JP2017103127A - 端子、蓄電池及び端子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる材質の2個の端子部を締結させた端子において電気抵抗を低減可能な技術を提供する。
【解決手段】端子は、第一端子部と、第二端子部を備える。第一端子部は、電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される。第二端子部は、電気伝導性を有し且つ第一材質より硬度が高い第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される。第一端子部は、第一端子部の第一接触面に凸部を備える。第二端子部は、第二端子部の第二接触面に凹部を備える。第一端子部と第二端子部は、第一接触面と第二接触面が接した状態で締結されている。凸部は、第一端子部と第二端子部が締結された締結状態で、凹部に充填されている。
【選択図】図1
【解決手段】端子は、第一端子部と、第二端子部を備える。第一端子部は、電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される。第二端子部は、電気伝導性を有し且つ第一材質より硬度が高い第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される。第一端子部は、第一端子部の第一接触面に凸部を備える。第二端子部は、第二端子部の第二接触面に凹部を備える。第一端子部と第二端子部は、第一接触面と第二接触面が接した状態で締結されている。凸部は、第一端子部と第二端子部が締結された締結状態で、凹部に充填されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、端子と蓄電池と端子の製造方法に関する。
端子に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池の正極端子が開示されている。正極端子は、下部端子体と上部端子体で構成される。下部端子体は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成される。下部端子体は、接合台とかしめ部と圧入ピンによって形成される。上部端子体は、銅又は銅合金で構成される。上部端子体は、端子基体部とボルト式端子本体と圧入穴によって形成される。圧入穴は、圧入ピンよりもわずかに径が小さくされる。下部端子体と上部端子体は、圧入穴に圧入ピンを圧入することにより、端子基体部の下面を接合台の上面に重ね合わせて接合される。
特許文献2には、複合接点の製造方法が開示されている。製造方法は、一次成形工程と、二次成形工程を含む。一次成形工程では、銀合金素線が鍛造され、銅合金素線と接合される。二次成形工程では、銅合金素線による銅合金部と銀合金素線による銀合金部を含む一次成形体が、軸方向に鍛造される。二次成形工程では、一次成形体を鍛造することで、一次成形体の銅合金部と銀合金部の接合界面が、新生面を形成しながら拡径される。
特許文献3には、コネクタ端子が開示されている。コネクタ端子は、第一端子部材と、第二端子部材を備える。例えば、コネクタ端子が各種のバッテリー装置に搭載される電極端子である場合、第一端子部材と第二端子部材は、一方が銅で他方がアルミニウムとされる。第二端子部材のオス型フランジは、第一端子部材のメス型フランジの凹部に嵌め込まれる。メス型フランジの凹部の底面とオス型フランジの下面は、互いに凹凸のない平滑面とされる。コネクタ端子では、第一端子部材と第二端子部材は、メス型フランジの外周壁を変形させてかしめられる。これに伴い、コネクタ端子では、第一端子部材と第二端子部材が連結される。特許文献3では、メス型フランジの底面にオス型フランジの下面が密接することで、電気抵抗を小さくすることができるとされている。
特許文献4には、非水電解質二次電池が開示されている。非水電解質二次電池では、正極又は負極の集電端子が、2個の部分から構成される。2個の部分のうちの1つは、電池ケース外に突出した外部端子をなす部分である。2個の部分のうちの他の1つは、電池ケース内の極板群から導出されたリード板が接続される部分である。2つの部分は、異種金属からなる。2つの部分は、異種金属間の境界面で固相接合又は真空ろう付され、一体化される。
端子を、異なる材質の2個の端子部を締結させた構造とすることがある。例えば、各種の製品に搭載される蓄電池において、このような構造の端子が採用される場合がある。このような構造の端子とする場合、異種材質である2個の端子部の接触面において電気抵抗が増加し易い。その結果、2個の端子部をそれぞれ、電気抵抗の低い材質の部材によって形成したとしても、全体として電気抵抗の高い端子となってしまうことがある。
本発明は、異なる材質の2個の端子部を締結させた端子において電気抵抗を低減可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される第一端子部と、電気伝導性を有し且つ前記第一材質より硬度が高い前記第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される第二端子部と、を備え、前記第一端子部は、前記第一端子部の第一接触面に凸部を備え、前記第二端子部は、前記第二端子部の第二接触面に凹部を備え、前記第一端子部と前記第二端子部とは、前記第一接触面と前記第二接触面とが接した状態で締結され、前記凸部は、前記第一端子部と前記第二端子部とが締結された締結状態で、前記凹部に充填されている、端子である。
この端子によれば、第一端子部と第二端子部の接触面積を、2個の端子部の各接触面が平面である場合と比較し、増加させることができる。凸部の凹部への充填に際し、第一部材は、第一接触面の側で塑性変形する。その結果、凹部の壁面及び底面と接触する凸部の表面を、塑性変形に伴う第一部材の新生面とすることが可能になると考えられる。新生面は、塑性変形前の状態では、第一部材の内部にあった部分が、前述の塑性変形に伴い、この部材の表面に露出することによって形成される第一材質の新たな面である。
