JP2017101615A - 内燃機関の制御方法、及び内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷の稼働状態の変更に伴う負荷変動による影響を抑制する内燃機関の制御方法、及び内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関の制御方法は、過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体への負荷投入に先立ち、前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を開始し、前記供給を開始した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始し、次いで前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行する過程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御方法、及び内燃機関に関する。
内燃機関には、内燃機関本体としてディーゼル機関やデュアルフューエル機関などの機関を含むものがある。このような内燃機関においては、機関始動時および負荷投入時などの負荷が変動する際に黒煙が発生したり、負荷投入時に機関回転速度が低下したりするなどの問題が知られている。内燃機関は、非常用設備に利用されているが、非常用設備における機関始動直後の負荷投入は、運転中の常用設備の負荷変動より大きなものとなる。このような用途では、急速始動することと、機関始動直後の負荷投入の影響を受けにくいことなどが必要とされている。
また、過給機を備えることで高出力を可能にした内燃機関が知られている。過給機の回転速度の応答性が低いため、過給機の回転速度が瞬時の負荷変動に追従できず、負荷変動の大きな用途に過給機を適用できないことがある。始動時等に過給機の回転を高めるようにアシストして、始動時等における黒煙の発生抑制や負荷投入時における瞬時速度変動率の改善を図る技術が知られている(例えば、特許文献1から6を参照)。
特開2002−122031号公報 特開2014−058958号公報 特開2000−320361号公報 特開2004− 11551号公報 特開2004−108268号公報 特許第4401990号公報
上記の特許文献による技術では、機関始動直後の負荷投入の影響を十分に低減させることができない場合があった。
本発明は、機関始動直後の負荷投入による影響を抑制する内燃機関の制御方法、及び内燃機関を提供するものである。
(1)本発明の一態様は、過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体への負荷投入に先立ち、前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を開始し、前記供給を開始した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始し、次いで前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行することを特徴とする内燃機関の制御方法である。
上記の制御方法によれば、過給機のコンプレッサーインペラへの第1アシストエアを供給している状態で、過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を行うので、第2燃焼アシストエアによる供給空気量と過給機からの空気流量とが加算された状態で内燃機関本体に流入する。その結果、内燃機関本体から過給機のタービンに流入する排気ガス量が増加し、過給機の回転速度がさらに上昇する。内燃機関本体に負荷投入が行われればさらに排気ガス量が増加し、さらに過給機速度が上昇する。かくの如き好循環サイクルにより、負荷投入時にシリンダ内に増量噴射される燃料を燃焼させるのに十分な空気量を、燃焼アシストエアの供給により確保する。
なお、本発明においては、前記過給気通路を最も広義に解するものとし、吸気管、吸気集合管、吸気ヘッダー、吸気マニホルド、吸気室、吸気筒、吸気部、給気ダクト等を含む概念として取り扱う。
(2)また、上記制御方法の一態様は、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始してから前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行するまでの間に、前記過給機の最大到達回転速度に対して定めた第1範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記過給気通路への前記第2燃焼アシストエアの供給を開始し、前記内燃機関本体の機関定格出力時の過給機回転速度に対して定めた第2範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行することを特徴とする。
上記制御方法によれば、第1燃焼アシストエアの供給を開始した後、過給機回転速度が一次遅れ特性に従って遅れて上昇するため、過給機の最大到達回転速度に対して定めた第1範囲に過給機の回転速度が達するまでの時間は概ね揃う。上記制御方法は、過給機の回転速度が第1範囲に達したと判定した場合に過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始する。また、上記制御方法は、その後、内燃機関本体の機関定格出力時の過給機回転速度に対して定めた第2範囲に、過給機の回転速度が達した場合に内燃機関本体への負荷投入を実行する。
(3)また、上記制御方法の一態様は、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始する段階で、前記内燃機関本体が無負荷運転状態にあることを特徴とする。
上記制御方法によれば、第1燃焼アシストエアの供給を開始する段階で、無負荷運転状態にある内燃機関本体を制御する。
(4)また、本発明の一態様は、過給機からの空気が過給気通路を介して給気され、運転停止状態から始動することにより負荷がかかる内燃機関本体を含む内燃機関の制御方法であって、機関始動指令の取得により、前記過給機による過給停止状態から前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を行い、前記供給を開始した後、前記内燃機関本体の始動と、前記過給気通路への前記内燃機関本体の給気圧を高める第2燃焼アシストエアの供給とを開始することを特徴とする。
上記制御方法によれば、第1燃焼アシストエアの供給と第2燃焼アシストエアの供給を行い、運転停止状態から始動することにより負荷がかかる内燃機関本体を始動させる。
(5)また、上記制御方法の一態様は、前記過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアの供給圧力を、前記内燃機関本体の回転速度に対応する圧力に調整することを特徴とする。
上記制御方法によれば、過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアの供給圧力を、内燃機関本体の回転速度に対応する圧力に調整して、内燃機関本体の回転速度に対応する燃焼用空気を適量に供給する。
(6)また、上記制御方法の一態様は、前記過給気通路に前記過給機からの空気を冷却する給気冷却器が設けられ、前記給気冷却器の下流の過給気通路に前記第2燃焼アシストエアを供給することを特徴とする。
上記制御方法によれば、給気冷却器の下流の過給気通路に第2燃焼アシストエアを供給することにより、該給気冷却器が第2燃焼アシストエアの逆流防止として作用し、第1燃焼アシストエアの供給だけでは供給しきれない燃焼用空気をシリンダ内に供給するとともに、燃焼用空気の圧力を高める。
(7)また、上記制御方法の一態様は、前記内燃機関本体の回転速度が定格回転速度範囲になった場合に、前記第1燃焼アシストエアの供給と、前記第2燃焼アシストエアの供給とを停止させることを特徴とする。
上記制御方法によれば、内燃機関本体の回転速度が定格回転速度範囲になった場合に、第1燃焼アシストエアの供給と前記第2燃焼アシストエアの供給とを停止させることで、無駄に供給する空気を削減する。
(8)また、上記制御方法の一態様は、前記過給機へ供給する前記第1燃焼アシストエアを貯留する空気貯留槽と、前記過給気通路へ供給する第2燃焼アシストエアを貯留する空気貯留槽とを共用し、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給の開始に応じて、前記空気貯留槽への空気の供給を開始することを特徴とする。
上記制御方法によれば、共通の空気貯留槽から第1燃焼アシストエアと第2燃焼アシストエアを供給し、第1燃焼アシストエアの供給の開始に応じて空気貯留槽への空気の供給を開始することで、1つの空気貯留槽を用いた制御を可能にする。第1燃焼アシストエアと第2燃焼アシストエアを並行して供給することで、燃焼アシストエアの消費が増大して、より大きな空気貯留槽が必要となることを、第1燃焼アシストエアの供給開始に同期させて空気貯留槽への空気の供給を開始することで、必要とされる空気量を確保して、空気貯留槽の容量を削減する。
(9)また、本発明の一態様は、過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体と、過給機への第1燃焼アシストエアを供給する第1燃焼アシストエア供給手段と、前記過給気通路へ第2燃焼アシストエアを供給する第2燃焼アシストエア供給手段と、前記内燃機関への負荷投入に先立ち、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始させる第1開始信号を発し、前記第1開始信号を発した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始させる第2開始信号を発し、次いで前記内燃機関への負荷投入を実行する制御信号を発する制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関である。
