JP2017115543A - 車両用窓ガラス昇降装置 - Google Patents

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Hiroyuki Ikeda
博之 池田
竹原 秀明
Hideaki Takehara
秀明 竹原
斉藤 靖弘
Yasuhiro Saito
靖弘 斉藤
定二 梅原
Sadaji Umehara
定二 梅原
剛 近藤
Takeshi Kondo
剛 近藤
礼兼 吉澤
Masakane Yoshizawa
礼兼 吉澤
秀明 柏木
Hideaki Kashiwagi
秀明 柏木
真由 小林
Mayu Kobayashi
真由 小林
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Abstract

【課題】窓ガラスの移動を速やかに止めることができる車両用窓ガラス昇降装置を提供する。【解決手段】車両用窓ガラス昇降装置100は、電動モータ21を駆動源として有し、窓ガラス9を昇降させる駆動力を発生する駆動部2と、駆動部2の駆動力によって窓ガラス9を昇降させる昇降機構3とを備え、駆動部2は、昇降機構3に駆動力を出力する出力回転部材としてのドラム22と、電動モータ21の出力軸の回転に伴って回転する中間回転部材としてのピニオン23と、ドラム22とピニオン23との間に配置され、ドラム22とピニオン23とを一体回転可能に連結する連結状態、及びドラム22とピニオン23との連結が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構5とを有している。【選択図】図4

Description

本発明は、車両のドアの窓ガラスを昇降させる窓ガラス昇降装置に関する。
近年、車両には、窓ガラスの開閉操作を容易とするため、窓ガラスを自動で昇降させる車両用窓ガラス昇降装置が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両用窓ガラス昇降装置は、窓ガラスを上下方向に移動させる駆動機構と、駆動機構を制御する制御部と、上昇動作中の窓ガラスにより異物が挟み込まれることを防止するための挟み込み防止機構と、を備えて構成されている。
挟み込み防止機構は、窓枠周辺を撮影する撮影手段と、撮影手段が撮影した画像データに映り込んだ輝度から求まる特徴量に基づいて挟み込みの有無を検出する画像処理手段と、画像処理手段が挟み込みを検出した際に、挟み込みを防止し得る安全動作を実行する実行手段とを有している。
このように構成された挟み込み防止機能によれば、撮影手段として窓枠周辺にカメラを設置し、当該カメラで撮像した画像から窓ガラスに挟み込まれる可能性のある異物を検出することで、挟み込みが発生する前に安全動作を行わせることにより、挟み込みの防止を図っている。
特開2007−186915号公報
しかし、特許文献1に記載の車両用窓ガラス昇降装置では、画像処理手段における画像処理に時間を要するため、挟み込みの危険が発生した後でも窓ガラスが上昇を続けてしまう期間がある。このため、窓ガラスの上昇端付近で挟み込みの危険が発生した場合には、モータに供給される電流が遮断されても惰性によって窓ガラスが上昇を続け、挟み込みが発生してしまうおそれがある。
そこで、本発明では、窓ガラスの移動を速やかに止めることができる車両用窓ガラス昇降装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させる車両用窓ガラス昇降装置であって、電動モータを駆動源として有し、前記窓ガラスを昇降させる駆動力を発生する駆動部と、前記駆動部の前記駆動力によって前記窓ガラスを昇降させる昇降機構とを備え、前記駆動部は、前記昇降機構に前記駆動力を出力する出力回転部材と、前記電動モータの駆動軸の回転に伴って回転する中間回転部材と、前記出力回転部材と前記中間回転部材との間に配置され、前記出力回転部材と前記中間回転部材とを一体回転可能に連結する連結状態、及び前記出力回転部材と前記中間回転部材との連結が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構とを有する、車両用窓ガラス昇降装置を提供する。
本発明に係る車両用窓ガラス昇降装置によれば、窓ガラスの移動を速やかに止めることができる。
本発明における第1の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置を示す全体図である。 第1の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置を示す全体図である。 車両用窓ガラス昇降装置の駆動部を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る断続機構の構成例を示す分解斜視図である。 ドラム,ピニオン,及び球体の構成例を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)におけるB−B線断面図であり、(d)は(a)におけるA−A線断面図である。 図5(b)に示すドラム及びピニオンの一部拡大図である。 断続機構の動作を説明する説明図であり、(a)は断続機構の連結状態を示し、(b)は断続機構の遮断状態を示す。 断続機構の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体及びカバープレートの動作を説明するための説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。 断続機構の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体の動作を説明する説明図としてドラムの軸方向に沿って見た場合のドラム及びピニオンの断面図であり、(a)は連結状態であり、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。 第2の実施の形態に係る断続機構の分解斜視図である。 第2の実施の形態に係るドラム,ピニオン及び球体の構成例を示す平面図である。 第2の実施の形態に係るドラムの構成例を示し、(a)は図11のC−C線断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 第2の実施の形態に係る断続機構の動作を説明する説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は遮断状態を示す。 第2の実施の形態の変形例に係るドラム及びピニオンの構成例を示す平面図であり、(a)は断続機構の連結状態を示し、(b)は断続機構の遮断状態を示し、(c)は(a)のE−E線断面図である。 変形例に係る断続機構の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体の動作を説明する説明図であり、(a)は連結状態であり、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。 第3の実施の形態に係る断続機構の分解斜視図である。 第3の実施の形態に係る動力伝達部材の構成例を示す平面図である。 第3の実施の形態に係るドラム及びピニオンの構成例を示す平面図である。 第3の実施の形態に係るドラムの嵌合穴の形状を示し、(a)は拡大斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図である。 第3の実施の形態に係るピニオンの嵌合穴の形状を示し、(a)は拡大斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図である。 第3の実施の形態に係る断続機構の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の動力伝達部材の動作を説明する説明図であり、(a)は連結状態であり、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。 第4の実施の形態に係る断続機構の構成例を示し、(a)は分解斜視図であり、(b)は(a)のG−G線断面図であり、(c)は(a)のH−H線断面図である。 第4に実施の形態に係るカバープレートの構成例を示し、(a)はカバープレートを軸方向に沿って軸部側から見た場合の平面図であり、(b)は(a)におけるI−I線端面図である。 第4の実施の形態に係る断続機構の動作を説明するための断面図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は遮断状態を示す。 第4の実施の形態に係る断続機構の連結状態から遮断状態へ切り替わる際のドラムに対するカバープレートの動作を説明するための説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。 (a)〜(c)は第4の実施の形態に係るカバープレートの軸部の先端部における形状を示す一部斜視図である。 第5の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置の構成を示す全体図である。 図26に示す車両用窓ガラス昇降装置を裏側から見た場合のベースプレート及びその周辺部の構成を示す平面図である。 第5の実施の形態に係る駆動部及び断続機構の構成例を示す分解斜視図である。 図28におけるF−F線断面図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100の構成及び動作について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100の全体概略図である。この車両用窓ガラス昇降装置100は、自動車のボディに形成された開口に対して開閉体を開位置と閉位置との間で移動させる駆動機構を備えた開閉体駆動装置の一実施形態である。
図1に示すように、車両用窓ガラス昇降装置100は、車両のドア1に設けられ、ドア1の窓ガラス9を昇降させる駆動力を発生する駆動部2と、窓ガラス9を昇降させる昇降機構3と、駆動部2を制御する制御部4とを備えている。
ドア1は、窓ガラス9を格納する格納部11と、格納部11の上方に設けられた枠部12と、を有している。格納部11の車室内側には、格納部11を覆うようにドアトリム13が取り付けられている。
駆動部2は、後述する電動モータ21を駆動源として、枠部12に対して窓ガラス9を上下方向に移動させる。駆動部2の駆動力は、昇降機構3へ伝達される。
昇降機構3は、駆動部2の駆動力を受けて窓ガラス9を昇降させる。本実施の形態では、この昇降機構3として、窓ガラス9を保持すると共にガイドレールに沿って移動可能なキャリアプレートと、キャリアプレートを牽引するワイヤとを備えたワイヤガイド式の昇降機構を例に説明する。ただし、昇降機構3は、これに限定されるものではなく、Xアーム式やその他の方式のものを用いることもでき、後述する第5の実施の形態ではXアーム式の昇降機構についても説明する。
制御部4は、スイッチ14からの信号に応じて駆動部2を制御し、窓ガラス9を上下方向に移動させるものである。制御部4は、CPU、メモリ、インターフェイス、ソフトウェア等を適宜組み合わせたコントロールユニットとしてドア1に搭載されている。なお、制御部4は、ドア1以外では例えば車両のミラーやシート等の制御を行う電子制御ユニット(ECU)に搭載されていてもよい。
ドア1には、窓ガラス9を開閉操作するためのスイッチ(SW)14が設けられている。スイッチ14の出力信号線は、制御部4に接続されている。
制御部4は、スイッチ14から下降信号が入力された際には、当該信号が入力されている間窓ガラス9を下降し、スイッチ14から上昇信号が入力された際には、当該信号が入力されている間窓ガラス9を上昇するように駆動部2を制御する。
以下、窓ガラス9による挟み込みを防止する構成について説明する。
車両用窓ガラス昇降装置100は、ドア1の窓枠としての枠部12の少なくとも一部に沿って窓ガラス9よりも車室内側に設けられた検出ライン120を撮像するカメラ90を備えている。本実施の形態では、このカメラ90で撮像した画像を基に、窓ガラス9による挟み込みのおそれがある異物が存在するのか否かを判断する。
検出ライン120は、窓ガラス9による挟み込みのおそれがある異物が存在するのか否かを判断する基準となるものであり、窓ガラス9よりも車室内側に設定されている。