前記第一端子部は、前記第一接触面に、2個以上の所定数の前記凸部を備え、前記第二端子部は、前記第二接触面に、前記締結状態で前記所定数の前記凸部がそれぞれ充填される前記所定数の前記凹部を備える、ようにしてもよい。この場合、前記所定数の前記凸部のうちの第一凸部は、前記第一接触面の特定位置に設けられ、前記第一凸部とは異なる前記所定数の前記凸部のうちの第二凸部は、前記第一凸部と第一量だけ離間した前記第一凸部の外周に設けられ、前記所定数の前記凹部のうちの第一凹部は、前記締結状態で前記第一凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられ、前記第一凹部とは異なる前記所定数の前記凹部のうちの第二凹部は、前記締結状態で前記第二凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられ、前記第一凸部は、前記締結状態で、前記第一凹部に充填され、前記第二凸部は、前記締結状態で、前記第二凹部に充填されている、ようにしてもよい。更に、前記第一凸部は、環状の凸部であり、前記第二凸部は、環状の前記第一凸部と前記第一量だけ離間した前記第一凸部の外周に設けられた環状の凸部であり、前記第一凹部は、環状の前記第一凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた環状の凹部であり、前記第二凹部は、環状の前記第二凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた環状の凹部である、ようにしてもよい。更にまた、前記第一凸部と前記第二凸部とは異なる前記所定数の前記凸部のうちの第三凸部は、柱状の凸部であり、前記第一凹部と前記第二凹部とは異なる前記所定数の前記凹部のうちの第三凹部は、前記締結状態で前記第三凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた筒状の凹部であり、前記第一凸部は、前記第三凸部と第二量だけ離間した前記第三凸部の外周に設けられ、前記第三凸部は、前記締結状態で、前記第三凹部に充填されている、ようにしてもよい。
この構成によれば、第一端子部と第二端子部の接触面積を増加させることができる。第一端子部において、より多くの新生面を形成することができる。柱状の凸部及び凹部と複数の環状の凸部及び凹部を備える構成は、端子がヒートサイクル環境下で使用される場合において、加熱前後の電気抵抗の変化を抑制することができる。
前記第一端子部は、前記第一接触面を含む被拘束部を備え、前記第二端子部は、前記被拘束部を収容する、前記第二接触面を底面とする有底筒状の拘束部を備え、前記拘束部の側壁部は、前記拘束部に収容された前記被拘束部の外周を拘束するかしめ部となる、ようにしてもよい。この構成によれば、第一端子部と第二端子部の締結強度を向上させることができる。これに伴い、端子の強度を向上させることが可能となる。
本発明の他の側面は、上述した何れかの端子を備える蓄電池である。この蓄電池では、上述した何れかの端子が奏する上述した機能が実現される。蓄電池の性能を向上させることが可能となる。
本発明の更に他の側面は、電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される第一端子部と、電気伝導性を有し且つ前記第一材質より硬度が高い前記第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される第二端子部と、が前記第一端子部の第一接触面と前記第二端子部の第二接触面とが接した状態で締結された端子の製造方法であって、前記第一接触面となる前記第一部材の第一面と、前記第二接触面となる、凹部が形成された前記第二部材の第二面と、を接させた状態で、前記第一部材を塑性変形させ、塑性変形する前記第一部材の部分を前記凹部に充填させつつ、前記凹部に充填される前記第一部材の部分によって前記第一面に凸部を形成する、充填工程を含む、製造方法である。この製造方法によれば、凸部の表面を第一部材の新生面とすることが可能となる。第二部材を第一部材より高硬度の材質とすることで、第二部材に凸部を形成する際の金型としての機能を付与し、第一部材をスムーズに塑性変形させることが可能となる。凸部が凹部に充填された状態とすることができる。
例えば、第一部材に凸部を予め設け、第二部材に凹部を予め設けた上で、端子の製造方法に、凸部を凹部に嵌め込む工程を含めることもできる(充填工程は省略)。この場合、第一端子部と第二端子部が高精度に締結された端子とするためには、第一部材における凸部と第二部材における凹部の寸法精度及び位置精度を、適切に管理しなければならない。本発明の上述した製造方法によれば、塑性変形し、凹部に充填される第一部材の部分によって第一面に凸部を形成することができる。そのため、予め第一部材に設けた凸部を第二部材の凹部に嵌め込む場合と比較し、前述した管理が容易となる。その結果、第一端子部と第二端子部が高精度に締結された端子とすることができる。
前記製造方法は、更に、前記第一面を含む前記第一部材の端部を、前記第二部材に形成された、前記第二面を底面とする有底筒状の筒部に収容し、前記第一面と前記第二面とを接させる収容工程と、前記筒部の側壁部を、前記収容工程で前記筒部に収容された前記第一部材の端部の側に塑性変形させ、塑性変形する前記側壁部によって前記第一部材の端部を拘束するかしめ工程と、を含む、ようにしてもよい。この構成によれば、第一端子部と第二端子部の締結強度を向上させることができる。これに伴い、端子の強度を向上させることが可能となる。
前記充填工程は、前記第一面と前記第二面とが接した状態で、前記第一面と前記第二面とに垂直で、且つ前記凸部の突出方向と前記凹部の深さ方向とに沿った軸方向に、前記第一部材と前記第二部材とを押圧して行われる、ようにしてもよい。この場合、前記充填工程は、前記軸方向において前記第一面とは反対側となる前記第一部材の第三面を含む前記第一部材の端部に形成された穴部の底面に対して、前記軸方向に沿った前記第一面の側に向かう力を付与させて前記穴部の底面を含む前記第一部材の部分を前記凹部に充填させつつ、前記凹部に充填される前記第一部材の部分によって前記第一面に前記凸部を形成する、ようにしてもよい。この構成によれば、第一部材の部分の凹部への充填と凸部の形成をスムーズに行うことができる。
本発明によれば、異なる材質の2個の端子部を締結させた電気抵抗を低減可能な構造の端子を得ることができる。また、本発明によれば、電気抵抗を低減可能な構造の端子を備える蓄電池を得ることができる。更に、本発明によれば、電気抵抗を低減可能な構造の端子の製造方法を得ることができる。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<端子>
端子1について、図1〜図3を参照して説明する。端子1は、例えば、蓄電池用の端子として、蓄電池に設けられる。端子1は、第一端子部2と第二端子部3を締結して形成される。実施形態では、第一端子部2と第二端子部3が締結された状態を「締結状態」という(図1参照)。締結状態は、第一端子部2と第二端子部3によって端子1が形成された状態ということもできる。締結状態において、第一端子部2と第二端子部3が重なり合う方向を「軸方向」という。締結状態において、第一端子部2が配置される軸方向の側を「第一側」といい、第二端子部3が配置される軸方向の側を「第二側」という。図1に示す1点鎖線は、軸方向に重なり合った状態で第一端子部2と第二端子部3が締結された端子1の軸心Lを示す。軸方向に直交する方向を「径方向」という。径方向は、軸心Lを中心とした放射方向に一致する。
