JP2017112945A - 壁面緑化ユニットおよび壁面緑化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数種類の植物の育成に適した壁面緑化ユニットおよび壁面緑化システムを提供する。
【解決手段】
壁面緑化ユニット30は、ロックウールシート32の下部平均含水率が高く、かつ、上部平均含水率が低くなっており、複数種類の植物40A、40Bの共存に適した含水率分布が実現されている。すなわち、育成に必要な水分量が多い植物40Bをロックウールシート下部に設けた穴部32aに収容し、育成に必要な水分量が少ない植物40Aをロックウールシート上部に設けた穴部32aに収容することで、複数種類の植物40A、40Bそれぞれに対して適量の水分が供給および保持される。
【選択図】 図2
【解決手段】
壁面緑化ユニット30は、ロックウールシート32の下部平均含水率が高く、かつ、上部平均含水率が低くなっており、複数種類の植物40A、40Bの共存に適した含水率分布が実現されている。すなわち、育成に必要な水分量が多い植物40Bをロックウールシート下部に設けた穴部32aに収容し、育成に必要な水分量が少ない植物40Aをロックウールシート上部に設けた穴部32aに収容することで、複数種類の植物40A、40Bそれぞれに対して適量の水分が供給および保持される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、壁面緑化ユニットおよび壁面緑化システムに関する。
近年、建築物等の壁面等を緑化する壁面緑化において、意匠性向上の要求が高まっている。壁面緑化の意匠性をより高めるためには、多種の植物を一つの壁面緑化ユニット内で育成することが有効である。
通常、植物の育成に必要な水の量は、植物の種類によって異なる。そのため、所定の量の水分を複数種類の植物に給水した場合、ある植物にとっては育成に必要な水分量であるが、他の植物にとっては水分量が多すぎて育成の妨げとなることも十分に考えられる。
そのため、育成に必要な水分量が異なる複数種類の植物を、同じ壁面緑化ユニットで育成することは非常に困難であった。
発明者らは、鋭意研究の末、育成に必要な水分量が異なる植物の育成に適した壁面緑化ユニットおよびそれを用いた壁面緑化システムを新たに見出した。
すなわち、本発明は、複数種類の植物の育成に適した壁面緑化ユニットおよび壁面緑化システムを提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る壁面緑化ユニットは、構造物の側面に設置される壁面緑化ユニットであって、構造物の側面に近接し、該側面に沿って配置されるとともに、側面側とは反対の側に少なくとも一つの穴部が設けられたロックウールシートと、ロックウールシートの表面を覆い、かつ、ロックウールシートの穴部が露出するように開口された不織布と、ロックウールシートの穴部に収容された植栽とを備え、ロックウールシートは、側面に沿う方向の長さが200〜750mmの範囲であり、かつ、110〜190kg/m3の乾燥時密度を有し、ロックウールシートを構成する繊維の配向方向が側面の高さ方向に沿う。
上記壁面緑化ユニットにおいては、ロックウールシートが、200〜750mmの側面に沿う方向の長さおよび110〜190kg/m3の乾燥時密度を有し、このようなロックウールシートが、表面を不織布で覆われた状態で、構成する繊維の配向方向が構造物の側面の高さ方向に沿うように配置されている。それにより、ロックウールシートの下部における平均含水率が高く、かつ、上部における平均含水率が低くなっており、複数種類の植物の共存に適した含水率分布が実現されている。すなわち、育成に必要な水分量が多い植物をロックウールシート下部に設けた穴に収容し、育成に必要な水分量が少ない植物をロックウールシート上部に設けた穴に収容することで、複数種類の植物それぞれに対して適量の水分が供給および保持される。
また、不織布の目付が100〜300g/m2であり、不織布が導水性を有する態様であることが好ましい。
また、ロックウールシートの下部平均含水率が55〜90%、かつ、上部平均含水率が30〜50%であり、下部平均含水率と上部平均含水率との差が25%以上である態様であることが好ましい。
また、側面側とは反対の側において、不織布からの距離が0〜5cmの位置に設けられた網状体をさらに備える態様であってもよい。
本発明の一形態に係る壁面緑化システムは、構造物の側面に沿う複数のレールを備え、複数のレールの間で支持されるように、上記壁面緑化ユニットが配置されている。
