JP2017115283A - スクリーン紗用モノフィラメント - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、ポリエステルは、スクリーン上にパターンを形成するために用いる感光樹脂との接着性に劣る上、製織時の筬削れやスカムが発生し易いとの問題があった。
これらを解決する方法としては、例えば、特許文献3、4には、芯にポリエステル、鞘にポリアミドを配することによって、寸法安定性、感光樹脂との接着性、耐筬削れ等を向上させた芯鞘複合繊維からなるモノフィラメントが開示されている。
上記スクリーン紗用モノフィラメントは芯鞘比(面積比)が30:70〜80:20であることが好ましく、破断強度が5.5cN/dtex以上であることが好ましい。
さらに、この他の共重合成分として、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどのジオキシ化合物、アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸などのジカルボン酸、ビスフェノールA等が共重合されていても良いが、本発明の効果を得やすい点からは、実質的に上記スルホイソフタル酸塩のみを共重合したものであることが特に好ましい。
A.固有粘度(IV)
ウベローデ型粘度管を使用し、サンプルをフェノール:テトラクロロエタン=6:4の混合溶媒、溶解時間80℃×1時間で溶解し、測定温度20℃の下で測定し、固有粘度IVを得た。
B.相対粘度(ηr)
ウベローデ型粘度管を使用し、サンプルを96質量%硫酸、溶解時間50℃×1.5時間で溶解し、測定温度25℃の下で測定し、相対粘度ηrを得た。
C.破断強度、破断伸度
JIS−L−1013に準じ、島津製作所製のAGS−1KNGオートグラフ引張試験機を用い、試料糸長20cm、定速引張速度20cm/minの条件で測定する。荷重−伸び曲線での荷重の最高値を繊度で除した値を破断強度(cN/dtex)とし、そのときの伸び率を破断伸度(%)とする。
D.紡糸及び延伸操業性
紡糸操業性及び延伸操業性は、両工程の通過性が良好であれば○、工程通過性が若干悪いものを△、製糸不可であれば×とした。
E.スカム評価
得られたスクリーン紗用モノフィラメントを用いて、スルーザー型織機により、回転数300rpmで、300メッシュのスクリーン紗用織物を製織し、筬の汚れが進行して正常な製織を維持できず、停機した時点までの製織長を求めた。
評価は製織長が500m以上のものを良好とし○、500m未満を×とした。
F.スクリーン紗の寸法安定性
得られたスクリーン紗用モノフィラメントを用いて、300メッシュのスクリーン紗用織物を製織し、スクリーン紗を得た。得られたスクリーン紗を使用してスクリーン製版し、1000枚印刷時の印刷パターンを観察した。印刷パターンに歪みが無いものを〇、歪みが有るものを×、歪みの有無の判断ができなかったものを△とした。
H.剥離評価(伸長回復サイクル試験)
エー・アンド・デイ製のRTA−100テンシロン引張試験機を用いた。試料は幅5cm、長さ40cmを作製し、つかみ間距離200mm、定速引張速度200mm/minの条件でタテ方向の測定を実施した。測定時、20%伸長させた後、緩和させ、このサイクルを50回繰り返し行い、繊維表面の剥離の有無を確認した。
剥離の判定は、剥離した部分が無い又は5%未満の場合は○、剥離した部分が5%以上、50%未満の場合は△、剥離した部分が50%以上又は破断した場合は×とした。
5−スルホイソフタル酸ナトリウムが1.5モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート(固有粘度(IV):0.57dl/g)を芯部に、相対粘度(ηr)が3.0dl/gのポリアミド6を鞘部に配置し、芯鞘比(面積比)を30:70として従来公知の紡糸方法に従い、オリフィス径φ0.35mmの紡糸口金を使い、紡糸温度295℃、巻取速度1200m/minで紡糸し、未延伸モノフィラメントを得た。得られた未延伸モノフィラメントを延伸速度800m/min、ロールヒーター87℃、プレートヒーター178℃で延伸して、13dtexのスクリーン紗用モノフィラメントを得た。
固有粘度(IV)が0.68dl/gの未変性ポリエチレンテレフタレートを従来公知の紡糸方法に従い、オリフィス径φ0.35mmの紡糸口金を使い、紡糸温度295℃、巻取速度1200m/minで紡糸し、未延伸モノフィラメントを得た。得られた未延伸モノフィラメントを延伸速度800m/min、ロールヒーター88℃、プレートヒーター150℃で延伸して、13dtexのスクリーン紗用モノフィラメントを得た。
相対粘度(ηr)が3dl/gのポリアミド6を従来公知の紡糸方法に従い、オリフィス径φ0.35mmの紡糸口金を使い、紡糸温度290℃、巻取速度800m/minで紡糸し、未延伸モノフィラメントを得た。得られた未延伸モノフィラメントを延伸速度800m/min、ロールヒーター65℃、プレートヒーター178℃で延伸して、13dtexのスクリーン紗用モノフィラメントを得た。