端子1について、図1〜図3を参照して説明する。端子1は、例えば、蓄電池用の端子として、蓄電池に設けられる。端子1は、第一端子部2と第二端子部3を締結して形成される。実施形態では、第一端子部2と第二端子部3が締結された状態を「締結状態」という(図1参照)。締結状態は、第一端子部2と第二端子部3によって端子1が形成された状態ということもできる。締結状態において、第一端子部2と第二端子部3が重なり合う方向を「軸方向」という。締結状態において、第一端子部2が配置される軸方向の側を「第一側」といい、第二端子部3が配置される軸方向の側を「第二側」という。図1に示す1点鎖線は、軸方向に重なり合った状態で第一端子部2と第二端子部3が締結された端子1の軸心Lを示す。軸方向に直交する方向を「径方向」という。径方向は、軸心Lを中心とした放射方向に一致する。
第一端子部2は、軸方向の第二側の端部が径方向に張り出した形状を有する(図1参照)。実施形態では、径方向に張り出した部分を含む第一端子部2の軸方向の第二側の端部を、被拘束部22という。被拘束部22は、軸方向の第一側から第二側に広がった円錐台状とされる。被拘束部22は、締結状態において、第二端子部3によって拘束される。この点については、後述する。被拘束部22は、第一接触面20を含む(図2参照)。第一接触面20は、軸方向の第二側となる第一端子部2の面である。第一接触面20は、締結状態において、後述する第二端子部3の第二接触面30と接する(図1参照)。第一端子部2では、第一接触面20に複数の凸部21が形成される(図1及び図2参照)。複数の凸部21は、軸方向の第二側に突出する。複数の凸部21は、凸部21A,21B,21C,21Dを含む。実施形態では、凸部21A,21B,21C,21Dを区別しない場合、又は凸部21A,21B,21C,21Dを総称する場合、凸部21という。
凸部21Aは、第一接触面20の中心位置(軸心L参照)に形成された凸部である。凸部21Aは、円柱状とされる(図2参照)。凸部21B,21C,21Dは、凸部21Aの外周に形成された凸部である。凸部21B,21C,21Dは、円環状とされる(図2参照)。実施形態では、凸部21B,21C,21Dは、第一接触面20のうち、領域Rに対応する所定の位置にそれぞれ形成されている。領域Rは、被拘束部22のうち、径方向に張り出した被拘束部22の部分である(図1参照)。凸部21Bは、径方向において、凸部21Aと所定量だけ離間した凸部21Aの外周に形成された凸部である。凸部21Cは、径方向において、凸部21Bと所定量だけ離間した凸部21Bの外周に形成された凸部である。凸部21Dは、径方向において、凸部21Cと所定量だけ離間した凸部21Cの外周に形成された凸部である。実施形態では、凸部21B,21Cが離間する量と凸部21C,21Dが離間する量は、同一とされている。凸部21A,21Bが離間する量は、凸部21B,21C,21Dがそれぞれ離間する量より広くされている。凸部21A,21B,21C,21Dがそれぞれ離間する量は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、端子1の電気抵抗が考慮される。
第一端子部2には、第一端子部2の軸方向の第一側の端部に、有底筒状の穴部23が形成される(図1参照)。第一端子部2の軸方向の第一側の端部は、軸方向において第一接触面20とは反対側となる面を含む第一端子部2の部分である。穴部23は、軸方向の第一側の部分の径方向の寸法W1より軸方向の第二側の部分の径方向の寸法W2が狭い、段付きの穴部である。
第二端子部3は、軸方向の第一側の端部が径方向に張り出した形状を有する(図1参照)。第二端子部3の軸方向の第一側の端部には、拘束部32が形成される。拘束部32は、有底筒状をした第二端子部3の部分である(図3参照)。拘束部32の底面は、第一接触面20と接する第二端子部3の第二接触面30を形成する。拘束部32には、被拘束部22が収容される。拘束部32の側壁部33の内周面は、被拘束部22の外周面に沿った形状とされる。側壁部33は、被拘束部22の外周を拘束する。即ち、側壁部33は、被拘束部22の外周を拘束するかしめ部を形成する。かしめ部としての側壁部33によって被拘束部22を拘束することで、第一端子部2と第二端子部3は、締結される。
第二端子部3では、第二接触面30に複数の凹部31が形成される(図1及び図3参照)。複数の凹部31は、複数の凸部21に対応して設けられる(図1参照)。凸部21A,21B,21C,21Dを例とする実施形態の端子1では、凹部31は、第二接触面30に4個形成される。実施形態では、4個の凹部31を区別する場合、各凹部を、凹部31A,31B,31C,31Dという。凹部31A,31B,31C,31Dを区別しない場合、又は凹部31A,31B,31C,31Dを総称する場合、凹部31という。
凹部31Aは、締結状態で凸部21Aに対向する第二接触面30の位置に形成された凹部である。凹部31Aは、円筒状とされる(図3参照)。凹部31Aには、締結状態において、凸部21Aが充填される(図1参照)。凹部31Aに充填された凸部21Aは、上述した通り、円筒状の凹部31Aに対応した円柱状とされる。凹部31Bは、締結状態で凸部21Bに対向する第二接触面30の位置に形成された凹部である。凹部31Bは、円環状とされる(図3参照)。凹部31Bには、締結状態において、凸部21Bが充填される(図1参照)。凹部31Bに充填された凸部21Bは、上述した通り、円環状の凹部31Bに対応した円環状とされる。凹部31Cは、締結状態で凸部21Cに対向する第二接触面30の位置に形成された凹部である。凹部31Cは、円環状とされる(図3参照)。凹部31Cには、締結状態において、凸部21Cが充填される(図1参照)。凹部31Cに充填された凸部21Cは、上述した通り、円環状の凹部31Cに対応した円環状とされる。凹部31Dは、締結状態で凸部21Dに対向する第二接触面30の位置に形成された凹部である。凹部31Dは、円環状とされる(図3参照)。凹部31Dには、締結状態において、凸部21Dが充填される(図1参照)。凹部31Dに充填された凸部21Dは、上述した通り、円環状の凹部31Dに対応した円環状とされる。
<端子の製造方法>
端子1の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6に示す1点鎖線は、端子1の軸心Lに一致する。実施形態では、説明の便宜上、図4〜図6に示す1点鎖線についても、軸心Lという。また、実施形態では、端子1の製造方法を、単に「製造方法」という。第一端子部2を形成する素材を、第一部材50という。第二端子部3を形成する素材を、第二部材60という。
端子1の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6に示す1点鎖線は、端子1の軸心Lに一致する。実施形態では、説明の便宜上、図4〜図6に示す1点鎖線についても、軸心Lという。また、実施形態では、端子1の製造方法を、単に「製造方法」という。第一端子部2を形成する素材を、第一部材50という。第二端子部3を形成する素材を、第二部材60という。