本発明によれば、複数種類の植物の育成に適した壁面緑化ユニットおよび壁面緑化システムが提供される。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1および図2に示すように、実施形態に係る壁面緑化システム1は、構造物の側面10に近接して設置される。本明細書における「構造物」には、人の居住を目的とした建築物や建造物と、人の居住を目的としない塔や橋梁等の構築物も含まれる。構造物の側面10は、たとえば建築物又は構築物の壁面である。建築物又は構築物の壁面は、建築物又は構築物(たとえば、マンション、立体駐車場、スタジアム、ショッピングモール等)にみられる傾斜角度80度以上90度以下の斜面と定義することができる。なお、構造物の側面10は、建築物の壁面に限らず、土木構造物の法面などであってもよい。土木構造物の法面は、土木構造物(たとえば、住宅造成地、道路、ダム等)にみられる傾斜角度30度以上80度未満の斜面と定義することができる。より高い意匠性をもつ態様の緑化が求められることから、実施形態に係る壁面緑化システム1は、建築物又は構築物の壁面に好適に用いられる。
壁面緑化システム1は、図1および図2に示すように、構造物の側面10に沿って水平方向に延びる2本のレール20A、20Bと、2本のレール20A、20Bの間で支持されるように配置された壁面緑化ユニット30とを備えて構成されている。なお、図1においては、2本のレール20A、20B間に一つの壁面緑化ユニット30のみを示しているが、レール20A、20Bを伸長して、複数の壁面緑化ユニット30を並べて配置する構成としてもよい。
壁面緑化ユニット30は、ロックウールシート32と、ロックウールシート32の表面を覆う不織布34と、植栽40とを備える。
ロックウールシート32は、板状のロックウールであり、側面10の上下方向に沿う方向の長さ(高さ)が200〜750mmの範囲となり、側面10の水平方向に沿う方向の長さ(幅)が400〜1500mmの範囲となり、厚さが20〜90mmの範囲となるように設計されている。ロックウールシート32の高さは、より好ましくは350〜650mmの範囲である。ロックウールシート32の幅は、より好ましくは450〜1000mmの範囲である。ロックウールシート32の厚さは、より好ましくは30〜50mmの範囲である。なお、ロックウールシート32の寸法(高さ、幅、厚さ)は、ロックウールシートを、100℃の温度条件下で24時間乾燥させた後に測定したものを意味する。ロックウールシート32は、一枚のシートで構成されているが、必要に応じて複数のシートを積層して構成してもよい。また、ロックウールシート32は、110〜190kg/m3の乾燥時密度を有する。乾燥時密度とは、ロックウールシートを、100℃の温度条件下で24時間乾燥させた後の密度である。ロックウールシートの寸法や乾燥時密度が変わると、それに応じてロックウールシート32の保水力、重量、強度が変わる。
また、ロックウールシート32は、複数の繊維(鉱物繊維)を含んで構成されており、各繊維は所定の一方向に沿って配向されている。なお、ロックウールを構成する各繊維には多少のうねりがあるため、配向方向を厳密に一方向に定めることは困難であるが、ロックウールシート作製時(繊維径3〜7μm、長さ20〜80mmの鉱物繊維を往復運動する繊維供給器から落下させ、堆積(積層)させていくことにより作製される)に設定された繊維積層方向(積層時の下方から上方に向かう方向)に基づき、ロックウールシートを構成する繊維の配向方向を、繊維積層方向に垂直な方向として定めることが可能である。特に設置時においては、ロックウールシート32は、図2の矢印に示すとおり、側面10に近接して配置され、かつ、その繊維の配向方向が側面10の高さ方向に沿っている。すなわち、ロックウールシート32の繊維の配向方向が、側面10の高さ方向に対して平行または略平行となっている。
また、ロックウールシート32は、設置時において、側面10側とは反対の側になる面に、後述する植栽40を収容するための穴部32aが複数設けられている。穴部32aは、図2に示すように、ロックウールシート32を貫通するように設けることができる。なお、穴部32aの深さを、ロックウールシート32の厚さよりも浅くして、穴部32aがロックウールシート32を貫通しないように設けてもよい。植栽40が安定的に収容されるという観点からは、穴部32aは、ロックウールシート32を貫通するように設けることが好ましい。穴部32aの側面10の高さ方向に対して平行な断面は、たとえば、円形断面であって、たとえば3〜20cmの範囲の、より好ましくは、5〜15cmの範囲の直径を有し、15〜90mmの範囲の、より好ましくは、25〜50mmの範囲の深さを有する。穴部32aの側面10の高さ方向に対して平行な断面は、上述した円形断面以外に、楕円形断面や多角形断面等であってもよい。
