JP2017101097A - 繊維強化樹脂成形体及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、通常時は変形しやすく、衝撃時は硬くなるというダイラタンシー性に優れ、かつ、衝撃時の剛性を効率的に発現できる繊維強化樹脂成形体を提供することを課題とする。【解決手段】強化繊維(A)とマトリックス樹脂(B)からなり、強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維を、強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含み、マトリックス樹脂(B)の、JIS K7244−7(2007)に準拠した、25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)および周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)が、下記式(1)〜(3)を満たす繊維強化樹脂成形体。Gr’(50Hz)/Gr’(1Hz)≧8 (1)Gr’(50Hz)≧10MPa (2)Gr’(1Hz)≦1GPa (3)【選択図】なし
Description
本発明は、通常時は変形しやすく、衝撃を受けた時は硬くなるというダイラタンシー性を有する繊維強化樹脂成形体に関する。
強度や剛性に優れる繊維強化樹脂は、近年、高齢化の進行や健康志向の高まりにより装具やサポータ−用途への適用が一部進んでいる。しかし、繊維強化樹脂は高剛性であるため、用途としては形状変形しにくい箇所への適用にほぼ限定されている。腕や肘の関節、腰等、変形しやすい箇所に繊維強化樹脂を展開していくためには、高剛性だけでなく、相反する柔軟性も有することが必要となる。すなわち通常時は形状追随しやすく、衝撃時には硬くなるというダイラタンシー性を有することが重要となる。
ダイラタンシー性材料はこれまで種々提案されてきた。例えば、シリコーンオイル等の流体と一次粒径が100nm〜1μmのシリコーンレジン粉末等の粒子とからなる組成物(特許文献1)、固体の樹脂材料と粒子との混合物(特許文献2)、ポリウレタン樹脂組成物(特許文献3)、ダイラタンシー性を有すると推測されるエポキシ樹脂組成物(特許文献4、5)がある。
特許文献1では、シリコーンオイル等の流体と一次粒径が100nm〜1μmのシリコーンレジン粉末等の粒子とからなる組成物を開示しているが、強化繊維と組み合わせるには流体の流出の防止手段が必要となり、その解決は容易ではない。また、衝撃時の剛性を固体系ほど上げることができない。
特許文献2では、固体の樹脂材料と粒子の混合物からなるダイラタンシー性樹脂組成物が開示されているが、通常時と衝撃時における剛性差が小さく、ダイラタンシー性が小さい。固体系では流体系のように樹脂に粒子を混合するだけでは、ダイラタンシー性を高めることができない。
特許文献3〜5では、粒子を含まず、ポリウレタンやエポキシ樹脂単体でダイラタンシー性を示す固体の樹脂組成物が開示されている。しかしダイラタンシー性や衝撃時の剛性が小さいため、展開できる用途は限られていた。
そこで本発明は、通常時は変形しやすく、衝撃時は硬くなるというダイラタンシー性に優れ、かつ、衝撃時の剛性を効率的に発現できる繊維強化樹脂成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる繊維強化樹脂成形体を発明するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[1] 強化繊維(A)とマトリックス樹脂(B)からなり、強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維を、強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含み、マトリックス樹脂(B)の、JIS K7244−7(2007)に準拠した、25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)および周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)が、下記式(1)〜(3)を満たす繊維強化樹脂成形体。
Gr’(50Hz)/Gr’(1Hz)≧8 (式1)
Gr’(50Hz)≧10MPa (式2)
Gr’(1Hz)≦1GPa (式3)
そして、上記繊維強化樹脂成形体の好ましい態様として以下の繊維強化樹脂成形体がある。
[2] 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以上40°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含む、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[3] 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において40体積%以下含む、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[4] JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比、Eb2/Eb1が2以上である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[5] JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1が10GPa以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[6] JIS K7084(1993)に準拠した曲げ弾性率Eb2が0.8GPa以上である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[7] 厚さが0.1mm以上10mm以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[8] 前記Gr’(50Hz)が100MPa以上である前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[9] 前記Gr’(1Hz)が100MPa以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[10] マトリックス樹脂(B)が熱硬化性エポキシ樹脂である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[11] 前記熱硬化性エポキシ樹脂100質量%における、前記熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量が、40〜70質量%である前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[12] マトリックス樹脂(B)100体積%に対してフィラーを10〜50体積%含む、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[13] 