JP2017097110A - 位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】強度を低下させることなく、波長分散特性(DSP)が低減された位相差フィルムを提供する。【解決手段】シクロオレフィン系樹脂と、長軸と短軸とを有し、且つ前記長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子とを含む位相差フィルムであって、前記位相差フィルムに含まれる1種類以上の残留溶媒の、下記式(1)で表される合計双極子モーメントが1.3以下であり、且つ前記残留溶媒の合計含有量が30〜700ppmであり、Ro(450)/Ro(630)が0.82〜1.0であり、且つ引張弾性率が1.7〜3.0GPaである、位相差フィルム。【数1】(式(1)中、riは、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の全質量に対する残留溶媒iの重量分率であり、Miは、前記残留溶媒iの双極子モーメントであり、nは、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の種類の数であり、1以上の整数である)【選択図】なし

Description

本発明は、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、テレビ、ノートパソコン、及びスマートフォン等の液晶ディスプレイとして広く用いられている。液晶表示装置は、通常、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含み;偏光板は、偏光子と、保護フィルムとを含む。
保護フィルムを構成する材料として、セルロースエステル、ポリカーボネート及びシクロオレフィン系樹脂が知られている。これらの中でも、高い耐熱性と耐湿性とを有する観点から、シクロオレフィン系樹脂が好ましく用いられている。
保護フィルムは、偏光子を外部の水分や熱から保護すると共に、液晶表示装置の視認性を高めるために、位相差が調整されることがある。例えば、モバイル用途の液晶表示装置では、最も視認側に配置される保護フィルムは、波長分散性(DSP)が低減されていることが望まれる。
位相差の調整は、樹脂材料の種類、延伸条件、又は異方性を有する無機粒子の添加等によって行うことができる。中でも、製造工程がシンプルであることから、異方性を有する無機粒子の添加によって位相差を調整することが検討されている。
そのような位相差フィルムとして、(A)シクロオレフィン系樹脂と、(B)長径と短径を有し、且つ長径の屈折率が短径の屈折率よりも大きい針状無機粒子とを含む位相差フィルム(例えば特許文献1)、高分子媒体と、長軸と短軸とを有し、且つ長軸の屈折率が短軸の屈折率よりも小さい棒状の無機物を含む位相差フィルム(特許文献2)、及び長軸と短軸の屈折率が異なる針状粒子を含むセルロースエステルフィルム(特許文献3)等が知られている。
特開2005−227606号公報 特開2005−227427号公報 特開2008−281890号公報
しかしながら、特許文献1の針状無機粒子は、長軸方向の屈折率が短軸方向の屈折率よりも大きいことから、位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)を1.0以下に低減できるものではなかった。
一方、特許文献2及び3の針状無機粒子は、長軸方向の屈折率が短軸方向の屈折率よりも小さいことから、位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)を1.0以下に低減できるものの、位相差フィルムの強度が低いという問題があった。この原因は明らかではないが、以下のように推測される。即ち、針状無機粒子が部分的にスタック構造を形成して、脆く、衝撃に弱い領域を形成しやすい。その領域に亀裂が入ると、その周囲の領域が、亀裂が広がろうとする力に耐えられなくなると考えられる。そのような強度の低い位相差フィルムは、例えば偏光板の作製工程の搬送時等に破断を生じやすい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、強度を低下させることなく、波長分散Ro(450)/Ro(630)が1.0以下に低減された位相差フィルムを提供することを目的とする。
[1] シクロオレフィン系樹脂と、長軸と短軸とを有し、且つ前記長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子とを含む位相差フィルムであって、前記位相差フィルムは、1種類以上の残留溶媒を含み、
前記位相差フィルムに含まれる前記1種類以上の残留溶媒の、下記式(1)で表される合計双極子モーメントが1.3以下であり、且つ前記残留溶媒の合計含有量が30〜700ppmであり、下記式(2a)で表される、波長450nmにおける面内方向の位相差をRo(450)、波長630nmにおける面内方向の位相差をRo(630)としたとき、Ro(450)/Ro(630)が0.82〜1.0であり、且つ引張弾性率が1.7〜3.0GPaである、位相差フィルム。
Figure 2017097110
(式(1)中、
は、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の全質量に対する残留溶媒iの重量分率であり、
は、前記残留溶媒iの双極子モーメントであり、
nは、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の種類の数であり、1以上の整数である)
Figure 2017097110
(式(2a)中、
nxは、前記位相差フィルムの面内遅相軸方向の屈折率を表し、
nyは、前記面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
dは、前記位相差フィルムの厚み(nm)を表す)
[2] 前記針状無機粒子の長軸の平均長さが150nm以下であり、且つ平均アスペクト比が1.5以上である、[1]に記載の位相差フィルム。
[3] 前記双極子モーメントが1.5以下の残留溶媒を2種類以上含む、[1]又は[2]に記載の位相差フィルム。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法であって、1)シクロオレフィン系樹脂と、長軸と短軸とを有し、且つ前記長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子とを、双極子モーメントが1.5以下の溶媒を含む1種類以上の溶媒に溶解させてドープを得る工程と、2)前記ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程と、3)前記膜状物を乾燥させる工程と、
を含む、位相差フィルムの製造方法。
[5] 前記2)の工程と前記3)の工程との間に、4)前記膜状物を延伸する工程をさらに含む、[4]に記載の位相差フィルムの製造方法。
[6] 偏光子と、[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差フィルムとを含む、偏光板。
[7] 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、前記保護フィルムF1、F2、F3及びF4の少なくとも一つが、[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差フィルムである、液晶表示装置。
[8] 前記保護フィルムF1が、[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差フィルムである、[7]に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、強度を低下させることなく、波長分散Ro(450)/Ro(630)が1.0以下に低減された位相差フィルムを提供することができる。
斜め延伸装置のレールパターンの一例を示した概略図である。 液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式である。
前述の通り、長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子を含むシクロオレフィン系樹脂フィルムは、脆く、強度が低いという問題があった。これに対して本発明者らは、シクロオレフィン系樹脂フィルムを溶液流延製膜法で製造する際のドープの溶媒組成と乾燥条件を調整すること、具体的には、「位相差フィルムの残留溶媒の合計双極子モーメントが1.3以下」且つ「残留溶媒量が30〜700ppm」となるようにドープの溶媒組成や乾燥条件を調整することで、得られる位相差フィルムの強度の低下を抑制できることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。
即ち、シクロオレフィン系樹脂は極性が低いことから、極性が低い溶媒(双極子モーメントが小さい溶媒)中で高分子鎖がほぐれて広がりやすく、高分子鎖同士の絡み合いが促進されやすい。その結果、該スタック構造の周りの樹脂の引張弾性率が高められるので、フィルム全体の強度が高まると考えられる。特に、高分子鎖の絡まりが促進された状態で延伸をさらに行うと、当該高分子鎖の絡まりによって延伸応力が伝達されやすいので、高分子鎖が配向しやすく、樹脂の引張強度がより高められやすいと考えられる。
また、位相差フィルム中に溶媒が適度に残留していると、適度な柔軟性を有するので、引張弾性率が過剰に高まりすぎず、折り曲げによる破断等を抑制できると考えられる。