固有粘度(IV)が0.63dl/gの未変性ポリエチレンテレフタレートを芯部に、相対粘度(ηr)が2.2dl/gのポリアミド6を鞘部に配置し、芯鞘比(面積比)を55:45として従来公知の紡糸方法に従い、オリフィス径φ0.35mmの紡糸口金を使い、紡糸温度295℃、巻取速度1200m/minで紡糸し、未延伸モノフィラメントを得た。得られた未延伸モノフィラメントを延伸速度800m/min、ロールヒーター87℃、プレートヒーター178℃で延伸して13dtexのスクリーン紗用モノフィラメントを得た。
芯鞘比率を変更した以外は、実施例1と同様に、スクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
鞘部のポリアミド6の相対粘度(ηr)を3.2dl/gに変更した以外は、実施例2と同様に、スクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
芯部の共重合成分をポリエチレングリコール(PEG#600)3質量%と芯鞘比を50:50に変更した以外は実施例2と同様にスクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
芯部の共重合成分をポリエチレングリコール(PEG#600)5質量%に変更した以外は比較例4と同様にスクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
5−スルホイソフタル酸ナトリウム2.5モル%及びポリエチレングリコール(PEG#200)3.0質量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(IV:0.54dl/g)を芯部に、芯鞘比を50:50に変更した以外は、実施例2と同様に、スクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
鞘部のポリアミド6の相対粘度を3.2d/gに変更した以外は、実施例6と同様に、スクリーン紗用モノフィラメントを製造した。
実施例6及び7から得られた5−スルホイソフタル酸ナトリウムとポリエチレングリコールを共重合したポリエチレンテレフタレートとポリアミド6からなるスクリーン紗用モノフィラメントは、6cN/dtex以上の糸品位の良いものであった。また、スクリーン紗は、スカムが無く、芯鞘剥離のない品位の良いものであった。また、寸法安定性が良好で、感光樹脂接着性に優れていた。
比較例4及び5から得られたスクリーン紗用モノフィラメントは、強度の高いモノフィラメントであった。しかし、実施例品と異なり、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを共重合していないため、スクリーン紗は紗張時、容易に剥離し、品位の悪いスクリーン紗となった。
比較例3で得られたポリエチレンテレフタレートとポリアミド6からなるスクリーン紗用モノフィランメントから得られたスクリーン紗は、紗張時、剥離が発生し、品位の悪いものであった。
比較例1で得られたポリエチレンテレフタレートモノフィラメントはスカムが発生する品位の悪いモノフィラメントであった。
比較例2で得られたポリアミド6モノフィラメントは非常に強度の高いモノフィラメントを得ることができた。しかし、寸法安定性が非常に悪いスクリーン紗となった。
Claims (3)
- 鞘成分がポリアミド、芯成分がスルホイソフタル酸を含有する共重合ポリエステルであることを特徴とするスクリーン紗用モノフィラメント。
- 芯成分と鞘成分との比率(面積比)が、30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン紗用モノフィラメント。
- 破断強度が5.5cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のスクリーン紗用モノフィラメント。
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JP2015255446A JP2017115283A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | スクリーン紗用モノフィラメント |
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2015-12-25 JP JP2015255446A patent/JP2017115283A/ja active Pending
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