JP2017103245A - 電力ケーブル - Google Patents

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貴彦 堤
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傑 渡辺
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Abstract

【課題】簡便な構造により伸び出し量を低減する。
【解決手段】導電部と、導電部の外周を覆う絶縁層と、絶縁層の外周を覆う被覆層と、を
備え、導電部内には、導電部を構成する材料よりヤング率が大きく線膨張係数が小さい材
料から構成される線材が導電部の軸方向に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力ケーブルに関し、特に高圧電力の地中送電線として用いられる電力ケーブルに関する。
電力ケーブルは、例えば導電部と、導電部の外周を覆う絶縁層と、絶縁層の外周を覆う被覆層とを備える。係る電力ケーブルは、例えば高圧電力の地中送電線として用いられ、管路内等の制限された空間内に布設される。導電部への通電時には、熱伸縮により電力ケーブルの軸方向への伸び出しが発生する。管路内の制限空間内で吸収しきれない伸び出し量については、管路の途中に設けられた人孔内に伸び出した電力ケーブルの曲がり変形により吸収している。
また、管路内に傾斜等があるときは、この熱伸縮により、電力ケーブルの滑落が生じてしまう場合がある。このような滑落は、電力ケーブルの質量、長さ、温度変化のみならず、線膨張係数に大きく影響される。つまり、温度の変化幅が大きくなって熱伸縮が発生しない領域、つまり、不動域が消失すると電力ケーブルが滑落してしまう。このため、バネや錘を利用して電力ケーブルを引きとめる滑落防止装置等を電力ケーブルに取り付ける場合がある。
電力ケーブルの伸び出し量は、従来から使用されてきた油浸紙絶縁電力ケーブル(OFケーブル:Oil Filled Cable)に比べ、昨今主流となっている架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Crosslinked polyethylene insulated PVC sheathed cable:CVケーブル)の方が大きい。
このため、例えばOFケーブルが使用されていた既設線路の系統変更や、事故対応あるいは経年廃棄等の更新理由が生じた際、人孔寸法等にCVケーブルの伸び出し量を吸収するだけの余裕がない場合がある。係る場合には、従来通りOFケーブルにより更新せざるを得ないのが実態であった。
そこで、例えば特許文献1では、電力ケーブル本体の周上に線状体をスパイラル状に巻き付け、線状体の巻き付けに沿ってスネーク状の変形を助成している。係るスネーク形状への変形によって軸方向への伸び出しを抑制し、管路から人孔への伸び出し量を低減させる。
また、例えば特許文献2では、銅導体を構成するセグメントまたは撚り線の一部を、銅導体とは異なる曲げ剛性を持つ他の導体、例えばアルミニウム等と組み合わせている。係る電力ケーブルでは、通電による温度上昇に伴って導体が螺旋状に変形することで軸方向への伸び出しを抑制し、管路から人孔内への伸び出し量を低減させる。
特開平03−102713号公報 特開平02−139806号公報
しかしながら、例えば特許文献1のように、電力ケーブル本体に線状体を巻き付けただけでは容易にスネーク形状とはならない。よって、線状体に張力を付加したり、長さ方向に太い部分と細い部分とを周期的に有するよう線状体を形成したりといった複雑な付加的措置が必要となってしまう。また、外形の一部がスパイラル状となって、電力ケーブルの断面が円形とならないことから、ケーブル加工や布設が困難である。
また、例えば特許文献2のように、セグメントまたは撚り線の一部に銅導体とは電気抵抗の異なるアルミニウム等の材料を使用すると、全体としての電気抵抗が高くなってしまう。
また、管路内の傾斜等による電力ケーブルの滑落を抑制するため、上述のように、バネや錘を利用した滑落防止装置等を電力ケーブルに取り付けると、人孔寸法が大きくなってしまう。
本発明の目的は、簡便な構造により伸び出し量を低減することができる電力ケーブルを提供することである。
本発明の第1の態様によれば、
導電部と、
前記導電部の外周を覆う絶縁層と、
前記絶縁層の外周を覆う被覆層と、を備え、
前記導電部内には、
前記導電部を構成する材料よりヤング率が大きく線膨張係数が小さい材料から構成される線材が前記導電部の軸方向に設けられている
電力ケーブルが提供される。
本発明の第2の態様によれば、
前記導電部の中心部には前記導電部の軸方向に延びる中空部が設けられ、