第一部材50は、第一材質の部材である。第二部材60は、第二材質の部材である。即ち、第一部材50と第二部材60は、異種材料とされる。第二材質は、第一材質より硬度が高い材質とされる。第一材質としては、アルミニウム又はアルミニウム合金が例示される。第二材質としては、銅又は銅合金が例示される。第一材質がアルミニウム又はアルミニウム合金で、第二材質が銅又は銅合金である場合、第一部材50のビッカース硬度は、20HV〜100HVの範囲の所定値とされ、第二部材60のビッカース硬度は、50HV〜200HVの範囲の所定値(但し、第一部材50より高硬度)とされる。
第一部材50は、軸方向の第二側の端部が径方向に張り出した形状を有する(図4参照)。この径方向に張り出した部分を含む第一部材50の軸方向の第二側の端部は、製造方法によって被拘束部22へと形成される。被拘束部22へと形成される第一部材50の軸方向の第二側の端部は、第一部材50の軸方向の第二側の面を含む。第一部材50の軸方向の第二側の面は、製造方法によって第一接触面20へと形成される。実施形態では、第一接触面20へと形成される第一部材50の軸方向の第二側の面を、第一面51という。軸方向において第一面51とは反対側となる第一部材50の第一側の面を、第三面52という。被拘束部22へと形成される第一部材50の軸方向の第二側の端部を、張出部53という。張出部53において、径方向に張り出した張出部53の部分を、被拘束部22の領域R(図1参照)に準じて、張出部53の領域Rという(図4参照)。
実施形態では、張出部53を、被拘束部22と同じ、軸方向の第一側から第二側に広がった円錐台状としている。このような張出部53(被拘束部22)の形状は、例示である。例えば、張出部では、外周側面を、軸方向の第二側の部分程、径方向の寸法が大きくなる段付き形状としてもよい。この場合、被拘束部でも、外周側面は、同じ段付き形状とされる。
第一部材50には、第一部材50の軸方向の第一側の端部に、有底筒状の穴部54が形成される。第一部材50の軸方向の第一側の端部は、第三面52を含む第一部材50の軸方向の第一側の部分である。穴部54は、製造方法によって第一端子部2の穴部23へと形成される。即ち、穴部54は、径方向のサイズが寸法W1の穴部であって、穴部23を形成する径方向のサイズが寸法W1の部分に対応する。
第二部材60は、軸方向の第一側の端部が径方向に張り出した形状を有する(図4参照)。第二部材60の軸方向の第一側の端部には、有底筒状をした筒部61が形成される。筒部61は、製造方法によって拘束部32へと形成される。筒部61の底面となる第二部材60の面は、そのままの状態で第二接触面30とされる。実施形態では、第二接触面30とされる第二部材60の面(筒部61の底面)を、第二面62という。第二面62には、製造方法の実施に先立ち、凹部31A,31B,31C,31Dが形成される。第二部材60を形成する加工方法としては、鍛造が例示される。第二部材60が鍛造によって形成される場合、鍛造用の金型には、凹部31A,31B,31C,31Dに対応する成形部が設けられる。凹部31A,31B,31C,31Dは、前述の成形部によって銅又は銅合金を塑性変形させて形成される。実施形態では、第二部材60を形成する鍛造用の金型の図示は、省略されている。第一部材50も、第二部材60と同様、例えば、鍛造によって形成される。
製造方法では、第一部材50と第二部材60が、所定の加工装置に取り付けられた1組の金型を用いて塑性変形される。即ち、製造方法では、第一部材50と第二部材60が鍛造される。製造方法における第一部材50と第二部材60の塑性変形は、第一部材50と第二部材60を軸方向に押圧して行われる。実施形態では、加工装置において、軸方向の第一側に取り付けられる金型を、上金型70といい、軸方向の第二側に取り付けられる金型を、下金型80という。加工装置は、上金型70を軸方向に移動させる構成を備えることとする。このような加工装置では、第一部材50と第二部材60に対する軸方向への押圧は、上金型70を、軸方向の第二側に移動させることで行われる。この場合、押圧方向は、軸方向の第二側に向かう方向となる。
製造方法は、収容工程と、かしめ工程と、充填工程を含む。収容工程は、張出部53を筒部61に収容する工程である。第一面51と第二面62は、張出部53が筒部61に収容された状態で接する。即ち、収容工程では、第一部材50と第二部材60が、張出部53が筒部61に収容された状態で、下金型80にセットされる(図5上段参照)。図5上段では、上金型70の図示は、省略されている。収容工程の終了後、製造方法は、かしめ工程と充填工程に移行する。かしめ工程と充填工程では、第一部材50と第二部材60が塑性変形される。
かしめ工程は、筒部61の側壁部63を、収容工程で筒部61に収容された張出部53の側に塑性変形させる工程である。充填工程は、第一面51と第二面62を接させた状態で、第一面51に凸部21A,21B,21C,21Dを形成する工程である。充填工程では、第一部材50の所定の各部が、第二面62に形成された凹部31A,31B,31C,31Dに充填される。
収容工程の終了後、加工装置は、駆動を開始する。加工装置の駆動に伴い、上金型70は、軸方向の第二側に移動され、第一部材50に接近する。上金型70は、第一成形部71で穴部54の底面のうちの所定の領域に接する(図5下段参照)。第一成形部71は、上金型70において、径方向の位置が軸心Lに一致する位置で軸方向の第二側に突出した状態で設けられる。加工装置では、上金型70の軸方向の第二側への移動が継続され、第一成形部71は、穴部54の底部の一部を、軸方向の第二側に押圧する。穴部54の底部は、穴部54の底面を含む第一部材50の部分である。これに伴い、第一成形部71と接する穴部54の底部の一部は、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する穴部54の底部の一部が軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Aに充填される(図6上段参照)。
上金型70は、軸方向の第二側への移動に伴い、第一成形部71が穴部54の底面に接し、穴部54の底部の一部を軸方向の第二側に押圧した状態のまま、第二成形部72で、張出部53と側壁部63の軸方向の第一側の各面に接する(図6上段参照)。第二成形部72は、上金型70において、第一成形部71の外周に設けられる(図4参照)。第二成形部72は、円環状とされる。第二成形部72は、領域S1で、張出部53の領域Rを、全周に亘って軸方向の第二側に押圧する。これに伴い、張出部53の領域Rは、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する張出部53の領域Rのうち、凹部31Bに対向する部分が軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Bに充填される(図6下段参照)。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する張出部53の領域Rのうち、凹部31Cに対向する部分が軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Cに充填される(図6下段参照)。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する張出部53の領域Rのうち、凹部31Dに対向する部分が軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Dに充填される(図6下段参照)。
