JP2017115591A - 過給機の吸音構造 - Google Patents

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佳彦 加藤
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澄人 堀
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Abstract

【課題】複数の種類の動作音を発生する過給機への吸音効率を向上させること。
【解決手段】吸音構造は、駆動側と従動側をそれぞれ覆う複数のハウジング32,34,36を備えた過給機30の吸音構造であり、複数のハウジング32,34,36に対向して設けられる中空のカバーを備える。カバーは、複数のハウジング32,34,36に対応して区画された複数の空気層と、複数のハウジング32,34,36と対向する面に形成され各空気層に連通する複数の貫通孔とで構成された複数の吸音部を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に設けられた過給機の吸音構造に関する。
従来、内燃機関からの排気系の発熱部位に遮熱板を配置して、他の部材に熱が伝わりにくくなるように構成された車両が知られている。
また、上記遮熱板を利用して排気系の周辺に空気層を形成したり、空気層に連通する孔を設けて排気系の周囲にヘルムホルツ構造を形成したりして、遮熱効果とともに吸音効果を得られる構成とした車両が知られている(例えば、下記特許文献1から3参照)。
特開2010−264893号公報 特開2000−190744号公報 特許第3727488号公報
車両内の騒音発生箇所の1つとして、内燃機関に導入する吸気を圧縮する過給機が挙げられる。過給機は高温となる部品であるため、耐久性の観点から周囲を覆わないようにする、または遮熱板を設けるのが一般的である。
過給機の周辺に遮熱板を設けない場合には、過給機で発生する動作音を吸音するためにキャビン側に吸音材を取付けるなどの対応が必要となる。
また、過給機の周辺に遮熱板を設ける場合には、駆動音の一部を低減できる場合があるが、遮熱板の共振により駆動音が増幅したり、遮熱板で反射した騒音が車室方向に伝播して搭乗者に伝達されて駆動音の音量が大きくなる場合がある。
また、過給機にはコンプレッサー翼、タービン翼、軸等が複数のハウジングに内蔵されており、部位によって発生する動作音の周波数が異なる。
従来技術にかかる吸音構造では、吸音効果のピークが単一の周波数に限られるため、周波数が異なる複数種類の動作音が発生する過給機に適用する場合に改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の種類の動作音を発生する過給機への吸音効率を向上させた吸音構造を提供することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる過給機の吸音構造は、過給機の駆動側と従動側をそれぞれ覆う複数のハウジングを備えた過給機の吸音構造であって、前記複数のハウジングに対向して設けられる中空のカバーを備え、前記カバーは、前記複数のハウジングに対応して区画された複数の空気層と、前記複数のハウジングと対向する面に形成され前記各空気層に連通する複数の貫通孔とで構成された複数の吸音部を有する、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる過給機の吸音構造は、前記吸音部は、前記複数の吸音部に対応するそれぞれのハウジングで発生する動作音の周波数に対応したヘルムホルツ構造である、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる過給機の吸音構造は、複数のハウジングの軸方向の一方の端部に吸気管が連結されると共に他方の端部に排気管が連結され、前記カバーは、前記複数のハウジングを並べた方向の全長部分を含む前記吸気管の部分から前記排気管の部分を覆う長さで形成され、前記カバーは、前記吸気管の部分に対応する吸音部と、前記排気管の部分に対応する吸音部を更に備え、前記吸気管の部分に対応する吸音部は、前記吸気管の部分の前記周方向と前記軸方向に延在する空気層と、前記カバーが前記吸気管の部分と対向する面に形成され前記空気層に連通する複数の貫通孔とで構成され、前記排気管の部分に対応する吸音部は、前記排気管の部分の前記周方向と前記軸方向に延在する空気層と、前記カバーが前記排気管の部分と対向する面に形成され前記空気層に連通する複数の貫通孔とで構成される、