JP2017108965A - 調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】刃体4aを有する加工板4を設けたスライド台と、スライド台の加工板4上でスライド方向線LXに沿って往復移動し得るスライダ2とを備えている。スライダ2にはスライド方向線LXに直交する縦方向線LZの周囲で上縁部と下縁部とを有する三つの支持面13間で収容室を設けている。収容室は三つの上縁部間に設けた入口と三つの下縁部間に設けた出口とを有している。三つの支持面13は、スライド方向線LX及び縦方向線LZに直交する横方向線LYに対し非対称になるとともにスライド方向線LXに対し対称になる正三角形状に配置されている。入口から収容室に投入した具材を押え蓋8の押圧部21により出口側に押し出してスライダ2の移動に伴い加工板4により調理する。
【効果】調理条件に応じて、スライダ2の往動時とスライダ2の復動時とで同じまたは異なる操作力を与えても同じようなまたは異なる調理状態を得ることができる。
【選択図】図2
【効果】調理条件に応じて、スライダ2の往動時とスライダ2の復動時とで同じまたは異なる操作力を与えても同じようなまたは異なる調理状態を得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、スライド台上でスライダを移動させることにより、スライダに収容したにんにく等の具材をスライスしたり摺りおろしたりして調理する調理器に関するものである。
下記の特許文献1において、スライダ(具筒)内に設けられた収容室は、スライド方向線に直交する縦方向線の周囲で上縁部と下縁部とを有する四つの支持面間に設けられ、四つの上縁部間に設けられた入口と、四つの下縁部間に設けられた出口とを有している。四つの支持面は、スライド方向線及び縦方向線に直交する横方向線に対し対称になるとともにスライド方向線に対して対称になるように正方形状に配置されている。スライド台(おろし金または切削刃を設けた摺動台)上でスライダをスライド方向線に沿って往復移動させることにより、スライダの収容室に入口から収容したにんにく等の具材を出口で摺りおろしたりスライスしたりして調理することができる。
上記の特許文献1においては、四つの支持面の上縁部及び下縁部が正方形状に配置されているため、スライド方向線に沿って互いに反対側を向く両向きのうち一方の向きへスライダを押して往動させる場合と他方の向きへスライダを引いて復動させる場合に、スライド方向線で相対向する二つの下縁部により具材を同じ状態で支えて摺りおろしたりスライスしたりして調理する。通常は、スライダを押す往動操作力がスライダを引く復動操作力より大きくなり易いため、スライダの往動時とスライダの復動時とで摺りおろし状態及びスライス状態が異なる。換言すれば、スライダの往動時とスライダの復動時とで同じ操作力を与えれば同じような調理状態を得ることができる。
この発明は、従来の調理器とは異なる発想の調理器を提供すべく、スライダの往動時とスライダの復動時とで同じまたは異なる操作力を与えても同じようなまたは異なる調理状態を得ることができるように、調理条件に応じてスライダの収容室の形状を改良することを目的としている。
後記実施形態の図面(図1〜6)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる調理器においては、刃部(4a)を有する加工部(4)を設けたスライド台(1)と、このスライド台(1)の加工部(4)上でスライド方向線(LX)に沿って往復移動し得るスライダ(2)とを備え、このスライダ(2)にはそのスライド方向線(LX)に直交する縦方向線(LZ)の周囲で上縁部(16)と下縁部(17)とを有する複数の支持面(13)間で収容室(15)を設け、この収容室(15)は複数の上縁部(16)間に設けた入口(18)と複数の下縁部(17)間に設けた出口(19)とを有し、複数の支持面(13)はスライド方向線(LX)及び縦方向線(LZ)に直交する横方向線(LY)に対し非対称になるような形状に配置され、その入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)を出口(19)側でスライダ(2)の移動に伴い加工部(4)により調理する。「非対称になるような形状」とは、請求項3,4の発明のような三角形状などの多角形状や、直線や曲線を任意につないだ不定形状をいう。
