JP2017115274A - ウエスト伸縮自在ボトムス - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエストサイズを伸縮自在としたボトムスの腰裏のデザイン自由度やデザイン性を高めること。【解決手段】スーツ用ズボン1は、バイアス生地10の内側に配設された芯地20と、バイアス生地10の内側に配設された芯地20の上部を解放させて部分的に切欠いたその切り欠き側の両端部に縫付け切欠いた特定の範囲を接続し、ウエストベルト部3の長手方向に伸縮自在とし、かつ、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材30とを具備し、芯地20の長手方向に縫付けた他の弾性材30が、収容部3Bまたは延出部3Aにウエストベルト部3の幅方向に閂止め51または幅方向に対して0〜90°角度方向に閂止め52が縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したものである。【選択図】図9
Description
本発明は、ウエストサイズを伸縮自在とした被服、すなわち、スーツ用ズボンや綿パン等のパンツ(ズボン)、スカート、キュロットスカート等(以下、「ボトムス(bottoms)」という)の腰裏のデザイン自由度やデザイン性を高めることができるウエスト伸縮自在ボトムスに関するものである。
一般に、パンツ(ズボン)等のボトムスの既製品のベルト部のサイズは、例えば、69cm、72cm、75cmといったように所定間隔、例えば3cm間隔に設定されており、購入者は自己のベルトサイズに近いものを選択して購入し、自己のベルトサイズに修正したり、革ベルト等によって矯正したりして着用している。しかしながら、ベルトサイズを修正する場合には修正作業が必要で手間及び費用を要し、革ベルト等によって矯正する場合にはパンツ等のベルト部にシワが生じてテザイン的に好ましくなく、更に着用した際の快適性も劣るという問題がある。
そこで、これを解決したものとして、本発明者の発明に係る特許文献1乃至特許文献3に記載された技術が公知である。すなわち、パンツ等のウエストベルト部の横側、前側の一部にゴム等の弾性材を介在させ、この弾性材によってベルトサイズを伸縮させることができるようにしたものである。具体的には、ズボン等のポケットまたはタック部分で重ね合わせ部を備え、重ね合わせ部の一方を開口部を設けた収容部とし、他方を収容部の開口部から延出する延出部(突出部)として、延出部を収容部の開口部に挿入した状態で収容部の奥で弾性材により延出部と収容部を接続する構成とすることによって、ズボン等のウエストベルト部を着用者のウエストサイズに合わせて伸縮するようにしている。
ところで、このようなウエスト周りを伸縮自在とするボトムスについての発明の上記特許文献1乃至特許文献3では、収容部及び延出部の表裏を一体として収容部及び延出部のいずれもボトムスの身頃と共地で作製し、ウエストベルト部上端で折り曲げる構成として説明している。この場合、ウエストベルト部の表側ではベルト通しによって収容部の開口端、即ち、収容部から延出部が延出する部分を隠すことができるが、ウエストベルト部裏側の腰裏では収容部の開口端が露出することになる。
そこで、例えば、ウエストベルト部裏側の腰裏で収容部の開口端が露出しないように、収容部及び延出部の表側のみを身頃と共地として、収容部及び延出部の裏側は別の生地として、ウエストベルト部の裏側上端で両者の生地を接ぎ、ウエストベルト部裏側の腰裏では、収容部及び延出部の裏側を一体にウエスト周りに連続する別の生地を取り付けることによって収容部の開口端を覆い隠す構成とすることもできる。
そこで、例えば、ウエストベルト部裏側の腰裏で収容部の開口端が露出しないように、収容部及び延出部の表側のみを身頃と共地として、収容部及び延出部の裏側は別の生地として、ウエストベルト部の裏側上端で両者の生地を接ぎ、ウエストベルト部裏側の腰裏では、収容部及び延出部の裏側を一体にウエスト周りに連続する別の生地を取り付けることによって収容部の開口端を覆い隠す構成とすることもできる。
このように収容部の開口端を覆いウエスト周りに連続して収容部及び延出部の裏側を一体の構成とする場合、従来では、ウエスト周りの伸縮機構を損なうことのないように、即ち、延出部と収容部を接続する主弾性材の弾性力に追従できるように、ウエストベルト部の裏側においては、延出部と収容部に接続される収容部及び延出部の裏側を一体として伸縮性を有する生地、例えば、パワーネットやゴム生地をウエストベルト部の全周に取り付け、ウエストベルト部の腰裏に取り付ける布地を周方向の一部において分割してそこを帯ゴム等の弾性材で連結したりすることが行われている。
ここで、ウエスト周りを伸縮自在としていない一般的なスーツ用ズボンや綿パン等のパンツ(ズボン)では、パンツに入れたシャツ等の裾がパンツから食み出たり、パンツが滑り落ちたりするのを防止し、その着用感や快適性を高めたりするために、ウエストベルト部表地とは別布である所謂、マーベルトと呼ばれる腰裏布地でウエストベルト部裏側の腰裏を構成する場合がある。特に、最近では、ユーザーの価値観、嗜好の多様化に伴い、この腰裏布地もデザイン化されパンツの付加価値を向上させるものとなっており、ウエストベルト部裏側の腰裏のデザイン性(意匠性)もユーザーの購買を決定付ける重要な指標とされている。
しかし、従来のウエストベルト部の腰裏全周に亘ってパワーネットやゴム生地等の伸縮性を有する生地を取り付ける構成や、ウエストベルト部の腰裏に取り付ける布地を部分的に帯ゴム等の弾性材で連結する構成では、腰裏布地として使用可能な生地が限定されて生地の選択自由度が低いうえ、見た目にも伸縮することが分かり、デザイン自由度やデザイン性に劣る。特に、腰裏の周方向の一部で裏側布地を分離してその分離部分を弾性材によって連結しているものでは弾性材が露呈することで美観を損ねたり、弾性材と布地の質感の違いにより着用時に違和感を生じたりすることがある。そして、パワーネットやゴム生地等の伸縮性生地は一般的なマーベルト等の腰裏布地に使用される生地と着用感も異なる。
したがって、腰裏多様なデザインのニーズに対応するのは困難である。
したがって、腰裏多様なデザインのニーズに対応するのは困難である。
そこで、本発明は、ウエストサイズを伸縮自在としたボトムスの腰裏のデザイン自由度やデザイン性を高めることができるウエスト伸縮自在ボトムスの提供を課題とするものである。
請求項1のウエスト伸縮自在ボトムスは、複数に分割され重ね合わせ部を有するウエストベルト部の一方の重ね合わせ部側に形成され一端部が延出する延出部及びウエストベルト部の他方側の重ね合わせ部に形成され前記延出部を収容する収容部に各端部が接続された主弾性材を有するウエストベルト部の長手方向の裏面側に、芯地が内側に配設されたバイアス生地を形成し、前記バイアス生地の内側の前記芯地の上部を解放させて部分的に切欠いたその両端部に縫付け前記切欠いた特定の範囲を接続して、前記ウエストベルト部の長手方向に伸縮自在とし、かつ、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材を具備し、前記芯地の長手方向に縫付けた他の弾性材は、前記収容部または前記延出部に前記ウエストベルトの幅方向または前記幅方向に対して90°以内の角度方向に閂止めが縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したものである。
ここで、上記他の弾性材の下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくしたとは、芯地への縫付けによって決定され、それらの縫着によって芯地にかかる張力を分散できればよい。
上記芯地の切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材の配設位置は、前記バイアス生地側の前記芯地の一方の面、または、バイアス生地側とは反対側の前記芯地の一方の面、或いは、それら両方の面が可能である。なお、上記他の弾性材の下部の伸びは小さく上部の伸びは大きくした上部及び下部は、伸びが大きい方を上部としたとき、それより低い位置の下部で伸びが小さくなっており、両者の相対的な位置関係を伸びとの関係で特定したものである。
なお、上記閂止めは、縫製の縫い目を補強することができれば、その形態(パターン)は特に問われるものではない。
上記芯地の切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材の配設位置は、前記バイアス生地側の前記芯地の一方の面、または、バイアス生地側とは反対側の前記芯地の一方の面、或いは、それら両方の面が可能である。なお、上記他の弾性材の下部の伸びは小さく上部の伸びは大きくした上部及び下部は、伸びが大きい方を上部としたとき、それより低い位置の下部で伸びが小さくなっており、両者の相対的な位置関係を伸びとの関係で特定したものである。
なお、上記閂止めは、縫製の縫い目を補強することができれば、その形態(パターン)は特に問われるものではない。
請求項2のウエスト伸縮自在ボトムスの前記幅方向に対して0〜90°角度方向の閂止めは、前記収容部が形成されている方向に閂止めの下端が近づくように斜めに傾かせたものである。
請求項1の発明のウエスト伸縮自在ボトムスによれば、端部が延出する延出部と当該延出部を収容する収容部が主弾性材によって接続されたウエストベルト部の裏面側において、内側に芯地を配設したバイアス生地が形成され、バイアス生地の内側の芯地の上部が部分的に切り欠かれたその切り欠き側両端部に対して他の弾性材が縫付けられて切り欠かれた特定の範囲が他の弾性材によって接続され、弾性材がウエストベルト部の長手方向に伸縮自在とされ、かつ、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくされている。
したがって、ウエストの周方向(長手方向)に引張り力がかかると、ウエストベルト部では、収容部と延出部との間に各端部が接続された主弾性材が伸び、延出部が収容部から抜きだす方向に移動し、ウエストベルト部裏側では、バイアス生地の内側にある芯地において切り欠いた特定範囲を接続した他の弾性材が伸びることによって、所定の伸びが確保される。
したがって、ウエストの周方向(長手方向)に引張り力がかかると、ウエストベルト部では、収容部と延出部との間に各端部が接続された主弾性材が伸び、延出部が収容部から抜きだす方向に移動し、ウエストベルト部裏側では、バイアス生地の内側にある芯地において切り欠いた特定範囲を接続した他の弾性材が伸びることによって、所定の伸びが確保される。
このように、ウエストベルト部裏側では、バイアス生地を使用し、その内側に配設された芯地において切り欠いた特定範囲を接続した他の弾性材の伸びによって、所定の伸びが確保されるため、腰裏の意匠面となるバイアス生地としては、伸縮性を有する生地の使用に限定されず、通常のボトムスに取り付けられている裏地、例えば、綿生地、スレーキ生地等の伸縮性を有しない生地の使用が可能となり、意匠面を形成する生地の選択自由度が高いものとなる。意匠面を形成する生地の選択自由度が高まり、伸縮性を有しない生地の使用が可能となることで、通常のボトムスの腰裏に使用されている綿生地、スレーキ生地等の薄くて柔らかい生地等を選択して、着用感や快適性の向上を図ることが可能となる。また、ラバー生地等の摩擦係数の高い生地を選択して滑り止め機能を持たせることも可能となる。
そして、バイアス生地と質感の異なる他の弾性材はバイアス生地の内側に配設されており、バイアス生地に伸縮性を有しない生地を使用した場合には、通常のボトムスの腰裏と見た目も変わらないものとなり、弾性材が腰裏の意匠面側に露呈しないことで見た目にも伸縮することが分かりづらく、更に、着用した際にウエスト周りに違和感が生じることもなく、快適である。
そして、バイアス生地と質感の異なる他の弾性材はバイアス生地の内側に配設されており、バイアス生地に伸縮性を有しない生地を使用した場合には、通常のボトムスの腰裏と見た目も変わらないものとなり、弾性材が腰裏の意匠面側に露呈しないことで見た目にも伸縮することが分かりづらく、更に、着用した際にウエスト周りに違和感が生じることもなく、快適である。
特に、芯地を部分的に切り欠き、その切り欠いた両側に縫い付けた他の弾性材をその下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくしたことで、他の弾性材の接続によって生地に生じる張力が分散され、皺が目立つこともなく、ウエストベルト部裏側の見栄えを確保できる。
また、他の弾性材は、前記収容部または前記延出部に前記ウエストベルトの幅方向または幅方向に対して0〜90°の角度方向に閂止めが縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したことによって、縫製の縫い目が補強され、縫製の縫い目が解けたり生地を傷めたりする恐れが少なく、主弾性材や他の弾性材に無理な引っ張り力が掛かりそれら弾性材が過度に伸びるのを防止し、弾性材を長持ちさせることが可能となる。更に、長手方向に延びるウエストベルト部の幅方向に閂止めが施されていることで、それがアクセントとなり意匠的効果を独特なものとすることができる。
よって、本発明のウエスト伸縮自在ボトムスによれば、ウエストベルト部の裏側である腰裏の意匠面側のデザイン自由度やデザイン性、機能性を高めることができる。
請求項2の発明のウエスト伸縮自在ボトムスによれば、前記幅方向に90°以内の角度方向の閂止めは、前記延出部が形成されている方向に閂止めの下端が近づくように斜めに傾かせたことから、請求項1に記載の効果に加えて、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材に対して縫い止め点にかかるストレスを効果的に分散させて軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1のウエスト伸縮自在ボトムスの構造について、図1乃至図10を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態1のウエスト伸縮自在ボトムスの構造について、図1乃至図10を参照して説明する。
図1乃至図3に示されるように、本実施の形態1に係るウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1は、前身頃4の脇線LS,RSの近傍に左右一対の脇ポケット2を有しており、これら脇ポケット2の前中心FCよりの部分であるポケット口外縁2Aの上部の近傍に、ウエスト方向の全長に沿って延びるウエストベルト部3において収容部3Aとその収容部3A内に挿入される延出部3Bによる重ね合せ部が形成され、延出部3Bの先端と収容部3Aとが収容部3A内において主弾性材としてのゴムテープ6で接続されている。
そして、ゴムテープ6によって接続された収容部3A及び延出部3Bの裏面側には、図3乃至図10に示されるように、バイアス生地10の内側(裏面側)に芯地20を配設し、その芯地20の上部を部分的に切り欠き、その切り欠いた特定の範囲を主弾性材のゴムテープ6とは異なる他の弾性材30で接続した腰裏布地100が取り付けられている。
即ち、本実施の形態1のスーツ用ズボン1は、ウエストベルト部3において延出部3Bと収容部3Aとで重ね合わせ部を形成し、延出部3Bと収容部3Aを主弾性材としてのゴムテープ6で接続することによって、また、収容部3A及び延出部3Bの裏面側に取り付けた腰裏布地100において、バイアス生地10の内側に配設した芯地20を切り欠いてそこを弾性材30で接続することによって、ウエストを伸縮可能に形成している。
ここで、まず、ウエストベルト部3の構造について、図2及び図3を参照して説明する。
収容部3Aと延出部3Bは、前身頃4B及び後身頃4Aと共地の綿生地等からなる収容部3Aを構成する表側ベルト布3aと延出部3Bを構成する表側ベルト布3bに芯材(ソフト芯SC及びハード芯HC)が接合され、内折りされてウエスト方向に延びる帯状をなし、上部の折り返し部分で縫着線41にて腰裏布地100が縫付けられ、また、下部の折り返し部分で前身頃4B及び後身頃4Aと縫い合わされ、更に腰裏布地100が縫付けられる。
収容部3Aと延出部3Bは、前身頃4B及び後身頃4Aと共地の綿生地等からなる収容部3Aを構成する表側ベルト布3aと延出部3Bを構成する表側ベルト布3bに芯材(ソフト芯SC及びハード芯HC)が接合され、内折りされてウエスト方向に延びる帯状をなし、上部の折り返し部分で縫着線41にて腰裏布地100が縫付けられ、また、下部の折り返し部分で前身頃4B及び後身頃4Aと縫い合わされ、更に腰裏布地100が縫付けられる。
即ち、収容部3Aは、所定幅の表側ベルト布3aの上端及び下端を中央に向かって表側から裏側に折り返して、均一なウエストベルト部3の幅となるようにその幅が設定され、その折り返した上部に縫着線41にて腰裏布地100の上部が縫付けられ、また、その折り返した下部が後身頃4Aの上端部と縫い合わされ、更にそこに腰裏布地100が縫着線42にて縫付けられる。
延出部3Bについても、表側ベルト布3aと略同一の所定幅の表側ベルト布3bの上端及び下端を中央に向かって表側から裏側に内折りし、収容部3Aに収容される先端部側を除いて収容部3Aと共に均一なウエストベルト部3の幅となるようにその幅が設定され、その折り返した上部に縫着線41にて腰裏布地100の上部が縫付けられ、また、その折り返した下部が前身頃4Bの上端部と縫い合わされ、更にそこに腰裏布地100が縫着線42にて縫付けられる。
このとき、収容部3Aに収容される延出部3Bの先端部側は、前身頃4Bの上端部に縫付けられず自由な状態になっている。したがって、収容部3A内に延出部3Bの先端部側が挿入されて、その挿入深さが変化自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされている。
延出部3Bについても、表側ベルト布3aと略同一の所定幅の表側ベルト布3bの上端及び下端を中央に向かって表側から裏側に内折りし、収容部3Aに収容される先端部側を除いて収容部3Aと共に均一なウエストベルト部3の幅となるようにその幅が設定され、その折り返した上部に縫着線41にて腰裏布地100の上部が縫付けられ、また、その折り返した下部が前身頃4Bの上端部と縫い合わされ、更にそこに腰裏布地100が縫着線42にて縫付けられる。
このとき、収容部3Aに収容される延出部3Bの先端部側は、前身頃4Bの上端部に縫付けられず自由な状態になっている。したがって、収容部3A内に延出部3Bの先端部側が挿入されて、その挿入深さが変化自在、つまり、ウエスト方向に相対移動自在とされている。
更に、収容部3Aを構成する表側ベルト布3a及び延出部3Bを構成する表側ベルト布3bの内側には、芯材としてのソフト芯SC及びハード芯HCがアイロンプレス等の使用によって貼り付けられている。
詳細には、ソフト芯SCが表側ベルト布3a及び表側ベルト布3bの上部の折り返し部分に貼り付けられ、ハード芯HCが表側ベルト布3a及び表側ベルト布3bの折り返しのない部分(中央部分)に貼り付けられている。
なお、延出部3Bの滑りを良くするために、収容部3Aの開口部近傍の内側においてソフト芯SC及びハード芯HCの上から、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系生地等からなる接着布を、アイロンプレス等によって貼り付けてもよい。
詳細には、ソフト芯SCが表側ベルト布3a及び表側ベルト布3bの上部の折り返し部分に貼り付けられ、ハード芯HCが表側ベルト布3a及び表側ベルト布3bの折り返しのない部分(中央部分)に貼り付けられている。
なお、延出部3Bの滑りを良くするために、収容部3Aの開口部近傍の内側においてソフト芯SC及びハード芯HCの上から、伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系生地等からなる接着布を、アイロンプレス等によって貼り付けてもよい。
そして、これら収容部3Aと延出部3Bとの間に、主弾性材としてのゴムテープ6が縫付けられており、収容部3Aの内部において延出部3Bの先端と収容部3Aの内側内部とが、ゴムテープ6によって接続されている。このゴムテープ6は、その一端が延出部3Bの内側先端に縫着され、反対側の他端が収容部3Aの内側内部に縫着されている。これによって、収容部3Aと延出部3Bが弾性的に接続され、ウエスト方向に伸縮自在となっている。そして、ゴムテープ6が収縮状態にあるとき、延出部3Bは最も多く収容部3Aに入っており、ゴムテープ6の本来の長さによって両者の結合深さが決定される。
そして、本実施の形態1では、図1に示すように、収容部3Aの開口端を覆い隠すように、かつ、延出部3Bの移動を妨げないようにベルト通し5Aがウエストベルト部3に取付けられている。詳細には、ベルト通し5Aはウエスト周りの長手方向と直交する方向(上下方向)に延びる帯状をなし、収容部3Aの表側の開口端縁に沿ってその上部及び下部にて縫付けられている。このように収容部3Aの開口端がベルト通し5Aによって完全に隠されるので、見栄え・美観に優れる。勿論、スーツ用ズボン1のウエストベルト部3の正面部及び背面部にも、同様のベルト通し5が適当な間隔をとって取付けられている。
ここで、ウエストベルト部3の周辺の構造について説明すると、本実施の形態1では、図2(b)に示されるように、前身頃4B及び後身頃4Aの裏側に縫付けられている脇ポケット2の袋布2Cの中央部の上端にタック(折り返し)2Dが設けられている。このタック2Dは、ウエスト方向への伸び分以上の幅長さを有し、つまり、タック2Dの襞の幅がウエストの伸び長さ分以上に形成されており、ウエストに引張り力がかかっていない場合には折り畳まれた状態となっている。このようにタック2Dを設けることによって、ウエストが伸ばされたときの延出部3Bの移動(延出)に伴ってタック2Dが開かれる(広げられる)ことから、前身頃4B及び後身頃4Aの裏側に縫付けられている脇ポケット2の袋布2Cに掛かる引張り力がタック2Dの開きによって逃される。したがって、袋布2Cが引き攣られることがなくて、ウエストの伸びを妨げることなくウエストをスムースに伸ばすことができ、また、引張り力が表側に響いて脇ポケット2が歪んだり脇ポケット2の周辺にシワが寄ったりするのを防止することができ、表側から見た場合でも良好な見栄えを保つことができる。
更に、本実施の形態1においては、脇ポケット2の袋布2Cに形成されたタック2Dの上側の布(図2(b)においてタック2Dの折れ線の左側)の上端と、一体に延出部3Bの下端及び前身頃4B上端及びタック2Dの下側の布(図2(b)においてタック2Dの折れ線の右側)とを補助弾性材としての幅の細いゴムテープ8で接続しており、ゴムテープ8の弾性力によって、タック2Dの下側の袋布2Cの布地の上部に皺が寄らないようになっている。これによって、タック2Dの形状を維持し、また、延出部3Bが移動(延出)する際に脇ポケット2の袋布2Cの形状が崩れたり、ウエストベルト部3と身頃との境界付近に皺が寄ったりして見栄えが悪くなるのを防ぐ働きをしている。
因みに、このゴムテープ8は、その一端が脇ポケット2の袋布2Cの上端部に縫付けられ、反対側の他端が延出部3Bの下端部(折り返し部分)及び身頃の上端部及びタック2Dの下側の布上端に縫付けられて、その縫着線はスーツ用ズボン1の表側からは見えない。このとき、ゴムテープ8の一端が袋布2Cの上端部に縫付けられた位置に対して、ゴムテープ8の他端の位置を略同一または若干高い位置とし、タック2Dの下側の布に皺が入らないようにしている。
因みに、このゴムテープ8は、その一端が脇ポケット2の袋布2Cの上端部に縫付けられ、反対側の他端が延出部3Bの下端部(折り返し部分)及び身頃の上端部及びタック2Dの下側の布上端に縫付けられて、その縫着線はスーツ用ズボン1の表側からは見えない。このとき、ゴムテープ8の一端が袋布2Cの上端部に縫付けられた位置に対して、ゴムテープ8の他端の位置を略同一または若干高い位置とし、タック2Dの下側の布に皺が入らないようにしている。
なお、ここでは主弾性材としてゴムテープ6を用いた場合について説明したが、十分な弾性を有するものであれば、主弾性材としては他にも平ゴム、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)等の様々な弾性を有する素材を用いることができる。補助弾性部材8についても同様である。
そして、本実施の形態1では、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない場合には図1(b)に示されるように、脇ポケット2の外縁2Aの上部がウエストベルト部3に設けられたベルト通し5と一致しており、ウエストベルト部3に引張り力がかかってウエストが伸びると、図1(c)に示されるように脇ポケット2の外縁2Aの上部も延出部3Bと一体に移動する。
なお、図1に示されるように、本実施の形態1では、脇ポケット2の袋布2Cが表側から見えないようにするために、前身頃4B及び後身頃4Aと共地の綿生地からなる当て布2Bが左右一対の脇ポケット2の外側に縫付けられている。この当て布2Bは、少なくとも、ウエストベルト部3が伸びたときに脇ポケット2の外縁2Aが移動する範囲まで縫付けられている。これによって、ウエストベルト部3に引張り力がかかって脇ポケット2の外縁2Aの上部が延出部3Bと一体に移動しても、前身頃4B及び後身頃4Aと一体に見えるため、見栄えが良くなる。
続いて、このように延出部3Bと収容部3Aとで重ね合わせ部を形成し、延出部3Bと収容部3Aを主弾性材としてのゴムテープ6で接続したウエストベルト部3の裏側に取り付けられる腰裏布地100の構造について、図3乃至図10を参照して、詳細に説明する。
本実施の形態1の腰裏布地100は、長手方向(ウエストの周方向)に連続してウエストベルト部3裏側の腰裏の意匠面を形成するバイアス生地10と、バイアス生地10の内側(反意匠面側)に取り付けられ、上部が部分的に切り欠かれた芯地20と、芯地20の切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材30とから構成されている。
本実施の形態1の腰裏布地100は、長手方向(ウエストの周方向)に連続してウエストベルト部3裏側の腰裏の意匠面を形成するバイアス生地10と、バイアス生地10の内側(反意匠面側)に取り付けられ、上部が部分的に切り欠かれた芯地20と、芯地20の切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材30とから構成されている。