また、長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子を含むシクロオレフィン系樹脂フィルムは、延伸により面内方向の位相差Roが得られにくい傾向がある。シクロオレフィン系樹脂は、延伸方向と平行な方向に位相差Roを発現するのに対し;針状無機粒子は、延伸方向と直交する方向に位相差Roを発現するからである。これに対して本発明者らは、位相差フィルムの残留溶媒の合計双極子モーメントが1.3以下となるように、ドープの溶媒を選択することで、延伸による位相差Roの発現性も高めうることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。即ち、前述と同様に、製膜溶媒に合計双極子モーメントが小さい溶媒を使うことで、シクロオレフィン系樹脂の高分子鎖がほぐれ、未延伸状態での絡まりが助長される。その状態で延伸すると、当該高分子鎖の絡まりによって延伸応力が伝達されやすく、当該高分子鎖が配向しやすい。高分子鎖が配向しやすいので、位相差Roが発現しやすいと考えられる。
即ち、位相差フィルムに含まれる残留溶媒の合計双極子モーメントを1.3以下とし、且つ残留溶媒量を30〜700ppmとすることで、長軸方向の屈折率が短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子を含んでいても、フィルムの強度の低下が少なく、且つ良好な位相差Roを有する位相差フィルムを得ることができる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.位相差フィルム
本発明の位相差フィルムは、シクロオレフィン系樹脂と、針状無機粒子とを含む。
1-1.シクロオレフィン系樹脂
本発明の位相差フィルムに含まれるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン単量体の重合体、又はシクロオレフィン単量体とそれ以外の共重合性単量体との共重合体である。
シクロオレフィン単量体は、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体であることが好ましく、下記一般式(A−1)又は(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体であることがより好ましい。
Figure 2017097110
一般式(A−1)のR〜Rは、独立して水素原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、又は極性基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子となる場合を除き、RとRが同時に水素原子となるか、又はRとRが同時に水素原子となる場合はないものとする。
炭素原子数1〜30の炭化水素基は、炭素原子数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜5の炭化水素基であることがより好ましい。炭素原子数1〜30の炭化水素基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はケイ素原子を含む連結基をさらに有していてもよい。そのような連結基の例には、カルボニル基、イミノ基、エーテル結合、シリルエーテル結合、チオエーテル結合等の2価の極性基が含まれる。炭素原子数1〜30の炭化水素基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれる。
極性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基及びシアノ基が含まれる。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましい。
一般式(A−1)のpは、0〜2の整数を示す。位相差フィルムの耐熱性を高める観点では、pは、1〜2であることが好ましい。pが1〜2であると、得られる重合体が嵩高くなり、ガラス転移温度が向上しやすいからである。
Figure 2017097110
一般式(A−2)のRは、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。中でも、炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基がより好ましい。
一般式(A−2)のRは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子)を表す。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(A−2)のpは、0〜2の整数を表す。位相差フィルムの耐熱性を高める観点では、pは、1〜2であることが好ましい。pが1〜2であると、得られる重合体が嵩高くなり、ガラス転移温度が向上しやすいからである。
一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体は、得られる位相差フィルムにおいて針状無機粒子等の他の成分を偏在させやすい点から好ましい。その理由は明らかではないが、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体の置換基R及びRが、分子の対称軸に対して片側の環構成炭素原子のみに置換されているので、分子の対称性が低い。それにより、位相差フィルムの製膜時の溶媒揮発時に、シクロオレフィン系樹脂と他の成分同士の拡散運動が促進され、それに伴い他の成分の製膜フィルム表面への移動が促されるからであると考えられる。
一般式(A−2)で表される単量体の含有割合は、シクロオレフィン系樹脂を構成する全シクロオレフィン単量体の合計に対して例えば70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは100モル%としうる。一般式(A−2)で表される単量体を一定以上含むと、樹脂の配向性が高まるため、位相差値が上昇しやすい。従って、針状無機粒子の添加により低下する位相差を補填しやすい。
一般式(A−1)で表されるシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物1〜14に示し、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物15〜34に示す。
Figure 2017097110
シクロオレフィン単量体と共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロオレフィン単量体と開環共重合可能な共重合性単量体、シクロオレフィン単量体と付加共重合可能な共重合性単量体が含まれる。
開環共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンが含まれる。
付加共重合可能な共重合性単量体の例には、不飽和二重結合含有化合物、ビニル系環状炭化水素単量体、(メタ)アクリレートが含まれる。不飽和二重結合含有化合物の例には、炭素原子数2〜12(好ましくは2〜8)のオレフィン系化合物であり、その例には、エチレン、プロピレン、ブテンが含まれる。ビニル系環状炭化水素単量体の例には、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン系単量体が含まれる。(メタ)アクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜20のアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。
シクロオレフィン単量体と共重合性単量体との共重合体におけるシクロオレフィン単量体の含有割合は、共重合体を構成する全単量体の合計に対して例えば20〜80モル%、好ましくは30〜70モル%としうる。
シクロオレフィン系樹脂は、前述の通り、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体、好ましくは一般式(A−1)又は(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を重合又は共重合して得られる重合体であり、その例には、以下のものが含まれる。
(1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
(2)シクロオレフィン単量体とそれと開環共重合可能な共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加物
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)シクロオレフィン単量体のビニル系環状炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物
(7)シクロオレフィン単量体と(メタ)アクリレートとの交互共重合体
(1)〜(7)の重合体は、いずれも公知の方法、例えば特開2008−107534号公報や特開2005−227606号公報に記載の方法で得ることができる。例えば、(2)の開環共重合に用いる触媒や溶媒は、特開2008−107534号公報の段落0019〜0024に記載のものを使用できる。(3)及び(6)の水素添加に用いる触媒は、特開2008−107534号公報の段落0025〜0028に記載のものを使用できる。(4)のフリーデルクラフツ反応に用いる酸性化合物は、特開2008−107534号公報の段落0029に記載のものを使用できる。(5)〜(7)の付加重合に用いる触媒は、例えば特開2005−227606号公報の段落0058〜0063を使用できる。(7)の交互共重合反応は、特開2005−227606号公報の段落0071及び0072に記載の方法で行うことができる。