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる過給機の吸音構造は、前記過給機は、車室の前方に仕切られた車体の前部空間に配置され、前記カバーは、少なくとも車室側の位置する前記過給機の周方向の一部を覆うように配置されている、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる過給機の吸音構造は、前記カバーは、複数の前記ハウジングと対向する面に配置され前記貫通孔が形成された内側略円筒面部を有するロアカバーと、前記内側略円筒面部の半径方向外側に配置される外側略円筒面部を有するアッパーカバーと、前記ロアカバーまたは前記アッパーカバーに一体的に設けられそれら内側略円筒面部と外側略円筒面部との間に前記複数の空気層を仕切る仕切り板とを含んでいる、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、吸音構造を構成するカバーは、複数のハウジングに対応した複数の吸音部を有しているので、各ハウジングで発生する動作音が対応する吸音部で吸音される。これにより、過給機の各ハウジングで発生する動作音の吸音効率を向上させることができ、車両の静粛性を高める上で有利となる。
また、それぞれの吸音部は、空気層と貫通孔とで構成されており、特殊な材料や構造を用いていないので、吸音部の構成を簡素化する上で有利となる。
請求項2の発明によれば、複数の吸音部をそれぞれ形成するカバーの部分は、複数の吸音部に対応するそれぞれのハウジングで発生する動作音の周波数を共振周波数とするヘルムホルツ構造となっているため、各ハウジングで発生する動作音をより効果的に吸音する上で有利となる。
請求項3の発明によれば、カバーが過給機のみならず過給機に連結された吸気管の部分および排気管の部分を覆うように構成され、吸気管の部分および排気管の部分に対応する吸音部が形成されているので、過給機近傍の吸気管の部分および排気管の部分で発生する動作音(例えば配管内のガス流音)を吸音し、車両の静粛性をさらに向上させる上で有利となる。
請求項4の発明によれば、カバーが少なくとも車室側の位置する過給機の周方向の一部を覆うように配置されているので、過給機と車室との間にカバーが位置する。これにより、車室方向への過給機の動作音の伝播を抑制することができ、車両の搭乗者の位置における静粛性を高める上で有利となる。
請求項5の発明によれば、カバーがロアカバーおよびアッパーカバーで構成され、仕切り板がロアカバーまたはアッパーカバーに一体的に設けられているので、ロアカバーとアッパーカバーとを組付けることにより容易に複数の空気層を形成することができ、吸音構造の組み付け作業を簡素化する上で有利となる。
また、過給機に近いロアカバーと過給機から遠いアッパーカバーとの間がループ状に接続されているため、過給機で発生した熱が低温側に輸送され、カバーによる遮熱効果を更に向上させることができる。
実施の形態にかかる吸音構造10の配置例を示す説明図である。 吸音構造10の過給機30への組み付け状態を示す斜視図である。 吸音構造10の過給機30への組み付け状態を示す断面図である。 (A)はアッパーカバー15の斜視図、(B)はロアカバー13の斜視図、(C)は過給機30の斜視図である。 吸音構造10の他の構成を示す説明図である。 吸音構造10の他の構成を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる過給機の吸音構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、車両20の車室22内には、前席2202と後席2204とが設けられており、前席2202の運転席にはステアリングホイール2206が設けられ、図1において符号2208は前輪、符号2210は後輪を示している。
車室22の前方にダッシュパネル2212で仕切られた前部空間24が設けられ、前部空間24には内燃機関26が設けられ、内燃機関26で前輪2208を駆動している。
内燃機関26の車室22側には、内燃機関26に導入する吸気を圧縮する過給機30が設けられている。本実施の形態では、過給機30は、内燃機関26からの排気でタービンを回転させて吸気を圧縮するターボチャージャである。
図2および図3に示すように、過給機30は車幅方向で同軸上に並べられた複数のハウジング、すなわち、過給機の駆動側たるコンプレッサーを覆うコンプレッサーハウジング32、シャフトおよびベアリングを覆うベアリングハウジング34、および従動側たるタービンを覆うタービンハウジング36を備えている。ベアリングハウジングはコンプレッサーハウジングと一体に形成されてもよい。なお、上記においてベアリングハウジングは駆動側とみなしたが、従動側とみなしてタービンハウジングと一体に形成されてもよい。