ウエストベルト部3裏面側に連続して形成され腰裏の意匠面となるバイアス生地10としては、例えば、一般的にスーツ等のパンツの腰裏に使用されている生地、具体的には、綿、ポリウレタン混合、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、絹(シルク)、麻、麻混、アクリル、ラバー、ウール等の生地が挙げられる。
本実施の形態1では、後述するように、バイアス生地10の内側に配設した芯地20を切り欠いてその切り欠いた特定の範囲を弾性材30で接続し、その弾性材30によって伸びを確保できるため、ウエストベルト部3裏側の意匠面を形成するバイアス生地10として、一般的なスーツ等のパンツの腰裏の裏地、ポケットの袋布(スレーキ)、リボンテープ等に使用されている伸縮性を有しない生地、例えば、ポリエステル系、ナイロン系、レーヨン系、綿等の生地の採用が可能となり、見た目の外観を一般的なパンツ等の腰裏と変わらないものとすることができる。特に、縦横方向に伸縮性を有しない生地でも、繊維の織目方向を斜めに、所謂バイアス方向で裁断(バイアス裁断)することで、伸縮性を得ることができ、このようにして伸縮性を得たバイアス生地10の使用により、引張り力がかかった際でも伸びが確保され、また、引き攣りが少なくて生地にかかる負荷が少なく、長期間の着用でも生地を傷めにくい。
バイアス生地10として、例えば、一般的なスーツ等のパンツの腰裏の裏地(帯状のマーベルト)として用いられている綿生地、スレーキ生地等の薄くて柔らかい生地の使用が可能となることで、履き心地を落ち着かせて、着用時の快適性やフィット感を高めることができるようになる。また、摩擦係数の高いラバー生地等を採用することも可能となり、このような生地の使用によりタックインしたシャツを押さえてずれ上がりを防止し、また、履き心地を落ち着かせて、着用時の快適性やフィット感を高めることができる。シリコン等により滑止加工された生地を用いることでも同様の効果が得られる。なお、通常、着用感や履き心地の観点から前身頃4B及び後身頃4Aと共生地である表側ベルト布4a,4bよりも厚みの薄い生地が採用される。
また、本実施の形態1においては、バイアス生地10の下部に縫着線14によって意匠生地12を芯地20と共に縫付けている。この意匠生地12にも、バイアス生地10と同様の生地が使用され、生地の質感やバイアス生地10との重ね合わせにより滑り止め機能を持たせたることができ、また、腰裏のデザインバリエーションを増大させることができる。
特に、意匠生地12の縫い付け対象であるバイアス生地10や芯地20が従来の腰裏に用いられていたパワーネットのように高い伸縮性を要せず、伸縮力の差による負荷を少なくできることで意匠生地12の選択自由度も高い。
なお、バイアス生地10と意匠生地12を形成する生地素材は同一のものであってもよいし、異なる生地を使用することも可能である。また、意匠生地12は1枚に限られず、複数の生地を重ね合わせることも可能である。意匠生地12を設けることなくバイアス生地10からなる単一の1枚の生地のみの構成とすることも可能である。
特に、意匠生地12の縫い付け対象であるバイアス生地10や芯地20が従来の腰裏に用いられていたパワーネットのように高い伸縮性を要せず、伸縮力の差による負荷を少なくできることで意匠生地12の選択自由度も高い。
なお、バイアス生地10と意匠生地12を形成する生地素材は同一のものであってもよいし、異なる生地を使用することも可能である。また、意匠生地12は1枚に限られず、複数の生地を重ね合わせることも可能である。意匠生地12を設けることなくバイアス生地10からなる単一の1枚の生地のみの構成とすることも可能である。
このようにバイアス生地10に伸縮性を有しない生地を採用でき、ウエストベルト部3裏側の意匠面を形成する生地の選択自由度が高くなることで、複数の生地の組み合わせのバリエーションも増大し、また、滑り止め機能を持たせた構造とすることも可能であり、腰裏の意匠面のデザイン自由度が高いものとなる。
また、本実施の形態1においては、バイアス生地10及び意匠生地12の内側(反意匠面側)に、バイアス生地10及び意匠生地12を補強する芯地20が取り付けられている。
バイアス生地10及び意匠生地12の裏面側に芯地20が取り付けられていることで、バイアス生地10及び意匠生地12の撚れを少なくして張りを持たせることができ、見栄えを向上させ、また、着心地を良くすることができる。
バイアス生地10及び意匠生地12の裏面側に芯地20が取り付けられていることで、バイアス生地10及び意匠生地12の撚れを少なくして張りを持たせることができ、見栄えを向上させ、また、着心地を良くすることができる。
芯地20としては、例えば、網目に編成されたネット構造であるメッシュ生地等が使用される。メッシュ生地のように網目の変形により弾性変化させることができる生地を使用した場合には、芯地20の長さをより大きく伸ばすことが可能となり、また、引張り力がかかった際でも引き攣りが少なくて生地に掛かる負荷が少なく、長期間の着用でも生地を傷めにくい。更に、所謂バイアス裁断されたバイアス生地を使用した場合でも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
芯地20は、通常、バイアス生地10及び意匠生地12の内側(裏側)で長手方向の一端部から他端部に亘って(全周)縫付けることでバイアス生地10及び意匠生地12に取り付けられるが、芯地20の取付手段は特に限定されず、アイロンプレス等を使用した接着であっても良い。また、ウエストに引張り力がかかった際のスムースな伸びを確保できれば、必ずしもバイアス生地10に取り付けられていなくてもよく、ウエストベルト部3に取り付けてあってもよい。
なお、バイアス生地10、芯地20、意匠生地12を縫い合わせる場合、その縫い方や縫糸は特に問われないが、例えば、鎖縫い(チェーンステッチ)等とすることで、スムースな伸縮が得られる。また、伸縮性を有する糸、例えば、ウーリー糸、ユニロン(登録商標)糸、レジロン(登録商標)糸等を使用することでもスムースな伸縮が得られる。
通常、バイアス生地10の下部と意匠生地12の上部と芯地20の中央側が縫い合わされて、芯地20においてはその上部及び下部が解放され、バイアス生地10においてはその上部が解放され、意匠生地12においてはその下部が解放される。
なお、バイアス生地10、芯地20、意匠生地12を縫い合わせる場合、その縫い方や縫糸は特に問われないが、例えば、鎖縫い(チェーンステッチ)等とすることで、スムースな伸縮が得られる。また、伸縮性を有する糸、例えば、ウーリー糸、ユニロン(登録商標)糸、レジロン(登録商標)糸等を使用することでもスムースな伸縮が得られる。
通常、バイアス生地10の下部と意匠生地12の上部と芯地20の中央側が縫い合わされて、芯地20においてはその上部及び下部が解放され、バイアス生地10においてはその上部が解放され、意匠生地12においてはその下部が解放される。
そして、本実施の形態1では、これらバイアス生地10と芯地20の間、または、バイアス生地10側とは反対側の芯地20の面(ウエストベルト部3側)に弾性材30が配設され、バイアス生地10及び芯地20の長手方向の一部において弾性材30が取り付けられている。
弾性材30としては、ウエストベルト部3の収容部3A及び延出部3B間に取り付けられた主弾性材(ゴムテープ6)の弾性力と同等またはそれを妨げない程度にスムースな伸縮性を有していればよく、例えば、パワーネット生地、サテンネット生地の伸縮性を有する生地や、平ゴム等、ゴム製板、ストレッチテープ(ゴム入り布)のゴム材等の様々な弾性・伸縮性を有する素材が使用される。
本実施の形態1の腰裏布地100においては、図7、図9で示されるように、芯地20の上部が長手方向に沿って部分的に切断によって切り欠かれ、切り欠かれて形成された開口部21の左右両側に所定の寸法形状の弾性材30の左右両端部が縫着線α,βにて縫付けられており、切り欠いた開口部21の特定範囲が弾性材30によって接続されている。
また、図7、図10で示されるように、弾性材30の上端部が縫着線γにてバイアス生地10に縫付けられている。
特に本実施の形態では、図9に示すように、所定長さの弾性材30の両端部の斜め幅方向が芯地20の幅方向に対して縫着線α,βにて縫付けられ、図10に示すように、弾性材30の上端部の長手方向がバイアス生地10の長手方向に対して縫着線γにて縫付けられている。
また、図7、図10で示されるように、弾性材30の上端部が縫着線γにてバイアス生地10に縫付けられている。
特に本実施の形態では、図9に示すように、所定長さの弾性材30の両端部の斜め幅方向が芯地20の幅方向に対して縫着線α,βにて縫付けられ、図10に示すように、弾性材30の上端部の長手方向がバイアス生地10の長手方向に対して縫着線γにて縫付けられている。
ここで、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対しての縫付けの詳細を図9及び図10を参照して説明する。なお、図において弾性材30はバイアス生地10と芯地20の間に配設されて、その重なり相当部分で縫付けが行われる。
本実施の形態1においては、弾性材30の左右両端部の上側から下側に向かって外側に傾く斜め方向(上側から下側に向かって幅広となる方向)に対し、芯地20の切り欠いた開口部21の左右両側で垂直方向が縫い合わされる。
説明を分かりやすくするために、図9(a)において、弾性材30が縫付けられる前の芯地20を示して、弾性材30と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置α1及び縫着位置β1で記し、また、弾性材30において、芯地20と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置α2及び縫着位置β2で記した。なお、それらの縫い合わせの位置決めの目安を縫着位置α1、縫着位置β1間の中心位置及び縫着位置α2、縫着位置β2間の中心位置として中心線cで記した。
図9(a)に示すように、芯地20において、縫着位置α1と縫着位置β1間が一部矩形状に切り欠かれて開口部21が形成されており、弾性材30が縫付けられていない状態で、切断した長手方向の切断(切り欠き)長さ、即ち、開口部21の長手方向の長さ距離をC1とした。
図9(a)に示すように、芯地20において、縫着位置α1と縫着位置β1間が一部矩形状に切り欠かれて開口部21が形成されており、弾性材30が縫付けられていない状態で、切断した長手方向の切断(切り欠き)長さ、即ち、開口部21の長手方向の長さ距離をC1とした。
特に、本実施の形態1では、芯地20において、開口部21の左右両側の弾性材30との縫い合わせ位置を示す左右一対の縫着位置α1及び縫着位置β1を垂直としてそれらの離間距離を一定としているのに対し、弾性材30において、芯地20との縫い合わせ位置を示す左右一対の縫着位置α2及び縫着位置β2は上端から下端に向かって外側に傾く斜めとなっておりそれらの離間距離を変化させている。即ち、縫着位置α2上端と縫着位置β2の上端の離間距離B1よりも縫着位置α2下端と縫着位置β2下端の離間距離B2の方が長くなっている。なお、この離間距離B1,B2が、伸びていない通常状態(収縮状態)にある弾性材30の芯地20への接続長さとされる。
そして、本実施の形態1においては、弾性材30の斜めの縫着位置α2と縫着位置β2の離間距離B1,B2よりも、芯地20の垂直な縫着位置α1と縫着位置β1の離間距離A1の方が長く設定されている。
このため、芯地20の垂直な縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の垂直な縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせたときに、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2の離間距離B1,B2との差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされていることになる。
このため、芯地20の垂直な縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の垂直な縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせたときに、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2の離間距離B1,B2との差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされていることになる。
図9(b)に、このようにして芯地20と弾性材30とを縫い合わせたときのその状態が示してある。弾性材30が縫い合わされていない状態での芯地20において弾性材30との縫い合わせ位置を示した垂直の縫着位置α1及び縫着位置β1に対して、弾性材30において芯地20との縫い合わせ位置を示した斜めの縫着位置α2及び縫着位置β2を重ね、両者を縫い合わせたときのその縫い合わせ位置を図9(b)においては、縫着線α及び縫着線βで示している。
芯地20と弾性材30とが縫い合わされた状態では、上述したように、芯地20において切断された長手方向の長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)て弾性材30と縫い合わされていることで、図9(b)において、開口部21の長手方向の長さは、弾性材30が縫付けられる前よりも短くなる。このとき、弾性材30の斜めの縫着位置α2、縫着位置β2に対して芯地20の垂直な縫着位置α1、縫着位置β1が重ねられて縫い合わされたことで、即ち、弾性材30の左右両端部の上側から下側に向かって外側に傾く斜め幅方向に対して芯地20の垂直な幅方向が縫い合わされたことで、図9(a)に示した弾性材30が縫い合わされていない状態の芯地20において切断によって矩形状に切り欠かれて形成された開口部21は、図9(b)に示したように、見かけ上、台形状となりその面積は縮小している。
そして、本実施の形態1においては、このように縫着線α、βにて、弾性材30の左右両端部の上端から下端に向かって外側に傾く斜め方向に対して芯地20が縫い合わされていることで、芯地20と縫い合わせた弾性材30の縫着線αと縫着線βの相互間では下部が幅広で上部が幅狭となっている。このため、弾性材30の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きくなる。
特に、本実施の形態1においては、縫着線α、βにて、弾性材30の左右両端部の上端から下端に向かって外側に傾く斜め方向に対して芯地20の垂直方向を重ね合う構成とし、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2下端の離間距離B2との差よりも、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2上端の離間距離B1との差の方を大きくしていることで、芯地20においてその下側よりも上側の方で切断長さを短くする方向に生地が多く寄せられ(大きく引張られ)、下側よりも上側の方が見かけ上長さをより短くしていることになるから、芯地20の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きくなる。
また、本実施の形態1においては、このように芯地20の上部を部分的に切り欠いて、その切り欠いた長手方向の両側に対して両端部を縫い合わせた弾性材30の上端側でバイアス生地10と縫着線γにて縫い合わされる。
このとき、本実施の形態1では、上述したように、芯地20の一部を切断して切り欠いたときのその切断した長手方向の長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられた(引張られた)状態で弾性材30と縫い合わされていることで、この芯地20と縫着線14にて縫着されているバイアス生地10において、ダブつきが生じることから、弾性材30に対してバイアス生地10をいせ込んで(細かくダブらせて)、見かけ上、長さが短くなるように縫い合わされる。
このとき、本実施の形態1では、上述したように、芯地20の一部を切断して切り欠いたときのその切断した長手方向の長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられた(引張られた)状態で弾性材30と縫い合わされていることで、この芯地20と縫着線14にて縫着されているバイアス生地10において、ダブつきが生じることから、弾性材30に対してバイアス生地10をいせ込んで(細かくダブらせて)、見かけ上、長さが短くなるように縫い合わされる。
ここでも、説明を分かりやすくするために、図10(a)において、縫着線14にて縫い合わされているバイアス生地10及び芯地20を分離して示し、図10(a)の上側に、バイアス生地10を弾性材30が縫付けられる前の状態で示し、図10(a)の下側に、芯地20に縫い付けた弾性材30をバイアス生地10が縫い付けられる前の状態で示した。
そして、弾性材30が縫付けられる前の状態で示したバイアス生地10において、弾性材30と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置γ1で記した。また、弾性材30において、バイアス生地10がいせ込まれて縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置γ2で記した。なお、それらの縫い合わせの位置決めの目安を縫着位置γ1の中心位置及び縫着位置γ2の中心位置として中心線dで記した。
そして、弾性材30が縫付けられる前の状態で示したバイアス生地10において、弾性材30と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置γ1で記した。また、弾性材30において、バイアス生地10がいせ込まれて縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置γ2で記した。なお、それらの縫い合わせの位置決めの目安を縫着位置γ1の中心位置及び縫着位置γ2の中心位置として中心線dで記した。
本実施の形態1においては、弾性材30の長手方向に連続する縫着位置γ2の長さ距離Eよりも、バイアス生地10の長手方向に連続する縫着位置γ1の長さ距離Dの方が長く設定されて縫製のピッチ幅に差を設けており、バイアス生地10及び弾性材30を中心線bで合わせて、弾性材30の縫着位置γ2に対してバイアス生地10の縫着位置γ2の間をいせ込むことによって(細かくダブらせて)、バイアス生地10の見かけ上長さを短くして、バイアス生地10と弾性材30とが縫い合わされる。
図10(b)及び図10(c)において、このようにしてバイアス生地10と弾性材30とを縫い合わせたときのその状態が示してある。弾性材30においてバイアス生地10との縫い合わせ位置を示した長手方向に延びる縫着位置γ2に対して、弾性材30が縫い合わされていない状態のバイアス生地10において弾性材30との縫い合わせ位置を示した長手方向に延びる縫着位置γ1をいせ込んで、両者を縫い合わせたときのその縫着線を、図10(b)及び図10(c)においては、縫着線γで示している。
このとき、強度の観点から、弾性材30及び芯地20の縫着線α、縫着線βと、弾性材30及びバイアス生地10の縫着線γとの間においても、長手方向に縫着線γ3にてバイアス生地10と芯地20の両方に対して同時に弾性材30を縫付けている。しかし、所定の強度を確保できるのであれば、この縫付けを省略することも可能である。
なお、図10(b)はこのようにして弾性材30を芯地20及びバイアス生地10に縫付けた腰裏布地100を、その裏面側である芯地20側から見た図であり、図10(c)は、表側(意匠面側)であるバイアス生地10側から見た図である。図において、弾性材30は、バイアス生地10と芯地20の間に配設されてそれぞれに対して縫付けられているが、腰裏意匠面となるバイアス生地10に対しては弾性材30の上端部の1箇所のみで縫い合わせされていることから、腰裏布地100をその表側(意匠面側)からみた図10(c)においては、実際には、弾性材30とバイアス生地10との縫着線γ、縫着線γ3のみが表れ、弾性材30がバイアス生地10の内側にあって露呈しないことで、弾性材30の存在が分かり難くなっている。このため、見栄えが良い。
このように本実施の形態1の腰裏布地100において、芯地20の切断した切り欠き長さを短くする方向に芯地20が寄せられ(引張られ)て芯地20と弾性材30が縫い合わされ、また、バイアス生地10においても弾性材30にいせ込んで縫い付けられている。したがって、ウエストに引張り力が加わった際には、バイアス生地10及び芯地20の引き攣りが少なく、ウエスト長さが伸びて全体として所定長さの伸びを確保できる。
特に、このように縫製された本実施の形態1の腰裏布地100によれば、弾性材30の上部の伸びは大きく、下部の伸びは小さくなるように芯地20と縫い合わせたことで、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力が分散されることになる。
即ち、弾性材30において、芯地20と縫い合わされた位置が左右一対で上から下に向かって外側に傾く斜めの位置であり、芯地20と縫い合わせた弾性材30の縫着線αと縫着線βの相互間は下部が幅広で上部が幅狭となっていることから、芯地20において弾性材30との縫い合わせで生じる張力の作用点(集中)が分散される。
よって、芯地20が寄せられ(引張られ)た状態で弾性材30と縫い合わせられていても、生地の撚れ、皺等が分散され、目立たなくなる。
特に、本実施の形態1では、弾性材30の左右両端部の上から下に向かって外側に傾く斜めの位置(縫着位置α2、β2)に対して、芯地20の切り欠いた開口側両端部の垂直位置(縫着位置α1、β1)を合わせて縫付けており、芯地20においてその下側よりも上側の方で切り欠き長さを短くする方向に生地が多く寄せられて(大きく引張られて)、芯地20の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きくなるようにされたことで、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力は上側ほど強くて張力の大きさに差異が生じ、生地の撚れ、皺等が分散されることになる。
そして、本実施の形態1においては、芯地20が部分的に切り欠かれ、その切り欠かれた特定の範囲が弾性材30によって接続されていることで芯地20のダブつきが少なく、意匠面側となるバイアス生地10への皺の響きも少ない。また、芯地20の切り欠かれた特定の範囲を弾性材30で接続する構成であることで、弾性材30の配設部分で厚みが増すことによるごわつき等の違和感を生じさせることもなく、着用感も良好なものとなる。
また、本実施の形態1では、バイアス生地10に対して弾性材30の上端部のみがその長手方向に縫付けられており、それ以外の部分では、バイアス生地10に縫付けを行っていないことから、バイアス生地10の撚れ、皺等も目立たない。
したがって、本実施の形態1の腰裏布地100は、引張り力が加わっても引き攣りが少なく所定の伸びを確保できるうえ、皺の目立ちも少なく、極めて見栄えがよい。
このような構成の本実施の形態に係る腰裏布地100を、上記スーツ用ズボン1のウエストベルト部3の裏側に縫付ける際には、図3で示したように、腰裏布地100の上部が、収容部3A及び延出部3Bの上部に対して長手方向の縫着線41にて縫付けられ、また、腰裏布地100の下部側が、収容部3A及び延出部3Bと共に前身頃4B及び後身頃4Aの上部に対して長手方向の縫着線42及び部分的な縫着線45にて縫付けられる。
このとき、本実施の形態1においては、図3乃至6に示したように、バイアス生地10及び芯地20に縫着されている弾性材30が、収容部3Aの開口付近に配設され、収容部3Aの開口付近から前中心FCに向かう延出部3Bと弾性材30と対向する所定部分では、腰裏布地100と延出部3Bとの縫着を行わないことで、腰裏布地100の所定の伸びを確保し、ウエストに引張り力が加わった際に、延出部3Bが収容部3Aから引き出される方向に移動すると共に、腰裏布地100がスムースに伸びるようにする。なお、図3乃至6において、腰裏布地100のウエストベルト部3への縫着を行わない部分を解放部分aとし、その解放部分aの長さをbとする。
この腰裏布地100の解放部分aの長さbは、所望とするウエストの伸び長さに応じて設定され、延出部3Bと収容部3Aが主弾性材としてのゴムテープ6で接続されているウエストベルト部3の弾性力との関係で負荷を考慮して設計される。
ここで、本実施の形態1においては、図5に示すように、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり点で垂直な閂止め51(図5(a))、または斜めの閂止め52(図5(b))が施されている。
上述したように、収容部3A及び延出部3Bに対し、弾性材30が延出部3Bが延出する収容部3Aの開口近傍に位置するように腰裏布地100を縫付け、弾性材30の所定の解放部分aは延出部3Bに縫付けていないことから、ウエストベルト部3に引っ張り力が加わって延出部3Bが収容部3Aから引き出される方向に移動した際には、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり点においてストレスが大きくかかり、使用形態によっては、その部分で縫製の縫い目が解けたり生地を傷めたりする恐れがある。
そこで、本実施の形態1においては、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり点でウエストベルト部3の長さ方向に対する幅方向の閂止め51(図5(a))、または斜め幅方向の閂止め52(図5(b))を施すことによって、強度を向上させている。
特に、図5(b)に示したように、下部側から上側に向かって収容部3Aの開口側から離間する方向に、即ち、収容部3Aが形成されている方向に閂止め52の下端が近づくように、斜め幅方向に閂止め52を施すことによって、上部の伸びを大きくし、下部の伸びを小さくした弾性材30において上側にかかるストレスを分散し軽減することができる。
また、垂直な幅方向とする閂止め51(図5(a))は縫製に不慣れな熟練者にも分かりやすく容易にできる。
特に、図5(b)に示したように、下部側から上側に向かって収容部3Aの開口側から離間する方向に、即ち、収容部3Aが形成されている方向に閂止め52の下端が近づくように、斜め幅方向に閂止め52を施すことによって、上部の伸びを大きくし、下部の伸びを小さくした弾性材30において上側にかかるストレスを分散し軽減することができる。