中でも、(1)〜(3)及び(5)が好ましく、(3)及び(5)がより好ましい。即ち、シクロオレフィン系樹脂は、得られるシクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度を高くし、且つ光透過率を高くすることができる点で、下記一般式(B−1)で表される構造単位と下記一般式(B−2)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましく、一般式(B−2)で表される構造単位のみを含むか、一般式(B−1)で表される構造単位と一般式(B−2)で表される構造単位の両方を含むことがより好ましい。一般式(B−1)で表される構造単位は、前述の一般式(A−1)で表されるシクロオレフィン単量体由来の構造単位であり、一般式(B−2)で表される構造単位は、前述の一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体由来の構造単位である。
Figure 2017097110
一般式(B−1)のXは、−CH=CH−又は−CHCH−である。
一般式(B−1)のR〜R及びpは、一般式(A−1)のR〜R及びpとそれぞれ同義である。
Figure 2017097110
一般式(B−2)のXは、−CH=CH−又は−CHCH−である。
一般式(B−2)のR〜R及びpは、一般式(A−2)のR〜R及びpとそれぞれ同義である。
シクロオレフィン系樹脂は、市販品であってもよい。シクロオレフィン系樹脂の市販品の例には、JSR(株)製のアートン(Arton)G(例えばG7810等)、アートンF、アートンR(例えばR4500、R4900及びR5000等)、及びアートンRXが含まれる。
シクロオレフィン系樹脂の固有粘度〔η〕inhは、0.2〜5cm/gであることが好ましく、0.3〜3cm/gであることがより好ましく、0.4〜1.5cm/gであることがさらに好ましい。
シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量(Mn)は、8000〜100000であることが好ましく、10000〜80000であることがより好ましく、12000〜50000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000〜300000であることが好ましく、30000〜250000であることがより好ましく、40000〜200000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量や重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてポリスチレン換算にて測定することができる。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあると、シクロオレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性とフィルムとしての成形加工性が良好となる。
シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常、110℃以上であり、110〜350℃であることが好ましく、120〜250℃であることがより好ましく、120〜220℃であることがさらに好ましい。Tgが110℃以上であると、高温条件下での変形を抑制しやすい。一方、Tgが350℃以下であると、成形加工が容易となり、成形加工時の熱による樹脂の劣化も抑制しやすい。
シクロオレフィン系樹脂の含有量は、位相差フィルムに対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
1-2.針状無機粒子
本発明の位相差フィルムに含まれる針状無機粒子は、長軸と短軸とを有し、長軸方向の屈折率が短軸方向の屈折率よりも小さい無機粒子である。針状無機粒子において、長軸とは、針状無機粒子の絶対最大長を有する軸をいい、短軸とは、長軸に対して直交する方向の軸をいう。
針状無機粒子の長軸、短軸の屈折率は、アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジックス・ハンドブックに記載の方法(波長はNa−D線589.3nmを使用)に準じて測定することができる。また、そこに記載の値を参考にすることができる。
針状無機粒子の長軸の平均長さ(長径)は、50〜1000nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。針状無機粒子の短軸の平均長さ(短径)は、5〜200nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。針状無機粒子の平均アスペクト比(長径/短径)は、1.1〜10であることが好ましく、1.5〜5.0であることがより好ましい。
本発明の位相差フィルムに含まれる針状無機粒子の長径、短径及び平均アスペクト比は、以下の方法で測定することができる。
1)位相差フィルムをTHF溶媒に溶解させた後、濾過して濾過物を採取する。それにより、位相差フィルムから針状無機粒子を分離する。
2)分離された針状無機粒子のうち、任意の20個の針状無機粒子の形状を、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察及びコンピュータソフトによる画像解析により測定する。具体的には、後述の実施例と同様にして、2-1)針状無機粒子を前処理した後、TEM観察を行い、2-2)スキャナーで読み取った画像から解析を行うために粒子の画像のコントラストを強調するフィルター処理を行い、2-3)画像上のノイズを除去する選別を行い、2-4)計測した絶対最大長やアスペクト比等の粒子のデータを、データ処理ソフトに取り込み、粒子の分布状態を計算するデータ処理を行う。
針状無機粒子の例には、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸コバルト、炭酸マンガン及び炭酸バリウムが含まれる。中でも、シクロオレフィン系樹脂との相溶性が良好である点から、炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムが好ましく、炭酸ストロンチウムがより好ましい。
針状無機粒子は、表面が疎水化処理されていてもよい。
針状無機粒子の含有量は、シクロオレフィン系樹脂に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。針状無機粒子の含有量が0.1質量%以上であると、位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)を1.0以下に低減しやすい。針状無機粒子の含有量が10質量%以下であると、位相差フィルムの着色や、強度の極端な低下を抑制できる。針状無機粒子の含有量は、シクロオレフィン系樹脂に対して0.1〜5質量%であることがより好ましい。
1-3.その他の成分
本発明の位相差フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤の例には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、マット剤、界面活性剤、フッ素系界面活性剤及び剥離助剤等が含まれる。
1-4.フィルムの物性
(残留溶媒量)
位相差フィルムに含まれる1種類以上の残留溶媒の合計双極子モーメントは、1.3以下であることが好ましい。位相差フィルムに残留する溶媒の合計双極子モーメントが1.3以下であると、フィルムの強度低下を抑制できる。これは、位相差フィルムの製造時(流延工程)において、流延膜中でシクロオレフィン系樹脂の高分子鎖が溶媒に対して広がりやすく、高分子同士の絡み合いが促進されるためであると考えられる。位相差フィルムに残留する溶媒の合計双極子モーメントは、1.1以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましい。位相差フィルムに残留する溶媒の合計双極子モーメントの下限値は、特に制限されず、例えば0としうる。
1種類以上の残留溶媒の合計双極子モーメントは、下記式(1)で表される。
Figure 2017097110
(式(1)中、
は、位相差フィルムに含まれる残留溶媒の全質量に対する残留溶媒iの重量分率であり、
は、残留溶媒iの双極子モーメントであり、
nは、位相差フィルムに含まれる残留溶媒の種類の数であり、1以上の整数である)
残留溶媒iの重量分率rは、r+r+・・・+r=1を満たす。残留溶媒iの双極子モーメントMは、「化学便覧」(改定5版)基礎編、日本化学会編、丸善(2004)に記載の値である。
例えば、位相差フィルムにおける残留溶媒の組成が、トルエン(双極子モーメント=0.36):70ppm、シクロヘキサン(双極子モーメント=0):30ppmである場合、位相差フィルムにおける残留溶媒の合計双極子モーメントは、0.36×70/(30+70)+0×30/(30+70)=0.252となる。
位相差フィルムは、双極子モーメントが1.5以下の残留溶媒を2種類以上含むことがより好ましい。位相差フィルムに含まれる残留溶媒の合計双極子モーメントを1.3以下に調整しやすいからである。双極子モーメントが1.5以下の残留溶媒は、位相差フィルムの強度を高めやすい点から、メチレンクロライド又はトルエンであることが好ましく、トルエンであることがより好ましい。