(10)また、上記内燃機関の一態様は、前記過給機の回転速度を測定する過給機回転速度測定手段を備え、前記制御手段は、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始してから前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行するまでの間に、前記過給機の最大到達回転速度に対して定めた第1範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記第2開始信号を発し、前記内燃機関本体の機関定格出力時の過給機回転速度に対して定めた第2範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に、前記負荷投入を実行する制御信号を発することを特徴とする。
(11)また、上記内燃機関の一態様は、前記制御手段は、前記内燃機関本体が無負荷運転状態にある状態で前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始することを特徴とする。
(12)また、本発明の一態様は、過給機により給気され、運転停止状態から始動することにより負荷がかかる内燃機関であって、過給機への第1燃焼アシストエアを供給する第1燃焼アシストエア供給手段と、前記過給機から前記内燃機関本体に前記過給機からの空気を供給する過給気通路へ第2燃焼アシストエアを供給する第2燃焼アシストエア供給手段と、機関始動指令の取得により、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始させる第1開始信号を発し、前記第1開始信号を発した後に、前記内燃機関本体を始動させる機関始動信号と、前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始させる第2開始信号とを発する制御手段とを備えることを特徴とする。
(13)また、上記内燃機関の一態様は、前記制御手段は、前記過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアの供給圧力を前記内燃機関本体の回転速度に対応する圧力に調整することを特徴とする。
(14)また、上記内燃機関の一態様は、前記第2燃焼アシストエア供給手段は、前記過給気通路に前記過給機からの空気を冷却する給気冷却器が設けられ、前記給気冷却器の下流の過給気通路に前記第2燃焼アシストエアを供給することを特徴とする。
(15)また、上記内燃機関の一態様は、前記制御手段は、前記内燃機関本体の回転速度が定格回転速度範囲になった場合に、前記第1燃焼アシストエアの供給の停止信号と、前記第2燃焼アシストエアの供給の停止信号とを発することを特徴とする。
(16)また、上記内燃機関の一態様は、前記第1燃焼アシストエア供給手段と前記第2燃焼アシストエア供給手段とは、空気貯留槽を共用し、前記制御手段は、前記第1燃焼アシストエア供給手段による前記第1燃焼アシストエアの供給の開始に応じて、前記空気貯留槽への空気の供給を開始させる制御信号を発することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体への負荷投入に先立ち、前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を開始し、前記供給を開始した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始することにより、機関始動直後の負荷投入による影響を抑制する内燃機関の制御方法、及び内燃機関を提供することができる。
第1の実施形態のディーゼル発電装置1(内燃機関)の構成を示す図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1の燃焼アシストエア配管の系統図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1におけるエンジン110の構成例を示す図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1のECU200の構成を示す図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1における制御の手順を示すフローチャートである。 本実施形態のディーゼル発電装置1における制御の手順を示すフローチャートである。 本実施形態のディーゼル発電装置1の動作を示す図である。 比較例のディーゼル発電装置の動作を示す図である。 比較例のディーゼル発電装置の動作を示す図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1の負荷特性について説明するための図である。 本実施形態のディーゼル発電装置1の負荷特性について説明するための図である。 第2の実施形態のポンプ駆動装置1A(内燃機関)の構成を示す図である。 本実施形態のポンプ駆動装置1AのECU200Aの構成を示す図である。 本実施形態のポンプ駆動装置1Aにおける制御の手順を示すフローチャートである。 本実施形態のポンプ駆動装置1Aの動作を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の内燃機関の制御方法、及び内燃機関の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、内燃機関の一例として、ディーゼル発電装置を例示する。例示するディーゼル発電装置は、負荷を駆動する内燃機関本体として、過給機付きレシプロ式ディーゼル機関(以下、エンジンという。)を含む。このようなディーゼル発電装置は、例えば非常用発電機関であってもよい。
一般的に、非常用発電機関の場合には、非常時における防災負荷の瞬時投入量が大きく、急峻な負荷変動を招く。例えば、非常用発電機関では、遮断機(または遮断器)等を嵌入接続し瞬時に負荷を投入することがある。瞬時に負荷を投入する際に、機関の同期回転速度に対して発電機の回転速度の低下が発生し、発電機が出力する交流の周波数変動が生じる。この周波数変動は瞬時投入負荷量によって変化し瞬時投入負荷量が大きいほど周波数変動が大きくなる。一般に、周波数変動に対しては最大許容値が定められており、その範囲は10%以下とされている。そのため非常用発電機関の体格は機関の最大出力ではなく許容負荷投入量で決定される場合があった。
また、近年の内燃機関には、高圧力比過給機を搭載し燃焼空気の取込み量を増大して、最大出力時の正味平均有効圧力が大気圧の数倍に達する高過給機関がある。比較例としての高過給機関には、最大出力時の排気ガスエネルギーを利用して高い圧力を得るように構成されている。そのような高過給機関のなかには、無負荷運転状態のように排気ガスエネルギーが少ない場合には過給機の回転速度が低くなり過給効果を得ることができず、給気圧力が無過給機関と同様の大気圧程度のものがある。また、無負荷運転状態から負荷投入を実施する場合には、過給機回転速度が排気ガスエネルギーの増大に伴って一次遅れ特性で上昇する。そのため、高過給機関であっても、急峻な負荷変動に対して適量の過給を瞬時に実施することができない場合があった。
本実施形態のディーゼル発電装置は、最大出力時の正味平均有効圧力が大気圧の数倍に達するような高過給機関(内燃機関)の一例である。本実施形態では、ディーゼル発電装置への負荷投入に際し、燃焼アシストエアの供給方法およびそのタイミングの適正化を行い、エンジンの燃焼室に取込む燃焼空気を増大させて、負荷投入時にガバナーにより増量噴射される燃料を良好に燃焼させ、許容瞬時負荷投入量の向上を図るとともに黒煙発生を低減するように抑制する。
以下、実施形態として例示するディーゼル発電装置の構成と、その制御方法とについて詳細に述べる。
(ディーゼル発電装置の構成)
図1から図4を参照して実施形態の制御方法が適用されるディーゼル発電装置の構成を説明する。
図1は、本実施形態のディーゼル発電装置1(内燃機関)の構成を示す図である。ディーゼル発電装置1は、コンプレッサ2、高圧空気貯留槽3(空気貯留槽)、主配管4、主配管5、減圧弁6、空気操作弁7、過給機8、減圧弁9、空気操作弁10、過給気通路11、操作弁駆動部13、及び、空気冷却器等の給気冷却器19を備える。図1に示すように、ディーゼル発電装置1には、コンプレッサ2により高圧空気が貯留される高圧空気貯留槽3が設けられている。高圧空気貯留槽3には燃焼アシストエア供給用の主配管4と主配管5がそれぞれ接続されており、主配管4は減圧弁6を経て空気操作弁7の入口に接続され、空気操作弁7の出口はディーゼル発電装置1の過給機8に接続されている。また、主配管5は減圧弁9を経て空気操作弁10の入口に接続され、空気操作弁10の出口はディーゼル発電装置1の給気冷却器19の下流の過給気通路11に接続されている。
さらに、ディーゼル発電装置1は、制御用空気配管16、制御用空気配管20、エンジン(ENG)110(内燃機関本体)、発電機120(負荷)、図示しない遮断機130、及び、ECU200(制御手段)を備える。エンジン110には、過給気通路11を介して過給機8から過給気が供給され、燃焼により生じた排気が過給機8に供給される。エンジン110と発電機120とは、フランジを介して直結されており、エンジン110は、発電機120を駆動する。発電機120には、図示しない遮断機130を介して電気的負荷が接続される。遮断機130はECU200からの制御に基づいて嵌入接続されて、発電機120が電気的負荷に接続される。