また、垂直な幅方向とする閂止め51(図5(a))は縫製に不慣れな熟練者にも分かりやすく容易にできる。
図5(a)に示すように、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の長さ方向に対する幅方向の閂止め51は、腰裏布地100の解放部分aの長さbをウエスト周りの伸び長さとして正確に設定できる。勿論、斜めの閂止め52についても、腰裏布地100の解放部分aの長さbをウエスト周りの伸び長さとして正確に設定できる。
特に、図5(a)に示す腰裏布地100の長さ方向に対する幅方向の閂止め51は、バイアス生地10がいせ込まれて弾性材30に縫い合わされた腰裏布地100の上端と延出部3Bとの縫付けを行うものであるから、幅方向の閂止め51により、当該幅により伸び長さの限界が設定される。したがって、特定のウエスト周りの規格からその誤差を最小にすることができる。
特に、図5(a)に示す腰裏布地100の長さ方向に対する幅方向の閂止め51は、バイアス生地10がいせ込まれて弾性材30に縫い合わされた腰裏布地100の上端と延出部3Bとの縫付けを行うものであるから、幅方向の閂止め51により、当該幅により伸び長さの限界が設定される。したがって、特定のウエスト周りの規格からその誤差を最小にすることができる。
図5(b)に示す斜めの閂止め52については、腰裏布地100の解放部分aの長さbを、延出部3Bの先端側からの直線距離、つまり、弾性材30の芯地20へとの縫着位置αからの直線距離を略均一に設定できるから、弾性材30に対して引っ張り力が分散され、弾性材30のストレスを最小限度にすることができる。特に、図5(a)に示す閂止め51は、弾性材30の上部にストレスが集中するが、図5(b)については弾性材30のストレスの分散化が可能となる。
図5(b)に示す斜めの閂止め52を、図5(a)の閂止め51を中心として反対側に傾斜させても同様な効果がある。
図5(b)に示す斜めの閂止め52を、図5(a)の閂止め51を中心として反対側に傾斜させても同様な効果がある。
また、図5(a)に示すように、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた閂止め51は、腰裏布地100の解放部分aの長さbを弾性材30の伸縮自在な部分の長さとし、ウエスト周りの伸び長さを正確に設定できるものである。勿論、斜めの閂止め52についても同様である。
なお、腰裏布地100と延出部3Bとを縫付けた閂止め51,52について説明したが、本発明を実施する場合には、収容部3Aと延出部3Bとの接続位置を移動すれば腰裏布地100及び弾性材30と収容部3Aとを縫付けた閂止め51,52とすることもできる。また、閂止めは、幅方向に対して直交する水平方向に設けても、引き伸ばし距離を制限できる。
したがって、腰裏布地100及び弾性材30が収容部3Aまたは延出部3Bにウエストベルト部3の幅方向または幅方向に対して90°以内の直角方向に閂止め51,52が縫付けられ、引き伸ばしを制限することができる。
なお、腰裏布地100と延出部3Bとを縫付けた閂止め51,52について説明したが、本発明を実施する場合には、収容部3Aと延出部3Bとの接続位置を移動すれば腰裏布地100及び弾性材30と収容部3Aとを縫付けた閂止め51,52とすることもできる。また、閂止めは、幅方向に対して直交する水平方向に設けても、引き伸ばし距離を制限できる。
したがって、腰裏布地100及び弾性材30が収容部3Aまたは延出部3Bにウエストベルト部3の幅方向または幅方向に対して90°以内の直角方向に閂止め51,52が縫付けられ、引き伸ばしを制限することができる。
このように、腰裏布地100が縫着されたウエストベルト部3の幅方向または幅斜め方向に閂止め51,52を縫付けたことによって、それがゴムテープ6及び弾性材30の伸びを制限するストッパーとして機能し、ゴムテープ6及び弾性材30の伸び長さが規定されることで、ゴムテープ6及び弾性材30に無理な引っ張り力がかかるのが防止される。これにより、伸び切りによるゴムテープ6及び弾性材30のストレス(負荷)や生地の引き攣りが防止され、美観が向上する。特に、重ね合わせ部に過度な張力を加えないように、その伸び長さを制限することで重ね合わせ部の見栄えを向上させることができる。またゴムテープや弾性材30を長持ちさせることができる。
本発明者の実験では、ゴムテープ6の両端に伸縮性のない生地からなる帯状の伸び止め材を折り畳んで縫着し、この伸び止め材が折り畳まれている長さによって、ゴムテープ6の伸び長さを規定した場合では、伸び止め材の生地の伸縮性がゴムテープ6の伸び長さに影響することがあるが、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり点で幅方向に垂直または斜めの閂止め51,52を施すことによって、ウエスト周りの伸び長さを正確に規定できることが確認されている。そして、このように垂直または斜めに閂止め51,52を縫い付けることにより伸び長さを正確に規定できることで、リボンテープ等で単独の伸び止め材を設けなくても良く、縫製工程も簡略化されるため、コストが掛からず安価にゴムテープ6、弾性材30の寿命を延ばすことができる。
しかし、本発明を実施する場合には、ゴムテープ6の両端に伸縮性のない生地からなる帯状の伸び止め材を縫着してもよい。この伸び止め材7が折り畳まれている長さによっても、ゴムテープ6の最大伸び長さが規定されて過剰な伸びが防止されるため、腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり部において、無理な引張り力がかかるのが更に防止され、その部分でのストレスがより軽減され、耐久性が向上する。延出部3Bの先端を細くして延長し、共布で伸び止め材の役割をするストッパー部分を設けることによって、そのストッパー部分にゴムテープ6の最大伸びを制限する伸び止め材の役割を持たせることも可能である。また、伸びの限界をゴムテープ6や弾性材30にて綿等の繊維の織り込みによって規定することもできる。
なお、閂止め51,52は、延出部3B上部の折り返し部分が展開した状態で腰裏布地100が縫付けられたときの縫着線41の縫い止め部で行われ、折り返し部分のみに施されることで、延出部3Bの表裏を貫通することなくウエストベルト部3の表側に表れないようになっている。
そして、このように、ウエストベルト部3の裏側で腰裏布地100を延出部3Bに縫付けた部分と縫付けていない部分aとの境界部の縫い止まり点で幅方向に垂直または斜めの閂止め51,52が施されたスーツ用ズボン1によれば、閂止め51,52が長手方向に対する幅方向または幅方向に対して0〜90°角度方向に施されていることで、それがアクセントとなり意匠的効果を独特なものとすることができる。特に、腰裏布地100がウエストベルト部3に縫い付けられていない部分では、腰裏布地100の生地の質感やダブつきが目立ちやすいが、閂止め51,52が長手方向に対する幅方向または斜め幅方向に施されていることで長手方向の拡がりに対し幅方向に引き締まった視覚的効果を与え、上記目立ちが軽減されてすっきりした印象となり、商品として陳列されたときの見栄えが良く、美観が向上する。
こうして、本実施の形態1のスーツ用ズボン1においては、ウエストに引張り力がかかると、収容部3Aと延出部3Bとの間に両端が接続された主弾性材としてのゴムテープ6が伸び、延出部3Bが収容部3Aから抜きだす方向に移動する。
このとき、収容部3Aと延出部3Bの裏側に縫着された腰裏布地100は、バイアス生地10の内側に取り付けた芯地20の上部が部分的に切り欠かれて、その切り欠かれた左右両側に弾性材30の左右両端部が縫付けられ、切り欠かれた特定の範囲を接続した弾性材30が伸びることによって、所定の伸びが確保される。
なお、本実施の形態1では、スーツ用ズボン1の左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所の収容部3A及び延出部3Bの重ね合わせ部に対応して、左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所に腰裏布地100の弾性材30が配設されて、腰裏布地100の所定の伸びを確保している。
このようにして、ウエストが伸縮自在とされている。
このとき、収容部3Aと延出部3Bの裏側に縫着された腰裏布地100は、バイアス生地10の内側に取り付けた芯地20の上部が部分的に切り欠かれて、その切り欠かれた左右両側に弾性材30の左右両端部が縫付けられ、切り欠かれた特定の範囲を接続した弾性材30が伸びることによって、所定の伸びが確保される。
なお、本実施の形態1では、スーツ用ズボン1の左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所の収容部3A及び延出部3Bの重ね合わせ部に対応して、左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所に腰裏布地100の弾性材30が配設されて、腰裏布地100の所定の伸びを確保している。
このようにして、ウエストが伸縮自在とされている。
このような本実施の形態1のスーツ用ズボン1によれば、ウエストベルト部3の裏側では、バイアス生地10を使用し、その内側に取り付けた芯地20において切り欠いた特定範囲を接続した弾性材30の伸びによって、所定の伸びが確保されるため、腰裏の意匠面となるバイアス生地10の選択自由度は高い。そして、バイアス生地10と質感の異なる弾性材30はバイアス生地10の内側に配設され、ウエストベルト部3の裏側の意匠面側から見て弾性材30がバイアス生地10に隠れて見えないことで見た目にも伸縮することが分かりづらく、更に、着用した際にウエスト周りに違和感が生じることもなく、快適である。
また、本実施の形態1では、弾性材30が、その上端部の長手方向でバイアス生地10と縫い合わされていることで、腰裏布地100を延出部3Bに縫着しない解放部分aにおいて上から見た際に弾性材30とバイアス生地10の間で開口(隙間)がなく、見た目が良い。
特に、本実施の形態1では、腰裏布地100において、バイアス生地10及び弾性材30の縫着線γと連続する延長位置で、腰裏布地100上部と収容部3A及び延出部3Bの上部とが縫着線41にて縫い合わされていることで、弾性材30の存在が分かりづらく、腰裏の意匠面側からみて通常のパンツの腰裏と見た目が全く変わらないものとなり、デザイン性に優れる。
そして、本実施の形態1のスーツ用ズボン1によれば、ウエストベルト部3の表側では、延出部3Bが引き出される収容部3Aの開口端にベルト通し5Aが設けられていることで収容部3Aの開口端がベルト通し5Aによって商品として陳列した際に表側から見え難く、また、ウエストベルト部3の裏側では、腰裏布地100がその上部で収容部3A及び延出部3Bの裏側に対して縫着線41で縫付けられ、その下端で、収容部3A及び延出部3Bと共に前身頃4B及び後身頃4Aに対して縫着線42で縫付けられていることで、延出部3Bが引き出される収容部3Aの開口端が腰裏布地100に覆われて商品として陳列した際にも目立つことがなく、ウエストベルト部3の表側のみならず裏側(腰裏)も見栄えが良い。
なお、ウエストベルト部3裏側の上部においては、収容部3A及び延出部3Bの上部の折り返し部分に、腰裏布地100を構成するバイアス生地10及び芯地20の上端部の縫代F部分(図3、図7、図9、図10参照)が合わされて縫付けられる。このとき、収容部3A及び延出部3Bの折り返し部分が展開した状態で腰裏布地100が縫付けられ、折り返し部分のみに腰裏布地100が縫付けられて、その縫着線41は収容部3A及び延出部3Bの表裏を貫通することなくウエストベルト部3の表側に表れないようになっている。また、その下部においては、収容部3A及び延出部3Bと身頃との縫着線上に腰裏布地100の芯地20のみが長手方向の縫着線42にて縫付けられ、意匠生地12の下端で部分的に縫着線45にて身頃の裏面のタック部や袋布2D等に縫付けられている。このような縫製によって、表側に縫目が表れることなく良好な見栄えが維持される。
更に、本実施の形態1のスーツ用ズボン1によれば、腰裏布地100の弾性材30を延出部3Bが延出する収容部3Aの開口付近に位置するようにし、弾性材30の伸びを確保する所定の解放部分aではウエストベルト部3に縫付けを行わず、それ以外の部分でウエストベルト部3裏側に縫付けを行ったことでウエストに引っ張り力がかかった際にストレスが大きく加わることとなる縫い止まり部において、幅方向の閂止め51(図5(a))、または斜め幅方向の閂止め52(図5(b))を縫い付けたことによって、その部分が強化されるから、縫製の縫い目が解けたり生地を傷めたりする恐れが少ない。
特に、図5(b)に示したように、収容部3Aが形成されている方向に下端が近づくように斜めに傾かせた閂止め52は、ストレスを分散して軽減することができる。
また、垂直な幅方向の閂止め51(図5(a))は、縫製に不慣れな熟練者にも分かりやすく容易に施すことできる。
特に、図5(b)に示したように、収容部3Aが形成されている方向に下端が近づくように斜めに傾かせた閂止め52は、ストレスを分散して軽減することができる。
また、垂直な幅方向の閂止め51(図5(a))は、縫製に不慣れな熟練者にも分かりやすく容易に施すことできる。
また、このウエストベルト部3の幅方向または幅方向に対して0〜90°角度方向の閂止め51,52によって、ゴムテープ6や弾性材30の最大伸び長さを規定することが可能となり、ゴムテープ6や弾性材30に無理な引っ張り力がかかることによる伸びきりを防止して、それらを長持ちさせることができる。また、重ね合わせ部に張力を加えないように、その伸び長さを制限することができるから、重ね合わせ部の見栄えを向上させることができる。
更に、閂止め51,52が幅方向または斜め幅方向に施されていることで、それがアクセントとなり意匠的効果を独特なものとすることができる。即ち、腰裏布地100の長手方向の拡がりに対し、幅方向に引き締まった視覚的効果を与え、すっきりした印象となり、商品として陳列されたときの見栄えが良く美観を向上させることができる。
[実施例]
更に、閂止め51,52が幅方向または斜め幅方向に施されていることで、それがアクセントとなり意匠的効果を独特なものとすることができる。即ち、腰裏布地100の長手方向の拡がりに対し、幅方向に引き締まった視覚的効果を与え、すっきりした印象となり、商品として陳列されたときの見栄えが良く美観を向上させることができる。
[実施例]
以下、本発明の実施の形態1に係るウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1について、図面を参照しつつ、具体的な実施例に即して説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の実施の形態1に係るスーツ用ズボン1を構成する腰裏布地100について、本実施例においては、長手方向に連続し腰裏の意匠面を形成するバイアス生地10に、伸縮性を有しない綿生地を所定寸法でバイアス裁断したものを使用した。また、バイアス生地10の下端部で縫着線14にて縫い合わされる意匠生地12には、伸縮性を有しないスレーキ生地を所定寸法でバイアス裁断したものを用いた。
本発明の実施の形態1に係るスーツ用ズボン1を構成する腰裏布地100について、本実施例においては、長手方向に連続し腰裏の意匠面を形成するバイアス生地10に、伸縮性を有しない綿生地を所定寸法でバイアス裁断したものを使用した。また、バイアス生地10の下端部で縫着線14にて縫い合わされる意匠生地12には、伸縮性を有しないスレーキ生地を所定寸法でバイアス裁断したものを用いた。
これらバイアス生地10と意匠生地12とは、図7及び図8に示したように、意匠生地12の上部にバイアス生地10の下部が重ねられて縫着線14にて芯地20と共に縫い合されているが、より詳しくは、本実施例のバイアス生地10は、長手方向に対して直角方向(幅方向)の両端を重ね合わせて折った意匠生地10に対して、その重ね合わせた端部側(図においてループ側とは反対側である上部側)において、バイアス生地10をその下部側で所定幅に折った部分13aで重ね、それらバイアス生地10及び意匠生地12の重なり部分を後述する芯地20と共に縫着線14で縫い合わせた構成となっている。このときの縫い合わせは、長手方向全周に亘って施されている。
なお、本実施例では、図8(a)で示したように、腰裏の意匠面側から見て、意匠生地12の上端部の上にバイアス生地10を重ねて、バイアス生地10の重ねた下端から所定幅だけ上側の縫着線14で縫い合せることで、バイアス生地10の重ねた厚み分だけ意匠生地12と段差が生じ、また、バイアス生地10の下端側の縫付けされていない部分が自由端(ひだ)13bとなることから、この段差及び自由端13bが滑り止め機能を強化する。また、腰裏布地100の下部において芯地20のみが収容部3A及び延出部3Bと身頃4A,4Bとに長手方向の縫着線42にて縫付けられ、意匠面側の意匠生地12は身頃4A,4Bと部分的にのみ縫着線45(図4参照)で縫付けられていることで、この意匠生地12についても滑り止め機能を強化する。
よって、腰裏布地100が取り付けられたスーツ用ズボン1を着用してウエストベルト部3裏側の腰裏布地100側にシャツ等を入れた際に、腰裏布地100によってその入れたシャツ等がスーツ用ズボン1から食み出たり、スーツ用ズボン1が滑り落ちたりするのが防止され、着用感や快適さを高めることができる。
よって、腰裏布地100が取り付けられたスーツ用ズボン1を着用してウエストベルト部3裏側の腰裏布地100側にシャツ等を入れた際に、腰裏布地100によってその入れたシャツ等がスーツ用ズボン1から食み出たり、スーツ用ズボン1が滑り落ちたりするのが防止され、着用感や快適さを高めることができる。
そして、本実施例では、このバイアス生地10の内側(裏側)に、メッシュ生地を所定寸法でバイアス裁断したバイアス生地からなる芯地20を縫付けている。なお、このメッシュ生地は綿生地やスレーキ生地よりも比較的ハードであり、メッシュ構造により弾性変化が割と大きいものである。
芯地20は、意匠生地12及びその上端部で重なるバイアス生地10の内側(反意匠面側)全周に、長手方向に沿ってその中央側にて縫着線14で縫い合わされている。
芯地20は、意匠生地12及びその上端部で重なるバイアス生地10の内側(反意匠面側)全周に、長手方向に沿ってその中央側にて縫着線14で縫い合わされている。
図7及び図8において、バイアス生地10及び意匠生地12の内側に縫着された芯地20は、バイアス生地10及び意匠生地12全体の上下幅よりもその幅長さが短く設定されており、バイアス生地10及び意匠生地12との縫い合わせ時に僅かなずれが生じた場合でも、意匠面側から見て芯地20が意匠生地12の下端から露出して外観性を低下させることのないようにしている。
また、本実施例では、これらバイアス生地10、意匠生地12及び芯地20は、縫着線14にて鎖縫いによって縫い合わされており、腰裏布地100全体のスムースな伸縮性を妨げることのない縫い合わせ方となっている。更に、バイアス生地10、意匠生地12及び芯地20において、それら生地間の伸縮性の差も大きくないことで、伸縮によって縫着線14や生地にかかる負荷も少ない。
また、本実施例では、これらバイアス生地10、意匠生地12及び芯地20は、縫着線14にて鎖縫いによって縫い合わされており、腰裏布地100全体のスムースな伸縮性を妨げることのない縫い合わせ方となっている。更に、バイアス生地10、意匠生地12及び芯地20において、それら生地間の伸縮性の差も大きくないことで、伸縮によって縫着線14や生地にかかる負荷も少ない。
なお、本発明を実施する場合には、デザインのバリエーションを持たせるために、意匠生地12を複数枚の構成とし、例えば、他の意匠生地12として幅長さの狭い中間材を図7及び図8におけるバイアス生地10と意匠生地12との間に挟んでも良い。中間材は、例えば、綿、ポリウレタン混合、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、絹(シルク)、麻、麻混、アクリル、ラバー等の生地を使用し、図7及び図8における意匠生地12と同様に長手方向に対して直角方向の両端を重ね合わせて折って、図7及び図8におけるバイアス生地10と意匠生地12との間にその重ね合わせた端側をバイアス生地10側に、そのループ側を意匠生地12側に配して、芯地20と共に縫着線14で縫い合わせて取り付けられる。また、中間材としてジャガードテープやオペロンテープを使用し、テープの上端を図6及び図7におけるバイアス生地10と意匠生地12との間に重ね合わせて芯地20と共に縫着線14で縫い合わせて取り付けてもよい。芯地20やバイアス生地10は、通常、単一の生地が使用されるが、素材が同一のまたは異なる複数の生地を使用することも可能である。
そして、このようなバイアス生地10とバイアス生地10の内側(裏側)に縫付けられた芯地20に対して、その長手方向の一部に沿って弾性材30が縫着されている。
本実施例において、弾性材30は、パワーネットまたは平らゴムを使用した。なお、パワーネットの素材は、特に問われるものではなく、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステルからなるものが使用され、ソフト系のものであってもハード系のものであってもよく、市販の種々のもの(例えば、東レ・テキスタイル製、旭織物(株)製、(株)三景製等)を使用できる。耐久性、着心地、縫いやすさ、伸縮性等を考慮して、単数に限定されず、複数枚を重ねて用いることも可能である。しかし、本発明を実施する場合には、弾性材30としては、パワーネットや平らゴムに限定されず、ストレッチテープ(ゴム入り布テープ)、ゴムテープ、その他ゴム材等を使用してもよい。特に、平らゴム等のゴム材は、伸縮性もよく、長期間使用しても回復力(キックバック)が良く、伸縮機能に優れる。
本実施例において、弾性材30は、パワーネットまたは平らゴムを使用した。なお、パワーネットの素材は、特に問われるものではなく、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステルからなるものが使用され、ソフト系のものであってもハード系のものであってもよく、市販の種々のもの(例えば、東レ・テキスタイル製、旭織物(株)製、(株)三景製等)を使用できる。耐久性、着心地、縫いやすさ、伸縮性等を考慮して、単数に限定されず、複数枚を重ねて用いることも可能である。しかし、本発明を実施する場合には、弾性材30としては、パワーネットや平らゴムに限定されず、ストレッチテープ(ゴム入り布テープ)、ゴムテープ、その他ゴム材等を使用してもよい。特に、平らゴム等のゴム材は、伸縮性もよく、長期間使用しても回復力(キックバック)が良く、伸縮機能に優れる。
なお、本発明を実施する場合には、デザインのバリエーションを持たせるために、意匠生地12を複数枚の構成とし、例えば、他の意匠生地12としての中間材を図6及び図7におけるバイアス生地10と意匠生地12との間に挟んでも良い。中間材は、例えば、綿、ポリウレタン混合、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、絹(シルク)、麻、麻混、アクリル、ラバー等の生地を使用し、図6及び図7における意匠生地12と同様に長手方向に対して直角方向の両端を重ね合わせて折って、図6及び図7におけるバイアス生地10と意匠生地12との間にその重ね合わせた端側をバイアス生地10側に、そのループ側を意匠生地12側に配して、芯地20と共に縫着線14で縫い合わせて取り付けられる。また、中間材としてジャガードテープやオペロンテープを使用し、テープの上端を図6及び図7におけるバイアス生地10と意匠生地12との間に重ね合わせて芯地20と共に縫着線14で縫い合わせて取り付けてもよい。芯地20やバイアス生地10は、通常、単一の生地が使用されるが、素材が同一のまたは異なる複数の生地を使用することも可能である。
ここで、バイアス生地10及びその内側に縫着された芯地20に対して、弾性材30を縫付けるその縫製手順について図9及び図10を参照して説明する。なお、本実施例では、弾性材30をバイアス生地10と芯地20の間に配設した。
本実施例においては、まず、バイアス生地10及び意匠生地12の内側で縫着線14にて縫い合わされた芯地20の解放されている上部において、図9(a)に示すように、縫着線14より上側の長手方向の一部を矩形状に切り欠いて(裁断により切り抜いて)、所定寸法の矩形状の開口部21を形成した。
この開口部21は、弾性材30が縫付けられる前の芯地20において、弾性材30が縫付けられる位置を示す左右一対の縫着位置α1及び縫着位置β1からそれぞれ縫代f1を残し、それらの間を切り欠いて形成されたものである。図9(a)においては、切断によって切り欠いた長手方向の長さ距離をC1としている。即ち、C1は開口部21における長手方向の開口相互間の長さ距離を示している。なお、切り欠きは、所定の縫代f1を確保できれば、その寸法形状は特に問われない。通常、縫代f1は5〜7mm以上あれば十分である。
そして、このように開口部21が形成された芯地20の開口側の左右両側端部の幅方向に対して、所定寸法形状の弾性材30の左右両側端部の斜め幅方向を縫付けた。
特に、本実施例では、弾性材30において芯地20と縫い合わせる位置(縫着位置α2,β2)を上端から下端に向かって外側に傾く斜めとし、一方で、芯地20において弾性材30と縫い合わせる位置(縫着位置α1,β1)を垂直としており、芯地20の垂直な縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の垂直な縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせた。
このとき、上述したように、弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2の離間距離B1,B2よりも芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1の方が長く設定されていることから、それらの差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされて縫着されたことになる。
このようにして、芯地20の切り欠いた特定の範囲を弾性材30によって接続した。
