JP2017101272A - 破断分割型コネクティングロッドの製造方法 - Google Patents

破断分割型コネクティングロッドの製造方法 Download PDF

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亮廣 松ヶ迫
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【課題】破断分割性に優れると共に、耐力比が高くて被削性に優れる破断分割型コンロッドを製造することのできる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る破断分割型コネクティングロッドの製造方法は、質量%で、C:0.70%以下(0%を含まない)、Si:0.5〜3%、Mn:2%以下(0%を含まない)、P:0.2%以下(0%を含まない)、S:0.2%以下(0%を含まない)、Cr:0.2〜2%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物である鋼材をコネクティングロッド形状に成形した後、焼入れし、370〜530℃の温度で焼戻しを行なって破断分割箇所を焼戻しマルテンサイト組織としたうえで、破断分割工程を経て製造する方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、破断分割型コネクティングロッドの製造方法に関する。詳細には本発明は、破断分割面での塑性変形量が低く破断分割性に優れると共に、耐力比が高くて被削性も確保できる破断分割型コネクティングロッドの製造方法に関する。
コネクティングロッドは、自動車エンジンなどの部品として用いられ、ピストンとクランクシャフトとの間を連結してピストンの往復運動をクランクシャフトに伝えて回転運動に変換する部品である。コネクティングロッドはコンロッドと略称される場合がある。コンロッドは、クランクシャフトに組み付けるための略円形の貫通孔を備えており、この組み付けや保守での取り外しを容易にするために、貫通孔部分が2つの略半円に分離(分割)するように構成されている。分離したコンロッドのうちピストンと直結する側はコンロッド本体と称され、残りはコンロッドキャップと称される。
コンロッドは一般にコンロッド本体とコンロッドキャップを別個に熱間鍛造した後、切削による合わせ面の加工、必要に応じてズレを防止するためのノックピン加工を施して製造される。しかしながら、このような製造方法では、材料の歩留まりの低下や、多数の工程を経ることによるコスト上昇の問題があった。
そこで、コンロッドを一体的に熱間鍛造し、機械加工(クランクシャフトに組み付けるための貫通孔形成加工やボルト穴加工など)を施した後、貫通孔部分が2つの略半円となるように冷間で破断分割し、最後にクランクシャフトを挟んで破断面を嵌合し、ボルトで締結して組立てる方法が行われている。この方法によれば、破断面に対して、切削による合わせ面の加工を施す必要がなくなり、鍛造歩留まりの向上、工程の省略によりコストが大幅に低減される。上記製造方法によって得られるコンロッドは破断分割型コンロッドと呼ばれる。
しかしながら、従来のコンロッド用鋼を破断分割すると、靭延性が良好であることから、破断分割面が塑性変形したり、コンロッドの大端部(破断分割してクランクシャフトが挿入される部分)内径の塑性変形量が大きくなり、破断分割面同士を良好に嵌合できなかったり、仕上げ加工量が増大するという問題がある。よって、破断分割型コンロッドに用いられる鋼には、塑性変形量をできるだけ低減して嵌合性を良好にすること、すなわち、破断分割性に優れることが要求される。
破断分割性の向上方法として、通常、VやPなどの合金元素を多く添加して鋼材の強度を高めたり、Cなどの脆化元素を多く添加して鋼材を脆化させるなどの方法が挙げられる。しかしながら、これらの方法は生産性の低下、コストの上昇を招く。
そこで本出願人は、Vなどの合金元素を使用せず、鋼材の焼戻し脆性を有効に利用した熱処理によって鋼材の破断分割性を高める技術を特許文献1に開示している。具体的には、コンロッドに成形した後、焼入れ・焼戻しを行なうと共に、焼戻しに際して、低温焼戻し脆性が発生する250〜450℃の温度領域で焼戻しすることにより、塑性変形量(後述する「寸法変化量」に相当)が低減されて、破断分割性が向上する。
