持されてもよい。
開閉弁81は、例えば、ポペット弁として構成され、適切な圧力の燃料が供給されることによってポペット弁のチャタリングを生じて、噴射される燃料を適切に霧化することができる。一方、開閉弁81に供給される燃料にエアが混入している場合においては、混入したエアによるダンパ効果によって、ポペット弁のチャタリングが生じず、適切に霧化されない液状の燃料が噴射されやすくなる。この場合、排気管11内に配設された酸化触媒21に対して均一に燃料が供給されず、排気温度を効率的に上昇させることができない場合がある。また、燃料にエアが混入している場合、実際の燃料噴射量と目標噴射量とにズレが生じ得る。
かかるエアの混入は、ポペット弁のチャタリング時の圧力波形を用いることにより判定できるとも考えられるが、かかるチャタリングの周波数は、1〜2kHz程度である一方、圧力センサの出力信号の測定周波数は100Hz程度であるため、測定が困難である。また、一般的に、圧力センサの出力信号には、出力値の急激な変動を抑制することを目的として、フィルタ機能や時定数変換が付加されていることから、チャタリングの周波数を検出することは困難である。このため、本実施形態にかかる燃料噴射装置90の制御装置60は、所定のエア判定モードを実行することにより、燃料通路38aa,38bに混入したエアの有無を判定するように構成されている。また、制御装置60は、エアの混入が推定される場合に、燃料通路38aa,38bからエアを排出する制御を実行するように構成されている。
ただし、本実施形態にかかる燃料噴射装置90に備えられる開閉弁81は、ポペット弁型の弁に限られない。
<4.制御装置>
図3を参照して、本実施形態の排気浄化システム100に備えられた制御装置60について説明する。図3は、制御装置60の構成を、機能的なブロックで表している。本実施形態にかかる制御装置60は、燃料を排気管11内に噴射する制御(以下、「通常制御モード」ともいう。)、燃料通路38aa,38bに混入したエアの有無を判定する制御(以下、「エア判定モード」ともいう。)、及び、燃料通路38aa,38bに混入したエアを排出する制御(以下、「エア抜きモード」ともいう。)を実行可能に構成される。
制御装置60は、主として公知のマイクロコンピュータ等を備えて構成され、弁制御部61と、圧力検出部65と、判定部69とを備える。弁制御部61は、制御弁76を制御するDV制御部62と、開閉制御弁72を制御するSV制御部63とを備える。また、圧力検出部65は、上流側圧力センサ74のセンサ値に基づき上流側燃料圧力Puを検出する上流側圧力検出部66と、下流側圧力センサ78のセンサ値に基づき下流側燃料圧力Pdを検出する下流側圧力検出部67とを備える。これらの各部は、マイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される機能であってよい。この他、制御装置60は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶部を備えている。
(4−1.圧力検出部)
圧力検出部65の上流側圧力検出部66及び下流側圧力検出部67は、それぞれ、上流側圧力センサ74又は下流側圧力センサ78のセンサ値を読込み、上流側燃料圧力Pu又は下流側燃料圧力Pdを検出する。検出した上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdは、図示しない記憶部に記憶される。
(4−2.弁制御部)
(4−2−1.DV制御部)
弁制御部61のDV(Dosing Valve)制御部62は、制御弁76の駆動制御を行う。DV制御部62は、通常制御モードにおいて、パティキュレートフィルタの再生制御の実行時等、排気温度を上昇させる際に、制御弁76を開弁する。例えば、DV制御部62は、所定の演算により求められる燃料の目標噴射量と、上流側燃料圧力Puとに基づいて、制御弁76のデューティ比を求め、制御弁76のデューティ制御を行う。これにより、下流側燃料圧力Pdが上昇し、開閉弁81が開弁することによって、燃料が排気管11内に噴射される。本実施形態にかかる制御装置60は、エア判定モード及びエア抜きモードを実行した後に通常制御モードに移行するため、通常制御モードでは、エアの混入のない状態で燃料噴射が行われ、所望の量の燃料が排気管11内に噴射される。