特に、本実施例では、弾性材30において芯地20と縫い合わせる位置(縫着位置α2,β2)を上端から下端に向かって外側に傾く斜めとし、一方で、芯地20において弾性材30と縫い合わせる位置(縫着位置α1,β1)を垂直としており、芯地20の垂直な縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の垂直な縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせた。
このとき、上述したように、弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2の離間距離B1,B2よりも芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1の離間距離A1の方が長く設定されていることから、それらの差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされて縫着されたことになる。
このようにして、芯地20の切り欠いた特定の範囲を弾性材30によって接続した。
なお、本実施例では、芯地20において、スーツ用ズボン1におけるウエストベルト部3の収容部3A及び延出部3Bの裏側に腰裏布地100を縫付けるときの縫代Fの長さ分を残し、その下側で弾性材30が縫付けられる。
弾性材30の長手方向の長さは、必要以上に長いとコスト高となり嵩張りやごわつきの原因にもなることから、芯地20への縫付け位置を示す縫着位置α1及び縫着位置β1の相互間の距離長さ(接続長さ)に加え縫代f2の長さ分だけあればよく、縫製時の作業性を考慮すると、縫い代f2の長さは0.7cm〜1cmが好ましい。更に、弾性材30の幅方向の長さは、必要以上に長くなるとバイアス生地10及び意匠生地12の重なり部分(図8参照)にさしかかり嵩張りが生じ、縫製作業に手間がかかることになるから、それら重なり部分より上側であって縫代Fより下側の範囲内に収めるのが望ましい。
弾性材30の長手方向の長さは、必要以上に長いとコスト高となり嵩張りやごわつきの原因にもなることから、芯地20への縫付け位置を示す縫着位置α1及び縫着位置β1の相互間の距離長さ(接続長さ)に加え縫代f2の長さ分だけあればよく、縫製時の作業性を考慮すると、縫い代f2の長さは0.7cm〜1cmが好ましい。更に、弾性材30の幅方向の長さは、必要以上に長くなるとバイアス生地10及び意匠生地12の重なり部分(図8参照)にさしかかり嵩張りが生じ、縫製作業に手間がかかることになるから、それら重なり部分より上側であって縫代Fより下側の範囲内に収めるのが望ましい。
次に、このようにして芯地20に縫付けた弾性材30を、縫着線14にて芯地20と縫い合わされ芯地20に対向するバイアス生地10の解放された上部と縫い合わせた。
本実施例では、バイアス生地10において、芯地20に縫着された弾性材30の配設位置に対向する部分で、縫い合わされる。詳しくは、バイアス生地10において、弾性材30が縫着される前の状態の芯地20を切り欠いたときの長手方向の切断した長さ距離C1と同一の長さ距離Dにて、縫代F(腰裏布地100を上述した収容部3A及び延出部3Bに縫付けを行うときの縫代)の長さより少し短い長さで上端から切込みを入れ、切り込んだ部分を芯地20側(反意匠面側)に向けて下側に折って重ね、その折り込んだ重なり部分の長手方向を弾性材30との縫い合わせ位置(縫着位置γ1)とした。一方、弾性材30においては、その上端部で、バイアス生地10の縫着位置γ1の長さ距離Dよりも短い長さ距離Eをバイアス生地10との縫い合わせ位置(縫着位置γ2)とした。そして、本実施例では、弾性材30上端部において長さ距離がEである長手方向の縫着位置γ1に対して、バイアス生地10において、折り込んだ部分の長さ距離がDである長手方向の縫着位置γ2をいせ込むことによって両者を縫い合わせた。図10(b),(c)において、バイアス生地10と弾性材30との縫着線をγで示している。
本実施例では、バイアス生地10において、芯地20に縫着された弾性材30の配設位置に対向する部分で、縫い合わされる。詳しくは、バイアス生地10において、弾性材30が縫着される前の状態の芯地20を切り欠いたときの長手方向の切断した長さ距離C1と同一の長さ距離Dにて、縫代F(腰裏布地100を上述した収容部3A及び延出部3Bに縫付けを行うときの縫代)の長さより少し短い長さで上端から切込みを入れ、切り込んだ部分を芯地20側(反意匠面側)に向けて下側に折って重ね、その折り込んだ重なり部分の長手方向を弾性材30との縫い合わせ位置(縫着位置γ1)とした。一方、弾性材30においては、その上端部で、バイアス生地10の縫着位置γ1の長さ距離Dよりも短い長さ距離Eをバイアス生地10との縫い合わせ位置(縫着位置γ2)とした。そして、本実施例では、弾性材30上端部において長さ距離がEである長手方向の縫着位置γ1に対して、バイアス生地10において、折り込んだ部分の長さ距離がDである長手方向の縫着位置γ2をいせ込むことによって両者を縫い合わせた。図10(b),(c)において、バイアス生地10と弾性材30との縫着線をγで示している。
このとき、本実施例においては、バイアス生地10と弾性材30との縫着線γの位置は、腰裏布地100を収容部3A及び延出部3Bの裏側に縫付けるときの縫着線41と直線状に連続するように設計している。縫着線41と縫着線γが直線状に連続することで、図3乃至図7、図10(c)でも示したように、腰裏の意匠面側から見たときに弾性材30のバイアス生地10への縫付け位置が分かり難いものとなり、見栄えに優れたものとなる。更に、ここでは、折り込んだ部分を重ねた状態でそこに弾性材30を縫付けたことで、バイアス生地10を部分的に折り込んだその自由端が弾性材30との間に配設されるようにしたことで、バイアス生地10の端が、解放部分aを上から見たときに表出せず、見た目もよい。また、弾性材30と縫着する部分でバイアス生地10の生地が重なっていることで強度も増す。
なお、本発明を実施する場合には、バイアス生地10の折り込んだ重なりの間に弾性材30を配設し、即ち、バイアス生地10を部分的に折ったときのその自由端が弾性材30のバイアス生地10側とは反対側の面に配設されるように、縫付けることも可能である。また、バイアス生地10の上端部を折り込まずにその部分を切り取って、その切り取り部分で解れ防止のステッチを施してもよい。
なお、本発明を実施する場合には、バイアス生地10の折り込んだ重なりの間に弾性材30を配設し、即ち、バイアス生地10を部分的に折ったときのその自由端が弾性材30のバイアス生地10側とは反対側の面に配設されるように、縫付けることも可能である。また、バイアス生地10の上端部を折り込まずにその部分を切り取って、その切り取り部分で解れ防止のステッチを施してもよい。
そして、本実施例では、強度の観点から、弾性材30及び芯地20の縫着線α,βと、弾性材30及びバイアス生地10の縫着線γとの間においても、長手方向の縫着線γ3にてバイアス生地10と芯地20の両方に対して同時に弾性材30を縫付けている。
本実施例では、このような手順で芯地20及びバイアス生地10に対して弾性材30を縫付けた。
ここで、具体的に、芯地20及びバイアス生地10に対して縫付ける弾性材30の接続長さを変化させて、腰裏布地100の縫製を行い、伸び長さ、皺や引き攣りの状態を調べた。表1に実施例1乃至実施例23を示した。
なお、ここでは、ウエストベルト部3の周方向の長さ、即ち、ウエスト長さが85cmであるスーツ用ズボン1に対して、その半周分のウエスト長さに対応させるとして、腰裏布地100全体の長手方向の長さを41cmに設定し、この長手方向の長さ距離を41cmとしたバイアス生地10及び芯地20に対して弾性材30を縫付けた(1箇所)ときの所定部分の各長さ距離が示してある。
ここで、具体的に、芯地20及びバイアス生地10に対して縫付ける弾性材30の接続長さを変化させて、腰裏布地100の縫製を行い、伸び長さ、皺や引き攣りの状態を調べた。表1に実施例1乃至実施例23を示した。
なお、ここでは、ウエストベルト部3の周方向の長さ、即ち、ウエスト長さが85cmであるスーツ用ズボン1に対して、その半周分のウエスト長さに対応させるとして、腰裏布地100全体の長手方向の長さを41cmに設定し、この長手方向の長さ距離を41cmとしたバイアス生地10及び芯地20に対して弾性材30を縫付けた(1箇所)ときの所定部分の各長さ距離が示してある。
また、ここでは、バイアス生地10として綿生地を使用し、意匠生地12にスレーキ生地からなるバイアス生地を使用した。芯地20には、ポリエステル系のメッシュ生地からなるバイアス生地を使用し、弾性材30は、パワーネット(東レ・テキスタイル(株)製(商品番号41260,ナイロン83%、ポリウレタン17%)を2枚に重ねたものを使用した。
図9(a)を参照して説明すると、弾性材30が縫付けられていない状態の芯地20において、切断によって矩形状に切り欠かれて形成された長手方向の長さ距離がC1の開口部21を跨ぎ両側で縫代f1の長さ分を取った位置の一対の垂直な直線を、弾性材30が縫付けられる縫着位置α1及び縫着位置β1としたとき、表1において、A1は、弾性材30が縫付けられていない状態で示した芯地20での弾性材30との縫着位置α1及び縫着位置β1の離間距離(相互間の距離長さ)である。また、f1は、縫い代f1の長さであり、ここでは、0.5cm(芯地20において開口両側で1cmの縫い代となる)で統一してある。更に、C1は、切り欠かれた長手方向の切断長さ距離(切り欠いて形成された開口部21の長手方向の長さ距離)である。
更に、弾性材30の左右両端部において一対の斜め幅方向の直線を芯地20に縫付ける縫着位置を示す縫着位置α2及び縫着位置β2としたとき、表1において、B1は、弾性材30の縫着位置α1の上端及び縫着位置β1の上端の離間距離(相互間の距離長さ)であり、B2は、縫着位置α1の下端及び縫着位置β1の下端の離間距離(相互間の距離長さ)である。この離間距離B1が、芯地20に対する弾性材30上端の接続長さとなり、離間距離B2が芯地20に対する弾性材30下端の接続長さとなる。
また、図10を参照して説明すると、弾性材30が縫付けられていない状態のバイアス生地10において、上述したように芯地20の開口部21の長さ距離C1と同一の長さ距離Dだけ折り込んだ部分にて長手方向に沿う直線を弾性材30上端部の長手方向が縫付けられる縫着位置γ1としたとき、Dは、弾性材30が縫付けられていない状態で示したバイアス生地10での縫着位置γ1の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
更に、弾性材30の上部の長手方向に沿う直線をバイアス生地10の縫着位置γ1部分と縫い合わされる縫着位置γ2としたとき、Eは、バイアス生地10がいせ込んで縫付けられる弾性材30の縫着位置γ2の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
更に、弾性材30の上部の長手方向に沿う直線をバイアス生地10の縫着位置γ1部分と縫い合わされる縫着位置γ2としたとき、Eは、バイアス生地10がいせ込んで縫付けられる弾性材30の縫着位置γ2の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
なお、本実施例では、弾性材30の縫着位置γ2に対してバイアス生地10の縫着位置γ1をいせ込んで縫い合わせるときに、強度の観点から、弾性材30及び芯地20の縫着線α,βと、弾性材30及びバイアス生地10の縫着線γとの間においても、即ち、縫代f1分の長さ分において、長手方向の縫着線γ3にてバイアス生地10と芯地20の両方に対して同時に弾性材3を縫い合わせている。この縫着線γ3の長さは0.5cm(=f1)で統一してあり、両側で1cmとしている。
本実施例ではB1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmとなっており、Eの長さ距離+1cmがバイアス生地10に対する弾性材30の接続長さとなる。
本実施例ではB1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmとなっており、Eの長さ距離+1cmがバイアス生地10に対する弾性材30の接続長さとなる。
ここで、実施例1乃至実施例14の相互間は、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるものの、離間距離A1と離間距離B1の差を1cm、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cm、離間距離B1と離間距離B2の差を0.6cmで統一した。更に、図10(a)に示した弾性材30におけるバイアス生地10との縫着位置γ2の長さ距離Eと、弾性材30と縫い合わされていない状態で示したバイアス生地10での弾性材30との縫着位置γ1の長さ距離Dとの差を1cmとし、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmに統一した。
実施例15乃至実施例19の相互間についても、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるものの、実施例1乃至実施例14と同じく離間距離A1と離間距離B2の差は0.4cmで統一した。また、離間距離A1と離間距離B1の差は1.5cm、離間距離B1と離間距離B2の差は1.1cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)は1.5cmで統一し、それぞれ実施例1乃至実施例14とは異なっている。
そして、実施例20は、実施例1乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差は2cm、離間距離B1と離間距離B2の差は1.6cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)は2cmでそれぞれ実施例1乃至実施例19とは異なっている。
そして、実施例20は、実施例1乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差は2cm、離間距離B1と離間距離B2の差は1.6cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)は2cmでそれぞれ実施例1乃至実施例19とは異なっている。
実施例21及び実施例22は、互いに弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるも、実施例15乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B1の差を1.5cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmで統一した。また、離間距離A1と離間距離B1の差を0.6cm、離間距離B1と離間距離B2の差を0.9cmで統一し、それぞれ実施例15乃至実施例19とは異なっている。
更に、実施例23は、実施例21及び実施例22と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差は2cm、離間距離B1と離間距離B2の差は1.4cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)は2cmでそれぞれ実施例21及び実施例22とは異なっている。
更に、実施例23は、実施例21及び実施例22と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差は2cm、離間距離B1と離間距離B2の差は1.4cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)は2cmでそれぞれ実施例21及び実施例22とは異なっている。
代表的に、皺の発生や引き攣りが少なくて美観に優れ、かつ、低コストで長い伸び長さを確保できることで最も好適であった実施例8を挙げて説明すると、実施例8は、弾性材30において上端の長手方向の離間距離B1が7.5cm、下端の長手方向の離間距離B2が8.1cmで上端の離間距離B1と下端の離間距離B2の差が0.6cmである左右一対の斜め幅方向の位置(図10(a)における縫着位置α2、β2)に対して、弾性材30が縫い合わされていない状態で示した芯地20での開口側両端部の長手方向の離間距離A1が8.5cmである左右一対の垂直な幅方向の置(図10(a)における縫着位置α1、β1)を縫い合わせたものである。
ここで、実施例8では、図9(a)において、弾性材30と縫い合わされていない状態で示した芯地20での弾性材30との縫着位置α1及び縫着位置β1の離間距離A1と、弾性材30における芯地20との縫着位置α2及び縫着位置β2の離間距離B1,B2との差が、上端において離間距離A1と離間距離B1の差=1cm、下端において離間距離A1と離間距離B2の差=0.4cmであり、それらの差の分だけ、芯地20において、切り欠きの長手方向の長さ距離C1が本来の切断した長さ距離よりも短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上、長手方向の長さが短くされて、弾性材30と芯地20が縫い合わされている。
なお、表1の実施例8において、弾性材30が縫いつけられる前の芯地20の開口部21の長手方向の長さ距離C1は7.5cmであり、縫着線14より上側にて、芯地20が長手方向に7.5cmの長さで切欠かれていることになる。
そして、弾性材30が縫いつけられていない状態の芯地20のC1=7.5cm部分に対向するバイアス生地10のD=7.5cm部分がいせ込まれて弾性材30と縫い合わされる。
そして、弾性材30が縫いつけられていない状態の芯地20のC1=7.5cm部分に対向するバイアス生地10のD=7.5cm部分がいせ込まれて弾性材30と縫い合わされる。
実施例8では、芯地20の切り欠き部分を接続した弾性材30において開口部21から表出している部分である長さ距離Eが6.5cmの長手方向に沿った位置(図10(a)における縫着位置γ2)に対して、弾性材30が縫い合わされていない状態で示した芯地20において長さ距離Dが7.5cmである長手方向に沿った位置(図10(a)における縫着位置γ1)を縫い合わせることから、それら長さ距離Eと長さ距離Dの差が1cmあり、その差の分だけバイアス生地10が弾性材30にいせ込まれ、即ち、いせ込み量1cmとして両者が縫い合わされる。
つまり、実施例8では、弾性材30の長さ距離Eが6.5cmの部分にて、バイアス生地10における長手方向の長さ距離Dが7.5cmである部分が1cmいせ込まれ(細かくダブらせて)縫着されている。
つまり、実施例8では、弾性材30の長さ距離Eが6.5cmの部分にて、バイアス生地10における長手方向の長さ距離Dが7.5cmである部分が1cmいせ込まれ(細かくダブらせて)縫着されている。
このように表1に示した所定寸法で弾性材30をバイアス生地10と芯地20に縫付けて実施例1乃至実施例23の腰裏布地100を作製した。
そして、各腰裏布地100を上述したようにスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃と縫い合わせたウエストベルト部3の腰裏に縫付けたときのウエスト半周分の伸び長さを測定し、また、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常状態での腰裏の意匠面側の皺の様子や、最大限に引張ったときの引き攣りの様子を目視で確認した。
そして、各腰裏布地100を上述したようにスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃と縫い合わせたウエストベルト部3の腰裏に縫付けたときのウエスト半周分の伸び長さを測定し、また、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常状態での腰裏の意匠面側の皺の様子や、最大限に引張ったときの引き攣りの様子を目視で確認した。
表において、最大伸び長さは、本実施例の腰裏布地100をスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃に対応したウエストベルト部3に縫付ける際に、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10への接続長さ(=B1の長さ距離=Eの長さ距離+1cm)分だけは縫付けを行わず解放し、それ以外において縫着線γの長手方向の延長線上で縫着線41にて腰裏布地100をウエストベルト部3に縫付けて半周分のウエストベルト部3を長手方向に最大限に引張ったときの伸び長さを測定したものである。即ち、スーツ用ズボン1においてウエストベルト部3に対して腰裏布地100の縫付けが行われない解放部分aの長さb=B1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmの長さ距離としたときの伸び長さである。
ここで、商品化の際には、腰裏布地100の解放部分aの長さbが余りに長いと、即ち、腰裏布地100の長手方向において延出部30Bに対して縫付けを行わない部分が長いと、腰裏布地100と延出部30Bの間の開口が目立ち商品価値や美観が低下したり、場合によっては興味本位で開口から内部構造を引き出して壊したりしてしまう恐れがある。また、着用時に腰裏布地100の開口側が捲れたり、長期の使用によって腰裏布地100の開口側が伸びて美観が大きく低下したりするといった不具合を生じさせることもある。
そこで、ここでは、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに規定し、弾性材30上端の接続長さのE部分のうちの4cmだけは延出部30Bに対して縫付けを行わない部分(解放部分a)とし、それ以外の部分は収容部3A,延出部30Bの裏側に対して縫着線41,42にて縫付けを、また身頃に対して部分的な縫着線45にて縫い付け行って、半周分のウエストベルト部3を長手方向に最大限に引張ったときの伸び長さも測定した。この伸び長さを、表において、ウエストベルト部3に対して腰裏布地100の縫付けが行われない解放部分aの長さb=4cmに設定したときの伸びと記した。
また、腰裏布地100上端の解放部分aの長さb=4cmに既定し、更に、その縫い止まり部において斜め幅方向に閂止め52(図5(b)参照)を縫い付け、同様に、半周分のウエストベルト部3を長手方向に最大限に引張ったときの伸び長さも測定した。このときの伸び長さを、表において、ウエストベルト部3に対して腰裏布地100の縫付けが行われない解放部分aの長さb=4cmに設定したとき、かつ、閂止めを施したときの伸びと記した。
なお、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常状態で、収容部3Aの開口端から前中心FCに向かい、ホック等が取り付けられているウエストベルト部3の生地の折り返し部分h(図4)までの延出部3Bの長手方向の長さが約14cmであることを考慮し、表1の実施例において、最大でも弾性材30上端の接続長さ(=B1)を11.5cmとしている。
表1に示したように、実施例1乃至実施例14の比較、実施例15乃至実施例19の比較、実施例21及び実施例22の比較から、離間距離A1と離間距離B2の差、離間距離A1と離間距離B1の差、離間距離B1と離間距離B2の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)をそれぞれ統一している場合、弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、最大の伸び長さ及び腰裏布地100の解放部分aの長さb=4cmに設定したときの伸び長さが大きく、また、最大限に長手方向に引張ったときの引き攣りも少ないものであった。更に、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常の状態において、弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺も少なくなっていた。
このように弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺が少なくなるのは、弾性材30の接続長さに対しての芯地20やバイアス生地10の見かけ上短くする長さの割合が小さいことで、皺が集中することなく広範囲に分散されるためである。また、伸長した際の引き攣りが少なくなるのは、弾性材30の接続長さが長いものほど、それだけ伸び量を大きくできるためである。
このように弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺が少なくなるのは、弾性材30の接続長さに対しての芯地20やバイアス生地10の見かけ上短くする長さの割合が小さいことで、皺が集中することなく広範囲に分散されるためである。また、伸長した際の引き攣りが少なくなるのは、弾性材30の接続長さが長いものほど、それだけ伸び量を大きくできるためである。
実施例1乃至実施例4から、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10への接続長さが少なくとも4cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.5cmの最大伸びを確保できることがわかる。全周分のウエストベルト部3に対応させた際には、つまり、2箇所で弾性材30を接続させた場合には、3cmの最大伸びを確保できることになる
また、実施例5乃至実施例7から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例8乃至実施例10から、弾性材30の接続長さが少なくとも7.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4.6cmの最大伸びを確保できることになる。
加えて、実施例11及び実施例12から、弾性材30の接続長さが少なくとも9cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.4cmの最大伸びを確保できることがわかる。つまり、ウエスト全周では4.8cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例13及び実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも10cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.5cmの最大伸びを確保できることがわかる。つまり、ウエスト全周では5cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例5乃至実施例7から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例8乃至実施例10から、弾性材30の接続長さが少なくとも7.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4.6cmの最大伸びを確保できることになる。
