JP2017099413A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] シルクペプチド、水溶性食物繊維及び糖質を含有することを特徴とする組成物である。
[2] 前記[1]の組成物は糖質がオリゴ糖及び糖アルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
[3] 前記[1]又は[2]の組成物はシルクペプチド、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び糖アルコールを含有することを特徴とする。
[4] 前記[1]〜[3]の組成物はシルクペプチドと水溶性食物繊維とを、1:5000〜0.01の範囲の質量比で含有することを特徴とする。
[5] 前記[1]〜[4]の組成物が、容器詰め飲料又はインスタント粉末飲料であることを特徴とする。
[6] 糖質の呈味が改善されることを特徴とする、前記[1]〜[5]に記載の組成物。
[7] シルクペプチドを有効成分とすることを特徴とする、呈味改善剤。
[8] さらに、水溶性食物繊維を含む前記[7]に記載の呈味改善剤。
[9] 糖質の呈味を改善することを特徴とする、前記[7]又は[8]に記載の呈味改善剤。
[10] 糖質がオリゴ糖及び糖アルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記[7]〜[9]に記載の呈味改善剤。
[11] 呈味改善剤において、シルクペプチドと水溶性食物繊維とを、1:5000〜0.01の範囲の質量比で含有することを特徴とする、前記[7]〜[10]に記載の呈味改善剤。
本発明による組成物は、前記したように、シルクペプチドと、水溶性食物繊維と、糖質とを含んでなる。
本発明のシルクペプチドは、原料となるシルク(例えば蚕の繭殻又は蚕糸などに由来するもの)を、例えば、アルカリ性物質、酸、中性塩及び界面活性剤などの化学薬品又はタンパク質分解酵素などによって加水分解することで生成したものを指す。本発明に使用するシルクペプチドは、市販されているものを使用してもよく、又は、シルクプロテインをそのまま微粉砕して得られるか、若しくは加水分解した後、粉砕して所望の分子量に調整したものを使用してもよい。また、その平均分子量は100〜10万に調製したものが好ましく、さらにその平均分子量は500〜1万であることがより好ましい。
また本発明の呈味改善剤は水溶性食物繊維を含み得る。水溶性食物繊維としては、特に制限はないが、例えば難消化性デキストリン、ペクチン、グアー豆酵素分解物、グアーガム、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸及びその塩、βグルカン、イヌリン、カラギーナン、フコイダン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。水溶性食物繊維としては、これらの中でも、後記実施例に示されているように、難消化性デキストリンを好適に用いることができる。
糖質としては、特に制限はないが、例えば砂糖、オリゴ糖、糖アルコール、甘味料、高甘味度甘味料、及びこれらの誘導体などが挙げられる。糖質としては、これらの中でも、オリゴ糖及び糖アルコールが好ましい。
オリゴ糖としては、特に制限はないが、例えばスクロース、ラクトース、トレハロース、麦芽糖、ツラノース、セロビオース、ラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノース、アカルボース、スタキオース、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、乳果オリゴ糖などが挙げられる。オリゴ糖としては、これらの中でも、後記実施例に示されているように、麦芽糖及びイソマルトオリゴ糖を好適に用いることができる。また、本発明においては、市販品を使用することができる。
糖アルコールとしては、特に制限はないが、例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール、エリスリトール、低糖化還元水飴、高糖化還元水飴、還元麦芽糖などが挙げられる。糖アルコールとしては、これらの中でも、後記実施例に示されているように、エリスリトール及び還元麦芽糖を好適に用いることができる。
本発明においては、シルクペプチドの他、必要に応じて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸(塩)類、無機酸(塩)類、色素類、乳化剤、保存料、甘味料、酸味料、塩等のその他調味料、増粘安定剤、油、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、果汁、エキス類、食物繊維、環状オリゴ糖、pH調整剤、キレート剤又は品質安定剤等の成分を単独で又は2種以上を併用して配合してもよい。
