以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[画像形成装置100の概略構成]
図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の概略構成について説明する。なお、以下では、各図に示される上下方向D11、左右方向D12、及び前後方向D13を用いて説明することがある。
画像形成装置100は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙カセット4、操作表示部5、情報読取部6、及び胴内排出部11などを備える。画像形成装置100は、スキャン機能、プリント機能、ファクシミリ機能、コピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、前記機能各々を実現するための制御処理を実行する制御部、及び外部機器との間で通信処理を実行する通信インターフェースなども有する。
ADF1は、原稿セット部、搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。ADF1は、画像読取部2の上方に配置されており、画像読取部2に対して開閉可能である。また、ADF1には、ユーザーによるADF1の開閉操作に用いられる把持部1Aが設けられている。なお、図2以降ではADF1の記載が省略されている。
画像読取部2は、画像形成装置100の本体部を構成する画像形成部3及び支持筐体12の上方に配置されており、画像読取部2及び画像形成部3の間には、画像形成部3による画像形成後のシートが排出される胴内排出部11が設けられている。
画像読取部2は、原稿台2A(図2又は図4参照)、光源、ミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。そして、画像読取部2は、ADF1で搬送される原稿、又は原稿台2Aに載置された原稿から画像を読み取って画像データとして出力することが可能である。
画像形成部3は、シートが収容される給紙カセット4から供給されるシートに、画像読取部2で読み取られる画像データ又は外部の情報処理装置から入力される画像データに基づいて画像を形成する電子写真方式又はインクジェット方式の画像形成部である。具体的に、画像形成部3が電子写真方式の画像形成部である場合、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置(LSU)、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、及び定着ローラーなどを備える。
操作表示部5は、操作画面などの各種の情報を表示すると共にユーザー操作を受け付けるタッチパネル51と、スタートキー等のハードキー52とを備える。操作表示部5は、画像形成装置100の支持筐体12によって回動可能に支持されている。例えば、操作表示部5は、操作表示部5の表面(タッチパネル51の表面)が鉛直面に平行な第1姿勢と操作表示部5の表面が水平面に平行な第2姿勢との間で回動可能である。
また、操作表示部5は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢の間の任意の位置で姿勢を保持することが可能である。なお、前記第1姿勢及び前記第2姿勢はこれに限らない。例えば、前記第1姿勢は、前記操作表示部5の表面が鉛直面に対して僅かに傾斜した状態、又は鉛直面に対して例えば15度程度傾斜した状態であってもよい。同じく、前記第2姿勢は、前記操作表示部5の表面が水平面に対して僅かに傾斜した状態、又は水平面に対して例えば15度程度傾斜した状態であってもよい。
情報読取部6は、例えばICカードに記憶されているユーザーの情報を非接触通信で読み取り可能なICリーダーである。具体的に、ユーザーは、画像形成装置100の前方に立ち、自分の保有するICカードを情報読取部6に読み取らせることにより、画像形成装置100にログインし、画像形成装置100の使用を開始する。なお、情報読取部6は、例えばユーザーの指紋を読み取り可能な指紋読取部であってもよい。
そして、情報読取部6は、画像読取部2の前面部21に収容される。具体的に、画像読取部2の前面部21には、情報読取部6が収納可能な収容部8が形成されている。また、前面部21の収容部8の前方には、灰色又は黒色などのスモークカバーである第1カバー部材7が収容部8に対して着脱可能に設けられる。そのため、情報読取部6が第1カバー部材7で覆われて露出せず画像形成装置100の外観が損なわれない。なお、第1カバー部材7は、ABS樹脂などで形成される樹脂製部材であって、情報読取部6は、外部のICカードから第1カバー部材7を介して情報を読み取ることが可能である。
また、画像読取部2の前面部21において、収容部8の左側にはオプション装着部10が設けられている。オプション装着部10は、キーボードなどの電子機器102が載置される載置台などのオプションユニット101(図10参照)が着脱可能である。なお、オプションユニット101については後段で詳述する。
前面部21のオプション装着部10の前方には、第1カバー部材7と同様の灰色又は黒色などのスモークカバーである第3カバー部材9がオプション装着部10に対して着脱可能に設けられる。そのため、オプション装着部10が第3カバー部材9で覆われて露出せず画像形成装置100の外観が損なわれない。なお、第3カバー部材9は、ABS樹脂などで形成される樹脂製部材である。