請求項1の発明にかかる調理器においては、刃部(4a)を有する加工部(4)を設けたスライド台(1)と、このスライド台(1)の加工部(4)上でスライド方向線(LX)に沿って往復移動し得るスライダ(2)とを備え、このスライダ(2)にはそのスライド方向線(LX)に直交する縦方向線(LZ)の周囲で上縁部(16)と下縁部(17)とを有する複数の支持面(13)間で収容室(15)を設け、この収容室(15)は複数の上縁部(16)間に設けた入口(18)と複数の下縁部(17)間に設けた出口(19)とを有し、複数の支持面(13)はスライド方向線(LX)及び縦方向線(LZ)に直交する横方向線(LY)に対し非対称になるような形状に配置され、その入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)を出口(19)側でスライダ(2)の移動に伴い加工部(4)により調理する。「非対称になるような形状」とは、請求項3,4の発明のような三角形状などの多角形状や、直線や曲線を任意につないだ不定形状をいう。
請求項1の発明では、複数の支持面(13)が横方向線(LY)に対し非対称になるような形状に配置されているので、スライダ(2)の往動時と復動時とで調理条件に応じて具材(24)を押す力を変更することができる。
例えば、収容室(15)においては、横方向線(LY)に沿う幅寸法をスライド方向線(LX)の両側のうち一方の側(図3の前向きXF側、図5の前向きXF側)と他方の側(図3の後向きXB側、図5の後向きXB側)とで異なるものとし、その幅寸法に合わせた具材(24)を収容室(15)に投入することができる。図3に示すように前向きXF側の幅寸法が後向きXB側の幅寸法より狭い場合、往動時に具材(24)が幅寸法の狭い側から広い側へ順次加工されて加工抵抗が順次増加するため、加工し始める往動操作力は小さくなり、復動時に具材(24)が幅寸法の広い側から狭い側へ順次加工されて加工抵抗が順次低下するため、加工し始める復動操作力は大きくなる。逆に、図5に示すように後向きXB側の幅寸法が前向きXF側の幅寸法より狭い場合、往動時に具材(24)が幅寸法の広い側から狭い側へ順次加工されて加工抵抗が順次低下するため、加工し始める往動操作力は大きくなり、復動時に具材(24)が幅寸法の狭い側から広い側へ順次加工されて加工抵抗が順次増加するため、加工し始める復動操作力は小さくなる。また、具材(24)の硬さの大小によっても往動操作力や復動操作力は変わる。このように収容室(15)の形態や具材(24)の形態及び硬さなどの調理条件に応じて往動操作力や復動操作力を変更することができる。
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記複数の支持面(13)はスライド方向線(LX)に対し対称になるような形状に配置されている。請求項2の発明では、スライド方向線(LX)を挟む両側でスライダ(2)に対する操作力を具材(24)を押す力としてほぼ均等に分散させて安定性良く容易に調理することができる。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記複数の支持面(13)は多角形状に配置されている。すなわち、各支持面(13)の両端を互いに結ぶ直線がなす形状が多角形状になっている。請求項3の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)の周面(27)を複数の支持面(13)で支えるので、各種の具材(24)を収容室(15)に安定性良く収容することができる。
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記複数の支持面は三つの支持面(13)であって三角形状に配置されている。すなわち、各支持面(13)の両端を互いに結ぶ直線がなす形状が三角形状になっている。請求項4の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)の周面(27)を三つの支持面(13)で支えるので、各種の具材(24)を支え易くなって収容室(15)により一層安定性良く収容することができる。
請求項1〜4のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項5の発明においては、前記複数の支持面(13)のうち互いに隣接する両支持面(13)間に隅部(14)を設け、この支持面(13)と隅部(14)とを縦方向線(LZ)の周囲で交互に配置して、それらの支持面(13)及び隅部(14)で囲まれた収容室(15)を入口(18)と出口(19)との間で設けた。請求項5の発明では、互いに隣接する両支持面(13)を隅部(14)により補強することができるとともに、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)の周面(27)を複数の支持面(13)ばかりでなく複数の隅部(14)でも支え得るので、各種の具材(24)を収容室(15)に安定性良く収容することができる。