加えて、実施例11及び実施例12から、弾性材30の接続長さが少なくとも9cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.4cmの最大伸びを確保できることがわかる。つまり、ウエスト全周では4.8cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例13及び実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも10cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.5cmの最大伸びを確保できることがわかる。つまり、ウエスト全周では5cmの最大伸びを確保できることになる。
そして、腰裏布地100をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、弾性材30が配設されている部分で腰裏布地100を縫着しない部分、即ち、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定した場合では、実施例1乃至実施例4から、弾性材30の接続長さが少なくとも4cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。全周分のウエストベルト部3に対応させた際には、3cmの伸びを確保できることになる。
更に、実施例5乃至実施例8から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.8cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では3.6cmの伸びを確保できることになる。
加えて、実施例9乃至実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも8cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
更に、実施例5乃至実施例8から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.8cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では3.6cmの伸びを確保できることになる。
加えて、実施例9乃至実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも8cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
更に、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜め幅方向に閂止め52(図5(b)参照)を縫い付けた場合では、弾性材30の伸縮自在な部分の長さが制限されるため、ウエスト周りの伸び長さが制限される。このように斜め幅方向に閂止め52を施した場合では、実施例1乃至実施例4から、弾性材30の接続長さが少なくとも4cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであるとき、1cmの伸びを確保できることがわかる。全周分のウエストベルト部3に対応させた際には、2cmの伸びを確保できることになる。
更に、実施例5乃至実施例8から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では2.6cmの伸びを確保できることになる。
加えて、実施例9乃至実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも8cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では3cmの伸びを確保できることになる。
更に、実施例5乃至実施例8から、弾性材30の接続長さが少なくとも6cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では2.6cmの伸びを確保できることになる。
加えて、実施例9乃至実施例14から、弾性材30の接続長さが少なくとも8cm以上であれば、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では3cmの伸びを確保できることになる。
ここで、表1において実施例1乃至実施例14を見ると、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした場合において、ウエストベルト部3に縫着を行わない腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜めの閂止め52を施したとき、ウエスト周り半周分で1cmの伸びを確保したい場合、即ち、所望とするウエスト周り全周の伸び長さを2cmとする場合には、実施例1乃至実施例4から、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さは4cmで足りるが、上述したように、弾性材30の接続長さが長いほど皺や伸ばしたときの引き攣りが少なくなる。また、ウエスト周り半周分で1.5cm前後の伸び、ウエスト周り全周で4cm前後の伸び長さを確保したい場合には、実施例5乃至実施例14から、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが6cm以上であればよく、同様に、弾性材30の接続長さが長いほど皺や引き攣りが少なくなる。しかし、弾性材30の接続長さがあまりに長すぎると、着用した際にごわつき等による違和感が生じたり、コスト高となったりする。また、皺が分散されるものの、その範囲が広いことで、却って皺が際立ち商品価値を低下させる恐れがある。それらを考慮すると、ウエスト周り半周分で1.5cm前後、ウエスト全周で2.5〜3cm前後の伸びを確保したい場合には、実施例8乃至実施例11で示した弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さを7.5〜8.5cmの範囲内に設定するのが好適である。
また、実施例15乃至実施例19は、実施例1乃至実施例14と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差を1、5cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとしたものである。
実施例20は、実施例1乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差を2cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとしたものである。
実施例20は、実施例1乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとするも、離間距離A1と離間距離B1の差を2cm、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとしたものである。
実施例21及び実施例22は、実施例15乃至実施例19と同じく離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとするも、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとしたものである。
実施例23は、実施例20と同じく離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、また、実施例21及び実施例22と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとしたものである。
実施例23は、実施例20と同じく離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、また、実施例21及び実施例22と同じく離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとしたものである。
実施例1乃至実施例14と比較してみると、実施例15乃至実施例23において、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を大きくすることで、伸び長さを大きくできることが分かる。
詳しくは、実施例8と実施例15を比較してみると、両者とも弾性材30の上端部において芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さを7.5cmと同一としていても、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした実施例8では、最大の伸びが2.3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが1.8cmであるが閂止め52が施されることで1.3cm(ウエスト全周で2.6cm)に制限される。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例15では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例8よりも伸び長さが大きくなっている。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例15では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例8よりも伸び長さが大きくなっている。
また、同様に、実施例10と実施例16の比較から、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが8.5cmと同一であっても、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした実施例10では、最大の伸びが2.3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2cmであるが閂止め52が施されることで1.5cm(ウエスト全周で3cm)に制限される。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例16では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例10のときよりも伸び長さが大きくなっている。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例16では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例10のときよりも伸び長さが大きくなっている。
同じく、実施例12と実施例17との比較で、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが9.5cmと同一であっても、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした実施例12では、最大の伸びが2.4cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2cmであるが閂止め52が施されることで1.5cm(ウエスト全周で3)cmに制限される。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例17では、全体の最大の伸びが2.9cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cm)であり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例12のときよりも伸び長さが大きくなっている。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例17では、全体の最大の伸びが2.9cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cm)であり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例12のときよりも伸び長さが大きくなっている。
同様に、実施例14と実施例18及び実施例21との比較で、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが10.5cmと同一であっても、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cm、離間距離A1と離間距離B1の差を0.4cmとした実施例14では、最大の伸びが2.5cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びは2cmであるが閂止め52が施されることで1.5cm(ウエスト全周で3cm)に制限される。
これに対し、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmと同じくするも離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例18、また、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cm、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例21では、最大の伸びが3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例14のときよりも伸び長さが大きくなっている。
これに対し、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmと同じくするも離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例18、また、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cm、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例21では、最大の伸びが3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例14のときよりも伸び長さが大きくなっている。
更に、実施例19、実施例20、実施例22、実施例23の比較では、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが11.5cmと同一であっても、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとした実施例19、並びに、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとした実施例22では、最大の伸びが3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定しときの伸びは2.5cmが閂止め52が施されることで2cm(ウエスト全周で4cm)に制限される。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとした実施例20、並びに、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとした実施例23では、最大の伸びが3.5cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが3cmであり、閂止め52が施されても2.5cm(ウエスト全周で5cm)の伸びを確保でき、実施例19、実施例22のときよりも伸び長さが更に大きくなっている。
これに対し、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.4cmとした実施例20、並びに、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を2cmとし、離間距離A1と離間距離B2の差を0.6cmとした実施例23では、最大の伸びが3.5cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが3cmであり、閂止め52が施されても2.5cm(ウエスト全周で5cm)の伸びを確保でき、実施例19、実施例22のときよりも伸び長さが更に大きくなっている。
なお、実施例18と実施例21の比較において、実施例18では離間距離A1と離間距離B2の差が0.4cmであるのに対し、実施例21では離間距離A1と離間距離B2の差が0.6cmであることで、実施例18よりも実施例21で弾性材30と縫い合わせる際の芯地20の内側へ寄せる(引張る)長さが長くなることになり、弾性材30への縫付けによって生じる張力が大きくなるが、引き伸ばしたときの引き攣りを少なくできる。特に、腰裏布地100の解放部分aの長さbを長くした際に有利となる。
ここで、実施例1乃至実施例14と比較して、実施例15乃至実施例23では、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を大きくすることによって伸び長さを大きくできたが、離間距離A1と離間距離B1の差や離間距離A1と離間距離B2の差が大きいことで芯地20を内側に寄せる引張り長さが長くなり、また、バイアス生地10のいせ込み長さが長くなることで、その分、皺の目立ちが懸念される。
そこで、実施例15乃至実施例23においては、実施例1乃至実施例14のときよりも離間距離B1と離間距離B2の差を大きくして弾性材30に縫付けることにより生じる張力の作用点を大きく分散させている。更には、離間距離B1と離間距離B2の差を大きくしたことで、芯地20の下部に対する上部の伸びによる変化が大きくなることになる。つまり、弾性材30との縫い合わせにより生じる張力の大きさが幅方向の一端から他端に向かって大きく変化することになる。このため、皺が分散され、目立ち難くなる。
なお、本発明者らの実験研究によれば、本実施例において、、離間距離B1と離間距離B2の差が大きくなり過ぎたり、離間距離A1と離間距離B2の差に対する離間距離A1と離間距離B1の差の開きが大きくなり過ぎると、所定の伸びを確保できなかったり、張力のバランスが悪く大きな歪みが生じたりする。そこで、好ましくは、弾性材30の上下の接続長さの差、即ち、離間距離B1と離間距離B2の差が、弾性材30の上部側の接続長さ(離間距離B1)の5〜20%の範囲内にすることで、所定の伸び長さを確保したうえで、皺が少なくて良好な見栄えを確保でき、商品価値が高いものとなる。更に、好ましくは弾性材30の接続長さに対して、見かけ上短くする長さの割合を10〜30%の範囲内とすることで、所定の伸び長さを確保したうえで、皺が少なく良好な見栄えを確保できる。
そして、上記実施例1乃至実施例23においては、離間距離A1と離間距離B2の差が離間距離A1と離間距離B1の差よりも小さいことから、上側ほど芯地20の引き寄せ長さが大きく生地に生じる張力が大きくかかることになり、張力の分布がばらつくことで皺が分散される。
特に、芯地20の垂直な幅方向を、弾性材30の左右一対の斜め幅方向に合わせて縫い合わせた実施例15乃至実施例23では、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5〜2cmと多くしても、皺が少なく、見栄えが良いものであった。
このように、上記実施例1乃至実施例23では、弾性材30の芯地20との縫着位置は、上端から下端に向かって外側に傾く斜め方向とし、離間距離B1よりも離間距離B2の長さを長くして、弾性材30の縫付け両端部間、即ち、縫付位置α2と縫付位置β2の相互間は、下部が幅広で、上部が幅狭となっており、弾性材30の上部の伸びによる変化を下部の伸びによる変化よりも大きくしている。このため、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力の作用点が大きく分散され、生地の撚り、皺等が分散される。特に、弾性材30の上端から下端に向かって外側に傾く斜め幅方向に対して芯地20の垂直な幅方向を合わせて縫い付けたことから、弾性材30に縫付ける際に芯地20の下部よりも上部で見かけ上長さをより短くして縫付けたことになり、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力の大きさが更に分散されている。よって、生地の撚り、皺等が比較例と比較してより少なくなっている。したがって、本実施例のスーツ用ズボン1は、腰裏で皺が目立つことなく、見栄えに優れて、商品価値が極めて高いものとなっている。
そして、上記実施例1乃至実施例23では、弾性材30の長さ方向に沿う上端の一箇所のみにて縫着線γでバイアス生地10と縫い合わされていることから、腰裏の意匠面側からみて弾性材30の存在が見た目に分かり難い。特に、本実施例によれば、腰裏布地100をウエストベルト部に縫付けるその縫着線41の延長位置で、バイアス生地10と弾性材30の縫付けを縫着線γにて行い、直線状に連続させていることで、意匠面側からみて通常のパンツの腰裏と見た目が全く変わらないものとなっており、デザイン性に優れる。
また、このようにバイアス生地10の内側全周に芯地20が取付けられていることで、補強されて張りがあり、見栄えや着心地が良い。
また、このようにバイアス生地10の内側全周に芯地20が取付けられていることで、補強されて張りがあり、見栄えや着心地が良い。
なお、本発明者の実験研究によれば上記実施例1乃至実施例23の条件において、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が0.5cm未満であると1cm以上(ウエスト全周で2cm以上)の最大伸びを確保できず、離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が3cmを越えると、皺が多くなり見栄えが低下する。離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を0.5cm以上とすることで1cm以上(ウエスト全周で2cm以上)の最大伸びを確保でき、更に離間距離A1と離間距離B1の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cm〜3cmの範囲内とすることで、1.5cm以上(ウエスト全周で3cm以上)の最大伸びを確保でき、かつ、皺も少なくて見栄えが良く好適なものとなる。
また、上記実施例1乃至実施例23のスーツ用ズボン1によれば、バイアス生地10を使用し、その内側に配設された芯地20を部分的に切り欠き、その切り欠いた特定の範囲に弾性材30を接続して所定の伸びを確保する構成であることから、従来のパワーネットやゴム生地等の伸縮性を有する生地腰裏の全周に亘って取り付けたり、腰裏の裏側布地を分離して弾性材で連結したり場合よりもゴムやパワーネット生地等の使用量が少なくて済み、材料コストを下げることができる。
なお、本発明を実施する場合には、弾性材30の接続長さや、弾性材30の上部と下部の伸び長さの差異等は、腰裏布地100全体の所望とする引き伸ばし長さに対応し、弾性材30の弾性力、芯地20やバイアス生地10の伸縮力等に応じて適宜設計される。
更に、本発明を実施する場合には、信頼性向上のため、弾性材30と芯地20の縫着線α、βや、弾性材30とバイアス生地10との縫着線γに対して、補強的にそれらの近傍に別途縫付けを行ってもよい。
また、閂止め51,52の幅方向の長さは2〜10mmあれば十分な補強が可能である。
更に、本発明を実施する場合には、信頼性向上のため、弾性材30と芯地20の縫着線α、βや、弾性材30とバイアス生地10との縫着線γに対して、補強的にそれらの近傍に別途縫付けを行ってもよい。
また、閂止め51,52の幅方向の長さは2〜10mmあれば十分な補強が可能である。
また、上記実施例1乃至実施例23では、腰裏布地100の解放部分aの長さb=4cmとしたが、本発明を実施する場合には、それに限定されず、上述したように所望とするウエストの伸び長さやゴムテープ6との弾性力の関係に応じて設計される。ここで、腰裏布地100の解放部分aの長さbが長すぎると、即ち、腰裏布地100の長手方向において延出部30Bに対して縫付けを行わない部分が長いと、腰裏布地100と延出部30Bの開口が目立ち商品価値や美観が低下したり、場合によっては興味本位で開口から内部構造を引き出して壊したりしてしまう恐れがある。また、着用時に腰裏布地100の開口側が捲れたり長期の使用によって腰裏布地100の開口側が伸びて美観が大きく低下したりするといった不具合を生じさせることもある。一方、腰裏布地100の解放部分aの長さbが短すぎると所定伸び長さを確保できない。上記実施例の条件では、2cm〜5cmの範囲内とすると、ウエスト全周で4cm以上の伸びを確保でき、腰裏布地100と延出部3Bの間の開口を目立たせることなく見栄えが良好である。
このように、上記実施例1乃至実施例23では、芯地20の切り欠き側の左右両端部に縫い付け、切り欠いた特定範囲を接続する弾性材30において、芯地20への縫着位置を左右一対で離間距離を変化させた斜めとすることによって、弾性材30の接続長さが、下部が幅広で、上部が幅狭となり、その下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくなっていることから、弾性材30の接続によって生地に生じる張力の作用点が分散されており、皺が分散されている。
特に、上記実施例では、弾性材30の左右両端部の斜め幅方向に重ねて縫い合わせる芯地20の縫着位置を垂直な幅方向とすることによって、芯地20と弾性材30を縫い合わせた際に、芯地20において下部よりも上部での引張り長さが大きくなり、上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きいものとなっていて、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力の大きさが分散されており、より皺が分散されやすくなっている。