第二成形部72は、領域S2で、側壁部63を、全周に亘って軸方向の第二側に押圧する。これに伴い、側壁部63は、軸方向の第二側と径方向の中心側に塑性変形する。径方向の中心側は、軸心Lの側で、且つ張出部53の側である。張出部53は、塑性変形する側壁部63によって拘束され、第一部材50と第二部材60は、締結される(図6下段参照)。第一成形部71によって連続して軸方向の第二側に押圧される穴部54の底部の一部は、継続して軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する穴部54の底部の一部が、継続して軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Aに充填される(図6下段参照)。
加工装置は、上金型70が図6下段に示す所定の位置に到達したタイミングで、停止される。続けて、加工装置では、上金型70が軸方向の第一側に移動され、完成した端子1が、下金型80から取り出される(図7参照)。これに伴い、製造方法は、終了する。実施形態に例示する端子1では、凸部21Aは、凹部31Aの全体に充填され、凸部21Bは、凹部31Bの全体に充填され、凸部21Cは、凹部31Cの全体に充填され、凸部21Dは、凹部31Dの全体に充填されている(図1及び図7参照)。但し、端子1では、凸部21は、凹部31の一部に充填された状態としてもよい。凹部31に充填される凸部21の量は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、端子1の電気抵抗が考慮される。
<実施例>
今回、凸部及び凹部が端子の電気抵抗に与える影響を検討するために実験を行った。そこで、これについて説明する。この説明では、凸部21Aに相当する円柱状の凸部を、円柱状凸部といい、凸部21B,21C,21Dに相当する円環状の凸部を、円環状凸部という。凹部31Aに相当する円筒状の凹部を、円筒状凹部といい、凹部31B,31C,31Dに相当する円環状の凹部を、円環状凹部という。
1.実験方法
(1)実験サンプル
実験は、凸部及び凹部を備えない試料Aと凸部及び凹部を備える試料B〜Dの各端子を対象として行った。試料A〜Dでは、第一端子部は、同じアルミニウム製とし、第二端子部は、同じ銅製とした。試料Aは、締結状態において接することとなる第一端子部の第一接触面と第二端子部の第二接触面の各接触面を平面とした端子である。試料Dは、図1及び図7に示す上述した端子1に相当する端子である。
<サンプル構成>
試料A 円柱状凸部及び円筒状凹部:なし 円環状凸部及び円環状凹部:なし
試料B 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:なし
試料C 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:1組(各1個)
試料D 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:3組(各3個)
(2)測定条件
試料A〜Dを対象とした電気抵抗の測定は、第一端子部を正極側に接続し、第二端子部を負極側に接続して行った。試料B〜Dについては、試料B〜Dを常温以上の所定温度で所定時間加熱し、その後、試料B〜Dが常温に戻った状態で電気抵抗を測定した。試料Aについては、前述した加熱前の状態で、好ましい電気抵抗を得ることができなかった。そのため、加熱後の電気抵抗の測定は、省略した。
2.実験結果
加熱前の電気抵抗に関し、試料Aの電気抵抗の平均値(サンプル数:10)を基準とした場合、試料Bの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、試料Aの41%であった。試料Cの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、試料Aの40%であった。試料Dの平均値(サンプル数:3)は、試料Aの31%であった。
今回、凸部及び凹部が端子の電気抵抗に与える影響を検討するために実験を行った。そこで、これについて説明する。この説明では、凸部21Aに相当する円柱状の凸部を、円柱状凸部といい、凸部21B,21C,21Dに相当する円環状の凸部を、円環状凸部という。凹部31Aに相当する円筒状の凹部を、円筒状凹部といい、凹部31B,31C,31Dに相当する円環状の凹部を、円環状凹部という。
1.実験方法
(1)実験サンプル
実験は、凸部及び凹部を備えない試料Aと凸部及び凹部を備える試料B〜Dの各端子を対象として行った。試料A〜Dでは、第一端子部は、同じアルミニウム製とし、第二端子部は、同じ銅製とした。試料Aは、締結状態において接することとなる第一端子部の第一接触面と第二端子部の第二接触面の各接触面を平面とした端子である。試料Dは、図1及び図7に示す上述した端子1に相当する端子である。
<サンプル構成>
試料A 円柱状凸部及び円筒状凹部:なし 円環状凸部及び円環状凹部:なし
試料B 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:なし
試料C 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:1組(各1個)
試料D 円柱状凸部及び円筒状凹部:あり 円環状凸部及び円環状凹部:3組(各3個)
(2)測定条件
試料A〜Dを対象とした電気抵抗の測定は、第一端子部を正極側に接続し、第二端子部を負極側に接続して行った。試料B〜Dについては、試料B〜Dを常温以上の所定温度で所定時間加熱し、その後、試料B〜Dが常温に戻った状態で電気抵抗を測定した。試料Aについては、前述した加熱前の状態で、好ましい電気抵抗を得ることができなかった。そのため、加熱後の電気抵抗の測定は、省略した。
2.実験結果
加熱前の電気抵抗に関し、試料Aの電気抵抗の平均値(サンプル数:10)を基準とした場合、試料Bの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、試料Aの41%であった。試料Cの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、試料Aの40%であった。試料Dの平均値(サンプル数:3)は、試料Aの31%であった。