本発明の別の態様によれば、本発明はシルクペプチドを有効成分とする糖質の呈味改善剤という態様を取りうる。さらに、本発明の呈味改善剤は、シルクペプチドと水溶性食物繊維とを有効成分とする糖質の呈味改善剤という態様を取りうる。
シルクペプチドと水溶性食物繊維は、組成物に関する説明で記載したものと同様のものを使用することが出来る。
本発明においては、前記したように、糖質をシルクペプチドと共に使用することを特徴とする、糖質による呈味劣化を改善する方法が提供される。好ましくは、糖質をシルクペプチドと水溶性食物繊維と共に使用することを特徴とする、糖質による呈味劣化を改善する方法が提供される。すなわち、糖質を含む飲食品組成物の呈味を改善する方法である。
シルクペプチドと水溶性食物繊維は、組成物に関する説明で記載したものと同様のものを使用することが出来る。
材料
オリゴ糖として、市販されている麦芽糖およびイソマルトオリゴ糖を用意した。
糖アルコールとして、市販されているエリスリトールおよび還元麦芽糖を用意した。
水溶性食物繊維として、市販されている食物繊維含量が85%以上の難消化性デキストリンを用意した。
シルクペプチドは市販されているものを用意した。
上記の各材料を、表1〜4に示した配合割合に従って配合し、各飲食品組成物を調製した。
試験方法
前記(1)で得られた各飲食品組成物15gを、それぞれ水150mlに対して溶解させ、官能試験用の液状組成物を得た。
得られた液状組成物を官能評価した。官能評価は、20〜30代の男女6名による試飲により行った。
評価は試験毎に用意した複数の液状組成物の内から一つを選択し、その液状組成物を基準サンプルとして他の残りの液状組成物を評価パネルが飲み比べ、前者に対して後者が、以下の判定基準の各評価項目についてどのように感じられたかを、アンケートを使って評価した。このとき、基準の評価点を5点とし、基準サンプルと比べて良い場合の最高値を10点、基準サンプルと比べて悪い場合の最低値を0点とした。得られた各パネルの結果の平均をとり、各液状組成物の結果とした。
表1に記載の各サンプルを用いて、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールに、シルクペプチド、難消化性デキストリン、及びデキストリンのいずれかを組み合わせた場合、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールの呈味のあらわれ方に違いがあるのか確認した。
結果から、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールにシルクペプチドを組み合わせた場合、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールの呈味を改善するのに適していることがわかった。さらに、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールにシルクペプチドと難消化性デキストリンとを組み合わせて使用した場合、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールの呈味を改善するのに最も適していることがわかった。
表2に記載の各サンプルを用いて、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖に、シルクペプチド、難消化性デキストリン、及びデキストリンのいずれかを組み合わせた場合、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖の呈味のあらわれ方に違いがあるのか確認した。
結果から、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドを組み合わせた場合、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに適していることがわかった。さらに、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドと難消化性デキストリンとを組み合わせて使用した場合、イソマルトオリゴ糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに最も適していることがわかった。
表3に記載の各サンプルを用いて、麦芽糖及び還元麦芽糖に、シルクペプチド、難消化性デキストリン、及びデキストリンのいずれかを組み合わせた場合、麦芽糖及び還元麦芽糖の呈味のあらわれ方に違いがあるのか確認した。
結果から、麦芽糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドを組み合わせた場合、麦芽糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに適していることがわかった。さらに、麦芽糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドと難消化性デキストリンとを組み合わせて使用した場合、麦芽糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに最も適していることがわかった。
