JP2019017290A - 壁面緑化システム - Google Patents

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昭彦 梅澤
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昭彦 梅澤
真英 飯田
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真英 飯田
敏男 青木
Toshio Aoki
敏男 青木
幸二 清水
Koji Shimizu
幸二 清水
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Abstract

【課題】広範囲に亘って均一な育成環境を提供することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる壁面緑化システムを提供する。【解決手段】 壁面緑化システム1は、n個の壁面緑化ユニット12が、5〜120mmの間隔DでZ方向に離間しており、各壁面緑化ユニット12が、表面14aに穴部15が設けられたロックウールシート14と、ロックウールシート14の穴部15に収容された植栽30とを有し、ロックウールシート14が、高さHが80〜190mmであり、厚さTが60〜150mmであり、乾燥時密度が90〜190kg/m3であり、1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水することができ、Z方向において隣り合う上側のロックウールシート14の下面14dから下側のロックウールシート14の上面14cまで自由落下で水が移動する。【選択図】図5

Description

本発明は、壁面緑化システムに関する。
近年、建築物等の壁面等を緑化する壁面緑化において、意匠性向上の要求が高まっている。壁面緑化システムの美観を高める方策の一つとして、下記特許文献1に示されているように多種の植栽を一つのシステムで育成する方策の他に、広範囲の壁面全体に同一種類の植栽を配置する方策が考えられる。
特許6052383号公報
広範囲の壁面全体に同一種類の植栽を配置する場合には、同一種類の植栽が均一に生育することで美観がより高まるため、配置される全ての植栽に対して可能な限り均一な生育環境を提供することが求められる。また、壁面に対して広範囲に施工する点から高い施工性を有する壁面緑化システムが求められる。さらに、植栽が高い位置にも配置され得ることから、特に高い位置にある植栽が落下する事態を未然に防ぐために、植栽を安定的に保持できる壁面緑化システムが求められる。
本発明は、広範囲に亘って均一な育成環境を提供することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる壁面緑化システムを提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る壁面緑化システムは、構造物の側面に設置され、かつ、構造物の側面に近接するとともに構造物の高さ方向に沿って配置された複数の壁面緑化ユニットを備える壁面緑化システムであって、複数の壁面緑化ユニットが、5〜120mmの範囲で離間しており、各壁面緑化ユニットが、側面側とは反対の側に少なくとも一つの穴部が設けられた植栽基盤と、植栽基盤の穴部に収容された植栽とを有し、植栽基盤が、構造物の高さ方向における長さが80〜190mmの範囲であり、厚さが60〜150mmの範囲であり、乾燥時密度が90〜300kg/mの範囲であり、1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水することができ、構造物の高さ方向において隣り合う2つの植栽基盤のうちの上側の植栽基盤の下面から下側の植栽基盤の上面まで自由落下で水が移動する。
上記壁面緑化システムにおいては、植栽基盤が、上記の寸法、乾燥時密度および保水能を有し、上側の植栽基盤の下面から下側の植栽基盤の上面まで自由落下で水が移動する。そのため、壁面緑化システムは、複数の植栽基盤のそれぞれにおいて均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる。
他の形態に係る壁面緑化システムにおいては、植栽基盤がロックウールシートである。
他の形態に係る壁面緑化システムにおいては、植栽基盤が140〜180kg/mの乾燥時密度を有する。
他の形態に係る壁面緑化システムは、2〜20個の壁面緑化ユニットを備える。
他の形態に係る壁面緑化システムにおいては、壁面緑化ユニットが、植栽基盤の少なくとも側面を被覆する表面被覆材をさらに備える。