前記強化繊維(A)が炭素繊維である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[14] 前記強化繊維(A)が連続繊維である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[15] 前記強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートが2層以上重なった、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[16] 前記シートの厚みが0.05mm以上である、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[17] 積層方向において、前記シートの繊維角度が実質的に対象である、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[18] 前記繊維強化樹脂成形体の前記基準軸0°に対して±30°以内の方向に圧縮応力と引張応力の両方が発生するようにして使用する、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
[19] 前記繊維強化樹脂成形体に引張応力あるいは圧縮応力が加わる際に、該応力が前記基準軸0°に対して±30°以内の方向となるように配置して使用する、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
[1] 強化繊維(A)とマトリックス樹脂(B)からなり、強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維を、強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含み、マトリックス樹脂(B)の、JIS K7244−7(2007)に準拠した、25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)および周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)が、下記式(1)〜(3)を満たす繊維強化樹脂成形体。
Gr’(50Hz)/Gr’(1Hz)≧8 (式1)
Gr’(50Hz)≧10MPa (式2)
Gr’(1Hz)≦1GPa (式3)
そして、上記繊維強化樹脂成形体の好ましい態様として以下の繊維強化樹脂成形体がある。
[2] 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以上40°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含む、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[3] 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において40体積%以下含む、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[4] JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比、Eb2/Eb1が2以上である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[5] JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1が10GPa以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[6] JIS K7084(1993)に準拠した曲げ弾性率Eb2が0.8GPa以上である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[7] 厚さが0.1mm以上10mm以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[8] 前記Gr’(50Hz)が100MPa以上である前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[9] 前記Gr’(1Hz)が100MPa以下である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[10] マトリックス樹脂(B)が熱硬化性エポキシ樹脂である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[11] 前記熱硬化性エポキシ樹脂100質量%における、前記熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量が、40〜70質量%である前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[12] マトリックス樹脂(B)100体積%に対してフィラーを10〜50体積%含む、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[13] 前記強化繊維(A)が炭素繊維である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[14] 前記強化繊維(A)が連続繊維である、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[15] 前記強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートが2層以上重なった、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
[16] 前記シートの厚みが0.05mm以上である、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[17] 積層方向において、前記シートの繊維角度が実質的に対象である、前記記載の繊維強化樹脂成形体。
[18] 前記繊維強化樹脂成形体の前記基準軸0°に対して±30°以内の方向に圧縮応力と引張応力の両方が発生するようにして使用する、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
[19] 前記繊維強化樹脂成形体に引張応力あるいは圧縮応力が加わる際に、該応力が前記基準軸0°に対して±30°以内の方向となるように配置して使用する、前記いずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
本発明により、通常時は柔軟で形状追随しやく、衝撃時は剛直となり急激な変形を効率的に抑制できる繊維強化樹脂成形体を提供できる。
(マトリックス樹脂(B))