図2は、本実施形態のディーゼル発電装置1の燃焼アシストエア配管の系統図である。高圧空気貯留槽3には、制御空気配管12が接続されており、制御空気配管12を介して操作弁駆動部13が接続されている。
操作弁駆動部13は、減圧弁14、電磁弁15、減圧弁17、及び、電磁弁18を備える。制御空気配管12は、操作弁駆動部13内で、減圧弁14と減圧弁17とに分岐接続される。減圧弁14の下流には電磁弁15が接続され、電磁弁15の下流には、空気操作弁7が設けられ、制御用空気配管16を介して空気操作弁7に接続されている。減圧弁17の下流には電磁弁18が接続され、電磁弁18の下流には、空気操作弁10が設けられ、制御用空気配管20を介して空気操作弁10に接続されている。電磁弁15と電磁弁18は、ECU200により制御される。その制御により、電磁弁15は、備える弁を開とすることにより空気操作弁7に制御用空気を送ってこれを開とし、高圧空気貯留槽3の高圧空気を第1燃焼アシストエアA1として各過給機8に供給する。また、同様に、その制御により、電磁弁18は、備える弁を開とすることにより空気操作弁10に制御用空気を送ってこれを開とし、高圧空気貯留槽3の高圧空気を第2燃焼アシストエアA2として過給気通路11に供給する。
本実施形態においては、高圧空気貯留槽3、制御空気配管12、主配管4、減圧弁14、電磁弁15、減圧弁6、空気操作弁7、及び、アシストノズル47の組み合わせは、第1燃焼アシストエア供給手段の一例であり、高圧空気貯留槽3、制御空気配管12、主配管5、減圧弁17、電磁弁18、減圧弁9、空気操作弁10、及び、アシストノズル49の組み合わせは、第2燃焼アシストエア供給手段の一例である。実施形態は、高圧空気貯留槽3を第1燃焼アシストエア供給手段と第2燃焼アシストエア供給手段とで共用する一例である。なお、上記の制御に用いる制御用空気は、燃焼アシストエアを供給する高圧空気貯留槽3からの系統とは別の系統の計装用空気を用いてもよい。また、空気操作弁7と空気操作弁10とに代えて制御用空気の不要な電磁弁を用いてもよく、この場合、ECU200は、空気操作弁7と空気操作弁10とに代えて設ける電磁弁を、電磁弁15と電磁弁18とに代えて駆動してもよい。
図3は、本実施形態のディーゼル発電装置1におけるエンジン110の構成例を示す図である。エンジン110は、例えば、複数列を有する多気筒の機関として構成される。図3においては、そのうちの一つのシリンダ30を代表して図示する。エンジン110は、シリンダ30と、シリンダ30の内部に昇降自在に設けられたピストン31と、シリンダ30の上部に設けられたシリンダヘッド32を有している。シリンダヘッド32には、吸気弁33で開閉される吸気ポート34および排気弁35で開閉される排気ポート36が形成され、吸気ポート34と排気ポート36には、それぞれ吸気管37及び排気管38が連通されている。また、シリンダヘッド32には、燃料カム39に連動する燃料噴射ポンプ40に接続された燃料噴射弁41がシリンダ30内に向けて設けられている。
図3に示すように、実施形態のディーゼル発電装置1は、過給機8(ターボチャージャ)を有している。過給機8は、タービン軸42に連結された回動自在のタービン43及びコンプレッサ44を備えている。タービン43は、排気管38に接続された排気ガス出口管45において、タービンノズル48の下流に設けられている。コンプレッサ44は、吸込口50と吸気管37とに接続された吸気入口管46において、吸気ディフューザー54の上流側に設けられている。吸気ディフューザー54と吸気管37の間には給気冷却器19が設けられている。過給機8に送り込まれる第1燃焼アシストエアA1は、吸気入口管46においてコンプレッサ44の上流に設けられたアシストノズル47に供給される。例えば、アシストノズル47は、コンプレッサ44のインペラ(以下、コンプレッサーインペラという。)の外周付近に1又は複数設けられ、ノズルから射出する第1燃焼アシストエアA1をコンプレッサーインペラに供給して、噴射される空気の運動エネルギーにより過給機8の回転速度(以下、過給機回転速度という。)の上昇をはかる。さらにその空気が燃焼室に導かれ燃焼用空気として利用される。なお、過給機8には、第1燃焼アシストエアA1の他に、吸込口50から吸入される空気が燃焼用空気として供給される。
また、図3に示すように、実施形態のディーゼル発電装置1は、ピストン31の移動により回転するクランク軸51と、クランク軸51の回転数に応じて燃料噴射ポンプ40からの燃料の供給量を調整するガバナー52と、エンジン110内の各部に潤滑油を供給するプライミングポンプ53とを有している。クランク軸51の回転により、吸気弁33、排気弁35、燃料カム39、ガバナー52等のエンジン110内の各部、及びエンジン110の外部に接続される負荷が機能する。プライミングポンプ53は、ECU200からの制御により、エンジン110を起動させる前などに潤滑油を供給する。
また、ディーゼル発電装置1には、その制御のために、ディーゼル発電装置1の状態を検出する各種センサーが設けられている。例えば、各種センサーには、クランク軸51の回転速度(機関回転速度N)を検出する回転速度検出部112、過給機回転速度T/Cを検出する過給機回転速度検出器90(過給機回転速度測定手段)等が含まれる。プライミングポンプ53の吐出圧は、プライミングポンプ53に設けられた図示しない圧力検出部により検出される。
また、上記の他、各種センサーには、図1に示すように、高圧空気貯留槽3の圧力を検出する検出部81と、高圧空気貯留槽3の温度を検出する検出部82と、空気操作弁7の下流側の圧力を検出する検出部83と、第1燃焼アシストエアA1の供給圧PA1を検出する検出部84、過給機8により過給された過給気の圧力を給気冷却器19の上流側で検出する検出部85と、空気操作弁10の下流側の圧力を検出する検出部86と、第2燃焼アシストエアA2の供給圧PA2を検出する検出部87、給気冷却器19の下流側で過給気の圧力(以下過給圧BPという。)を検出する検出部88等が含まれる。
図4は、本実施形態のディーゼル発電装置1のECU200の構成を示す図である。ECU200は、記憶部210、取得部220、及び、判定処理部230を備える。取得部220、及び、判定処理部230とのうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。また、記憶部210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部210に格納されていてもよいし、外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部210にインストールされてもよい。
記憶部210は、ディーゼル発電装置1を制御するためのプログラム、各種設定情報等を記憶する。記憶部210は、設定情報として、機関定格回転速度NR、潤滑油プライミング圧力LOP、待機時間WT、過給機回転速度T/Crevなどの情報を記憶する。例えば、機関定格回転速度NRは、クランク軸51の回転速度の制御目標値である。潤滑油プライミング圧力LOPは、プライミングポンプ53から吐出される潤滑油の圧力(吐出圧)の下限値である。待機時間WTは、過給機8のタービン軸42の回転速度(以下、過給機回転速度という。)の変化に対応して定められた待機時間を示す。待機時間WTについての詳細は後述する。過給機回転速度T/Crevは、過給機回転速度の許容範囲(第2範囲)の下限値を示す。
取得部220は、初期設定処理部221、機関始動指令取得部222、潤滑油プライミングポンプ吐出圧力取得部223、機関回転速度取得部224、負荷投入指令取得部225、計時部226、及び、過給機回転速度取得部227を備える。
初期設定処理部221は、外部装置300等または図示しない入力部から設定情報を取得して、記憶部210に書き込む。機関始動指令取得部222は、外部装置300等から機関始動指令を取得して、取得した場合に、プライミングポンプ53を始動させる信号をエンジン110に送る。潤滑油プライミングポンプ吐出圧力取得部223は、プライミングポンプ53からプライミングポンプ53の吐出圧を取得する。機関回転速度取得部224は、回転速度検出部112により検出された機関回転速度Nをエンジン110から取得する。負荷投入指令取得部225は、負荷投入指令を取得して、取得した場合、電磁弁15を開いて第1アシストエアの供給を開始させる信号を操作弁駆動部13に送る。計時部226は、図示しないタイマーを有しており、過給機8への第1燃焼アシストエアA1の供給を開始させる信号の送出からの経過時間を測る。過給機回転速度取得部227は、過給機回転速度検出器90により検出された過給機回転速度T/Cを取得する。
判定処理部230は、ガバナー制御部231、潤滑油圧力判定部232、機関回転速度判定部233、アシスト開始待機処理部234、及び、過給機回転速度判定部235を備える。ガバナー制御部231は、記憶部210から機関定格回転速度NRを取得して、その情報をエンジン110に送り、機関回転速度制御目標値を設定する。潤滑油圧力判定部232、機関回転速度判定部233、アシスト開始待機処理部234、及び、過給機回転速度判定部235については後述する。
(ディーゼル発電装置の制御方法)
図5から図11を参照して実施形態の制御方法について説明する。
図5と図6は、本実施形態のディーゼル発電装置1における制御の手順を示すフローチャートである。図5と図6に分割して示す手順は、上記の図1から図4に示す実施形態のディーゼル発電装置1を起動して、定格回転速度無負荷運転状態にした後に、負荷を投入する場合の制御の手順を示す。
まず、ディーゼル発電装置1は、エンジン110を、負荷投入前に定格回転速度無負荷運転状態にするまでの処理を実施する。例えば、初期設定処理部221は、機関定格回転速度NR、潤滑油プライミング圧力LOP、待機時間WT、過給機回転速度T/Crevなどの設定情報を取得して、取得した情報を記憶部210に書き込む(S112)。ガバナー制御部231は、記憶部210から機関定格回転速度NRを取得して、その情報をエンジン110に送り、機関回転速度制御目標値を設定する。
