JP2017110282A - 圧電体基板の蒸着方法および真空蒸着装置 - Google Patents

圧電体基板の蒸着方法および真空蒸着装置 Download PDF

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【課題】成膜不良発生率の低い真空蒸着装置および成膜方法を実現する。【解決手段】蒸着源34を有する真空チャンバー11と、真空チャンバー11内を真空状態に近づける排気機構13と、真空チャンバー11内に配置される圧電体基板Wを保持する基板保持治具21と、基板保持治具21を搭載する基板サークル20と、基板サークル20の中心を回転中心として基板保持治具21を公転させる基板保持治具公転機構23と、基板保持治具21を自転させる基板保持治具自転機構24とを有する真空蒸着装置10を用い、圧電体基板Wの表面に形成した複数の溝間に位置する壁部表面に、導電材からなる薄膜を形成する圧電体基板Wの蒸着方法であって、蒸着源34は、基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から離間した位置から蒸着材料を飛散させる圧電体基板Wの蒸着方法。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電体基板の蒸着方法および真空蒸着装置に関する。
薄膜の形成技術は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)技術と、PVD(Physical Vapor Deposition:物理的成長)技術とに大きく分けられる。特に、PVD技術の一種である真空蒸着法は、構造が簡単で、膜の厚さの制御が容易であることから、工学的な薄膜や、電子部品などについて、従来から広く用いられてきた。また、PVD技術としては、他に様々な種類のスパッタリングやイオンプレーティングなどの手法が用いられている。
具体的な手法の詳細として、PVD技術は、蒸着粒子を基板に効率よく堆積させるために成膜室内を真空にするステップと、蒸着粒子を基板に堆積させて薄膜を形成するステップと、を備えることを特徴とする。このようなPVD技術を使用し、バッチ処理方式を用いて製膜を行う。バッチ処理とは、一般的に基板セット→排気・基板加熱→成膜→基板冷却→大気開放→基板取り出しのサイクルを1つの真空室で行なうことを指すことであり、より広義の意味で、複数のワーク体を蒸着装置の中に設置し、1回の蒸着処理でこの複数のワーク体に製膜を施す場合を指すことがある。
このバッチ処理で成膜を行う場合、1回のバッチ処理毎に、成膜室内をロータリーポンプ等で真空引きして所定の真空圧にしなければならない。この真空引きは、成膜時間と比較して長時間を要するため、1回のバッチ処理でなるべく多くの基板(ワーク体)の面に成膜するのが望ましい。例えば、特許文献1には、板状の基板を180度回転させることで、1回のバッチ処理で基板の表面と裏面の2面を成膜するスパッタ装置が開示されている。また、同文献には、3枚の基板を備える3角柱型の基板ホルダを使用することで、1回のバッチ処理で3面を成膜するスパッタ装置が開示されている。
特開平3−82762号公報
ところで、成膜室内の蒸着源と基板の、距離や角度が一定で成膜ステップさせる方法では、蒸着源と基板(ワーク体)の間にゴミ等の異物があった場合に、基板(ワーク体)がその回転中心の延長線上に蒸着源を配置して公転すると、基板(ワーク体)上で異物の影となる箇所が常に同じであるため、蒸着されない箇所が発生する。このため、蒸着されない箇所の位置やサイズによっては、成膜する導電部材が断線するという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、成膜不良発生率の低い真空蒸着装置および成膜方法を実現することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の第一の観点にかかる圧電体基板の蒸着方法は、蒸着源を有する真空チャンバーと、前記真空チャンバーの室内を真空状態に近づけるための排気機構と、前記真空チャンバーの室内で圧電体基板を保持する基板保持治具と、前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を搭載する基板サークルと、前記基板サークルの中心を回転中心として前記基板保持治具を公転させる基板保持治具公転機構と、前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を自転させる基板保持治具自転機構と、を有する真空蒸着装置を用いて、前記圧電体基板の表面に形成した複数の溝の間に位置する壁部の表面に、導電材からなる薄膜を形成する圧電体基板の蒸着方法であって、前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から離間した位置から蒸着材料を飛散させることを特徴とする圧電体基板の蒸着方法である。