また、特許文献2には、図1に示す連接部と大端部・小端部、及びこれらの間につなぎ部を備えるコンロッドであって、連接部及びつなぎ部が焼戻しマルテンサイト若しくはフェライト−パーライト組織、又はこれらの混在組織からなり、連結部の最小断面積部位が焼戻しマルテンサイトで構成される高強度コンロッドが開示されている。特許文献2では、連接部の周囲を誘導電流で焼入れし、焼戻しをして強度の向上を図っている。
特開2001−47002号公報 特開2004−286196号公報
破断分割型コンロッドには、破断分割性だけでなく被削性に優れることも要求され、そのためには、耐力比(0.2%耐力/引張強度)を高めることが有効である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、破断分割性に優れると共に、耐力比が高くて被削性に優れる破断分割型コンロッドを製造することのできる方法を提供することにある。
上記課題を解決し得る、本発明に係る破断分割型コネクティングロッドの製造方法は、質量%で、C:0.70%以下(0%を含まない)、Si:0.5〜3%、Mn:2%以下(0%を含まない)、P:0.2%以下(0%を含まない)、S:0.2%以下(0%を含まない)、Cr:0.2〜2%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物である鋼材をコネクティングロッド形状に成形した後、焼入れし、370〜530℃の温度で焼戻しを行なって破断分割箇所を焼戻しマルテンサイト組織としたうえで、破断分割工程を経て製造する点に要旨を有する。
コネクティングロッドの形状に成形するに際して、オーステナイト領域となる温度範囲で熱間鍛造を行ない、鍛造焼入れを行なうことが好ましい。
本発明によれば、破断分割性に優れると共に、耐力比が高くて被削性に優れる破断分割型コンロッドを製造することができる。
図1は、実施例における、焼戻し温度と、耐力比および寸法変化量との関係を示すグラフである。 図2(a)は破断分割性試験に用いる試験片の概略上面図であり、図2(b)は前記試験片の概略側面図である。 図3は破断分割試験の方法を説明するための装置概略図である。 図4は破断分割試験前後の試験片の概略上面図である。
本発明は、低温焼戻し脆性を有効利用する特許文献1の改良技術である。詳細には本発明では、低温焼戻し脆性発生温度域で焼戻しを行なって破断分割性を向上させる方法において、特許文献1では全く考慮していなかった被削性を向上させるため、コンロッドの耐力比を高くするとの観点から検討を行なった。
その結果、Si量を0.5%以上と特許文献1よりも実質的に高めに設定すると、低温焼戻し脆性の発生する温度が上昇して400℃前後(350〜500℃)となることが分かった。これは、Siの添加によって衝撃値が低下する温度域が特許文献1に比べて高温側にずれ、400℃前後にて衝撃値が低下することを意味する。上記の高温度域で焼戻しを行なえば破断分割性が向上する。
また、Crを添加すると二次硬化が起こり、500℃前後(400〜600℃)で耐力比の向上が見られることも分かった。
本発明は上記知見のもとになされた発明であり、良好な破断分割性を維持しつつ、0.87以上という非常に高い耐力比を確保するため、化学成分についてSiを0.5%以上、Crを0.20%以上添加すると共に、焼戻し温度を400〜500℃の範囲内に制御したものである。
図1は、後記する表1の鋼種B(Si=1.02%、Cr=1.15%)を用い、表2に示す種々の焼戻し温度で焼戻しした表2のNo.3〜12の結果をプロットしたものである。No.3は焼入れしたが焼戻しをしていない例であり、図1では便宜上焼戻し温度=0℃の位置にプロットしている。図1に示すように、上記鋼種Bを用いた場合、500℃以下の温度で焼戻しを行なえば、破断分割性の指標である寸法変化量(図1中、■)を実施例の合格基準である0.140mm以下に抑制できるが、更に高い耐力比(図1中、●)も確保するためには、焼戻し温度の下限を400℃以上にする必要があることが分かる。