また、過給機30の複数のハウジングの軸方向Xの一方の端部、すなわち、コンプレッサーハウジング32側の端部3202に吸気管38が連結されると共に他方の端部、すなわち、タービンハウジング36側の端部3602に排気管40が連結されている。
コンプレッサーハウジング32内にはインペラ33およびインペラ33を支持するシャフト35の端部が収納されるとともに、インテークマニホルドに続く吸気路(図示なし)が接続されている。
タービンハウジング36内にはホイール37およびホイール37を支持するシャフト35の端部が収納されるとともに、内燃機関26からの排気ガスをタービンハウジング36内に導入する排気路(図示なし)が接続されている。
ベアリングハウジング34には、シャフト35の中央部が収容され、不図示のベアリングでシャフト35が回転可能に支持されている。
インペラ33とホイール37とはシャフト35の両端に固定されており、排気路からタービンハウジング36内に導入された排気ガスによりホイール37が回転すると、シャフト35の他端に固定されたインペラ33も回転する。コンプレッサーハウジング32内には吸気管38から供給される吸気が導入されており、インペラ33の回転により吸気が圧縮される。圧縮された吸気は吸気路を通り、内燃機関26へと導入される。
本実施の形態では、コンプレッサーハウジング32、ベアリングハウジング34、タービンハウジング36、コンプレッサーハウジング32に連結された吸気管38の部分3802およびタービンハウジング36に連結された排気管40の部分4002は、それぞれ軸方向Xで同軸上に並べられた円筒形状である。また、コンプレッサーハウジング32およびタービンハウジング36は、ベアリングハウジング34と比較して径が大きくなっている。
前部空間24で過給機30の車室22側には、過給機30の吸音構造10が設けられている。
吸音構造10は、複数のハウジング32,34,36に対向して設けられる中空のカバー12を備えている。
カバー12は、複数のハウジング、すなわち、コンプレッサーハウジング32、ベアリングハウジング34、タービンハウジング36および吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002の周方向Cに延在するとともに、それらハウジング32,34,36、吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002が並べられた方向である軸方向Xに延在し、それら並べられた方向の全長部分を覆っている。すなわち、カバー12は、複数のハウジング32,34,36を並べた方向の全長部分を含む吸気管38の部分から排気管40の部分を覆う長さで形成されている。
本実施の形態では、カバー12は、少なくとも車室22側に位置する過給機30の周方向Cの一部を覆うように配置されている。また、カバー12は遮熱性を有する素材で形成されている。
カバー12は、複数の空気層16(16A〜16E)と複数の貫通孔18とで構成された複数の吸音部14(14A〜14E)を有する。
複数の空気層16(16A〜16E)は、複数のハウジング32,34,36、および吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002に対応して互いに仕切られ、周方向Cおよび軸方向Xに延在して区画されている。
複数の貫通孔18は、カバー12のうち、複数のハウジング32,34,36、および吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002と対向する面に形成され各空気層16に連通する。
図3および図4に示すように、カバー12は、ロアカバー13、アッパーカバー15、仕切り板17を含んで構成されている。
ロアカバー13は、複数のハウジング32,34,36と対向する箇所に配置された内側略円筒面部13Aと、吸気管38の部分3802と排気管40の部分4002とそれぞれ対向する箇所に配置された2つの内側略円筒面部13Bと、内側略円筒面部13Aの軸方向Xの両端と各内側略円筒面部13Bとを接続する2つの接続壁46とを有する。
内側略円筒面部13A、13Bは、複数の空気層16の過給機30側の壁部を構成するものである。
内側略円筒面部13Aは、コンプレッサーハウジング32、ベアリングハウジング34、タービンハウジング36の円筒形状の曲率(周方向Cの曲率)に沿った略円筒面で形成され、2つの内側略円筒面部13Bは、吸気管38の部分3802および排気管40の部分4002の円筒形状の曲率(周方向Cの曲率)に沿った略円筒面で形成されている。より詳細には、内側略円筒面部13Aと2つの内側略円筒面部13Bはコンプレッサーハウジング32、ベアリングハウジング34、タービンハウジング36の中心軸を中心とした略円筒面で、すなわち、過給機30の中心軸を中心とした略円筒面で形成されている。
