JP2017097516A - デバッグサポートシステム - Google Patents

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【課題】稼働中の制御プログラムを変更した試験対象の制御プログラムの動作確認を、試験用の特別な装置を準備することなく、低コストかつ高精度に行うことのできるデバッグサポートシステムを提供する。
【解決手段】制御コントローラ2は、実行周期毎に、操業中のプラント3を制御する制御プログラム(稼働中)11を実行周期よりも短い時間で実行し、制御プログラム(稼働中)11を変更した試験対象の制御プログラム(試験対象)12を実行周期中の制御プログラム(稼働中)11が実行されていない空き時間で実行する。両制御プログラムは、プラント3からの同じ状態信号21を入力とし、制御プログラム(試験対象)12の演算結果23のみがプラント3へ出力される。また、両制御プログラムの演算結果23と24は、エンジニアリングツール1へ出力される。エンジニアリングツール1は、演算結果23と24を同時にモニタリングする。
【選択図】図1

Description

この発明は、操業中のプラントを制御する制御コントローラの制御プログラムを改造する場合に、その動作確認の手間を低減するデバッグサポートシステムに関するものである。
従来、プラントを制御する制御コントローラの制御プログラムは、エンジニアリングツールで作成され、制御コントローラに転送(ダウンロード)される。転送された制御プログラムは、制御コントローラ内で実行される。制御プログラムの実行状態をエンジニアリングツールでモニタリングすることで、プログラマの意図通りに実行されていることが確認される。
制御プログラムを試験する場合、試験用に制御コントローラを準備し試験する方法(試験1)と、プラントに据え付けられた操業用の制御コントローラで試験をする方法(試験2)がある。
通常手順では、試験1を実施後、試験2を経て、操業プログラムとして稼働させる。同様の手順は、操業中のプラントを制御している制御プログラムを一部変更する場合にも行われている。試験2を実施するには、プラントの操業を停止させる必要があるため、短時間であることが望まれており、そのために、試験1を精度よく行う必要がある。
試験1を手軽に効率よく、精度よく実施する方法として、特許文献1に示すような制御対象(プラント動作)を模擬する装置や、特許文献2に示すようなプラントデータを収集・記録・再生するような装置が考案されている。
特開2008−242572号公報 特開2012−14584号公報
従来の方法では、試験1において、試験用の制御コントローラを準備する必要があり、また、試験用にプラント動作を模擬する装置(もしくは模擬するプログラム)が必要であった。これらの試験用の特別な装置を準備することは、容易ではなく、多くの時間的・設備的コストが費やされることになる。
これは、稼働中の制御コントローラの制御プログラムに対し変更を加え動作試験をする場合も同様であり、特に、変更内容が少量であった場合においては、設計や試験の時間コストに対して試験環境を構築するための時間コストの比率が大きくなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、試験用の特別な装置(プラントシミュレータやプラント情報記録・再生装置)を準備することなく、稼働中の制御プログラムを変更した試験対象の制御プログラムの動作確認を、時間的・設備的コストを抑えつつ、精度高く行うことのできるデバッグサポートシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、操業中のプラントを制御する制御コントローラと、前記制御コントローラに接続されるエンジニアリングツールとを備えるデバッグサポートシステムであって、
前記制御コントローラは、
実行周期毎に、操業中の前記プラントを制御する実制御プログラムを前記実行周期よりも短い時間で実行し、
前記実制御プログラムを変更した試験対象の試験対象制御プログラムを前記実行周期中の前記実制御プログラムが実行されていない空き時間に実行し、
前記実制御プログラムと前記試験対象制御プログラムは、前記プラントからの同じ状態信号を入力とし、前記実制御プログラムの演算結果は、前記プラントおよび前記エンジニアリングツールへ出力され、前記試験対象制御プログラムの演算結果は、前記エンジニアリングツールへ出力され、
前記エンジニアリングツールは、
前記試験対象制御プログラムを前記制御コントローラに転送し、
前記実制御プログラムの演算結果と前記試験対象プログラムの演算結果を同時にモニタリングすること、を特徴とする。
本発明によれば、操業中のプラントを制御する稼働中の制御コントローラの空きリソースを利用して試験対象制御プログラムを実行する。そのため、実制御プログラムによる操業中のプラントの制御に影響を与えることなく、操業中のプラントの状態信号を利用して試験対象制御プログラムの演算結果を得ることができる。すなわち、本発明によれば、稼働中の制御コントローラの空きリソースおよび操業中のプラントの状態信号を利用することで、試験環境を整える時間的・設備的コストを省くと共に、精度の高い試験を実施することができる。また、本発明によれば、実制御プログラムの演算結果と試験対象制御プログラムの演算結果を同時にモニタリングするため、両者を比較でき、試験効率を高めることもできる。
本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。 制御コントローラ2が実行する制御プログラムの実行スケジュールについて説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るシステムの変形例について説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るシステムが有する処理回路のハードウェア構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[デバッグサポートシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。図1に示すデバッグサポートシステムは、エンジニアリングツール1と、制御コントローラ2を備えている。エンジニアリングツール1は制御コントローラ2に接続しており、制御コントローラ2は制御対象である操業中のプラント3に接続している。