前記目的を達成するため、本発明の第二の観点にかかる真空蒸着装置は、蒸着源を有する真空チャンバーと、前記真空チャンバーの室内を真空状態に近づけるための排気機構と、前記真空チャンバーの室内で圧電体基板を保持する基板保持治具と、前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を搭載する基板サークルと、前記基板サークルの中心を回転中心として前記基板保持治具を公転させる基板保持治具公転機構と、前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を自転させる基板保持治具自転機構と、を有する真空蒸着装置であって、前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から離間した位置に配置されている真空蒸着装置である。
本発明の第三の観点にかかる真空蒸着装置は、前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から1cm以上離間した位置に配置されていることを特徴とする真空蒸着装置である。
本発明の第四の観点にかかる真空蒸着装置は、前記基板保持治具は、前記真空チャンバーの室内に複数配置されていることを特徴とする真空蒸着装置である。
本発明の第五の観点にかかる真空蒸着装置は、前記基板保持治具自転機構は、前記真空チャンバーの室内に1箇所だけ配置されていることを特徴とする真空蒸着装置である。
本発明にかかる真空蒸着装置および方法によれば、基板とゴミ等の異物の間に隙間がある場合において、成膜中に基板サークルが回転することによって異物の影となって成膜されない箇所が順次変わることで、成膜の全くされない箇所ができることを防ぐことができる。
実施形態に係る真空蒸着装置の概略構成図である。 実施形態に係る真空蒸着装置の基板サークルの上面図である。 実施形態に係る真空蒸着処理のフローチャートである。 実施形態に係る基板保持冶具自転処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態1にかかる真空蒸着装置について詳細に説明する。
図1は本実施形態にかかる真空蒸着装置10の側面図である。真空蒸着装置10は、図1に示すように、真空チャンバー11と、真空チャンバー11の内部に構成される基板サークル20と、基板保持冶具21と、基板保持冶具公転機構23と、基板保持冶具自転機構24と、蒸着源34と、シャッター36とを備え、さらに真空チャンバー11の外部に制御部50を備えて構成される。
真空チャンバー11は、内部に密閉された空間(成膜室)を備え、成膜室内で基板に薄膜を形成するために使用される。
基板サークル20は、真空チャンバー11の内部に備えられており、基板保持冶具21と基板保持冶具自転機構24とを搭載した状態で、基板保持冶具公転機構23により基板Wを搭載したまま回転可能に構成されている。本実施形態では、図1に真空蒸着装置10の側面図を示しているが、この基板サークル20は時計回りに回転可能とする。
また、真空チャンバー11の室内には、蒸着源34と、電子銃35と、シャッター36とが配置される。蒸着源34とシャッター36は互いに対向する位置に配置されており、後述する基板サークル20の回転中心の延長線上からずれた位置に配置されている。言い換えれば、蒸着源34は基板サークル20の回転中心の延長線上に配置しておらず、蒸着源34は基板サークル20の回転中心の延長線上から離間して配置している。
蒸着源34は、基板に堆積させるための金などの成膜材料からなり、電子銃35が蒸着源34を加熱することにより、成膜材料が蒸発することで、成膜材料が飛散し、基板に付着する。また、この蒸着源34は、蒸発材料(成膜材料)を入れるルツボ(ハース)部として備えても構わない。
なお、蒸着源34は、図1、2に示す通り、基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から離間した位置に配置されている。好ましくは、蒸着源34は、基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から1cm以上ほど離間した位置に配置されている。