また、DV制御部62は、エア判定モードにおいて、判定用制御を実行する。本実施形態では、DV制御部62は、制御弁76を閉じて上流側燃料圧力Puを高めた後に、開閉制御弁72が閉じられた状態で、制御弁76の開閉動作を行う。このとき実行される開閉動作はあらかじめ設定されている。例えば、制御弁76の開弁回数あるいは作動時間と、それぞれの開弁時のデューティ比とが設定される。制御弁76の開弁時には、上流側燃料通路38aaと下流側燃料通路38bとが連通状態になり得るため、制御弁76の開閉の前後で、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdが変化する。このときの変化の仕方は、上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38bのエアの混入量に応じて異なり得る。
さらに、DV制御部62は、エア抜きモードにおいて、開閉制御弁72を開いて上流側燃料圧力Puを高めた状態で、制御弁76の開閉動作を行う。このとき実行される開閉動作はあらかじめ設定されていてもよい。例えば、DV制御部62は、酸化触媒21の急激な温度上昇を防ぐために、小さいデューティ比で制御弁76を駆動し、下流側燃料圧力Pdを徐々に高めつつ開閉弁81を開かせ、燃料通路38aa,38b内のエアを開閉弁81から排出してもよい。
あるいは、DV制御部62は、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdのエアの混入の程度に応じて、制御弁76の開弁動作を行ってもよい。具体的に、DV制御部62は、エアの混入量が多いほど、合計開弁時間又はデューティ比が大きくなるように制御弁76の開閉動作を行い、下流側燃料圧力Pdの上昇度合いを大きくして、燃料通路38aa,38b内のエアを開閉弁81から排出してもよい。例えば、エアの混入量の大小は、制御弁76の開閉前後の上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdの挙動に応じて推定することができる。したがって、DV制御部62は、制御弁76の開閉前後の上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdの挙動に基づいて、制御弁76の開閉動作を異ならせることができる。
ただし、かかる場合においても、DV制御部62は、一度に合計開弁時間分、制御弁76を開弁するのではなく、例えば、合計開弁時間の2分の1から5分の1程度の時間、制御弁76を開弁させ、それでもなお、エアが混入していると判定される場合に、さらにエア抜きを実行することが好ましい。
(4−2−2.SV制御部)
SV(Shutoff Valve)制御部63は、開閉制御弁72の駆動制御を行う。SV制御部63は、通常制御モードにおいて、排気管11内に燃料を噴射する場合に、開閉制御弁72を開弁状態に保持する。これにより、通常制御モードにおいては、常時、制御弁76側に燃料が供給される。
また、SV制御部63は、エア判定モードにおいて、判定用制御を実行する。本実施形態では、SV制御部63は、制御弁76が閉じられた状態で、開閉制御弁72を開かせて所定時間保持した後、開閉制御弁72を閉じさせて、上流側燃料通路38aaに圧力を閉じ込める。これにより、上流側燃料通路38aa内に燃料が供給され、上流側燃料圧力Puが上昇する。このとき、開弁時間があらかじめ設定されてもよいし、上流側燃料圧力Puが所定の圧力となるまで開閉制御弁72を開かせてもよい。上流側燃料圧力Puが高められた状態で、DV制御部62による制御弁76の開閉動作が行われる。
また、SV制御部63は、エア抜きモードにおいて、開閉制御弁72を開弁状態に保持する。これにより、エア抜きモードにおいては、常時、制御弁76側に燃料が供給される。
(4−3.判定部)
判定部69は、エア判定モードにおいて、制御弁76を閉じた状態で開閉制御弁72を開かせて燃料を制御弁76に供給した後に、開閉制御弁72を閉じさせ、さらに、開閉制御弁72を閉じた状態で制御弁76を開かせる判定用制御を、弁制御部61に実行させる。また、判定部69は、かかる判定用制御を実行させた後、開閉制御弁72を閉じさせる際の上流側圧力センサ74及び下流側圧力センサ78のセンサ値と、制御弁76を開弁させた後の上流側圧力センサ74及び下流側圧力センサ78のセンサ値とに基づいて、上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38bのうちのいずれかに混入したエアの有無を判定する。
