JP2017099610A - いびき防止寝具 - Google Patents

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隆 大沼
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Abstract

【課題】電源や大掛かりな装置を必要とせずに、効果的にいびきを防止できる新規ないびき防止寝具の提供。
【解決手段】仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持する上部寝具体10と、仰向け状態の就寝者の臀部を支持する下部寝具体20と、上部寝具体10と下部寝具体20とを連結する連結帯30とを備える。これによって、上部寝具体10が仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持することによって電源や大掛かりな装置を必要とせずに就寝者の上気道を確保していびきの発生を効果的に防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、就寝中のいびきを防止するための寝具に関するものである。
従来、就寝中のいびきを防止するためには、マスク、鼻クリップ、枕などの小道具を用いる方法や、薬や手術などの医学的な解決方法が知られているが、その他に寝具自体に工夫を施した方法が提案されている。例えば特許文献1には、ベッドに設けた空気袋を膨らませて就寝者の体位を変換させることでいびきを防止するようにした技術思想が開示されている。また、特許文献2には、仰臥状態にある人の体位を流体袋で横向きに傾斜させることでいびきの発生を防止する方法が開示されている。さらに、特許文献3や4には、仰臥した利用者の身体を左右にローリングすることでいびきの発生を防止する方法が開示されている。
特開2006−20722公報 特開2011−143237号公報 特開2014−121442号公報 特開2015−77180号公報
しかしながら、前述したような従来から提案されているいびき防止用の寝具(装置)は、例えば就寝者の状況を監視して適宜、空気袋や流体袋を強制的に膨張、収縮させるように電子制御するものであるため、各種センサーや専用のポンプ、各種電子制御機器などが必要となって装置が大掛かりとなり、コスト高となる。また、装置を動かすための電源も必要となるため、運転費用もかかるという問題がある。さらに、就寝中に強制的に身体を動かされると目が覚めてしまい、熟睡できないおそれがある。
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、電源や大掛かりな装置を必要とせずに、効果的にいびきを防止できる新規ないびき防止寝具を提供することにある。
いびきの発生要因は、就寝時に舌のつけ根が奥へ下がり、そのまわりの筋肉も緩んでノド(上気道)が狭くなり、その状態で息を吸い込んだときに、上気道の周囲の粘膜などが大きく震えることで音が出るといわれている。この現象は、特に仰向け状態で寝たときに頻発することから、前述したような従来の防止寝具は、身体を強制的に左右方向(横向き)に動かして上気道が塞がらないように空気の流れを確保することでいびきを防止するようにしていると考えられる。
一方、仰向け状態で寝たときに酷いいきびをかく人であっても、例えばソファーで寝ているときのように上半身をやや起こした状態で寝ているときはいびきをかかなかったり、かいても小さいことがある。これは上半身をやや起こした状態のときには、舌の付け根やのど周りの筋肉の落ち込みが小さくなり、上気道が完全に塞がれなくなるからと考えられる。そのため、本出願人は就寝時に座布団などを敷いて上半身をやや起こした状態で就寝することを考え、実際に試したところ効果が認められたが、就寝中に身体が座布団からずれ落ちたりしてうまくいかないことが多かった。
前記課題を解決するために第1の発明は、仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持する上部寝具体と、前記仰向け状態の就寝者の臀部を支持する下部寝具体と、前記上部寝具体と下部寝具体とを連結する連結帯とを備えることを特徴とするいびき防止寝具である。