位相差フィルムにおける1種類以上の残留溶媒の合計含有量は、30〜700ppmであることが好ましい。1種類以上の残留溶媒の合計含有量が30ppm以上であると、位相差フィルムの曲げ強度が損なわれないので、折り曲げ耐性が損なわれにくく、それによる位相差フィルムの製造工程や偏光板の製造工程における割れを抑制できる。1種類以上の残留溶媒の合計含有量が700ppm以下であると、位相差フィルムの引張り強度が適度に高いため、例えば針状無機粒子のスタック構造に亀裂(クラック)が入ってもその亀裂に耐える強度を有し、位相差フィルムや偏光板の製造工程における位相差フィルムの破断を抑制できる。位相差フィルムにおける1種類以上の残留溶媒の合計含有量は、50〜500ppmであることがより好ましい。
位相差フィルムに含まれる残留溶媒の定性及び定量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより行うことができる。即ち、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーでは、試料を容器に封入して加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行うものである。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線を予め作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して行うことができる。具体的な測定装置や測定条件は、後述する実施例と同様である。
位相差フィルムに含まれる残留溶媒の組成と量は、位相差フィルムの製造工程における、ドープの溶媒組成及び膜状物の乾燥工程(後述の3)の工程)における乾燥条件によって調整されうる。
(位相差値)
位相差フィルムは、その用途に応じて種々の位相差値をとり得る。例えば、位相差フィルムがλ/4フィルムとして用いられる場合、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、30nm≦Ro≦300nmを満たすことが好ましく、50nm≦Ro≦250nmを満たすことがより好ましく、70nm≦Ro≦200nmを満たすことがさらに好ましい。厚み方向の位相差Rthは、−200nm≦Rth≦200nmを満たすことが好ましく、−150nm≦Rth≦150nmを満たすことがより好ましく、−120nm≦Rth≦120nmを満たすことがさらに好ましい。
また、位相差フィルムがゼロ位相差フィルムとして用いられる場合、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、0nm≦Ro≦5nmを満たすことが好ましく、厚み方向の位相差Rthは、−5nm≦Rth≦5nmを満たすことが好ましい。
位相差フィルムのRo及びRthは、それぞれ下記式で定義される。
式(2a):Ro=(nx−ny)×d
式(2b):Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、
nxは、位相差フィルムの面内遅相軸方向の屈折率を表し、
nyは、位相差フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、位相差フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、位相差フィルムの厚み(nm)を表す。)
位相差フィルムの面内遅相軸とは、フィルム面において屈折率が最大となる軸をいう。位相差フィルムの面内遅相軸は、自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)により確認することができる。
位相差フィルムのRo及びRthの測定は、以下の方法で行うことができる。
1)位相差フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この位相差フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後の位相差フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRthを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。具体的な測定手順や測定条件は、後述の実施例と同様である。
位相差フィルムの位相差Ro及びRthは、シクロオレフィン系樹脂と針状無機粒子の含有比率や延伸条件によって調整されうる。位相差フィルムの位相差Roを大きくするためには、例えば針状無機粒子の含有量を少なくしたり、ドープの溶媒として双極子モーメントが1.5以下の溶媒を選択したり、延伸倍率を高くしたりすることが好ましい。
(波長分散)
位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)は、0.82〜1.0であることが好ましく、0.82〜0.98であることがより好ましい。位相差フィルムのRo(450)/Ro(630)が上記範囲内であると、それを含む液晶表示装置の色味を良好としうる。
波長分散Ro(450)/Ro(630)は、測定波長を450nm、630nmに変えて前述の位相差Roを測定して算出することができる。
位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)は、位相差フィルムに含まれる針状無機粒子の種類や量によって調整されうる。位相差フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)を1.0以下と低くするためには、例えば針状無機粒子の含有量を多くすることが好ましい。
(引張弾性率)
位相差フィルムの引張弾性率は、1.7〜3.0GPaであることが好ましく、2.0〜2.8GPaであることがより好ましく、2.5〜2.8GPaであることがさらに好ましい。位相差フィルムの引張弾性率が1.7GPa以上であると、位相差フィルムが十分な引っ張り強度を有するので、例えば針状無機粒子のスタック構造に亀裂(クラック)が入ってもその亀裂が広がるのを抑制し、位相差フィルムや偏光板の製造工程における位相差フィルムの破断を抑制できる。位相差フィルムの引張弾性率が3.0GPa以下であると、位相差フィルムの曲げ強度が損なわれないので、折り曲げ耐性が損なわれにくく、それによる位相差フィルムの製造工程や偏光板の製造工程における割れを抑制できる。
位相差フィルムの引張弾性率は、以下の方法で測定することができる。位相差フィルムを、25℃60%RHの環境下で24時間調湿した後、JIS K7127に記載の方法で測定する。具体的な測定条件は、後述の実施例と同様である。
位相差フィルムの引張弾性率は、位相差フィルムに含まれる残留溶媒の組成、即ち、位相差フィルムの製造時のドープの溶媒組成によって調整されうる。位相差フィルムの引張弾性率1.7GPa以上と高くするためには、例えば位相差フィルムに含まれる残留溶媒の合計双極子モーメントを1.3以下とすることが好ましい。
(厚み)
位相差フィルムの厚みは、RoとRthが前述の範囲を満たし、且つ薄型化する観点から、例えば10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。特に、本発明の位相差フィルムは、薄型化しても良好な強度を有しうる。
2.位相差フィルムの製造方法
本発明の位相差フィルムは、溶液流延製膜法で製造される。即ち、本発明の位相差フィルムの製造方法は、1)少なくともシクロオレフィン系樹脂と針状無機粒子とを1種類以上の溶媒に溶解させてドープを得る工程と、2)ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程と、3)膜状物を乾燥させる工程とを含む。本発明の位相差フィルムの製造方法は、前記2)と前記3)の間に4)膜状物を延伸する工程や、前記3)の後に5)得られたフィルムを巻取る工程をさらに含むことが好ましい。
1)の工程について
少なくともシクロオレフィン系樹脂と針状無機粒子とを1種類以上の溶媒に溶解させてドープを得る。シクロオレフィン系樹脂と針状無機粒子を溶媒に同時に混合及び溶解させてドープを得てもよいし、シクロオレフィン系樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液と、針状無機粒子を溶媒に溶解させた粒子溶液とを混合してドープを得てもよい。
ドープに用いられる溶媒は、位相差フィルムの残留溶媒の合計双極子モーメントが前述の範囲となるように選択される。製膜時のシクロオレフィン系樹脂の高分子鎖同士の絡まり合いを促進し、フィルム強度を高めるためである。ドープに用いられる溶媒は、フィルム強度を良好に高めうることから、双極子モーメントが1.5以下の溶媒を1種類以上含むことが好ましい。
双極子モーメントが1.5以下の溶媒の例には、ジクロロメタン(1.14)、クロロホルム(0.95)等の有機ハロゲン化合物、トルエン(0.36)、スチレン(0.6)、ヘキサン(0.0)、シクロヘキサン(0.0)、ベンゼン(0.0)等が含まれる。中でも、ジクロロメタン及びトルエンが好ましく、トルエンがより好ましい。括弧内の値は、「化学便覧」(改定5版)基礎編、日本化学会編、丸善(2004)に記載の双極子モーメントの値を示す。