また、本実施の形態では、検出ライン120に向かって赤外光を照射する光源91をさらに備えている。カメラ90は、光源91から照射されて検出ライン120で反射した赤外光を撮像する赤外線カメラから構成される。光源91を備えることで、夜間および夜間以外でも赤外線が届かない暗い場所、例えば地下駐車場等であっても、挟み込みのおそれがある異物を検出することが可能になる。光源91としては、例えば、近赤外光を照射するものを用いることができる。
制御部4は、カメラ90によって撮像された検出ライン120の少なくとも一部が異物によって遮蔽された遮蔽状態を検出する検出部41と、駆動部2による窓ガラス9の移動時に検出部41によって遮蔽状態が検出されたとき、窓ガラス9による挟み込みを防止するための挟み込み防止動作を駆動部2に行わせる挟み込み防止部42と、を有している。
検出部41は、カメラ90で撮像した画像の画像処理を行い、検出ライン120を抽出する画像処理部410と、画像処理部410で画像処理を行った画像を基に、検出ライン120の少なくとも一部が異物によって遮蔽された遮蔽状態となっているかを判定する遮蔽判定部411と、を備えている。
挟み込み防止部42は、駆動部2による窓ガラス9の移動時に検出部41によって遮蔽状態が検出されたとき、窓ガラス9による挟み込みを防止するための挟み込み防止動作を駆動部2に行わせる。挟み込み防止動作としては、窓ガラス9の移動を停止させる動作や、窓ガラス9を安全な位置まで下降させる動作や、車室内に設置した警報装置による音や光により操作者に警告を行う動作や、これらを組み合わせた動作が含まれる。
また、制御部4は、スイッチ14により窓ガラス9の移動が指示された後であって窓ガラス9の移動開始前に、検出部41によって遮蔽状態が検出されたとき、スイッチ14からの指示を無効とする指示無効部43をさらに備えている。指示無効部43を備えることによって、遮蔽状態が検出されている際にはそもそも窓ガラス9が移動しないことになるため、安全性をより高めることができる。
図2は、本実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100を示す全体図である。図2では、窓ガラス9を仮想線(二点鎖線)で示している。図3は、車両用窓ガラス昇降装置100の駆動部2を示す斜視図である。図4は、駆動部2の断続機構の構成例を示す分解斜視図である。
図2に示すように、車両用窓ガラス昇降装置100は、前述したように、駆動部2と、昇降機構3とを有している。
駆動部2は、ベースプレート8に固定されたハウジング6に保持されている。ハウジング6は、ドア1に固定されている。ハウジング6は、後述するドラム22を収容するプラグガイド61と、電動モータ21及び電動モータ21の回転を減速するウォームギヤ機構(後述)を収容するギヤハウジング62とを有している。
電動モータ21は、ギヤハウジング62に保持されて、ギヤハウジング62のコネクタ部600に接続される図略のケーブルを介して制御部4から電流の供給を受け、窓ガラス9を昇降させる駆動力を発生する。
図2及び図3に示すように、ベースプレート8には、スライド機構57が配置されている。このスライド機構57は、後述する断続機構5を構成する要素の一つであり、連結状態と遮断状態との切り替えに必要な原動力を発生するものである。スライド機構57は、図略のコネクタ部を介して制御部4からの電流供給により作動する。
スライド機構57は、電磁力を発生するソレノイド部571と、ソレノイド部571の電磁力を受けて移動する円筒状のプランジャ572と、プランジャ572の軸方向移動に伴って移動する第1及び第2ロッド573,574とを有している。スライド機構57は、ベースプレート8に固定された第1及び第2ブラケット81,82によって保持されている。
第1及び第2ロッド573,574は、互いに挟む位置に配置されたスライドレバー56を介して連結されている。スライドレバー56は、ガイドレール31の長手方向に沿って延在した形状であり、その長手方向の両端部は第1及び第2ロッド573,574がそれぞれ連結される第1及び第2連結部561,562として形成されている。
ソレノイド部571は、電磁コイルと、磁性体からなるコア部材と、電磁コイル及びコア部材を収容するカバー部材とからなり、カバー部材に取り付けられた図略のコネクタを介して制御部4からの電流供給を受けて電磁コイルが発生する磁界によって、プランジャを軸方向に進退移動させる。なお、このソレノイド部571としては、例えば、永久磁石を用いることにより、プランジャ572を2方向に保持することが可能な所謂、双方向保持型ソレノイドを用いることができる。
第1ロッド573は、一端がプランジャ572の先端に連結されると共に、他端がスライドレバー56の第1連結部561に連結されている。第2ロッド574は、第1ロッド573側の一端がスライドレバー56の第2連結部562に連結されている。スライドレバー56と、第1及び第2ロッド573,574とは、ねじ込み等の固定手段により、軸方向の相対移動不能に連結されている。第1及び第2ロッド573,574は、第1及び第2ブラケット81,82に連結された第1及び第2案内部材83,84に挿通されて、その軸方向移動が案内されている。
昇降機構3は、窓ガラス9の移動方向に沿って配置されたガイドレール31と、ガイドレール31に案内され、窓ガラス9と共に移動するキャリアプレート32と、ガイドレール31の上端及び下端にそれぞれ設けられた第1及び第2ワイヤガイド311,312を介して駆動部2とキャリアプレート32との間に配策されたワイヤ33とを有している。
キャリアプレート32は、板状に形成された部材であり、その中央部付近には第1ワイヤガイド311から導出されたワイヤ33の端部,及び第2ワイヤガイド312から導出されたワイヤ33の端部が係止されている。
ワイヤ33は、一端がキャリアプレート32に連結され、他端が駆動部2のドラム22に連結されている。ワイヤ33は、第1ワイヤガイド311と駆動部2との間に配置された区間において、中空状に形成された第1アウタチューブ71に覆われている。同様に、ワイヤ33は、第2ワイヤガイド312と駆動部2との間に配置された区間において、中空状に形成された第2アウタチューブ72に覆われている。
図4に示すように、駆動部2は、電動モータ21及び電動モータ21の出力軸の回転を減速するウォームギヤ機構24(後述する図7参照)と、昇降機構3に電動モータ21及びウォームギヤ機構24から受ける駆動力を出力する出力回転部材としてのドラム22と、電動モータ21の出力軸の回転に伴って回転する中間回転部材としてのピニオン23と、ドラム22とピニオン23とを一体回転可能に連結する連結状態,及びドラム22とピニオン23との連結が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構5とを有している。
ドラム22は、例えば合成樹脂製の部材であり、ギヤハウジング62に形成されたドラム収容部62aに収容されている。ドラム22の外周には、螺旋状の溝22aが形成されており、この溝22aに沿ってワイヤ33の一部が巻き回されている。また、ドラム22は、カバープレート52を指向する軸方向端面22bにワイヤ33の端部が係止する係止溝22cが形成されている。
ピニオン23は、金属又は合成樹脂からなる部材であり、ギヤハウジング62のドラム収容部62a内に回転可能に配置されている。また、ピニオン23は、ギヤハウジング62に形成された減速機収容部62bに収容されたウォームギヤ機構24のウォームホイール241(後述する図7参照)と相対回転不能に連結されている。ウォームギヤ機構24は、電動モータ21の出力軸に連結されたウォームギヤ240と、ウォームギヤ240と噛み合って回転するウォームホイール241とからなる。なお、本実施の形態では、電動モータ21の回転を減速する減速機構としてウォームギヤ240及びウォームホイール241からなるウォームギヤ機構を採用しているが、本発明においては必ずしもウォームギヤ機構は必須の構成ではない。つまり、電動モータ21の出力軸の回転が、ピニオン23にダイレクトに伝達される構成にしてもよい。
断続機構5は、ドラム22とピニオン23との間に介在する動力伝達部材としての複数(本実施の形態では4個)の球体51と、ドラム22の回転軸線O方向に沿って進退移動可能することにより、球体51の後述する第1位置から第2位置への移動を規制する規制部材としてのカバープレート52と、カバープレート52に取り付けられるカバー53と、カバープレート52及びカバー53を貫通するシャフト54と、シャフト54とカバープレート52との間に配置されたコイルばね55と、前述したスライド機構57と、スライド機構57に連結されるスライドレバー56と、を有している。なお、本実施の形態では、球体51が金属からなり、動力伝達部材の球体51が複数あるが、これに限定されるものではなく、例えば球体51が単一の構成であってもよい。また、コイルばね55に替えて例えば板バネを配置してもよい。
カバープレート52は、円筒状の首部521と、ドラム22の回転軸線O方向に沿って延在した複数の軸部522と、首部521と複数の軸部522との間に介在して、回転軸線O方向に沿った見た場合に略十字型に形成された基部523と、を有している。本実施の形態では、複数の軸部522が金属又は合成樹脂からなり、それぞれ軸方向の長さは均一である。なお、複数の軸部522の本数はこれに限定されるものではなく、例えば、3本あるいは6本であってもよい。さらに言えば、軸部は必ずしも複数でなくてもよく、単一で構成されてもよい。
カバー53は、カバープレート52の首部521が挿通される円筒部531と、円筒部531の外周面から径方向の外側に突出して形成された鍔部532とを有している。鍔部532は、その外周面が軸方向に傾斜した傾斜面532aであり、軸方向のカバープレート52側ほど外径が徐々に大きくなるテーパ状である。
シャフト54は、軸部541と、軸部541の軸方向の一部に設けられた円板部542とを有している。軸部541の一端側はカバープレート52の首部521に挿通し、他端側はピニオン23に形成された嵌合穴23aに嵌合している。軸部541には、コイルばね55が取り付けられている。
コイルばね55は、その一端がシャフト54の円板部542の端面に接触すると共に、その他端がカバープレート52に接触し、圧縮されている。これにより、カバープレート52は、コイルばね55から常時、ドラム22から軸方向に離隔する方向に弾性的に押圧されている。
スライドレバー56は、図2及び図3において述べた第1及び第2連結部561,562と、第1及び第2連結部561,562を連結して、ドラム22の軸方向と直交する方向に延在したプレート部563と、を有している。
プレート部563には、ドラム22の軸方向に貫通した貫通孔563aが形成され、この貫通孔563aにカバー53の鍔部532が配置される。貫通孔563aの内径は、少なくとも、カバープレート52の複数の軸部522における外径よりも小さく形成されている。この寸法構成により、カバープレート52及びカバー53がスライドレバー56により軸方向の下方へ押し付けられる。
第1及び第2連結部561,562には、スライド機構57の第1及び第2ロッド573,574がそれぞれ挿通される連結孔561a、562aがそれぞれ形成されている。この連結孔561a、562aの内縁には例えば雌ねじが形成されて、第1及び第2ロッド573,574の先端に形成された雄ねじを上記した雌ねじに螺合することにより、第1及び第2ロッド573,574とスライドレバー56とを固定することができる。これにより、スライドレバー56は、プランジャ572の軸方向の進退移動に連動してスライドするように構成されている。
図5は、ドラム22,ピニオン23,及び球体51の構成例を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)におけるB−B線断面図であり、(d)は(a)におけるA−A線断面図である。なお、図5は、断続機構5の連結状態におけるドラム22,ピニオン23,及び球体51の状態を示している。図6は、断続機構5の連結状態におけるドラム22とピニオン23との間に配置された球体51及びその周辺部を拡大した部分拡大図である。
図5(a)に示すように、ドラム22は、その中心部にピニオン23が収容される収容孔220が形成されている。また、ドラム22には、カバープレート52の複数の軸部522の先端が収容される複数(本実施の形態では4箇所)の収容部221が周方向に等間隔に形成されている。