請求項1〜5のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項6の発明において、前記スライダ(2)は、前記収容室(15)を有する収容筒(7)と、その収容室(15)に入口(18)から挿入し得る押え部(8)とを備え、この押え部(8)には前記スライド方向線(LX)及び横方向線(LY)に対し対称になる形状の外周縁(20b)を有する摘み(20)を設けた。請求項6の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)を押え部(8)により出口(19)から容易に押し出すことができるばかりでなく、摘み(20)を同じ把持状態で往復動操作することができる。
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項4の発明を前提とする第7の発明において、前記具材(24)は頂部(25)と底部(26)との間で周面(27)を有し、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)の周面(27)を三つの支持面(13)で支えて具材(24)の頂部(25)を入口(18)側に配置するとともに具材(24)の底部(26)を出口(19)側に配置した状態で収容室(15)に立たせた具材(24)をスライダ(2)の移動に伴い加工部(4)により調理する。第7の発明では、例えば縦筋の多いにんにく粒などの具材(24)を収容室(15)に立たせて収容することができる。立たせた状態のにんにく粒をスライスしたり摺りおろしたりして調理すると、縦筋が細かく分断されるので、調理後のにんにくを口にした際に良い食感を得ることができる。
請求項4の発明を前提とする第7の発明において、前記具材(24)は頂部(25)と底部(26)との間で周面(27)を有し、入口(18)から収容室(15)に投入した具材(24)の周面(27)を三つの支持面(13)で支えて具材(24)の頂部(25)を入口(18)側に配置するとともに具材(24)の底部(26)を出口(19)側に配置した状態で収容室(15)に立たせた具材(24)をスライダ(2)の移動に伴い加工部(4)により調理する。第7の発明では、例えば縦筋の多いにんにく粒などの具材(24)を収容室(15)に立たせて収容することができる。立たせた状態のにんにく粒をスライスしたり摺りおろしたりして調理すると、縦筋が細かく分断されるので、調理後のにんにくを口にした際に良い食感を得ることができる。
請求項5の発明を前提とする第8の発明において、前記複数の支持面(13)及び複数の隅部(14)は縦方向線(LZ)に沿って設けられている。第8の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した各種の具材(24)の横振れを収容室(15)で防止して安定性良く収容することができる。
請求項5の発明または第8の発明を前提とする第9の発明において、前記複数の支持面(13)の上縁部(16)と複数の支持面(13)の下縁部(17)は、それぞれ、スライド方向線(LX)及び横方向線(LY)を含む面に沿って設けられている。第9の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した各種の具材(24)を収容室(15)に安定性良く収容することができる。
請求項5の発明または第8の発明または第9の発明を前提とする第10の発明において、前記複数の支持面(13)の上縁部(16)において両隅部(14)間の寸法が同一に設けられ、前記複数の支持面(13)の下縁部(17)において両隅部(14)間の寸法が同一に設けられて、複数の支持面(13)は正多角形状に配置されている。第10の発明では、入口(18)から収容室(15)に投入した各種の具材(24)を収容室(15)に安定性良く収容することができる。
請求項5の発明、または第8〜10の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第11の発明において、前記複数の支持面(13)及び複数の隅部(14)は、前記入口(18)と出口(19)との間で収容室(15)を有する筒体(12)の内周に設けられている。第11の発明では、複数の支持面(13)及び複数の隅部(14)を容易に形成することができる。
請求項1〜6の発明、または第7〜11の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第12の発明において、前記スライダ(2)は、スライド方向線(LX)に沿って互いに反対側を向く両向き(XF,XB)のうち一方の向き(XF)を向く状態(A)と他方の向き(XB)を向く状態(B)とにスライド台(1)に対し配置し得る。第12の発明では、スライド台(1)に対するスライダ(2)の向き(XF,XB)を変更することができるので、スライダ(2)の往動時と復動時とで調理条件に応じて具材(24)を押す力をより多様に変更することができる。請求項6の発明のようにスライド方向線(LX)及び横方向線(LY)に対し対称になる形状の外周縁(20b)を有する摘み(20)を設ければ、いずれの状態(A,B)においても、摘み(20)を同じ把持状態で往復動操作することができる。