双極子モーメントが1.5以下の溶媒は、得られる位相差フィルムの位相差Roの発現性も高めうる。これは、双極子モーメントが1.5以下の溶媒中では、シクロオレフィン系樹脂の高分子鎖がほぐれ、未延伸状態での絡まりが助長されやすい。その状態で延伸すると、当該高分子鎖の絡まりによって延伸応力が伝達されやすく、当該高分子鎖が配向しやすい。高分子鎖の配向度が高まりやすいので、位相差Roが得られやすいと考えられる。
ドープの調製に用いられる溶媒は、必要に応じて双極子モーメントが1.5超の溶媒をさらに含んでもよい。双極子モーメントが1.5超の溶媒の例には、メタノール(1.68)、エタノール(1.69)、n−ブタノール(1.70)等の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコール、及びテトラヒドロフラン(1.63)等が含まれる。
双極子モーメントが1.5以下の溶媒と1.5超の溶媒とを併用する場合、残留溶媒の合計双極子モーメントを前述の範囲とする観点から、双極子モーメントが1.5以下の溶媒の含有比率を70〜98質量%とし、双極子モーメントが1.5超の溶媒の含有比率を2〜30質量%とすることが好ましい。
ドープの樹脂濃度は、金属支持体上に流延した後の乾燥負荷を低減する観点では高いほうが好ましいが、濾過時の負荷が増えて濾過精度が悪くなる。これらを両立するドープの樹脂濃度は、10〜35質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。
樹脂の溶解は、一般的な方法で行うことができる。加熱と加圧を組み合わせると、常圧における沸点以上に加熱できる。溶媒の常圧での沸点以上で且つ加圧下で溶媒が沸騰しない温度で加熱しながら攪拌溶解すると、塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。また、樹脂を貧溶媒と混合して湿潤或いは膨潤させた後、更に良溶媒を添加して溶解してもよい。
加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶媒の蒸気圧を発現させる方法によって行うことができる。加熱は、外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
樹脂を溶解させるときの加熱温度は、樹脂の溶解性の観点からは高いほうが好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。加熱温度は、45〜120℃であることが好ましく、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。
異物故障を抑制する観点等から、得られたドープを濾材で濾過することが好ましい。濾過したドープを脱泡した後、送液ポンプで流延ダイに供給する。
2)の工程について
得られたドープを流延ダイから吐出させて金属支持体上に流延し、得られた流延膜を乾燥及び剥離して膜状物を得る。流延幅は、例えば1〜4mとすることができる。
金属支持体は、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムでありうる。金属支持体の表面は、鏡面仕上げされていることが好ましい。
金属支持体の表面温度は、−50℃〜溶媒の沸点未満の温度で、高い方が膜状物の乾燥速度を高くすることができるので好ましいが、高過ぎると膜状物が発泡したり、平面性が劣化したりする。従って、金属支持体の表面温度は、0〜40℃であることが好ましく、5〜30℃であることがより好ましい。
良好な平面性を有する膜状物を得るためには、金属支持体から剥離する際の膜状物の残留溶媒量は、10〜150質量%であることが好ましく、20〜40質量%又は60〜130質量%であることがより好ましく、20〜30質量%又は70〜120質量%であることがさらに好ましい。
位相差フィルムの製造工程における膜状物の残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(Mは、位相差フィルムの製造工程における膜状物の質量を示し、Nは、当該膜状物を150℃で1時間の加熱した後の質量を示す)
剥離して得られた膜状物は、必要に応じてさらに乾燥させてもよい。
4)の工程について
剥離して得られた膜状物を延伸して位相差を調整することが好ましい。
延伸は、少なくとも一方向に行うことができる。延伸方向は、膜状物の長手方向(MD方向)、膜状物の長手方向と直交する幅手方向(TD方向)、及び膜状物の長手方向に対して斜め方向のいずれであってもよい。延伸は、逐次延伸でもよいし、同時延伸でもよい。
例えば、位相差フィルムを後述のλ/4フィルムとして機能させる場合、斜め方向に延伸することが好ましい。斜め方向の延伸は、得られる位相差フィルムの面内遅相軸が、膜状物の長手方向に対して20〜70°、好ましくは30〜60°、さらに好ましくは40〜50°となるように設定されうる。
延伸倍率は、求められる光学性能にもよるが、例えばλ/4フィルムとして機能しうる位相差フィルムを得るためには、1.03〜2.00倍としうる。延伸倍率は、(延伸後の積層物の延伸方向大きさ)/(延伸前の積層物の延伸方向大きさ)として定義される。
延伸温度は、シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg−30℃〜Tg+60℃であることが好ましく、Tg−10℃〜Tg+50℃であることがより好ましい。
延伸開始時の膜状物中の残留溶媒量は、20〜100質量%であることが好ましい。延伸終了時の膜状物中の残留溶媒量は、10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。
MD方向の延伸は、例えば複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用する方法で行うことができる。TD方向の延伸は、例えば膜状物の両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げる方法で行うことができる。これらは組み合わせてもよい。斜め方向の延伸は、斜め延伸装置で行うことが好ましい。
斜め延伸装置としては、レールパターンを多様に変化させることにより、得られる位相差フィルムの配向角(面内遅相軸の長手方向に対する角度)を自在に設定でき、且つ位相差フィルムの配向軸を位相差フィルムの幅手方向にわたって左右均等に高精度に配向させうるものであることが好ましい。
図1は、斜め延伸装置のレールパターンの一例を示した概略図である。図1に示されるように、斜め延伸装置において、延伸前の膜状物の繰出方向D1は、延伸後の膜状物の巻取方向D2と異なっており、これらは繰出角度θiをなしている。繰出角度θiは、0°を超え90°未満の範囲で、所望の角度に任意に設定することができる。
斜め延伸装置入口(図中Aの位置)では、膜状物の両端を、左右の把持具(テンター)で把持し、把持具の走行に伴い走行させる。左右の把持具は、斜め延伸装置入口(図中Aの位置)で、膜状物の進行方向(繰出方向D1)に対して略垂直な方向に相対している左右の把持具Ci、Coは、左右非対称なレールRi、Ro上を走行し、延伸終了時の位置(図中Bの位置)で、テンターで把持した膜状物を解放する。
斜め延伸装置入口(図中Aの位置)で相対していた左右の把持具は、左右非対称なレールRi、Ro上を走行するにつれて、Ri側を走行する把持具Ciは、Ro側を走行する把持具Coに対して進行する位置関係となる。
即ち、斜め延伸装置入口(フィルムの把持具による把持開始位置)Aで、膜状物の繰出方向D1に対してほぼ垂直な方向に相対していた把持具Ci、Coが、延伸終了時の位置Bにある状態で、該把持具Ci、Coを結んだ直線が膜状物の巻取方向D2に対してほぼ垂直な方向に対して角度θLだけ傾斜している。それにより、膜状物が斜め延伸される。ほぼ垂直とは、90±1°の範囲にあることを示す。
膜状物の延伸は、2)の工程後、得られた膜状物を一旦巻き取った後、該巻き取り体から繰り出して行ってもよいし(オフライン法)、2)の工程後、得られた膜状物を巻き取ることなく連続的に行ってもよいし(オンライン法)。
3)の工程について
前記2)又は4)で得られた膜状物を乾燥させて、位相差フィルムを得る。位相差フィルムの残留溶媒量は、主に本工程で調整されうる。従って、乾燥温度及び乾燥時間は、得られる位相差フィルムにおける残留溶媒量が前述の範囲となるように調整されうる。
乾燥温度は、概ね40〜250℃であることが好ましく、40〜160℃であることがより好ましい。急激な乾燥は、得られる位相差フィルムの平面性を損ねやすいことから、高温による乾燥は、膜状物の残留溶媒量が8質量%以下で行うことが好ましい。乾燥時間は、ドープに用いる溶媒種や膜状物の搬送速度に応じて調整されうるが、例えば10〜15分としうる。
膜状物の乾燥は、乾燥装置内に複数配置したロールに膜状物を交互に通し、膜状物を搬送させながら乾燥させるロール乾燥法や、クリップで膜状物の両端を把持して搬送させながら乾燥させるテンター乾燥法で行うことができる。
乾燥方法は、特に制限されず、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができ、簡便さの点から、熱風で行うことが好ましい。
5)の工程について
得られた位相差フィルムを、巻き取り機で巻き取る。巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等でありうる。
本発明の位相差フィルムは、長尺状であることが好ましく、具体的には、長さが100m〜5000m程度であることが好ましい。このような長尺状の位相差フィルムは、通常、長さ方向に対して直交する方向を巻き取り軸として巻き取ったロール体で提供されうる。位相差フィルムの幅は、1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