加熱後の電気抵抗に関し、試料Bの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、加熱前の263%であった。試料Cの電気抵抗の平均値(サンプル数:2)は、加熱前の171%であった。試料Dの電気抵抗の平均値(サンプル数:3)は、加熱前の108%であった。
3.考察
(1)試料B〜Dは、加熱前の電気抵抗が試料Aより低くなる。このことから、第一接触面に凸部を設け、第二接触面に凹部を設け、凹部に凸部を充填させる構成により、端子の電気抵抗を低減することができる。
3.考察
(1)試料B〜Dは、加熱前の電気抵抗が試料Aより低くなる。このことから、第一接触面に凸部を設け、第二接触面に凹部を設け、凹部に凸部を充填させる構成により、端子の電気抵抗を低減することができる。
(2)試料Bに対して、試料C,Dでは、加熱後の電気抵抗が低くなる。このことから、凸部と凹部を複数設けることで、端子がヒートサイクルの環境下で使用された場合における電気抵抗の低下を、抑制することができる。特に、試料Dの実験結果に基づけば、円柱状凸部及び円筒状凹部と、複数の円環状凸部及び円環状凹部を備える構成は、加熱後の電気抵抗を、加熱前の電気抵抗と同等程度に維持するのに有用であると考えられる。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)製造方法では、充填工程において、上金型70の第一成形部71で、穴部54の底部の一部が、軸方向の第二側に押圧される。第一成形部71と接する穴部54の底部の一部は、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する穴部54の底部の一部が軸方向の第二側に隆起し、この部分が凹部31Aに充填される(図6参照)。上金型70の第二成形部72の領域S1で、張出部53の領域Rが、全周に亘って軸方向の第二側に押圧される。張出部53の領域Rは、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する張出部53の領域Rのうち、凹部31B,31C,31Dにそれぞれ対向する部分が、軸方向の第二側に隆起し、これら各部分が、凹部31B,31C,31Dにそれぞれ充填される(図6下段参照)。
そのため、凹部31の壁面及び底面と接触する凸部21の表面を、塑性変形に伴う第一部材50の新生面とすることが可能になると考えられる。このことは、上述した実験結果において、試料B〜Dの加熱前の電気抵抗が、試料Aの加熱前の電気抵抗より低くなることからも推測される。新生面は、塑性変形前の状態では、第一部材50の内部にあった部分が、前述の塑性変形に伴い、この部材の表面に露出することによって形成される第一材質の新たな面である。凹部31Aに凸部21Aを充填させ、凹部31Bに凸部21Bを充填させ、凹部31Cに凸部21Cを充填させ、凹部31Dに凸部21Dを充填させることで、第一端子部2と第二端子部3の接触面積を増加させることができる。端子1を蓄電池の端子とすることで、蓄電池の性能を向上させることが可能となる。
(2)製造方法では、かしめ工程において、上金型70の第二成形部72の領域S2で、側壁部63が、全周に亘って軸方向の第二側に押圧される。側壁部63は、軸方向の第二側と径方向の中心側(張出部53の側)に塑性変形する。張出部53は、塑性変形する側壁部63によって拘束される。即ち、端子1では、拘束部32の側壁部33で、被拘束部22が拘束される(図1及び図7参照)。そのため、第一端子部2と第二端子部3の締結強度を向上させることができる。これに伴い、端子1の強度を向上させることが可能となる。
(3)第二部材60は、第一部材50より高硬度の材質とされる。第二部材60には、予め凹部31A,31B,31C,31Dが形成され、製造方法は、凹部31A,31B,31C,31Dが形成された第二部材60を対象として行われる。凸部21A,21B,21C,21Dは、第二部材60より低硬度の第一部材50を、塑性変形させて形成される。そのため、第二部材60を凸部21A,21B,21C,21Dを形成する際の金型として利用し、第一部材50をスムーズに塑性変形させることが可能となる。
例えば、第一部材に複数の凸部を予め設け、第二部材に複数の凹部を予め設けた上で、端子の製造方法に、複数の凸部を複数の凹部にそれぞれ嵌め込む工程を含めることもできる(充填工程は省略)。この場合、第一端子部と第二端子部が高精度に締結された端子とするためには、第一部材における複数の凸部と第二部材における複数の凹部の寸法精度及び位置精度を、適切に管理しなければならない。上述した実施形態の製造方法によれば、塑性変形し、凹部31A,31B,31C,31Dに充填される第一部材50の部分によって第一面51(第一接触面20)に、凸部21A,21B,21C,21Dを形成することができる。そのため、予め第一部材に設けた凸部を第二部材の凹部に嵌め込む場合と比較し、前述した管理が容易となる。その結果、第一端子部2と第二端子部3が高精度に締結された端子1とすることができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
(1)上記では、第一端子部2において、凸部21A,21B,21C,21Dが、第一接触面20に形成される(図1及び図2参照)。第二端子部3において、凹部31A,31B,31C,31Dが、第二接触面30に形成される(図1及び図3参照)。第一端子部と第二端子部では、凸部21A及び凹部31Aと凸部21B及び凹部31Bと凸部21C及び凹部31Cと凸部21D及び凹部31Dのうちの少なくとも1組の凸部及び凹部を、省略するようにしてもよい。この場合、凸部及び凹部の形状と配置は、第一接触面と第二接触面にそれぞれ形成される凸部及び凹部の組数に応じて、適宜決定される。凸部及び凹部の組数は、5組以上としてもよい。
凸部21Aは、円柱状とされる(図2参照)。凹部31Aは、円筒状とされる(図3参照)。第一接触面の中心位置(軸心の位置)に形成される凸部は、角柱状としてもよい。第一接触面の中心位置に形成される凸部を角柱状とする場合、この凸部に対向する第二接触面の位置(軸心の位置)に形成される凹部は、角筒状とされる。製造方法の充填工程では、第一接触面の中心位置に形成される凸部は、角筒状の凹部に対応した角柱状に形成される。この他、第一接触面の中心位置(軸心の位置)に形成される凸部は、軸心に垂直な断面の形状が星形となる柱状としてもよい。第一接触面の中心位置に形成される凸部を星形の柱状とする場合、この凸部に対向する第二接触面の位置(軸心の位置)に形成される凹部は、軸心に垂直な断面の形状が星形となる筒状とされる。製造方法の充填工程では、第一接触面の中心位置に形成される凸部は、星形の筒状の凹部に対応した星形の柱状に形成される。第一接触面の中心位置(軸心の位置)に形成される凸部と、この凸部に対向する第二接触面の位置(軸心の位置)に形成される凹部は、凸部と凹部の各表面積が広くなる形状にするとよい。これにより、凸部が凹部に充填された状態で、第一端子部と第二端子部の接触面積を増加させることができる。