複数の収容部221には、収容部221の側面同士を連結する複数のブリッジ222がそれぞれ形成されている。ブリッジ222は、図5(c)に示すように、収容部221においてドラム22の軸方向における一部に設けられて球体51と接触し、球体51の軸方向の移動を規制している。断続機構5の遮断状態においては、カバープレート52の複数の軸部522が複数の収容部221から退避すると共に、複数の球体51が複数の収容部221にそれぞれ収容される。
ピニオン23は、その中心部にシャフト54の軸部541が嵌合する嵌合穴23aが形成されている。また、ピニオン23の外周面には、径方向の内側に窪んで形成された複数の凹部230が周方向に複数形成されている。断続機構5の連結状態においては、凹部230には球体51の一部が収容される。本実施の形態では、凹部230が周方向に8カ所形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば4箇所であってもよい。
凹部230の内面は、周方向の一側の第1側面230bと、周方向の他側の第2側面230cと第1及び第2側面230b,230cとの間に挟まれた底面230aとからなる。本実施の形態では、第2側面230cが、断続機構5の連結状態において球体51と接触する接触面として形成されている。
図5(c)に示すように、収容部221の内壁のうち互いの対向し合う一対の側壁の内面は、互いに平行で直線状に形成された第1及び第2の平行面221e,221fと、回転軸線Oに近づくほど徐々に遠ざかるようにそれぞれ傾斜した第1及び第2の傾斜面221a,221bと、が形成されている。断続機構5の連結状態では、球体51は、ドラム22における収容部221の第1の傾斜面221aと、ピニオン23における凹部230の第2側面230cとの間に挟まれた位置(後述する第1位置)に配置され、かつ、二点鎖線で示すカバープレート52の軸部522によってドラム22の径方向外方への移動が規制されている。
なお、本実施の形態では、上述したようにドラム22の収容部221の内壁に第1及び第2の傾斜面221a,221bが形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、収容部221の内壁のうち、互いに対向し合う一対の側壁の内面が回転軸線Oに沿った方向から見た場合に互いに平行となるよう形成されていてもよい。
球体51は、ドラム22及びピニオン23の双方に係合する第1位置と、ドラム22及びピニオン23の何れか一方にのみ係合する第2位置との間を移動可能に配置されている。本実施の形態では、第2位置に保持された球体51がドラム22にのみ係合するよう構成されている。また、ピニオン23とドラム22とは、断続機構5の遮断状態において同軸上で相対回転可能に配置されている。なお、ピニオン23が本発明における同軸上で相対回転可能に配置された入力回転部材及び出力回転部材における「入力回転部材」に相当し、ドラム22が本発明における同軸上で相対回転可能に配置された入力回転部材及び出力回転部材における「出力回転部材」に相当する。
また、図5(d)に示すように、球体51の第1位置(実線で示す)は、第2位置(二点鎖線で示す)よりもドラム22の回転軸線O方向に沿った方向と直交する方向(ドラム22の径方向)の内側に位置する。つまり、球体51は、第1位置及び第2位置との間をドラム22及びピニオン23の回転軸線Oから近接又は離間するように移動可能に配置されている。
更に述べれば、球体51は、ドラム22及びピニオン23の双方に挟まれた第1位置(後述する図9(b)参照)と、ドラム22及びピニオン23の双方に挟まれない第2位置との間で移動可能に配置されている(後述する図9(c)参照)。つまり、球体51が第1位置に保持されてピニオン23及びドラム22が回転方向に係合し、球体51が第2位置に保持されてピニオン23及びドラム22が回転方向に非係合となる。これにより、球体51が第1位置に保持されることにより断続機構5の連結状態となり、球体51が第2位置に保持されることにより断続機構5の遮断状態となる。
ここで、図6に示すように、断続機構5の連結状態においては、ドラム22の収容部221における第1の傾斜面221aと、第1の平行面221eとのなす角をβとすると、例えば角度βは13.6°である。また、球体51とピニオン23の凹部230における第2側面230cとの接点をPとし、ピニオン23及びドラム22の回転に伴う接点Pの移動軌跡を示す仮想円をQとし、接点Pにおける法線Rと、回転軸線Oを中心とした仮想円Qの接点Pにおける接線Sとのなす角をγとした場合、上述した角度βが3.6°のときに角度γは例えば20°である。
断続機構5は、カバープレート52をスライド機構57で軸方向に進退移動させることにより、球体51の第1位置及び第2位置との間の移動を実現している。断続機構5の動作については後述する。ピニオン23は、ギヤハウジング62に軸支されている(後述する図7参照)。カバー53の鍔部532の上面は、ドラム22の軸方向と直交する方向と平行な平坦面532bとして形成されている。なお、鍔部532の上面の形状はこれに限定されず、必ずしもドラム22の軸方向と直交する方向に平行な面でなくてもよい。
次に、図4乃至図6で述べた断続機構5の動作について図7乃至図9を参照して説明する。
図7は、断続機構5の動作を説明する説明図として電動モータ21の出力軸に沿った方向から見た断面図であり、(a)は断続機構5の連結状態を示し、(b)は断続機構5の遮断状態を示す。図8は、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体51及びカバープレート52の動作を説明するための説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。図9は、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体51の動作を説明する説明図としてドラム22の軸方向に沿って見た場合のドラム22及びピニオン23の断面図であり、(a)は連結状態であり、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。なお、図9(a)〜(c)は、図8(a)〜(c)に示すそれぞれの状態に対応している。
断続機構5は、複数の球体51を第1位置に保持することにより連結状態を維持し、複数の球体51を第2位置に保持することにより遮断状態を維持する。図7(a)に示すように、断続機構5の連結状態においては、複数の球体51は、カバープレート52の複数の軸部522によって第1位置に保持されている。
より詳細には、断続機構5の連結状態では、図9(a)に示すように、球体51は、ドラム22における収容部221の第1の傾斜面221aと、ピニオン23における凹部230の第2側面230cとによって挟まれ、かつ、カバープレート52の複数の軸部522の内側側面522aによってドラム22の径方向外方への移動が規制されている(図8(a)及び図9(a)参照)。これにより、ピニオン23の回転力が球体51を介してドラム22へ伝達される。
なお、図9(a)に示す状態では、球体51がピニオン23の回転力を受けるため、カバープレート52と球体51との間には、カバープレート52における軸部522の内側側面522aと、球体51との接点における摩擦に起因した摩擦力が発生する。この摩擦力は、連結状態から遮断状態へ移行する際に、カバープレート52が軸方向のドラム22と離間する方向に移動する際の反力となる。したがって、当該摩擦力が過大であると、連結状態から遮断状態へ移行する際に、カバープレート52の軸方向上方への移動が円滑に行われない可能性がある。そこで、本実施の形態では、ドラム22における収容部221の内壁に第1及び第2の傾斜面221a,221bを形成している。これにより、連結状態においてカバープレート52の複数の軸部522の内側側面522aが球体51から受ける力が分散される。つまり、ピニオン23から球体51に伝達される動力を制御することにより、断続機構5の連結状態から遮断状態にする際におけるカバープレート52の操作力が低減される。
図7(a)に示す断続機構5の連結状態では、カバー53は、鍔部532の平坦面32bがスライドレバー56におけるプレート部563の下面563bの一部と接触している。これにより、カバー53及びカバープレート52は、コイルばね55の弾性力による軸方向のドラム22から離間する方向への移動が規制されている。
制御部4から断続機構5のスライド機構57におけるソレノイド部571に通電されると、図7(b)に示すように、スライド機構57の第1及び第2ロッド573,574(図3に示す)が共にソレノイド部571(図3に示す)側に吸引されると共に、スライドレバー56がソレノイド部571側に移動する。そうすると、カバープレート52及びカバー53が、コイルばね55の弾性力によって軸方向にドラム22と離間する方向に押し上げられ、所定の位置で停止する。これにより、図9(b)に示すように、カバープレート52の球体51の径方向の外側への移動が解除される。
そして、球体51がピニオン23における凹部230の第2側面230cから押圧されて、図9(c)に示すように、球体51が凹部230から離間して、ドラム22の収容部221側(ドラム22の径方向外側)に移動する。これにより、球体51が第1位置から第2位置へ移動する。
この際、図8(b)に示すように、カバープレート52の複数の軸部522の先端部に形成された傾斜面522bと球体51とが接触する。ここで、この傾斜面522bは、ドラム22の径方向に対して傾斜し、かつ、ドラム22の径方向内方に向かうほどドラム22の軸方向端面22bから遠ざかるように傾斜している。この構成により、軸部522の傾斜面522bと球体51とが接触すると、軸部522は球体51との接点で軸方向上方への押圧力を受ける。つまり、複数の軸部522の傾斜面522bは、球体51が第1位置から第2位置に移動する際において、球体51から軸方向上方側への押圧力を受ける被押圧面として形成されている。これにより、カバープレート52の軸方向上方への移動時間が短縮されて、連結状態から遮断状態への移行に必要な時間が短縮される。
ここで、カバープレート52の複数の軸部522における傾斜面522bの傾斜角(傾斜面522bに平行な平面と、軸部522の長手方向と直交する平面とのなす角)をαとすると、傾斜角αは例えば30°である。
そして、図7(b)に示すように、カバー53がスライドレバー56の貫通孔563aの内縁に係合してカバープレート52が軸方向の所定の位置に保持される。これにより、図8(c)に示すように、球体51はカバープレート52の軸部522の傾斜面522bに接触した状態で第2位置に保持される。このように、本実施の形態では、断続機構5が連結状態から遮断状態へ切り替える際に、コイルばね55の弾性力に加えて,ピニオン23の回転力を受けた球体51の第1位置から第2位置への飛び出し力をカバープレート52の複数の軸部522の傾斜面522bで受けることで、カバープレート52が段階的に軸方向へ押し上げられるように構成されている。つまり、カバープレート52の軸部522の先端に傾斜面が形成されていない場合には、コイルばね55の弾性力でのみカバープレート52を押し上げる必要があるが、本実施の形態では球体51の飛び出し力がカバープレート52の押し上げに寄与している。これにより、コイルばね55の小型化が図られている。
図9(c)に示すように、球体51が第2位置に保持された状態では、球体51がドラム22とピニオン23との間の動力伝達経路から外れるため、ドラム22及びピニオン23の相対回転が可能である。すなわち、ドラム22と、ピニオン23との連結が遮断された遮断状態となる。
このように、本実施の形態では、ピニオン23の回転力を利用して、動力伝達部材としての球体51を第1位置から第2位置へ移動させることにより、ドラム22とピニオン23との動力伝達を瞬時に遮断することが可能である。
一方で、断続機構5の遮断状態から連結状態へ切り替える際には、制御部4から電動モータ21へ電流が供給されると共に、スライド機構57のソレノイド部571へも電流の供給がされ、スライドレバー56がソレノイド部571から離間する方向(図7(b)に示す位置から図7(a)に示す位置)に移動する。その際に、スライドレバー56の貫通孔563aにおける内縁が傾斜面532a上をスライドして、カバープレート52及びカバー53が軸方向のドラム22に近接する方向に押し下げられる。
そして、球体51が、カバープレート52の複数の軸部522における傾斜面522bに押圧され、ドラム22の径方向内方(第2位置から第1位置)へ移動する(図8(b)参照)。スライドレバー56のプレート部563における下面563bがカバー53の平坦面532bに接触して、球体51がカバープレート52の軸部522によって第1位置に保持される。これにより、ドラム22とピニオン23とが一体回転可能な連結状態となる。