3.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、2つの保護フィルムとを含み、保護フィルムの少なくとも一つが本発明の位相差フィルムである。本発明の位相差フィルムが偏光子の一方の面にのみ配置される場合は、偏光子の他方の面には、他の位相差フィルムが配置されうる。
3-1.偏光子
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素又は二色性染料で染色したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素又は二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、通常、最大延伸方向と平行である。
例えば、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載のエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のエチレン変性ポリビニルアルコールが用いられる。中でも、熱水切断温度が66〜73℃であるエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましく用いられる。
偏光子の厚みは、5〜30μmであることが好ましく、偏光板を薄型化するため等から、5〜20μmであることがより好ましい。
3-2.位相差フィルム
本発明の位相差フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に配置される。本発明の位相差フィルムがλ/4フィルムとして用いられる場合、本発明の位相差フィルムの面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、20〜70°であることが好ましく、30〜60°であることがより好ましく、40〜50°であることがさらに好ましい。
3-3.他の位相差フィルム
偏光子の他方の面には、他の位相差フィルムが配置されうる。他の位相差フィルムの例には、市販のセルロースアシレートフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UE、KC4UE、KC4HR−1、KC4KR−1、KC4UA、KC4CT、KC6UA以上コニカミノルタオプト(株)製)等が含まれる。
他の位相差フィルムの位相差値は、組み合わせる液晶セルの種類にもよるが、例えばIPSモードの液晶セルと組み合わせる場合、23℃RH55%下、波長590nmで測定される面内方向の位相差Ro(590)は0〜30nmであることが好ましく、0〜10nmであることがより好ましい。厚さ方向の位相差Rth(590)は、−30〜30nmであることが好ましく、−10〜10nmであることがより好ましい。Ro及びRthは、前述と同様の方法で測定されうる。
他の位相差フィルムの厚みは、特に限定はないが、10〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましく、20〜60μmであることが特に好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の位相差フィルムとを接着剤を介して貼り合わせて得ることができる。接着剤は、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)や活性エネルギー線硬化性接着剤でありうる。偏光子と本発明の位相差フィルムの貼り合わせは、通常、ロールトゥロールで行うことができる。
本発明の位相差フィルムは、針状無機粒子を含んでいるにも係らず、フィルム強度の低下が抑制されている。従って、例えば偏光子と位相差フィルムとをロールトゥロールで貼り合わせる工程において、位相差フィルムが搬送時の張力によって破断したりするのを抑制できる。
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含む。
図2は、液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式図である。図2に示されるように、本発明の液晶表示装置10は、液晶セル30と、それを挟持する第一の偏光板50及び第二の偏光板70と、バックライト90とを含む。
液晶セル30の表示モードは、例えばTN(Twisted Nematic)、VA(Vistical Alignment)、又はIPS(In Plane Switching)等のいずれの表示モードであってよい。例えば、モバイル機器向けの液晶セルとしては、IPSモードが好ましい。
第一の偏光板50は、液晶セル30の視認側の面に配置された第一の偏光子51と、第一の偏光子51の視認側の面に配置された保護フィルム53(F1)と、第一の偏光子51の液晶セル側の面に配置された保護フィルム55(F2)とを含む。
第二の偏光板70は、液晶セル30のバックライト側の面に配置された第二の偏光子71と、第二の偏光子71の液晶セル側の面に配置された保護フィルム73(F3)と、第二の偏光子71のバックライト側の面に配置された保護フィルム75(F4)とを含む。
第一の偏光子51の吸収軸と第二の偏光子71の吸収軸とは直交している(クロスニコルとなっている)ことが好ましい。
保護フィルム53(F1)、55(F2)、73(F3)及び75(F4)の少なくとも一つを本発明の位相差フィルムとしうる。中でも、本発明の位相差フィルムは、波長分散が1.0以下に低減されていることから、保護フィルム53(F1)として好ましく用いられる。保護フィルム(F1)として本発明の位相差フィルムを含む液晶表示装置は、良好な視認性(色味)を有する。なお、本発明の位相差フィルム以外の保護フィルムとしては、前述の他の位相差フィルムを用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.位相差フィルムの材料
(1)シクロオレフィン系樹脂
G7810:ARTON−G7810(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−2)で表される単量体と他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=140000)
R5000:ARTON−R5000(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=50000)
RX4500:ARTON−RX4500(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=63000)
RH4900:ARTON−RH4900(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=57000)
(2)針状無機粒子
粒子1:SrCO、長径65nm、平均アスペクト比3.0
粒子2:SrCO、長径160nm、平均アスペクト比1.4
粒子3:SrCO、長径160nm、平均アスペクト比3.0
粒子4:CaCO、長径80nm、平均アスペクト比2.0
(粒子の形状測定方法)
針状無機粒子の長径及び平均アスペクト比は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察及びコンピュータソフトによる画像解析により、以下の方法で測定した。
1)まず、観察前の処理として、粒子をエタノールで分散させた後、C膜上に滴下乾燥させた上で、その粒子をTEMで観察した。TEMは、JEM−2000FX(日本電子製)(加速電圧:200kV)を使用した。対象画像は、各試料×10000(直接×5000)の断面TEM像各2枚とした。入力はネガを印画紙にプリントしフラットヘッドスキャナーにて電子化した(入力解像度:300dpi、dpiとは2.54cm当たりのドット数を表す)。
2)次に、スキャナーで読み取った画像から解析を行なうために、粒子の画像のコントラストを強調して、画像ソフトが粒子を認識可能とするフィルター処理を行った。さらに、フィルターの条件を変更してコントラストの最適化を行った。
フィルター処理は、メディアン3×3、次に平坦化20ピクセル、次にハイパス3×3、次にメディアン3×3を使用した。次に、上記コントラストを最適化した画像から粒子を抽出し個々の粒子の形状を画像解析ソフトを用いて、長軸方向の長さと短軸方向の長さを測定した。
3)また、画像上のノイズと考えられるものを除去する選別を行った。さらに、計測した絶対最大長やアスペクト比等の粒子のデータをデータ処理ソフトに取り込み、粒子の分布状態を計算するデータ処理を行った。
フラットヘッドスキャナーは、Sitios9231(コニカミノルタ株式会社製)を使用し、画像解析ソフトはImagePro Plus(Media Cybernetics製)を、データ処理ソフトはExcel(Microsoft社製)を使用した。
2.位相差フィルムの作製
[実施例1]
(粒子分散液の調製)
粒子1(炭酸ストロンチウムの粒子)1.0gをエタノール20.0gに分散させ、グリセリンステアレート(花王・エキセルT−95)を0.05g添加し、50℃で10時間攪拌して表面処理を行った。この溶液を濾過し、粒子を乾燥させた。
得られた粒子16質量部と、トルエン184質量部とを混合し、超音波分散機UH−300(株式会社エスエムテー製)にて出力目盛り10で連続40分間分散させて、粒子分散液を得た。
(樹脂溶液の調製)