なお、前述した特許文献2にも、Crを含む鋼材をコンロッド形状に成形し、焼入れした後、200〜650℃の温度で焼戻しする方法が開示されている。しかしながら、特許文献2は機械加工を施さない部分に焼入れを施して硬度化させたときの疲労強度の低下を解消するためになされた技術であり、特許文献2では、コンロッドの連接部に誘導電流を用いて調質してコンロッド全体を高強度化している。一方、破断分割されるコンロッドの大端部は非調質のままであり、破断分割箇所の組織はフェライト−パーライトである(表2中、Q部の組織を参照)点で、破断分割箇所が焼戻しマルテンサイトである本発明とは組織が相違する。また、両者は化学成分も実質的に相違している。Crについて、特許文献2の実施例では0.16〜0.20%と本発明に比べて少なく、これではCr添加による耐力比の向上が期待され難い。また、特許文献2では、破断分割性向上のため、Vを0.1〜0.2%の範囲で添加している実施例が多いのに対し、本発明ではVを基本的に含有しない。
以下、本発明の製造方法を詳述する。
まず、本発明に用いられる鋼材の鋼中成分は以下のとおりである。
C:0.70%以下(0%を含まない)
Cは、強度を確保するため、および破断分割性を高める上で有効な元素である。C量の下限は、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.10%以上である。しかしながら、C量が過剰になると被削性が低下するので、その上限を0.70%とする。C量の好ましい上限は0.5%以下、より好ましくは0.45%以下、更に好ましくは0.42%以下である。
Si:0.5〜3%
Siは、焼戻し脆性の発生温度を高温側にずらして当該高温側での破断分割性向上に寄与する元素である。上記作用を有効に発揮させるため、その下限を0.5%以上とする。好ましくは0.6%以上であり、より好ましくは0.7%以上である。但し、Si量が過剰になると熱間加工性が低下するので、その上限を3%以下とする。好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
Mn:2%以下(0%を含まない)
Mnは、マトリックスの固溶強化により強度および焼入れ性を向上させる元素である。Mn量の下限は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは0.7%以上である。しかしながら、Mn量が過剰になると熱間加工性が低下するため、その上限を2%以下とする。好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.6%以下である。
P:0.2%以下(0%を含まない)
Pは、粒界に偏析して、破断分割性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、P量が過剰になると熱間加工性が低下するため、その上限を0.2%以下とする。好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下である。
S:0.2%以下(0%を含まない)
Sは、MnSを形成して破断分割性を向上させると共に、被削性を向上させるのに有用な元素である。しかしながら、S量が過剰になると熱間加工性が低下するため、その上限を0.2%以下とする。好ましくは0.1%以下であり、より好ましくは0.07%以下である。
Cr:0.2〜2%
Crは焼戻し時に二次硬化を発生させ、耐力比を向上させるのに必須の元素である。Cr量が0.2%を下回ると上記効果が有効に発揮されない。Cr量は、好ましくは0.25%以上であり、より好ましくは0.3%以上である。しかしながら、Cr量が過剰になると熱間加工性が低下するため、その上限を2%以下とする。好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
本発明に用いられる鋼材の成分組成は上記の通りであって、残部は鉄および不可避的不純物である。不可避的不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる微量の元素;例えばAs、Sb、Sn、Nなどの混入が許容され得る。