請求項1〜6の発明、または第7〜12の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第13の発明において、前記複数の支持面(13)のうち少なくとも一つの支持面(13)は筒体(12)の内周で外周側へ膨らむ曲面をなしている。第13の発明では、筒体(12)内の収容室(15)の容量を大きくすることができる。
本発明は、調理条件に応じて、スライダ(2)の往動時とスライダ(2)の復動時とで同じまたは異なる操作力を与えても同じようなまたは異なる調理状態を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる調理器について図面を参照して説明する。
図1に示すスライス調理器はスライス用スライド台1とスライダ2とからなる。スライド台1において、プラスチックにより一体成形されたスライド板3は、両刃のスライス刃体4a(刃部)が嵌め込まれた加工板4(加工部)と、加工板4から延設された把持部5とからなる。加工板4の左右両側に案内レール6が形成されている。スライダ2は、互いに分離された収容筒7と押え蓋8とからなる。収容筒7及び押え蓋8はそれぞれプラスチックにより一体成形されている。
図1に示すスライス調理器はスライス用スライド台1とスライダ2とからなる。スライド台1において、プラスチックにより一体成形されたスライド板3は、両刃のスライス刃体4a(刃部)が嵌め込まれた加工板4(加工部)と、加工板4から延設された把持部5とからなる。加工板4の左右両側に案内レール6が形成されている。スライダ2は、互いに分離された収容筒7と押え蓋8とからなる。収容筒7及び押え蓋8はそれぞれプラスチックにより一体成形されている。
図2及び図4に示すように、スライダ2の収容筒7においては、移動板9の左右方向Yの両側に案内縁部10が形成されているとともに、移動板9の前後方向Xの両側には操作時にスライダ2から離れた指が加工板4に触れるのを防止するための指保護部11が形成され、移動板9の左右両案内縁部10間及び前後両指保護部11間で移動板9上に筒体12が上下方向Zへ立設されている。スライド板3上に載せられた収容筒7において、移動板9の左右両案内縁部10はスライド板3の左右両案内レール6に対し前後方向Xへ往復移動可能に支持されている。従って、スライダ2は、前後方向Xに沿って互いに反対側を向く前後両向きXF,XBのうち、図2及び図3に示すように前向きXFでスライド台1に載せられた状態Aと、図4及び図5に示すように後向きXBでスライド台1に載せられた状態Bとを取り、スライド台1に対し前後方向Xでスライド方向線LXに沿って往復移動し得る。
図3及び図5に示すように、収容筒7において、筒体12の内周には、三つの支持面13が形成されているとともに、三つの支持面13のうち互いに隣接する両支持面13間で隅部14が形成され、支持面13と隅部14とがスライド方向線LXに直交する上下方向Zに沿う縦方向線LZの周囲で周方向へ交互に配置されている。筒体12内には三つの支持面13と三つの隅部14とで囲まれた収容室15が形成されている。三つの支持面13は上縁部16と下縁部17とを有している。収容室15は、三つの上縁部16間で囲まれた入口18と、三つの下縁部17間で囲まれた出口19とで、上下方向Zへ開放されている。収容室15の出口19はスライド板3の加工板4上に面している。
三つの支持面13の上縁部16と三つの支持面13の下縁部17とは、それぞれ、スライド方向線LX及び縦方向線LZに直交する横方向線LYとそのスライド方向線LXとを含む面に沿って互いに平行に形成されている。三つの支持面13の上縁部16において両隅部14間の寸法が同一に形成され、三つの支持面13の下縁部17において両隅部14間の寸法が同一に形成されている。従って、三つの支持面13は、正三角形状に配置されて、左右方向Yに沿う横方向線LYに対し非対称になるとともにスライド方向線LXに対し対称になる。より具体的には、三つの支持面13は筒体12の外周側へ若干膨らむ滑らかな曲面をなし、互いに隣接する両支持面13間の隅部14は筒体12の外周側へ若干膨らむ滑らかな曲面をなしてそれらの支持面13を滑らかに連続させ、隅部14の曲率半径は支持面13の曲率半径より小さくなっている。筒体12の外周面は三つの支持面13及び三つの隅部14に沿って形成されている。
図2及び図4に示すように、スライダ2の押え蓋8(押え部)においては、摘み20の下側に押圧部21が突設されている。押圧部21は、有底筒状をなし、筒体12の収容室15に入口18から挿入可能であり、その挿入状態で三つの支持面13及び三つの隅部14に合わせて近接する外周面22を有しているとともに、スライド板3の加工板4に出口19で近接する凹凸状の底面23を有している。摘み20は、円筒状をなし、押圧部21の上端縁から外側へ張り出した上板部20aと、筒体12の外側で上板部20aの外周縁20bから下側へ折り曲げられた周板部20cとを有している。外周縁20bは、円形状をなし、その円形中心eを通るスライド方向線LX及び横方向線LYに対し対称に形成されている。その円形中心eは三つの支持面13が配置されて形取られた正三角形状の図心を通る。