G7810(シクロオレフィン系樹脂)25質量部と、トルエン522質量部とを混合し、樹脂溶液を得た。
(ドープの調製)
得られた樹脂溶液の一部に、粒子分散液200質量部をゆっくり添加した後、この混合液を超音波分散機UH−300(株式会社エスエムテー製)において出力目盛り10で容器のまわりを冷水で冷やしながら、連続10分間再分散させた。再分散させた液をよく攪拌しながら、残りの樹脂溶液をゆっくり添加し、完全に溶解させてドープを得た。
(溶液流延製膜法による位相差フィルムの作製)
得られたドープを40℃に保ち、40℃に保温された無端の金属支持体であるステンレスベルト上に均一に流延した。この流延膜を、残留溶媒量が80%となるまで乾燥させた後、ステンレスベルト上から剥離して膜状物を得た。得られた膜状物を、残留溶剤量が20%となるまで40℃で乾燥させた後、膜状物の幅方向に対して45°の方向に延伸倍率1.5倍で斜め延伸した。得られた膜状物を、多数のロールで搬送させながら120℃で15分間さらに乾燥させて、厚み22μm、幅1.3mの位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムの面内遅相軸を、自動複屈折計アクソスキャン(アクソメトリックス社製)により確認したところ、面内遅相軸の方向は、フィルムの幅方向に対して45°であった。
[実施例2〜3、比較例2〜3]
乾燥温度と乾燥時間を調整して、位相差フィルムの残留溶媒量を表2に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例4〜9、比較例4及び7]
ドープの溶媒の組成を表1に示されるように変更して、位相差フィルムの残留溶媒の組成を表2に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例10〜11及び13、比較例5〜6]
針状無機粒子の種類を表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例12]
位相差フィルムの厚みを表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例14〜16]
シクロオレフィン系樹脂の種類を表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1]
針状無機粒子を添加しなかった以外は実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルム中の針状無機粒子の形状を前述の方法で測定した。即ち、位相差フィルムをTHF溶媒に溶解させた後、濾過して濾過物を採取し、針状無機粒子を分離した。分離した針状無機粒子のうち、任意の20個の針状無機粒子の形状を、前述の(粒子の形状測定方法)と同様の方法で測定した。その結果、位相差フィルムにおける針状無機粒子の長径及びアスペクト比は、原料段階で測定した長径及びアスペクト比と同じであることを確認した。
また、得られた位相差フィルムの残留溶媒の定性及び定量、位相差、波長分散及び引張弾性率を、それぞれ以下の方法で測定した。
(残留溶媒の定性及び定量)
得られた位相差フィルム中の残留溶媒の定性及び定量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより行った。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーでは、試料を容器に封入して加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行った。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線を予め作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して得ることができる。
(測定条件)
ヘッドスペース装置:HP7694 Head Space Sampler(ヒューレットパッカード社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
GC:HP5890(ヒューレットパッカード社製)
MS:HP5971(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
測定モード:SIM(セレクトイオンモニター)モード
(位相差及び波長分散)
位相差フィルムのRo及びRthは、以下の方法で測定した。
1)位相差フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿した。得られた位相差フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定した。また、位相差フィルムの厚みdを、市販のマイクロメーターを用いて測定した。
2)調湿後の位相差フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRthを、それぞれ自動複屈折計アクソスキャン(アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定した。具体的には、
i)フィルム面の法線方向に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRを、アクソスキャンにて測定した。
ii)さらに、アクソスキャンにより、試料片の面内遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、試料片の表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときの位相差R(θ)を測定した。位相差R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で10°毎に6点行った。試料片の面内遅相軸は、アクソスキャンにより確認した。
iii)測定されたRo及びR(θ)と、前述の平均屈折率と厚みとから、アクソスキャンがnx、ny及びnzを算出し、上記式(2b)に基づいて測定波長590nmでのRthを算出した。
iv)測定波長を450nm又は630nmに変えて、上記i)及びii)と同様の測定を行い、各測定波長におけるRoを測定し、波長分散Ro(450)/Ro(630)を求めた。
(引張弾性率)
位相差フィルムを1.0cm(MD方向)×10.0cm(TD方向)に切り出して試験片とし、25℃60%RHの環境下で24時間調湿した。得られた試験片の引張弾性率を、JIS K7127に記載の引張り試験方法により測定した。具体的には、試料片を、引張試験装置(株)オリエンテック製テンシロンにセットし、チャック間距離50.0mm、引張り速度50mm/minの条件で引張試験を行ったときの引張弾性率を測定した。測定は、25℃60%RH下で行った。
(破断)
得られた位相差フィルムを、25℃60%RH下、搬送速度50m/minの条件でロール搬送したときの破断の有無を評価した。△以上を実用上問題ないレベルと判断した。
◎:張力75Nでも破断を生じない
〇:張力70Nで破断を生じないが、張力75Nでは破断を生じることがある
△:張力65Nでは破断を生じないが、張力70Nでは破断を生じることがある
×:張力65N未満で破断が生じる
(耐折り曲げ性)
位相差フィルムを、1.5cm(MD方向)×10cm(TD方向)の大きさに切り出して試料片とした。この試料片を、25℃60%RH下、MIT耐折疲労試験機(東洋精機製)にセットし、折り曲げ速度170rpm、折り曲げ角度135°、チャック先端半径(折り曲げクランプの先端半径)0.35mm、及び荷重4.9Nの条件で、折り曲げたときの割れの有無を、以下の基準で評価した。△以上を実用上問題ないレベルと判断した。
◎:2500回折り曲げても割れを生じない
〇:2000回折り曲げても割れを生じないが、2500回折り曲げると割れを生じることがある
△:1500回折り曲げても割れを生じないが、2000回折り曲げると割れを生じることがある
×:1500回未満で割れを生じた
実施例1〜16及び比較例1〜7の位相差フィルムの製造条件を表1に示し、位相差フィルムの評価結果を表2に示す。なお、表1における「針状無機粒子の含有量」は、シクロオレフィン系樹脂に対する質量比をいう(※1)。表1における「各溶媒の含有比率」は、ドープに含まれる各溶媒の、ドープに含まれる溶媒の全質量に対する質量比をいう(※2)。表2における「各溶媒の含有量」は、位相差フィルムに含まれる各溶媒の、位相差フィルムに含まれる溶媒の全質量に対する質量比をいう(※3)。
Figure 2017097110
Figure 2017097110
表2に示されるように、実施例1〜16の位相差フィルムは、波長分散が1.0未満に調整され、且つ適度に高い引張弾性率を有することがわかる。従って、フィルム搬送試験において破断は生じなかった。
これに対して、比較例1〜7の位相差フィルムは、波長分散特性と引張弾性率のいずれか一方が劣ることがわかる。具体的には、針状無機粒子を含まない比較例1や長軸方向の屈折率が短軸方向の屈折率よりも大きい針状無機粒子を含む比較例6の位相差フィルムは、波長分散が1.0を超えることがわかる。残留溶媒量が少なすぎる比較例2の位相差フィルムは、フィルム搬送試験において破断は生じないものの、引張弾性率が高くなり過ぎることから、折り曲げ耐性試験において割れが生じることがわかる。