上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38bへのエアの混入度合いに応じて、検出される上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdの挙動が異なり得るため、判定部69は、かかる上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdの挙動に基づいて、エアの混入の有無を判定する。
より具体的には、判定部69は、制御弁76を閉じた状態で開閉制御弁72を開かせて上流側燃料圧力Puを上昇させた後、開閉制御弁72を閉じさせる際に検出される第1の上流側燃料圧力Pu1及び第1の下流側燃料圧力Pd1を取得する。また、判定部69は、開閉制御弁72を閉じさせた後に、制御弁76の開閉動作を行った後に検出される第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2を取得する。判定部69は、これらの第1の上流側燃料圧力Pu1及び第1の下流側燃料圧力Pd1と、第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2とに基づいて、エアの混入の有無を判定する。
図4は、エアの混入度合いの違いによる圧力の挙動の違いを説明するための図である。図4は、上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38b内に空気のみが充満している状態から、制御弁76を閉じたまま、開閉制御弁72を開かせて、第1の上流側燃料圧力Pu1を7000hPaにした状態から、所定のエア抜き条件で、順次1分間エア抜きを実行した場合に検出される、第1の上流側燃料圧力Pu1、第1の下流側燃料圧力Pd1、第2の上流側燃料圧力Pu2、及び、第2の下流側燃料圧力Pd2を示している。エア抜き実施時間が0分の場合には、下流側燃料通路38bには燃料が供給されておらず、以降1分間のエア抜きを実施するごとに、下流側燃料通路38bに燃料が充填される。
図4に示した例では、エア抜きを実施する合計時間が5分に到達する時点で、燃料通路38aa,38bからのエア抜きが完了する。つまり、エア抜き実施時間が0〜5分の場合に検出される各圧力Pu1,Pd1,Pu2,Pd2は、それぞれエアの混合度合いに応じて検出される圧力Pu1,Pd1,Pu2,Pd2を示している。なお、図4は、試験装置を用いた実験結果を示しており、縦軸に示す圧力値はゲージ圧であって、大気圧は0hPaで示されている。
エア抜きの完了後(エア抜き実施時間≧5分)においては、上流側燃料圧力Pu1が7,000hPaの状態で、開閉制御弁72を閉じたまま制御弁76を開くことにより、下流側燃料圧力Pdが開閉弁81の開弁圧を超えて、開閉弁81により適正な燃料の噴霧が形成される。このとき、上流側燃料圧力Puは低下し、かつ、下流側燃料圧力Pdは上昇するが、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdは、開閉弁81の開弁圧に向けて収束する。エア抜きの完了後においては、第1の下流側燃料圧力Pd1に対して第2の下流側燃料圧力Pd2が上昇する傾向が現れる。これは、エアの混入が無いために、エアによるダンパ効果が発現しないことによるものである。
これに対して、エア抜きの完了前(エア抜き実施時間≦4分)においては、第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2がともに、開閉弁81の開弁圧を下回っている。図に示した例では、エア抜き実施時間が0〜1分の間は、エア抜き時に空気のみが開閉弁81から噴出する。また、エア抜き実施時間が1〜4分の間は、エア抜き時に空気を含んだ燃料の噴霧が形成される。そのため、エア抜きの完了前においては、制御弁76を開弁しても、エアのダンパ効果によって第2の下流側燃料圧力Pd2の上昇幅は小さく、かつ、第2の下流側燃料圧力Pd2は第2の上流側燃料圧力Pu2よりも小さくなる。
このように、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdにおけるエアの混合度合いによって、エア判定モードを実行した際の第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2に差が生じる。したがって、燃料噴射装置90ごとに、あらかじめエア判定モード及びエア抜きモードの条件を決めて、あらかじめエア判定モードを実行した際の第1の上流側燃料圧力Pu1及び第1の下流側燃料圧力Pd1と、第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2を求めておくことで、エアの混入度合いを推定することができる。