本発明によれば、広範囲に亘って均一な育成環境を提供することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる壁面緑化システムが提供される。
図1は、実施形態に係る壁面緑化システムの構成を示す分解斜視図である。 図2は、図1に示した壁面緑化ユニットを示す概略斜視図である。 図3は、図2に示したロックウールシートを示す概略斜視図である。 図4は、図2の壁面緑化ユニットのIV−IV線断面図である。 図5は、図1の壁面緑化システムにおいて複数段に積まれた壁面緑化ユニットを示す図である。 図6は、実施例に係る各壁面緑化システムの評価結果を示した表である。 図7は、比較例および参考例に係る各壁面緑化システムの評価結果を示した表である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1に示すように、実施形態に係る壁面緑化システム1は、構造物の側面10に近接して設置される。本明細書における「構造物」には、人の居住を目的とした建築物や建造物と、人の居住を目的としない塔や橋梁等の構築物も含まれる。構造物の側面10は、たとえば建築物又は構築物の壁面である。建築物又は構築物の壁面は、建築物又は構築物(たとえば、マンション、立体駐車場、スタジアム、ショッピングモール等)にみられる傾斜角度80度以上90度以下の斜面と定義することができる。なお、構造物の側面10は、建築物の壁面に限らず、土木構造物の法面などであってもよい。土木構造物の法面は、土木構造物(たとえば、住宅造成地、道路、ダム等)にみられる傾斜角度30度以上80度未満の斜面と定義することができる。より高い意匠性をもつ態様の緑化が求められることから、実施形態に係る壁面緑化システム1は、建築物又は構築物の壁面に好適に用いられる。
本実施形態では、構造物の側面10は鉛直方向に沿って延びる面である。以下では、説明の便宜上、側面10の法線方向をX方向とも称し、側面10に沿う水平方向をY方向とも称し、側面10に沿う高さ方向をZ方向とも称す。
壁面緑化システム1は、図1に示すように、複数の壁面緑化ユニット12と、これらの壁面緑化ユニット12を支持する支持ラック20とを備えて構成されている。
本実施形態では、複数の壁面緑化ユニットはn段(nは2以上の自然数)に積まれた後述の壁面緑化ユニット12で構成されている。複数の壁面緑化ユニット12は、説明の便宜上、最上段の壁面緑化ユニット12から順に、壁面緑化ユニット12−1、壁面緑化ユニット12−2、壁面緑化ユニット12−3・・・とも称し、最下段の壁面緑化ユニット12を壁面緑化ユニット12−nとも称す。壁面緑化ユニット12の数(n)は2以上20以下の範囲であってもよい。とりわけ、壁面緑化ユニット12の数(n)は、5以上15以下の範囲にあることが好ましく、8以上12以下の範囲にあることがより好ましい。
支持ラック20は、台座部22と、一対の支柱24と、管支持部26とを備えて構成されている。台座部22は、支持ラック20が設置される床面や地面等に配置される。一対の支柱24はいずれも台座部22からZ方向に延びる柱状体であり、Y方向に並んでいる。各支柱24には、X方向に沿って側面10から離れる向きに延びる複数のユニット支持部25が、所定間隔で配置されている。本実施形態において、一対の支柱24には同数のユニット支持部25が設けられ、同じ高さ位置(Z方向における位置)に配置されている。管支持部26は、一対の支柱24の上端において支柱間に架けわたされており、Y方向に延在する灌水管27を支持する部分である。管支持部26は、本実施形態では矩形枠状を有している。支持ラック20には、台座部22や支柱24を覆い隠すように、化粧板23、28を取り付けることができる。
続いて、壁面緑化ユニット12について、図2〜図4を参照しつつ説明する。
壁面緑化ユニット12は、植栽基盤の一種であるロックウールシート14と、表面被覆材16と、植栽30とを備えて構成されている。
ロックウールシート14は、図2、3に示すように、Y方向に沿って延びる直方体の外形を有している。ロックウールシート14は、X方向において対面する側面14a、14b、Z方向において対面する上面14cおよび下面14d、Y方向において対面する14e、14fを有する。以下の説明では、X方向において対面する側面14a、14bのうち、構造物の側面10側とは反対の側の面14aを表面、側面10側の面14bを裏面とも称す。