画像形成装置100では、画像読取部2の前面部21において、第1カバー部材7及び収容部8と第3カバー部材9及びオプション装着部10とが左右方向D12に並設されており、前面部21全体が第1カバー部材7及び第3カバー部材9によって覆われている。なお、第3カバー部材9が省略されて、第1カバー部材7が、前面部21全体を覆う形状であることも他の実施形態として考えられる。
ところで、画像読取部2の前面部21への第1カバー部材7の装着手法としては、前面部21及び第1カバー部材7各々に設けられた係止部の係合又は当接によって第1カバー部材7が前面部21に装着される構成が考えられる。しかしながら、このように係合又は当接によって第1カバー部材7が装着される状態では、振動又は衝撃が生じた場合に第1カバー部材7が脱落するおそれがある。なお、第1カバー部材7をネジの螺着によって画像読取部2の前面部21に固定すれば第1カバー部材7の脱落を抑制することが可能であるが、その場合にはネジが露出して画像形成装置100の外観が損なわれる。これに対し、本実施形態に係る画像形成装置100では、外観を損なうことなく情報読取部6の第1カバー部材7が装着可能であると共にその第1カバー部材7の脱落を抑制することが可能である。
また、画像読取部2の前面部21の収容部8には、情報読取部6が収容されるが、画像形成装置100では、予め定められた複数機種の情報読取部6が選択的に使用可能であり、その情報読取部6の機種によってはケーブル61が長いことも考えられる。これに対し、情報読取部6のケーブル61が情報読取部6の背面側に収容可能な構成が考えられるが、この場合には、画像読取部2の前後方向D13のサイズが不要に拡張して画像形成装置100の小型化が阻害される。これに対し、本実施形態に係る画像形成装置100では、画像読取部2の前面部21に情報読取部6が収容される構成において画像形成装置100のサイズの不要な拡張を抑制することが可能である。
以下、図2〜図13を参照しつつ、収容部8及びオプション装着部10の詳細について説明する。なお、図2には、前面部21の収容部8から第1カバー部材7が取り外された状態が示されている。
まず、図2〜図6を参照しつつ、収容部8について説明する。
図2に示されるように、前面部21の収容部8には、左から右に向けて順に、情報読取部6が装着される読取装着部81と情報読取部6のケーブル61が収容される配線収容部82とが隣接して形成されている。情報読取部6は、正面視で略長方形の外形を有しており、読取装着部81の長手方向は、読取装着部81及び配線収容部82の並設方向(左右方向D12)と平行である。
同様に、配線収容部82の長手方向も、読取装着部81及び配線収容部82の並設方向(左右方向D12)と平行である。一方、読取装着部81及び配線収容部82の短手方向(上下方向D11)の寸法は、画像読取部2の上下方向D11の寸法以下である。このように、収容部8は、画像読取部2の前面部21の長手方向(左右方向D12)のサイズを有効に利用して形成された領域である。
これにより、例えば読取装着部81及び配線収容部82が前後方向D13(画像読取部2の奥行き方向)に並べて設けられている場合に比べて画像形成装置100の前後方向D13の長さの不要な拡張が抑制される。また、読取装着部81及び配線収容部82の長手方向が上下方向D11と平行である場合に比べて、画像読取部2の上下方向D11の長さの不要な拡張が抑制される。従って、画像形成装置100では、読取装着部81及び配線収容部82の設置に起因して装置の大型化が抑制される。
また、前面部21の収容部8において、配線収容部82に対して読取装着部81とは反対側の右端部には、情報読取部6のケーブル61が接続される接続部83が設けられている。即ち、収容部8では、読取装着部81、配線収容部82、及び接続部83が左から右に向けて順に配置されている。ケーブル61は、情報読取部6と画像形成装置100との接続に用いられるUSBケーブル又はLANケーブル等であって、接続部83は、USB端子又はLAN端子等である。なお、収容部8では、読取装着部81、配線収容部82、及び接続部83が右から左に向けて順に配置されていてもよい。
ここで、接続部83の差し込み口は、配線収容部82が設けられている左方向に向けられている。従って、ケーブル61は、配線収容部82が設けられている左方向から接続部83に接続することが可能である。これにより、例えば接続部83の差し込み口が前方、上方、又は下方に向けられている場合に比べて、画像読取部2の前後方向D13又は上下方向D11の長さの不要な拡張が抑制され、画像形成装置100の小型化を図ることが可能である。
なお、収容部8の右端部には、オプション装着部10に装着されるオプションユニット101に載置されるキーボード等の電子機器102のケーブルが接続される接続部84も設けられている。前記ケーブルは、電子機器102と画像形成装置100との接続に用いられるUSBケーブル又はLANケーブル等であって、接続部84は、USB端子又はLAN端子等である。
なお、電子機器102の前記ケーブルは、例えば電子機器102から第1カバー部材7及び収容部8の間に形成される間隙841を通して収容部8内に挿入され、装着部84に接続される。なお、電子機器102と画像形成装置100との通信には、例えばBluetooth(登録商標)又はNFCなどの近距離無線通信が用いられてもよい。