上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38bへのエアの混入の有無を判定する際に用いる第1の上流側燃料圧力Pu1及び第1の下流側燃料圧力Pd1、あるいは、第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2は、ある時点の瞬間値としてもよいし、所定期間内の平均値又は所定回数の平均値としてもよい。平均値を利用する場合には、上流側圧力センサ74又は下流側圧力センサ78のセンサ値にノイズが含まれる場合であっても、判定結果の信頼性を補償することができる。
判定部69は、エア判定モードにより、上流側燃料通路38aa及び下流側燃料通路38bにエアが混入していると判定された場合には、エア抜きモードに移行する。これにより、DV制御部62及びSV制御部63は、エア抜きモードでそれぞれ開閉制御弁72及び制御弁76を制御する。判定部69は、エア判定モード及びエア抜きモードを繰り返し実行させ、エアが混入していないと判定されたときに、通常制御モードに移行させる。以降、弁制御部61は、パティキュレートフィルタ22の再生時等、排気温度を上昇させる制御の指令を受けたときに、開閉制御弁72及び制御弁76を開かせて、排気管11内に燃料を噴射させる。これにより、適切な噴霧が形成されて、酸化触媒21に対して均一に燃料が供給されるとともに、燃料噴射量の精度を高めることができる。
また、判定部69は、所定の判定実施条件の成立時に、エア判定モードを実行させてもよい。判定実施条件としては、例えば、以下に例示する条件のうちの1つあるいは複数とすることができる。
・ドライビングサイクルにおける最初のパティキュレートフィルタ22の再生制御実行開始時であること
・各日の最初の内燃機関5の始動時であって、酸化触媒21が活性温度以上になったこと
・前回のパティキュレートフィルタ22の再生から所定時間経過したこと、又は、所定距離走行したこと
・パティキュレートフィルタ22の再生回数が所定の閾値に到達したこと
・内燃機関5の停止期間が所定時間又は所定日数以上経過したこと
上記の判定実施条件は、すなわち、燃料噴射装置90による燃料の噴射が行われなくなって、ある程度長い時間が経過したような状態を判断するための条件である。かかる判定実施条件の成立時にエア判定モードを実行することにより、燃料通路38aa,38bへのエアの混入を検出して、エア抜きを行った上で、燃料噴射を行わせることができる。
また、判定部69は、判定実施条件の成立によらず、ドライバや整備士等のユーザによる判定開始指示の入力を受け付けたときに、エア判定モードを実行させてもよい。判定開始指示の入力は、スイッチやボタン等の操作に拠るものであってもよいし、コンピュータ等による制御装置60に対する指示に拠るものであってもよい。これにより、車両の組立時、燃料切れの発生時、燃料噴射装置又は排気管のメンテナンスの実施時、あるいは、燃料噴射器の気密不良時等に、強制的にエア判定モードに移行させることができる。
判定部69は、エア判定モード及びエア抜きモードを繰り返し実行させ、エアが混入していると判定された回数が所定の閾値に到達した場合には、警告動作を行わせてもよい。警告動作は、警告ランプの点灯、警告表示、又は警告音の発生等、ドライバや整備士等に異常を認識させ得る手段であれば特に限定されない。
<5.フローチャート>
次に、本実施形態にかかる燃料噴射装置90の制御装置60により実行される制御方法の一例について、図5〜図8のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
図5は、制御装置60によるエア判定モード時の処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS12において、制御装置60の判定部69は、エア判定モードを実行するか否かを判別する。例えば、判定部69は、所定の判定実施条件が成立しているか否かを判別してもよいし、ユーザによる判定開始指示の入力があるか否かを判別してもよい。エア判定モードの実行が不要である場合(S12:No)、判定部69は、ステップS24に進み、通常制御モードに移行させる。これ以降、制御装置60は、パティキュレートフィルタ22の再生制御時等、排気温度を上昇させる制御の実行指示を受け付けたときに、燃料噴射装置90による燃料噴射制御を実行する。一方、エア判定モードの実行が必要である場合(S12:Yes)、制御装置60は、ステップS14に進み、エア判定モードを実行する。