このような構成によれば、上部寝具体が仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持することによって電源や大掛かりな装置を必要とせずに就寝者の上気道を確保していびきの発生を効果的に防止することができる。そして、下部寝具体が上部寝具体上に仰向け状態で寝ている就寝者の臀部を支持すると共に、これらを連結帯で連結することで上部寝具体から就寝者がずれ落ちてしまうことも確実に防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記連結帯は、前記上部寝具体と下部寝具体間方向に連結・分離可能な複数の分割帯体からなることを特徴とするいびき防止寝具である。このような構成によれば、連結する分割帯体の数を増減するだけで上部寝具体と下部寝具体間の距離を簡単に調整できるため、就寝者の体格(身長)にかかわらず、すべての人に容易に適用することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記上部寝具体の左右縁部に、これより隆起するようにサイドガードを設けたことを特徴とするいびき防止寝具である。このような構成によれば、就寝中に就寝者の頭部や上半身が上部寝具体の横からずれ落ちたりするのを確実に防止できる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記上部寝具体に、枕を収納するためのポケットを備えたことを特徴とするいびき防止寝具である。このような構成によれば、好みの種類の枕や、硬さやサイズが異なる枕を自由に選択して使用することができる。
本発明によれば、上部寝具体が仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持することによって電源や大掛かりな装置を必要とせずに就寝者の上気道を確保していびきの発生を効果的に防止することができる。また、下部寝具体が、上部寝具体上に仰向け状態で寝ている就寝者の臀部を支持すると共に、これらを連結帯で連結することで上部寝具体から就寝者がずれ落ちてしまうことも確実に防止することができる。
本発明に係るいびき防止寝具100の実施の一形態を示す斜視図である。 本発明に係るいびき防止寝具100の分解斜視図である。 上部寝具体10のポケット12に枕40を装着した状態を示す斜視図である。 上部寝具体10と下部寝具体20との間の距離を調整した状態を示す側面図である。 本発明に係るいびき防止寝具100の作用(使用例)を示す概念図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るいびき防止寝具100の実施の一形態を示したものである。図示するようにこのいびき防止寝具100は、上部寝具体10と、下部寝具体20と、これらを連結する連結帯30とから主に構成されている。
上部寝具体10は、その上面S1が下部寝具体20方向に向かって真っ直ぐに傾斜したスロープ状になっており、例えばウレタンフォームのような弾力性のある素材から形成されている。さらに、この上部寝具体10の表面は、例えば肌触りの良いベロア調生地などからなる表材で覆われており、袋状に縫製されたその表材内にウレタンフォームからなる中材が取り出し自在に収容されている。
また、この上部寝具体10の左右縁部には、これより長手方向に隆起するようにサイドガード11、11が設けられている。また、この上部寝具体10の上面S1には伸縮自在な生地からなるポケット12が形成されており、図3に示すように上面S1の上側から枕40が取り出し自在に収容できるようなっている。
ここで、この上部寝具体10のサイズとしては、少なくとも就寝者の肩幅よりも広ければ特に限定されるものではないが、例えば幅W1が約900mm、長さL1が約630mm、高さh1が約250mm程度が好ましい。また、スロープ状の上面S1は平面状が好ましいが、上方または下方に緩やかにカーブした形態であっても良い。さらに、サイドガード11、11の幅W2はそれぞれ100mm程度でその高さはスロープ状の上面S1から50mm程度が望ましい。
一方、下部寝具体20は、図示するように側面が直角三角形をした細長状のブロック体であり、上部寝具体10と同じく、例えばウレタンフォームのような弾力性のある中材を、ベロア調生地などからなる表材で覆った構造となっている。そして、直角三角形の斜辺にあたる面S2が上部寝具体10側に向くような状態で位置している。ここで、この下部寝具体20のサイズも特に限定されるものではないが、例えば幅W1が約900mm、長さL3が約240mm、高さh2が約180mm程度であることが好ましい。
他方、連結帯30は、この下部寝具体20と上部寝具体10を連結するものであり、複数の分割帯体32a、32b、32cから構成されている。これら分割帯体32a、32b、32cはそれぞれ線ファスナー31によって上部寝具体10と下部寝具体20間方向に互いに順次連結・分割可能となっている。これら各分割帯体32a、32b、32cの数やその長さは特に限定されるものではないが、本実施の形態では、3つの分割帯体32a、32b、32cから構成されており、上部寝具体10側から延びる第1の分割帯体32aが400mmと最も長く、第2の分割帯体32bおよび第3の分割帯体32がそれぞれ100程度の長さ(幅)となっている。