ロックウールシート14は、X方向に重ねられた板状の2枚のロックウールシート14A、14Bで構成されている。ロックウールシート14は、Z方向長さH(高さ)が80〜190mmの範囲(一例として、140mm)となり、X方向長さT(厚さ)が60〜150mmの範囲(一例として、60mm)となり、Y方向長さL(長さ)が一例として600mmとなるように設計されている。ロックウールシート14の高さHは、より好ましくは90〜150mmの範囲であり、さらに好ましくは100〜130mmの範囲である。また、ロックウールシート14の厚さTは、より好ましくは65〜120mmの範囲であり、さらに好ましくは70〜100mmの範囲である。なお、ロックウールシート14の上記寸法は、ロックウールシートを、100℃の温度条件下で24時間乾燥させた後に測定したものを意味する。ロックウールシート14は、2枚のシート14A、14Bで構成されているが、必要に応じて1枚のシートや3枚以上のシートを積層して構成してもよい。
また、ロックウールシート14は、90〜300kg/mの乾燥時密度を有する。乾燥時密度とは、ロックウールシートを、100℃の温度条件下で24時間乾燥させた後の密度である。ロックウールシート14の乾燥時密度は、100〜250kg/mの範囲にあることが好ましく、110〜220kg/mの範囲にあることがより好ましく、120〜200kg/mの範囲にあることがさらに好ましく、140〜180kg/mの範囲にあることが特に好ましく、160〜180kg/mの範囲にあることが最も好ましい。
さらに、ロックウールシート14は、単位体積あたりに保水することができる能力(保水能)を示す指標である保水量が0.45〜0.85(l/l)である。すなわち、ロックウールシート14は1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水可能である。保水量は、ロックウールシート14と保水される水との体積割合(vol%)で示すこともできる。ロックウールシート14の保水量は、0.50〜0.82l/lの範囲にあることが好ましく、0.55〜0.80l/lの範囲にあることがより好ましく、0.60〜0.75l/lの範囲にあることがさらに好ましい。ロックウールシート14の保水量は、((W2−W1)/1000)/(L×H×T/1000)で表すことができ、ここで、L、H、Tはそれぞれ、上述したロックウールシート14の長さ(cm)、高さ(cm)、厚さ(cm)であり、W1は100℃の温度条件下で24時間乾燥させた後のロックウールシート14を重量(g)であり、W2は上記乾燥させたロックウールシート14に対してその体積(=L×H×T)の2倍以上の水を散水ホース等で付与した後のロックウールシート14の重量(g)である。
ロックウールシート14の表面14aには、穴部15が設けられている。本実施形態では、4つの穴部15がY方向に沿って等間隔で並んでいる。穴部15は、ロックウールシート14を貫通していないが、ロックウールシート14を貫通して裏面14bまで達するようにすることもできる。本実施形態において、穴部15は円形開口および円形断面(Y−Z断面)を有しており、開口の直径φは一例として90mmである。穴部15の開口形状やY−Z断面形状は、円形に限らず、楕円形や多角形等であってもよい。
植栽基盤には、上述したロックウールシート14以外の人工培地(たとえば、ポリエステル硬化培地、多孔質セラミックス培地等)を採用することもできる。
表面被覆材16は、図2に示すようにロックウールシート14の4つの側面14a、14b、14e、14fを囲むように設けられている。ロックウールシート14の上面14cおよび下面14dは、表面被覆材16に覆われておらず、表面被覆材16から露出している。表面被覆材16は、植栽30のより安定な固定および壁面緑化ユニット12の意匠性のさらなる向上に寄与する。表面被覆材16としては、不織布、樹脂シート、繊維強化樹脂シート等を用いることができる。
表面被覆材16は導水性を有することが好ましい。なお、導水性とは、室温(20〜25℃)で、垂直にした表面被覆材16の下端を水に浸けた状態で、30分間に80mm以上、水を吸い上げる性能を有することを意味する。表面被覆材16が導水性を有することで、ロックウールシート14の下部又は下方から一度ロックウールシート14外に排出された水分が表面被覆材16を伝って上方に引き上げられ、ロックウールシート14の上部に再度供給されることで水分の循環が促進される。また、表面被覆材16には、ロックウールシート14に設けられた穴部15が露出するように、各穴部15に対応する領域に開口17を設けることができる。導水性を有する表面被覆材16として、たとえば有機繊維製不織布が挙げられる。
植栽30は、図4に示すように、表面被覆材16の開口17を介して、ロックウールシート14の各穴部15に収容される。植栽30は、培地に植え付けられた低木や草花等の植物に限らず、培地を伴わない植物自体や、培地に植え付けられた後に通水可能な容器に収容された植物であってもよい。植栽30には、土壌や人工軽量土壌、ロックウール等の培地を用いることができる。本実施形態では、植栽30に用いる植物は同一種類の植物(たとえばタマシダ、イノモトソウ)であり、育成に必要な水分量等の育成条件が同じである。