本実施形態において、不織布34は、袋状の不織布であり、ロックウールシート32全体を収容している。そのため、不織布34は、ロックウールシート32の全ての面(すなわち、側面10側の面、その反対側の面、および、各側面の全て)を覆う。袋状の不織布を採用し、その中にロックウールシート32を入れることで、ロックウールシート32の全ての面を不織布で覆う作業の容易化が図れている。なお、不織布34は、必ずしも袋状である必要はなく、複数のシート状の不織布を用いて、ロックウールシート32の表面を覆ってもよい。また、不織布34は、植物育成を可能にするという観点からは、ロックウールシート32の側面10側の面およびその反対側の面を覆い、各側面を覆わない態様とすることも可能であるが、作業の容易性の観点から、ロックウールシート32の全ての面を覆うことが好ましい。
不織布34の目付は、たとえば100〜300g/m2の範囲であり、不織布34が導水性を有することが好ましい。なお、導水性とは、室温(20〜25℃)で、垂直にした不織布34の下端を水に浸けた状態で、30分間に80mm以上、水を吸い上げる性能を有することを意味する。不織布34が導水性を有することで、ロックウールシート32の下部又は下方から一度ロックウールシート32外に排出された水分が不織布34を伝って上方に引き上げられ、ロックウールシート32の上部に再度供給されることで水分の循環が促進される。また、不織布34には、ロックウールシート32に設けられた穴部32aが露出するように、各穴部32aに対応する領域に開口34aが設けられている。
植栽40は、不織布34の開口34aを介して、ロックウールシート32の各穴部32aに収容される。植栽40は、図2に示したように培地に植え付けられた低木や草花等の植物に限らず、培地を伴わない植物自体や、培地に植え付けられた後に通水可能な容器に収容された植物であってもよい。植栽40には、土壌や人工軽量土壌、ロックウール等の培地を用いることができる。
本実施形態では、壁面緑化ユニット30に、育成に必要な水分量が異なる複数の植物の植栽40が配置される。具体的には、ロックウールシート32の上部に設けられた穴部32aには育成に必要な水分量が少ない植栽40Aを収容し、ロックウールシート32の下部に設けられた穴部32aには育成に必要な水分量が多い植栽40Bを収容している。なお、育成に必要な水分量が少ない植栽40Aとしては、たとえば、カモミール、タイム、オレガノ、ハイネズ等が挙げられる。一方、育成に必要な水分量が多い植栽40Bとしては、たとえば、シダ類、ワイヤープランツ等が挙げられる。
そして、上述した構成の壁面緑化ユニット30が、2本のレール20A、20Bの間で支持されるように配置されている。
壁面緑化ユニット30の下側に位置し、壁面緑化ユニット30を下方から支持する下レール20Bは、上側が開放されたU字状断面を有する。ロックウールシート32の下端が下レール20Bの底まで達するように、ロックウールシート32および下レール20Bが配置されている。そのため、下レール20B内に存在する水は、ロックウールシート32および不織布34によってある程度吸い上げられる。下レール20Bは、余剰な水分を水平方向に流して系外に排出する排水手段としても機能する。
壁面緑化ユニット30の上側に位置する上レール20Aは、下側が開放されたU字状断面を有する。上レール20Aは、上レール20Aと平行に延びる灌水管50を収容する。灌水管50は、たとえば直径が8〜20mmの範囲のパイプである。灌水管50は、図示しない給水タンクまたは水栓から延びており、降雨量が少ないとき等、植栽40に必要な水分が不足するときに、ロックウールシート32に水を供給する。灌水管50の周面には、図示しない給水口が設けられており、その給水口を介して、灌水管50からロックウールシート32に対して給水がおこなわれる。
上レール20Aは、図2に示すように、ロックウールシート32の上端を保持し、上レール20Aとロックウールシート32の上端とにより灌水管50を挟持する。