本発明の繊維強化樹脂成形体に含まれるマトリックス樹脂(B)の、下記式(1)で表される、JIS K7244−7(2007)に準拠した25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)およびJIS K7244−7(2007)に準拠した25℃における周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)の比Aは、8以上がよく、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。比Aが8以上であれば、通常時と衝撃時の剛性変化が大きく、通常時の形状追随性および衝撃時の剛性を高めることができる。また下記式(1)で表されるAは、30以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。なお貯蔵弾性率の測定方法は後述する。
本発明の繊維強化樹脂成形体に含まれるマトリックス樹脂(B)の、下記式(1)で表される、JIS K7244−7(2007)に準拠した25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)およびJIS K7244−7(2007)に準拠した25℃における周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)の比Aは、8以上がよく、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。比Aが8以上であれば、通常時と衝撃時の剛性変化が大きく、通常時の形状追随性および衝撃時の剛性を高めることができる。また下記式(1)で表されるAは、30以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。なお貯蔵弾性率の測定方法は後述する。
A=Gr’(50Hz)/Gr’(1Hz) (1)
周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)は、10MPa以上がよく、100MPa以上が好ましく、1GPa以上がより好ましい。Gr’(50Hz)が10MPa以上であれば衝撃時の変形を抑制できる。また周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)は、200GPa以下であれば衝撃時の変形抑制が現実的に達成可能である。
周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)は、10MPa以上がよく、100MPa以上が好ましく、1GPa以上がより好ましい。Gr’(50Hz)が10MPa以上であれば衝撃時の変形を抑制できる。また周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)は、200GPa以下であれば衝撃時の変形抑制が現実的に達成可能である。
周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)は、1GPa以下がよく、100MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましい。Gr’(1Hz)が1GPa以下であれば通常時、容易に変形できる。また周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)は、10Pa以上であれば通常時の柔軟性が現実的に達成可能である。
本発明の繊維強化樹脂成形体に含まれるマトリックス樹脂(B)の種類としては、特に限定されないが、ダイラタンシー性を有する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも用いることができる。ここで、ダイラタンシー性とは、通常時は容易に変形し、衝撃時は剛直で変形を抑制する性質を意味する。なお、本発明の繊維強化樹脂成形体に含まれるマトリックス樹脂はダイラタンシー性樹脂と言うこともできる。
(マトリックス樹脂(B):種類)
マトリックス樹脂(B)として好適な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂単体の他、エポキシ樹脂と他の熱硬化性樹脂の共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂なども用いることができる。これらの中でもマトリックス樹脂(B)としては熱硬化性エポキシ樹脂が好ましく、特に熱硬化性樹脂成形体の貯蔵弾性率を適度に小さくし、かつ、上記式(1)で表される貯蔵弾性率の比(以下「貯蔵弾性率比A」という。)を高めるためには、下記化学式(I)で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。化学式(I)で示される2官能性エポキシ樹脂は、脂肪族若しくは芳香族炭化水素化合物のジビニルエーテル、又はオキシアルキレン化合物のジビニルエーテルと、2官能性フェノールとをアセタール化反応させて得ることができる。
マトリックス樹脂(B)として好適な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂単体の他、エポキシ樹脂と他の熱硬化性樹脂の共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂なども用いることができる。これらの中でもマトリックス樹脂(B)としては熱硬化性エポキシ樹脂が好ましく、特に熱硬化性樹脂成形体の貯蔵弾性率を適度に小さくし、かつ、上記式(1)で表される貯蔵弾性率の比(以下「貯蔵弾性率比A」という。)を高めるためには、下記化学式(I)で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。化学式(I)で示される2官能性エポキシ樹脂は、脂肪族若しくは芳香族炭化水素化合物のジビニルエーテル、又はオキシアルキレン化合物のジビニルエーテルと、2官能性フェノールとをアセタール化反応させて得ることができる。
但し、Xは炭素数1〜6の二価の脂肪族基、Rは炭素原子を6個以上含む二価の脂肪族基を示し、nは1〜6である。
熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量は、熱硬化性エポキシ樹脂100質量%に対して40質量%以上がよく、45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。また70質量%以下がよく、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。この範囲であれば、衝撃時の剛性および形状追随性を高めることができる。なお、硬化前後の熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量は、同じとみなすことができる。よって、本発明の繊維強化樹脂成形体を構成する、硬化後の熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量は、硬化前の熱硬化性エポキシ樹脂の構造から求めることができる。
マトリックス樹脂(B)として好適な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂が好ましく用いられ、また、これらの樹脂の前駆体である環状のオリゴマーも好ましく用いられる。なお、樹脂に柔軟性を付与する目的として、添加剤を加えても良い。
(マトリックス樹脂(B):フィラー添加)