2つの接続壁46は、内側略円筒面部13Bと、後述する外側略円筒面部15Bとの間に空気層16Eを仕切る仕切り板17として機能する。
アッパーカバー15は、ロアカバー13の半径方向外側に配置される。
アッパーカバー15は、内側略円筒面部13A、13Bの半径方向外側に配置される外側略円筒面部15A、15Bを有する。
詳細に説明すると、アッパーカバー15は、内側略円筒面部13Aの半径方向外側に位置する中央部48と、中央部48の軸方向Xの両端部に配置され内側略円筒面部13Bの半径方向外側に位置する2つの側部50と、中央部48とそれら2つの側部50とを接続する2つの接続壁52とによって構成されている。
中央部48は、基板4802、側壁4808、4809、4810、外側略円筒面部15Aを有している。
基板4802は、内側略円筒面部13Aに重ね合わされる箇所であり、その内側に開口4801が形成され、枠状を呈している。
側壁4808は2つ設けられ、それら2つの側壁4808は、軸方向Xの両端に位置する開口4801の縁から起立し周方向Cに延在している。
側壁4809は2つ設けられ、それら側壁4809は、2つの側壁4808の間のたがいに間隔をおいた2箇所において周方向Cに延在している。側壁4809の半径方向内側の箇所は、基板4802の半径方向内側に位置する面と同一面上に位置している。
側壁4810は2つ設けられ、それら側壁4810は、開口4801の軸方向Xと直交する方向の両端の縁から起立して軸方向Xに延在しそれら4つの側壁4808,4809の周方向の両端を接続している。
外側略円筒面部15Aは、側壁4808,4809,4810の半径方向外側の端部を接続している。
側壁4808,4809,4810は、内側略円筒面部13Aと外側略円筒面部15Aとの間に複数の空気層16A〜16Cを仕切る仕切り板17として機能する。
2つの側部50は、基板5002、側壁5008,5010、外側略円筒面部15Bを有している。
基板5002は、内側略円筒面部13Bに重ね合わされる箇所であり、その内側に中央部48側に開放状の切欠き5001が形成され、枠状を呈している。
側壁5008は、切欠き5001の中央部48から離れた軸方向Xの端部に位置する縁から起立し周方向Cに延在している。
側壁5010は各側部50にそれぞれ2つ設けられ、それら側壁5010は、切欠き5001の周方向Cの両端の縁から起立して軸方向Xに延在している。
側壁5008,5010は、内側略円筒面部13Bと外側略円筒面部15Bとの間に空気層16Eを仕切る仕切り板17として機能する。
外側略円筒面部15Bは、側壁5008、5010の半径方向外側の端部を接続している。
接続壁52には、半径方向内側に開放状の切り欠き5004が形成され、この切り欠き5004の周方向Cの両端の縁に側壁5010が接続され、切り欠き5004の半径方向外側の縁に外側略円筒面部15Bが接続されている。
また、接続壁52は、基板5002の周方向Cの両端と、中央部48の基板4802の軸方向Xの端部とを接続している。
そして、ロアカバー13の内側略円筒面部13Aと、アッパーカバー15の中央部48の基板4802とが重ね合わされて接合され、ロアカバー13の接続壁46とアッパーカバー15の接続壁52とが重ね合わされて接合され、ロアカバー13の内側略円筒面部13Bとアッパーカバー15の側部50の基板5002とが重ね合わされて接合される。
これにより、ロアカバー13の内側略円筒面部13Aとアッパーカバー15の中央部48と間に軸方向Xにおいて2つの側壁4809により仕切られた空気層16A,16B,16Cが設けられる。これら空気層16A,16B,16Cは、それぞれハウジング32,34,36の半径方向外側に位置している。
また、ロアカバー13の内側略円筒面部13Bとアッパーカバー15の側部50と間に空気層16D,16Eが設けられる。これら空気層16D,16Eは、それぞれ吸気管38の部分3802と排気管40の部分4002の半径方向外側に位置している。
そして、各空気層16A〜16Eを仕切るロアカバー13の箇所に、各空気層16A〜16E毎に複数の貫通孔18が形成され、各空気層16A〜16Eと、各空気層16A〜16E毎に設けられた複数の貫通孔18とにより、複数の吸音部14A〜14Eが構成されている。
複数の吸音部14A〜14Eは、複数の吸音部14に対応するそれぞれのハウジング32,34,36または配管38,40で発生する動作音を吸音するものである。