次に、機関始動指令取得部222は、機関始動指令を取得して(S114)、プライミングポンプ53を始動させるための信号をエンジン110に送り、プライミングポンプ53を始動させる(S116)。潤滑油プライミングポンプ吐出圧力取得部223は、プライミングポンプ53の吐出圧OPを取得する(S118)。潤滑油圧力判定部232は、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上であるか否かを判定し(S120)、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上になるまで、S118からの処理を繰り返し行う。一方、潤滑油圧力判定部232は、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上になった後に、機関始動指令の信号(機関始動信号)をエンジン110に送り、機関を始動させる(S122)。
次に、機関回転速度取得部224は、機関回転速度Nをエンジン110から取得する(S123)。機関回転速度判定部233は、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上であるか否かを判定し(S124)、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になるまで、S123からの処理を繰り返し行う。一方、機関回転速度判定部233は、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になった後に、エンジン110が機関定格回転速度無負荷運転状態に遷移したことを検出し(S125)、負荷投入指令を各部に送る(S126)。
続いて、ディーゼル発電装置1は、第1燃焼アシストエアA1を供給する制御を行い過給機8のコンプレッサ44の駆動を空気力でアシストする。例えば、負荷投入指令取得部225は、負荷投入指令を取得した場合、電磁弁15を開いて第1アシストエアの供給を開始させる信号(第1開始信号)を操作弁駆動部13に送り(S130)、また、計時部226のタイマーを開始させる(S132)。上記の制御により電磁弁15が開となり、高圧空気貯留槽3からの高圧空気が減圧弁14で適切な圧力に減圧された制御空気となり、空気操作弁7を操作して開にする。その結果、高圧空気貯留槽3からの高圧の燃焼アシストエアが主配管4及び減圧弁6で適切な圧力に減圧され空気操作弁7を経由し、過給機8のコンプレッサ44の外周近傍のアシストノズル47に供給され、コンプレッサ44の回転をアシストする。上記のアシストにより、過給機回転速度が上昇する。なお、検出部81により検出された高圧空気貯留槽3の圧力が第1アシストエアの供給の開始により低下する場合がある。上記の低下を防ぐため、ECU200は、第1アシストエアの供給の開始時にコンプレッサ2に制御信号を送り、コンプレッサ2を稼働させて高圧空気貯留槽3の圧力を高めるようにしてもよい。
次に、アシスト開始待機処理部234は、計時部226により計時されたタイマー時間が待機時間WTを過ぎたか否かを判定し(S134)、タイマー時間が待機時間WTを過ぎるまで待機する。一方、アシスト開始待機処理部234は、上記のタイマー時間が待機時間WTを過ぎた後、電磁弁18を開いて第2アシストエアの供給を開始させる信号(第2開始信号)を操作弁駆動部13に送る(S136)。これにより、電磁弁18が開となり、高圧空気貯留槽3からの高圧空気が減圧弁17で適切な圧力に減圧された制御空気となり、空気操作弁10を操作して開とし、過給機8への第1燃焼アシストエアA1の供給と並行して過給気通路11に第2燃焼アシストエアA2が供給される。
続いて、ディーゼル発電装置1は、第2燃焼アシストエアA2を供給する制御を行い、第2燃焼アシストエアA2の供給によって、エンジン110の給気圧を高めるようにアシストする。例えば、過給機回転速度取得部227は、過給機回転速度T/Cを過給機回転速度検出器90から取得する(S138)。過給機回転速度取得部227は、過給機回転速度T/Cが過給機回転速度T/Crev以上であるか否かを判定し(S140)、過給機回転速度T/Cが過給機回転速度T/Crev以上になるまで待機する。
続いて、ディーゼル発電装置1は、負荷を投入する。例えば、過給機回転速度取得部227は、過給機回転速度T/Cが過給機回転速度T/Crev以上になった後に、負荷投入指令の実行を指示する信号を遮断機130に送り、嵌入接続させて負荷を投入させる(S142)。
次に、機関回転速度取得部224は、機関回転速度Nをエンジン110から取得する(S144)。機関回転速度判定部233は、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上であるか否かを判定し(S148)、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になるまで待機する。機関回転速度判定部233は、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になった後に、エンジン110が機関定格回転速度NRを基準にして定めた範囲(定格回転速度範囲)に復帰したことを検出し、電磁弁15および電磁弁18を閉じる信号(停止信号)を操作弁駆動部13に送る(S150)。操作弁駆動部13の電磁弁15および電磁弁18は、その操作により空気操作弁7および空気操作弁10を閉として過給機8および過給気通路11への燃焼アシストエアの供給を遮断する。
本実施形態のディーゼル発電装置1は、上記の手順による制御を実施することにより、燃焼アシストエア供給の方法およびタイミングの適正化を図ることで、高出力機関の許容瞬時負荷投入量を増大させている。
例えば、ディーゼル発電装置1は、空気操作弁7によって、高圧空気貯留槽3から減圧弁6を経由して適切に減圧した第1燃焼アシストエアA1を任意に供給及び遮断することにより、シリンダ30へ適切な空気量を供給する。ディーゼル発電装置1は、空気操作弁7の制御によって過給機8のコンプレッサインペラ(コンプレッサ44)の外周に、過給機回転速度T/Cを上昇させるように第1燃焼アシストエアA1を必要に応じて吹付けるようにした。これにより、ディーゼル発電装置1は、負荷投入前に過給機回転速度T/Cを上昇させて、供給する燃焼空気量を増やすと同時に、第1燃焼アシストエアA1自体をシリンダ30内に取り込み燃焼空気として利用する。
また、ディーゼル発電装置1は、過給気通路11へ直接、第2燃焼アシストエアA2を供給し、各燃焼アシストエアをそれぞれ供給する相乗効果により燃焼空気量を増やし、第2燃焼アシストエアA2自体もシリンダ30内に取り込む燃焼空気として利用する。
ディーゼル発電装置1は、例えば下記するように、それらの燃焼アシストエアを供給するタイミングおよび負荷投入のタイミングを適正化することにより、機関の始動時や負荷投入時に必要な空気量を確保して、機関出力の向上および黒煙の発生を抑制する。
(第2燃焼アシストエアA2の供給を開始するタイミングについて)
第2燃焼アシストエアA2の供給を開始するタイミングについて説明する。本実施形態のディーゼル発電装置1は、過給機8への第1燃焼アシストエアA1の供給を負荷の投入に対して先行して供給し、第1燃焼アシストエアA1の供給を開始してから一定時間(待機時間WT)経過後に第2燃焼アシストエアA2を供給する。ディーゼル発電装置1は、第2燃焼アシストエアA2を供給するタイミングを、例えば下記のように定められ待機時間WTに基づいて決定する。
本実施形態では、定量の第1アシストエアA1の供給を開始した後の過給機回転速度T/Cの応答特性を、一次遅れ特性に従うものと同定する。例えば、第1アシストエアA1の供給量が定まれば、過給機回転速度T/Cが所定の回転速度に達するまでの時間は、一次遅れ特性の時定数に基づいて算出できる。例えば、ECU200は、エンジン110の無負荷運転状態に第1アシストエアA1が供給された場合、その供給量に対する過給機8の飽和過給機回転速度(最大到達回転速度)と過給機回転速度T/Cの応答特性とを算出する。例えば、ECU200は、最大到達回転速度と過給機回転速度T/Cの応答特性とを、エンジン110を無負荷運転状態のもとで事前に検出した観測データに基づいた近似処理により算出する。ECU200は、過給機回転速度T/Cの応答特性として一次遅れ特性の時定数を得る。
ECU200は、上記のように算出した一次遅れ特性の時定数に基づいて待機時間WTを決定する。これにより、待機時間WTが経過した時点で、飽和過給機回転速度の約63%の回転速度に達したものとみなすことができる。このように、ECU200は、待機時間WTを判定基準にした判定をすることで、第1燃焼アシストエアA1の供給を開始してから、過給機8の飽和過給機回転速度に対して定めた回転数以上の範囲(第1範囲)に過給機回転速度T/Cが達したと判定をすることが可能になる。ECU200は、待機時間WTを判定基準にした判定をすることで、過給機回転速度T/Cの検出値に基づいた判定を実施することなく、過給機回転速度T/Cを判定することが可能になる。
なお、ECU200は、待機時間WTを一次遅れ特性の時定数に基づいて算出するものとしたが、これに代えて、過給機の最大到達回転速度の60〜65%の回転数に到達するまでの時間を待機時間WTとして決定してもよい。この場合も、待機時間WTを時定数に基づいて決定する場合と同様の手順に従って制御することができる。