本発明の繊維強化樹脂成形体の、上記式(1)で表される貯蔵弾性率比Aを飛躍的に向上させるためには、繊維強化樹脂成形体のマトリックス樹脂(B)がダイラタンシー性樹脂とフィラーを含むことが好ましい。該ダイラタンシー性樹脂の貯蔵弾性率比Aは5以上が好ましく、7以上がより好ましく、9以上がさらに好ましい。ダイラタンシー性樹脂の貯蔵弾性率比Aが5以上であれば、フィラーによって繊維強化樹脂成形体のダイラタンシー性を飛躍的に高めることができ、結果としてマトリックス樹脂(B)の貯蔵弾性率比Aを8以上とすることができる。また該ダイラタンシー性樹脂の上記式(1)で表されるAは30以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。
本発明の繊維強化樹脂成形体の、上記式(1)で表される貯蔵弾性率比Aを飛躍的に向上させるためには、繊維強化樹脂成形体のマトリックス樹脂(B)がダイラタンシー性樹脂とフィラーを含むことが好ましい。該ダイラタンシー性樹脂の貯蔵弾性率比Aは5以上が好ましく、7以上がより好ましく、9以上がさらに好ましい。ダイラタンシー性樹脂の貯蔵弾性率比Aが5以上であれば、フィラーによって繊維強化樹脂成形体のダイラタンシー性を飛躍的に高めることができ、結果としてマトリックス樹脂(B)の貯蔵弾性率比Aを8以上とすることができる。また該ダイラタンシー性樹脂の上記式(1)で表されるAは30以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。
フィラーの形状としては、粉末、繊維、フレーク、針状から選ばれ、特に限定されない。またフィラーの種類としては特に限定されないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、Y-PSZ、スピネル、タルク、ムライト、コージエライト、炭化ケイ素、ヘマタイト、コバルト、マグネタイト、フェライト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸バリウム等が好ましく用いられる。またフィラーの含有量としては、マトリックス樹脂(B)100体積%中にフィラーを10体積%以上含むことがよく、15体積%以上含むことが好ましく、20体積%以上含むことがより好ましい。一方、マトリックス樹脂(B)100体積%中に、フィラーを50体積%以下含むことがよく、45体積%以下含むことが好ましく、40体積%以下含むことがより好ましい。この範囲であれば、フィラー含有によりダイラタンシー性向上効果が得られやすく、樹脂との混練が容易で成形しやすい。ここでマトリックス樹脂(B)100体積%とは、マトリックス樹脂(B)として熱硬化性樹脂とフィラーの両方を含む場合には、熱硬化性樹脂とフィラーの合計の体積を100%とすることを意味する。
JIS Z8900−1(2008)に準拠した、フィラーのアスペクト比(長軸/短軸)は2以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.2以下がさらに好ましい。この範囲であれば通常時と衝撃時の剛性変化が大きく、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を高めることができる。
(強化繊維(A):繊維配向角θ)
強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、図1に示す、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は45°以下がよく、40°以下が好ましく、35°以下がより好ましい。繊維配向角θの絶対値が45°以下であれば、通常時と衝撃時の剛性を高めることができる。また基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は5°以上が好ましく、10°以上がより好ましく、15°以上がさらに好ましい。基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以上であれば通常時と衝撃時の剛性変化を高めることができる。また、本発明においては、強化繊維(A)が少なくとも2方向に配向しているので、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は0°よりも大きいのが好ましい。なお繊維配向は基準軸の左右で実質的に対称である。基準軸の取り方については後述する。
強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、図1に示す、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は45°以下がよく、40°以下が好ましく、35°以下がより好ましい。繊維配向角θの絶対値が45°以下であれば、通常時と衝撃時の剛性を高めることができる。また基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は5°以上が好ましく、10°以上がより好ましく、15°以上がさらに好ましい。基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以上であれば通常時と衝撃時の剛性変化を高めることができる。また、本発明においては、強化繊維(A)が少なくとも2方向に配向しているので、基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値は0°よりも大きいのが好ましい。なお繊維配向は基準軸の左右で実質的に対称である。基準軸の取り方については後述する。
また基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維の割合は、強化繊維(A)100体積%において10体積%以上がよく、20体積%以上が好ましく、30体積%以上がより好ましい。10体積%以上であれば、通常時と衝撃時の剛性変化、および、衝撃時の剛性を効率的に高めることができる。また繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維の割合の上限は特に限定されず、100体積%でも通常時と衝撃時の剛性変化、および、衝撃時の剛性を効率的に高めることが可能であり、各用途において必要な特性に応じて適宜選択される。
繊維配向角の絶対値が5°以下である強化繊維(A)の割合は、強化繊維(A)100体積%において40体積%以下が好ましく、30体積%以下がより好ましく、20体積%以下がさらに好ましい。40体積%以下であれば通常時と衝撃時の剛性変化を効率的に高めることができる。また繊維配向角θの絶対値が5°以下である強化繊維の割合の下限は特に限定されず、このような強化繊維を含まない、つまり0体積%でも、通常時と衝撃時の剛性変化を効率的に高めることが可能であり、各用途において必要な特性に応じて適宜選択される。
(強化繊維(A))
強化繊維の種類としては制限がないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維が好ましい。なかでも炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、繊維強化樹脂の軽量化効果の観点から好ましく使用でき、これらは1種または2種以上を併用しても良い。中でも、得られる繊維強化樹脂の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。