上述したとおり、ロックウールシート32を構成する繊維の配向方向が側面10の高さ方向に沿っているため、灌水管50からロックウールシート32に給水された水は、ロックウールシート32の上端から下端に向けて滞りなく流れる。そして、ロックウールシート32の下端に達した水は、下レール20B内に流れ込んだ後、ある程度の量の水がロックウールシート32および不織布34によって吸い上げられ、ロックウールシート32内を循環する。そのため、ロックウールシート32の上側部分に比べて下側部分は多くの水を保水することとなり、その結果、高さ位置に応じて、ロックウールシート32が含む水分量が異なる。すなわち、ロックウールシート32の下側部分における平均含水率(下部平均含水率)が、ロックウールシート32の上側部分における平均含水率(上部平均含水率)よりも高くなる。
上述したロックウールシート32において、上部平均含水率は30〜50%の範囲である。上部平均含水率は、デカゴン(DECAGON DEVICES)社製の土壌水分センサー(EC−5)を用いて、ロックウールシートの上端から、ロックウールシートの高さの1/6の地点の複数箇所(3箇所以上)において含水率を測定し、それらの測定結果の平均を算出することにより求めた値である。このようなロックウールシート32の上側部分には、育成に必要な水分量が少ない植栽40Aが配置される。
一方、ロックウールシート32において、下部平均含水率が55〜90%の範囲である。下部平均含水率は、上記の土壌水分センサーを用いて、ロックウールシートの下端から、ロックウールシートの高さの1/6の地点の複数箇所(3箇所以上)において含水率を測定し、それらの測定結果の平均を算出することにより求めた値である。このようなロックウールシート32の下側部分には、育成に必要な水分量が多い植栽40Bが配置される。
そして、上述した下部平均含水率と上部平均含水率との差が、25%以上に設定され得る。上述した下部平均含水率と上部平均含水率との差の上限は、たとえば、60%であり、上部平均含水率を一定以上の値とし、灌水停止時の植物の水枯れを防ぐという観点からは、45%であることが好ましい。
なお、上述の上部平均含水率および下部平均含水率の両方に適した植物としては、ツルコウジ、オタフクナンテン等がある。
壁面緑化システム1は、側面10の側とは反対の側に網状体60を備えており、網状体60によりロックウールシート32や植栽40が保持されている。網状体60は、たとえば金網であり、ステンレス材や亜鉛めっきされた鉄材等で構成され得る。網状体60の網目の大きさはたとえば2〜10cmであり、線材の太さは2〜10mmであるが、植栽40の大きさやロックウールシート32の重量等に応じて適宜選択される。
網状体60は、不織布34からの距離が0cmの位置に設けて不織布34に接するようにしてもよく、5cm以下の距離だけ不織布34から離間させた状態で設けてもよい。
以上で説明したとおり、壁面緑化システム1および壁面緑化ユニット30は、ロックウールシート32の下部平均含水率が高く、かつ、上部平均含水率が低くなっており、複数種類の植物40A、40Bの共存に適した含水率分布が実現されている。すなわち、育成に必要な水分量が多い植物40Bをロックウールシート下部に設けた穴部32aに収容し、育成に必要な水分量が少ない植物40Aをロックウールシート上部に設けた穴部32aに収容することで、複数種類の植物40A、40Bそれぞれに対して適量の水分が供給および保持される。
換言すると、壁面緑化システム1および壁面緑化ユニット30によれば、多種類の植物の育成に十分な含水率を維持することができ、それと同時に、多種の植物の共存に十分な含水率分布を実現することができる。
以下では、図3の表を参照しつつ、上述した壁面緑化システムの実施例および比較例を示して、壁面緑化システムの各特性について説明する。
図3の表には、ロックウールシート32における「高さ(mm)」、「乾燥時密度(kg/m3)」および「壁面高さ方向に対する繊維の配向」、不織布の有無、ロックウールシート32の下部平均含水率A(%)、上部平均含水率B(%)およびそれらの差(A−B)、ロックウールシート32の下部および上部における植物の育成結果を評価した結果が示されている。
植物の育成結果は、適正な量の給水に関係する特性であり、植物が良く育つことは、給水の量が適正であることを意味する。図3の表において、ロックウールシート下部植物育成が「○」とは、育成に必要な水分量が多い植物の一つであるシダが3ヶ月間枯れずに生長し続けることを意味し、ロックウールシート下部植物育成が「×」とは、シダが3ヶ月以内に枯れてしまったことを意味する。また、図3の表において、ロックウールシート上部植物育成が「○」とは、育成に必要な水分量が少ない植物の一つであるカモミールおよび水分量が多くても少なくても生長する植物の一つであるツルノコウジのいずれも3ヶ月間枯れずに生長し続けることを意味し、ロックウールシート上部植物育成が「△」とは、ツルノコウジは3ヶ月間枯れないがカモミールが3ヶ月以内に枯れてしまったことを意味し、ロックウールシート上部植物育成が「×」とは、カモミールおよびツルノコウジのいずれも3ヶ月以内に枯れてしまったことを意味する。