一方、比較例3〜5及び7の位相差フィルムは、フィルム搬送試験において破断が生じた。比較例3の位相差フィルムは、残留溶媒量が多すぎることから、引張弾性率が低くなり過ぎたためであると考えられる。比較例4及び7の位相差フィルムは、残留溶媒の合計双極子モーメントが1.3を超えることから、樹脂の分子鎖の絡み合いが十分に生じず、引張弾性率が低くなり過ぎたためであると考えられる。また、比較例5の位相差フィルムは、針状無機微粒子を多く含むことから、波長分散が低くなり過ぎることがわかる。
針状無機粒子の平均アスペクト比を1.5以上としたり、長径を150nm以下としたりすることで、波長分散Ro(450)/Ro(630)をより低くし、引張弾性率をより高めうることが示される(実施例1、10及び11の対比)。また、針状無機粒子を炭酸ストロンチウムとすることで、波長分散Ro(450)/Ro(630)をより低くしうることが示される(実施例1と13の対比)。
ドープの溶媒として、双極子モーメントが1.5以下の2種類の溶媒を組み合わせることで、得られる位相差フィルムの残留溶媒の合計双極子モーメントをより低くし、引張弾性率をより高めうることが示される(実施例1、7及び8の対比)。
3.液晶表示装置の作製
<実施例17>
(偏光子の作製)
厚み120μmのポリビニルアルコールフィルムを、フィルムの長手方向に一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥して、厚み20μmの偏光子を得た。偏光子の吸収軸は、その長手方向に平行であった。
(第1の偏光板(視認側偏光板)の作製)
次いで、下記工程1〜4に従って、上記作製した偏光子の一方の面に実施例1で作製した位相差フィルム(λ/4板)を貼り合わせ、他方の面にコニカミノルタ社製KC4CT(光学等方性フィルム)を貼り合わせて、偏光板を作製した。
工程1:実施例1の位相差フィルムを、60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬した後、水洗及び乾燥させて、偏光子と貼合する側の表面を鹸化した。同様にして、コニカミノルタ社製KC4CT(光学等方性フィルム)の表面を鹸化した。
工程2:偏光子を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。次いで、偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除いた後、工程1で鹸化処理した位相差フィルム(λ/4板)上に配置した。
工程3:工程2で得られた位相差フィルム(λ/4板)と偏光子の積層物と、工程1で鹸化処理した光学等方性フィルムとを、圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼り合せて、積層物を得た。
工程4:工程3で得られた積層物を、80℃の乾燥機中で2分間乾燥させて、実施例1の位相差フィルム(保護フィルムF1)/偏光子/KC4CT(保護フィルムF2)の積層構造を有する偏光板1を得た。
(第2の偏光板(バックライト側偏光板)の作製)
第1の偏光板の作製において、実施例1の位相差フィルム(λ/4板)をKC4UAに変更した以外は同様にして、KC4CT(保護フィルムF3)/偏光子/KC4UA(保護フィルムF4)の積層構造を有する偏光板A(第2の偏光板)を作製した。
(液晶表示装置の作製)
携帯用液晶表示装置として、IPS方式のXperia Z2 D6502(Sony株式会社製)を準備した。この装置から2枚の偏光板を剥がしとり、液晶セルの視認側の面に上記作製した偏光板1を、バックライト側の面に上記作製した偏光板Aを、それぞれ粘着剤を介して貼り付けて液晶表示装置1を得た。
偏光板1の貼り付けは、KC4CT(光学等方性フィルム)が液晶セル側となり、偏光子の吸収軸と実施例1の位相差フィルム(λ/4板)の遅相軸とが約45°となるように行った。
偏光板Aの貼り付けは、KC4CTが液晶セル側となるように行った。
<実施例18〜21、比較例8〜9>
液晶表示装置1の作製において、保護フィルムF1の種類を、表3に示されるように変更した以外は同様にして液晶表示装置2〜7を得た。
実施例17〜21及び比較例8〜9で得られた液晶表示装置のサングラス着用時の視認性を、以下の方法で評価した。
(サングラス着用時視認性の評価)
液晶表示装置に画像表示させて、サングラスを着用した被験者により目視観察した。目視観察は、表示画面の法線に対して0°(正面)から90°まで、15°ずつ角度を変えながら行い、以下の基準で評価した。〇以上であれば、良好と判断した。
◎:観察する角度を変えても、画像の見え方に差はない
○:45°未満では見え方に差はないが、45°以上の角度では画面が僅かに暗くなる
△:45°未満の角度でも、観察する角度によって、やや画面が暗くなったり、歪んで見えたりする
×:45°未満の角度でも、観察する角度によって、明らかに画面が暗くなったり、歪んで見えたりする
実施例17〜21及び比較例8〜9で得られた液晶表示装置の評価結果を表3に示す。
Figure 2017097110
表3に示されるように、実施例17〜21の液晶表示装置は、比較例8〜9の液晶表示装置よりも、良好な視認性が得られることがわかる。これは、主に、実施例17〜21の液晶表示装置に用いた位相差フィルムの波長分散が1未満であることから、色味が改善されていることによると考えられる。
本発明によれば、強度を低下させることなく、波長分散(DSP)が低減された位相差フィルムを提供できる。
10 液晶表示装置
30 液晶セル
50 第一の偏光板
51 第一の偏光子
53 保護フィルム(F1)
55 保護フィルム(F2)
70 第二の偏光板
71 第二の偏光子
73 保護フィルム(F3)
75 保護フィルム(F4)
90 バックライト

Claims (8)

  1. シクロオレフィン系樹脂と、
    長軸と短軸とを有し、且つ前記長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子とを含む位相差フィルムであって、
    前記位相差フィルムは、1種類以上の残留溶媒を含み、
    前記位相差フィルムに含まれる前記1種類以上の残留溶媒の、下記式(1)で表される合計双極子モーメントが1.3以下であり、且つ前記残留溶媒の合計含有量が30〜700ppmであり、
    下記式(2a)で表される、波長450nmにおける面内方向の位相差をRo(450)、波長630nmにおける面内方向の位相差をRo(630)としたとき、Ro(450)/Ro(630)が0.82〜1.0であり、且つ
    引張弾性率が1.7〜3.0GPaである、位相差フィルム。
    Figure 2017097110
    (式(1)中、
    は、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の全質量に対する残留溶媒iの重量分率であり、
    は、前記残留溶媒iの双極子モーメントであり、
    nは、前記位相差フィルムに含まれる前記残留溶媒の種類の数であり、1以上の整数である)
    Figure 2017097110
    (式(2a)中、
    nxは、前記位相差フィルムの面内遅相軸方向の屈折率を表し、
    nyは、前記面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
    dは、前記位相差フィルムの厚み(nm)を表す)
  2. 前記針状無機粒子の長軸の平均長さが150nm以下であり、且つ平均アスペクト比が1.5以上である、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記双極子モーメントが1.5以下の残留溶媒を2種類以上含む、請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法であって、
    1)シクロオレフィン系樹脂と、長軸と短軸とを有し、且つ前記長軸方向の屈折率が前記短軸方向の屈折率よりも小さい針状無機粒子とを、双極子モーメントが1.5以下の溶媒を含む1種類以上の溶媒に溶解させてドープを得る工程と、
    2)前記ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程と、
    3)前記膜状物を乾燥させる工程と、
    を含む、位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記2)の工程と前記3)の工程との間に、4)前記膜状物を延伸する工程をさらに含む、請求項4に記載の位相差フィルムの製造方法。
  6. 偏光子と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差フィルムとを含む、偏光板。
  7. 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、
    前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、
    前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
    前記保護フィルムF1、F2、F3及びF4の少なくとも一つが、請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差フィルムである、液晶表示装置。
  8. 前記保護フィルムF1が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差フィルムである、請求項7に記載の液晶表示装置。
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