このように、蒸着源34の位置を基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から離間した位置に配置したため、たとえ蒸着源34と基板Wの間に異物が混入し、異物によって影ができる形で、基板Wに蒸着材料が飛散する経路の一部を塞いでしまったとしても、蒸着源34から離間した位置を回転中心として公転(後に詳述)するため、蒸着源34から飛散した蒸着材料が飛散する角度が基板Wの公転位置によって変化する。そのため、たとえ蒸着源34と基板Wの間に異物が混入したとしても、異物による影の範囲が変化するため、特定の同じ範囲に影ができ続けることがない。これによって、導電材からなる蒸着材料によって形成した薄膜が断線することを防止することができる。
電子銃35は、タングステンなどの融点の高い金属を材料とし、蒸着源34を抵抗加熱方式で加熱するために使用される。具体的に、ここで説明する電子ビーム蒸着とは、真空中で電子銃35から発生する電子ビームを蒸着源34に照射し、加熱・蒸発させ、被成膜物(基板)へ薄膜を形成する方法である。なお、電子銃35は、真空蒸着装置10に内蔵され、電子を発生させ電子ビームとして加速し偏向させる。
この電子銃35は、本実施形態においては、上述した蒸着源34とシャッター36から所定距離だけ離間した位置に配置している。具体的に、電子銃35の位置は、基板サークル20の回転中心を挟んで蒸着源34とシャッター36とは離間した位置に配置している。
これらの蒸着装置による手法は、一般的に電子ビーム蒸着法として知られているが、様々な特長を有している。具体的に、加熱源が電子の運動エネルギーであり、直接的に蒸着源34を加熱するため、効率が良い。また、電子ビームの電力密度は大きく、高融点金属を始め、酸化物や化合物、昇華性物質など様々な材料の蒸発が可能である。さらに、電子ビームは、電界や磁界で精度良く制御できるし、電子ビームを一定範囲に高速にスキャンすることができ、蒸着源34に最適な電力密度でビーム照射ができる。
なお、電子ビームは270度または180度偏向されて蒸着源34に照射される。使用環境としては、高真空下(10−2Pa〜10−5Pa程度)で使用される。また、ルツボや蒸着源34を複数用いる事により、1回のプロセスで多層膜の成膜が可能である。
また、真空チャンバー11は、真空チャンバー11内の気体を排気する排気機構13と、真空チャンバー11内に気体を供給する給気機構14とを備える。これらの排気機構13および給気機構14には、図示しない電磁バルブなどの弁体が備えられており、真空蒸着装置10の使用タイミングにより適宜に開閉することが可能である。また、排気機構13および給気機構14には気体を排気/供給するための図示しない排気ポンプ/供給ポンプがそれぞれ設けられており、気体の排気/供給をサポートすることができる。
基板保持冶具21は、図1では対向する2つのみを図示するが、図2に示すようにそれぞれ対向する位置に4箇所ずつ、つまり図示しない基板を合計8個配置するように構成する。具体的に、基板サークル20の回転中心から見て、時計表示とした場合の3時、9時、6時、12時の位置に相当する東・西・南・北の4箇所に加え、北東・南東・北西・南西の位置に4箇所の基板を保持している。
シャッター36は、開閉可能に構成され、オープン時に蒸着粒子を飛散させ、クローズ時に蒸着粒子を遮蔽する機能を有している。具体的に、シャッター36は、図1に示すように、略ト字型の支持アームと、シャッター36のクローズ時に蒸着源34と対向する金属板とで構成されている。支持アームは、図面上下方向に伸びる上下棒部と、金属板に接続する左右棒部に分かれており、上下棒部が回転することによって、上述した蒸着源34と対向したり、蒸着源34との対向位置から外れたりすることができる。
図2に、本実施形態にかかる真空蒸着装置1の上面図を示す。図1,2に示すように、合計8個の基板保持冶具21は、基板サークル20の回転円に沿って等間隔で真空チャンバー11の天井に固定される。
本実施形態においては、基板保持冶具自転機構24が基板保持冶具21の個数よりも少ない形態を検討する。具体的に、本実施形態における基板保持冶具21が8個あるのに対し、図2に示すように、基板保持冶具自転機構24は1つしかない形態を検討する。
この構成において、8個の基板保持冶具21を全て自転させるには、基板保持冶具21の1つに基板保持冶具自転機構24が係合する位置まで基板サークル20を回転させ、各基板保持冶具21を公転させる必要がある。そこで、本実施形態における基板保持冶具公転機構23は、制御部50の制御により、図2のように配置された基板保持冶具21を、それぞれの位置関係(各基板保持冶具21が等間隔に配置されている状態)を維持しつつ、基板サークル20を公転させる。
また、基板保持冶具公転機構23は成膜時に基板保持冶具21を所定の回転速度で公転させるための機構でもある。回転速度については任意に制御することが可能である。
なお、基板保持冶具自転機構24が基板保持冶具21を自転させる方向は、時計回りでも反時計回りでも構わないし、任意に設定することが可能である。
