JP2017098115A - 電池ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】被拘束部材をより安定して定寸拘束できる電池ユニットを提供する。
【解決手段】電池ユニット10は、交互に積層された複数の電池セル14および樹脂枠16を含むセルスタック12と、前記セルスタック12を予め規定された規定位置に収容するロアケース30と、を備え、前記ロアケース30および樹脂枠16の一方が永久磁石26を含み、他方が磁性体を含み、前記永久磁石26は、前記規定位置に前記セルスタック12を配した際に、前記磁性体と対向する位置に配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の単電池および絶縁体が交互に積層された積層体と、この積層体を収容するケースと、を備えた電池ユニットに関する。
複数の単電池および絶縁体を交互に積層した積層体を有した電池ユニットが知られている。積層体は、ケース内に固定され、収容される。積層体をケースに安定して固定するには、積層体を構成する単電池や絶縁体の相互の動きを規制する必要がある。
例えば、特許文献1には、電池セル(単電池)と絶縁板(絶縁部材)とを交互に積層して積層体を構成し、この積層体を固定部材で固定する構成が開示されている。固定部材は、長さが一定(定寸)で、両端が積層体の積層方向両端に連結される金属製バンドである。定寸の金属製バンドが積層方向両端に連結されることで、積層体には、積層方向かつ圧縮方向の力がかかることになる。そして、この圧縮方向の力により、積層体を構成する単電池や絶縁体の相互の動きが規制される。
特開2013−242979号公報
ところで、ケースに収容される積層体は、予め規定された寸法を維持した状態で相互の動きが規制(拘束)されること、すなわち、定寸拘束されることが望ましい。一方、積層体を構成する単電池や絶縁体等には、微小ながらも寸法のばらつき、いわゆる部品公差がある。定寸拘束を実現するためには、こうした部品公差を吸収することが必要となる。そこで、例えば、積層体のバネ定数を低下(低バネ化)させることが考えられる。積層体が低バネ化すれば、積層体が、部品公差を吸収するべく変形するため、積層体の寸法のばらつきを吸収できる。
しかしながら、積層体を低バネ化させると、剛性が低くなり、圧縮方向の力のみで、安定して拘束することが困難になる。例えば、低バネ化した積層体を、圧縮方向の力のみで拘束した場合、積層体に振動が発生した際、その振幅が大きくなる。この場合、各単電池に設けられた端子や、当該端子間を連結するバスバーに大きな負荷がかかり、これら部品の劣化を招くおそれがあった。
そこで、本発明では、積層体をより安定して定寸拘束できる電池ユニットを提供することを目的とする。
本発明の電池ユニットは、交互に積層された複数の単電池および絶縁体を含む積層体と、前記積層体を予め規定された規定位置に収容するケースと、を備え、前記ケースおよび絶縁体の一方が第1磁石を含み、他方が磁性体または第2磁石を含み、前記第1磁石は、前記規定位置に前記積層体を配した際に、前記磁性体または第2磁石と対向する位置に配されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、ケースおよび絶縁体の一方に設けられた磁石と、他方に設けられた磁性体と、が対向配置されているため、磁気吸引力により絶縁体および当該絶縁体で挟持された単電池の動きが規制される。結果として、被拘束部材である積層体(単電池および絶縁体を含む電池スタック)をより安定して定寸拘束できる。
本発明の実施形態である電池ユニットの縦断面図である。 セルスタックの一部斜視図である。 図1のX−X線でのセルスタックの概略断面図である。 他の電池ユニットの縦断面図である。 従来技術におけるセルスタックの概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である電池ユニット10の縦断面図である。また、図2は、セルスタック12の一部斜視図であり、図3は、図1のX−X線でのセルスタック12の概略断面図である。