複数の吸音部14をそれぞれ形成するカバー12の部分は、複数の吸音部14に対応するそれぞれのハウジング32,34,36または吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002で発生する動作音の周波数をfn(n=1、2・・)とした場合、下記式(1)を満たすように形成されている。
下記式(1)はヘルムホルツ共鳴器の共振周波数を示す式であり、それぞれの吸音部14は対応するそれぞれのハウジング32,34,36または吸気管38の部分3802、排気管40の部分4002で発生する動作音の周波数に対応したヘルムホルツ構造となっている。
なお、下記式(1)において、cは空気中の音速、Pnは当該吸音部14に設けられた貫通孔18の開口面積の総和、tnは貫通孔18が形成された面のカバー板厚(ロアカバー13の板厚)、dnは貫通孔18の直径、Lnは各吸音部14を構成する空気層16の体積である。
Figure 2017115591
なお、ベアリングハウジング34ではシャフト35の回転に伴う一次音が発生する。シャフト35の回転一次音は、シャフト35の回転数によって定まり、例えばシャフト35の常用回転数の範囲では、動作音の周波数は約1kHz〜4kHz程度となる。
また、過給機30の各部で発生する動作音の一例として、例えばコンプレッサーハウジング32では、インペラ33の回転に伴うBPF(Blade−Passing−Frequency)音が発生する。BPF音の周波数は、インペラ33の羽根の枚数とシャフト35の回転数との積によって定まる。例えば、インペラ33の羽根が6枚の場合、動作音の周波数は約6kHz〜24kHzとなる。
また、タービンハウジング36では、ホイール37の回転に伴うBPF音が発生する。この場合もBPF音の周波数は、ホイール37の羽根の枚数とシャフト35の回転数との積によって定まり、例えば、ホイール37の羽根が10枚の場合、動作音の周波数は約10Hz〜40kHzとなる。
つぎに、実施の形態にかかる吸音構造10の作用効果について説明する。
吸音構造10を構成するカバー12は、複数のハウジング32,34,36に対応した複数の吸音部14A,14B,14Cを有しているので、各ハウジング32,34,36で発生する動作音が対応する吸音部14A,14B,14Cで吸音される。
これにより、過給機30の各ハウジング32,34,36で発生する動作音の吸音効率を向上させることができ、車両の静粛性を高める上で有利となる。
また、それぞれの吸音部14A,14B,14Cは、空気層16と貫通孔18とで構成されており、特殊な材料や構造を用いていないので、吸音部14の構成を簡素化する上で有利となる。
また、吸音構造10を構成するカバー12は遮熱性を有しているので、内燃機関26から排出された排気の熱から過給機30周辺の部材を保護する上で有利となる。
また、複数の吸音部14A,14B,14Cをそれぞれ形成するカバー12の部分は、複数の吸音部14に対応するそれぞれのハウジング32,34,36で発生する動作音の周波数を共振周波数とするヘルムホルツ構造となっているため、各ハウジング32,34,36で発生する動作音をより効果的に吸音する上で有利となる。
また、カバー12は、過給機30のみならず吸気管38の過給機30に連結する部分3802および排気管40の過給機30に連結する部分4002を覆うように構成され、吸気管の部分3802および排気管40の部分4002に対応する吸音部14D,14Eが形成されているので、吸気管38および排気管40で発生する動作音(例えば配管内のガス流音)を吸音し、車両の静粛性を向上させる上で有利となる。
また、カバー12は車室22側の位置する過給機30の周方向の一部を覆うように配置されているので、過給機30と車室22との間にカバー12が位置する。これにより、車室22方向への過給機30の動作音の伝播を抑制し、車両の搭乗者の位置における静粛性を高める上で有利となる。
また、カバー12は、ロアカバー13およびアッパーカバー15で構成され、仕切り板17がロアカバー13またはアッパーカバー15に一体的に設けられているので、ロアカバー13とアッパーカバー15とを組付けることにより容易に複数の空気層16を形成することができ、吸音構造10の組み付け作業を簡素化する上で有利となる。
また、過給機30に近いロアカバー13と過給機30から遠いアッパーカバー15との間がループ状に接続されているため、過給機30で発生した熱が低温側に輸送され、カバー12による遮熱効果を更に向上させることができる。