強化繊維の種類としては制限がないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維が好ましい。なかでも炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が力学特性の向上、繊維強化樹脂の軽量化効果の観点から好ましく使用でき、これらは1種または2種以上を併用しても良い。中でも、得られる繊維強化樹脂の強度と弾性率とのバランスの観点から、PAN系炭素繊維がさらに好ましい。
強化繊維の単繊維径は0.5μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましい。また、強化繊維の単繊維径は20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。強化繊維のストランド強度は3.0GPa以上が好ましく、4.0GPa以上がより好ましく、4.5GPa以上がさらに好ましい。強化繊維のストランド弾性率は200GPa以上が好ましく、220GPa以上がより好ましく、240GPa以上がさらに好ましい。強化繊維のストランド強度または弾性率がそれぞれ、この範囲であれば、繊維強化樹脂成形体としたときに、所望の特性を得ることができる。
強化繊維としては連続繊維が好ましく、そのため強化繊維の形態としては、連続繊維を一方向に並べた形態、織物形態、編み物形態等が好ましいが、不織布、マット等の不連続繊維がランダムに配置された形態でも良い。不連続繊維の場合、強化繊維の平均繊維長は、0.1mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、2mm以上がさらに好ましい。また、強化繊維の平均繊維長は、100mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましい。平均繊維長の測定方法としては、例えば、強化繊維基材から直接強化繊維を摘出する方法や、またはシートの樹脂のみを溶解する溶剤を用いて溶解させ、残った強化繊維を濾別して顕微鏡観察により測定する方法がある(溶解法とも言う。)。樹脂を溶解する溶剤がない場合には、強化繊維が酸化減量しない温度範囲において樹脂のみを焼き飛ばし、強化繊維を分別して顕微鏡観察により測定する方法(焼き飛ばし法とも言う。)などがある。測定は強化繊維を無作為に400本選び出し、その長さを1μm単位まで光学顕微鏡にて測定し、繊維長とその存在割合を測定することができる。なお、強化繊維基材から直接強化繊維を摘出する方法と、シートから焼き飛ばし法や溶解法で強化繊維を摘出する方法とを比較した場合、条件を適切に選定することで、得られる結果に特別な差異を生じることはない。
(繊維強化樹脂成形体)
本発明の繊維強化樹脂成形体の、JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比(Eb2/Eb1)は2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましい。比(Eb2/Eb1)が2以上であれば、通常時と衝撃時の剛性変化が大きく、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を高めることができる。また曲げ弾性率の比(Eb2/Eb1)は20以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。
本発明の繊維強化樹脂成形体の、JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比(Eb2/Eb1)は2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましい。比(Eb2/Eb1)が2以上であれば、通常時と衝撃時の剛性変化が大きく、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を高めることができる。また曲げ弾性率の比(Eb2/Eb1)は20以下であれば通常時の形状追随性と衝撃時の剛性の両立が現実的に達成可能である。
曲げ弾性率Eb1は10GPa以下であることが好ましく、1GPa以下であることがより好ましく、100MPa以下であることがさらに好ましい。この範囲であれば通常時、容易に変形できる。また曲げ弾性率Eb1は、1MPa以上であれば通常時の柔軟性が現実的に達成可能である。
衝撃曲げ弾性率Eb2は800MPa(0.8GPa)以上が好ましく、5GPa以上がより好ましく、10GPa以上がさらに好ましい。この範囲であれば衝撃時の変形を抑制できる。また衝撃曲げ弾性率Eb2は、200GPa以下であれば衝撃時の変形抑制が現実的に達成可能である。
本発明の繊維強化樹脂成形体の厚さは、成形性や通常時の変形しやすさの点から0.1mm以上10mm以下が好ましい。なお繊維強化樹脂成形体が複雑形状で、場所によって厚さが異なる場合、厚さの基準は最も薄い箇所とする。つまり本発明の繊維強化樹脂成形体は、その最も薄い箇所の厚さが0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。
本発明の繊維強化樹脂成形体は、前記強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートが2層以上重なっていることが好ましい。該シートの厚みは0.05mm以上が好ましく、0.07mm以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。また該シートの厚みは、3mm以下であれば現実的に作製可能である。シートの積層数は少なくとも2以上であり、4以上がより好ましい。またシートの積層数は200以下であれば現実的に作製可能である。なお、ここでいうシートの厚みとは、繊維強化樹脂成形体中の強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートの厚さを意味するが、通常成形の前後でシートの厚さは変動しないので、繊維強化樹脂成形体になる前の成形材料としてのシートの厚さを測定することによってもシートの厚みを求めることができる。
(成形材料の作製方法)
そして、本発明の繊維強化樹脂成形体の元となる成形材料の作製方法としては、樹脂をメチルエチルケトンやメタノールなどの溶媒に溶解して低粘度化し、強化繊維基材に含浸させるウェット法あるいは加熱により低粘度化し、強化繊維基材に含浸させるホットメルト法などがある。ウェット法では、強化繊維基材を、マトリックス樹脂を含む液体に浸漬した後、引き上げ、オーブンなどを用いて溶媒を蒸発させて成形材料を得ることができる。また、ホットメルト法では、加熱により低粘度化したマトリックス樹脂を強化繊維基材に含浸させる方法、あるいは一旦マトリックス樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングしたフィルムをまず作製し、ついで強化繊維基材の両側あるいは片側から該フィルムを重ね、加熱加圧してマトリックス樹脂を強化繊維基材に含浸させる方法により、成形材料を製造することができる。ホットメルト法は、成形材料中に残留する溶媒がないため好ましい手段である。
