JP2017105269A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンによる表面部分の劣化を防止しつつ、走行に伴って早期にトレッドの踏面部の保護層が消失するタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ10は、トレッドを構成するトレッドゴム21の表面を保護する保護層100を備える。保護層100は、オゾンに対する耐性を有する非ゴム系の材料で形成され、タイヤ径方向に沿った所定の厚みを有するベース部110と、ベース部110と重なり、ベース部110よりもタイヤ径方向内側に入り込んだアンカー部120とを有する。アンカー部120は、タイヤ幅方向に沿って延びるとともに、トレッド平面視において、アンカー部120のタイヤ周方向における幅がアンカー部120のタイヤ幅方向における長さよりも短い細長状であり、タイヤ周方向において少なくとも1つ形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、トレッドゴムの表面が保護層で保護されたタイヤに関する。
自動車など車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)の表面部分は、一般的にゴム材料で構成されている。タイヤに用いられるゴム材料は、大気中に含まれるオゾンに触れると劣化し、クラックなどが発生し易くなることが知られている。
特に、車両への装着時に視認され易いトレッドやサイドウォールに多くのクラックが発生すると、タイヤの外観が損なわれるため、好ましくない。また、路面と接するトレッドの踏面部は、路面と接触を繰り返しており、徐々に摩耗が進行するためクラックが発生し難いが、路面と接しないトレッドの溝部にはクラックが発生し易い。
そこで、このようなオゾンによるタイヤの表面部分の劣化を防止するため、オゾンに対する耐性を有する材料を用いた保護層によって、トレッドゴムなどの表面部分を保護したタイヤが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、トレッドゴムなどの表面部分をウレタン樹脂など用いた保護層によって被覆することが提案されている。
特表2003-535762号公報
しかしながら、上述したような保護層によって表面部分を被覆したタイヤには、次のような問題がある。すなわち、トレッドを含むタイヤの表面部分をウレタン樹脂などの材料で被覆すると、タイヤの摩擦係数(μ)、特に、ウェット路面での摩擦係数が大幅に低下する。
例えば、保護層を備えるタイヤは、保護層を備えていないタイヤと比較すると、ウェット路面での制動性能が70%を下回る。
保護層の厚みは概ね500μm以下であるため、タイヤの使用を開始して一定距離を走行すれば、トレッドの踏面部の保護層は摩耗して消失する。このため、摩擦係数も上昇する。しかしながら、トレッドの踏面部の保護層が消失するまでの使用初期では、摩擦係数が大きく低下してしまうため、性能低下が著しい。
勿論、トレッドの踏面部の保護層を除去してから出荷することや、保護層がトレッドの踏面部に存在しないように製造工程を工夫することも考えられる。しかしながら、このような対処方法は、さらに大幅な製造コストの増加をもたらすため、好ましくない。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、オゾンによる表面部分の劣化を防止しつつ、走行に伴って早期にトレッドの踏面部の保護層が消失するタイヤの提供を目的とする。
本発明の一態様に係るタイヤ(タイヤ10)は、路面と接する踏面部(踏面部23)と、前記路面と接しない溝部(溝部25)とを有するトレッド(トレッド20)と、前記トレッドを構成するトレッドゴム(トレッドゴム21)の表面を保護する保護層(保護層100)とを備える。前記保護層は、オゾンに対する耐性を有する非ゴム系の材料で形成され、タイヤ径方向に沿った所定の厚みを有するベース部(ベース部110)と、前記ベース部と重なり、前記ベース部よりもタイヤ径方向内側に入り込んだアンカー部(アンカー部120)とを有する。前記アンカー部は、タイヤ幅方向に沿って延びるとともに、トレッド平面視において、前記アンカー部のタイヤ周方向における幅が前記アンカー部のタイヤ幅方向における長さよりも短い細長状であり、タイヤ周方向において少なくとも1つ形成される。
本発明の一態様において、前記アンカー部のタイヤ幅方向における長さは、前記タイヤのタイヤ幅方向における接地幅の1/3以上であってもよい。
本発明の一態様において、前記アンカー部は、タイヤ赤道線を基準とした、タイヤ幅方向における一方側の範囲で終端してもよい。