次に、壁面緑化システム1における壁面緑化ユニット12の配置について、図1および図5を参照しつつ説明する。
壁面緑化システム1において、複数の壁面緑化ユニット12それぞれは、支持ラック20の一対の支柱24の間においてY方向に延びるように支持されているとともに、所定間隔DでZ方向に並ぶように支持ラック20に搭載されている。具体的には、n個の壁面緑化ユニット12−1、12−2、・・・、12−nが、n段に等間隔で積まれている。壁面緑化ユニット12間の間隔Dは5〜120mmの範囲となるように設計されている。図5に示すように、上下に並ぶ壁面緑化ユニット12において、上側の壁面緑化ユニット12(たとえば、壁面緑化ユニット12−1)のロックウールシート14の下面14dは、下側の壁面緑化ユニット12(たとえば、壁面緑化ユニット12−2)のロックウールシート14の上面14cと対面している。壁面緑化ユニット12間の間隔Dは、10〜80mの範囲にあることが好ましく、15〜50mmの範囲にあることがより好ましく、20〜40mmの範囲にあることがさらに好ましい。
支持ラック20に配置された壁面緑化ユニット12には、最上段の壁面緑化ユニット12−1の上方に位置する灌水管27から水が供給される。灌水管27は、図示しない給水タンクまたは水栓から延びており、灌水管27の周側面には、図示しない給水口が設けられている。灌水管27は、給水口を介して、最上段の壁面緑化ユニット12−1に対して給水をおこなう。灌水管27から供給された水は、最上段の壁面緑化ユニット12−1の上面14cからロックウールシート14内に浸入し、ロックウールシート14全体に浸透した後、下面14dから浸出する。このとき、上面14cから浸入した水はロックウールシート14内を下方に向かって流れるが、下面14dからすぐに浸出することなく、下面14dにおいて堰き止められる。これは、下面14dの下方に、ロックウールシート14間の間隙(すなわち、空気層)が存在するためである。下面14dにおいて堰き止められた水は、ロックウールシート14内を上方に向かって吸い上げられて、ロックウールシート14の上部にも十分な水が行き渡る。その結果、ロックウールシート14内に満遍なく水が行き渡り、ロックウールシート14に対して過不足のない水分量が供給される。ロックウールシート14内に満遍なく水が行き渡ると、その後は、ロックウールシート14の下面14dから、水が自由落下により滴り落ちて、その下段の壁面緑化ユニット12のロックウールシート14の上面14cに浸入する。複数段の壁面緑化ユニット12は、各段において上記の浸入/浸出をおこなわれることで、全ての段におけるロックウールシート14に満遍なく水が行き渡って実質的に同じ水分量に保たれる。
上述したとおり、壁面緑化システム1は、構造物の側面10に設置され、かつ、構造物の側面10に近接するとともにZ方向に沿って配置されたn個の壁面緑化ユニット12を備える壁面緑化システムであって、n個の壁面緑化ユニット12が、5〜120mmの範囲で離間しており、各壁面緑化ユニット12が、表面14aに穴部15が設けられたロックウールシート14と、ロックウールシート14の穴部15に収容された植栽30とを有し、ロックウールシート14が、Z方向における長さH(高さ)が80〜190mmの範囲であり、X方向における長さT(厚さ)が60〜150mmの範囲であり、乾燥時密度が90〜300kg/mの範囲であり、1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水することができ、Z方向において隣り合う2つの壁面緑化ユニット12のロックウールシート14のうちの上側のロックウールシート14の下面14dから下側のロックウールシート14の上面14cまで自由落下で水が移動する。
発明者らは、壁面緑化システム1によれば、n個のロックウールシート14それぞれにおいて均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽30を安定的に保持することができることを新たに見出した。
そして、このような広範囲に亘って均一な育成環境を実現することで、上述した実施形態のように同一種類の植物を側面10の広範囲に亘って配置することができ、壁面緑化システム1によって緑化された壁面の美感が高められる。
発明者らは、以下に示す実施例をおこない、広範囲に亘って均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる壁面緑化システムについて評価した。
図6、7の表を参照しつつ、上述した壁面緑化システムの実施例および比較例を示し、壁面緑化システムの各特性について説明する。