このように、本実施の形態では、カバープレート52を軸方向に移動に伴って、球体51を第2位置から第1位置へ移動させることにより、ドラム22及びピニオン23を一体回転可能に連結することができるため、遮断状態から連結状態へ速やかに復帰することが可能である。
本実施の形態によれば、以下に述べる作用及び効果を得ることができる。
(1)車両用窓ガラス昇降装置100の駆動部2が、ドラム22及びピニオン23を一体回転可能に連結する連結状態、及びドラム22及びピニオン23の連結が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構5を有しているため、ピニオン23とドラム22との間の動力伝達を瞬時に遮断することできる。これにより、窓ガラスの上昇動作を速やかに停止することができる。
(2)車両用窓ガラス昇降装置100は、電動モータ21及び断続機構5を制御する制御部4を備えていため、制御部4が断続機構5を連結状態として駆動部2の駆動力によって窓ガラス9を上昇させる上昇動作中に窓ガラス9による窓ガラス9の上昇動作中に挟み込み又はそのおそれが発生したとき、電動モータ21への電流供給を遮断すると共に断続機構5を遮断状態とすることができる。これにより、確実に窓ガラス9による挟み込みを防止することができる。
(3)車両用窓ガラス昇降装置100は、ドア1に設けられた枠部12に沿って設けられた検出ライン120を撮像するカメラ90を備えているので、制御部4は、窓ガラス9の上昇動作中にカメラ90によって撮像された検出ライン120の少なくとも一部が異物によって遮蔽された遮蔽状態を検出したとき、電動モータ21への電流供給を遮断すると共に断続機構5を遮断状態とする。これにより、(2)に述べた効果をより確実に得ることができる。
(4)断続機構5は、動力伝達部材として複数の球体51を有し、球体51を第1位置と第2位置との間で移動可能に配置し、第1位置及び第2位置で保持することにより、連結状態と遮断状態とを切り替え可能である。これにより、ピニオン23とドラム22との間における動力伝達を遮断することができるので、例えば電動モータ21への電流供給遮断後における電動モータ21のイナーシャに伴うピニオン23の回転によって、惰性でピニオン23からドラム22へ動力が伝達されてしまうことを防止できる。つまり、ピニオン23からドラム22へ伝達される動力を直接的に遮断することにより、確実に挟み込みを防止することができる。
(5)球体51は、連結状態から遮断状態に切り替わる際に、球体51はピニオン23の回転力を受けて第1位置から第2位置へ移動可能に配置されているので、ドラム22及びピニオン23の間の動力伝達を瞬時に遮断することができる。
(6)カバープレート52の複数の軸部522の先端には、連結状態から遮断状態に切り替わる際に球体51に押圧される傾斜面522bが形成されているので、球体51の第1位置から第2位置への移動に伴う移動力をカバープレート52の回転軸線O方向への移動力に利用することにより、連結状態から遮断状態へ移行する際の時間が短縮される。つまり、瞬時に遮断状態にすることが可能である。
また、上記実施の形態では、カバープレート52の複数の軸部522が金属材料又は合成樹脂からなる場合についてのみ説明したが、材質はこれに限定されるものではない。例えば、カバープレート52の複数の軸部522を永久磁石としてもよい。この場合には、複数の球体51が磁性体を含む金属材料又は磁性体を含む合成樹脂であることが望ましい。これにより、断続機構5の遮断状態において、球体51が磁力によって複数の軸部522に引き寄せられるため、例えば球体51が自重によって第2位置から第1位置に移動することが防止される。
また、さらに言えば、カバープレート52の複数の軸部522を、磁性体を含む金属材料又は磁性体を含む合成樹脂とし、複数の球体51を永久磁石としてもよい。これによっても、上記と同様の効果を得ることができる。ただし、この場合には、断続機構5の連結状態から遮断状態に切り替わる際に球体51が磁力によってピニオン23側(第1位置)に留まってしまうことを考慮して、ピニオン23は非磁性体の金属材料又は磁性体を含まない合成樹脂とすることが望ましい。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100について、図10乃至図13を参照して説明する。第2の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置は、断続機構5の構成が第1の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100と異なる他は、第1の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100と同様に構成されている。図10乃至図13において、第1の実施の形態について説明したものと実質的に同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、図11では、カバープレート52は複数の軸部522のみを二点鎖線で示している。
図10は、本実施の形態に係る断続機構5の分解斜視図である。図11は、本実施の形態に係るドラム22,ピニオン23及び球体51の構成例を示す平面図である。図12は、本実施の形態に係るドラム22Aの構成例を示し、(a)は図11におけるC−C線断面図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。図13は、本実施の形態に係る断続機構5の動作を説明する説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は遮断状態を示す。
本実施の形態では、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際のカバープレート52の動作が第1の実施の形態と異なる。つまり、第1の実施の形態では、連結状態から遮断状態に移行する際において、コイルばね55の弾性力によってカバープレート52を回転軸線O方向に移動させていたが、本実施の形態では、球体51の移動力を利用してカバープレート52を回転軸線O方向の上方へ移動させる。以下、この動作を実現するための構成について詳細に説明する。
図10に示すように、本実施の形態に係る断続機構5は、第1の実施の形態に係る断続機構5のコイルばね55を有してない他、その他の構成部品は第1の実施の形態と略同一である。
図11に示すように、ドラム22Aには、ピニオン23が収容される収容孔220と、収容孔220に連通し、かつ、収容孔220よりも径方向の外側に延在した複数の収容部221Aが形成されている。複数の収容部221Aは、カバープレート52の複数の軸部522が軸方向に嵌合可能に形成され、収容孔220よりも外周側で周方向に沿って等間隔に配置されている。本実施の形態では、収容部221Aは、カバープレート52の複数の軸部522の本数に対応して、4箇所形成されている。
断続機構5の連結状態では、球体51がピニオン23の第2側面230cと、ドラム22Aにおける収容部221Aの側壁との間に把持されて、第1位置に保持されている。これにより、ドラム22Aとピニオン23とが球体51を介して回転方向に係合し、一体回転可能となる。
図12(a)に示すように、収容部221Aの底面は、回転軸線Oに沿った方向に直交する方向に対して傾斜した傾斜面になっており、傾斜角がそれぞれ異なる第1底面221cと第2底面221dとからなる。第1底面221cは、第2底面221dよりも径方向の内側に位置している。また、第1及び第2底面221c,221dは、断続機構5の連結状態と遮断状態との切り替えの際に、球体51が第1位置及び第2位置の間を移動する移動面として形成されている。第1及び第2底面221c,221dは、カバープレート52と回転軸線O方向に対向している(後述する図13参照)。
図12(b)に示すように、第1及び第2底面221c,221dは、回転軸線Oから遠ざかるほど徐々に底面の高さが徐々に大きくなるように傾斜しており、第2底面221dの高さが第1底面221cの高さよりも大きい。換言すれば、第1及び第2底面221c,221dは、ドラム22Aの径方向の外側に向かうほどカバープレート52との回転軸線O方向における距離が近づくように傾斜した傾斜面である。ここで、第1底面221cと平行な平面と、回転軸線Oに垂直な方向とのなす角を傾斜角θとし、第2底面221dと平行な平面と、回転軸線Oに垂直な方向とのなす角を傾斜角θとすると、例えば、傾斜角θは9.6°以下であり、傾斜角θは、30°である。
次に、本実施の形態における断続機構5の動作について説明する。
図13(a)に示すように、連結状態においては、球体51がドラム22Aの収容部221Aにおける第1底面221cと、カバープレート52の軸部522における底面522eに接触して、ピニオン23とドラム22Aとの間に挟まれた第1位置に配置されている(図11参照)。この状態では、カバープレート52は、カバー53を介してスライドレバー56によって回転軸線Oに沿った方向の移動が規制されている。これにより、球体51は、カバープレート52の軸部522の底面522e,ドラム22Aの第1底面221c、及びピニオン23の凹部230に挟まれて、第1位置に保持されている。なお、この状態において、球体51はピニオン23の回転力を受けているため、球体51には径方向の内側から外側に向かう方向の移動力が作用している。
図13(b)に示すように、制御部4からの通電によりスライド機構57が作動してスライドレバー56がソレノイド部571(図3に示す)側に移動すると、カバープレート52の回転軸線Oに沿った方向の移動に対する規制が解除される。そうすると、球体51が第1底面221cに沿って第2底面221d側(径方向の外側)に移動すると共に、カバープレート52の軸部522の底面522eを回転軸線Oに沿って第1底面221cから離間する方向に押圧する。これにより、カバープレート52が球体51の第1底面221c上の移動距離に応じて、回転軸線Oに沿って上方へ浮き上がる。そして、さらに、球体51がカバープレート52の軸部52における底面522eを押し上げながら、第2底面221dに沿って移動し、球体51が完全にドラム22Aの収容部221Aに収容された第2位置へ配置される。これにより、ドラム22Aとピニオン23との連結が遮断された遮断状態となる。
また、本実施の形態では、球体51がドラム22Aの第1底面221cから第2底面221dへ移動する際に、カバープレート52の上方(回転軸線Oに沿ってドラム22Aの底面から離間する方向)への移動速度が増加するように構成されている。つまり、ドラム22Aの第1底面221cの傾斜角θが第2底面221dの傾斜角θよりも大きくなるように構成されているため、球体51が第1底面221cに沿って移動している際のカバープレート52における軸部522の底面522eを押圧する押圧力が、球体51が第2底面221dに沿って移動している際のカバープレート52の底面522eを押圧する押圧力の方が大きい。これにより、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の遮断速度が向上される。
以上説明した本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得られると共に、第1の実施の形態に係る断続機構5のコイルばね55が不要となるので、部品点数の削減を図ることができる。
(第2の実施の形態に係る変形例)
次に、第2の実施の形態に係る変形例について図14及び図15を参照して説明する。第2の実施の形態の変形例に係る車両用窓ガラス昇降装置は、球体51を弾性力によって第1位置から第2位置へ移動させる点で第2の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100と異なる。図14及び15おいて、第1及び第2の実施の形態について説明したものと実質的に同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図14は、本変形例に係るドラム及びピニオンの構成例を示す平面図であり、(a)は断続機構5の連結状態を示し、(b)は断続機構5の遮断状態を示し、(c)は(a)のE−E線断面図である。図15は、本変形例に係る断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際の球体51の動作を説明する説明図であり、(a)は連結状態であり、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。