本発明の一態様において、前記アンカー部は、タイヤ幅方向と略平行に延びてもよい。
本発明の一態様において、前記アンカー部のタイヤ周方向における幅は、5mm以下であってもよい。
本発明の一態様において、前記ベース部及び前記アンカー部が形成されている部分における前記保護層の厚みT1と、前記ベース部のみが形成されている前記保護層の厚みT2との比T1/T2は、1.5以上、6.0以下であってもよい。
本発明の一態様に係るタイヤによれば、オゾンによる表面部分の劣化を防止しつつ、走行に伴って早期にトレッドの踏面部の保護層が消失させることができる。
図1は、タイヤ10の一部斜視図である。 図2は、タイヤ10のタイヤ幅方向に沿った一部断面図である。 図3は、タイヤ10の一部展開平面図である。 図4は、図3のF4-F4線の位置におけるタイヤ10のタイヤ幅方向に沿った一部拡大断面図である。 図5は、図3のF5-F5線の位置におけるタイヤ10のタイヤ周方向に沿った一部拡大断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)タイヤの概略構成
図1は、本実施形態に係るタイヤ10の一部斜視図である。図2は、タイヤ10のタイヤ幅方向に沿った一部断面図である。なお、図2では、タイヤ赤道線CLを基準としたタイヤ幅方向におけるタイヤ10の半分のみが図示されている。具体的には、図2は、後述する図3に示すF2-F2線に沿ったタイヤ10の一部断面図である。
図1及び図2に示すように、タイヤ10は、路面と接するトレッド20を有する。具体的には、トレッド20は、路面と接する踏面部23と、路面と接しない溝部25とを有する。溝部25は、タイヤ周方向に延びる周方向溝である。
このような溝部25によってトレッド20のパターンが形成される。なお、トレッド20のパターンは、図1に示したパターンに限定されないが、ウェット性能を確保するため、トレッド20に対して一定比率を占める溝部25が形成される。
トレッド20は、トレッドゴム21によって構成される。トレッドゴム21は、タイヤ10に要求される性能に応じて、適切なゴム系の材料に配合剤を調合したゴムが用いられる。
また、タイヤ10は、空気入りタイヤであり、タイヤ10の骨格を形成するカーカス30を有する。カーカス30は、有機繊維または金属のコードによって形成され、一対のビード40に係止される。カーカス30の構造は、特に限定されないが、一般的には、ラジアル構造が好適に用いられる。
ビード40は、リムホイール(不図示)と組み合わされる部分であり、タイヤ10をリムホイールに固定する。ビード40は、ビードコア及びビードフィラーによって構成される。ビードコアは複数のワイヤーで形成され、ビードフィラーは、ビードコアで折り返されたカーカス30と、ビードコアとの空隙を埋める。
トレッドゴム21とカーカス30との間には、ベルト層50が設けられる。ベルト層50は、カーカス30によるタイヤ10の骨格を補強する。ベルト層50には、タイヤ10の用途に応じた適切な構造が適用される。一般的には、ベルト層50は、タイヤコード(不図示)が交錯する一対の交錯ベルト層と、交錯ベルト層のタイヤ幅方向の端部に配置されるキャップ層とによって構成される。
上述したように、タイヤ10の具体的な構造は用途によって変化するが、タイヤ10は、トレッドゴム21の表面を保護する保護層100(図2参照)を有し、外観の品質向上を図ることを目的としている。
このため、タイヤ10は、外観の品質向上が要求されることが多い乗用自動車(ミニバン、SUV及び軽自動車を含む)に好適に用い得る。勿論、同様の要求が存在する場合、タイヤ10は、異なる用途の自動車、例えば、ピックアップトラックなどのライトトラックや、バス用のタイヤであっても構わない。
(2)トレッド20の表面部分の形状
図2に示すように、トレッド20の表面部分には、薄膜状の保護層100が設けられる。具体的には、保護層100は、トレッドゴム21のタイヤ径方向外側の表面を覆うように設けられる。つまり、トレッドゴム21の表面は、保護層100によって保護される。
なお、本実施形態では、保護層100は、トレッドゴム21の表面だけでなく、タイヤ10の外側表面の全体を保護している。具体的には、保護層100は、タイヤ10のショルダー部SH、サイドウォール部SW、及びビード40の外側表面に設けられている。
保護層100は、オゾンに対する耐性を有する非ゴム系の材料で形成される。具体的には、保護層100は、タイヤ10の外側表面のゴムにクラックが発生することを防止するため、当該ゴムがオゾンに直接触れることを抑制する。