なお、本実施形態における基板保持冶具公転機構23は、図示しないモーター装置によって駆動される形態であり、基板保持冶具21を任意の位置まで回転移動させ、また任意の位置において静止させることができる。任意の位置まで回転移動させ静止させる方法は、一般的な手法を用いて構わないが、例えば各種の位置センサーを用いて基板保持冶具21の位置を判断することができる。
以下、制御部50を用いて、真空蒸着装置10を制御する方法について説明する。
図1に概略を示す通り、制御部50は、真空蒸着装置10を制御する制御装置であり、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53とを備えて構成されている。この制御部50は、給気機構14と、排気機構13と、電子銃35と、基板保持冶具公転機構23と、装置内の各種の機器を制御することができるように接続されている。なお、制御部50の真空蒸着装置10の位置については特に限定されないが、真空チャンバー11の外側であって、かつ上述した各部分との電気的な通信接続が維持されるように配置されている。
CPU51は、ROM52に格納・保存されたプログラムを読み出して繰り返し演算処理および各部分への指令伝達を実行することができる。具体的に、CPU51は、全体を制御する制御装置、演算装置、データを一時記憶するレジスタ、メモリなどの記憶装置とのインタフェース、周辺機器との入出力装置とのインタフェース、などから構成される。
その他、例えば、浮動小数点演算を行うFPU(浮動小数点演算ユニット)、レジスタより多くの情報を一時記憶するキャッシュメモリ、DMAコントローラ、タイマー、シリアルインターフェースなどの機能をCPU51と同一IC内に持つものでも構わない。また、メモリから読み込んだ命令語を内部的なオペレーションに置き換える変換部を持つものでも構わない。
ROM52は、主に、真空蒸着プログラムを含む真空蒸着装置10の制御プログラムと、膜厚設定値と、を格納する。膜厚設定値は、基板保持冶具21の保持する基板Wに成膜される膜厚の設定値である。
なお、本実施形態における真空蒸着は、一般的に斜方蒸着と呼ばれる手法であって、基板に対して飛散した蒸着物質が基板に付着することで成膜がなされるものであるが、蒸着物質の飛散方向が基板表面に対して垂直ではなく、所定の角度が付けられて蒸着物質が飛散するように基板保持冶具21および基板Wの位置が調整されている。図1に示すように、本実施形態においては、蒸着源34から真っ直ぐ上方に向かった位置には基板保持冶具21および基板Wが設けられておらず、基板保持冶具21および基板Wは蒸着源34から真っ直ぐ上方に向かった位置から所定距離ずれた位置に設けられている。
さらに、本実施形態の基板Wは圧電体物質によって構成された基板を用いることができる。具体的な圧電体物質としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成された物質を採用することが可能である。また、この基板Wには図示しない溝形状が形成されており、上述した斜方蒸着法を用いることによって、飛散した蒸着物質は当該溝形状の側面に付着することが可能となっている。
ここで、本実施形態における膜厚は、当対溝形状の側面に堆積した蒸着物質の膜厚であって、複数の溝の間に構成された壁部の表面における、溝の幅方向の厚さが、ここで言う膜厚に相当することとする。
RAM53は、CPU51のワ−クエリアとして機能する構成要素である。具体的に、RAM53は、上述したROM52と併せて、制御部50の主記憶装置を担っており、CPU51が直接アクセスすることのできる記憶装置である。CPU51は、RAM53に格納されたデータに任意の順序でアクセスすることができる。例えば、アドレス信号によって番地情報を与えることにより任意の番地のメモリーセルに対して読み出しや書き込みといった操作を実行することができる。
以下に、本実施形態における真空蒸着装置10を用いた蒸着成膜手法について、具体的に説明する。
まず、上記の構成に示した通り、基板Wが保持された8個の基板保持冶具21と、この基板保持冶具21を支持する基板サークル20と、が真空チャンバー11内に設置される。各部材が真空チャンバー11内に設置された後に、真空チャンバー11を外部から閉ざし密閉する。そして、排気機構13により図示しない排気機構13の電磁バルブをオープンし、図示しない排気ポンプを稼働させて、真空チャンバー11内を真空引きして真空状態に近づける。真空チャンバー11内が真空状態に近づいたことを確認した上で、電子銃35により蒸着源34の加熱が開始される。