本変形例では、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際に、球体51を第1位置から第2位置へ移動させる手段が、第2の実施の形態と異なる。つまり、第1の実施の形態では、球体51をピニオン23の回転力によって、第1位置から第2位置側へ移動させていたが、本変形例では、球体51がドラム22Bの回転軸線O方向と直交する方向に沿った付勢力を発生する付勢部材としてのコイルばね232の付勢力を受けて第1位置から第2位置側へ移動する。以下、この動作を実現するための構成について、説明する。
図14(a)〜(c)に示すように、ピニオン23Aには、複数のコイルばね232を収容する複数の収容穴231が形成されている。収容穴231は、ピニオン23Aの径方向に沿って深さを有する穴であり、この収容穴231が周方向に沿って等間隔に4箇所配置されている。
コイルばね232は、一端が収容穴231の底面231aに接触すると共に、他端が球体51を押圧する押圧部材233に接触して、圧縮されている。これにより、球体51は、コイルばね232からドラム22Bの径方向外方への付勢力を常時受ける。
ドラム22Bには、カバープレート52Aの複数の軸部522Aが嵌合する嵌合穴221Cが形成されている。断続機構5の連結状態では、図15(a)に示すように、ドラム22Bの嵌合穴221Cとピニオン23Aの収容穴231とは連通し、これら嵌合穴221C及び収容穴231をまたがる位置に球体51が保持されている。
断続機構5の連結状態から遮断状態に移行する際には、図15(b)に示すように、第2の実施の形態と同様にカバープレート52Aが自転によって回転軸線O方向に移動して、球体51がコイルばね232の付勢力によって、ドラム22Bの嵌合穴221Cへ移動する。この際、球体51がカバープレート52Aの軸部522Aの傾斜面522bに接触して押圧する。
そうすると、図15(c)に示すように、軸部522Aが球体51によって回転軸線O方向に押し上げられて、球体51が第1位置から第2位置への移動が完了する。なお、コイルばね232は、遮断状態において、押圧部材233がピニオン23Aの収容穴231内に収まるように、その長さが設定されている。
以上説明した変形例によっても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。なお、本変形例では、断続機構5の連結状態から遮断状態に切り替わる際に、球体51がコイルばね232の付勢力によってドラム22Bの径方向の内側から外側へ移動していたが、球体51の移動方向はこれに限定されず、例えば、連結状態から遮断状態へ切り替わる際に球体が径方向の外側から内側へ移動するように構成してもよい。この場合には、コイルばね232を収容する収容孔をドラム22B側に形成すると共に、カバープレート52Aの複数の軸部522Aが嵌合する嵌合穴をピニオン23A側に形成すればよい。これにより、球体51は、常時、径方向の外側から内側に向かう方向の付勢力を受けると共に、ピニオン23Aの嵌合穴内でカバープレート52Aの複数の軸部522Aに第1位置に保持される。この構成によっても、本変形例と同等の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置について図16乃至図21を参照して説明する。第3の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置は、断続機構5の構成が第2の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置と異なる他は、第2の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100と同様に構成されている。図16乃至図21において、第1の実施の形態について説明したものと実質的に同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図16は、本実施の形態に係る断続機構5の構成例を示す分解斜視図である。図17は、本実施の形態に係るカバープレート52Bの構成例を示す平面図である。図18は、本実施の形態に係るドラム22C及びピニオン23Bの平面図である。図19は、ドラム22Cの嵌合穴の形状を示し、(a)は拡大斜視図であり、(b)は回転軸線方向に沿って見た上面図、(c)は径方向に沿った見た正面図である。図20は、ピニオン23Bの嵌合穴の形状を示し、(a)は拡大斜視図であり、(b)は回転軸線方向に沿って見た上面図、(c)は径方向に沿った見た正面図である。図21は、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際のドラム22Cに対するカバープレート52Bの軸部522Bの動作を説明するための説明図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。
本実施の形態では、カバープレート52Bの形状が第2の実施の形態に係るカバープレート52Aの形状と異なる。より詳細には、図16に示すように、カバープレート52Bの複数の軸部522Bは、その先端部が半球状に形成されてドラム22C及びピニオン23Bの嵌合穴(後述する嵌合穴223,224)の内面と摺動する摺動部524を有している。また、本実施の形態に係る断続機構5は、第2の実施の形態に係る断続機構5の球体51を備えていない。なお、本実施の形態では、カバープレート52Bが本発明における動力伝達部材の一態様である。
図17に示すように、カバープレート52Bは、円筒状の首部521と、ドラム22Bの回転軸線O方向に沿って延在した複数の軸部522Bと、首部521と複数の軸部522Bとの間に介在して、回転軸線O方向に沿った見た場合に略十字型に形成された基部523と、前述した摺動部524と、を有している。本実施の形態では、複数の軸部522Bはそれぞれ軸方向の長さは均一である。また、カバープレート52Bは、ドラム22Cの回転軸線O方向に移動可能に配置されている。
図18に示すように、断続機構5の連結状態においては、ドラム22Cに形成された半円状の複数の嵌合穴223と、ピニオン23Bに形成された半円状の複数の嵌合穴234とが連通し、径方向に重なり合うことによって、カバープレート52Bの複数の軸部522Bが嵌合する円形状の嵌合穴として形成されている。この円形状の嵌合穴に複数の軸部522Bが嵌合することにより、ピニオン23Bとドラム22Cとが一体回転可能に連結する。
図19(a)〜(c)に示すように、ドラム22Cの複数の嵌合穴223は、ドラム22Cの径方向内側に位置し、周方向に沿って等間隔に配置されている。本実施の形態では、嵌合穴223が8カ所形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば4個でもよく、10個でもよい。また、図19(b)に示すように、嵌合穴223は、回転軸線O方向に沿って見た形状が略半円状である。さらに、嵌合穴223は、ピニオン23Bが挿通される収容孔220の内縁に設けられ、径方向内方に向かって開口している。
図19(c)に示すように、ドラム22Cの嵌合穴223の内面は、ドラム22Cの回転軸線O方向の開口側ほど、その周方向の幅が徐々に広がるように傾斜した第1及び第2傾斜面223a,223bを有している。第1及び第2傾斜面223a,223bは連続して形成され、第2傾斜面223bは第1傾斜面223aよりも回転軸線O方向の嵌合穴223の底面223cから遠い位置に設けられている。断続機構5の連結状態においては、カバープレート52Bの摺動部524が第1傾斜面223aと接触している。
ここで、第1傾斜面223aと平行な平面と、回転軸線O方向とがなす角度をθとし、第2傾斜面223bと平行な平面と、回転軸線O方向とがなす角度をθとすると、θは、例えば6.4°であり、θは30°である。
図20(a)〜(c)に示すように、ピニオン23Bの複数の嵌合穴234は、ピニオン23Bの外周側に形成され、周方向に沿って等間隔に配置されている。本実施の形態では、嵌合穴234が8カ所形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば4個でもよく、10個でもよい。また、図20(b)に示すように、嵌合穴234は、回転軸線O方向に沿って見た形状が略半円状である。さらに、嵌合穴234は、ピニオン23Bの外周面が切り欠かれたように形成されて、径方向外方に開口している。
図20(c)に示すように、ピニオン23Bの嵌合穴234の内面は、ドラム22Cの回転軸線O方向の開口側ほど、その周方向の幅が徐々に広がるように傾斜した第1及び第2傾斜面234a,234bを有している。第1及び第2傾斜面234a,234bは連続して形成され、第2傾斜面234bは第1傾斜面234aよりも回転軸線O方向のカバープレート52Bの摺動部524が挿入される開口側に形成されている。断続機構5の連結状態においては、カバープレート52Bの摺動部524が第1傾斜面234aと接触している。
ここで、第1傾斜面234aと平行な平面と、回転軸線O方向とがなす角度をθとし、第2傾斜面234bと平行な平面と、回転軸線O方向とがなす角度をθとすると、θは、例えば6.4°であり、θは30°である。
以上のように構成された本実施の形態に係る断続機構5によれば、以下のように動作する。この動作について図21を参照して説明する。なお、以下の説明では、図21に示すドラム22Cの嵌合穴223を例にとってカバープレート52Bの摺動部524及びドラム22Cの動作について説明するが、ピニオン23Bの嵌合穴234の場合についても同様である。なお、カバープレート52Bの摺動部524の外面が本発明における「軸部の先端面」に相当する。
図21(a)に示すように、断続機構5の連結状態では、カバープレート52Bは、カバープレート52Bの摺動部524がドラム22Cにおける嵌合穴223の底面223cに接触した第1位置に位置している。この状態では、カバープレート52Bは、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明したのと同様に、スライド機構57のスライドレバー56によって回転軸線O方向の位置が規制されているため、ドラム22Cと一体に回転している。これにより、断続機構5の連結状態が維持されている。
図21(b)に示すように、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際には、スライド機構57の作動によってカバープレート52Bに対する軸方向移動の規制が解除されるため、カバープレート52Bの摺動部524が、ドラム22Cの嵌合穴223における第1傾斜面223aからドラム22Cの回転力を受ける。これにより、カバープレート52Bの軸部522Bが、嵌合穴223の第1傾斜面223aと摺動しながら、回転軸線O方向に沿ってドラム22Cにおける嵌合穴223の底面223cから離間する方向に移動する。
そして、カバープレート52Bの摺動部524が回転軸線O方向に沿って所定の距離だけ移動すると、次に、ドラム22Cの第2傾斜面223bに接触して摺動する。この際、第2傾斜面223bは第1傾斜面223aよりも回転軸線Oに対する傾斜角が大きいため、摺動部524は第1傾斜面223aと摺動しているときよりも早い移動速度で第2傾斜面223bと摺動する。そして、図21(c)に示すように、カバープレート52Bの摺動部524が嵌合穴223から完全に離脱して、ドラム22Cとピニオン23Bとが相対回転する。すなわち、ドラム22Cとピニオン23Bとの連結が遮断された断続機構5の遮断状態となる。
このように、ドラム22Cの嵌合穴223が第1及び第2傾斜面223a,223bを有していることにより、摺動部524が第2傾斜面223bにおいて速度が加速して、この結果、断続機構5の遮断スピードの向上が図られている。なお、本実施の形態では、ドラム22Cの嵌合穴223の傾斜面が2つの傾斜面(第1及び第2傾斜面223a,223b)で構成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、傾斜面が全て第1傾斜面223aあるいは第2傾斜面223bで構成されていてもよい。