前記導電部内に設けられる線材は前記中空部内に挿入されている
第1の態様に記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記導電部は複数のセグメントを組み合わせてなり、
前記導電部内に設けられる線材は前記各セグメント内に配置されている
第1の態様に記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第4の態様によれば、
前記線材は前記セグメント内で、前記各線材が中心部に位置するよう前記各セグメント内に配置されている
第3の態様に記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第5の態様によれば、
前記線材は前記セグメント内で、前記各線材が外縁部近傍に位置するよう前記各セグメント内に配置されている
第3の態様に記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第6の態様によれば、
前記導電部内に設けられる線材の外表面の少なくとも一部が前記導電部と接している
第1〜第5の態様のいずれかに記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第7の態様によれば、
前記導電部への通電時には前記導電部の少なくとも一部が蛇行した状態となる
第1〜第6の態様のいずれかに記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第8の態様によれば、
前記導電部は銅導体であり、
前記導電部内に設けられる線材はインバ線である
第1〜第7の態様のいずれかに記載の電力ケーブルが提供される。
本発明の第9の態様によれば、
前記絶縁層は架橋ポリエチレンから構成され、
前記被覆層は塩化ビニルから構成される
第1〜第8の態様のいずれかに記載の電力ケーブルが提供される。
本発明によれば、簡便な構造により伸び出し量を低減することができる電力ケーブルが提供される。
本発明の一実施形態に係る電力ケーブルの軸方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態に係る電力ケーブルの構成例を示す軸方向と直交する断面図である。 (a)は、本発明の実施例に係る電力ケーブルの軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図であり、(b)は、比較例に係るCVケーブルの軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図であり、(c)は、他の比較例に係るOFケーブルの軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図である。 地中送電線として用いられる電力ケーブルの布設の状態を示す模式図である。
<本発明の一実施形態>
(1)電力ケーブルの構造
本発明の一実施形態に係る電力ケーブルについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電力ケーブル1の軸方向と直交する断面図である。
図1に示されているように、本実施形態に係る電力ケーブル1は、導電部10と、導電部10の外周を覆う絶縁層20と、絶縁層20の外周を覆う被覆層30と、を備える。導電部10内には、導電部10を構成する材料よりヤング率が大きく線膨張係数が小さい材料から構成される線材40が設けられている。
このとき、例えば導電部10を銅導体とし、絶縁層20を架橋ポリエチレン製とし、被覆層30を塩化ビニル製とし、線材40をインバ線として、電力ケーブル1を、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Crosslinked polyethylene insulated PVC sheathed cable:CVケーブル)にインバ線が複合された電力ケーブルとして構成することができる。
すなわち、導電部10は、例えば純銅(C)または銅合金等からなり台形状や扇形状等の断面形状を持つ複数のセグメント10sを組み合わせてなる銅導体等である。このとき、各セグメント10sは、純銅または銅合金等からなる素線を複数本撚り合わせて構成されていてもよい。また、各セグメント10sは、内層、外層の2層になるよう組み合わされていてもよく、或いは、それ以上の複数層になるよう組み合わされていてもよい。組み合わされた(最内層の)セグメント10sの中央、すなわち、導電部10の中心部には、導電部10の軸方向に延びる中空部10wが設けられている。