図6、7の表それぞれには、植栽基盤の「種別」、「保水量(l/l)」、「乾燥時密度(kg/m)」、「高さ(mm)」、「厚さ(mm)」、植栽基盤の間隔Dに係る「植栽基盤間隙間(mm)」、植栽基盤の段数nに係る「植栽基盤積載段数」、植栽基盤に対する表面被覆材の被覆態様に係る「表面被覆材被覆態様」が示されている。また、図5、6の表それぞれには、評価結果として、「植物育成(上部)」、「植物育成(下部)」、「植栽保持安定性」および「施工性」が示されている。
ここで、「植物育成(上部)」とは、壁面緑化システムの上部の壁面緑化ユニット(上側20%)における植物育成結果に係る評価項目である。その育成条件は、育成に比較的多量の水を要するイノモトソウを、屋内(温度条件は20±5℃、日照条件は昼間の平均照度500ルクス以上)において、4ヶ月間、週に1度の頻度の灌水とした。この評価項目において、「◎」とは、生育した植物の平均サイズが植栽したときの植物の平均サイズに比べて20%超となったことを意味し、「○」とは、生育した植物の平均サイズが植栽したときの植物の平均サイズに比べて−20%〜+20%となったことを意味し、「×」とは、生育した植物の平均サイズが植栽したときの植物の平均サイズに比べて−20%より小さくなったことまたは枯れたことを意味する。「植物育成(下部)」とは、壁面緑化システムの上部の壁面緑化ユニット(下側20%)における植物育成結果に係る評価項目である。その育成条件および「◎」「○」「×」の意味は、「植物育成(上部)」と同様である。
また、「植栽保持安定性」とは、植栽基盤の穴部に収容された植栽の保持安定性に係る評価項目である。この評価項目において、「◎」とは、植栽を穴部から引き抜くことが困難であることを意味し、「◎」とは、植栽を穴部から引き抜くことができることを意味し、「×」とは、植栽が自重により自然に垂れ下がることを意味する。
さらに、「施工性」とは、作業者が壁面緑化システムを施工する際の施工性に係る評価項目である。この評価項目において、「○」とは、作業者が一人で別途の治具を用いることなく壁面緑化システムを施工できることを意味し、「×」とは、作業者が一人で別途の治具を用いることなく壁面緑化システムを施工することができないことを意味する。
(実施例1)
実施例1では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシート(RWシート)を用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
実施例1では、「植物育成(上部)」、「植物育成(下部)」、「植栽保持安定性」の評価項目がいずれも「◎」であり、「施工性」の評価項目も「○」であった。
このように実施例1に係る壁面緑化システムでは、上部の植栽基盤にも下部の植栽基盤にも均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる。
(実施例2)
実施例2では、植栽基盤として、保水量0.56l/l、乾燥時密度100kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
実施例2では、「植物育成(上部)」、「植物育成(下部)」の評価項目がいずれも「◎」であり、「植栽保持安定性」、「施工性」の評価項目も「○」であった。
このように実施例2に係る壁面緑化システムでも、上部の植栽基盤にも下部の植栽基盤にも均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる。乾燥時密度が170kg/mである実施例1のほうが、乾燥時密度100kg/mである実施例2よりも植栽保持安定性が優れていた。
(実施例3)
実施例3では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の上下面および側面の全てを覆うように設けた。
実施例3では、「植物育成(上部)」、「植物育成(下部)」、「施工性」の評価項目がいずれも「○」であり、「植栽保持安定性」の評価項目が「◎」であった。
このように実施例3に係る壁面緑化システムでも、上部の植栽基盤にも下部の植栽基盤にも均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる。表面被覆材が植栽基盤の側面のみを覆う実施例1のほうが、表面被覆材が植栽基盤の上下面および側面の全てを覆う実施例3よりも植物育成(上部および下部)に優れていた。
(実施例4)
実施例4では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を25段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