なお、本実施の形態では、カバー12が吸気管38および排気管40に延びて延在するものとしたが、例えば図5に示すように、過給機30のハウジング32,34,36部分だけを覆うようにしてもよい。
この場合、ロアカバー13の内側略円筒面部13Bおよびアッパーカバー15の側部50を形成する必要がなく、カバー12の成形性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、カバー12がロアカバー13およびアッパーカバー15(一体的に設けられた仕切り板17を含む)で構成しているが、図6に示すように、過給機30に対向するロアカバー13の表面にさらに保護カバー60を設けてもよい。
保護カバー60を設けることにより、ロアカバー13の貫通孔18から空気層16内に異物が侵入することを防止でき、カバー12の耐久性を向上させる上で有利となる。
また、カバー12の内部に高温の空気が流入しないので、カバー12での遮熱性を向上させる上で有利となる。
また、本実施の形態では過給機30がターボチャージャであるものとして説明したが、これに限らず、例えば内燃機関26で発生する動力をベルトを用いて伝達して稼働するスーパーチャージャや、ターボチャージャとスーパーチャージャを組み合わせたスーパーターボチャージャ、排気に代えてモーターでコンプレッサーを駆動させる電動ターボ等、従来公知の様々な過給機に本発明は適用可能である。
10 吸音構造
12 カバー
13 ロアカバー
13A,13B 内側略円筒面部
14(14A-14E) 吸音部
14 吸音部
15 アッパーカバー
15A,15B 外側略円筒面部
16(16A-16E) 空気層
17 仕切り板
18 貫通孔
20 車両
22 車室
24 前部空間
26 内燃機関
30 過給機
32 コンプレッサーハウジング
33 インペラ
34 ベアリングハウジング
35 シャフト
36 タービンハウジング
37 ホイール
38 吸気管
3802 吸気管の部分
40 排気管
4002 排気管の部分
C 周方向
X 軸方向

Claims (5)

  1. 過給機の駆動側と従動側をそれぞれ覆う複数のハウジングを備えた過給機の吸音構造であって、
    前記複数のハウジングに対向して設けられる中空のカバーを備え、
    前記カバーは、前記複数のハウジングに対応して区画された複数の空気層と、前記複数のハウジングと対向する面に形成され前記各空気層に連通する複数の貫通孔とで構成された複数の吸音部を有する、
    ことを特徴とする過給機の吸音構造。
  2. 前記吸音部は、前記複数の吸音部に対応するそれぞれのハウジングで発生する動作音の周波数に対応したヘルムホルツ構造である、
    ことを特徴とする請求項1記載の過給機の吸音構造。
  3. 複数のハウジングの軸方向の一方の端部に吸気管が連結されると共に他方の端部に排気管が連結され、
    前記カバーは、前記複数のハウジングを並べた方向の全長部分を含む前記吸気管の部分から前記排気管の部分を覆う長さで形成され、
    前記カバーは、前記吸気管の部分に対応する吸音部と、前記排気管の部分に対応する吸音部を更に備え、
    前記吸気管の部分に対応する吸音部は、前記吸気管の部分の前記周方向と前記軸方向に延在する空気層と、前記カバーが前記吸気管の部分と対向する面に形成され前記空気層に連通する複数の貫通孔とで構成され、
    前記排気管の部分に対応する吸音部は、前記排気管の部分の前記周方向と前記軸方向に延在する空気層と、前記カバーが前記排気管の部分と対向する面に形成され前記空気層に連通する複数の貫通孔とで構成される、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の過給機の吸音構造。
  4. 前記過給機は、車室の前方に仕切られた車体の前部空間に配置され、
    前記カバーは、少なくとも車室側の位置する前記過給機の周方向の一部を覆うように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の過給機の吸音構造。
  5. 前記カバーは、複数の前記ハウジングと対向する面に配置され前記貫通孔が形成された内側略円筒面部を有するロアカバーと、前記内側略円筒面部の半径方向外側に配置される外側略円筒面部を有するアッパーカバーと、前記ロアカバーまたは前記アッパーカバーに一体的に設けられそれら内側略円筒面部と外側略円筒面部との間に前記複数の空気層を仕切る仕切り板とを含んでいる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の過給機の吸音構造。
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