線材40は、係る中空部10w内に挿入され、導電部10の軸方向に挿通された状態となっている。このとき、線材40は、中空部10w内に隙間なく挿入され、線材40の外表面の少なくとも一部が、中空部10w内壁を構成する導電部10と接していることが好ましい。またこのとき、線材40は1本のみから構成されていてもよく、或いは、複数本の素線を撚り合わせたり圧縮したりして束ねた状態に構成されていてもよい。また、線材40は、例えば鉄(Fe)に所定量のニッケル(Ni)を加えたステンレス鋼からなるインバ線やカーボンコンポジット線等により構成されている。係る材料は、例えば導電部10を構成する銅導体よりもヤング率が大きく、また、線膨張係数が小さい。
このように構成される電力ケーブル1は、例えば地中に設けられた管路内に布設される。管路の所定位置に設けられた人孔内には、例えば電力ケーブル1同士を接続するケーブル接続部が設置される。電力ケーブル1同士は、電力ケーブル1内に設けられた線材40同士を圧縮して接続される。
(2)電力ケーブルの作用
本実施形態に係る電力ケーブル1は、以下の作用を有する。
すなわち、導電部10に通電されると、温度上昇により導電部10が伸び出す。一方、中空部10wに挿入した線材40は、導電部10よりも伸び出し量が少ない。このため、導電部10は、軸方向に対し所定周期で、或いは不定期の周期で蛇行するように撓むことで、自身の伸び出し量を吸収する。このとき、導電部10の周囲に設けられた絶縁層20や被覆材30等が導電部10に追従するようにスネーク形状をとってもよく、ひいては、電力ケーブル1全体がスネーク形状をとってもよい。
あるいは、電力ケーブル1が、軸方向に対して伸び出し量が少ない導電部10と、軸方向に対して伸び出し量が多い線材40とで均衡がとれるような形をとることにより、電力ケーブル1の伸び出し量が吸収されていてもよい。このように、電力ケーブル1が伸び出し量を吸収するよう均衡した形をとるとき、電力ケーブル1はスネーク形状をとっていなくともよい。
また、上述のように、導電部10の構成材よりも線膨張係数の小さい線材40を用い、さらに例えば、上述したように、線材40と導電部10とを接触させた状態とすれば、伸び出し量をさらに低減させることができ、より好ましい。係る構成において伸び出し量が低減されるのは、主に線材40と導電部10との摩擦によると考えられる。また、係る場合、電力ケーブル1の端末における伸び出し力を抑制する効果もあると考えられる。
上記により吸収しきれなかったケーブル両端の伸び出し量は、ケーブル接続部が設置された人孔内にて、電力ケーブル1が曲がり変形、つまり、オフセット変形をすることで吸収される。電力ケーブル1においては、この人孔内への伸び出し量が低減される。
これにより、人孔内に伸び出した電力ケーブル1の曲がり変形の量、所謂、オフセット変形量を小さくすることができる。通常、外径Dの電力ケーブルにおいては、許容曲げ半径は例えば10D以上とされている。本実施形態の電力ケーブル1においては、オフセット変形量を小さく抑えることができ、寸法の小さい人孔内にて許容曲げ半径以上の変形量(曲げ量)に保つことができる。
また、電力ケーブル1においては、電力ケーブル1全体の伸び出し量を低減しており、温度変化幅が増大しても、熱伸縮が発生しない領域、所謂、不動域を充分に確保することができる。これにより、傾斜のある管路内においても、電力ケーブル1の滑落が起こり難くなる。よって、例えば人孔内にてバネや錘等を利用して滑落を抑制する滑落防止装置等を電力ケーブル1に取り付けなくともよく、人孔寸法が小さくとも布設が可能となる。
例えば、従来のCVケーブルにおいては、OFケーブルよりも大きな伸び出し量となってしまう。このため、通電時の伸び出しにより人孔内にて許容曲げ半径を下回るオフセット曲げ半径となってしまう。傾斜した管路内での場合、滑落も生じ易い。このように、CVケーブルは、OFケーブル用の既設線路への布設が困難であることが多い。また、CVケーブル用の新規線路を設けるときは、通電時に許容曲げ半径以上となるよう、また、滑落防止装置等を設置できるよう、人孔寸法を拡大しなければならない。
しかしながら、本実施形態に係る電力ケーブル1においては、伸び出し量がOFケーブルと同等以下である。管路内での滑落も生じ難い。また、電力ケーブル1の導電部10の断面積は、例えば油の経路となる中空管を導電部内に有するOFケーブルと略等しくなるよう構成することが可能である。よって、OFケーブルと比較して同程度以上の送電容量を有することができる。
このように、本実施形態に係る電力ケーブル1は、OFケーブル用の既設線路への布設が容易である。既設のOFケーブルとの置き換えを行うことで、例えば線路内から給油設備を無くすことができる。また、新規線路を設ける際にも、人孔寸法の拡大等を要しない。このように、本実施形態に係る電力ケーブル1は、線路設計や線路保守などの面で有利である。