保護層100は、このように、オゾンによるダメージを受けず、耐久性に優れた非ゴム系の成分を主体とする薄膜であることが好ましい。本実施形態では、保護層100は、発泡させたウレタン(ウレタン樹脂)製のシートである発泡ウレタンシートを用いて形成することができる。
(3)保護層100の構成
次に、保護層100の構成について、さらに具体的に説明する。図3は、タイヤ10の一部展開平面図である。図4は、図3のF4-F4線の位置におけるタイヤ10のタイヤ幅方向に沿った一部拡大断面図である。図5は、図3のF5-F5線の位置におけるタイヤ10のタイヤ周方向に沿った一部拡大断面図である。
図3〜図5に示すように、保護層100は、ベース部110とアンカー部120とを有する。
ベース部110は、トレッド20の表面全体、つまり、タイヤ10の外周表面の全体に形成される。
ベース部110は、タイヤ径方向に沿った所定の厚みを有する。当該所定の厚みは、30μm以上、200μm以下であることが好ましい。
アンカー部120は、ベース部110と重なっている。アンカー部120は、ベース部110よりもタイヤ径方向内側に入り込んだ部分である(図4及び図5参照)。このように、アンカー部120は、ベース部110よりもトレッドゴム21のタイヤ径方向内側に食い込むように形成される。アンカー部120のタイヤ径方向に沿った厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
ベース部110及びアンカー部120が形成されている部分における保護層の厚みT1と、ベース部110のみが形成されている保護層の厚みT2との比T1/T2(図5参照)は、1.5以上、6.0以下であることが好ましく、2.0以上、3.0以下であることがより好ましい。
アンカー部120は、タイヤ幅方向に沿って延びる。本実施形態では、アンカー部120は、タイヤ幅方向と略平行に延びているが、タイヤ幅方向に対してある程度傾斜していても構わない。但し、傾斜角度は、踏面部23の保護層100の早期消失や、他の性能(ハンドリングへの影響など)を考慮すると、タイヤ幅方向を基準として45度以下であることが好ましく、30度以下であることがより好ましい。
アンカー部120は、トレッド平面視において、アンカー部120のタイヤ周方向における幅がアンカー部120のタイヤ幅方向における長さよりも短い細長状である(図3参照)。
具体的には、アンカー部120は、タイヤ周方向における幅がタイヤ幅方向における長さよりも十分に短く、細長い長方形状である。アンカー部120のタイヤ周方向における幅は、5mm以下であることが好ましい。
なお、アンカー部120がタイヤ幅方向に対して傾斜している場合、がアンカー部120のタイヤ幅方向における長さとは、タイヤ幅方向において占有する長さを意味し、アンカー部120のタイヤ周方向における幅とは、アンカー部120の傾斜方向に直交する方向において占有する幅を意味する。
また、トレッド平面視におけるアンカー部120の形状は、長方形状に限らず、楕円形状などであってもよい。また、アンカー部120のトレッド幅方向に沿った表面は、多少凸凹状であっても構わない。
アンカー部120は、タイヤ周方向において少なくとも1つ形成されていればよい。このため、ベース部110及びアンカー部120が形成されている部分では、保護層100の厚み局所的に厚くなる。
なお、アンカー部120は、図3において一点鎖線で示すように、タイヤ周方向において、所定の間隔を設けて複数形成されても構わない。
アンカー部120のタイヤ幅方向における長さは、タイヤ10のタイヤ幅方向における接地幅の1/3以上であることが好ましい。接地幅とは、図3に示す接地領域Aにおけるタイヤ幅方向における最大長さである。接地領域Aは、正規内圧に設定されたタイヤ10に正規荷重が掛けられた状態において、路面と接するトレッド20の領域である。
正規内圧とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBookにおける最大負荷能力に対応する空気圧である。正規荷重とは、当該最大負荷能力に対応する荷重である。また、JATMAに代えて、海外の対応する基準を用いてもよい。
アンカー部120は、タイヤ赤道線CLを基準としたタイヤ幅方向における一方側の範囲で終端してもよい。また、この場合、図3において一点鎖線で示すように、タイヤ赤道線CLを基準とした一方側(車両装着時内側)、及び他方側(車両装着時外側)の両方にアンカー部120を形成してもよい。
なお、アンカー部120は、タイヤ赤道線CLを基準としたタイヤ幅方向における一方側のみではなく、両方に跨がるように形成されてもよい。或いは、アンカー部120は、接地幅と同等の長さを有していてもよい。