本実施形態の制御方法によれば、第1燃焼アシストエアA1の供給の開始と、第2燃焼アシストエアA2の供給の開始とを分けて、順に実施するようにしたことにより、過給機8のコンプレッサーインペラに第1燃焼アシストエアを供給している状態で、過給気通路11への第2燃焼アシストエアA2の供給を行うので、第2燃焼アシストエアA2が過給機8側に逆流することなく、過給機8からの空気流量と第2燃焼アシストエアA2の流量が加算された状態でシリンダ30に流入させることができる。
(負荷を投入するタイミングについて)
負荷を投入するタイミングについて説明する。負荷を投入するタイミングは、負荷の投入後にエンジン110の状態が変化することを見込んで決定する。例えば、エンジン110に負荷を投入すると、許容範囲の機関回転速度Nが一時的に低下する。これに応じて、ガバナー52は、機関回転速度Nの低下を補うように燃料の供給量を増やすため、エンジン110の出力が上昇するとともに排気量も増加する。これに伴って過給機回転速度T/Cも上昇する。そのため、過給機回転速度T/Cが許容最大回転速度に近づいてから負荷を投入すると、過給機回転速度T/Cがその許容最大回転速度を超える場合がある。
そこで、本実施形態のECU200は、第2燃焼アシストエアA2の供給を開始するタイミングを、負荷投入後の過給機回転速度T/Cの上昇で過給機回転速度Nが許容最大回転速度を超えないようなタイミングに決定する。例えば、ECU200は、上記のタイミングとして、機関定格出力時の過給機回転速度T/Cの60〜70%になる時点を設定し、その時点の過給機回転速度T/Cの値を過給機回転速度T/Crevにする。上記のように、ディーゼル発電装置1は、過給機回転速度T/Crevを定めることにより、過給機回転速度T/Cは許容最大回転速度以内におさまり、負荷投入時のガバナー52による燃料増に対して充分な燃焼空気の供給が可能となり良好な燃焼が得られる。
なお、本実施形態の制御方法では、上記のとおり、第1燃焼アシストエアA1の供給の開始と、第2燃焼アシストエアA2の供給の開始と、負荷の投入のそれぞれのタイミングを互いにずらして、順に実施するようにしたことにより、負荷を投入する時点の過給圧BPを、上記のアシスト処理をしない場合に比べて高めることができる。
また、上記のタイミングで制御することにより、下記の制御が可能なる。例えば、ECU200は、第1燃焼アシストエアA1の供給を開始した後、過給機最大到達回転速度の60〜65%さらに好ましくは63%まで上昇した時点で、第2燃焼アシストエアA2の供給を開始し、機関定格出力時の過給機回転速度の60〜70%となった時点で負荷投入を行う。これにより、ECU200は、負荷投入による過給機回転速度の上昇で過給機回転速度が許容最大回転速度を超えないように制御することができる。
また、ディーゼル発電装置1は、第1燃焼アシストエアを供給している状態で、圧力損失の大きい給気冷却器19の下流の過給気通路11に直接、第2燃焼アシストエアの供給を行う。これにより、第2燃焼アシストエア供給空気が過給機8側に逆流することなく、確実に過給機8からの空気流量と第2燃焼アシストエアの流量が加算された状態でシリンダに流入する。その結果、過給機8のタービン43に流入するシリンダ30からの排気ガス量が増加し、過給機回転速度T/Cがさらに上昇する。さらに、エンジン110への負荷投入が行われて、負荷の増加に伴う燃料噴射量が増加して排気ガス量がさらに増加し、過給機回転速度T/Cが上昇する。ディーゼル発電装置1は、このような好循環サイクルを確実に形成でき、燃料に対し十分なアシスト空気を供給することが出来、燃焼室に取込む燃焼空気を確実に増大させることができる。
(燃焼アシストエアの供給を終了するタイミングについて)
第1燃焼アシストエアA1と第2燃焼アシストエアA2の供給を終了するタイミングは、例えば、空気の消費を抑える目的で、負荷投入後に機関回転速度Nが機関定格回転速度NRを基準にして定めた範囲(定格回転速度範囲)に復帰する時点にする。機関回転速度Nが機関定格回転速度NRに復帰した場合、ガバナー52による燃料増指令が解除される。これに同期して、燃焼アシストエアの供給を終了することにより、燃料の噴射量の減少に同期して、燃焼用空気量を減少させることができる。
(第2燃焼アシストエアを供給する位置について)
図3に示すように、第1燃焼アシストエアA1を供給するアシストノズル47の位置として、コンプレッサ44(コンプレッサーインペラ)を例示した。第1燃焼アシストエアA1を供給する位置は、上記とは異なる位置を選択してもよい。例えば、アシストノズル47を、図3に例示する位置に代えて、吸気入口管46におけるコンプレッサ44の上流側に設けてもよい。この場合、上記同様に第1燃焼アシストエアA1により過給機回転速度の上昇を図るとともに、第1燃焼アシストエアA1を燃焼用空気として利用できる。また、例えば、アシストノズル47を、図3に例示する位置に代えて、排気ガス出口管45におけるタービン43の上流側に設けてもよい。この場合、上記同様に第1燃焼アシストエアA1により過給機回転速度の上昇を図ることができるが、上記と異なり第1燃焼アシストエアA1を燃焼用空気として利用することができない。このように、第1燃焼アシストエアA1をコンプレッサ44に供給する方が、燃焼用空気として有効に利用できる点で好適である。
(第2燃焼アシストエアを供給する位置について)
ディーゼル発電装置1は、過給機8からの空気が供給される過給気通路11に第2燃焼アシストエアA2を供給する。過給気通路11には、例えば、吸気管37、図示されない吸気集合管、吸気ヘッダー、吸気マニホルド、吸気室、吸気筒、吸気部、給気ダクト等が含まれる。図3に示すように吸気入口管46に給気冷却器19が設けられた場合には、第2燃焼アシストエアA2を供給するアシストノズル49の位置を給気冷却器19の下流側の過給気通路11、例えば図3に示す給気冷却器19の下流、かつ、吸気管37の上流の過給気通路11にするとよい。なお、給気冷却器19の上流側の吸気入口管46にアシストノズル49を設けた場合、給気冷却器19による圧力損失が生じるが、給気冷却器19の下流側の過給気通路11にアシストノズル49を設けた場合、給気冷却器19による圧力損失の影響を受けることがない。上記のとおり、ディーゼル発電装置1は、図3に示すようにアシストノズル49を過給気通路11に設けることにより、第2燃焼アシストエアをシリンダ30に供給することが可能になるとともに、吸気入口管46における逆流を防ぐ。
(ディーゼル発電装置の動作)
図7から図11を参照して、ディーゼル発電装置1の動作を説明する。
図7は、本実施形態のディーゼル発電装置1の動作を示す図である。図7に示すグラフは、実施形態のディーゼル発電装置1において無負荷運転状態から負荷を投入した場合の動作をタイミングチャートとして示したものである。図7(a)に過給機回転速度T/Cと、第1燃焼アシストエアA1の圧力PA1と、第2燃焼アシストエアA2の圧力PA2と、機関回転速度Nとを示す。図7(b)にエンジン110の過給圧BPと、燃料噴射ポンプ40の燃料噴射ポンプラック値(燃料ラック)FORと、排気ガスのオパシティメータ値(オパシティメータ)OPAとを示す。なお、同図は、エンジン110の定格出力に対して85%の負荷を投入した場合を例示するものである。
時刻t11において、ディーゼル発電装置1は、機関始動指令を取得する。時刻t12において、ディーゼル発電装置1は、アシストノズル47にかける第1燃焼アシストエアA1の圧力PA1を高めて第1アシストエアA1の供給を開始する。第1アシストエアA1の供給が開始されると、過給機回転速度T/Cが徐々に上昇する。
時刻t12から待機時間WT経過した時刻t13において、ディーゼル発電装置1は、アシストノズル49にかける第2燃焼アシストエアA2の圧力PA2を高めて第2アシストエアA2の供給を開始する。時刻t13以降に、第2燃焼アシストエアA2の圧力PA2の上昇とともに、過給機回転速度T/Cが徐々に上昇する。
ディーゼル発電装置1は、過給機回転速度T/Cが所定の値に達したことを検出し、時刻t14において、遮断機130を嵌入接続し負荷を投入する。負荷の投入に伴い、機関回転速度Nに最大8%程度の低下がみられるが、安定に定格値に回復している。機関回転速度Nの上昇時に過給機回転速度T/Cが上昇するが、過給機回転速度T/Cの最大値も過給機回転速度許容値T/CL以下に収まっている。
ここで、負荷の投入後の機関回転速度Nと過給圧BPの変化を対比する。負荷の投入による機関回転速度Nの一時的な低下に伴い、瞬時に燃料ラックFORが上昇する。その後、機関回転速度Nの上昇に伴って、燃料ラックFORが徐々に減少して、制御目標値近傍で安定する。一方で、過給圧BPは、第1燃焼アシストエアA1と第2燃焼アシストエアA2の供給により、負荷を投入するまでに所望の値に上昇している。負荷の投入により、上述したとおり過給機回転速度T/Cが上昇することに伴い、過給圧BPがさらに上昇する。過給圧BPの応答は、燃料ラックFORの応答に対して緩やかに変化しているが、負荷の投入段階の初期圧を、第1燃焼アシストエアA1と第2燃焼アシストエアA2の供給によって所望の圧力まで高めている。このようにして、ディーゼル発電装置1は、負荷投入時点の出力を確保している。
この負荷投入時におけるオパシティメータ値OPAは、負荷投入前の値に対して約10%の上昇がみられるが、そのピーク値が20%程度に収まっている。上記のような各測定値に変動がみられるが、時刻t15までに各測定値の値に見られた変動が収斂している。
時刻t16において、ディーゼル発電装置1は、第1燃焼アシストエアA1の供給を停止し、時刻t17において、第2燃焼アシストエアA2の供給を停止する。この測定結果には、第2燃焼アシストエアA2のみを供給する期間(時刻t16から時刻t17)が含まれるが、過給機回転速度T/C及びエンジン110の出力も十分に高まっているため、第2燃焼アシストエアA2の供給のみを継続していても、ディーゼル発電装置1の動作が不安定になることはない。なお、図5と図6に示した手順に従って、ディーゼル発電装置1は、第1燃焼アシストエアA1と第2燃焼アシストエアA2の供給を同時に遮断してもよい。ディーゼル発電装置1は、上記の手順に従うことにより、時刻t17を時刻t16まで早めることができる。