(制御コントローラ)
まず、制御コントローラ2の機能について説明する。
操業中のプラントを制御する制御コントローラ2は、実行周期毎にスケジュールに従って、プラント3の操業現場で実際の制御に用いられている制御プログラム(稼働中)11を実行する機能を有している。プラントからの状態信号21を入力とする制御プログラム(稼働中)11の演算結果は、制御信号22としてプラント3のアクチュエータ等の機器に出力される。
図2は、稼働中の制御コントローラ2が実行する制御プログラムの実行スケジュールについて説明するための図である。スケジュールには、制御コントローラ2が、制御プログラム(稼働中)11を一定時間(実行周期)内に1回実行するよう定義されている。制御プログラム(稼働中)11の実行時間は、実行周期よりも短く設定されている。このため、制御コントローラ2には、制御プログラム(稼働中)11が実行されていない空き時間が存在する。
この空き時間を利用して、制御プログラム(稼働中)11の一部を変更した試験対象のプログラムである制御プログラム(試験対象)12を実行すれば、制御プログラム(試験対象)12の動作確認のために特別な試験環境を用意することなく、手軽かつ精度高くプログラムの動作を確認することができる。
そこで、本実施形態のシステムでは、稼働中の制御コントローラ2の空きリソースを利用して、制御プログラム(試験対象)12を実行することとした。これにより、操業中のプラント3の動作に影響を与えることなく、操業中のプラント3の状態信号21を利用した制御プログラム(試験対象)12の動作確認を実現することとした。
制御コントローラ2は、実行周期毎にスケジュールに従って、プラント3の状態信号21を入力として制御プログラム(稼働中)11を実行し、演算結果である制御信号22をプラント3に出力することで稼働中のプラント3を制御している。図2に示すように、スケジュールには、制御プログラム(稼働中)11を実行した後、実行周期の空き時間において制御プログラム(試験対象)12を実行するよう定義されている。
制御プログラム(稼働中)11と制御プログラム(試験対象)12は、プラント3からの同じ状態信号21を入力とする。制御コントローラ2は、図2に示すスケジュールに従って、状態信号21を入力として制御プログラム(稼働中)11を実行した後、実行周期の空き時間において、状態信号21を入力として制御プログラム(試験対象)12を実行する。
制御プログラム(稼働中)11の演算結果23は、制御信号22としてプラント3へ出力されると共に、エンジニアリングツール1へも出力される。また、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24は、エンジニアリングツール1へのみ出力される。また、制御プログラム(稼働中)11および制御プログラム(試験対象)12に入力される状態信号21もエンジニアリングツール1へ出力される。
(エンジニアリングツール)
次に、エンジニアリングツール1の機能について説明する。
エンジニアリングツール1は、上述したスケジュールと制御プログラム(試験対象)12を作成し、制御コントローラ2に転送する機能を有する。また、エンジニアリングツール1は、制御コントローラ2から入力した状態信号21、制御プログラム(稼働中)11の演算結果23、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を同時にモニタリングする表示機能を有する。
この表示機能は、同じ入力情報(状態信号21)に対する制御プログラム(稼働中)11の演算結果23と制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を収集し、同じ演算結果となる信号と異なる演算結果となる信号を自動的に抽出し、トレンドグラフ等の比較表示を行う機能である。表示機能によれば、制御プログラム(稼働中)11の演算結果23と制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を容易に比較でき、制御プログラムの変更が仕様通りにされていることを効率よく確認できる。
好ましくは、実施の形態1のシステムは、図1に示すスイッチ31をさらに備えてもよい。スイッチ31は、制御プログラム(稼働中)11の演算結果23と、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24のいずれを制御信号22として外部(プラント3)へ出力するかを切り替える機能である。エンジニアリングツール1は、制御コントローラ2に対してスイッチ31を切り替える信号を出力する機能を備える。制御プログラム(試験対象)12のデバッグが完了した後に、スイッチ31を切り換えて、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を制御信号22として出力することで、プラント3を制御することが可能となる。
(処理フロー)
次に、上述したエンジニアリングツール1と制御コントローラ2を用いたデバッグサポートシステムの処理の流れについて説明する。まず、スケジュールと制御プログラム(試験対象)12がエンジニアリングツール1から転送(ダウンロード)される。
次に、制御コントローラ2は、実行周期毎にスケジュールに従って各制御プログラムを順次実行する。具体的には、制御コントローラ2は、プラント3からの状態信号21を入力し、状態信号21を入力として制御プログラム(稼働中)11が実行した後、実行周期の空き時間において、状態信号21を入力として制御プログラム(試験対象)12を実行する。