実施例4では、「植物育成(上部)」、「植栽保持安定性」の評価項目がいずれも「◎」であり、「植物育成(下部)」、「施工性」の評価項目がいずれも「○」であった。
このように実施例4に係る壁面緑化システムでは、上部の植栽基盤にも下部の植栽基盤にも均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができる。植栽基盤積載段数が10段である実施例1のほうが、植栽基盤積載段数が25段である実施例4よりも植物育成(下部)が優れていた。
(比較例1)
比較例1では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を2mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例1では、「植物育成(上部)」の評価項目が「×」であった。比較例1では、植栽基板間隙間が2mmであったため、その隙間が狭すぎることで空気層として機能せず、植栽基盤の下面において水が堰き止められることなく下側の植栽基盤に水が流れ、植栽基盤内に十分な水が保水されなかったためであると考えられる。
このように比較例1に係る壁面緑化システムでは、上部の植栽基盤と下部の植栽基盤とで均一な育成環境を実現することができなかった。
(比較例2)
比較例2では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を130mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例2では、「植物育成(下部)」の評価項目が「×」であった。比較例2では、植栽基板間隙間が130mmであったため、その隙間が広すぎることで隙間を自由落下する水の移動が風により妨げられ、下側の植栽基盤に十分な水が伝わらなかったためであると考えられる。
このように比較例2に係る壁面緑化システムでは、上部の植栽基盤と下部の植栽基盤とで均一な育成環境を実現することができなかった。
(比較例3)
比較例3では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ60mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例3では、「植栽保持安定性」の評価項目が「×」であった。比較例3では、植栽基板の高さが60mmであったため、植栽基盤が植栽を十分に保持できなかった。
このように比較例3に係る壁面緑化システムでは、実用上十分な植栽保持安定性を実現することができなかった。
(比較例4)
比較例4では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ200mm、厚さ80mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例4では、「植物育成(上部)」および「植物育成(下部)」の評価項目が「×」であった。比較例4では、植栽基板の高さが200mmであり、高さが高すぎるために、植栽基盤内に水が行き渡らずに植栽基盤が乾燥するためである。また、植栽基盤の高さが高すぎるため、植栽基盤内において上面まで水が吸い上がらないためである。
このように比較例4に係る壁面緑化システムでは、良好な育成環境の植栽基盤を実現することができなかった。
(比較例5)
比較例5では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ50mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例5では、「植栽保持安定性」の評価項目が「×」であった。比較例5では、植栽基板の厚さが50mmであり、植栽基板が薄すぎるため、植栽基盤が植栽を十分に保持できなかった。
このように比較例5に係る壁面緑化システムでは、実用上十分な植栽保持安定性を実現することができなかった。
(比較例6)
比較例6では、植栽基盤として、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ125mm、厚さ160mmのロックウールシートを用い、植栽基板間隙間を25mm、植栽基盤積載段数を10段とした。表面被覆材として、有機繊維製不織布を植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
比較例6では、「施工性」の評価項目が「×」であった。比較例6では、植栽基板の厚さが160mmであり、植栽基盤が厚すぎて植栽基盤の重量が増したため、施工性が悪化した。
このように比較例6に係る壁面緑化システムでは、高い施工性を実現することができなかった。
(参考例1)