図8と図9は、比較例のディーゼル発電装置の動作を示す図である。図8と図9に示すグラフは、図7に示すグラフに対応する。
図8に、燃焼アシストエアの供給を実施しない比較例1のディーゼル発電装置の動作を示す。比較例1のディーゼル発電装置は、燃焼アシストエアの供給を実施することなく時刻t24に負荷を投入する。比較例1のディーゼル発電装置は、所望の過給圧BPを負荷投入時点で得ることができず、負荷を投入すると、機関回転速度Nの低下を招き、過給機回転速度T/Cが十分に上昇する前に、機関回転速度Nが失速している。また、オパシティメータ値OPAが測定上限に達している。なお、同図に示す結果は、機関回転速度の低下が著しく機関がストールする虞があり、安定稼働に至ることなく時刻t28において負荷を遮断した場合のものである。なお、燃料ラックFORが負荷投入前と後では同一の値を示しているが、これは上記の負荷遮断によるものであって、前述の手順に従って制御した結果ではない。
図9に、第1燃焼アシストエアA1の供給のみを実施して、第2燃焼アシストエアA2の供給を実施しない比較例2のディーゼル発電装置の動作を示す。比較例2のディーゼル発電装置は、時刻t31に機関始動指令を取得する。時刻t32において、ディーゼル発電装置は、アシストノズル47から第1アシストエアA1の供給を開始する。第1アシストエアA1の供給が開始されると、過給機回転速度T/Cが徐々に上昇する。比較例2のディーゼル発電装置は、第2燃焼アシストエアA2の供給を実施することなく時刻t34に負荷を投入する。負荷の投入に伴い、機関回転速度Nに最大10%程度の低下がみられるが、安定に定格値に回復している。ただし、比較例2のディーゼル発電装置の場合、過給圧BPに、第1燃焼アシストエアA1の供給による上昇がみられるものの、負荷を投入するまでに十分な値まで上昇していない。そのため、負荷の投入により、上述したとおり過給機回転速度T/Cが上昇することに伴い、過給圧BPがさらに上昇しているが、負荷を投入した直後に十分な過給圧を得ることができず、オパシティメータ値OPAの上昇幅が、本実施形態の場合に比べて大きな値(ピーク値で55%以上の値)を示している。
また、図示を省略するが、他の構成の比較例として、第2燃焼アシストエアA2の供給のみを実施して、第1燃焼アシストエアA1の供給を実施しない場合が挙げられる。この場合、十分な過給圧を得ようとして第2燃焼アシストエアA2の供給を増やすと、過給気の逆流を招いて過給機8を失速させる場合があり得る。
上記に比較例1と比較例2の結果を例示したが、実施形態のディーゼル発電装置1は、比較例に対して、負荷投入による負荷変動の影響を十分に低減していることが分かる。
図10と図11は、本実施形態のディーゼル発電装置1の負荷特性について説明するための図である。図10に、実施形態のディーゼル発電装置1の負荷特性を示す。同図に示すグラフは、横軸に正味平均有効圧力と負荷率をとり、縦軸に負荷特性を評価するための一指標である速度変動率をとる。図示するディーゼル発電装置1は、最大出力時の正味平均有効圧力が2.5MPaに達するような高過給機関の一例である。図示するディーゼル発電装置1の負荷の大きさを1.76MPaとした場合の負荷率を100%とする。
図11を参照して、速度変動率について説明する。
速度変動率は、負荷投入前の周波数faと、負荷投入による瞬時最低周波数fbと、定格周波数fcとに基づいて、式(1)により算出する。
速度変動率(%)=((fa−fb)/fc)x100 ・・・(1)
また、周波数変動の最大許容値内で瞬時投入可能な負荷量を機関定格出力に対するパーセンテージで表したものを負荷投入率という。
図10に戻り、同図には、前述の図7と図8と図9に示した各ディーゼル発電装置の結果を示す。グラフG1が実施形態のディーゼル発電装置1の速度変動率を示し、グラフG2が比較例1のディーゼル発電装置の速度変動率を示し、グラフG3が比較例2のディーゼル発電装置の速度変動率を示す。
グラフG1に示すディーゼル発電装置1の場合には、負荷率100%の負荷を投入した場合であっても、負荷変動率が約10%に留まっているのに対して、各比較例の場合、負荷率100%の負荷を投入した場合には、負荷変動率が約10%を大きく超えてしまう。
例えば、グラフG2に示す比較例1の場合、負荷率60%の負荷を投入しただけで、負荷変動率が10%を超えてしまい、負荷率70%の負荷を投入すると、図示する範囲外の負荷変動率が発生している。また、グラフG3に示す比較例2の場合、負荷率80%以下の負荷であれば、負荷変動率が10%の範囲に収まるが、それを超えると負荷変動率が急に大きくなる傾向がみられる。
このように本実施形態のディーゼル発電装置1は、エンジン110の定格出力に対する負荷率が高い負荷が瞬時に投入されたとしても、エンジン110の回転速度の変動率が所望の範囲に収まるため、従来よりも大きな負荷が投入された場合であっても安定に電力を供給するものである。
実施形態のディーゼル発電装置1によれば、過給機8からの空気が過給気通路11を介して給気されるエンジン110への負荷投入に先立ち、過給機8のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアA1の供給を開始し、第1燃焼アシストエアA1の供給を開始した後にさらに過給気通路11への第2燃焼アシストエアA2の供給を開始し、次いでエンジン110への負荷投入を実行することにより、負荷の稼働状態を変更し、その変更に伴って生じる負荷変動による影響を抑制することができる。
また、ディーゼル発電装置1によれば、燃焼室に取込む燃焼空気量を適切に増大させ、完全燃焼できる燃料量を増やすと共に、許容瞬時負荷投入量を向上させることができる。さらには、負荷投入時の黒煙発生をより適切に抑制することが可能となる。
また、ディーゼル発電装置1によれば、比較例に対して定格出力が小さなエンジン110を利用しても、比較例並みの負荷を起動させることが可能になる。これにより、ディーゼル発電装置1によれば、比較例に対して設備全体的なコストメリットが得られるとともに、負荷投入時にも黒煙の発生を低減させた、環境に与える負荷の小さい機関を提供することができる。
なお、図5と図6において、エンジン110を起動して定格回転速度無負荷運転状態にするまでの手順の一例を示すが、定格回転速度無負荷運転状態にするまでの手順は一般的な手順により実施することができる。また、前記吸気ダクトへの直接アシストエア供給を開始するタイミングや負荷投入指令を実行のタイミングは、上記に示す判定処理に代えて、タイマー等に基づいた一連のシーケンスに従って実施してもよい。
例えば、エンジン110を停止状態から機関定格回転速度NRで稼働する無負荷運転状態にする起動方法は、図5に示す手順以外に種々あり、過給機回転速度T/Cの微小単位時間当たりの増加分が所定値以下になったタイミングで、エンジン110を始動させるようにしてもよい。微小単位時間は、例えば、250ms(ミリ秒)から500ms程度であるとよい。上記の増加分を判定する基準値として所定値を、零に近い値にする。すなわち、過給機回転速度T/Cが増加しなくなった場合に、燃料の噴射を開始してエンジン110を始動させるようにしてもよい。
上記の実施形態のディーゼル発電装置1によれば、非常時の緊急立上げのように急激な負荷投入を実施することができ、機関の負荷投入率の改善を図ることが可能になる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態では、無負荷運転状態のエンジン110に、図示しない遮断機130の操作により、比較的容量の大きな負荷を投入する場合を例示して説明したが、エンジン110と負荷を接続している発電機120との間に、エンジン110の出力を遮断するクラッチを設け、負荷の投入を遮断器などによる電気的な操作に代えて、機械的なクラッチの操作により実施するようにしてもよい。この場合も、前述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第1の実施形態の変形例において、負荷の投入を段階的に実施する場合には、初期状態を無負荷運転状態とせずに軽負荷運転状態にしてもよい。このような軽負荷運転状態から、急峻に負荷の容量を増大させる場合には、急峻に負荷の容量を増大させるタイミングを第1の実施形態の負荷投入のタイミングに代えることにより、第1の実施形態と同様の制御方法を適用することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、内燃機関の一例として、ポンプ駆動機関を例示する。例示するポンプ駆動機関は、負荷を駆動する過給機付きレシプロ式ディーゼル機関(以下、エンジンという。)を含む。ポンプ駆動機関には、運転停止状態から始動することにより負荷がかかるものがある。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図12は、本実施形態のポンプ駆動装置1A(内燃機関)の構成を示す図である。ポンプ駆動装置1Aは、コンプレッサ2、高圧空気貯留槽3、主配管4、主配管5、減圧弁6、空気操作弁7、過給機8、減圧弁9、空気操作弁10、過給気通路11、操作弁駆動部13、及び、空気冷却器等の給気冷却器19を備える。なお、実施形態の減圧弁9は、減圧量を調整可能な電動型の減圧弁である。減圧弁9は、ECU200Aによる制御に基づいて減圧量を調整する。
さらに、ポンプ駆動装置1Aは、制御用空気配管16、制御用空気配管20、エンジン(ENG)110A、ポンプ120A(負荷)、及び、ECU200A(制御手段)を備える。エンジン110Aは、稼働時にはポンプ120Aを駆動する。
図13は、本実施形態のポンプ駆動装置1AのECU200Aの構成を示す図である。ECU200Aは、記憶部210A、取得部220A、及び、判定処理部230Aを備える。