以上説明した本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用及び効果に加え、断続機構5の連結状態から遮断状態への切り替える際の遮断速度を更に向上させることができる。また、本実施の形態では、ドラム22Cの嵌合穴223及びピニオン23Bの嵌合穴234のそれぞれに第1及び第2傾斜面が形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、ドラム22C又はピニオン23Bの少なくともいずれか一方にのみ形成されていればよい。つまり、ドラム22Cの嵌合穴223に第1及び第2傾斜面223a,223bが形成されていて、かつ、ピニオン23Bの嵌合穴234の内面が回転軸線O方向に沿って平行な平面であってもよい。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について、図22乃至図26を参照して説明する。第4の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置は、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替える際の遮断方法が第3の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置と異なる他は、第3の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100と同様に構成されている。図22乃至図26において、第3の実施の形態について説明したものと実質的に同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図22は、本実施の形態に係る断続機構5の構成例を示し、(a)は分解斜視図であり、(b)は(a)に示すドラム22Dの嵌合穴223Aを含むように周方向に切ったG−G線断面図であり、(c)は(a)に示すピニオン23Cの嵌合穴234Aを含むように周方向に切ったH−H線断面図である。図23は、本実施の形態に係るカバープレート52Cの構成例を示し、(a)はカバープレート52Cを第1及び第2軸部522C,522D側から軸方向に見た場合の平面図であり、(b)は(a)におけるI−I線端面図である。図24は、カバープレート52C,ピニオン23C,及びドラム22Dを組付状態で図23(a)のI−I線断面で切った場合の断面図で、かつ、本実施の形態に係る断続機構5の動作を説明するための断面図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は遮断状態を示す。図25は、断続機構5の連結状態から遮断状態へ切り替わる際のカバープレート52Cのドラム22D及びピニオン23Cに対する動作を説明するために図22におけるG−G線断面とH−H線断面を並べて示した模式図であり、(a)は連結状態を示し、(b)は連結状態から遮断状態へ遷移する状態を示し、(c)は遮断状態を示す。図26は、カバープレート52Cの軸部522C,522Dの変形例を示し、(a)は先端が円錐状に形成された軸部を示し、(b)は先端が半球面状に形成された軸部を示し、(c)は先端が山形状に形成された軸部を示している。なお、図22では、電動モータ21及びギヤハウジング62の図示は省略している。
本実施の形態に係る断続機構5は、カバープレート52C,ドラム22D,及びピニオン23Cの形状が第3の実施の形態に係るカバープレート52B,ドラム22C,ピニオン23Bの形状とそれぞれ異なる。以下の説明では、これらの形状の差異点について重点的に説明する。
図22(a)に示すように、カバープレート52Cは、第1位置及び第2位置との間をドラム22D及びピニオン23Cの回転軸線方向に移動可能に配置されている。また、カバープレート52Cは、首部521と、基部523と、基部523から回転軸線に沿って延在した複数(本実施の形態では8個)の第1軸部522Cと、複数の軸部522Cよりもその軸方向長さが長い複数(本実施の形態では8個)の第2軸部522Dと、第1及び第2軸部522C,522Dの先端にそれぞれ設けられた半球状の摺動部524と、を有している。なお、本実施の形態においては、カバープレート52Cが本発明における「動力伝達部材」に相当する。さらに、本実施の形態では、第1及び第2軸部522C,522Dが、それぞれ複数で構成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば第1及び第2軸部522C,522Dがそれぞれ1本ずつであってもよい。またさらに、カバープレート52Cにおいて、第1軸部522Cが第2軸部522Dより長くてもよい。
シャフト54は、軸部541と、円板部542とを有し、軸部541の軸方向における円板部542よりもカバープレート52C側の部位がカバープレート52Cの中心を貫通して形成された貫通孔52aに挿通している。カバープレート52Cは、このシャフト54の軸部541に軸支されて、シャフト54の軸方向に沿って進退可能に配置されている。
ドラム22Dには、複数の第1軸部522Cがそれぞれ嵌合する複数の嵌合穴223Aが形成されている。複数の嵌合穴223Aは、ピニオン23Cを収容する収容孔220よりも径方向の外側に形成され、周方向に沿って所定の間隔で配列している。
ピニオン23Cには、複数の第2軸部522Dがそれぞれ嵌合する複数の嵌合穴234Aが形成されている。複数の嵌合穴234Aは、ピニオン23Cの中心部に形成された挿通孔23aよりも径方向の外側に形成され、周方向に沿って所定の間隔で配列している。
ドラム22Dの嵌合穴223A及びピニオン23Cの嵌合穴234Aは、少なくとも、カバープレート52Cの第1及び第2軸部522C,522Dの本数に対応する数だけそれぞれ形成されていればよい。本実施の形態では、ドラム22Dの嵌合穴223がカバープレート52Cの第1軸部522Cの本数に対応して8カ所設けられている。同様に、ピニオン23Cの嵌合穴234Aがカバープレート52Cの第2軸部552Dの本数に対応して8カ所設けられている。
図22(b)に示すように、ドラム22Dの嵌合穴223Aは、軸方向のカバープレート52C側に開口し、底面223cが形成された有底円筒状である。嵌合穴234Aには、コイルばね224と、コイルばね224に付勢される押圧部材225と、が収容されている。
また、ドラム22Dの嵌合穴223Aの内面には、回転軸線O方向の開口側ほど周方向の幅が広がるように傾斜した傾斜面223dと、傾斜面223dの底面223c側の終端から直線状に延在して形成された平坦面223eとが形成されている。傾斜面223dは、平坦面223eよりも回転軸線O方向の開口側に設けられている。
図22(c)に示すように、ピニオン23Cの嵌合穴234Aは、軸方向のカバープレート52C側に開口し、底面234cが形成された有底円筒状である。嵌合穴223Aには、コイルばね235と、コイルばね235に付勢される押圧部材236と、が収容されている。
ピニオン23Cの嵌合穴234Aの内面には、回転軸線O方向の開口側の内縁から底面234c側に直線状に延在して形成されて第1平坦面234fと、第1平坦面234fの底面234c側の終端から延在し、かつ、開口側ほど周方向の幅が広がるように傾斜した傾斜面234dと、傾斜面234dの底面234c側の終端から直線状に延在して形成された第2平坦面234eとが形成されている。傾斜面234dは、第1及び第2平坦面234f,234eに挟まれた位置に形成されている。
図23(a)に示すように、カバープレート52Cの複数の第1軸部522C及び複数の第2軸部522Dは、周方向に沿って所定の間隔でそれぞれ配置されている。また、第1軸部522Cと第2軸部522Dとは、径方向に沿って並列し、第1軸部522Cが第2軸部522Dよりも径方向の外側に位置している。なお、第1軸部522Cと第2軸部522Dの配置関係はこれに限定されるものではなく、例えば必ずしも第1軸部522Cと第2軸部522Dとが径方向に沿って並列している必要はなく、第1軸部522C及び第2軸部522Dの周方向における位置がそれぞれ異なっていてもよい。
図23(b)に示すように、カバープレート52Cの第1及び第2軸部522C,522Dは、基部523におけるドラム22Dを指向する側の軸方向端面523aから下方に向かって延在している。
次に、本実施の形態に係る断続機構5の動作について、図24及び図25を参照して説明する。なお、図24では、ドラム22Dの嵌合穴223A及びピニオン23Cの嵌合穴234Aを、ドラム22D及びピニオン23Cの回転方向に沿って見た場合の断面図(G−G線断面図)であり、図25では、ドラム22Dの嵌合穴223A及びピニオン23Cの嵌合穴234Aを、ドラム22D及びピニオン23Cの回転方向と直交する方向に沿ってそれぞれ見た場合の断面図(H−H線断面図)を示している。
断続機構5の連結状態においては、図24(a)に示すように、カバープレート52Cの複数の第1軸部522Cがピニオン23Cの複数の嵌合穴234Aにそれぞれ嵌合すると共に、カバープレート52Cの複数の第2軸部522Dがドラム22Dの複数の嵌合穴223Aにそれぞれ嵌合している。これにより、ドラム22Dとピニオン23Cとが、カバープレート52Cを介して回転方向に係合し、一体回転可能である。
また、図25(a)に示すように、断続機構5の連結状態では、ドラム22Dにおける嵌合穴223A内のコイルばね224は、押圧部材224を介してカバープレート52Cにおける第1軸部522Cの摺動部524に押し付けられて軸方向に圧縮している。同様に、ピニオン23Cにおける嵌合穴234A内のコイルばね235は、押圧部材236を介してカバープレート52Cにおける第1軸部522Cの摺動部524に押し付けられて軸方向に圧縮している。すなわち、カバープレート52Cは、断続機構5の連結状態においては、ドラム22Dにおける嵌合穴223Aのコイルばね224、及びピニオン23Cにおける嵌合穴234Aのコイルばね234からドラム22D及びピニオン23Cから回転軸線O方向に離間する方向の弾性力を常時受けると共に、当該弾性力による回転軸線Oに沿った方向の移動が、スライドレバー56のプレート部563によって規制されている。
また、カバープレート52Cは、第1軸部522Cの摺動部524がドラム22Dにおける嵌合穴223Aの平坦面223eに接触すると共に、第2軸部522Dの摺動部524がピニオン23Cにおける嵌合穴234Aの第2平坦面234eに接触して、第1位置に保持されている。
そして、スライド機構57の作動に伴いスライドレバー56が移動して、カバープレート52Cに対する回転軸線O方向の移動の規制が解除されると、図25(b)に示すように、コイルばね224,235の弾性力によって、カバープレート52Cの第1軸部522Cの摺動部524が押圧部材225によって押し上げられると共に、第2軸部522Dの摺動部524が押圧部材236によって押し上げられる。そうすると、ドラム22D及びピニオン23Cがカバープレート52Cに対して相対回転し、この回転力によって、カバープレート52Cの第1軸部522Cの摺動部524の外面がドラム22Dにおける嵌合穴223Aの傾斜面223dと摺動すると共に、カバープレート52Cの第1軸部522Cの摺動部524の外面がピニオン23Cにおける嵌合穴234Aの傾斜面234dと摺動する。これにより、カバープレート52Cの回転軸線O方向におけるドラム22D及びピニオン23Cから離間する方向の移動速度(第1位置から第2位置への移動する際の速度)が増加される。
そして、図25(c)に示すように、カバープレート52Cとドラム22D及びピニオン23Cとが更に相対回転すると、カバープレート52Cの第1軸部522Cの摺動部524がドラム22Dの嵌合穴223Aから完全に離脱する。これにより、カバープレート52Cは、ドラム22Dとピニオン23Cとが互いに回転方向に非係合となる第2位置に配置され、ドラム22Dとピニオン23Cとの相対回転が可能となる。すなわち、ドラム22Dとピニオン23Cとの間の動力伝達が遮断された遮断状態となる。この際、カバープレート52Cの第2軸部522Dの摺動部524は、ピニオン23Cにおける嵌合穴234Aの第1平坦面234fに当接しており、第2軸部522Dの摺動部524は嵌合穴234A内に収容されたままである。つまり、断続機構5の遮断状態において、カバープレート52Cはピニオン23Cとの相対回転が規制されて一体に回転する。これにより、断続機構5の遮断状態から連結状態へ戻す際に、カバープレート52Cの第1及び2軸部522C,522Dをドラム22D及びピニオン23Dの嵌合穴223A、234Aに嵌合するための位置決め動作が容易となり、断続機構5の遮断状態から連結状態への切り替えが円滑に行われる。