電池ユニット10は、並行に並んだ二つのセルスタック12を有している。セルスタック12は、単電池である電池セル14と、絶縁体である樹脂枠16と、を交互に複数積層して構成される。電池セル14は、充放電可能な二次電池、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等である。電池セル14は、略直方体形状となっている。電池セル14の上面からは、二つの円柱状のセル端子18、すなわち、正極端子18pおよび負極端子18nが突出している。なお、以下の説明において、正極端子18pと負極端子18nとを区別しない場合は、単に「セル端子18」と呼ぶ。
正極端子18pおよび負極端子18nは、幅方向に間隔を開けて設けられている。複数の電池セル14は、図2に示すように、一つの電池セル14の正極端子18pに、隣接する電池セル14の負極端子18nが隣り合うように、交互に向きを入れ替えて積層される。隣り合う正極端子18pおよび負極端子18nは、バスバー20により、電気的かつ機械的に接続されている。バスバー20は、導電性材料、例えば銅等からなる略直方体形状の板材である。各バスバー20は、隣り合う電池セル14の正極端子18pおよび負極端子18nが挿通される一対の貫通孔を有している。かかる貫通孔に、正極端子18pおよび負極端子18nを挿通させることで、隣り合う電池セル14の正極端子18pと負極端子18nとが電気的かつ機械的に接続される。そして、かかるバスバー20で全てのセル端子18を電気的に接続することで、複数の電池セル14が直列に接続される。
電池セル14と電池セル14との間には、樹脂枠16が配されている。樹脂枠16は、絶縁性材料、例えば、樹脂等からなる部材で、略矩形の平板部22と、当該平板部22の周縁から積層方向に張り出す枠部24と、を備えている。平板部22は、電池セル14間に介在する略平板状部位である。この平板部22の表面および裏面には、厚み方向に立脚する複数のリブが設けられている。この複数のリブで仕切られた空間は、冷却風が流れる冷却風流路となる。
枠部24は、平板部22の周縁から積層方向に突出する壁である。枠部24は、対応する電池セル14の上下面および側面の一部を覆うことで、電池セル14の面方向および上下方向の動きを規制する。本実施形態では、この枠部24の底部を構成する底壁24aに、二つの永久磁石26を埋め込んでいる。二つの永久磁石26は、幅方向に間隔を開けて配置されている。この永久磁石26の埋め込みを可能にするために、底壁24aを部分的に肉厚にするとともに、当該肉厚部分に厚み方向に貫通する収容孔を形成している。
こうした永久磁石26は、例えば、樹脂枠16を射出成型した後に収容孔に永久磁石26を挿入するアウトサート方式で埋め込むことができる。また、別の形態として、樹脂枠16の金型内に予め永久磁石26をセットした状態で樹脂を流し込むインサート成型で、永久磁石26を埋め込んでもよい。また、本実施形態では、永久磁石26を、樹脂枠16の幅方向端部近傍に配置しているが、永久磁石26は、ロアケース30の底面と近接できるのであれば、他の位置に設けられてもよい。また、永久磁石26の個数は、1個でもよいし、3個以上でもよい。
こうした樹脂枠16は、バネ定数が比較的小さくなるような材質および形状になっている。樹脂枠16のバネ定数を低くしているのは、セルスタック12全体の積層方向の寸法を一定に保つためである。すなわち、樹脂枠16や電池セル14には、微小な寸法のばらつき、いわゆる、部品公差が存在するが、樹脂枠16を低バネ化して、弾性変形しやすくすることで、こうした部品公差が吸収できる。そして、部品公差が吸収できることで、セルスタック12全体の寸法を一定に保つことができる。
二つのセルスタック12は、ユニットケース内の予め規定された位置に収容され、固定される。ユニットケースは、セルスタック12が載置されるロアケース30と、ロアケース30の上部開口を覆うアッパーカバーと、に大別される。なお、図1では、アッパーカバーの図示を省略している。
本実施形態のロアケース30は、ケイ素鋼や、鉄等の磁性材料からなる。ロアケース30は、幅方向両端が上方に向かって折りあげられた断面略コ字状であり、金属製薄板にプレス加工を施すことで成形される。ロアケース30の底部は、セルスタック12が載置される載置面として機能する。ただし、本実施形態では、ロアケース30の底部のうち、セルスタック12の幅方向中央付近と対向する部分は、下方に窪ませている。そのため、ロアケース30の底部は、セルスタック12の幅方向両端近傍にのみ接触して支持する構成となっている。