次に、スライス調理器を使用する場合について説明する。
図2及び図3に示すように、前向きXFでスライダ2をスライド台1に載せた状態Aでは、最前端位置にある一つの隅部14を通るスライド方向線LXに対し、最後端位置にある一つの支持面13が直交する。その場合、最後端位置にある一つの支持面13の左右両端位置にある隅部14と最前端位置にある一つの隅部14とを結ぶ左右両支持面13は、前向きXFに向かうに従いスライド方向線LXに接近するように傾斜している。
図2及び図3に示すように、前向きXFでスライダ2をスライド台1に載せた状態Aでは、最前端位置にある一つの隅部14を通るスライド方向線LXに対し、最後端位置にある一つの支持面13が直交する。その場合、最後端位置にある一つの支持面13の左右両端位置にある隅部14と最前端位置にある一つの隅部14とを結ぶ左右両支持面13は、前向きXFに向かうに従いスライド方向線LXに接近するように傾斜している。
例えば、にんにく粒などの具材24は、頂部25と底部26との間の周面27で頂部25から底部26にわたり延びる多数の縦筋を有している。入口18から収容室15に具材24を投入すると、具材24の周面27が三つの支持面13で支えられて、具材24の頂部25が入口18側に配置されるとともに、具材24の底部26が出口19側に配置される。その状態で、具材24が収容室15で上下方向Zに立つ。
スライド台1に対しスライダ2を前向きXFに往動させると、主に、最後端位置にある一つの支持面13で具材24を前向きXFに押しながら、具材24がスライス刃体4aにより薄切りされる。また、スライド台1に対しスライダ2を後向きXBに復動させると、主に、左右両支持面13で具材24を後向きXBに押しながら、具材24がスライス刃体4aにより薄切りされる。このようにスライド台1に対しスライダ2を繰り返し往復動させると、具材24が複数に薄切りされ、薄切りされた具材24の外周には短い縦筋が周方向に並ぶように残る。この場合、最後端位置の一つの支持面13がスライド方向線LXに対し直交するため、往動時にスライダ2を前向きXFに押す往動操作力は、最後端位置の一つの支持面13により具材24を前向きXFに押す力PAとしてほぼそのまま働く。また、左右両支持面13がスライド方向線LXに対し傾斜しているため、復動時に左右両支持面13により具材24を後向きXBに押す力QAは、具材24に対する左右両支持面13の滑りにより、スライダ2を後向きXBに押す復動操作力より小さくなる。従って、往動操作力が復動操作力より大きい場合はもちろんのこと、往動操作力と復動操作力とが同じ場合でも、具材24を前向きXFに押す力PAは、具材24を後向きXBに押す力QAより大きくなる。往動操作力と復動操作力とを任意に変更すれば、具材24を前向きXFに押す力PAや、具材24を後向きXBに押す力QAも任意に変更することができる。
図4及び図5に示すように、後向きXBでスライダ2をスライド台1に載せた状態Bでは、最後端位置にある一つの隅部14を通るスライド方向線LXに対し、最前端位置にある一つの支持面13が直交する。その場合、最前端位置にある一つの支持面13の左右両端位置にある隅部14と最後端位置にある一つの隅部14とを結ぶ左右両支持面13は、後向きXBに向かうに従いスライド方向線LXに接近するように傾斜している。
スライド台1に対しスライダ2を前向きXFに往動させると、主に、左右両支持面13で具材24を前向きXFに押しながら、具材24がスライス刃体4aにより薄切りされる。また、スライド台1に対しスライダ2を後向きXBに復動させると、主に、最前端位置にある一つの支持面13で具材24を後向きXBに押しながら、具材24がスライス刃体4aにより薄切りされる。このようにスライド台1に対しスライダ2を繰り返し往復動させると、具材24が複数に薄切りされ、薄切りされた具材24の外周には短い縦筋が周方向に並ぶように残る。この場合、最前端位置の一つの支持面13がスライド方向線LXに対し直交するため、復動時にスライダ2を後向きXBに押す復動操作力は、最前端位置の一つの支持面13により具材24を後向きXBに押す力QBとしてほぼそのまま働く。また、左右両支持面13がスライド方向線LXに対し傾斜しているため、往動時に左右両支持面13により具材24を前向きXFに押す力PBは、具材24に対する左右両支持面13の滑りにより、スライダ2を前向きXFに押す往動操作力より小さくなる。従って、往動操作力と復動操作力とが同じ場合、具材24を前向きXFに押す力PBは、具材24を後向きXBに押す力QBより小さくなる。往動操作力と復動操作力とを任意に変更すれば、具材24を前向きXFに押す力PBや、具材24を後向きXBに押す力QBも任意に変更することができる。