記憶部210Aは、ポンプ駆動装置1Aを制御するためのプログラム、各種設定情報等を記憶する。記憶部210Aは、設定情報として、機関始動時回転速度NS、機関定格回転速度NR、潤滑油プライミング圧力LOP、待機時間WT、減圧弁9初期圧力Pinitなどの情報を記憶する。例えば、機関始動時回転速度NSは、機関始動時のクランク軸51の回転速度の制御目標値である。減圧弁9初期圧力Pinitは、減圧量を調整する減圧弁9の圧力調整値の初期値(初期圧力)である。機関定格回転速度NR、潤滑油プライミング圧力LOP、待機時間WT、及び、過給機回転速度T/Crevについては、第1の実施形態と同様である。
取得部220Aは、初期設定処理部221A、機関始動指令取得部222、潤滑油プライミングポンプ吐出圧力取得部223、機関回転速度取得部224、及び、計時部226を備える。初期設定処理部221Aは、外部装置300等または図示しない入力部から設定情報を取得して、記憶部210Aに書き込む。
判定処理部230Aは、ガバナー制御部231A、潤滑油圧力判定部232A、機関回転速度判定部233A、及び、アシスト開始待機処理部234Aを備える。ガバナー制御部231Aは、記憶部210Aから機関始動時回転速度NSを取得して、その情報をエンジン110Aに送り、機関始動時回転速度制御目標値を設定する。ガバナー制御部231Aは、記憶部210Aから機関定格回転速度NRを取得して、その情報をエンジン110Aに送り、機関回転速度制御目標値を設定する。潤滑油圧力判定部232A、機関回転速度判定部233A、及び、アシスト開始待機処理部234Aについては後述する。
(ポンプ駆動装置の制御方法)
図14と図15を参照して実施形態のポンプ駆動装置の制御方法について説明する。
図14は、本実施形態のポンプ駆動装置1Aにおける制御の手順を示すフローチャートである。同図示す手順は、上記の図12から図13に示す実施形態のポンプ駆動装置1Aを運転停止状態から始動することにより当初から負荷がかかる内燃機関の場合の制御の手順を示す。
まず、ポンプ駆動装置1Aは、エンジン110Aを、始動から定格回転速度すなわち定格出力運転状態にするまでの処理を実施する。例えば、初期設定処理部221Aは、機関始動時回転速度NS、機関定格回転速度NR、潤滑油プライミング圧力LOP、待機時間WT、減圧弁9初期圧力Pinitなどの設定情報を取得して、取得した情報を記憶部210Aに書き込む(S212)。ガバナー制御部231Aは、記憶部210Aから機関始動時回転速度NSを取得して、その情報をエンジン110Aに送り、機関始動時回転速度を設定する。
次に、機関始動指令取得部222は、機関始動指令を取得して(S214)、プライミングポンプ53を始動させるための信号をエンジン110Aに送り、プライミングポンプ53を始動させる(S216)。潤滑油プライミングポンプ吐出圧力取得部223は、プライミングポンプ53の吐出圧OPを取得する(S218)。潤滑油圧力判定部232Aは、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上であるか否かを判定し(S220)、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上になるまで、S218からの処理を繰り返し行う。
一方、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上になった後に、ポンプ駆動装置1Aは、過給機8による過給停止状態から第1燃焼アシストエアA1を供給する制御を行い過給機8のコンプレッサ44の駆動を空気力でアシストする。例えば、潤滑油圧力判定部232Aは、プライミングポンプ53の吐出圧OPが潤滑油プライミング圧力LOP以上になった場合、電磁弁15を開いて第1アシストエアの供給を開始させる信号を操作弁駆動部13に送り(S230)、また、計時部226のタイマーを開始させる(S232)。上記の制御により電磁弁15が開となり、高圧空気貯留槽3からの高圧空気が減圧弁14で適切な圧力に減圧された制御空気となり、空気操作弁7を操作して開にする。その結果、高圧空気貯留槽3からの高圧の燃焼アシストエアが主配管4及び減圧弁6で適切な圧力に減圧され空気操作弁7を経由し、過給機8のコンプレッサ44の外周近傍のアシストノズル47に供給され、コンプレッサ44の回転をアシストする。上記のアシストにより、過給機回転速度が上昇する。
次に、アシスト開始待機処理部234Aは、計時部226により計時されたタイマー時間が待機時間WTを過ぎたか否かを判定し(S234)、タイマー時間が待機時間WTを過ぎるまで待機する。一方、アシスト開始待機処理部234Aは、上記のタイマー時間が待機時間WTを過ぎた後、電磁弁18を開いて第2アシストエアの供給を開始させる信号を操作弁駆動部13に送ると同時に、エンジン110Aを始動させる信号(機関始動信号)をエンジン110Aに送る(S236、S242)。ポンプ駆動装置1Aは、第2燃焼アシストエアA2を供給する制御を行い、第2燃焼アシストエアA2の供給によって、エンジン110Aの給気圧を高めるようにアシストする。
次に、ガバナー制御部231Aは、機関回転速度Nを上昇させて負荷を上昇させるように、機関定格回転速度NRをエンジン110Aに送る(S242)。
次に、機関回転速度取得部224は、機関回転速度Nをエンジン110Aから取得する(S244)。機関回転速度判定部233Aは、取得した機関回転速度Nに対応する圧力の第2アシストエアを供給するように減圧弁9の設定圧力を調整する(S246)。例えば、機関回転速度判定部233Aは、減圧弁9の設定圧力を、機関回転速度Nに基づいて比例制御する。この調整により、機関回転速度判定部233Aは、機関回転速度Nの上昇に伴いエンジン110Aに掛る負荷が増加するのに伴い、第2アシストエアの供給量を増やすことで、エンジン110Aの出力を徐々に上昇させることで、第2アシストエアが過給機8に逆流することを防ぎつつエンジン110Aの出力を高めることができる。
次に、機関回転速度判定部233Aは、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上であるか否かを判定し(S248)、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になるまで待機する。機関回転速度判定部233Aは、機関回転速度Nが機関定格回転速度NR以上になった後に、エンジン110Aが機関定格回転速度運転状態に遷移したことを検出し、電磁弁15および電磁弁18を閉じる信号を操作弁駆動部13に送る(S250)。操作弁駆動部13の電磁弁15および電磁弁18は、その操作により空気操作弁7および空気操作弁10を閉として過給機8および過給気通路11への燃焼アシストエアの供給を遮断する。
図15は、本実施形態のポンプ駆動装置1Aの動作を示す図である。図15に示すグラフは、実施形態のポンプ駆動装置1Aにおいて機関を始動させる当初から負荷がかかる場合の動作をタイミングチャートとして示したものである。図15の縦軸に、過給機回転速度T/Cと、機関回転速度Nと、燃料噴射ポンプ40の燃料噴射ポンプラック値(燃料ラック)FORと、排気ガスのオパシティメータ値(オパシティメータ)OPAとを示す。
時刻t41において、ポンプ駆動装置1Aは、機関始動指令を取得する。ポンプ駆動装置1Aは、アシストノズル47にかける第1燃焼アシストエアA1の圧力PA1を高めて第1アシストエアA1の供給を開始する。第1アシストエアA1の供給が開始されると、過給機回転速度T/Cが徐々に上昇する。
時刻t41から待機時間WT経過した時刻t44において、ポンプ駆動装置1Aは、アシストノズル49にかける第2燃焼アシストエアA2の圧力PA2を高めて第2アシストエアA2の供給を開始するとともに、エンジン110Aを始動させる。時刻t44以降に、燃料ラックFORの上昇に伴って、機関回転速度N、オパシティメータOPSが上昇し、過給機回転速度T/Cが徐々に上昇する。
ポンプ駆動装置1Aは、機関回転速度Nが機関始動時回転速度NSに達するか否かを検出しつつ、時刻t45から時刻t46にかけて機関回転速度を上昇させながら減圧弁9を調整することにより第2燃焼アシストエアの供給量を徐々に増やす。図示する機関定格回転速度NRに基づいて定めた所定の値NSは、機関定格回転速度NRの0.3〜0.4倍の値にした一例を示している。なお、この間、燃料ラックFORも機関回転速度Nに基づいて調整され、徐々に上昇する。
時刻t46において、機関回転速度Nが機関定格回転速度NRに達したことを検出し、ポンプ駆動装置1Aは、燃焼アシストエアの供給を停止して、機関定格回転速度NRを基準にエンジン110Aの稼働を継続する。
上記のポンプ駆動装置1Aは、運転停止状態から始動することにより負荷がかかるディーゼル機関の一例である。ポンプ直結のディーゼル機関の場合には、機関回転速度Nの上昇に伴い、機関回転速度Nの三乗に比例して負荷が増大する。このようなポンプ駆動装置1Aの場合には、機関停止状態において、過給機8のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を開始して、その後にさらにエンジン110Aの始動と過給気通路11への第2燃焼アシストエアの供給とを同時に開始することにより、エンジン110Aの機関回転数Nの立ち上げ特性を向上し、機関定格回転速度NRに達するまでの時間を短縮することができる。また、負荷が機関回転速度Nの三乗に比例して増大することに対しては、第2燃焼アシストエア供給圧力PA2を機関回転速度Nに比例させて高めることにより負荷の変動分を吸収することができる。例えば、第2燃焼アシストエア供給圧力PA2の調整時の変動幅を0.6〜1.4MPaの範囲に収まるようにして、機関回転速度Nに対して比例制御するとよい。