ロアケース30の底部には、部分的に窪ませることにより形成される二列の溝32が設けられている。この二列の溝32は、いずれも、積層方向に延びている。ロアケース30内にセルスタック12を載置した際、この溝32の上部開口は、樹脂枠16の底壁24aにより閉鎖され、ロアケース30と底壁24aとの間には、積層方向に延びる空間が形成される。この空間は、電池セル14を冷却する冷却風または電池セル14から発生したガスが通る流路となる。
ここで、既述した通り、樹脂枠16の底部には、永久磁石26が配され、ロアケース30は、磁性材料からなる。そのため、ロアケース30内に樹脂枠16を配置すると、永久磁石26の磁気吸引力により樹脂枠16がロアケース30に吸引保持される。また、樹脂枠16の位置が固定されることにより、当該樹脂枠16で挟持された電池セル14の上下方向および積層方向の動きも規制される。結果として、セルスタック12を構成する複数の樹脂枠16および電池セル14が、互いに拘束されるとともに、ロアケース30の規定位置に固定されることになる。
次に、以上のような構成とする理由について従来術と比較して説明する。図5は、従来技術におけるセルスタック12の概略構成を示す図である。従来の電池ユニットでも、複数の電池セル14および樹脂枠16を交互に積層したセルスタック12が設けられていた。セルスタック12の積層方向両端には、金属等の高剛性の材料からなるエンドプレート40が配されている。セルスタック12を構成する複数の電池セル14および樹脂枠16の相互の動きを拘束する場合には、セルスタック12を挟持する一対のエンドプレート40に、拘束バンド42の両端をボルト締結する。拘束バンド42は、無負荷状態におけるエンドプレート40付きのセルスタック12よりも僅かに短くなっている。そのため、拘束バンド42の両端を、一対のエンドプレート40にボルト締結すると、セルスタック12には、積層方向圧縮方向の力(圧縮力)が作用する。そして、この圧縮力を受けて、電池セル14および樹脂枠16は、互いに密着し、大きな摩擦力が発生する。そして、この摩擦力により、電池セル14および樹脂枠16の相互の動きが規制され、拘束される。
ここで、従来技術では、振動が生じても拘束された電池セル14および樹脂枠16が相互に変位しないように、電池セル14および樹脂枠16の剛性やバネ定数を比較的高くしていた。しかし、電池セル14および樹脂枠16のバネ定数が高いと、セルスタック12全体の寸法が一定に保ちにくいという別の問題を招いていた。すなわち、セルスタック12を構成する複数の電池セル14および樹脂枠16には、僅かながらも寸法のばらつき、いわゆる部品公差が存在している。こうした部品公差を有する電池セル14および樹脂枠16を複数積層していくと、部品公差が積算されていく。そして、結果として、セルスタック12全体の積層方向の寸法に、比較的、大きな誤差が発生することがあった。
そこで、本実施形態では、セルスタック12の寸法を一定に保つために、樹脂枠16のバネ定数を比較的小さくしている。樹脂枠16のバネ定数を低くすることにより、樹脂枠16が、比較的容易に変形し、部品公差を吸収できる。しかし、樹脂枠16のバネ定数を低くした状態で、従来技術と同様に圧縮力で、電池セル14および樹脂枠16を拘束すると、電池セル14および樹脂枠16が振動しやすいという新たな問題を招く。すなわち、樹脂枠16のバネ定数が低いと、拘束バンド42で拘束しても、振動発生時における電池セル14および樹脂枠16の振幅が大きくなる。そして、電池セル14および樹脂枠16の振幅が大きくなると、電池セル14間を接続するバスバー20や、当該バスバー20が連結されるセル端子18への負荷が大きくなり、劣化や破損を招くおそれがあった。
そこで、本実施形態では、複数の電池セル14および樹脂枠16を、拘束バンド42による圧縮力ではなく、磁力により拘束している。すなわち、既述した通り、本実施形態では、樹脂枠16の底部に永久磁石26を設けるとともに、ロアケース30を磁性材料で構成している。かかる構成とすることで、樹脂枠16がロアケース30に磁気吸引されるため、振動が生じても、また、樹脂枠16のバネ定数が低くても、樹脂枠16は、殆ど変位しない。また、樹脂枠16が変位しないことで、当該樹脂枠16で挟持された電池セル14の変位も小さくなる。結果として、バスバー20やセル端子18への負荷を低減できる。つまり、本実施形態によれば、樹脂枠16を低バネ化しても、セルスタック12の寸法を一定に保ったまま電池セル14および樹脂枠16を安定して拘束できる。