また、本発明では不可避的不純物としてVが含まれることもある。Vは不純物量であっても好適な特性を示すことができ、その含有量は0.02%以下であることが好ましく、0.01%以下であることがより好ましく、0.005%以下であることが更に好ましい。
次に、上記鋼材をコネクティングロッド形状に成形する。成形方法は特に限定されず、通常、熱間鍛造が適用されるが、温間鍛造、冷間鍛造、粉末焼結などを用いることもできる。これらのうち、オーステナイト領域となる温度範囲で熱間鍛造を行なえば、成形の後にそのままの状態で焼入れ(鍛造焼入れ)を行なうことができ、工程およびコストの低減の観点から有用である。これに対し、上記以外の方法では、一旦加熱してから焼入れする必要があり、生産効率が低下する。ここで、オーステナイト領域となる温度範囲はC含有量によっても異なるが、おおむね、920〜750℃程度である。
次いで、焼入れ、焼戻しを行なう。本発明では、370〜530℃の温度で焼戻しを行なう点に特徴がある。
前述したように370〜530℃の温度域は、本発明のようにSiを0.5%以上含む鋼材を用いた場合に低温焼戻し脆性の温度域が発生し、しかも耐力比も良好となる温度域である。低温焼戻し脆性は焼戻しマルテンサイト特有の現象であり、フェライトやパーライト、ベイナイトでは起こらない。好ましい焼戻し温度域は、使用する鋼材の種類、破断分割性と耐力比とのバランスを考慮して設定することができるが、例えば、400℃以上、500℃以下である。
本発明の製造方法は焼戻し温度を規定した点に特徴があり、焼戻し時間は所望とする作用効果が発揮される限り、特に限定されないが、例えば、10〜240分の範囲で制御することが好ましい。
上記処理によって破断分割箇所を焼戻しマルテンサイト組織とした後、破断分割工程を行なうと、所望とする破断分割型コネクティングロッドが得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す化学組成の鋼(鋼種A〜G)を通常の溶製方法に従って溶解し、鋳造、分塊した後、開始温度1050℃、終了温度900℃の圧延を行ってφ50mmの棒鋼を得た。なお、表1の鋼種AはDIN規格のC70S6(破断分割用鋼)に相当する従来鋼である。
上記の様にして得られた各棒鋼を適当な長さに切断した後、破断分割型コンロッドを模擬して表2のNo.1〜17の平板体を作製した。
詳細には表2のNo.1、2では、上記棒鋼を熱間鍛造(加熱温度:1200℃)によって、厚さ:25mmに平潰し鍛造して平板体を成形した。これらは、焼戻しを行なっていないため、表2の「焼戻し温度」は「−」と記載した。
一方、表2のNo.3〜17では、上記棒鋼を熱間鍛造(加熱温度:1200℃)によって、厚さ:25mmに平潰し鍛造して平板体を成形した後、そのまま焼入れを行い(油焼入れ:50℃)、引き続き、表2に示す種々の温度で焼戻しを施した。焼戻し時間はいずれも60分である。
このようにして得られた各平板体について、以下の方法で破断分割性の指標である寸法変化量を評価した。以下の方法では、それぞれについて各3個ずつの試験片を用い、その平均値を求めた。
破断分割性(寸法変化量)の評価方法
No.1〜17の平板体を切削し、図2に示す試験片に加工した。図2中、(a)は試験片の上面図、(b)は試験片の側面図を示し、aはノッチ、bはボルト孔、cは圧延方向を示す矢印である。試験片は、65mm×65mm×厚さ22mmの板状で、中央はφ43mmの円筒状の孔が抜き取られている。中央の孔の端部には、ノッチa(R:0.2mm、深さ:0.5mm)が設けられている。また、試験片には圧延方向に沿ってボルト孔b(φ8.3mm)が設けられている。
図3に示すように、試験片6の中央の孔にホルダー3a、3bを通してプレス試験機(1600tプレス)にセットし、プレス速度:270mm/秒で(図中1はプレスを示す)、試験片の破断分割を行った。なお試験片の破断速度は、くさび4および5のくさび角が30°であるので、約150mm/秒と計算される。そして図4に示すように、破断分割前後の孔径差(L2−L1)を寸法変化として測定し、この寸法変化が0.15mm以下のものを破断分割性に優れると評価した。尚、寸法変化0.15mm以下という基準は、欧州で使用されているDIN規格のC70S6のものと同等である。