上記のように、ポンプ駆動装置1Aは、機関始動時にシリンダ30内に噴射される燃料に対し十分な燃焼アシストエアを供給することにより、燃焼室に取込む燃焼空気を適切に増大させ、完全燃焼する燃料量を増やすと共に、エンジン110Aの立ち上げ特性の向上を図ることができ、黒煙の発生をより適切に抑制することが可能となる。
上記の実施形態によれば、過給機8を備えるポンプ駆動装置1Aは、機関始動時から負荷のかかるような機関に対する立上げ特性を改善することができる。
以上説明した実施形態によれば、過給機8からの空気が過給気通路11を介して給気される内燃機関本体、すなわちエンジン110等への負荷投入に先立ち、過給機8のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアA1の供給を開始し、第1燃焼アシストエアA1の供給を開始した後にさらに過給気通路11への第2燃焼アシストエアA2の供給を開始し、次いで内燃機関本体への前記負荷投入を実行することにより、負荷の稼働状態の変更に伴う負荷変動による影響を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の実施形態では、内燃機関本体がディーゼル機関である場合を例示したが、これに代えて、内燃機関本体がデュアルフューエル機関であってもよい。
1 ディーゼル発電装置(内燃機関)、1A ポンプ駆動装置(内燃機関)、3 高圧空気貯留槽、6 減圧弁、7 空気操作弁、8 過給機、9 減圧弁、10 空気操作弁、11 過給気通路、13 操作弁駆動部、14 減圧弁、15 電磁弁、17 減圧弁、18 電磁弁、19 給気冷却器、44 コンプレッサ、47 アシストノズル、49 アシストノズル、52 ガバナー、110、110A エンジン、200、200A ECU

Claims (16)

  1. 過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体への負荷投入に先立ち、前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を開始し、前記供給を開始した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始し、次いで前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. 前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始してから前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行するまでの間に、
    前記過給機の最大到達回転速度に対して定めた第1範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記過給気通路への前記第2燃焼アシストエアの供給を開始し、
    前記内燃機関本体の機関定格出力時の過給機回転速度に対して定めた第2範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御方法。
  3. 前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始する段階で、前記内燃機関本体が無負荷運転状態にある
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の制御方法。
  4. 過給機からの空気が過給気通路を介して給気され、運転停止状態から始動することにより負荷がかかる内燃機関本体を含む内燃機関の制御方法であって、
    機関始動指令の取得により、前記過給機による過給停止状態から前記過給機のコンプレッサーインペラへの第1燃焼アシストエアの供給を行い、前記供給を開始した後、前記内燃機関本体の始動と、前記過給気通路への前記内燃機関本体の給気圧を高める第2燃焼アシストエアの供給とを開始する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  5. 前記過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアの供給圧力を、前記内燃機関本体の回転速度に対応する圧力に調整する
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御方法。
  6. 前記過給気通路に前記過給機からの空気を冷却する給気冷却器が設けられ、前記給気冷却器の下流の過給気通路に前記第2燃焼アシストエアを供給する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法。
  7. 前記内燃機関本体の回転速度が定格回転速度範囲になった場合に、前記第1燃焼アシストエアの供給と、前記第2燃焼アシストエアの供給とを停止させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法。
  8. 前記過給機へ供給する前記第1燃焼アシストエアを貯留する空気貯留槽と、前記過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアを貯留する空気貯留槽とを共用し、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給の開始に応じて、前記空気貯留槽への空気の供給を開始する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法。
  9. 過給機からの空気が過給気通路を介して給気される内燃機関本体と、
    過給機への第1燃焼アシストエアを供給する第1燃焼アシストエア供給手段と、
    前記過給気通路へ第2燃焼アシストエアを供給する第2燃焼アシストエア供給手段と、
    前記内燃機関本体への負荷投入に先立ち、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始させる第1開始信号を発し、前記第1開始信号を発した後にさらに前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始させる第2開始信号を発し、次いで前記内燃機関本体への負荷投入を実行する制御信号を発する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  10. 前記過給機の回転速度を測定する過給機回転速度測定手段
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始してから前記内燃機関本体への前記負荷投入を実行するまでの間に、前記過給機の最大到達回転速度に対して定めた第1範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に前記第2開始信号を発し、前記内燃機関本体の機関定格出力時の過給機回転速度に対して定めた第2範囲に前記過給機の回転速度が達したと判定した場合に、前記負荷投入を実行する制御信号を発する
    ことを特徴とする請求項9記載の内燃機関。
  11. 前記制御手段は、
    前記内燃機関本体が無負荷運転状態にある状態で前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始する
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の内燃機関。
  12. 過給機により給気され、運転停止状態から始動することにより負荷がかかる内燃機関本体と、
    過給機への第1燃焼アシストエアを供給する第1燃焼アシストエア供給手段と、
    前記過給機から前記内燃機関本体に前記過給機からの空気を供給する過給気通路へ第2燃焼アシストエアを供給する第2燃焼アシストエア供給手段と、
    機関始動指令の取得により、前記過給機への前記第1燃焼アシストエアの供給を開始させる第1開始信号を発し、前記第1開始信号を発した後に、前記内燃機関本体を始動させる機関始動信号と、前記過給気通路への第2燃焼アシストエアの供給を開始させる第2開始信号とを発する制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  13. 前記制御手段は、
    前記過給気通路へ供給する前記第2燃焼アシストエアの供給圧力を前記内燃機関本体の回転速度に対応する圧力に調整する
    ことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関。
  14. 前記第2燃焼アシストエア供給手段は、
    前記過給気通路に前記過給機からの空気を冷却する給気冷却器が設けられ、前記給気冷却器の下流の過給気通路に前記第2燃焼アシストエアを供給する
    ことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の内燃機関。
  15. 前記制御手段は、
    前記内燃機関本体の回転速度が定格回転速度範囲になった場合に、前記第1燃焼アシストエアの供給の停止信号と、前記第2燃焼アシストエアの供給の停止信号とを発する
    ことを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の内燃機関。
  16. 前記第1燃焼アシストエア供給手段と前記第2燃焼アシストエア供給手段とは、空気貯留槽を共用し、
    前記制御手段は、
    前記第1燃焼アシストエア供給手段による前記第1燃焼アシストエアの供給の開始に応じて、前記空気貯留槽への空気の供給を開始させる制御信号を発する
    ことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の内燃機関。
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