図6に示すおろし調理器はおろし用スライド台28とスライダ2とからなる。スライド台28において、プラスチックにより一体成形されたスライド板29は、おろし刃体30a(刃部)を有する加工板30(加工部)と、加工板30から延設された把持部31とからなる。スライダ2については、図1に示すスライス調理器と同様である。おろし調理器の場合には、具材24がおろし刃体30aにより摺りおろされて、短い縦筋が混ざったおろし状態となる。
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) スライド台1上で往復移動し得るスライダ2の収容室15において、三角形状をなす三つの支持面13が横方向線LYに対し非対称に配置されているので、スライダ2の往動時と復動時とで調理条件に応じて具材24を押す力を変更することができる。
(1) スライド台1上で往復移動し得るスライダ2の収容室15において、三角形状をなす三つの支持面13が横方向線LYに対し非対称に配置されているので、スライダ2の往動時と復動時とで調理条件に応じて具材24を押す力を変更することができる。
(2) 三角形状をなす三つの支持面13により、入口18から収容室15に投入した具材24の周面27を支えるので、各種の具材24を収容室15に安定性良く収容することができるとともに、縦筋の多いにんにく粒などの具材24を収容室15に立たせて収容することができる。
(3) 三つの支持面13はスライド方向線LXに対し対称になる正三角形状に配置されているので、スライド方向線LXを挟む両側でスライダ2に対する操作力を具材24を押す力としてほぼ均等に分散させて安定性良く容易に調理することができる。
(4) 互いに隣接する両支持面13を隅部14により補強することができるとともに、入口18から収容室15に投入した具材24の周面27を三つの支持面13ばかりでなく三つの隅部14でも支え得るので、各種の具材24を収容室15に安定性良く収容することができる。
(5) 入口18から収容室15に投入した具材24を押え蓋8の押圧部21により出口19から容易に押し出すことができるばかりでなく、押え蓋8の摘み20はスライド方向線LX及び横方向線LYに対し対称になる形状の外周縁20bを有しているので、摘み20を同じ把持状態で往復動操作することができる。
(6) 収容室15で立たせた状態のにんにく粒をスライスして調理すると、薄切りされたにんにく粒の外周には細かく分断されて短くなった縦筋が周方向に並ぶように残るので、調理後のスライスにんにくを口にした際に良い食感を得ることができる。また、収容室15で立たせた状態のにんにく粒を摺りおろして調理すると、細かく分断されて短くなった縦筋が混ざったおろし状態となるので、調理後のおろしにんにくを口にした際に良い食感を得ることができる。
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 三つの支持面13を三角形状に配置する場合、三つの支持面13が横方向線LYに対し非対称に配置されるとともにスライド方向線LXに対し対称または非対称に配置されることを条件に、正三角形状以外に、例えば二等辺三角形状に配置することができる。また、同じ条件で、三角形状以外に、例えば正五角形状などの多角形状に配置することができる。さらに、同じ条件で、多角形状以外に、直線や曲線を任意に組み合わせた形状に配置することができる。
・ 三つの支持面13を三角形状に配置する場合、三つの支持面13が横方向線LYに対し非対称に配置されるとともにスライド方向線LXに対し対称または非対称に配置されることを条件に、正三角形状以外に、例えば二等辺三角形状に配置することができる。また、同じ条件で、三角形状以外に、例えば正五角形状などの多角形状に配置することができる。さらに、同じ条件で、多角形状以外に、直線や曲線を任意に組み合わせた形状に配置することができる。
・ 筒体12の内周において三つの支持面13を、筒体12の外周側に膨らませた曲線状以外に、内側に膨らませた曲線状や、直線状や、それらを組み合わせた形状に形成することができる。
・ スライダ2の収容室15において、三つの隅部14を省略し、互いに隣接する両支持面13間に僅かな隙間を隅部14に代えて形成することができる。
・ 押え蓋8において摘み20の外周縁20bを筒体12の外周に合わせて正三角形状に形成することができる。また、その外周縁20bを円形状以外に正方形や正六角形状や正八角形状などに形成することができる。
・ 押え蓋8において摘み20の外周縁20bを筒体12の外周に合わせて正三角形状に形成することができる。また、その外周縁20bを円形状以外に正方形や正六角形状や正八角形状などに形成することができる。
・ スライダ2の収容筒7において、筒体12を移動板9に対し着脱可能に立設して具材24のサイズに合わせて収容室15のサイズを変更することができる。また、その収容室15のサイズに合わせて押え蓋8の押圧部21を変更することができる。