更に上記のようにして得られた各平板体を用い、以下の項目を測定した
(1)組織の同定
平板体の中央位置横断面(圧延方向に垂直な断面)におけるW/8かつH/2位置(Wは平板体の幅、Hは平板体の厚み)を、光学顕微鏡で観察(倍率100倍)および撮影して組織を判定した。
(2)降伏強度の測定
平板体の中央位置横断面(圧延方向に垂直な断面)におけるW/8かつH/2位置(Wは平板体の幅、Hは平板体の厚み)が評価部となるように、JIS Z2201(1998年)に規定される14A号試験片を採取し(評価部径φ5mm)、JIS Z2241(1998年)に従って引張試験を行い、0.2%耐力および引張強度を測定した。
これらの結果を表2に併記する。
表2より以下のように考察することができる。
まず、表2のNo.1は、C量が0.71%と高くCrを含まない表1の鋼種Aを用い、鍛造後に焼入れ焼戻しを行なわなかった従来例である。そのため、破断分割箇所はパーライトとなり、寸法変化量は合格であるが、耐力比が低下した。
表2のNo.2〜12は、本発明の要件を満足する表1の鋼種B(Si量が1.02%と鋼種Aに比べて多く、且つ、Crを1.15%添加したもの)を用いた例である。
これらのうち表2のNo.2は、No.1と同様の熱処理を行った例である。Cr添加によりNo.2の耐力比はNo.1に比べて若干向上したが、逆に寸法変化量は大きくなった。また、破断分割箇所はフェライトおよびベイナイトとなった。
表2のNo.3は、鍛造後、焼入れのみ行なって焼戻しを行なわなかった例であり、No.4〜12は、焼戻し温度を200℃から50℃間隔で600℃まで変化させた例である。その結果、本発明の範囲で焼戻しした表2のNo.8〜10は、寸法変化量、耐力比が共に合格基準を満足したのに対し、焼戻し温度が本発明の下限(370℃)を下回るNo.3〜7では、寸法変化量は良好であったが、耐力比が低下した。一方、焼戻し温度が本発明の上限(530℃)を超えるNo.11、12では耐力比は良好であったが、寸法変化量が増加した。
また、表2のNo.13〜17は、焼戻し温度を450℃と一定にし、表1の鋼種C〜Gを用いた例である。
これらのうちNo.13〜15は、本発明の要件を満足する鋼を用いたため、寸法変化量、耐力比が共に良好であった。
これに対し、No.16はSi量が少ない表1の鋼種Fを用いたため、Si添加による効果が有効に発揮されず、寸法変化量が増加した。
また、No.17はCr量が少ない表1の鋼種Gを用いたため、Cr添加による効果が有効に発揮されず、耐力比が低下した。
よって、本発明の製造方法を用いれば、Vなどの合金成分を添加しなくても、従来から破断分割用鋼として用いられているNo.1と同等の破断分割性を維持しつつ、耐力比が格段に高められることが分かる、
1 プレス
2 支持台
3a,3b ホルダー
4,5 くさび
6 試験片

Claims (2)

  1. 破断分割型コネクティングロッドを製造するに当たり、
    質量%で、C:0.70%以下(0%を含まない)、Si:0.5〜3%、Mn:2%以下(0%を含まない)、P:0.2%以下(0%を含まない)、S:0.2%以下(0%を含まない)、Cr:0.2〜2%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物である鋼材をコネクティングロッド形状に成形した後、焼入れし、370〜530℃の温度で焼戻しを行なって破断分割箇所を焼戻しマルテンサイト組織としたうえで、破断分割工程を経て製造することを特徴とする破断分割型コネクティングロッドの製造方法。
  2. コネクティングロッドの形状に成形するに際して、オーステナイト領域となる温度範囲で熱間鍛造を行ない、鍛造焼入れを行なう請求項1に記載の破断分割型コネクティングロッドの製造方法。
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