上述した図示しない位置センサーからなる判断機構により、基板保持冶具自転機構24上に基板W及び基板Wを設置している基板保持冶具21があると判断した場合は、基板保持冶具自転機構24が基板保持冶具21を自転させる。そして、基板保持冶具自転機構24が基板保持冶具21の自転を繰り返し実行し、8個の基板保持冶具21がすべて自転すると、基板保持冶具公転機構23が所定の回転速度で公転する。
このタイミングで、シャッター36の上下棒部が回転し、シャッター36がオープン状態となり、真空蒸着が開始される。そして、基板Wに蒸着粒子が堆積することにより、基板Wが成膜される。成膜が終了すると、再びシャッター36の上下棒部を回転させ、シャッター36をクローズ状態として、電子銃35及び基板保持冶具公転機構23が停止される。
制御部50の動作として、CPU51は、ROM52から、真空蒸着装置10の制御プログラムを読み出して実行する。そして、ユーザーの操作等に応答して、真空蒸着装置10の制御プログラムのメインフローの中で真空蒸着プログラムを読み出して、例えば、周期的なタイマー割り込みなどにより、繰り返し実行する。
図3に真空蒸着処理のフローチャートを示す。
まず、基板保持冶具21に基板Wを保持させ、蒸着源34を配置する(ステップ1)。具体的に、本実施形態では作業者が基板W及び蒸着源34を配置するものとするが、CPU51が、図示しないロボット等の制御により、蒸着源34を真空チャンバー11内に配置させ、基板Wを基板保持冶具21に配置させてもよい。そしてCPU51は、基板保持冶具公転機構23に回転を指示する回転信号を送信することで、基板保持冶具21を基板サークルの円に沿って回転させる。
CPU51は、排気機構13に運転を指示する運転信号を送信し、真空チャンバー11内を例えば10^−3〜10^−5Pa程度の真空にさせる(ステップ2)。排気機構13による真空の程度は、排気機構13の排気時間を調整することや、排気ポンプの出力を調整することによって、任意の値に設定可能である。
次に、排気機構13の稼働により、真空引きが確認された後に、基板保持冶具公転機構23が所定の回転速度で公転する(ステップ3)。基板保持冶具公転機構23による公転速度は任意の値に設定可能である。公転速度は、定速運転することが好ましいが、基板Wへの成膜の設計値に応じて、変速運転することも可能である。
CPU51は、シャッター36を閉じ、電子銃35に加熱を開始させる開始信号を送信し、電子銃35によって蒸着源34が加熱される。CPU51は蒸着源34が所定の蒸発温度に到達したことを確認し、シャッター36を開いて基板Wに蒸着粒子を堆積させる(ステップ4)。
CPU51は、ROM52から膜厚設定値を読み出し、図示しない膜厚計により、基板Wの膜厚を測定する。CPU51は、基板Wの膜厚が膜厚設定値以上であるか否かを判別する(ステップ5)。膜厚の測定手法については、水晶振動子を用いた膜厚計を用いることによって、膜厚を定常的に計測することが可能である。
ステップ5によって、基板Wの膜厚が膜厚設定値以上であると判別された場合、CPU51は、シャッター36に蒸着粒子を遮蔽する駆動信号を送信することで、シャッター36を閉じさせる。その一方で、基板Wの膜厚が膜厚設定値より薄いと判別された場合、CPU51は、シャッター36を操作せずにオープン状態のままにして、蒸着を繰り返し実行する(ステップ6)。
続いて、ステップ6によって、基板Wの膜厚が膜厚設定値以上であると判別された場合に、シャッター36がクローズ状態となった後で、電子銃35に加熱の停止を指示する停止信号を送信することで、加熱を停止させ(ステップ7)、基板保持冶具公転機構23に回転の停止を指示する停止信号を送信することで公転を停止させる(ステップ8)。
上述した処理に加えて、図4に基板保持冶具自転処理のフローチャートを示す。図4に示す基板保持冶具自転処理は、各基板保持冶具21を自転させる処理である。
CPU51は、基板保持冶具自転機構24に自転を指示する自転信号を送信する(ステップ9)。
続いてCPU51は、基板保持冶具公転機構23に回転を指示する回転信号を送信することで、基板保持冶具21を基板サークルの円に沿って回転させる(ステップ10)。
基板保持冶具公転機構の駆動によって、基板保持冶具21は基板保持冶具自転機構24と係合するときに自転する(ステップ11)。
8個の基板保持冶具21全ての自転処理が終わった後、CPU51は、基板保持冶具公転機構23に回転の停止を指示する停止信号を送信することで、基板保持冶具21の公転を停止させる(ステップ12)。
CPU51は、基板保持冶具自転機構24に自転の停止を指示する停止信号を送信する(ステップ13)。
CPU51は8個の基板保持冶具21が180度自転したか否かを判別する(ステップ14)。