・ にんにく粒以外の具材24をスライスしたり摺りおろしたりすることができる。
・ 加工板4,30の刃体4a,30aを前記実施形態以外のものに変更することができる。
・ 加工板4,30の刃体4a,30aを前記実施形態以外のものに変更することができる。
・ 調理後の具材24を収容するための受け容器をスライド台1,28の下側に着脱可能に取り付けることができる。
1,28…スライド台、2…スライダ、4,30…スライド台の加工板(加工部)、4a,30a…加工板の刃体(刃部)、7…スライダの収容筒、8…スライダの押え蓋(押え部)、13…収容筒の支持面、14…収容筒の隅部、15…収容筒の収容室、16…支持面の上縁部、17…支持面の下縁部、18…収容室の入口、19…収容室の出口、20…押え蓋の摘み、20b…摘みの外周縁、24…具材、LX…スライド方向線、LZ…縦方向線、LY…横方向線。
Claims (6)
- 刃部を有する加工部を設けたスライド台と、このスライド台の加工部上でスライド方向線に沿って往復移動し得るスライダとを備えた調理器において、
このスライダにはそのスライド方向線に直交する縦方向線の周囲で上縁部と下縁部とを有する複数の支持面間で収容室を設け、この収容室は複数の上縁部間に設けた入口と複数の下縁部間に設けた出口とを有し、
複数の支持面はスライド方向線及び縦方向線に直交する横方向線に対し非対称になるような形状に配置され、
その入口から収容室に投入した具材を出口側でスライダの移動に伴い加工部により調理する
ことを特徴とする調理器。 - 前記複数の支持面はスライド方向線に対し対称になるような形状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の調理器。
- 前記複数の支持面は多角形状に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理器。
- 前記複数の支持面は三つの支持面であって三角形状に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の調理器。
- 前記複数の支持面のうち互いに隣接する両支持面間に隅部を設け、この支持面と隅部とを縦方向線の周囲で交互に配置して、それらの支持面及び隅部で囲まれた収容室を入口と出口との間で設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つの請求項に記載の調理器。
- 前記スライダは、前記収容室を有する収容筒と、その収容室に入口から挿入し得る押え部とを備え、この押え部には前記スライド方向線及び横方向線に対し対称になる形状の外周縁を有する摘みを設けたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つの請求項に記載の調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246543A JP2017108965A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246543A JP2017108965A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017108965A true JP2017108965A (ja) | 2017-06-22 |
Family
ID=59080849
Family Applications (1)
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JP2015246543A Pending JP2017108965A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017108965A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020026018A (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-20 | 斉藤 昌久 | キャベツのスライサー |
-
2015
- 2015-12-17 JP JP2015246543A patent/JP2017108965A/ja active Pending
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JP2020026018A (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-20 | 斉藤 昌久 | キャベツのスライサー |
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