また、磁力を利用する本実施形態によれば、従来技術で用いていた拘束バンド42やエンドプレート40を、廃止することができる。結果として、電池ユニット10の構成を簡易化でき、コストも低減できる。なお、当然ながら、拘束バンド42やエンドプレート40は、必ずしも廃止する必要はなく、拘束力の補強や、セルスタック12をロアケース30に配置する前の仮拘束等の目的で用いてもよい。磁力に加え、拘束バンド42等を用いた圧縮力も利用して、被拘束部材を拘束することで、電池セル14および樹脂枠16の相互の動きをより確実に制限できる。また、磁力のみで電池セル14および樹脂枠16を拘束する場合、セルスタック12をロアケース30内に収容するまで、樹脂枠16および電池セル14を拘束することができない。そこで、ロアケース30に収容する前の段階では、エンドプレート40や拘束バンド42を用いて、セルスタック12が定寸になるように、当該セルスタック12に圧縮力を付与して、仮拘束してもよい。この場合、仮拘束したセルスタック12を、ロアケース30に配置した後、拘束バンド42等を取り外してもよいし、そのまま残してもよい。いずれにしても、磁力を利用して拘束することで、樹脂枠16を低バネ化しても、電池セル14および樹脂枠16の振動による変位を防止できる。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、樹脂枠16およびケースの一方に永久磁石26、他方に磁性体または別の磁石が設けられるのであれば、他の構成でもよい。例えば、図4に示すように、ロアケース30に永久磁石26を、樹脂枠16に磁性体を設けてもよい。図4の例では、ロアケース30は、非磁性体、例えば、アルミニウム等からなる。ロアケース30のうち、樹脂枠16との近接位置には、積層方向に延びる収容孔が形成されており、当該収容孔に永久磁石26が埋設されている。また、樹脂枠16の底部にも、積層方向に延びる収容孔が形成されており、この収容孔に磁性材料からなる金属製バンド28(磁性体)が挿通されている。かかる構成とすることで、樹脂枠16とロアケース30との間に磁気吸引力が発生し、樹脂枠16の動きが規制される。結果として、樹脂枠16および電池セル14がより安定して拘束される。また、別の形態として、樹脂枠16およびロアケース30の双方に永久磁石を配してもよい。この場合、樹脂枠16に設けられた永久磁石と、ロアケース30に設けられた永久磁石は、互いに磁気吸引力が発揮するように、互いに異なる極が向かい合うように配置する。
また、これまでの説明では、樹脂枠16またはロアケース30の底面に、永久磁石26を設けているが、永久磁石26や磁性体は、樹脂枠16と電池ケースとが近接する位置であれば、他の位置に設けられてもよい。例えば、電池ユニットの中には、樹脂枠16の天面または側面から、アッパーカバーの天面、またはロアケース30の側面に当接する一対の突起を突出させたものがある。かかる電池ユニット10では、一対の突起と、アッパーカバーの天面またはロアケース30の側面と、で囲まれる空間を、冷却風や、電池セル14から生じるガスの流路として利用する。かかる構成の電池ユニット10では、突起の先端面に磁性体または永久磁石26を設け、アッパーカバーまたはロアケース30のうち突起との接触部分に永久磁石26または磁性体を配するようにしてもよい。
また、これまでの説明では、樹脂枠16のみを低バネ化しているが、樹脂枠16に加えて、または、替えて、電池セル14を低バネ化してもよい。また、部品公差が小さい場合には、樹脂枠16または電池セル14を低バネ化していなくてもよい。
10 電池ユニット、12 セルスタック、14 電池セル、16 樹脂枠、18 セル端子、18n 負極端子、18p 正極端子、20 バスバー、22 平板部、24 枠部、24a 底壁、26 永久磁石、28 金属製バンド、30 ロアケース、32 溝、40 エンドプレート、42 拘束バンド。

Claims (1)

  1. 交互に積層された複数の単電池および絶縁体を含む積層体と、
    前記積層体を予め規定された位置に収容するケースと、
    を備え、
    前記ケースおよび樹脂枠の一方が第1磁石を含み、他方が磁性体または第2磁石を含み、
    前記第1磁石は、前記規定位置に前記積層体を配した際に、前記磁性体または第2磁石と対向する位置に配されている、
    ことを特徴とする電池ユニット。
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