更に、上記実施例では、弾性材30との縫い合わせで芯地20については切り欠き長さを短くする方向に寄せられた(引張られた)ことによって、また、バイアス生地10についてはいせ込んで弾性材30と縫い合わせたことによって、更には、腰裏布地100において芯地20の切り欠いた特定の範囲を接続した弾性材30が、収容部3Aから延出部3Bが延出する位置に配設され、弾性材30が芯地20及びバイアス生地10に接続する位置にある腰裏布地100の解放部分aは延出部3Bに縫付けられておらず、それ以外の部分で収容部3A及び延出部3Bに一体に縫付けられていることで、ウエストに引張り力がかかった際に滑らかに伸び、引き攣りが少ない。
そして、このように切り欠き長さを短くする方向に引張られて芯地20が弾性材30と縫い合わされていても、上述したように芯地20を部分的に切り欠き、その切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材30が上部の伸びを下部の伸びよりも大きくして縫着していることから、生地に生じる張力の分散性が高く、皺が分散されて少なくなっている。
なお、上記実施例では、芯地20の垂直な縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の垂直な縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせる際に、芯地20の切断によって切り欠いた長手方向の長さを短くする方向に芯地20を寄せて(引張って)弾性材30の両端部に縫い付けを行ったが、本発明を実施する場合には、弾性材30をその長手方向に所定長さ引き伸ばした状態で、弾性材30の左右両端部の斜め方向を芯地20の垂直方向に対して縫い合わせてもよい。その縫い合わせ後には、弾性材30が収縮することでそれに追従して芯地20の切り欠いた長手方向の長さが短くなる方向に芯地20が寄せられた(引張られた)状態となるから、引張り力がかかった際の引き攣りが少ないものとなる。
また、上記実施例では、弾性材30の左右両端部の斜め方向に重ねて縫い合わせる芯地20の縫着位置を垂直としたことによって、芯地20の切り欠いた長手方向の長さが短くなる方向に下部側よりも上部側で多く芯地20が寄せられ(引張られ)、芯地20を弾性材30と縫付けたときの引っ張り力が下部よりも上部で大きくなり、芯地20の切り欠きは、上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きいものとなっているが、本発明を実施する場合には、芯地20の切り欠いたその両端部に対して弾性材30の長手方向を下部より上部で大きく引き伸ばした状態で縫着することによっても、芯地20の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きなものとなる。
更に、上記実施例では、バイアス生地10は弾性材30の上端部の一箇所のみへの縫付けであり、それ以外の部分では、弾性材30がバイアス生地10に縫付けられていないことで、皺の発生も少なく分散されて目立たない。
そして、このようにバイアス生地10が弾性材30の上端部に縫付けられていることで、腰裏布地100を延出部3Bに縫着しない解放部分aにおいて上から見た際にバイアス生地10と弾性材30との間で開口(隙間)がなく、見た目が良い。更に、弾性材30がバイアス生地10の内側、かつ、上端部の一端部のみで縫付けられていることで、腰裏の意匠面側からみて弾性材30の存在が見た目に分かり難い。特に、図3乃至図7で示したように、弾性材30をバイアス生地10に縫付けたときの縫着線γを、腰裏布地100を収容部3A及び延出部3Bに縫着したとき縫着線41と直線状に連続させていることで、弾性材30の存在が一層分かり難く、意匠面側からみて一般的なボトムスの腰裏と見た目が全く変わらないものとなり、腰裏の美観が向上する。
そして、このようにバイアス生地10が弾性材30の上端部に縫付けられていることで、腰裏布地100を延出部3Bに縫着しない解放部分aにおいて上から見た際にバイアス生地10と弾性材30との間で開口(隙間)がなく、見た目が良い。更に、弾性材30がバイアス生地10の内側、かつ、上端部の一端部のみで縫付けられていることで、腰裏の意匠面側からみて弾性材30の存在が見た目に分かり難い。特に、図3乃至図7で示したように、弾性材30をバイアス生地10に縫付けたときの縫着線γを、腰裏布地100を収容部3A及び延出部3Bに縫着したとき縫着線41と直線状に連続させていることで、弾性材30の存在が一層分かり難く、意匠面側からみて一般的なボトムスの腰裏と見た目が全く変わらないものとなり、腰裏の美観が向上する。
したがって、上記実施例のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1は、皺が少なくて目立つことがなく、意匠面側の見栄えが極めて良いものである。そして、このように皺が少ないことで、着用した際にウエスト周りに違和感が生じることもなく、快適である。
[実施の形態2]
次に本発明の実施の形態2に係る腰裏布地付きウエスト周り伸縮自在ボトムズについて説明する。
上記実施の形態1では、弾性材30の左右両端部の斜め幅方向に対し、芯地20の垂直な幅方向を縫付けたのに対し、実施の形態2では、芯地20の斜め幅方向を縫付けた点で実施の形態1と相違する。その他については、上記実施の形態1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略し、上記実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
次に本発明の実施の形態2に係る腰裏布地付きウエスト周り伸縮自在ボトムズについて説明する。
上記実施の形態1では、弾性材30の左右両端部の斜め幅方向に対し、芯地20の垂直な幅方向を縫付けたのに対し、実施の形態2では、芯地20の斜め幅方向を縫付けた点で実施の形態1と相違する。その他については、上記実施の形態1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略し、上記実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
本実施の形態2の腰裏布地200においては、弾性材30の左右両端部の上側から下側に向かって外側に傾く斜め方向に対して芯地20の切り欠いた開口側左右両端部の上側から下側に向かって外側に傾く斜め方向が縫い合わされる。
図11及び図12を参照して説明すると、図11(a)において、弾性材30が縫付けられていない状態の芯地20を示して、弾性材30と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置α1及び縫着位置β1で記し、また、弾性材30において、芯地20と縫い合わされるその縫い合わせ位置を縫着位置α2及び縫着位置β2で記した。なお、それらの縫い合わせの位置決めの目安を縫着位置α1、縫着位置β1間の中心位置及び弾性材30が縫付けられる前の縫着位置α2、縫着位置β2間の中心位置として中心線cで記した。
図11(a)に示すように、芯地20においては、縫着線α1と縫着位置β1間が一部台形状に切り欠かれて開口部21が形成されている。このとき弾性材30が縫付けられていないときでの芯地20を切断した長手方向の切断長さ、即ち、開口部21の長手方向の長さ距離を縫着位置α1及び縫着位置β1に対応するC2、C3とした。なお、C2は、縫着位置α1及び縫着位置β1の上端に対応する位置における長手方向の切断長さであり、C3は、縫着位置α1及び縫着位置β1の下端に対応する位置における長手方向の切り欠き長さである。
特に、本実施の形態2では、芯地20において、芯地20において、開口部21の左右両側の弾性材30との縫い合わせ位置を示す左右一対の縫着位置α1及び縫着位置β1を上端から下端に向かって外側に傾く斜めとしてそれらの離間距離を変化させている。即ち、縫着位置α1上端と縫着位置β1の上端の離間距離A2よりも縫着位置α1下端と縫着位置β1下端の離間距離A3の方が長くなっている。同様に、弾性材30においても、芯地20との縫い合わせ位置を示す左右一対の縫着位置α2及び縫着位置β2は上端から下端に向かって外側に傾き縫着位置α1及び縫着位置β1と同一角度の斜めとなっておりそれらの離間距離を変化させている。即ち、縫着位置α2上端と縫着位置β2の上端の離間距離B1よりも縫着位置α2下端と縫着位置β2下端の離間距離B2の方が長くなっている。なお、この離間距離B1,B2が、伸びていない通常状態(収縮状態)にある弾性材30の芯地20への接続長さとされる。
そして、本実施の形態2においては、弾性材30の斜めの縫着位置α2と縫着位置β2の上端の離間距離B1よりも芯地20の斜めの縫着位置α1と縫着位置β1の上端の離間距離A2の方が長く設定されており、また、弾性材30の斜めの縫着位置α2と縫着位置β2の下端の離間距離B2よりも、芯地20の斜めの縫着位置α1と縫着位置β1の離間距離A3の方が長く設定されている。
このため、芯地20の斜めの縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の斜めの縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせたときに、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1上端の離間距離A2と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2上端の離間距離B1との差の分だけ、また、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1下端の離間距離A3と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2下端の離間距離B2との差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1,C2が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上、芯地20の長手方向の長さが短くされていることになる。
このため、芯地20の斜めの縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の斜めの縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせたときに、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1上端の離間距離A2と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2上端の離間距離B1との差の分だけ、また、芯地20の縫着位置α1、縫着位置β1下端の離間距離A3と弾性材30の縫着位置α2、縫着位置β2下端の離間距離B2との差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1,C2が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上、芯地20の長手方向の長さが短くされていることになる。
図11(b)において、このようにして芯地20と弾性材30とを縫い合わせた状態が示してある。弾性材30が縫い合わされていない状態での芯地20において弾性材30との縫い合わせ位置を示した斜めの縫着位置α1及び縫着位置β1に対して、弾性材30において芯地20との縫い合わせ位置を示した斜めの縫着位置α2及び縫着位置β2を重ね、両者を縫い合わせたときのその縫い合わせ位置を図11(b)においては、縫着線α及び縫着線βで示している。
芯地20と弾性材30とが縫い合わされた状態では、上述したように、芯地20において切断された長手方向の長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)て弾性材30と縫い合わされていることで、図11(b)において、開口部21の長手方向の長さは、弾性材30が縫付けられる前よりも短くなり、見かけ上、切断によって形成された開口部21の面積は縮小している。
そして、本実施の形態2においても、このように縫着線α、βにて、弾性材30の左右両端部の上端から下端に向かって外側に傾く斜め方向に対して芯地20が縫い合わされていることで、芯地20と縫い合わせた弾性材30の縫着線αと縫着線βの相互間が下部が幅広で上部が幅狭となっている。このため、弾性材30の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きくなる。
そして、本実施の形態2においても、このように縫着線α、βにて、弾性材30の左右両端部の上端から下端に向かって外側に傾く斜め方向に対して芯地20が縫い合わされていることで、芯地20と縫い合わせた弾性材30の縫着線αと縫着線βの相互間が下部が幅広で上部が幅狭となっている。このため、弾性材30の上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きくなる。
なお、本実施の形態2においても、このように芯地20の上部を部分的に切り欠いて、その切り欠いた長手方向の両側に対して両端部を縫い合わせた弾性材30の上端側でバイアス生地10と縫着線γにて縫い合わされる。
つまり、弾性材30の長手方向に連続する縫着位置γ2の長さ距離Eよりも、バイアス生地10の長手方向に連続する縫着位置γ1の長さ距離Dの方が長く設定されて縫製のピッチ幅に差を設けており、バイアス生地10及び弾性材30を中心線bで合わせて、弾性材30の長手方向に連続する縫着位置γ2に対してバイアス生地10の縫着位置γ2の間をいせ込むことによって(細かくダブらせて)、バイアス生地10の見かけ上長さを短くして、バイアス生地10と弾性材30とが縫い合わされる。
つまり、弾性材30の長手方向に連続する縫着位置γ2の長さ距離Eよりも、バイアス生地10の長手方向に連続する縫着位置γ1の長さ距離Dの方が長く設定されて縫製のピッチ幅に差を設けており、バイアス生地10及び弾性材30を中心線bで合わせて、弾性材30の長手方向に連続する縫着位置γ2に対してバイアス生地10の縫着位置γ2の間をいせ込むことによって(細かくダブらせて)、バイアス生地10の見かけ上長さを短くして、バイアス生地10と弾性材30とが縫い合わされる。
本実施の形態2では、このように弾性材30と芯地20の縫付け方向を同一の斜め方向にしていることで、熟練の有無に関わらず、正確な縫製が容易であり、作業効率が良くなる。
[実施例]
ここで、本実施の形態2についても、具体的な実施例を説明する。
本実施の形態2にかかる実施例24乃至実施例32においては、バイアス生地10及び意匠生地12の内側で縫着線14にて縫い合わされた芯地20の解放されている上部において、図11(a)に示すように、縫着線14より上側の長手方向の一部を台形状に切り欠いて(裁断により切り抜いて)、所定寸法の台形状の開口部21を形成した。
ここで、本実施の形態2についても、具体的な実施例を説明する。
本実施の形態2にかかる実施例24乃至実施例32においては、バイアス生地10及び意匠生地12の内側で縫着線14にて縫い合わされた芯地20の解放されている上部において、図11(a)に示すように、縫着線14より上側の長手方向の一部を台形状に切り欠いて(裁断により切り抜いて)、所定寸法の台形状の開口部21を形成した。
なお、図11(a)においては、縫着位置α1及び縫着位置β1の上端に対応する切断によって切り欠いた長手方向の長さ距離をC2とし、縫着位置α1及び縫着位置β1の下端に対応する切断によって切り欠いた長手方向の長さ距離をC3としている。即ち、C2、C3は開口部21における長手方向の開口相互間の長さ距離を示している。なお、切り欠きは、所定の縫代f1を確保できれば、台形状に限定されず、矩形状等にすることも可能である。
そして、本実施の形態2の実施例24乃至実施例32では、弾性材30において芯地20と縫い合わせる位置(縫着位置α2,β2)を上端から下端に向かって外側に傾く斜めとし、一方で、芯地20において弾性材30と縫い合わせる位置(縫着位置α1,β1)も弾性材30の縫着位置α2,β2と同一角度で傾く斜めとしており、芯地20の斜めの縫着位置α1に対して弾性材30の斜めの縫着位置α2を重ね、また、芯地20の斜めの縫着位置β1に対して弾性材30の斜めの縫着位置β2を重ね、芯地20と弾性材30とを縫い合わせた。
このとき、上述したように、弾性材30の縫着位置α2と縫着位置β2の上端の離間距離B1よりも芯地20の縫着位置α1と縫着位置β1の上端の離間距離A2の方が長く設定されており、また、弾性材30の縫着位置α2と縫着位置β2の下端の離間距離B2よりも芯地20の縫着位置α1と縫着位置β1の下端の離間距離A3の方が長く設定されていることから、それらの差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされて縫着されたことになる。
このようにして、芯地20の切り欠いた特定の範囲を弾性材30によって接続した。
このとき、上述したように、弾性材30の縫着位置α2と縫着位置β2の上端の離間距離B1よりも芯地20の縫着位置α1と縫着位置β1の上端の離間距離A2の方が長く設定されており、また、弾性材30の縫着位置α2と縫着位置β2の下端の離間距離B2よりも芯地20の縫着位置α1と縫着位置β1の下端の離間距離A3の方が長く設定されていることから、それらの差の分だけ、芯地20の長手方向の切断長さ距離C1が短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上芯地20の長手方向の長さが短くされて縫着されたことになる。
このようにして、芯地20の切り欠いた特定の範囲を弾性材30によって接続した。
上記実施の形態1のときと同様、表2に示した接続長さで弾性材30をバイアス生地10と芯地20に縫付けて作製した実施例24乃至実施例32について説明する。また、弾性材30の接続長さを変化させて腰裏布地200の縫製を行い、伸び長さ、皺や引き攣りの状態を調べた結果を表2に示す。なお、生地、弾性材の種類や、測定条件は上記の形態1と同一としている。
図11(a)を参照して説明すると、弾性材30が縫付けられていない状態の芯地20において、切断によって台形状に切り欠かれたて形成された開口部21を跨ぎ両側で縫代f1の長さ分を取った位置の一対の斜めの直線を、弾性材30が縫付けられる縫着位置α1及び縫着位置β1としたとき、表2において、A2は、弾性材30が縫付けられていない状態で示した芯地20での弾性材30との縫着位置α1及び縫着位置β1の上端の離間距離(相互間の距離長さ)であり、A3は、縫着位置α1及び縫着位置β1の下端の離間距離(相互間の距離長さ)である。また、f1は、縫代f1の長さであり、ここでは、0.5cm(芯地20において開口両側で1cmの縫い代となる)で統一してある。
更に、C2とC3は、切り欠かれた長手方向の長さ距離(切り欠いて形成された開口部21の長手方向の長さ距離)を示し、C2は、縫着位置α1及び縫着位置β1の上端に対応する位置における長手方向の切り欠き長さであり、C3は、縫着位置α1及び縫着位置β1の下端に対応する位置における長手方向の切り欠き長さである。
更に、C2とC3は、切り欠かれた長手方向の長さ距離(切り欠いて形成された開口部21の長手方向の長さ距離)を示し、C2は、縫着位置α1及び縫着位置β1の上端に対応する位置における長手方向の切り欠き長さであり、C3は、縫着位置α1及び縫着位置β1の下端に対応する位置における長手方向の切り欠き長さである。
更に、弾性材30の左右両端部において一対の斜め幅方向の直線を芯地20に縫付ける縫着位置を示す縫着位置α2及び縫着位置β2としたとき、表2において、B1は、弾性材30の縫着位置α1の上端及び縫着位置β1の上端の離間距離(相互間の距離長さ)であり、B2は、縫着位置α1の下端及び縫着位置β1の下端の離間距離(相互間の距離長さ)である。この離間距離B1が、芯地20に対する弾性材30上端の接続長さとなり、離間距離B2が芯地20に対する弾性材30下端の接続長さとなる。
また、図12を参照して説明すると、弾性材30が縫付けられる前の状態のバイアス生地10において、芯地20の開口部の長さ距離C2と同一の長さ距離Dだけ折り込んだ部分にて長手方向に沿う直線を弾性材30上端部の長手方向が縫付けられる縫着位置γ1としたとき、Dは、弾性材30が縫付けられていない状態で示したバイアス生地10での縫着位置γ1の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
更に、弾性材30の上部の長手方向に沿う直線をバイアス生地10の縫着位置γ1部分と縫い合わされる縫着位置γ2としたとき、Eは、バイアス生地10がいせ込んで縫付けられる弾性材30の縫着位置γ2の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
更に、弾性材30の上部の長手方向に沿う直線をバイアス生地10の縫着位置γ1部分と縫い合わされる縫着位置γ2としたとき、Eは、バイアス生地10がいせ込んで縫付けられる弾性材30の縫着位置γ2の長手方向の距離長さ(ピッチ幅)である。
なお、実施例24乃至実施例32でも、弾性材30の縫着位置γ2に対してバイアス生地10の縫着位置γ1をいせ込んで縫い合わせるときに、強度の観点から、弾性材30及び芯地20の縫着線α、縫着線βと、弾性材30及びバイアス生地10の縫着線γとの間においても、長手方向に延びる縫着線γ3にてバイアス生地10と芯地20の両方に対して同時に弾性材3を縫い合わせている。この縫着線γ3の長さは0.5cmで統一してあり、両側で1cmとしている。
実施例24乃至実施例32ではB1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmとなっており、Eの長さ距離+1cmがバイアス生地10に対する弾性材30の接続長さとなる。
実施例24乃至実施例32ではB1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmとなっており、Eの長さ距離+1cmがバイアス生地10に対する弾性材30の接続長さとなる。
ここで、実施例24乃至実施例27の相互間は、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるものの、離間距離A2と離間距離B1の差を1cm、離間距離A3と離間距離B2の差を1cm、離間距離B1と離間距離B2の差を2cmで統一した。更に、図11(a)に示した弾性材30におけるバイアス生地10との縫着位置γ2の長さ距離Eと、弾性材30と縫い合わされていない状態で示したバイアス生地10での弾性材30との縫着位置γ1の長さ距離Dとの差を1cmとし、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmに統一した。
また、実施例28乃至実施例32の相互間についても、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるものの、実施例24乃至実施例27と同じく離間距離B1と離間距離B2の差を2cmで統一した。また、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)については全て1.5cmで統一し、実施例24乃至実施例27とは異なっている。
また、実施例28乃至実施例32の相互間についても、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが異なるものの、実施例24乃至実施例27と同じく離間距離B1と離間距離B2の差を2cmで統一した。また、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)については全て1.5cmで統一し、実施例24乃至実施例27とは異なっている。
代表的に、実施例24を挙げて説明すると、実施例24は、弾性材30において上端の長手方向の離間距離B1が8.5cm、下端の長手方向の離間距離B2が10.5cmで上端の離間距離B1と下端の離間距離B2の差が2cmである左右一対の斜め幅方向位置(図11(a)における縫着位置α2、β2)に対して、弾性材30が縫い合わされていない状態で示した芯地20での開口側両端部の上側の離間距離A2が9.5cm、下側の離間距離A3が11.5cmである左右一対の斜め幅方向位置(図11(a)における縫着位置α1、β1)を縫い合わせたものである。
ここで、実施例24では、図11(a)に示した弾性材30と縫い合わされていない状態で示した芯地20での弾性材30との縫着位置α1及び縫着位置β1の離間距離A2,A3と、弾性材30における芯地20との縫着位置α2及び縫着位置β2の離間距離B1,B2との差が、上部において離間距離A2と離間距離B1の差=1cm、下端において離間距離A3と離間距離B2の差=1cmであり、それらの差の分だけ、芯地20において、切り欠きの長手方向の長さ距離C2、C3が本来の切断した長さ距離よりも短くなる方向に生地が寄せられ(引張られ)、見かけ上、長手方向の長さが短くされて、弾性材30と芯地20が縫い合わされている。
なお、表2の実施例24において、弾性材30が縫いつけられる前の芯地20の開口部21の長手方向の長さ距離C2は8.5cm、C3は10.5cmである。弾性材30が縫いつけられていない状態の芯地20のC2=8.5cm部分に対向するバイアス生地10のD=8.5cm部分がいせ込まれて弾性材30と縫い合わされる。
実施例24では、芯地20の切り欠き部分を接続した弾性材30において開口部21から表出している部分である長さ距離Eが7.5cmの長手方向に沿った位置(図11(a)における縫着位置γ2)に対して、弾性材30が縫い合わされていない状態で示した芯地20での長さ距離Dが8.5cmである長手方向に沿った位置(図11(a)における縫着位置γ1)を縫い合わせることから、それら長さ距離Eと長さ距離Dの差が1cmあり、その差の分だけバイアス生地10が弾性材30にいせ込まれ、即ち、いせ込み量1cmとして両者が縫い合わされる。
つまり、実施例24では、弾性材30の長さ距離Eが7.5cmの部分にて、バイアス生地10における長手方向の長さ距離Dが8.5cmである部分が1cmいせ込まれ(細かくダブらせて)縫着されている。