(実施例1)
(実施例1)
実施例1では、高さ600mm、乾燥時密度170kg/m3、かつ、繊維が側面10の高さ方向に平行に配向している(高さ方向に沿っている)ロックウールシート32と、目付180g/m2の不織布34とを用いた。ロックウールシート32の上端から100mmの位置に、直径5cmでロックウールシート32を貫通する円柱状の穴部32aを2つ設け、それらの穴部32aそれぞれに対応する位置の不織布34に2つの開口34aを設け、一方には土壌に植え付けられたカモミールを、もう一方には同様に土壌に植え付けられたツルノコウジを収容した。また、ロックウールシート32の下端から100mmの位置に、直径5cmでロックウールシート32を貫通する円柱状の穴部32aを設け、穴部32aに対応する位置の不織布34に開口34aを設け、土壌に植え付けられたシダを収容した。
実施例1では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ65%、35%であり、その差は30%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成およびロックウールシート上部植物育成ともに良好であった。
このように実施例1に係る壁面緑化システムは、複数種類の植物の育成に適している。
(実施例2)
(実施例2)
実施例2では、高さ400mmのロックウールシート32を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。実施例2では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ65%、40%であり、その差は25%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成およびロックウールシート上部植物育成ともに良好であった。
このように実施例2に係る壁面緑化システムも、複数種類の植物の育成に適している。
(比較例1)
(比較例1)
比較例1では、高さ160mmのロックウールシート32を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。比較例1では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はともに75%であり、その差はなかった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成は良好であったが、ロックウールシート上部植物育成は良好ではなく、カモミールのほうが3ヶ月以内に枯れてしまった。これは、ロックウールシート32の高さが低すぎたために、ロックウールシート32の上部にまで多量の水が貯まり、育成に多量の水分を必要としないカモミールの育成環境が悪化したためである。
(比較例2)
(比較例2)
比較例2では、高さ800mmのロックウールシート32を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。比較例2では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ50%、10%であり、その差は40%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成およびロックウールシート上部植物育成ともに悪かった。これは、ロックウールシート32の高さが高すぎたために、ロックウールシート32の上部にも下部にも十分な水が行き渡らず、給水不足により全ての植物が3ヵ月以内に枯れたためである。
(比較例3)
(比較例3)
比較例3では、乾燥時密度100kg/m3のロックウールシート32を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。比較例3では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ65%、25%であり、その差は40%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成は良好であったが、ロックウールシート上部植物育成は悪かった。これは、ロックウールシート32の乾燥時密度が低すぎたために、ロックウールシート上部において十分な保水ができず、保水量がツルノコウジの育成に必要な量にもカモミールの育成に必要な量にも達しなかったためである。