凸部21B,21C,21Dと凹部31B,31C,31Dは、円環状とされる(図2及び図3参照)。凸部21B,21C,21Dに相当する凸部と凹部31B,31C,31Dに相当する凹部は、円環状とは異なる形状の環状としてもよい。例えば、これらの凸部と凹部は、多角形又は星形の環状としてもよい。凸部と凹部を環状とする場合、何れの形状の環状とするかは、諸条件を考慮して適宜決定するとよい。凸部と凹部は、螺旋状としてもよい。この場合、第一端子部では、第一接触面に螺旋状の凸部が1個形成される。第二端子部では、締結状態で、螺旋状の凸部に対向する第二接触面の位置に螺旋状の凹部が1個形成される。凸部と凹部を螺旋状とする場合、製造方法の対象となる第二部材の第二面には、予め螺旋状の凹部が形成される。製造方法によって、第一部材の部分が塑性変形されて、螺旋状の凹部に充填される。これに伴い、螺旋状の凸部が形成される。
第一端子部では、複数の凸部を柱状とし、複数の柱状の凸部を、第一接触面に適宜配置した状態で設けるようにしてもよい。複数の柱状の凸部は、第一接触面に規則的に配置されてもよい。例えば、複数の柱状の凸部は、格子状に配置されてもよい。複数の柱状の凸部のうちの1個の凸部を、第一接触面の中心位置(軸心の位置)に配置し、他の複数の凸部を、第一接触面の中心位置に配置された凸部を中心として、その外周に環状に配置するようにしてもよい。複数の凸部を柱状とする場合、第二端子部では、複数の筒状の凹部が、締結状態で柱状の凸部と対向する第二接触面の位置にそれぞれ形成される。複数の筒状の凹部には、締結状態において、複数の凸部がそれぞれ充填される。筒状の凹部に充填された凸部は、柱状とされる。
(2)上記では、製造方法の充填工程において、上金型70の第二成形部72の領域S1で、張出部53の領域Rが、全周に亘って軸方向の第二側に押圧される。張出部53の領域Rは、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材50では、第一面51の側で、塑性変形する張出部53の領域Rのうち、凹部31B,31C,31Dにそれぞれ対向する部分が、軸方向の第二側に隆起し、これら各部分が、凹部31B,31C,31Dにそれぞれ充填される(図6下段参照)。第一部材50では、第一面51と張出部53の領域Rの軸方向の第一側の面が、平面とされる。従って、張出部53(被拘束部22)の領域Rでは、製造方法が進行するに従い、その厚みが減少する(厚みT2(図7参照)<厚みT1(図4参照))。
第一部材50は、例えば、図8に示すような形状としてもよい。図8に基づく説明では、図4に示す第一部材50との対応を明らかにするため、同一の構成又は対応する構成には、上記で用いた符号を用いる。図8に示す第二部材60は、図4に示す第二部材60と同一である。図8に示す第一部材50では、第一面51のうち、張出部53の領域Rに対応する所定の領域に、隆起部55が形成されている。隆起部55は、円環状の凸部21B,21C,21Dに対応させて円環状とされる。隆起部55は、凸部21B,21C,21Dの全体又は一部を形成する素材となる。製造方法の充填工程において、上金型70の第二成形部72の領域S1で、張出部53の領域Rが、全周に亘って軸方向の第二側に押圧された場合、隆起部55は、塑性変形し、凹部31B,31C,31Dに充填される。隆起部55を設けることで、凹部31B,31C,31Dへの充填をスムーズに行うことができる。
図8に示す第一部材50では、第一面51に、1個の隆起部55が設けられている。張出部53を筒部61に収容させた状態で、凹部31B,31C,31Dは、この1個の隆起部55によって覆われる。例えば、複数の円環状の凹部31B,31C,31Dのそれぞれに対応させた状態で、3個の円環状の隆起部を設けるようにしてもよい。この他、張出部53の軸方向の第一側の面に隆起部55に対応する隆起部を1個又は複数設けるようにしてもよい。このような第一部材によっても、上金型70の第二成形部72の領域S1で、張出部53の領域Rが、全周に亘って軸方向の第二側に押圧された場合、軸方向の第一側の面に形成された隆起部を塑性変形させ、張出部53の領域Rのうち、凹部31B,31C,31Dにそれぞれ対向する部分を、スムーズに凹部31B,31C,31Dに充填することができる。
(3)上記では、第一端子部2の軸方向の第一側の端部に形成された穴部23は、段付きの穴部とされる(図1及び図7参照)。第一端子部の軸方向の第一側の端部に形成される穴部は、ストレートな穴部としてもよい。この穴部を、ストレートな穴部とする場合、第一端子部を形成する第一部材では、穴部54に相当する穴部は、省略される。製造方法では、上金型の第一成形部は、第一部材の第三面のうちの所定の領域に接する。第一成形部は、ストレートな円柱状とされる。第一成形部は、第一部材を、軸方向の第二側に押圧する。これに伴い、第一成形部と接する第一部材の部分は、軸方向の第二側に塑性変形する。第一部材では、第一面の側で、塑性変形する第一部材の部分が軸方向の第二側に隆起し、この部分が、上記同様、凹部31Aに充填され、凸部21Aが形成される。第一端子部の軸方向の第一側の端部に形成される穴部をストレートな穴部とする場合、第一部材における穴部を、第一端子部におけるストレートな穴部と同じ寸法の穴部とするようにしてもよい。
上記では、説明を省略したが、第二端子部3には、第二端子部3の軸方向の第二側の端部に、有底筒状の穴部が形成されている(図1及び図7参照)。第二端子部3の軸方向の第二側の端部は、軸方向において第二接触面30とは反対側となる面を含む第二端子部3の部分である。第二端子部は、前述した穴部を含まない形状としてもよい。この場合、第二部材でも、第二端子部の穴部となる穴部は省略される。下金型は、穴部のない第二部材に対応した形状とされる。
(4)上記では、第一端子部2と第二端子部3は、製造方法のかしめ工程で塑性変形された側壁部33で被拘束部22の外周を拘束することで、締結される(図1及び図7参照)。凹部31A,31B,31C,31Dは、径方向の寸法が軸方向の全域において同一とされる(図4及び図7参照)。複数の凹部のうちの全部又は一部の凹部では、径方向の寸法が、軸方向の第二側より軸方向の第一側で狭くなるようにしてもよい。例えば、図4に示すように第二部材を断面した状態で、軸方向の第一側が幅狭の台形となる凹部としてもよい。このような形状の凹部に凸部を充填することで、第一端子部と第二端子部を締結することができる。この場合、拘束部32が設けられた第二端子部3の軸方向の第一側の端部では、側壁部33が省略され、第二端子部の軸方向の第一側の端部は、平板状とされる。筒部61が設けられた第二部材60の軸方向の第一側の端部でも、側壁部63が省略され、第二部材の軸方向の第一側の端部は、平板状とされる。製造方法では、かしめ工程は、省略される。下金型は、下金型80の第二成形部72の領域S2が省略された構造とされる。