つまり、実施例24では、弾性材30の長さ距離Eが7.5cmの部分にて、バイアス生地10における長手方向の長さ距離Dが8.5cmである部分が1cmいせ込まれ(細かくダブらせて)縫着されている。
このように表2に示した所定寸法で弾性材30をバイアス生地10と芯地20に縫付けて実施例24乃至実施例32の腰裏布地200を作製し、上記実施の形態1のときと同様、
各腰裏布地200を上述したようにスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃に縫付けたウエストベルト部3の腰裏に縫付けたときのウエスト半周分の伸び長さを測定し、また、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常状態での腰裏の意匠面側の皺の様子や、最大限に引張ったときの引き攣りの様子を目視で確認した。
各腰裏布地200を上述したようにスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃に縫付けたウエストベルト部3の腰裏に縫付けたときのウエスト半周分の伸び長さを測定し、また、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常状態での腰裏の意匠面側の皺の様子や、最大限に引張ったときの引き攣りの様子を目視で確認した。
表2において、最大伸び長さは、実施例24乃至実施例32の腰裏布地200をスーツ用ズボン1の半周分の右または左身頃に対応したウエストベルト部3に縫付ける際に、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10への接続長さ(=B1の長さ距離=Eの長さ距離+1cm)分だけは縫付けを行わず解放し、それ以外において縫着線γの長手方向の延長線上で縫着線41にて腰裏布地200をウエストベルト部3に縫付けて半周分のウエストベルト部3を長手方向に最大限に引張ったときの伸び長さを測定したものである。即ち、スーツ用ズボン1においてウエストベルト部3に対して腰裏布地200の縫付けが行われない解放部分aの長さb=B1の長さ距離=Eの長さ距離+1cmの長さ距離としたときの伸び長さである。
また、腰裏布地200の解放部分aの長さbを4cmに規定し、弾性材30上端の接続長さB1部分のうちE部分において4cmだけは延出部30Bに対して縫付けを行わない部分(解放部分a)とし、それ以外の部分は延出部30Bに対して縫着線41,42,45にて縫付けを行って、半周分のウエストベルト部3を長手方向に最大限に引張ったときの伸び長さも測定した。この伸び長さを、表2において、ウエストベルト部3に対して腰裏布地200の縫付けが行われない解放部分aの長さb=4cmに設定したときの伸びと記した。
更に、腰裏布地200上端の伸縮自在な部分の長さb=4cmに既定し、かつ、腰裏布地200を延出部3Bに縫付けた部分aと縫付けていない部分との境界部の縫い止まり部において斜め幅方向に閂止め52(図5参照)を施し、同様に、ウエスト長手方向(左右方向)に最大限に引っ張ったときの伸び長さを測定した。
表2に示したように、実施例24乃至実施例27の比較、実施例28乃至実施例32の比較から、離間距離A1と離間距離B2の差、離間距離A1と離間距離B1の差、離間距離B1と離間距離B2の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)をそれぞれ統一している場合、弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、最大の伸び長さ及び腰裏布地200の解放部分aの長さb=4cmに設定したときの伸び長さが大きく、また、このときの引き攣りも少ないものであった。更に、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない通常の状態において、弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺も少なくなっていた。
このように弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺が少なくなるのは、弾性材30の接続長さに対しての芯地20やバイアス生地10の見かけ上短くする長さの割合が小さいことで、皺が集中することなく広範囲に分散されるためである。また、伸長した際の引き攣りが少なくなるのは、弾性材30の接続長さが長いものほど、それだけ伸び量を大きくできるためである。
このように弾性材30のバイアス生地10及び芯地20に対する接続長さが長いものほど、皺が少なくなるのは、弾性材30の接続長さに対しての芯地20やバイアス生地10の見かけ上短くする長さの割合が小さいことで、皺が集中することなく広範囲に分散されるためである。また、伸長した際の引き攣りが少なくなるのは、弾性材30の接続長さが長いものほど、それだけ伸び量を大きくできるためである。
実施例24から、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10への接続長さが少なくとも8.5cm以上あれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.3cmの最大伸びを確保できることがわかる。全周分のウエストベルト部3に対応させた際には、4.6cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例25から、弾性材30の接続長さが少なくとも9.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.4cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4.8cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例26及び実施例27から、弾性材30の接続長さが少なくとも10.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.5cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では5cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例25から、弾性材30の接続長さが少なくとも9.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.4cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4.8cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例26及び実施例27から、弾性材30の接続長さが少なくとも10.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2.5cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では5cmの最大伸びを確保できることになる。
そして、腰裏布地200をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、弾性材30が配設されている部分で腰裏布地200を縫着しない部分、即ち、腰裏布地200の解放部分aの長さbを4cmに設定した場合では、実施例24乃至実施例27から、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上であれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
更に、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合も、実施例24乃至実施例27から、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上であれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1cmであっても、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では3cmの伸びを確保できることになる。
つまり、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10いせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした場合では、腰裏布地100をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合でも、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上あれば、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
つまり、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10いせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした場合では、腰裏布地100をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合でも、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上あれば、1.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
また、実施例28乃至実施例32については、実施例24乃至実施例27と同じく離間距離B1と離間距離B2の差を2cmとするも、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)をそれぞれ1.5cmとしたものである。
実施例28及び実施例29から、弾性材30の芯地20及びバイアス生地10への接続長さが少なくとも7.5cm以上あれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、2.8cmの最大伸びを確保できることがわかる。全周分のウエストベルト部3に対応させた際には、5.6cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例30から、弾性材30の接続長さが少なくとも9.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、2.9cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では5.8cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例31及び実施例32から、弾性材30の接続長さが少なくとも10.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では6cmの最大伸びを確保できることになる。
また、実施例30から、弾性材30の接続長さが少なくとも9.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、2.9cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では5.8cmの最大伸びを確保できることになる。
更に、実施例31及び実施例32から、弾性材30の接続長さが少なくとも10.5cm以上あれば、離間距離A1と離間距離B2の差及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、3cmの最大伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では6cmの最大伸びを確保できることになる。
そして、腰裏布地200をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、弾性材30が配設されている部分で腰裏布地200を縫着しない部分、即ち、腰裏布地200の解放部分aの長さbを4cmに設定した場合では、実施例28乃至実施例32から、弾性材30の接続長さが少なくとも7.5cm以上であれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、2.5cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では5cmの伸びを確保できることになる。
更に、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合も、実施例28乃至実施例32から、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上であれば、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)が1.5cmであっても、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
つまり、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10いせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした場合では、腰裏布地100をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、腰裏布地200の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合でも、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上あれば、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
つまり、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10いせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした場合では、腰裏布地100をウエストベルト部3の裏側に縫付けて取り付ける際に、腰裏布地200の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜め幅方向に閂止め52を縫付けた場合でも、弾性材30の接続長さが少なくとも8.5cm以上あれば、2cmの伸びを確保できることがわかる。ウエスト全周では4cmの伸びを確保できることになる。
表2において実施例24乃至実施例27を見ると、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした場合において、ウエストベルト部3に縫着を行わない腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜めの閂止め52を縫付けたとき、ウエスト周り半周分で1.5cmの伸びを確保したい場合、即ち、所望とするウエスト周り全周の伸び長さを3cmとする場合には、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが8.5cmで足りるが、上述したように、弾性材30の接続長さが長いほど皺や伸ばしたときの引き攣りが少なくなる。
また、実施例28乃至実施例32を見ると、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした場合において、ウエストベルト部3に縫着を行わない腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜めの閂止め52を縫付けたとき、ウエスト周り半周分で2cmの伸びを確保したい場合、即ち、所望とするウエスト周り全周の伸び長さを4cmとする場合には、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが7.5cmで足りるが、弾性材30の接続長さが長いほど皺や伸ばしたときの引き攣りが少なくなる。
しかし、弾性材30の接続長さがあまりに長すぎると、着用した際にごわつき等による違和感が生じたり、コスト高となったりする。また、皺が分散されるものの、その範囲が広いことで、却って皺が際立ち商品価値を低下させる恐れがある。それらを考慮すると、ウエスト周り半周分で2cm前後、ウエスト全周で4cm前後の伸びを確保したい場合には、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さを7.5〜8.5cmの範囲内に設定するのが好適である。
また、実施例28乃至実施例32を見ると、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした場合において、ウエストベルト部3に縫着を行わない腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定し、かつ、斜めの閂止め52を縫付けたとき、ウエスト周り半周分で2cmの伸びを確保したい場合、即ち、所望とするウエスト周り全周の伸び長さを4cmとする場合には、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが7.5cmで足りるが、弾性材30の接続長さが長いほど皺や伸ばしたときの引き攣りが少なくなる。
しかし、弾性材30の接続長さがあまりに長すぎると、着用した際にごわつき等による違和感が生じたり、コスト高となったりする。また、皺が分散されるものの、その範囲が広いことで、却って皺が際立ち商品価値を低下させる恐れがある。それらを考慮すると、ウエスト周り半周分で2cm前後、ウエスト全周で4cm前後の伸びを確保したい場合には、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さを7.5〜8.5cmの範囲内に設定するのが好適である。
ここで、実施例24乃至実施例27と実施例28乃至実施例32を比較してみると、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B2の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を大きくすることで、伸び長さを大きくできることが分かる。
詳しくは、実施例24と実施例29を比較してみると、両者とも弾性材30の上端部において芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さを8.5cmと同一としていても、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした実施例24では、最大の伸びが2.3cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2cmであるが閂止め52が施されることで1.5cm(ウエスト全周で3cm)に制限される。
これに対し、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例29では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例24よりも伸び長さが大きくなっている。
これに対し、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、バイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例29では、最大の伸びが2.8cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例24よりも伸び長さが大きくなっている。
また、同様に、実施例25と実施例30の比較から、弾性材30の上端部の芯地20及びバイアス生地10に対する接続長さが9.5cmと同一であっても、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1cmとした実施例225では、最大の伸びが2.4cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2cmであるが閂止め52が施されることで1.5cm(ウエスト全周で3cm)に制限される。これに対し、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を1.5cmとした実施例30では、最大の伸びが2.9cmであり、腰裏布地100の解放部分aの長さbを4cmに設定したときの伸びが2.5cmであり、閂止め52が施されても2cm(ウエスト全周で4cm)の伸びを確保でき、実施例25のときよりも伸び長さが大きくなっている。
実施例26と実施例31の比較、実施例27と実施例32の比較でも同様である。
実施例26と実施例31の比較、実施例27と実施例32の比較でも同様である。
ところで、実施例28乃至実施例32について、実施例24乃至実施例27と比較して、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1の差、及びバイアス生地10のいせ込み量(いせ込み長さ)を大きくすることによって伸び長さを大きくできたが、離間距離A2と離間距離B1の差、離間距離A3と離間距離B1が大きいことで芯地20を内側に寄せる引張り長さが長くなり、また、バイアス生地10のいせ込み長さが長くなることで、その分、皺の目立ちが懸念される。
しかし、実施例24乃至実施例32においては、離間距離B1と離間距離B2の差を設けていることで、弾性材30に縫付けることにより生じる張力の作用点を分散させている。このため、皺が分散され、目立ち難くなる。
このように本実施の形態2の腰裏布地200においても、芯地20の切断した切り欠き長さを短くする方向に芯地20が寄せられ(引張られ)て、芯地20と弾性材30が縫い合わされ、また、バイアス生地10においてもいせ込むことによって弾性材30と縫い合されている。したがって、長手方向に引張り力が加わった際には、バイアス生地10及び芯地20の引き攣りが少なく、長さが伸びて全体として所定長さの伸びを確保できる。
特に、このように縫製された本実施の形態2の腰裏布200においても、弾性材30の上部の伸びは大きく、下部の伸びは小さくなるように芯地20と縫い合わせたことで、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力が分散されることになる。
即ち、弾性材30において、芯地20と縫い合わされた位置が左右一対で上から下に向かって外側に傾く斜めの位置であり、芯地20と縫い合わせた弾性材30の縫着線αと縫着線βの相互間は下部が幅広で上部が幅狭となっていることから、芯地20において弾性材30と縫い合わせたことで生じる張力の作用点(集中)が分散される。
よって、バイアス生地10をいせ込むことによって、また、芯地20を寄せる(引張る)ことによって見かけ上長さを短くして弾性材30と縫い合わせたときでも、生地の撚れ、皺等が分散され、目立たなくなる。
特に、本実施の形態2では、弾性材30のこの斜め方向に重ねて縫い合わせる芯地20の縫着位置を弾性材30と同一の斜め角度とされており、弾性材30と芯地10が特定の同一方向で縫い合わせを行うものであるから縫製に不慣れな作業者でも縫製が分かりやすく、生産効率が良いものとなる。
以上説明してきたように、本実施の形態1及び本実施の形態2のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1は、複数に分割され重ね合わせ部を有するウエストベルト部3の重ね合わせ部の一方に形成され、一端部が延出する延出部3Bと、ウエストベルト部3の重ね合わせ部の他方に形成され、延出部3Bを収容する収容部3Aと、延出部3Bと収容部3Aに各端部が接続された主弾性材としてのゴムテープ6と、ウエストベルト部3の長手方向の裏面側に形成したバイアス生地10と、バイアス生地10の内側に配設された芯地20と、バイアス生地10の内側に配設された芯地20の上部を解放させて部分的に切欠いたその切り欠き側の両端部に縫付け、切欠いた特定の範囲を接続し、ウエストベルト部3の長手方向に伸縮自在とし、かつ、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材30とを具備し、芯地20の長手方向に縫付けた他の弾性材30は、収容部3Bまたは延出部3Aにウエストベルト部3の幅方向に閂止め51または斜め幅方向に閂止め52が縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したものである。
したがって、ウエストの周方向(長手方向)に引張り力がかかると、ウエストベルト部3では、収容部3Aと延出部3Bとの間に各端部が接続された主弾性材としてのゴムテープ6が伸び、延出部3Bが収容部3Aから抜きだす方向に移動し、ウエストベルト部3裏側では、バイアス生地10の内側に取り付けた芯地20の切り欠いた特定範囲を接続した他の弾性材30が伸びることによって、所定の伸びが確保される。
このように、ウエストベルト部3裏側では、バイアス生地10を使用し、その内側に配設された芯地20の切り欠いた特定範囲を接続した他の弾性材30の伸びによって、所定の伸びが確保されるため、腰裏の意匠面となるバイアス生地10としては、伸縮性を有する生地の使用に限定されず、通常のボトムスに取り付けられている裏地、例えば、綿生地、スレーキ生地等の伸縮性を有しない生地の使用が可能となり、意匠面を形成する生地の選択自由度が高いものとなる。意匠面を形成する生地の選択自由度が高まり、伸縮性を有しない生地の使用が可能となることで、通常のボトムスの腰裏に使用されている綿生地、スレーキ生地等の薄くて柔らかい生地等を選択して、着用感や快適性の向上を図ることが可能となる。また、ラバー生地等の摩擦係数の高い生地を選択して滑り止め機能を持たせることも可能となる。
更に、バイアス生地と質感の異なる他の弾性材30はバイアス生地10の内側に配設されており、バイアス生地10に伸縮性を有しない生地を使用した場合には、通常のボトムスの腰裏と見た目も変わらないものとなり、弾性材30が腰裏の意匠面側に露呈しないことで見た目にも伸縮することが分かりづらいものとなり、また、着用した際にウエスト周りに違和感が生じることもなく、快適である。