図6は、エア判定モードにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS32において、制御装置60の弁制御部61が判定用制御を実行しつつ、圧力検出部65が、第1の上流側燃料圧力Pu1、第1の下流側燃料圧力Pd1、第2の上流側燃料圧力Pu2、及び、第2の下流側燃料圧力Pd2を測定し、測定結果を記憶素子等に記憶させる。
図7は、判定用制御を伴う圧力測定の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS52において、制御装置60のDV制御部62は、開閉制御弁72を開弁状態に保持させ、SV制御部63は、制御弁76を閉弁状態に保持させる。これにより、上流側燃料通路38aa内に燃料が充填され、上流側燃料圧力Puが上昇する。次いで、ステップS54において、制御装置60の圧力検出部65は、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdを検出し、第1の上流側燃料圧力Pu1及び第1の下流側燃料圧力Pd1として記憶素子等に記憶させる。次いで、ステップS56において、SV制御部63は、開閉制御弁72を閉弁させる。開閉制御弁72を開弁させてから閉弁させるまでの時間は、あらかじめ設定されていてよい。また、第1の上流側燃料圧力Pu1及び第2の上流側燃料圧力Pd1の検出は、開閉制御弁72を閉弁させる直前に行われることが好ましい。
次いで、ステップS58において、DV制御部62は、制御弁76に所定の開弁動作を行わせる。実行される開弁動作における開弁回数や開弁時間、デューティ比は、あらかじめ設定されていてよい。次いで、ステップS60において、圧力検出部65は、上流側燃料圧力Pu及び下流側燃料圧力Pdを検出し、第2の上流側燃料圧力Pu2及び第2の下流側燃料圧力Pd2として記憶素子等に記憶させる。
図6に戻り、ステップS34において、制御装置60の判定部69は、記憶されている第1の上流側燃料圧力Pu1、第1の下流側燃料圧力Pd1、第2の上流側燃料圧力Pu2、及び第2の下流側燃料圧力Pd2を読み出す。次いで、ステップS36において、判定部69は、第1の上流側燃料圧力Pu1から第2の上流側燃料圧力Pu2を引いた値がゼロ以上であるか否かを判別する。つまり、制御弁76の開閉動作を行ったことにより、上流側燃料圧力Puが適切に低下したか否かを判別する。
第1の上流側燃料圧力Pu1から第2の上流側燃料圧力Pu2を引いた値がゼロ未満の場合(S36:No)、判定部69は、ステップS50に進み、第1の上流側燃料圧力Pu1から第2の上流側燃料圧力Pu2を引いた値がゼロ未満と判定された回数(カウンタ値)があらかじめ設定した閾値N1以上か否かを判別する。カウンタ値が閾値N1未満の場合(S50:No)、ステップS32に戻って、圧力の測定からやり直す。一方、カウンタ値が閾値N1以上の場合(S50:Yes)、上流側燃料圧力Puが適切に変化しておらず、燃料噴射装置90に異常が生じているおそれがあることから、判定部69は、ステップS52でエラー判定をし、エア判定モードを終了させる。
また、上記ステップS36において、第1の上流側燃料圧力Pu1から第2の上流側燃料圧力Pu2を引いた値がゼロ以上の場合(S36:Yes)、ステップS38に進み、判定部69は、第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値がゼロ以上であるか否かを判別する。つまり、制御弁76の開閉動作を行ったことにより、下流側燃料圧力Pdが適切に上昇したか否かを判別する。
第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値がゼロ未満の場合(S38:No)、エアのダンパ効果によって下流側燃料圧力Pdが上昇しなかったと推定されるため、判定部69は、ステップS48に進んで、燃料通路38aa,38bにエアが混入していると判定し、エア判定モードを終了させる。一方、第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値がゼロ以上の場合(S38:Yes)、ステップS40に進み、判定部69は、第2の下流側燃料圧力Pd2があらかじめ設定される閾値A以下であるか否かを判別する。かかる閾値Aは、下流側燃料通路38bに液体が充填されているか、又は、基体が充填されているかを識別するための閾値であって、燃料通路38aa,38bの容積や長さ、直径等に応じてあらかじめ求められて設定され得る。