そして、本発明の繊維強化樹脂成形体の元となる成形材料の作製方法としては、樹脂をメチルエチルケトンやメタノールなどの溶媒に溶解して低粘度化し、強化繊維基材に含浸させるウェット法あるいは加熱により低粘度化し、強化繊維基材に含浸させるホットメルト法などがある。ウェット法では、強化繊維基材を、マトリックス樹脂を含む液体に浸漬した後、引き上げ、オーブンなどを用いて溶媒を蒸発させて成形材料を得ることができる。また、ホットメルト法では、加熱により低粘度化したマトリックス樹脂を強化繊維基材に含浸させる方法、あるいは一旦マトリックス樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングしたフィルムをまず作製し、ついで強化繊維基材の両側あるいは片側から該フィルムを重ね、加熱加圧してマトリックス樹脂を強化繊維基材に含浸させる方法により、成形材料を製造することができる。ホットメルト法は、成形材料中に残留する溶媒がないため好ましい手段である。
(成形材料パラメータ)
熱硬化性樹脂を含有する場合、成形材料中の樹脂組成物は未硬化状態である。
熱硬化性樹脂を含有する場合、成形材料中の樹脂組成物は未硬化状態である。
本発明の成形材料がシート状物である場合、単位面積当たりの繊維質量は、40g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることがより好ましい。250g/m2以下であることが好ましく、200g/m2以下であることがより好ましい。この範囲であれば、成形材料の形状保持性を維持でき、また、成形材料内部の繊維アライメントが乱れにくく、高性能な繊維強化複合材料を得ることができる。
(繊維強化樹脂成形体の製造方法)
本発明の繊維強化樹脂成形体は、例えば以下の要領で製造することができる。まず、強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートを準備して、これらが積層方向において、これら各々のシートの繊維角度が実質的に対象になるように成形材料(シート)を積層する。その後、加熱、加圧しながら、樹脂を硬化することにより、繊維強化樹脂成形体を得る。加熱、加圧方法としては、プレス成形、オートクレーブ成形、真空圧成形、シートワインディング法、内圧成形法が好ましく用いられる。このようにして得られる繊維強化樹脂成形体は、積層方向において、各々のシートの繊維角度が実質的に対象となった構成となる。ここで積層方向においてシートの繊維角度が実質的に対象とは、繊維強化樹脂成形体の厚さ方向の中央を通る面から直交方向に等距離にある面内において、任意の場所の繊維配向角θの差が5°以内であることを意味する。繊維配向角θの求め方は後述する。
本発明の繊維強化樹脂成形体は、例えば以下の要領で製造することができる。まず、強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートを準備して、これらが積層方向において、これら各々のシートの繊維角度が実質的に対象になるように成形材料(シート)を積層する。その後、加熱、加圧しながら、樹脂を硬化することにより、繊維強化樹脂成形体を得る。加熱、加圧方法としては、プレス成形、オートクレーブ成形、真空圧成形、シートワインディング法、内圧成形法が好ましく用いられる。このようにして得られる繊維強化樹脂成形体は、積層方向において、各々のシートの繊維角度が実質的に対象となった構成となる。ここで積層方向においてシートの繊維角度が実質的に対象とは、繊維強化樹脂成形体の厚さ方向の中央を通る面から直交方向に等距離にある面内において、任意の場所の繊維配向角θの差が5°以内であることを意味する。繊維配向角θの求め方は後述する。
本発明の繊維強化樹脂成形体を製造するに際しては、他の繊維強化樹脂の製造法をも用いることができる。例えば、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)法を用いる場合、次のような手順で製造することができる。まず、型内に織物形態、編み物形態などの強化繊維を配置する。型を閉じ、液状の熱硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸させた後、硬化させ、成形体を製造する。
(成形体使用方法)
前記繊維強化樹脂成形体を曲げるなど、圧縮応力と引張応力の両方が発生するように使用する場合には、図2に示すように、繊維強化樹脂成形体の基準軸0°に対する、曲げで発生する引張応力と圧縮応力の方向は−30°〜30°の範囲がよく、−20°〜20°の範囲が好ましく、−10°〜10°の範囲がより好ましい。この範囲となるように繊維強化樹脂成形体を使用すれば、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を効率的に発現することができる。
前記繊維強化樹脂成形体を曲げるなど、圧縮応力と引張応力の両方が発生するように使用する場合には、図2に示すように、繊維強化樹脂成形体の基準軸0°に対する、曲げで発生する引張応力と圧縮応力の方向は−30°〜30°の範囲がよく、−20°〜20°の範囲が好ましく、−10°〜10°の範囲がより好ましい。この範囲となるように繊維強化樹脂成形体を使用すれば、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を効率的に発現することができる。
図3に示すように、引張応力あるいは圧縮応力が作用するように前記繊維強化樹脂成形体を使用する際、繊維強化樹脂成形体の基準軸0°に対する該応力の方向は−30°〜30°の範囲がよく、−20°〜20°の範囲が好ましく、−10°〜10°の範囲がより好ましい。この範囲となるように繊維強化樹脂成形体を使用すれば、通常時の形状追随性、および、衝撃時の剛性を効率的に発現することができる。ただし、引張応力と圧縮応力が同時に発生する使い方をする場合、応力の大きい方を基準にして使用することが好ましい。つまり引張応力と圧縮応力が同時に発生する使い方をする場合、繊維強化樹脂成形体の基準軸0°に対して、応力の大きい方向が−30°〜30°の範囲となるように使用することが好ましい。
以下実施例を用いて本発明の詳細を説明する。各種測定方法、計算方法および評価方法は以下のとおりである。
<繊維配向角θの測定法>
図1に示す、具体的に成形体のX−Y面における繊維配向角θを測定する方法には特に制限はないが、以下例示する。
図1に示す、具体的に成形体のX−Y面における繊維配向角θを測定する方法には特に制限はないが、以下例示する。
1.成形体のY−Z面の断面観察あるいはX線CT画像よりシートの積層枚数を確認する。
2.各シートX−Y面内の任意の箇所(5cm角)における繊維配向角φ(−90°<φ≦90°)と各配向角における投影面積(繊維径が同じ場合は長さでも良い)を求める。繊維配向角φの基準軸0°はX−Y面内で任意に選ぶことができる。ここで、繊維の観察方法は成形体をX線CT透過観察して繊維画像を撮影する方法が例示できる。また成形体の表面を研磨して各シートの繊維を露出させることで、強化繊維を観察することもできる。さらに、成形体の各シートに透過光を利用して強化繊維を観察する方法が例示できる。この場合、成形体の各シートを薄くスライスすることで、より強化繊維を観察しやすくなるため好ましい。
3.全てのシートにおける繊維配向角と各配向角の繊維含有率を求める。各配向角の繊維含有率は各投影面積をトータル投影面積で割ることで計算できる。