(4)保護層100の形成方法
上述したように、保護層100は、発泡ウレタンシートを用いて形成することができる。具体的には、タイヤ10を加硫成形する際に、タイヤ10の形状にカットした発泡ウレタンシートを加硫モールドの内側面にセットする。
発泡ウレタンシートをセットする際、タイヤ周方向において発泡ウレタンシートが重複する部分を設けたり、発泡ウレタンシートの一部の厚みを厚くしたりする。このような発泡ウレタンシートがセットされたタイヤ10を加硫成形することによって、ベース部110とアンカー部120とを有する保護層100をトレッド20の表面に形成することができる。
なお、発泡ウレタンシートに代えて、ウレタンと同組成の液体をトレッド20の外側表面に塗布し、アンカー部120に相当する部分に当該液体を厚く塗布することによって、保護層100を形成するようにしてもよい。
(5)作用・効果
次に、タイヤ10の作用及び効果について説明する。まず、比較例及び実施例に係るタイヤの評価試験結果について説明する。
表1は、比較例及び実施例に係るタイヤの構成と、評価試験結果とを示す。
Figure 2017105269
なお、試験条件などは、以下のとおりである。
・タイヤサイズ:195/65R15
・設定内圧: 220kPa
・タイヤ装着車両種別:国産FF乗用自動車(トヨタオーリス)
表1に示すように、比較例1に係るタイヤには、タイヤ10のようなアンカー部120が形成されておらず、ベース部のみの保護層が設けられている。つまり、保護層の厚みは、タイヤ周方向において変化せずに一定である。
比較例2、及び実施例1〜実施例5に係るタイヤには、ベース部110及びアンカー部120を有する保護層100が設けられている。タイヤ周方向におけるアンカー部120部の数は、1つである。
比較例2、及び実施例1〜実施例5に係るタイヤの相違点は、アンカー部120のタイヤ幅方向に沿った長さ、幅、及びアンカー部120が形成されている部分における保護層の厚みT1と、ベース部110のみが形成されている保護層の厚みT2との比T1/T2(図5参照)である。
なお、表1に示すように、アンカー部120のタイヤ幅方向に沿った長さは、タイヤの接地幅(TW)に対する比(1/4〜1/1)で示されている。
実施例1〜実施例5に係るタイヤでは、トレッド20の踏面部23に形成された保護層100が消失するまでの走行距離が格段に短くなっている。表1に示す「保護層消失までの走行距離」は、比較例1に係るタイヤの保護層消失までの走行距離を100とした指数である。
このように、ベース部110とアンカー部120とを有する保護層100が設けられたタイヤ10では、アンカー部120の位置において、タイヤ周方向における剛性段差が生じる。このため、タイヤ10が装着された車両が走行すると、当該車両が加速や減速などを切り返すことによって、剛性段差が生じているアンカー部120が核となって、トレッド20の踏面部23からの保護層100の剥離が促進される。この結果、トレッド20の踏面部23に形成された保護層100が消失するまでの走行距離が短くなる。
すなわち、タイヤ10によれば、保護層100によってオゾンによる溝部25などのタイヤ10の表面部分の劣化を防止しつつ、走行に伴って早期にトレッド20の踏面部23の保護層100を消失させることができる。このため、タイヤ10の使用初期において、摩擦係数が低下してしまう時間(走行距離)が大幅に低減され、性能低下を防止し得る。
特に、アンカー部120は、タイヤ周方向における幅がアンカー部120のタイヤ幅方向における長さよりも短い細長状であるため、タイヤ周方向において剛性段差が極端に異なる核となり易く、保護層100の剥離が促進され易い。
なお、上述したように、アンカー部120は、タイヤ周方向において少なくとも一つ形成されていればよいが、このような場合でも保護層100の剥離は、十分に促進される。タイヤ10では、溝部25として周方向溝のみが形成されているが、一般的なタイヤでは、タイヤ幅方向に延びる溝も形成される。
このため、アンカー部120が形成されている部分の保護層100の剥離が進行すると、当該保護層100の剥離が進行した踏面部23と、タイヤ幅方向に延びる溝で分断されたタイヤ周方向に隣接するトレッド20の踏面部23との間においてタイヤ径方向における段差が生じ、隣接するトレッド20の踏面部23においても保護層100の剥離が進行する。この結果、タイヤ周方向全体において保護層100の剥離が進行する。勿論、タイヤ幅方向に延びる溝が形成されていない場合でも、進行速度に差が生じるものの、アンカー部120が全く形成されない場合と比較すれば、アンカー部120を起点とした剛性段差によってタイヤ周方向全体において保護層100の剥離が早期に進行する。