1 端子、 2 第一端子部、 3 第二端子部、 20 第一接触面
21,21A,21B,21C,21D 凸部、 22 被拘束部、 23 穴部
30 第二接触面、 31,31A,31B,31C,31D 凹部、 32 拘束部
33 側壁部、 50 第一部材、 51 第一面、 52 第三面、 53 張出部
54 穴部、 55 隆起部、 60 第二部材、 61 筒部、 62 第二面
63 側壁部、 70 上金型、 71 第一成形部、 72 第二成形部
80 下金型、 L 軸心、 R,S1,S2 領域、 T1,T2 厚み
W1,W2 寸法
21,21A,21B,21C,21D 凸部、 22 被拘束部、 23 穴部
30 第二接触面、 31,31A,31B,31C,31D 凹部、 32 拘束部
33 側壁部、 50 第一部材、 51 第一面、 52 第三面、 53 張出部
54 穴部、 55 隆起部、 60 第二部材、 61 筒部、 62 第二面
63 側壁部、 70 上金型、 71 第一成形部、 72 第二成形部
80 下金型、 L 軸心、 R,S1,S2 領域、 T1,T2 厚み
W1,W2 寸法
Claims (11)
- 電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される第一端子部と、
電気伝導性を有し且つ前記第一材質より硬度が高い前記第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される第二端子部と、を備え、
前記第一端子部は、前記第一端子部の第一接触面に凸部を備え、
前記第二端子部は、前記第二端子部の第二接触面に凹部を備え、
前記第一端子部と前記第二端子部とは、前記第一接触面と前記第二接触面とが接した状態で締結され、
前記凸部は、前記第一端子部と前記第二端子部とが締結された締結状態で、前記凹部に充填されている、端子。 - 前記第一端子部は、前記第一接触面に、2個以上の所定数の前記凸部を備え、
前記第二端子部は、前記第二接触面に、前記締結状態で前記所定数の前記凸部がそれぞれ充填される前記所定数の前記凹部を備える、請求項1に記載の端子。 - 前記所定数の前記凸部のうちの第一凸部は、前記第一接触面の特定位置に設けられ、
前記第一凸部とは異なる前記所定数の前記凸部のうちの第二凸部は、前記第一凸部と第一量だけ離間した前記第一凸部の外周に設けられ、
前記所定数の前記凹部のうちの第一凹部は、前記締結状態で前記第一凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられ、
前記第一凹部とは異なる前記所定数の前記凹部のうちの第二凹部は、前記締結状態で前記第二凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられ、
前記第一凸部は、前記締結状態で、前記第一凹部に充填され、
前記第二凸部は、前記締結状態で、前記第二凹部に充填されている、請求項2に記載の端子。 - 前記第一凸部は、環状の凸部であり、
前記第二凸部は、環状の前記第一凸部と前記第一量だけ離間した前記第一凸部の外周に設けられた環状の凸部であり、
前記第一凹部は、環状の前記第一凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた環状の凹部であり、
前記第二凹部は、環状の前記第二凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた環状の凹部である、請求項3に記載の端子。 - 前記第一凸部と前記第二凸部とは異なる前記所定数の前記凸部のうちの第三凸部は、柱状の凸部であり、
前記第一凹部と前記第二凹部とは異なる前記所定数の前記凹部のうちの第三凹部は、前記締結状態で前記第三凸部に対向する前記第二接触面の位置に設けられた筒状の凹部であり、
前記第一凸部は、前記第三凸部と第二量だけ離間した前記第三凸部の外周に設けられ、
前記第三凸部は、前記締結状態で、前記第三凹部に充填されている、請求項4に記載の端子。 - 前記第一端子部は、前記第一接触面を含む被拘束部を備え、
前記第二端子部は、前記被拘束部を収容する、前記第二接触面を底面とする有底筒状の拘束部を備え、
前記拘束部の側壁部は、前記拘束部に収容された前記被拘束部の外周を拘束するかしめ部となる、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の端子。 - 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の端子を備える蓄電池。
- 電気伝導性を有する第一材質の第一部材によって形成される第一端子部と、電気伝導性を有し且つ前記第一材質より硬度が高い前記第一材質とは異なる第二材質の第二部材によって形成される第二端子部と、が前記第一端子部の第一接触面と前記第二端子部の第二接触面とが接した状態で締結された端子の製造方法であって、
前記第一接触面となる前記第一部材の第一面と、前記第二接触面となる、凹部が形成された前記第二部材の第二面と、を接させた状態で、前記第一部材を塑性変形させ、塑性変形する前記第一部材の部分を前記凹部に充填させつつ、前記凹部に充填される前記第一部材の部分によって前記第一面に凸部を形成する、充填工程を含む、製造方法。 - 前記製造方法は、更に、
前記第一面を含む前記第一部材の端部を、前記第二部材に形成された、前記第二面を底面とする有底筒状の筒部に収容し、前記第一面と前記第二面とを接させる収容工程と、
前記筒部の側壁部を、前記収容工程で前記筒部に収容された前記第一部材の端部の側に塑性変形させ、塑性変形する前記側壁部によって前記第一部材の端部を拘束するかしめ工程と、を含む、請求項8に記載の製造方法。 - 前記充填工程は、前記第一面と前記第二面とが接した状態で、前記第一面と前記第二面とに垂直で、且つ前記凸部の突出方向と前記凹部の深さ方向とに沿った軸方向に、前記第一部材と前記第二部材とを押圧して行われる、請求項8又は請求項9に記載の製造方法。
- 前記充填工程は、前記軸方向において前記第一面とは反対側となる前記第一部材の第三面を含む前記第一部材の端部に形成された穴部の底面に対して、前記軸方向に沿った前記第一面の側に向かう力を付与させて前記穴部の底面を含む前記第一部材の部分を前記凹部に充填させつつ、前記凹部に充填される前記第一部材の部分によって前記第一面に前記凸部を形成する、請求項10に記載の製造方法。
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KR102633361B1 (ko) * | 2023-11-16 | 2024-02-05 | (주)동광특수금속 | 복합 구조를 가지는 리벳형 접점구 |
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