このように、カバープレート52Cの第1軸部522Cのドラム22Dにおける嵌合穴223Aに対する嵌合深さと、カバープレート52Cの第2軸部522Dのピニオン23Cの嵌合穴234Aの嵌合深さが異なるように構成し、カバープレート52Cを回転軸線O方向に沿って第1位置及び第2位置の間を進退移動させることで、断続機構5の連結状態と遮断状態との切り替えが可能である。
なお、上記実施の形態では、カバープレート52Cの第1及び第2軸部522C,522Dの摺動部524がそれぞれ半球状であったが、摺動部524の形状はこれに限定されるものではなく、球状であってもよい。つまり、カバープレート52Cの第1及び第2軸部522C,522Dの摺動部524は、断続機構5の連結状態から遮断状態に切り替える際に、軸部の先端面(摺動部524の外面)とドラム22D及びピニオン23Cの嵌合穴223A.234Aの傾斜面223d,234dと円滑に摺動可能な形状であればよい。より詳細に述べれば、摺動部524の形状は、その周方向における幅が回転軸線Oに沿った方向の先端ほど徐々に狭まるように、傾斜した形状であればよい。なお、この傾斜面は曲率を有した曲面であってもよく、曲率を有さない直線状の傾斜面であってもよい。これにより、カバープレート52Cの第1及び第2軸部522C,522Dがピニオン23Cから受ける回転方向の力を軸方向の力に変換することができる。つまり、断続機構5の連結状態から遮断状態に切り替わる際におけるカバープレート52Cの速やかにドラム22Dから離間させることができる。
ここで、上述した摺動部524の形状の例として図26を参照して説明する。例えば、第1軸部522Cの先端部が、円錐状の摺動部524Aであってもよく(図26(a)参照)、半球状の摺動部524Bであってもよく(図26(b)参照)、山形形状の摺動部524Cであってもよい(図26(c)参照)。いずれの場合においても、動力伝達部である摺動部44Aの外面44a,摺動部44Bの外面44b,及び摺動部44Cの外面44cのそれぞれがドラム22Dの嵌合穴223Aの傾斜面223dと摺動する摺動面として形成され、それぞれの第1軸部522Cの側面が、断続機構5の連結状態においてドラム22Dにおける嵌合穴223Aの内面を回転方向に押圧する押圧面として形成されている。第2軸部522Dの先端に形成される摺動部524についても同様である。なお、カバープレート52Cにおける複数の第1軸部522Cのそれぞれの動力伝達部が上述した各形状の組み合わせで構成されていてもよい。またさらに、上記した動力伝達部の各形状については、第3の実施の形態に係るカバープレート52Bについても適用可能である。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100Aについて図26乃至図29を参照して説明する。第5の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100Aは、昇降機構3A及び断続機構5Aの構成が第1乃至第4の実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置と異なる。図26乃至図29において、第1乃至第4の実施の形態について説明したものと実質的に同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図26は、本実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置100Aの全体構成を示す概略図である。図27は、図26に示す車両用窓ガラス昇降装置100Aを裏側から見た場合のベースプレート34及びその周辺部の構成を示す平面図である。図28は、本実施の形態に係る駆動部2A及び断続機構5Aの構成例を示す分解斜視図である。図29は、図27におけるF−F線断面図である。
本実施の形態に係る車両用窓ガラス昇降装置は、電動モータ21を駆動源として有し、窓ガラス9を昇降させる駆動力を発生する駆動部2Aと、駆動部の駆動力によって窓ガラスを昇降させる昇降機構3Aとを備えている。
駆動部2Aは、昇降機構3Aのセクタギヤ35を介して駆動力を出力する出力回転部材として回転ギヤ26と、電動モータ21の出力軸の回転に伴って回転する中間回転部材としてのピニオン23D、回転ギヤ26とピニオン23Dとの間に配置され、回転ギヤ26とピニオン23Dとを一体回転可能に連結する連結状態、及び回転ギヤ26とピニオン23Dとの連結が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構5Aとを有する。なお、ピニオン23Dが本発明における「入力回転部材」に相当する。
昇降機構3Aは、駆動部2Aが取り付けられたベースプレート34と、ベースプレート34に回転可能に軸支されたセクタギヤ35と、長手方向の一端部が窓ガラス9を支持すると共に他端部がセクタギヤ35に連結されて、セクタギヤ35と一体に回転するアーム部材としてのメインアーム36及びサブアーム37、とを有している。回転ギヤ26には、セクタギヤ35に噛み合うギヤ部241(後述する図28参照)が形成され、回転ギヤ26とセクタギヤ35とが噛み合って回転することにより、メインアーム36及びサブアーム37がベースプレート34に対して回転するよう構成されている。
メインアーム36及びサブアーム37は、X字状に交差して相対回転可能に組み合わされている。駆動部2Aによりメインアーム36が回動し、窓ガラス9を自動的に昇降させるパワー式のウインドレギュレータとなっている。
メインアーム36及びサブアーム37は、プレス成型された長尺鋼板材により構成されている。メインアーム36は、その基端部36aと先端部36bとの間の連結部36cにおいてサブアーム37と連結されている。サブアーム37は、連結部36cを中心としてメインアーム36に回動可能である。メインアーム36は、支軸38を中心としてベースプレート34に回転自在に取り付けられている。
サブアーム37は、第1サブアーム37aと、第2サブアーム37bとから構成され、第1サブアーム37aは、連結部36cとチャンネルAとの間でメインアーム36の下側に配置され、第2サブアーム37bは連結部36cとチャンネルBとの間でメインアーム36の上側に配置されている。
メインアーム36の基端部36aには、鋼板材からなる円弧状のセクタギヤ35が溶接によって固定されている。セクタギヤ35の円弧状外周面には、駆動部2の回転ギヤ26に噛み合うギヤ部35aが形成されている。メインアーム36の先端部36bには、スライダ39が回転自在に固定されている。スライダ39は、窓ガラス9の下端に固定されたチャンネルAに長手方向に沿って移動自在に装着されている。
第1サブアーム37aは、その一端部がスライダ39を介して窓ガラス9の下端に固定されたチャンネルAに連結されている。第2サブアーム37bは、その一端部がスライダ39を介して窓ガラス9の下端に固定されたチャンネルBに連結されている。チャンネルA側のスライダ39は、チャンネルAの長手方向に沿って移動自在に装着されている。同様に、チャンネルB側のスライダ39は、チャンネルBの長手方向に沿って移動自在に装着されている。
駆動部2Aは、ウォームギヤ機構からなる減速機25をさらに有している。減速機25は、ベースプレート34に固定された図略のギヤケースに収容されている。このギヤケースには、車両に搭載される図示しない制御装置に電気的に接続されるコネクタ210が設けられている。電動モータ21は、図示しないパワーウインドスイッチ等の指令信号に基づいて制御装置により制御される。
電動モータ21が回転駆動すると、減速機25によって減速回転されたピニオン23D及び回転ギヤ26を介してセクタギヤ35がメインアーム36と共に支軸38を中心に所定の角度範囲で駆動回転する。セクタギヤ35の回転力はメインアーム36に伝達され、窓ガラス9に対してメインアーム36が支軸38を中心に揺動する。メインアーム36の回転移動に伴い、窓ガラス9に対してサブアーム37が連結部36cを中心に揺動することで、窓ガラス9が車両上下方向に開閉される。
図27に示すように、ベースプレート34には、断続機構5を収容する収容部340が設けられている。収容部340は、回転ギヤ26,ピニオン23D,カバープレート52等が収容される断続機構5の第1収容部340aと、断続機構5のスライド機構57を収容する第2収容部340bとを有している。
図28に示すように、本実施の形態では、断続機構5Aが、回転ギヤ26とピニオン23Dとの間に介在する動力伝達部材としての複数(本実施の形態では4個)の球体51と、球体51の第1位置から第2位置への移動を規制する規制部材としてのカバープレート52と、カバープレート52に取り付けられるカバー53と、カバー53及びカバープレート52を貫通するシャフト54Aと、ピニオン23とカバープレート52との間に配置されたコイルばね55と、スライド機構57と、スライド機構57に連結されるスライドレバー56と、を有している。
回転ギヤ26は、円柱状の本体部260と、本体部260よりも小径に形成されて本体部の軸方向の下端側に設けられてギヤ部241とを有している。
回転ギヤ26の本体部260は、その中心部にピニオン23が挿通される挿通孔260aが形成されている。また、本体部260には、カバープレート52の複数の軸部522の先端が収容される複数(本実施の形態では4箇所)の収容部260bが周方向に等間隔に形成されている。回転ギヤ26のギヤ部241は、セクタギヤ35と噛み合って、ピニオン23の回転力をセクタギヤ35に伝達する。
図29に示すように、断続機構5Aの連結状態では、複数の球体51はカバープレート52の複数の軸部522によって第1位置に保持されている。
より詳細には、断続機構5の連結状態では、球体51は、回転ギヤ26における収容部260bと、ピニオン23の凹部230の内面とによって挟まれ、かつ、カバープレート52の複数の軸部522によって回転ギヤ26の径方向外方への移動が規制されている。これにより、ピニオン23の回転力が球体51を介して回転ギヤ26へ伝達される。
断続機構5の連結状態では、第1の実施の形態と同様に、カバー53及びカバープレート52が、スライドレバー56によって、コイルばね55の弾性力による軸方向の回転ギヤ26から離間する方向への移動が規制されている。
スライド機構57の作動によって、スライドレバー56によるカバープレート52に対する規制が解除されると、カバープレート52及びカバー53がコイルばね55の弾性力によって軸方向に回転ギヤ26と離間する方向に押し上げられ、所定の位置で停止する。これにより、球体51はピニオン23の底面230aから回転力を受けて、径方向外側に移動し、球体51が第1位置から第2位置へ移動する。これにより、回転ギヤ26とピニオン23との連結が遮断された遮断状態となる。
このように、本実施の形態では、ピニオン23の回転力を利用して、動力伝達部材としての球体51を第1位置から第2位置へ移動させることにより、回転ギヤ26とピニオン23との動力伝達を瞬時に遮断することが可能である。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。なお、本実施の形態に係る断続機構5は、その構成に限定されず、例えば第2乃至第4の実施の形態において説明した各断続機構の構成をそれぞれ適用してもよい。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
また、第1乃至第4の実施の形態では、本発明における「出力回転部材」が単一のドラムである場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ドラムがその径方向の内側と外側で同心状に分割された場合における内側回転部材と外側回転部材からなる回転体である場合には、ドラムの外側回転部材が本発明における「出力回転部材」に相当し、ピニオン及びピニオンに連結されたドラムの内側回転部材が本発明における「中間回転部材」に相当する。またこの場合、ドラムの内側回転部材は、ピニオンと一体回転可能に連結され、ドラムの外側回転部材は、内側側回転部材と相対回転不能に連結されていればよい。
また、第1乃至第5の実施の形態で説明した断続機構は、窓ガラスにおける異物の挟み込みをカメラユニット110によって撮像した画像データに基づいて挟み込みを検知するセンシングシステムに適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば窓ガラスにおける挟み込みが発生した際のパルス幅の変動に基づいて挟み込みを検知して挟み込み荷重を低減するパルスシステムにも適用することができる。これにより、挟み込みが発生することを前提としたパルスシステムにおいて挟み込みの際における挟み込み荷重を低減することができる。