(3)電力ケーブルの製造方法
本実施形態に係る電力ケーブル1は、以下の製造方法により製造することができる。
すなわち、まずは、インバ線等の素線を準備し、これを線材40とする。或いは、係る素線を複数本撚り合わせた撚り線を線材40として用いる。係る線材40の周囲へ、例えば純銅または銅合金等からなるセグメント10sを1層以上撚り合わせることで、中空部10w内に線材40が挿入された導電部10となる。各セグメント10sは、上述のように、例えば純銅または銅合金等からなる素線を複数本撚り合わせ、台形状や扇形状等の断面形状となるよう成形しておくことができる。
その後、押出成形等により、導電部10の外周に、例えば架橋ポリエチレン製の絶縁層20および塩化ビニル製の被覆層30を形成する。以上により、本実施形態に係る電力ケーブル1が製造される。
(4)本実施形態の変形例
続いて、本実施形態の変形例に係る電力ケーブルについて、図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る電力ケーブルの構成例を示す軸方向と直交する断面図である。なお、図2において、図1で説明した構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述の実施形態においては、線材40の挿入位置を導電部10の中心部としたが、変形例に係る電力ケーブル1a,1bにおいては、線材41,42の挿入位置が異なる。
すなわち、図2(a)に示されているように、変形例に係るケーブル1aにおいては、導電部11は複数のセグメント11sを組み合わせてなり、各セグメント11sの中心部には線材41がそれぞれ配置されている。
このように、各線材41が各セグメント11sの中心部に均等に配置されることで、導電部11の蛇行に偏りが生じることを抑制できる。よって、例えば直線状に延びる管路内において、導電部11あるいは電力ケーブル1aは、管路に略沿う形のスネーク形状をとる。
電力ケーブル1aは、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、まずは、インバ線等の素線、または素線を複数本撚り合わせた撚り線を線材41として、係る線材41の周囲へ、例えば純銅または銅合金等からなる素線を1層以上撚り合わせることで、各セグメント11sが製造される。その後、各セグメント11sを所定数、所定の配置で組み合わせ、絶縁層20および被覆層30を形成後、あるいは形成前に、最外層側から全体を一括圧縮することで、電力ケーブル1aが製造される。
また、図2(b)に示されているように、他の変形例に係るケーブル1bにおいては、導電部12は複数のセグメント12sを組み合わせてなり、各セグメント12sの外縁部近傍には複数の線材42がそれぞれ配置されている。上述の電力ケーブル1aの各セグメント11s同様、電力ケーブル1bの各セグメント12sもまた、例えばインバ線等の素線と、純銅または銅合金等からなる素線と、を撚り合わせて構成されるところ、図2(b)に示されている断面における各線材42の配置は、あくまでも一例である。すなわち、各線材42は、セグメント12s内でうねりながら位置を変えている。よって、電力ケーブル1bのどの断面を切り出すかによって、セグメント12s内の、絶縁層20に接する外縁部側、隣接する一方のセグメント12sに接する外縁部側、隣接する他方のセグメント12sに接する外縁部側、と、各線材42の位置が移動してみえる。
このように、各線材42が各セグメント11sの外縁部にその位置を変えながら配置されることで、導電部12が蛇行し易くなる。よって、例えば曲がりくねった管路内において、導電部12あるいは電力ケーブル1bが、管路内の曲がりに沿う形のスネーク形状をとるよう、各線材42の配置により調整することができる。
電力ケーブル1bもまた、電力ケーブル1aと同様の方法により製造することができる。ただし、この場合、純銅または銅合金等からなる複数本の素線の束の中に、セグメント12sの外縁部近傍に位置することとなるように線材42を混ぜ合わせ、線材42と、純銅または銅合金等からなる素線と、を共に撚り合わせる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態および変形例について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態および変形例では、線材40,41,42をインバ線により構成することとしたが、線材は、例えば炭素繊維や、デュポン社製のケブラー(登録商標)等のアラミド繊維等から構成されていてもよい。このように、導電部を構成する材量よりヤング率が大きく線膨張係数が小さい材料であれば、線材として用いることができる。