そして、芯地20を部分的に切り欠き、その切り欠いた特定の範囲を接続する弾性材30を、その下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくして両端部を芯地20の切り欠き側両端部と縫着したことで、他の弾性材30の接続によって生地に生じる張力が分散され、皺が目立つこともなく、ウエストベルト部3裏側の見栄えを確保できる。
また、他の弾性材39は、収容部3Aまたは延出部3Bにウエストベルト部3の幅方向に閂止め51または斜め幅方向に閂止め52が縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したことによって、縫製の縫い目が補強され、長期の使用でも、縫製の縫い目が解けたり生地を傷めたりする恐れがなく、主弾性材6や他の弾性材30に無理な引っ張り力が掛かりそれら弾性材6,30が過度に伸びるのを防止し、弾性材6,30を長持ちさせることが可能となる。更に、閂止め51,52が幅方向に施されていることで、それがアクセントとなり意匠的効果を独特なものとすることができる。
特に、斜め幅方向の閂止め52では、延出部32Bが形成されている方向に閂止めの下端が近づくように斜めに傾かせたことで、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材に対して縫い止め点にかかるストレスを効果的に分散させて軽減することができる。
よって、本発明のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1によれば、ウエストベルト部3の裏側である腰裏の意匠面側のデザイン自由度やデザイン性、機能性を高めることができる。
更に、上記実施の形態1及び実施の形態2のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1においては、切り欠いた特定の範囲内に接続した他の弾性材30の接続長さは、下部が幅広で、上部が幅狭とし、かつ、他の弾性材30によって接続される芯地20は、上部の伸びによる変化を下部の伸びによる変化よりも大きくした。芯地20の切り欠き側の両端部に縫付けた他の弾性材30の縫付け両端部間を下部が幅広で、上部が幅狭としたことで他の弾性材30との接続によって芯地20に生じる張力の作用点が分散されることになる。このため、ウエストベルト部3裏側の生地の撚れ、皺等が少ない。
特に、実施の形態1のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1によれば、弾性材30によって切り欠いた特定の範囲が接続された芯地20は、上部の伸びによる変化を下部の伸びによる変化よりも大きくしたことから、他の弾性材30との接続によって芯地20に生じる張力を下部よりも上部で大きくしたことになる。つまり、他の弾性材30との接続によって芯地20に生じる張力を分散させていることになる。よって、ウエストベルト部3裏側の生地の撚れ、皺等をより少なくでき、美観を向上させ商品価値を高めることができる。また、弾性材30の弾性力によりバイアス生地10及び芯地20にかかる負荷を分散させることができるため、長期間の着用でも生地を傷めにくい。
特に、実施の形態1のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1によれば、弾性材30によって切り欠いた特定の範囲が接続された芯地20は、上部の伸びによる変化を下部の伸びによる変化よりも大きくしたことから、他の弾性材30との接続によって芯地20に生じる張力を下部よりも上部で大きくしたことになる。つまり、他の弾性材30との接続によって芯地20に生じる張力を分散させていることになる。よって、ウエストベルト部3裏側の生地の撚れ、皺等をより少なくでき、美観を向上させ商品価値を高めることができる。また、弾性材30の弾性力によりバイアス生地10及び芯地20にかかる負荷を分散させることができるため、長期間の着用でも生地を傷めにくい。
加えて、上記実施の形態1及び実施の形態2のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1においては、他の弾性材30の下部位置よりも低い位置に縫着線14を設けてバイアス生地10に意匠生地12が縫付けられていることによって、滑り止め機能を強化させたり、腰裏のデザインのバリエーションを増やすことができる。
また、上記実施の形態1及び実施の形態2のウエスト伸縮自在ボトムスとしてのスーツ用ズボン1によれば、切り欠いた特定の範囲内に接続した弾性材30の両端部は、バイアス生地10側の芯地の一方の面のみに縫い合わせたことから、縫製作業の工程が少なくて済み、作業性が良い。
しかし、本発明を実施する場合には、複数の弾性材30を使用(弾性材30を重ねて使用)することも可能であり、この場合には、芯地20の両面において切り欠いた特定の範囲内に接続した弾性材30の両端部を縫い合わせることで、弾性材30との縫着で生じる張力が表裏でバランスされ、複数の他の弾性材を一方の面のみに縫い合わせるときよりも、生地の撚れ、皺等を少なくできる。
しかし、本発明を実施する場合には、複数の弾性材30を使用(弾性材30を重ねて使用)することも可能であり、この場合には、芯地20の両面において切り欠いた特定の範囲内に接続した弾性材30の両端部を縫い合わせることで、弾性材30との縫着で生じる張力が表裏でバランスされ、複数の他の弾性材を一方の面のみに縫い合わせるときよりも、生地の撚れ、皺等を少なくできる。
ここで、上記実施の形態1及び実施の形態2において、弾性材30や芯地20の縫着位置を斜め方向とする場合、左右とも斜めとする説明であるが、本発明を実施する場合には、左右の一方のみを斜めとし、他方を垂直とすることも可能である。特に、芯地20の切り欠いた特定の範囲内を接続した弾性材30の接続長さは、下部が幅広で、上部が幅狭となり、芯地20に縫付ける縫着位置(縫着位置α2、β2)相互間の離間距離が上下で変化することから、上記と同様、弾性材30の下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きいものとなり、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力が分散されることになる。しかし、左右とも斜めとする方が左右両方でバランス良く張力が分散され、より皺を目立たなくすることができる。
また、上記実施の形態1,2では、腰裏布地100,200を収容部3A及び延出部3Bに縫付ける縫着線41側を上側、縫着線42側を下側と方向を特定したとき、弾性材30の芯地20への接続長さは、下部が幅広で、上部が幅狭となっている。殊に、上記実施の形態1の腰裏布地100では、芯地20において、弾性材30と縫い合わせたときに切り欠きを短くする方向に寄せられた引張り力は下部よりも上部で大きくしている。つまり、芯地20の切り欠きは、上部の伸びによる変化が下部の伸びによる変化よりも大きいものとなっている。更に、バイアス生地10に対しては、弾性材30の上端が縫付けられている。
このため、弾性材30の上端側ほどストレス(負荷)が大きく掛かっている。これにより、ウエスト方向(長手方向)に引張り力がかかった際には、下部よりも上部で伸びが大きくなり、弾性材30の上端側が上側にやや湾曲(扇状)状になりやすい。
このため、弾性材30の上端側ほどストレス(負荷)が大きく掛かっている。これにより、ウエスト方向(長手方向)に引張り力がかかった際には、下部よりも上部で伸びが大きくなり、弾性材30の上端側が上側にやや湾曲(扇状)状になりやすい。
そこで、本発明を実施する場合には、腰裏布地100,200を解放させる部分aを、弾性材30の芯地20との縫着線α(図3の右側)を起点にし、そこから縫着線β側(図3の左側)に向かう所定長さを解放部分aの長さbと設計することで、延出部3の移動に伴い弾性材30の伸びる部分が限定されやすくなり、つまり、ウエストの伸び長さを正確に規定しやすくなり、上記湾曲を目立たなくすることが可能である。また、このようにした場合には、ウエストベルト部3に縫付ける腰裏布地100,200が弾性材30とバイアス生地10の縫着線γに重ねて縫付線41にて縫付ける部分が収容部3A側のみとなり、縫製が容易になる。
なお、本発明を実施する場合には、弾性材30を芯地20に縫い付けるときの傾きを逆にすることも可能である。但し、この場合には、バイアス生地10と意匠生地12の重なり側にやや湾曲(扇状)状となり、バイアス生地10と意匠生地12の重なり部分に接触したり、芯地20の切り欠き下端に接触したりして、その部分で生地の浮きあがりや皺が生じたり、スムースな弾性材30の伸縮を確保できなくなる恐れがある。
したがって、通常は、縫着線41側から縫着線42側に向かって傾く斜めに設計される。
したがって、通常は、縫着線41側から縫着線42側に向かって傾く斜めに設計される。
ところで、上記実施の形態1,2では、弾性材30の上端部の長手方向に対してバイアス生地10の長手方向をいせ込んで縫い合わせていることによって、腰裏布地100,200を延出部3Bに縫着しない解放部分aにおいて上から見た際にバイアス生地10と弾性材30の間で開口(隙間)が生じず、見栄えが良くなる。また、弾性材30の上端部でバイアス生地10と縫着するそのときの縫着線γを、ウエストベルト部3に縫着する際の腰裏布地100,200の縫着線41と直線状に連続させることで、意匠面側からみて一般的なボトムスの腰裏と見た目が全く変わらないものとなり、デザイン性に優れたものとなる。
しかし、本発明を実施する場合には、バイアス生地10と弾性材30の縫い合わせを行わなくてもよい。内側に芯地20が取り付けられたバイアス生地10において、弾性材30を縫付けないことで、ダブつき、皺等を分散できる。
しかし、本発明を実施する場合には、バイアス生地10と弾性材30の縫い合わせを行わなくてもよい。内側に芯地20が取り付けられたバイアス生地10において、弾性材30を縫付けないことで、ダブつき、皺等を分散できる。
また、バイアス生地10を弾性材30と縫い合せる場合でも、上記実施の形態1,2のように、弾性材30の上端部への縫着に限定されず、上端部以外の下端部のみまたは中央部のみの一箇所で長手方向に沿ってバイアス生地10の長手方向を縫付けることも可能である。バイアス生地10と弾性材30の縫着が特定方向の一箇所のみである場合には、弾性材30との接合によって生地に生じる皺も少ない。更に、特定方向の一箇所のみの縫付であることで、腰裏の意匠面側からみて弾性材30の存在が見た目に分かり難い。縫製回数も少ないものとなる。
更に、本発明を実施する場合には、バイアス生地10と弾性材30の縫い合わせを特定方向の複数箇所で縫着、例えば、弾性材30の上部及び下部の長手方向において、つまり、幅方向に対向する上下一対で縫付けることも可能である。この場合には、弾性材30やバイアス生地10に掛かるストレス(負荷)が分散され、強度を高くできる。
更に、本発明を実施する場合には、バイアス生地10と弾性材30の縫い合わせを特定方向の複数箇所で縫着、例えば、弾性材30の上部及び下部の長手方向において、つまり、幅方向に対向する上下一対で縫付けることも可能である。この場合には、弾性材30やバイアス生地10に掛かるストレス(負荷)が分散され、強度を高くできる。
そして、このようにバイアス生地10の長手方向を弾性材30に縫い合わせる場合には、上記実施の形態1,2のように、バイアス生地10をいせ込んで縫付けることで、腰裏布地100,200全体の長手方向への所定の伸びを確保でき、長手方向に引張り力がかかった際の引き攣りが少ないものとなる。
また、上述したようにバイアス生地10と弾性材30の縫付けを長手方向とし、複数箇所で縫付ける場合には、上下で縫付け長さを変化させたりいせこみ長さを変化させたりすることで、弾性材30の縫付けによって生地に生じる張力を分散でき、皺を少なくできる。
また、上述したようにバイアス生地10と弾性材30の縫付けを長手方向とし、複数箇所で縫付ける場合には、上下で縫付け長さを変化させたりいせこみ長さを変化させたりすることで、弾性材30の縫付けによって生地に生じる張力を分散でき、皺を少なくできる。
加えて、本発明を実施する場合には、バイアス生地10と弾性材30を上下方向の左右一対で縫付けることもできる。特に、弾性材30の左右両端部と縫着する場合には、上記実施の形態1,2の弾性材30と芯地20の縫付けと同様、弾性材30のバイアス生地10への縫付け両端部間の上下方向の一方を幅広で、もう一方を幅狭となるように縫付けたり、バイアス生地10の上部から下部にかけて伸びによる変化量を異にする縫着を行ったりすることで、弾性材30との縫着によって生地に生じる張力を分散でき、皺を少なくできる。
また、バイアス生地10及び芯地20に対して弾性材30を縫着する縫付け方向を同一とする場合には、バイアス生地10及び芯地20に対して弾性材30を一緒に同時に縫付けることが可能となり、縫製回数を少なくすることができ、縫製の簡略化が可能となる。
そして、上記実施の形態1,2のスーツ用ズボン1によれば、芯地20を切り欠いたその左右両端部を弾性材30の左右両端部に縫付けることで、強度的に問題なく、切り欠き範囲を大きくでき、皺の発生を少なくできる。本発明を実施する場合には、芯地20の切り欠いた左右両側での弾性材30との縫付けに加え、上記実施の形態1,2における芯地20の切り欠きの範囲を縮小して、切り欠きの上側及び/または下側に強度的に問題がない範囲で生地を残し、切り欠きの上側及び/または下側の生地の長手方向をいせ込んで弾性材30に縫付けることも可能である。縫付け箇所が増大することで、弾性材30の弾性力により掛かるストレス(負荷)を分散できる。
また、芯地20の切り欠いた左右両側に弾性材30を縫付けることなく、芯地20の切り欠いた上側及び/または下側にて長手方向でいせ込んで弾性材30の長手方向に縫付けることも可能である。芯地20を切り欠いたその上下両側で弾性材30に縫付ける場合には、弾性材30の長手方向の縫付長さを上部よりも下部で長くさせたり、いせこみ長さを変化させたりすることによって、弾性材30の接続によって芯地20に生じる張力を分散できる。
なお、上記実施の形態1,2では、スーツ用ズボン1において、延出部3Bと収容部3Aの動きに追従して身頃に皺が生じないようするために、両脇の脇線LS,RSに沿ってポケット2を設けているが、「ポケット」としては、外縁が直線の脇ポケット、外縁が略L字型形状のLポケット、その変形で外縁が略S字型形状のSポケット等を始めとしてどのような外縁形状を有するものでも良い。外縁が略L字型形状を有するLポケットの形状としては、例えば、角張ったL字形状の外縁を有するLポケット、縦方向に長い角張ったL字形状の外縁を有するLポケット等が挙げられる。
また、ポケットは脇線LS,RSにポケット口を有する脇中間ポケットまたは脇線の近傍の前中心FCよりにポケット口を有するポケットであってもよい。更に、片玉縁のポケット口を有する片玉縁のポケット、両玉縁のポケット口を有する両玉縁のポケット、フラップ付きのポケット口を有するフラップ付きポケットであってもよい。
また、ポケットは脇線LS,RSにポケット口を有する脇中間ポケットまたは脇線の近傍の前中心FCよりにポケット口を有するポケットであってもよい。更に、片玉縁のポケット口を有する片玉縁のポケット、両玉縁のポケット口を有する両玉縁のポケット、フラップ付きのポケット口を有するフラップ付きポケットであってもよい。
特に、Lポケットや脇中間ポケットは、婦人用パンツのポケットとして好ましい。骨盤が大きい女性でも、着用したときにポケット口が変形し難く、また、ポケット口に皺等が生難く、見栄えを良くすることができるため、例えば、女性用スラックス等に適する。
また、両脇のポケットが左右対称でなくても良く、左右でポケットの種類が異なっていても構わない。更に、ポケットの開口部の前中心FC側が伸縮性を有すると、見栄えが向上する。
また、両脇のポケットが左右対称でなくても良く、左右でポケットの種類が異なっていても構わない。更に、ポケットの開口部の前中心FC側が伸縮性を有すると、見栄えが向上する。
上記実施の形態1,2では、スーツ用ズボン1において、両脇の脇線LS,RSに沿ってポケット2を設け、開閉のために生地の余裕があるポケット2の近傍にウエストベルト部3の重ね合せ部を設けていることによって、ウエスト周りが伸縮する際に、身頃に皺がよることがなく、見栄えの良いものとしているが、ポケット2に代えてタックを設けることも可能である。
即ち、ウエストベルト部3には左右一対のタックの近傍に、収容部3Aとその収容部3A内に挿入される延出部3Bからなる重ね合せ部を形成し、延出部3Bの先端と収容部3Aとが収容部3A内において主弾性材としてのゴムテープ6で接続されるとともに、脇線LS,RSの上部に一対のタックを設けることによって、ウエストベルト部3の長さを伸縮自在とすることも可能である。このとき、ウエストベルト部3に引張り力がかかっていない場合には、タックは折り畳まれた状態にあって脇線LS,RSと一体となっており、ウエストベルト部3に引張り力がかかってウエスト周りが伸びると、延出部3Bの近傍の前身頃4も延出部3Bと一体に移動して、タックが拡げられる。
このタックは、例えば、両脇の脇線LS,RSに沿って、両脇の脇線LS,RSの上端または上端の近傍の裏側に設けることできる。その他にも、両脇にポケットを設けると共に、両脇と前中心FCとの間にまたはポケット2の前中心FC側の裏側にタックを設け、タックの近傍にベルト部の重ね合せ部を設けてもよい。
このタックは、例えば、両脇の脇線LS,RSに沿って、両脇の脇線LS,RSの上端または上端の近傍の裏側に設けることできる。その他にも、両脇にポケットを設けると共に、両脇と前中心FCとの間にまたはポケット2の前中心FC側の裏側にタックを設け、タックの近傍にベルト部の重ね合せ部を設けてもよい。
更に、上記実施の形態1,2においては、ウエスト周りが伸長する際にポケット2の袋布2Cの引き攣りをなくし、また、袋布2Cに掛かる引張り力が表側に響いてポケット2の隅が歪んだりポケットの周辺に皺が寄ったりするのを防止し、表側から見た場合でも良好な見栄えを保つことができるように、袋布2Cの中央部にタック2Dを設けた構成で説明したが、タック2Dの代わりにポケット2の袋布2Cの上端を切込み等によって分割する構成としてもよい。このようにしても、ウエスト周りが伸長する際に袋布2Cに掛かる引張り力が分割部分で開閉することによって逃がされるため、引張り力が表側に響いてポケット2の隅が歪んだりポケット2の周辺にシワが寄ったりするのを防止することができポケット2が滑らかに変形する。また、袋布2Cの上端の分割部分の内側のみが延出部3Bの摺動に伴って引張られ、袋布2Cの上端の分割部分の外側が縫付けられている前身頃4は引張られないようにすることで、引き攣ることがなく、表側から見た場合でも良好な見栄えを保つことができる。
なお、強度確保等のため、通常、分割部分にはパイピングが施される。
なお、強度確保等のため、通常、分割部分にはパイピングが施される。
更に、本発明を実施する場合には、前中心FC側に収容部3Aを設け、後身頃9側に延出部3Bを設けることも可能である。
また、上記実施の形態1,2においては、ウエスト伸縮自在ボトムスとしてスーツ用ズボン1の例について説明したが、ウエスト伸縮自在ボトムスとしてはこれに限られるものではなく、スラックス等のカジュアルでないボトムスでも、チノパン等の綿パンやジーンズ(Gパン)等のカジュアルなボトムスでも、ゴルフスラックス等のスポーツウエアでも、スカートやキュロットスカート等でも、ベルト部に重ね合せ部を備えたウエストベルト部を有するどのような被服にも適用することができる。
なお、スーツ用ズボン1等のフォーマルなボトムスでは、ベルト布ステッチを施さない場合もあるが、ジーンズ(Gパン)、綿パンを始めとするカジュアルなボトムスにおいては、収容部3A及び延出部3Bの上下端にベルト布ステッチを施すのが一般的である。
また、上記実施の形態1,2においては、ウエスト伸縮自在ボトムスとしてスーツ用ズボン1の例について説明したが、ウエスト伸縮自在ボトムスとしてはこれに限られるものではなく、スラックス等のカジュアルでないボトムスでも、チノパン等の綿パンやジーンズ(Gパン)等のカジュアルなボトムスでも、ゴルフスラックス等のスポーツウエアでも、スカートやキュロットスカート等でも、ベルト部に重ね合せ部を備えたウエストベルト部を有するどのような被服にも適用することができる。
なお、スーツ用ズボン1等のフォーマルなボトムスでは、ベルト布ステッチを施さない場合もあるが、ジーンズ(Gパン)、綿パンを始めとするカジュアルなボトムスにおいては、収容部3A及び延出部3Bの上下端にベルト布ステッチを施すのが一般的である。
更に、上記実施の形態1,2では、袋布2Cやタック2Dの形状維持のために補助弾性材としてのゴムテープ8を設けているが、補助弾性材としてのゴムテープ8の弾性力は、主弾性材としてのゴムテープ6の弾性力に比較すると小さく、ウエストサイズの調整の主弾性材としてのゴムテープ6の弾性力からすれば無視できる程度であり、また、袋布2Cの上部に皺が寄っても、見栄えに影響する皺が入る可能性が低いことから、省略も可能である。
しかし、補助弾性材としてのゴムテープ8を設けた方が、確実に皺が寄るのが防止されて、全体の見栄えが向上する。
しかし、補助弾性材としてのゴムテープ8を設けた方が、確実に皺が寄るのが防止されて、全体の見栄えが向上する。
また、上記実施の形態1,2では、左右の脇線LS,RSの近傍の2箇所に重ね合わせ部を有するスーツ用パンツ1で説明し、それに対応してそれぞれ腰裏布地100,200の弾性材30を2箇所配設したが、本発明を実施する場合には、重ね合わせ部を1箇所以上とし、それに対応する1箇所以上の腰裏布地100,200の弾性材30が配設される。
更に、上記実施の形態1,2では、腰裏布地100,200が取り付けられるウエストベルト部3の構成は、延出部3Bと収容部3Aの重ね合わせ部を設け、延出部3Bと収容部3Aとの間にゴムテープ6の各端部を接続する構成として、ゴムテープ6を表側の意匠面側から隠して見た目に伸縮するのが分かり難いものとしているが、本発明を実施する場合には、ウエストベルト部3の伸縮自在構造は上記に限定されるものではない。例えば、ウエストベルト部3全周を弾性材で形成することによって、或いは、ウエストベルト30部の一部を弾性材によって形成することによって、ウエストベルト部3の長さを伸縮自在とするものであってもよい。
本発明を実施するに際しては、ウエスト伸縮自在ボトムスの構造、形状、材質、生地、大きさ、長さ、幅、接続関係等についても、上記実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1 ウエスト伸縮自在ボトムス
3 ウエストベルト部
3A 収容部
3B 延出部
6 主弾性材
10 バイアス生地(ゴムテープ)
20 芯地
30 他の弾性材
51,52 閂止め
100,200 腰裏布地
3 ウエストベルト部
3A 収容部
3B 延出部
6 主弾性材
10 バイアス生地(ゴムテープ)
20 芯地
30 他の弾性材
51,52 閂止め
100,200 腰裏布地
Claims (2)
- 重ね合わせ部を有するウエストベルト部の前記重ね合わせ部の一方に形成され、一端部が延出する延出部と、
前記ウエストベルト部の重ね合わせ部の他方に形成され、前記延出部を収容する収容部と、
前記延出部と前記収容部に各端部が接続された主弾性材と、
前記ウエストベルト部の長手方向の裏面側に形成したバイアス生地と、
前記バイアス生地の内側に配設された芯地と、
前記バイアス生地の内側に配設された前記芯地の上部を解放させて部分的に切欠いたその切り欠き側の両端部に縫付け前記切欠いた特定の範囲を接続し、前記ウエストベルト部の長手方向に伸縮自在とし、かつ、下部の伸びは小さく、上部の伸びは大きくした他の弾性材と
を具備し、
前記芯地の長手方向に縫付けた他の弾性材は、前記収容部または前記延出部に前記ウエストベルトの幅方向または前記幅方向に対して0〜90°の角度方向に閂止めが縫付けられ、引き伸ばし距離を制限したことを特徴とするウエスト伸縮自在ボトムス。 - 前記幅方向に対して0〜90°の角度方向の閂止めは、前記収容部が形成されている方向に閂止めの下端が近づくように斜めに傾かせたことを特徴とする請求項1に記載のウエスト伸縮自在ボトムス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015253547A JP2017115274A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | ウエスト伸縮自在ボトムス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015253547A JP2017115274A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | ウエスト伸縮自在ボトムス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017115274A true JP2017115274A (ja) | 2017-06-29 |
Family
ID=59233490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015253547A Pending JP2017115274A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | ウエスト伸縮自在ボトムス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017115274A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021103824A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-15 | Tdk株式会社 | アンテナ |
-
2015
- 2015-12-25 JP JP2015253547A patent/JP2017115274A/ja active Pending
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JP2021103824A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-15 | Tdk株式会社 | アンテナ |
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