上述したように、アンカー部120のタイヤ幅方向における長さは、タイヤ10のタイヤ幅方向における接地幅の1/3以上であることが好ましい。これにより、表1に示したように、保護層100が消失するまでの走行距離をさらに短くすることができる。
また、アンカー部120は、タイヤ赤道線CLを基準とした、タイヤ幅方向における一方側の範囲において終端してもよい。この場合、保護層100の剥離を早期に進行させつつ、アンカー部120の形成に必要な発泡ウレタンシートなどの材料を抑制できる。
本実施形態では、アンカー部120は、タイヤ幅方向と略平行に延びる。また、上述したように、アンカー部120のタイヤ周方向における幅は、5mm以下であることが好ましい。
これにより、タイヤ周方向における明確な剛性段差が生じ、保護層100の剥離を早期に進行させることができる。
上述したように、ベース部110及びアンカー部120が形成されている部分における保護層100の厚さT1と、ベース部110のみが形成されている保護層100の厚さT2との比T1/T2は、1.5以上、6.0以下であることが好ましい。これにより、保護層100の剥離を早期に進行させつつ、静粛性や乗り心地など、他の性能への悪影響を抑制できる。
(6)その他の実施形態
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、保護層100は、必ずしもウレタンでなくても、オゾン耐性を有する非ゴム系の材料であればよく、例えば、ポリエチレン・ポリプロピレン等を用いることができる。
上述した実施形態では、保護層100がトレッド20だけではなく、ショルダー部SH、 サイドウォール部SW及びビード40の外側表面まで形成されていたが、保護層100がトレッド20の外側表面のみに形成されてもよい。或いは、保護層100は、比較的視認され易いトレッド20、ショルダー部SH及びサイドウォール部SWに形成するようにしてもよい。
また、上述したように、タイヤ10では、溝部25として周方向溝のみが形成されていたが、タイヤ10には、タイヤ幅方向に延びる溝(幅方向溝またはラグ溝)が形成されてもよい。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10 タイヤ
20 トレッド
21 トレッドゴム
23 踏面部
25 溝部
30 カーカス
40 ビード
50 ベルト層
100 保護層
110 ベース部
120 アンカー部

Claims (6)

  1. 路面と接する踏面部と、前記路面と接しない溝部とを有するトレッドと、
    前記トレッドを構成するトレッドゴムの表面を保護する保護層と
    を備えるタイヤであって、
    前記保護層は、
    オゾンに対する耐性を有する非ゴム系の材料で形成され、
    タイヤ径方向に沿った所定の厚みを有するベース部と、
    前記ベース部と重なり、前記ベース部よりもタイヤ径方向内側に入り込んだアンカー部と
    を有し、
    前記アンカー部は、
    タイヤ幅方向に沿って延びるとともに、
    トレッド平面視において、前記アンカー部のタイヤ周方向における幅が前記アンカー部のタイヤ幅方向における長さよりも短い細長状であり、
    タイヤ周方向において少なくとも1つ形成されるタイヤ。
  2. 前記アンカー部のタイヤ幅方向における長さは、前記タイヤのタイヤ幅方向における接地幅の1/3以上である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記アンカー部は、タイヤ赤道線を基準とした、タイヤ幅方向における一方側の範囲で終端する請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記アンカー部は、タイヤ幅方向と略平行に延びる請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記アンカー部のタイヤ周方向における幅は、5mm以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ベース部及び前記アンカー部が形成されている部分における前記保護層の厚みT1と、前記ベース部のみが形成されている前記保護層の厚みT2との比T1/T2は、1.5以上、6.0以下である請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
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