8個の基板保持冶具21が180度自転したと判別された場合、ステップ3に進む。ステップ14で0度の位置にあると判別された場合、CPU51は給気機構14に運転開始を指示する運転信号を送信することで、真空チャンバー11内への空気の供給を開始させる(ステップ15)。
基板Wと蒸着源34とを真空チャンバー11の外部に取り出して(ステップ16)、真空蒸着処理を終了し、CPU51はメインフローに戻る。
なお、本実施形態では基板Wの自転は180度として検討した。これは、上述した通り基板Wは圧電体基板に形成した溝形状を有する部材であって、その溝の壁部の表面のうち、表面と裏面の両方に導電性の薄膜を形成するために、基板保持冶具自転機構24により180度回転させて、常に蒸着する表面は溝の壁部の表面か裏面かのどちらかになるように構成した。
これに対して、本実施形態のような溝の2面が蒸着源に対向するように180度の自転をさせるだけでなく、例えば90度ずつ自転させて、壁部の4面が蒸着源に対向するように基板保持冶具21を自転させることも可能である。
(変形例1)
本実施形態の変形例1として、基板サークルの回転面と真空蒸着装置10の平行面が異なる構成でもよい。具体的に、本発明の構成要素は、蒸着源34が基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から離間した位置から蒸着材料を飛散させることである。よって、基板サークル20の回転面と真空蒸着装置10の平行面が異なる構成を採用することによって、蒸着源34を基板サークル20の平面に垂直な方向に基板サークル20の回転中心を延長した位置から離間した位置に配置することができる。この場合、蒸着源の位置は装置中央でもよいし、中央以外でもよい。
10 真空蒸着装置
11 真空チャンバー
13 排気機構
14 給気機構
20 基板サークル
21 基板保持冶具
23 基板保持冶具公転機構
24 基板保持冶具自転機構
34 蒸着源
35 電子銃
36 シャッター
50 制御部
51 CPU
52 ROM
53 RAM
W 基板

Claims (5)

  1. 蒸着源を有する真空チャンバーと、
    前記真空チャンバーの室内を真空状態に近づけるための排気機構と、
    前記真空チャンバーの室内で圧電体基板を保持する基板保持治具と、
    前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を搭載する基板サークルと、
    前記基板サークルの中心を回転中心として前記基板保持治具を公転させる基板保持治具公転機構と、
    前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を自転させる基板保持治具自転機構と、を有する真空蒸着装置を用いて、前記圧電体基板の表面に形成した複数の溝の間に位置する壁部の表面に、導電材からなる薄膜を形成する圧電体基板の蒸着方法であって、
    前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から離間した位置から蒸着材料を飛散させることを特徴とする圧電体基板の蒸着方法。
  2. 蒸着源を有する真空チャンバーと、
    前記真空チャンバーの室内を真空状態に近づけるための排気機構と、
    前記真空チャンバーの室内で圧電体基板を保持する基板保持治具と、
    前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を搭載する基板サークルと、
    前記基板サークルの中心を回転中心として前記基板保持治具を公転させる基板保持治具公転機構と、
    前記真空チャンバーの室内に配置され、前記基板保持治具を自転させる基板保持治具自転機構と、を有する真空蒸着装置であって、
    前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から離間した位置に配置されている真空蒸着装置。
  3. 前記蒸着源は、前記基板サークルの平面に垂直な方向に前記基板サークルの回転中心を延長した位置から1cm以上離間した位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の真空蒸着装置。
  4. 前記基板保持治具は、前記真空チャンバーの室内に複数配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の真空蒸着装置。
  5. 前記基板保持治具自転機構は、前記真空チャンバーの室内に1箇所だけ配置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の真空蒸着装置。
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