また例えば、上述の実施形態および変形例で説明したセグメントの形状や個数、層数、配置、挿入される線材の個数や配置等はあくまでも例示であって、これらに限定されない。
また例えば、上述の実施形態および変形例では、CVケーブルにインバ線等の線材40,41,42が複合された電力ケーブル1について説明したが、OFケーブルやその他のケーブルに本構成を適用してもよい。
次に、本発明に係る実施例について比較例と共に説明する。
(1)伸び出し量の算出
まずは、実施例および比較例に係る電力ケーブルについて、伸び出し量等の理論値を算出した。図3には、理論値の算出に用いた電力ケーブルの仕様が示されている。
すなわち、図3の(a)は、本発明の実施例に係る電力ケーブル2の軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図であり、(b)は、比較例に係るCVケーブル3の軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図であり、(c)は、他の比較例に係るOFケーブル4の軸方向と直交する断面図および軸方向の断面図である。
図3(a)に示されているように、実施例に係る電力ケーブル2は、導電部210が中心部に備える中空部210wに線材240が挿入された電力ケーブルとして構成されている。
すなわち、電力ケーブル2は、銅製の複数のセグメントからなる導電部210と、架橋ポリエチレン製の絶縁層220と、塩化ビニル製の被覆層230とを備える。また、導電部210の中空部には、インバ撚り線から構成される線材240が設けられている。また、導電部210の外周には、金属テープとクラフト紙等の絶縁紙とからなるバインダ221が設けられている。バインダ221を構成する絶縁紙の一部は、導電部210の各セグメント間にも挿入されている。
バインダ221と絶縁層220との間には、内部半導電層222が設けられている。また、絶縁層220と被覆層230との間には、絶縁層220側から順に、外部半導電層231、軟銅線を組み合わせてなる遮蔽層232、押さえテープ233、遮水層234が設けられている。
図3(b)に示されているように、比較例に係る電力ケーブル3は、一般的な架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Crosslinked polyethylene insulated PVC sheathed cable:CVケーブル)である(以降、CVケーブル3ともいう)。
すなわち、CVケーブル3は、銅製の複数のセグメントからなる導電部310と、架橋ポリエチレン製の絶縁層320と、塩化ビニル製の被覆層330とを備える。
導電部310と絶縁層320との間には、内部半導電層322が設けられている。また、絶縁層320と被覆層330との間には、絶縁層320側から順に、外部半導電層331、軟銅線を組み合わせてなる遮蔽層332、押さえテープ333、遮水層334が設けられている。
図3(c)に示されているように、他の比較例に係る電力ケーブル4は、一般的な油浸紙絶縁電力ケーブル(OFケーブル:Oil Filled Cable)である(以降、OFケーブル4ともいう)。
すなわち、OFケーブル4は、軟銅線からなる導電部410と、油を浸み込ませた絶縁紙からなる絶縁層420と、塩化ビニル(PVC)製の防食層である被覆層430とを備える。また、導電部410の中央には、亜鉛鍍鋼帯スパイラルからなる中空管411が挿入され、絶縁層420に含浸させる油を通す油通路Pが設けられている。また、導電部410の外周には、金属テープとクラフト紙等の絶縁紙とからなるバインダ421が設けられている。バインダ421を構成する絶縁紙の一部は、導電部410の各セグメント間にも挿入されている。
絶縁層420は、内側と外側とがそれぞれカーボン紙422,431で覆われている。また、外側のカーボン紙431と被覆層430との間には、カーボン紙431側から順に、金属テープとカーボン紙とからなる遮蔽層432、銅線織込布テープ433、防食塗料が外側に塗布された波付アルミ被434が設けられている。
このような構造を備える各ケーブル2〜4について、伸び出し量の理論値を算出した。算出にあたっての検討条件は、各ケーブル2〜4の導体断面積を2000mm、ケーブル接続部(ジョイント)間の距離(径間長)を500m、各導電部210,310,410における年間の温度変化幅を65℃、管路と各ケーブル2〜4との摩擦係数を0.4、各ケーブル2〜4のオフセット変形に抗う力(オフセット反抗力)を100kgfとした。また、実施例に係る電力ケーブル2のヤング率は、比較例に係るCVケーブルと同様であるものとした。
Figure 2017103245