上記実施の形態では、本発明における「開閉体駆動装置」が車両用窓ガラス昇降装置100(いわゆる、パワーウィンドウ)である場合を代表例として説明し、この車両用窓ガラス昇降装置100の駆動部2に断続機構5が適用された場合についてのみ説明したが、断続機構5の用途はこれに限定されるものではなく、自動車に形成された開口に対する開閉体を開位置と閉位置との間で移動させる駆動機構を備えた装置であれば適用可能である。例えば、自動車のサンルーフ、パワーバックドア、あるいはスライドドアの駆動機構にも上記で説明した各実施の形態に係る断続機構を適用することが可能である。
また、本実施の形態に係る断続機構5を備えたウインドレギュレータによれば、断続機構5の遮断状態ではピニオンとドラムとの間の動力が遮断されているので窓ガラス9に対する駆動部2における保持力がなくなる。これにより、例えば車両の水没や横転といった緊急時に乗員が窓ガラスを手動で容易に開けることができるため、乗員の退路を確保することが可能である。
1…ドア
2…駆動部
3…昇降機構
4…制御部
5…断続機構
9…窓ガラス
21…電動モータ
22,22A,22B,22C,22D…ドラム(出力回転部材)
23,23A,23B,23C…ピニオン(中間回転部材,入力回転部材)
51…球体(動力伝達部材)
52,52A,52B,52C…カバープレート(規制部材,動力伝達部材)
90…カメラ
100,100A…車両用窓ガラス昇降装置(開閉体駆動装置)

Claims (15)

  1. 車両のドアに設けられ、前記ドアの窓ガラスを昇降させる窓ガラス昇降装置であって、
    電動モータを駆動源として有し、前記窓ガラスを昇降させる駆動力を発生する駆動部と、
    前記駆動部の前記駆動力によって前記窓ガラスを昇降させる昇降機構とを備え、
    前記駆動部は、
    前記昇降機構に前記駆動力を出力する出力回転部材と、
    前記電動モータの駆動軸の回転に伴って回転する中間回転部材と、
    前記出力回転部材と前記中間回転部材とを一体回転可能に連結する連結状態、及び前記出力回転部材と前記中間回転部材との間の動力伝達が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構とを有する、
    車両用窓ガラス昇降装置。
  2. 前記電動モータ及び前記断続機構を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記断続機構を前記連結状態として前記駆動部の前記駆動力によって前記窓ガラスを上昇させる上昇動作中に前記窓ガラスによる挟み込み又はそのおそれが発生したとき、前記電動モータへの電流供給を遮断すると共に前記断続機構を前記遮断状態とする、
    請求項1に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  3. 前記ドアに設けられた窓枠の少なくとも一部に沿って設けられた検出ラインを撮像するカメラをさらに備え、
    前記制御部は、前記上昇動作中に前記カメラによって撮像された前記検出ラインの少なくとも一部が異物によって遮蔽された遮蔽状態を検出したとき、前記電動モータへの電流供給を遮断すると共に前記断続機構を前記遮断状態とする、
    請求項2に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  4. 前記断続機構は、前記連結状態において前記中間回転部材の回転力を前記出力回転部材に伝達する動力伝達部材を有し、
    前記動力伝達部材は、前記中間回転部材及び前記出力回転部材を回転方向に係合する第1位置と、前記中間回転部材及び前記出力回転部材を回転方向に非係合とする第2位置との間を移動可能に配置され、
    前記断続機構が、前記動力伝達部材が前記第1位置に保持されることにより前記連結状態となり、前記動力伝達部材が前記第2位置に保持されることにより前記遮断状態となる、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  5. 前記断続機構は、前記出力回転部材の回転軸線方向に沿って進退移動することにより前記動力伝達部材の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制する規制部材をさらに有し、
    前記動力伝達部材は、球体であり、
    前記規制部材は、前記回転軸線方向に沿って形成された軸部を有し、
    前記中間回転部材は、その外周面が径方向の内側に窪んで形成された凹部を有し、
    前記出力回転部材には、前記規制部材の前記軸部の先端が収容される収容部が形成され、
    前記断続機構の前記連結状態では、前記球体が、前記中間回転部材における前記凹部の周方向の一側面、前記出力回転部材における前記収容部の周方向の他側面、及び前記規制部材の前記軸部との間に把持されて、前記第1位置に保持されており、
    前記断続機構の前記連結状態から前記遮断状態に切り替わる際には、前記規制部材における前記軸部の前記球体に対する規制が解除されることにより、前記中間回転部材の回転力によって前記球体が前記中間回転部材の前記凹部の前記一側面に押圧されると共に前記凹部から離間して、前記出力回転部材の前記収容部側に移動する、
    請求項4に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  6. 前記出力回転部材の前記収容部の底面は、前記球体が前記第1位置及び前記第2位置の間を移動する際の移動面として形成され、
    前記移動面は、前記出力回転部材の径方向の外側に向かうほど前記規制部材との前記回転軸線方向における距離が近づくように傾斜した傾斜面であり、
    前記傾斜面は、前記回転軸線に垂直な方向に対する傾斜角がそれぞれ異なる第1底面及び第2底面とからなり、
    前記第2底面は、前記第1底面よりも径方向の外側に位置し、かつ、前記第1底面よりも前記傾斜角が大きい、
    請求項5に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  7. 前記断続機構は、前記出力回転部材の回転軸線方向に沿って進退移動可能に配置され、前記動力伝達部材の前記第1位置から前記第2位置への移動を規制する規制部材と、前記動力伝達部材を前記出力回転部材の径方向に沿って付勢する付勢部材と、をさらに有し、
    前記動力伝達部材は、球体であり、
    前記規制部材は、前記球体を前記付勢部材との間で挟む位置に配置され、前記回転軸線方向に沿って形成された軸部を有し、
    前記断続機構の前記連結状態では、前記球体が前記付勢部材の一端と前記規制部材の前記軸部との間に把持されて第1位置に保持されており、
    前記断続機構の前記連結状態から前記遮断状態に切り替わる際には、前記規制部材の前記球体に対する規制が解除されることにより、前記球体が前記付勢部材の付勢力によって前記第1位置から前記第2位置へ移動する、
    請求項4に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  8. 前記軸部の先端には、前記回転軸線方向と直交する方向に対して傾斜した傾斜面が形成され、
    前記断続機構の前記連結状態及び前記遮断状態の切り替えの際に、前記軸部の前記傾斜面が前記球体と接触する接触面として形成されている、
    請求項5乃至7の何れか1項に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  9. 前記動力伝達部材は、前記第1位置及び前記第2位置との間を前記出力回転部材及び前記中間回転部材の回転軸線方向に移動可能に配置され、前記回転軸線方向に延在する軸部を有し、
    前記出力回転部材及び前記中間回転部材には、前記連結状態において連通し、かつ、前記連結状態において前記軸部が嵌合する嵌合穴がそれぞれ形成され、
    前記出力回転部材又は前記中間回転部材の少なくともいずれか一方の前記嵌合穴の内面には、前記回転軸線方向の前記嵌合穴の開口側ほど周方向の幅が徐々に広がるように傾斜した傾斜面が形成され、
    前記断続機構の前記連結状態から前記遮断状態へ切り替わる際に、前記軸部の先端面が前記傾斜面と摺動する、
    請求項4に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  10. 前記出力回転部材又は前記中間回転部材の少なくともいずれか一方の前記嵌合穴における前記傾斜面は、前記回転軸線に対する傾斜角がそれぞれ異なる第1及び第2傾斜面からなり、
    前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面よりも前記回転軸線方向の前記軸部が挿入される開口側に設けられ、
    前記第2傾斜面における前記回転軸線方向に対する傾斜角は、前記第1傾斜面における前記回転軸線方向に対する傾斜角よりも大きい、
    請求項9に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  11. 前記動力伝達部材は、前記第1位置及び前記第2位置との間を前記出力回転部材及び前記中間回転部材の回転軸線方向に移動可能に配置され、前記出力回転部材に形成された嵌合穴に嵌合する第1軸部、及び前記中間回転部材に形成された嵌合穴に嵌合する第2軸部を有し、前記第1軸部の嵌合深さと前記第2軸部の嵌合深さが異なり、
    前記断続機構の前記連結状態から前記遮断状態に切り替わる際において、前記動力伝達部材は、前記中間回転部材又は前記出力回転部材の少なくともいずれか一方の前記嵌合穴に配置された付勢部材の付勢力を受けて、前記第1位置から前記第2位置へ移動する、
    請求項4に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  12. 前記中間回転部材又は前記出力回転部材の少なくとも何れか一方の前記嵌合穴の開口付近における内面は、前記嵌合穴の前記底面から前記開口に向かって徐々に周方向の幅が広がるように傾斜した傾斜面であり、
    前記断続機構の前記連結状態から前記遮断状態に切り替わる際において、前記動力伝達部材における前記第1軸部又は第2軸部の先端面が前記傾斜面に摺動することにより、前記動力伝達部材が前記回転軸線方向に押し上げられる、
    請求項11に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  13. 前記昇降機構は、
    前記窓ガラスの移動方向に沿って配置されたガイドレールと、
    前記ガイドレールに案内され、前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、
    前記ガイドレールの上端及び下端に設けられたワイヤガイドを介して前記キャリアプレートを牽引するワイヤとを有し、
    前記ワイヤの一部が前記出力回転部材に巻き回されている、
    請求項1乃至12の何れか1項に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  14. 前記昇降機構は、
    前記駆動部が取り付けられたベースプレートと、
    前記ベースプレートに回転可能に軸支されたセクタギヤと、
    長手方向の一端部が前記窓ガラスを支持すると共に他端部が前記セクタギヤに連結されて、前記セクタギヤと一体に回転するアーム部材と、を有し、
    前記出力回転部材には、前記セクタギヤに噛み合うギヤ部が形成され、
    前記出力回転部材と前記セクタギヤとが噛み合って回転することにより、前記アーム部材が前記ベースプレートに対して回転する、
    請求項1乃至12の何れか1項に記載の車両用窓ガラス昇降装置。
  15. 自動車のボディに形成された開口に対して開閉体を開位置と閉位置との間で移動させる駆動機構を備えた開閉体駆動装置であって、
    同軸上で相対回転可能に配置された入力回転部材及び出力回転部材と、
    前記入力回転部材を駆動する電動モータと、
    前記入力回転部材と前記出力回転部材とを一体回転可能に連結する連結状態、及び前記入力回転部材と前記出力回転部材との間の動力伝達が遮断された遮断状態を切り替え可能な断続機構と、を備えている、
    開閉体駆動装置。
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