参考例1では、植栽基盤として、1つ(1段)のロックウールシートで評価をおこなった。参考例1におけるロックウールは、保水量0.71l/l、乾燥時密度170kg/m、高さ275mm、厚さ80mmとした。また、表面被覆材は植栽基盤の側面のみを囲うように設けた。
参考例1では、「植物育成(上部)」、「施工性」の評価項目が「×」であった。参考例1では、実施例1における植栽基盤2段分の高さ(すなわち、125mm/段×2段+25mm隙間)の植栽基盤を用いたところ、植栽基盤の高さが高すぎたために、植栽基盤内に水が行き渡らずに植栽基盤が乾燥した。また、植栽基盤の高さが高すぎるため、植栽基盤内において上面まで水が吸い上がらなかった。さらに、植栽基盤が高くなったことで植栽基盤の重量が増し、施工性が劣化した。
このように参考例1に係る壁面緑化システムでは、植栽基盤における良好な育成環境および高い施工性を実現することができなかった。
以上で示した実施例から、複数の壁面緑化ユニット12が、5〜120mmの範囲で離間しており、各壁面緑化ユニット12が、表面14aに穴部15が設けられたロックウールシート14(植栽基盤)と、ロックウールシート14の穴部15に収容された植栽30とを有し、ロックウールシート14が、Z方向における長さH(高さ)が80〜190mmの範囲であり、X方向における長さT(厚さ)が60〜150mmの範囲であり、乾燥時密度が90〜190kg/mの範囲であり、1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水することができ、Z方向において隣り合う2つの壁面緑化ユニット12のロックウールシート14のうちの上側のロックウールシート14の下面14dから下側のロックウールシート14の上面14cまで自由落下で水が移動する壁面緑化システムによって、広範囲に亘って均一な育成環境を実現することができるとともに、高い施工性を有し、かつ、植栽を安定的に保持することができることが確認された。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
たとえば、表面被覆材は、植栽基盤の全ての面(上下面および側面)を覆う態様であってもよい。ただし、植栽基盤の上面への水の自由落下および植栽基盤の下面からの水の自由落下を阻害しない観点から、植栽基盤の上面および下面は表面被覆材で覆わないことが好ましい。
また、壁面緑化ユニットの数および段数は、20以下とすることができる。壁面緑化ユニットの数および段数を20以下とすることで、最下段の壁面緑化ユニットまで確実にかつ十分に給水をおこなうことができる。
さらに、植栽基盤の表面に設けられた穴部は、少なくとも1つあればよく、4つに限らず適宜増減することができる。
また、壁面緑化システムにおいて、壁面緑化ユニットを支持する構成は、上述した支持ラックを用いた構成に限らず、適宜に変更することができる。
1…壁面緑化システム、10…側面、12…壁面緑化ユニット、14…ロックウールシート、15…穴部、16…表面被覆材、30…植栽、27…灌水管。

Claims (5)

  1. 構造物の側面に設置され、かつ、前記構造物の側面に近接するとともに前記構造物の高さ方向に沿って配置された複数の壁面緑化ユニットを備える壁面緑化システムであって、
    前記複数の壁面緑化ユニットが、5〜120mmの範囲で離間しており、
    前記各壁面緑化ユニットが、前記側面側とは反対の側に少なくとも一つの穴部が設けられた植栽基盤と、前記植栽基盤の前記穴部に収容された植栽とを有し、
    前記植栽基盤が、前記構造物の高さ方向における長さが80〜190mmの範囲であり、厚さが60〜150mmの範囲であり、乾燥時密度が90〜300kg/mの範囲であり、1リットル当たり最大で0.45〜0.85リットルの水を保水することができ、
    前記構造物の高さ方向において隣り合う2つの前記植栽基盤のうちの上側の植栽基盤の下面から下側の植栽基盤の上面まで自由落下で水が移動する、壁面緑化システム。
  2. 前記植栽基盤がロックウールシートである、請求項1に記載の壁面緑化システム。
  3. 前記植栽基盤が140〜180kg/mの乾燥時密度を有する、請求項1または2に記載の壁面緑化システム。
  4. 2〜20個の前記壁面緑化ユニットを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の壁面緑化システム。
  5. 前記壁面緑化ユニットが、前記植栽基盤の少なくとも側面を被覆する表面被覆材をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の壁面緑化システム。
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