従って、図4に示すようにこれら3つの分割帯体32a、32b、32cをすべて連結したときの連結帯30全体の長さL2−1は、約600mmであるが、第2分割体32bを外して連結するとその全体の長さL2−2は、約500mmとなる。さらに、第3分割帯体32cを外して連結すると、その長さL2−3は、400mmとなる。
図5は、このような構造をした本発明のいびき防止寝具100の作用(使用例)を示したものである。本発明のいびき防止寝具100は、上部寝具体10側が上になるように既存のベッド(マットレス)や布団50の上にそのまま置いた状態でその上に就寝者が仰向けに寝ることで使用される。
すなわち、上部寝具体10のポケット12に収容された枕40に就寝者の後頭部を載せるような状態で仰向けに寝ることになる。すると、図示するように背中の部分が上部寝具体10のスロープ状の上面S1に当接することにより、上半身がやや起立した状態となる。さらに、腰のあたりが連結帯30に位置すると共に、臀部が下部寝具体20の傾斜した上面S2と当接して膝がやや立った状態となる。
このように上半身がやや起立するような状態(姿勢)で就寝することによって上気道が常に開くように作用するため、就寝時に舌のつけ根が奥へ下がったり、そのまわりの筋肉が緩んでも上気道が完全に塞がることがなくなって、いびきの発生を効果的に防止することができる。また、いびきと関連性が高いといわれている睡眠時無呼吸症候群(SAS)の軽減効果も期待できる。
さらに、図5に示すように常に就寝者の臀部が下部寝具体20によって体長方向に支持された状態となっているため、上半身が臀部方向にずれ落ちてその姿勢が崩れてしまうようなことがなくなり、就寝中はずっとその姿勢を維持することができる。また、上部寝具体10の左右縁部に、これより隆起するようにそれぞれサイドガード11,11を設けたことによって、就寝中に就寝者の頭部や上半身が上部寝具体11の横からずれ落ちたりすることも確実に防止することができる。
さらに、この上部寝具体10と下部寝具体20とを連結する連結帯30を、複数の複数の分割帯体32a、32b、32c、32cから構成することによって、連結する分割帯体の数や種類を適宜組み合わせて増減するだけで上部寝具体10と下部寝具体20間の距離を簡単に調整できる。この結果、就寝者の体格(身長)にかかわらず、例えば長身の男性から小柄な女性や子供まですべての人に適用することができる。
また、この上部寝具体10に、枕40を収納するためのポケット12を備えたことにより、好みの種類の枕や、硬さやサイズが異なる枕を自由に選択して使用することが可能となる。そして、本発明のいびき防止寝具100の場合は、例示した従来技術のような電源や大掛かりな装置を必要としないため、製造コストやランニングコストを低く抑えることができる。なお、本実施の形態では、この連結帯30を4つの分割帯体32a、32b、32c、32cで構成した例で説明したが、その数や長さはこれに限定されるものでないことは勿論である。
また、上部寝具体10のスロープ状の上面S1の傾斜角度も特に限定されるものではないが、例えば10°〜30°の範囲が望ましい。すなわち、この傾斜角が小さすぎると上上気道を開く作用が小さくなっていびきの発生を抑制できなくなり、反対に傾斜角が大きすぎると寝付きが悪くなったり、就寝時に体重が腰や臀部に集中したりして睡眠の質が低下するおそれがあるからである。また、本発明のいびき防止寝具100は、その表面が肌触りの良いベロア調生地などからなっているため、そのまま直接寝ても良いが、その上にシーツなどを覆ってから使用しても良く、その場合でも効果は殆ど変わらない。
100…いびき防止寝具
10…上部寝具体
11…サイドガード
12…ポケット
20…下部寝具体
30…連結体
31…線ファスナー
32a…第1分割帯体
32b…第2分割帯体
32c…第3分割帯体
40…枕
50…ベッド(マットレス)または布団
S1…上面(上部寝具体)
S2…上面(下部寝具体)

Claims (4)

  1. 仰向け状態の就寝者の上半身をやや起立させた状態で支持する上部寝具体と、前記仰向け状態の就寝者の臀部を支持する下部寝具体と、前記上部寝具体と下部寝具体とを連結する連結帯とを備えることを特徴とするいびき防止寝具。
  2. 請求項1に記載のいびき防止寝具であって、
    前記連結帯は、前記上部寝具体と下部寝具体間方向に連結・分離可能な複数の分割帯体からなることを特徴とするいびき防止寝具。
  3. 請求項1または2に記載のいびき防止寝具であって、
    前記上部寝具体の左右縁部に、これより隆起するようにサイドガードを設けたことを特徴とするいびき防止寝具。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のいびき防止寝具であって、
    前記上部寝具体に、枕を収納するためのポケットを備えたことを特徴とするいびき防止寝具。
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