表4に記載の各サンプルを用いて、麦芽糖及びエリスリトールに、シルクペプチド、難消化性デキストリン、及びデキストリンのいずれかを組み合わせた場合、麦芽糖及びエリスリトールの呈味のあらわれ方に違いがあるのか確認した。
結果から、麦芽糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドを組み合わせた場合、麦芽糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに適していることがわかった。さらに、麦芽糖及び還元麦芽糖にシルクペプチドと難消化性デキストリンとを組み合わせて使用した場合、麦芽糖及び還元麦芽糖の呈味を改善するのに最も適していることがわかった。
(1)の各材料と同様に、オリゴ糖として、市販されている麦芽糖およびイソマルトオリゴ糖を用意した。 糖アルコールとして、市販されているエリスリトールを用意した。 水溶性食物繊維として、市販されている食物繊維含量が85%以上の難消化性デキストリンを用意した。シルクペプチドは市販されているものを用意した。
上記の各材料を、表10〜12に示した配合割合に従って配合し、各飲食品組成物を調製した。
前記(3)で得られた各飲食品組成物15gを、それぞれ水150mlに対して溶解させ、官能試験用の液状組成物を得た。
得られた液状組成物を官能評価した。官能評価は、20〜30代の男女6名による試飲により行った。
評価は試験毎に用意した複数の液状組成物の内から一つを選択し、その液状組成物を基準サンプルとして他の残りの液状組成物を評価パネルが飲み比べ、前者に対して後者が、よりおいしく感じるか、同等程度か、もしくはよりまずく感じるかについてアンケートをとり、各液状組成物の結果とした。
表10に記載の各サンプルを用いて、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールの呈味を改善する上で、シルクペプチドと難消化性デキストリンの配合比がどのように影響を及ぼすかを検討した。
結果から、イソマルトオリゴ糖及びエリスリトールの呈味を改善する際にはシルクペプチドと難消化性デキストリンには、適切な配合比が存在することがわかった。イソマルトオリゴ糖とエリスリトールが重量比20:50の場合、シルクペプチドと難消化性デキストリンは配合比が1:299〜0.03であることが好ましく、さらに配合比が1:29〜0.03であることが好ましく、特に1:29〜0.5であることが好ましいことが分かった。
表11に記載の各サンプルを用いて、麦芽糖の呈味を改善する上で、シルクペプチドと難消化性デキストリンの配合比がどのように影響を及ぼすかを検討した。
結果から、麦芽糖の呈味を改善する際にはシルクペプチドと難消化性デキストリンには、適切な配合比が存在することがわかった。麦芽糖が50重量部の場合、シルクペプチドと難消化性デキストリンは配合比が1:4999〜1.5であることが好ましく、さらに配合比が1:4999〜4であることが好ましく、特に1:499〜4であることが好ましいことが分かった。
表12に記載の各サンプルを用いて、エリスリトールの呈味を改善する上で、シルクペプチドと難消化性デキストリンの配合比がどのように影響を及ぼすかを検討した。
結果から、エリスリトールの呈味を改善する際にはシルクペプチドと難消化性デキストリンには、適切な配合比が存在することがわかった。エリスリトールが65重量部の場合、シルクペプチドと難消化性デキストリンは配合比が1:34〜0.15であることが好ましく、さらに配合比が1:6〜0.15であることが好ましく、特に1:6〜0.4であることが好ましいことが分かった。
下記処方例に記載の配合比に従って原料を混合し、容器詰め飲料を製造した。
なお下記処方例では、エリスリトールとイソマルトオリゴ糖と難消化性デキストリンとシルクペプチドの配合比は、6:2:2:1であり、シルクペプチドの質量(1質量部)に対するエリスリトールとイソマルトオリゴ糖との合計量は、8倍量であった。
下記処方例に記載の配合比に従って原料を混合し、インスタント粉末飲料を製造した。
なお下記処方例では、麦芽糖と難消化性デキストリンとシルクペプチドの配合比(配合比)は、50:44:1であり、シルクペプチドの質量(1質量部)に対する麦芽糖の配合量は、50倍量であった。
Claims (2)
- シルクペプチドを0.001質量%以上含有し、さらに水溶性食物繊維とオリゴ糖を含有することを特徴とするシルクペプチド含有食品。
- 食品が、容器詰め飲料又はインスタント粉末飲料であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
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