(比較例4)
(比較例4)
比較例4では、繊維が側面10の高さ方向に垂直に配向している(高さ方向に沿わない)ロックウールシート32を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。比較例4では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ80%、65%であり、その差は15%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成は良好であったが、ロックウールシート上部植物育成は良好ではなく、カモミールのほうが3ヶ月以内に枯れてしまった。これは、ロックウールシート内を水が流れ落ちる向きに対して繊維が直交しているため、ロックウールシート上部に多量の水が留まり、その結果、育成に多量の水分を必要としないカモミールの育成環境が悪化したためである。
(比較例5)
(比較例5)
比較例5では、不織布を用いなかったこと以外は実施例1と同じである。比較例5では、ロックウールシート32の下部平均含水率および上部平均含水率はそれぞれ50%、5%であり、その差は45%であった。
植物の育成に関しては、ロックウールシート下部植物育成およびロックウールシート上部植物育成ともに悪かった。これは、不織布がないために、ロックウールシート32の下部から上部への水の吸い上げが全く生じず、給水不足により全ての植物が3ヵ月以内に枯れたためである。
以上で説明したように、実施例1、2のように、ロックウールシート32が、200〜750mmの側面に沿う方向の長さおよび110〜190kg/m3の乾燥時密度を有し、このようなロックウールシート32が、表面を不織布34で覆われた状態で、ロックウールシート32を構成する繊維の配向方向が構造物の側面10の高さ方向に対して平行に配置されることで、複数種類の植物の育成に適した壁面緑化システムが実現される。
一方、上述の条件を一部満たさない比較例1〜5はいずれも、ロックウールシート下部植物育成およびロックウールシート上部植物育成のうちの少なくともいずれか一方を満足しないため、このような壁面緑化システムは複数種類の植物の育成に適さない。
1…壁面緑化システム、10…側面、20A、20B…レール、30…壁面緑化ユニット、32…ロックウールシート、32a…穴部、34…不織布、34a…開口、40…植栽、50…灌水管、60…網状体。
Claims (5)
- 構造物の側面に設置される壁面緑化ユニットであって、
前記構造物の側面に近接し、該側面に沿って配置されるとともに、前記側面側とは反対の側に少なくとも一つの穴部が設けられたロックウールシートと、
前記ロックウールシートの表面を覆い、かつ、前記ロックウールシートの穴部が露出するように開口された不織布と、
前記ロックウールシートの前記穴部に収容された植栽と
を備え、
前記ロックウールシートは、前記側面に沿う方向の長さが200〜750mmの範囲であり、かつ、110〜190kg/m3の乾燥時密度を有し、
前記ロックウールシートを構成する繊維の配向方向が前記側面の高さ方向に沿う、壁面緑化ユニット。 - 前記不織布の目付が100〜300g/m2であり、前記不織布が導水性を有する、請求項1に記載の壁面緑化ユニット。
- 前記ロックウールシートの下部平均含水率が55〜90%、かつ、上部平均含水率が30〜50%であり、
前記下部平均含水率と前記上部平均含水率との差が25%以上である、請求項1または2に記載の壁面緑化ユニット。 - 前記側面側とは反対の側において、前記不織布からの距離が0〜5cmの位置に設けられた網状体をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の壁面緑化ユニット。
- 前記構造物の側面に沿う複数のレールを備え、
前記複数のレールの間で支持されるように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の壁面緑化ユニットが配置されている、壁面緑化システム。
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