表1に示されているように、実施例に係る電力ケーブル2は、ケーブル全体のヤング率は比較例に係るCVケーブル3と同程度であると考えられるが、線膨張係数は比較例に係るOFケーブル4と同等以下の優れた数値となる。よって、伸び出し量もOFケーブル4と同等以下に抑えることができると予測される。
(2)布設および滑落についての考察
次に、係る伸び出し量の算出結果から、ケーブル2,3の所定管路内への布設の可否および滑落の可能性について考察する。
まずは、模擬的に、ケーブル2,3を、図4に示す線路形態へと布設する場合の可否について考察する。図4は、地中送電線として用いられる電力ケーブルの布設の状態を示す模式図である。
図4に示されているように、考察対象の線路形態では、2つの人孔51間を繋ぐ管路52の長さLを500m、布設されるケーブル2,3の人孔51内におけるケーブル接続部Jまでの長さ、つまり、オフセット長さDを2800mm、人孔51内におけるオフセット変形の許容幅、つまり、オフセット幅Fを650mmとした。
また、布設するケーブル2,3の仕様は、適用電圧が154kV、導電部の個数×導体公称断面積が1×2000mmのCVケーブルを基準とした。
比較例に係るCVケーブル3をこのような線路形態に布設した場合には、上述のとおり、年間の温度変化幅が65℃のとき伸び出し量が205mmとなる。よって、伸び出し量を人孔51にて吸収した後のオフセット曲げ半径は、ケーブル外径Dに対して9.0Dとなってしまう。これは、ケーブルの許容曲げ半径10Dを下回っている。このため、このような線路形態にはCVケーブル3は布設できないか、或いは、線路形態をより大きなものに拡張しなければならない。
一方、実施例に係る電力ケーブル2をこのような線路形態に布設した場合には、上述のとおり、年間の温度変化幅が65℃のとき伸び出し量を145mmに低減できる。よって、伸び出し量を人孔51にて吸収した後のオフセット曲げ半径を、ケーブル外径Dに対して許容曲げ半径10D以上の10.1Dとすることができる。このため、従来のCVケーブルの布設が困難な、このような線路形態にも実施例に係る電力ケーブル2を布設することができる。線路形態の拡張も要しない。
続いて、模擬的に、ケーブル2,3を、人孔間の管路長Lが600m、高低差が10mの線路形態へと布設した場合の滑落の可能性について考察する。
比較例に係るCVケーブル3をこのような線路形態に布設した場合、滑落が発生する年間の温度変化幅は53℃である。また、年間の温度変化幅が上述の65℃では、滑落量は6.1mmとなってしまう。
一方、実施例に係る電力ケーブル2をこのような線路形態に布設した場合には、年間の温度変化幅が68℃になるまで滑落は発生しない。よって、滑落を抑制する拘束装置などの滑落防止装置等が不要となり、線路形態の拡張も不要である。
(3)線膨張係数の測定
実施例に係る電力ケーブル2の線膨張係数の実測を行った。
その結果、実施例に係る電力ケーブル2の線膨張係数は、12×10−6(1/℃)であった。よって、比較例に係るCVケーブル3の理論値20×10−6(1/℃)と比べて約40%低減できることがわかった。また、他の比較例に係るOFケーブル4の理論値16×10−6(1/℃)と比べても約25%低減できることがわかった。
1,1a,1b 電力ケーブル
10,11,12 導電部
10s,11s,12s セグメント
10w 中空部
20 絶縁層
30 被覆層
40,41,42 線材

Claims (4)

  1. 導電部と、
    前記導電部の外周を覆う絶縁層と、
    前記絶縁層の外周を覆う被覆層と、を備え、
    前記導電部の中心部には前記導電部の軸方向に延びる中空部が設けられ、
    前記導電部の前記中空部内には、前記導電部を構成する材料よりヤング率が大きく線膨張係数が小さい材料から構成される線材が前記導電部の軸方向に沿って挿入され、
    前記導電部への通電時には前記導電部の少なくとも一部が蛇行した状態となる
    ことを特徴とする電力ケーブル。
  2. 前記導電部は、複数のセグメントを組み合わせてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル。
  3. 前記導電部は銅導体であり、
    前記導電部内に設けられる線材はインバ線である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力ケーブル。
  4. 前記絶縁層は架橋ポリエチレンから構成され、
    前記被覆層は塩化ビニルから構成される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力ケーブル。
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