第2の下流側燃料圧力Pd2が閾値A以下である場合(S40:Yes)、判定部69は、ステップS42に進んで、燃料通路38aa,38bに大量にエアが混入していると判定し、エア判定モードを終了させる。一方、第2の下流側燃料圧力Pd2が閾値Aを超える場合(S40:No)、ステップS44に進み、判定部69は、第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値があらかじめ設定される閾値B以上であるか否かを判別する。かかる閾値Bは、燃料通路38aa,38b内からエアが抜けているか否かを判別するための閾値であって、燃料通路38aa,38bの容積や長さ、直径等に応じてあらかじめ求められて設定され得る。
第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値が閾値B以上である場合(S44:Yes)、ステップS46に進み、判定部69は、燃料通路38aa,38bにエアは混入していないと判定し、エア判定モードを終了させる。一方、第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値が閾値B未満の場合(S44:No)、ステップS48に進み、判定部69は、燃料通路38aa,38b内にエアが混入していると判定し、エア判定モードを終了させる。
図5に戻り、以上例示したようにエア判定モードを実行した後、ステップS16において、判定部69は、エア判定モードによる判定結果に基づき、燃料通路38aa,38bへのエアの混入があるか否かを判別する。エアの混入が無いと判定された場合(S16:No)、ステップS24に進み、判定部69は、通常制御モードに移行させ、排気温度を上昇させる制御を実行する。一方、燃料通路38aa,38bにエアが混入していると判定された場合(S16:Yes)、ステップS18に進み、判定部69は、エア抜きモードを実行させる。
図8は、エア抜きモードにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。エア抜きモードにおいては、ステップS62において、SV制御部63が、開閉制御弁72を開弁状態で保持させた後、ステップS63において、DV制御部62が、制御弁76の開弁制御を実行する。これにより、開閉弁81側に供給される燃料によって、燃料通路38aa,38b内に混入したエアが、あるいは、エアを含む燃料が、開閉弁81から噴射される。このとき、DV制御部62は、圧力Pu1,Pu2,Pd1,Pd2の挙動に応じて制御弁76の開弁時間やデューティ比を設定し、制御弁76の開閉動作を行わせてもよい。例えば、エアの混入量が多いほど、第2の下流側燃料圧力Pd2から第1の下流側燃料圧力Pd1を引いた値が小さくなるため、この値に応じて、制御弁76の開弁時間やデューティ比を設定することができる。開閉弁81の合計開弁時間は、開閉弁81から燃料が噴射しないような時間に設定されてもよい。
ただし、エア判定モードによる判定結果が誤っており、実際には燃料通路38aa,38b内に燃料が充填されている場合においても、エア抜きモードの実行によって大量の燃料が排気管11内に噴射されることを防いで、パティキュレートフィルタ22や触媒等の破損を防止するためには、エア抜きモードを1回実行する際の開弁時間やデューティ比が短く設定されてもよい。この場合、エア抜きモード及びエア判定モードが複数回繰り返されることによって、燃料通路38aa,38b内のエアが排出される。
図5に戻り、ステップS18におけるエア抜きモードの終了後、ステップS20に進み、判定部69は、エア抜きモードを繰り返した回数(カウンタ値)があらかじめ設定された閾値N2以下であるか否かを判別する。閾値N2は、1回のエア抜きモードにおける制御弁76の開弁時間やデューティ比と、燃料通路38aa,38bの容積や長さ、内径等とに基づいてあらかじめ設定される値であって、エア抜きモードの実行回数が閾値N2に到達する場合には、燃料通路38aa,38bから大部分のエアが排出され得るような値とすることができる。
カウンタ値が閾値N2を超える場合(S20:No)、エア抜きが適切に行われていないと推定されることから、判定部69は、ステップS22において、警告動作をさせる。警告動作は、警告ランプの点灯、警告表示、又は警告音の発生等、ドライバや整備士等に異常を認識させ得る手段であれば特に限定されない。これにより、ドライバや整備士等が、燃料噴射装置90の異常を知ることとなる。一方、カウンタ値が閾値N2以下の場合(S20:Yes)、判定部69は、ステップS14に戻って、エア判定モード及びエア抜きモードを繰り返し実行させる。これにより、燃料通路38aa,38bからエアが排出された場合には通常制御モードが開始され、適切にエアが排出されない場合には警告動作が行われる。