制御プログラム(稼働中)11の演算結果23は、制御信号22としてプラント3へ出力されると共に、エンジニアリングツール1へも出力される。また、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24は、エンジニアリングツール1へのみ出力される。また、制御プログラム(稼働中)11および制御プログラム(試験対象)12に入力される状態信号21もエンジニアリングツール1へ出力される。
各種信号がエンジニアリングツール1に出力された後、エンジニアリングツール1の表示機能は、蓄積された信号(プラント3からの状態信号21、制御プログラム(稼働中)11の演算結果23、制御プログラム(試験対象)12の演算結果24)を比較可能な状態で表示する。試験担当者は、表示内容に基づいて、制御プログラム(試験対象)12が仕様通りに動作しているか確認する。
(効果)
本発明によれば、操業中のプラント3を制御する稼働中の制御コントローラ2の空きリソースを利用して制御プログラム(試験対象)12を実行する。そのため、制御プログラム(稼働中)11による操業中のプラント3の制御に影響を与えることなく、操業中のプラント3の状態信号21を利用して制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を得ることができる。すなわち、本システムによれば、稼働中の制御コントローラ2の空きリソースおよび操業中のプラント3の状態信号21を利用することで、試験環境を整える時間的・設備的コストを省くと共に、精度の高い試験を実施することができる。また、本システムによれば、制御プログラム(稼働中)11の演算結果23と制御プログラム(試験対象)12の演算結果24を同時にモニタリングするため、両者を比較でき、試験効率を高めることもできる。
(変形例)
図3は、本発明の実施の形態1に係るシステムの変形例について説明するための図である。上述した実施の形態1のシステムにおいては、稼働中の制御コントローラ2の空き時間に、制御プログラム(稼働中)11と同等の実行時間を要する制御プログラム(試験対象)12を実行することとしている。しかしながら、空き時間が制御プログラム(試験対象)12の全体を実行するには不足する場合もありうる。制御プログラムを機能単位で実行/停止ができるエンジニアリングツール1と制御コントローラ2においては、図3に示すように、制御プログラム(試験対象)11が有する機能のうち、試験対象の機能のみを空き時間に実行させることとしてもよい。試験対象の機能は、制御プログラム(稼働中)11)に対して変更が加えられた機能である。これにより、空き時間が制御プログラム全体を実行するに十分でない場合においても、制御プログラム(試験対象)12の動作確認に最低限必要な試験を実施することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、制御プログラム(稼働中)11が本発明における「実制御プログラム」に、制御プログラム(試験対象)12が本発明における「試験対象プログラム」に、それぞれ相当している。
(ハードウェアの構成例)
エンジニアリングツール1と制御コントローラ2のハードウェア構成例について説明する。図4は、デバッグサポートシステムが有する処理回路のハードウェア構成を示す図である。
エンジニアリングツール1は、プロセッサ100、メモリ101を含む処理回路と、画面を備える表示部102を備えている。メモリ101には、エンジニアリングツール1の各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。プロセッサ100は、メモリ101に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能を実現する。表示機能による比較結果は表示部102に表示される。
制御コントローラ2は、プロセッサ200、メモリ201を含む処理回路を備えている。メモリ201には、制御プログラム(稼働中)11や制御プログラム(試験対象)12の他、制御コントローラ2の各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。プロセッサ200は、メモリ201に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能を実現する。
1 エンジニアリングツール
2 制御コントローラ
3 プラント
11 制御プログラム(稼働中)
12 制御プログラム(試験対象)
21 状態信号
22 制御信号
23 制御プログラム(稼働中)の演算結果
24 制御プログラム(試験対象)の演算結果
31 スイッチ
100、200 プロセッサ
101、201 メモリ
102 表示部

Claims (1)

  1. 操業中のプラントを制御する制御コントローラと、前記制御コントローラに接続されるエンジニアリングツールとを備えるデバッグサポートシステムであって、
    前記制御コントローラは、
    実行周期毎に、操業中の前記プラントを制御する実制御プログラムを前記実行周期よりも短い時間で実行し、
    前記実制御プログラムを変更した試験対象の試験対象制御プログラムを前記実行周期中の前記実制御プログラムが実行されていない空き時間に実行し、
    前記実制御プログラムと前記試験対象制御プログラムは、前記プラントからの同じ状態信号を入力とし、前記実制御プログラムの演算結果は、前記プラントおよび前記エンジニアリングツールへ出力され、前記試験対象制御プログラムの演算結果は、前記エンジニアリングツールへ出力され、
    前記エンジニアリングツールは、
    前記試験対象制御プログラムを前記制御コントローラに転送し、
    前記実制御プログラムの演算結果と前記試験対象プログラムの演算結果を同時にモニタリングすること、
    を特徴とするデバッグサポートシステム。
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