4.繊維含有率が大きい方から配向角φ1とφ2に選び、(φ1+φ2)/2を繊維配向角θの基準軸0°とする。なお、φ1とφ2としては、少なくとも5°以上の差があるものを選択する。
5.任意の配向角θとφの変換は下記式でできる。ただしθ≦−90°の場合はθ+180°、θ>90°の場合はθ−180°転換する。
θ=φ−(φ1+φ2)/2 (−90°<θ≦90°)
<貯蔵弾性率Gr’測定法>
JIS K7244−7(2007)に準拠し、厚さ1mmの板状の樹脂成形体をダイヤモンドカッターで幅10mm、長さ30mmに切り出してサンプルを得た。サンプルを動的粘弾性測定装置(DMAQ800:TAインスツルメンツ社製、ARES)を用い、25℃、歪み量0.1%で、ねじり振動周波数0.1Hz〜50Hzの範囲の貯蔵弾性率Gr’(Pa)を捩りモードで測定した。
θ=φ−(φ1+φ2)/2 (−90°<θ≦90°)
<貯蔵弾性率Gr’測定法>
JIS K7244−7(2007)に準拠し、厚さ1mmの板状の樹脂成形体をダイヤモンドカッターで幅10mm、長さ30mmに切り出してサンプルを得た。サンプルを動的粘弾性測定装置(DMAQ800:TAインスツルメンツ社製、ARES)を用い、25℃、歪み量0.1%で、ねじり振動周波数0.1Hz〜50Hzの範囲の貯蔵弾性率Gr’(Pa)を捩りモードで測定した。
<粒子径の導出法>
粒子の個々の径は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6301NF)にて、粒子を1000倍で観察し、測長した。尚、粒子が真円でない場合は、長径をその粒子径として測定した。平均粒子径は、写真から無作為に選んだ100個の粒子直径を測長し、その算術平均を求めることにより算出した。
<形状追随性の評価>
繊維強化樹脂成形体の形状追随性の評価は、JIS K7074(1988)に準拠した曲げ剛性を基準に下記のとおり、3段階で評価した。曲げ剛性が小さい方が性能が良い。サンプル幅は20mmとする。
A:曲げ剛性が30kN・mm2未満。
B:曲げ剛性が30kN・mm2以上1000kN・mm2未満。
C:曲げ剛性が1000kN・mm2以上。
<衝撃時形状維持(変形抑制)持性の評価>
繊維強化樹脂成形体の衝撃時形状維持性の評価は、JIS K7084(1993)に準拠した曲げ剛性を基準に下記のとおり、3段階で評価した。曲げ剛性が大きい方が性能が良い。
A:曲げ剛性が70kN・mm2以上。
B:曲げ剛性が10kN・mm2以上70kN・mm2未満。
C:曲げ剛性が10kN・mm2未満。
<ダイラタンシー性の評価>
樹脂成形体の成形性の評価は、JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比(Eb2/Eb1)を基準に下記のとおり、3段階で評価した。Eb2/Eb1が大きい方が性能が良い。
A:Eb2/Eb1が5以上
B:Eb2/Eb1が2以上5未満
C:Eb2/Eb1が2未満
参考例1.樹脂1
DIC(株)製エポキシ樹脂EXA−4850−150を100質量部、三菱化学(株)製Dicy7を2.7質量部、保土谷化学(株)製DCMU99を3.0質量部混合した。樹脂100質量%における、樹脂の主鎖骨格に含まれる芳香環の合計の質量割合は39.8質量%であった。
参考例2.樹脂2
DIC(株)製エポキシ樹脂EXA−4850−150を95質量部、三菱化学(株)製“エピコート” 825を5質量部、三菱化学(株)製Dicy7を4.5質量部、保土谷化学(株)製DCMU99を3.0質量部混合した。反応前の主鎖骨格に含まれる芳香環の質量割合は41.1質量%であった。
参考例3.樹脂3 脂肪族エポキシ
ナガセケムテックス(株)製“デナコール”(登録商標)EX−850を100質量部、三菱化学(株)製Dicy7を9.8質量部、保土谷化学(株)製DCMU99を3.0質量部混合した。反応前の主鎖骨格に含まれる芳香環(フェニレン基)の質量割合は0質量%であった。
参考例4.樹脂4 シリコーンゴム
信越化学工業株式会社製のシリコーンゴム((KE-1031-A/B))を使用した。
参考例5.フィラー1
昭和電工株式会社製のアルミナ粒子(CB-P02)を使用した。
参考例6.炭素繊維
PANを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単繊維数12、000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示すとおりであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:0.8g/m
比重:1.8
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
単位長さ当たりの質量:0.8g/m
比重:1.8
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
参考例7.炭素繊維織物
東レ株式会社製の炭素繊維平織物(CO6343B、炭素繊維:T300B-3K)を使用した。
(実施例1)
参考例7の炭素繊維織物および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となるシート(厚さ0.25mm)を作製した。得られたシートを[(45/-45)]4Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例2)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[45/-45/90/90/90/90]Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例3)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例4)
参考例6の炭素繊維および参考例2の樹脂2を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例5)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30/90/90/90/90]Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例6)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]12Sの構成で積層し、8mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例7)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]16Sの構成で積層し、11mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例8)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[10/-10]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例9)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[10/-10/90/90/90/90]Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例10)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[0/0/90/90/90/90]Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(実施例11)