以上説明したように本実施形態にかかる燃料噴射装置90の制御装置60によれば、DV制御部62及びSV制御部63が判定用制御を実行したときに検出される、所定の圧力Pu1,Pu2,Pd1,Pd2を用いて、燃料通路38aa,38bへのエアの混入の有無を判定することができる。したがって、エアが混入している場合には、エア抜き制御を実行したり、警告動作を行ったり等、適切な対応を取ることができ、パティキュレートフィルタ22や触媒等の破損を防ぐことができる。
また、本実施形態にかかる燃料噴射装置90の制御装置60は、燃料通路38aa,38bにエアが混入している場合には、エア抜きモードに移行されて、燃料通路38aa,38bからエアを排出する制御を実行した後に、通常制御モードに移行される。したがって、通常制御モードにおいて、酸化触媒21に対して均一に燃料を供給することができ、かつ、燃料噴射量のズレを低減することができる。したがって、排気温度を効率的に上昇させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
21 酸化触媒
22 パティキュレートフィルタ
38aa 上流側燃料通路
38b 下流側燃料通路
60 制御装置
61 弁制御部
62 DV制御部
63 SV制御部
65 圧力検出部
66 上流側圧力検出部
67 下流側圧力検出部
69 判定部
70 調量ユニット
72 開閉制御弁
74 上流側圧力センサ
76 制御弁
78 下流側圧力センサ
80 噴射ユニット
81 開閉弁
90 燃料噴射装置

Claims (7)

  1. 供給される燃料圧力が設定圧を超えたときに開弁して排気管内に燃料を噴射する開閉弁と、前記開閉弁に向けて供給される燃料量を調整する制御弁と、前記制御弁の上流側で前記制御弁への燃料の供給及び停止を制御する開閉制御弁と、前記開閉制御弁と前記制御弁との間の上流側燃料通路に設けられた上流側圧力センサと、前記制御弁と前記開閉弁との間の下流側燃料通路に設けられた下流側圧力センサと、を備えた燃料噴射装置を制御するための制御装置であって、
    前記制御弁を閉じた状態で前記開閉制御弁を開かせて前記燃料を前記制御弁に供給した後に前記開閉制御弁を閉じさせ、さらに、前記開閉制御弁を閉じた状態で前記制御弁を開かせる判定用制御を実行する弁制御部と、
    前記開閉制御弁を閉じさせる際の前記上流側圧力センサ及び前記下流側圧力センサのセンサ値と前記制御弁を開弁させた後の前記上流側圧力センサ及び前記下流側圧力センサのセンサ値とに基づいて前記上流側燃料通路及び前記下流側燃料通路のうちのいずれかに混入したエアの有無を判定する判定部と、
    を備える、燃料噴射装置の制御装置。
  2. 前記判定部によりエアが混入していると判定された場合、前記弁制御部は、前記開閉制御弁を開かせた状態で前記制御弁の開閉制御を行うエア抜き制御を実行する、請求項1に記載の燃料噴射装置の制御装置。
  3. 前記弁制御部は、所定の単位時間に対する開弁時間の比であるデューティ比を制御することにより前記制御弁を制御し、
    前記弁制御部は、前記エア抜き制御時において、前記デューティ比を小さくして前記制御弁を開かせる、請求項2に記載の燃料噴射装置の制御装置。
  4. 前記弁制御部は、前記判定部によりエアが混入していないと判定されるまで、前記判定用制御及び前記エア抜き制御を繰り返す、請求項2又は3に記載の燃料噴射装置の制御装置。
  5. 前記判定部は、エアが混入していると判定した回数が所定の閾値を超えた場合に警告動作をさせる、請求項4に記載の燃料噴射装置の制御装置。
  6. 前記判定部は、前記上流側圧力センサ及び前記下流側圧力センサのセンサ値として、所定期間内の平均値又は所定回数の平均値を用いて前記判定を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料噴射装置の制御装置。
  7. 前記判定部は、あらかじめ定められた所定の判定実施条件の成立、及び、ユーザによる判定開始指示の入力の少なくとも一方の条件にしたがって、前記弁制御部に前記判定用制御を実行させ、前記判定を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料噴射装置の制御装置。
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