参考例1の樹脂1と参考例5の粒子1の体積割合が1:1となるように混合し、均一になるまで混練した。得られた混合物と参考例6の炭素繊維を使用して繊維含有率が45体積%の一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。シートを[30/-30]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(比較例1)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[0]30の構成で積層し、5mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(比較例2)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[60/-60]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(比較例3)
参考例6の炭素繊維および参考例1の樹脂1を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[70/-70]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(比較例4)
参考例6の炭素繊維および参考例3の樹脂3を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
(比較例5)
参考例6の炭素繊維および参考例4の樹脂4を使用して繊維含有率が45体積%となる一方向シート(厚さ0.17mm)を作製した。得られたシートを[30/-30]3Sの構成で積層し、2mmの平板をオートクレーブ成形した。成形条件は、3気圧、昇温速度3℃/分、160℃で60分間ホールドとした。得られた繊維強化樹脂成形体の特性および評価結果を表に示す。
本発明の樹脂成形体は、スポーツ用途、一般産業用途に好適に用いられる。より具体的には、義肢装具、肘や膝、腰のサポータ等に好適に用いられる。
Claims (19)
- 強化繊維(A)とマトリックス樹脂(B)からなり、
強化繊維(A)は、少なくとも2方向に配向しており、
基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が45°以下である強化繊維を、強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含み、
マトリックス樹脂(B)の、JIS K7244−7(2007)に準拠した、25℃における周波数1Hzでの貯蔵弾性率Gr’(1Hz)および周波数50Hzでの貯蔵弾性率Gr’(50Hz)が、下記式(1)〜(3)を満たす繊維強化樹脂成形体。
Gr’(50Hz)/Gr’(1Hz)≧8 (式1)
Gr’(50Hz)≧10MPa (式2)
Gr’(1Hz)≦1GPa (式3) - 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以上40°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において10体積%以上含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体。
- 基準軸0°に対する繊維配向角θの絶対値が5°以下である強化繊維を、前記強化繊維(A)100体積%において40体積%以下含む、請求項1あるいは2に記載の繊維強化樹脂成形体。
- JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1とJIS K7084(1993)に準拠した衝撃曲げ弾性率Eb2の比、Eb2/Eb1が2以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- JIS K7074(1988)に準拠した曲げ弾性率Eb1が10GPa以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- JIS K7084(1993)に準拠した曲げ弾性率Eb2が0.8GPa以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 厚さが0.1mm以上10mm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記Gr’(50Hz)が100MPa以上である請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記Gr’(1Hz)が100MPa以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- マトリックス樹脂(B)が熱硬化性エポキシ樹脂である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記熱硬化性エポキシ樹脂100質量%における、前記熱硬化性エポキシ樹脂の主鎖の芳香環の合計量が、40〜70質量%である請求項10に記載の繊維強化樹脂成形体。
- マトリックス樹脂(B)100体積%に対してフィラーを10〜50体積%含む、請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記強化繊維(A)が炭素繊維である、請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記強化繊維(A)が連続繊維である、請求項1〜13のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記強化繊維(A)が少なくとも一方向に配向したシートが2層以上重なった、請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記シートの厚みが0.05mm以上である、請求項15に記載の繊維強化樹脂成形体。
- 積層方向において、前記シートの繊維角度が実質的に対象である、請求項15又は16に記載の繊維強化樹脂成形体。
- 前記繊維強化樹脂成形体の前記基準軸0°に対して±30°以内の方向に圧縮応力と引張応力の両方が発生するようにして使用する、請求項1〜17のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
- 前記繊維強化樹脂成形体に引張応力あるいは圧縮応力が加わる際に、該応力が前記基準軸0°に対して±30°以内の方向となるように配置して使用する、請求項1〜18のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の使用方法。
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