読取装着部81には、下端部から前方に突出し、情報読取部6を支持するL字部811A、L字部811B、及び複数の支持片811が形成されている。また、読取装着部81には、情報読取部6の背面が貼付される両面テープ等の接着部材85が設けられ、情報読取部6は、接着部材85によって読取装着部81に固定される。
配線収容部82は、前面部21において装着部81と接続部83との間に、情報読取部6のケーブル61を収容可能な空間を形成する。具体的に、配線収容部82は、背面82A、上面82B、底面82C、突出部821、及び突出部822を有する。突出部821は、背面820から所定距離だけ前方に突出した位置で上面82Bから下方に向けて突出している。突出部822は、背面820から所定距離だけ前方に突出した位置で底面82Cから上方に向けて突出している。
これにより、配線収容部82では、情報読取部6のケーブル61が折り畳んで収容可能であり、ケーブル61の脱落は突出部821及び突出部822によって抑制される。なお、突出部821及び突出部822に代えて、前後方向D13を軸にケーブル61を巻き付け可能なリブが配線収容部82内に形成されることも他の実施形態として考えられる。
また、図2に示されるように、収容部8には、読取装着部81、配線収容部82、接続部83の並設方向(第1カバー部材7の長手方向)に亘って上端及び下端に摺動部221が形成されている。摺動部221は、第1カバー部材7が収容部8に対してスライド移動する際に第1カバー部材7の一部に当接する。
収容部8の上端の摺動部221には、前記並設方向に亘って断続的に摺動部221から下方に突出する複数の係止部222が形成されている。同じく、収容部8の下端の摺動部221には、前記並設方向に亘って断続的に摺動部221から上方に突出する複数の係止部223が形成されている。係止部222及び係止部223各々の背面側には後述の第1カバー部材7の係止部72が挿入可能な間隙が形成されている。
なお、収容部8では、読取収容部81の下端部と配線収容部82の下端部との間で上下方向D11の段差が形成されている。この段差は、配線収容部82を、前面部21よりも前方の位置に配置されている操作表示部5から上方向に退避させて上下方向D11の無駄なスペースを抑制するために形成されたものであり、読取収容部81の下端部と配線収容部82の下端部とが平坦であることも他の実施形態として考えられる。
一方、図3に示されるように、第1カバー部材7の背面側には、長手方向に亘って上端及び下端に摺動部71が形成されている。摺動部71は、第1カバー部材7が収容部8に対してスライド移動する際に収容部8の摺動部221に当接する。第1カバー部材7の上端の摺動部71には、前記長手方向に亘って断続的に摺動部71から下方に突出する複数の係止部72が形成されている。同じく、第1カバー部材7の下端の摺動部71には、前記長手方向に亘って断続的に摺動部71から上方に突出する複数の係止部73が形成されている。なお、第1カバー部材7においても、収容部8と同様に、読取収容部81に対応する領域の下端部と配線収容部82に対応する領域の下端部との間で上下方向D11の段差が形成されている。
さらに、第1カバー部材7の一部である右下端部には、第1カバー部材7の脱落抑制に用いられる突出部74が形成されている。突出部74は、第1カバー部材7の前面から所定寸法だけ前方に突出している(図4及び図6参照)。
第1カバー部材7の係止部72及び係止部73各々は、収容部8の係止部222及び係止部223各々に位置対応して設けられている。具体的に、係止部72及び係止部222が形成されている左右方向D12の間隔は同一であり、係止部73及び係止部223が形成されている左右方向D12の間隔は同一である。
そして、係止部72及び係止部73は、第1カバー部材7が前方から収容部8に嵌合された後、第1カバー部材7が右方向にスライド移動された場合に、係止部222及び係止部223の背面側に位置して第1カバー部材7の前方への移動を規制する。なお、収容部8に嵌合した第1カバー部材7の右方向へのスライド移動は、例えば前面部21の右端部に形成されている係止部21Aによって係止される。
即ち、第1カバー部材7は、前面部21の収容部8に対して左右方向D12のスライド移動によって、前面部21の収容部8で支持される支持状態と前面部21の収容部8から離脱可能な非支持状態とが切り替わる。なお、収容部8が第1カバー部材7を支持可能な構成であれば、係止部72、73及び係止部222、223の形状はここで説明した形状に限らない。
このように、第1カバー部材7は、収容部8に対して係止部72、73と係止部222、223との係合又は当接によって装着され、第1カバー部材7の固定にネジなどの締結部材が用いられないため、画像形成装置100の外観が損なわれない。
但し、係合又は当接によって第1カバー部材7が収容部8に装着される構成では、振動又は衝撃が生じた場合に第1カバー部材7が脱落するおそれがある。これに対し、画像形成装置100は、第1カバー部材7と第1カバー部材7より前方に配置された操作表示部5との間に設けられる操作表示部5の背面部53に対して上方から着脱可能な第2カバー部材54(図5参照)を備える。そして、画像形成装置100では、第2カバー部材54によって第1カバー部材7の脱落が抑制される。背面部53には、操作表示部5の配線、及び操作表示部5を回動可能に支持するヒンジ部などが設けられており、第2カバー部材54はその背面部53を覆って隠蔽するために用いられる。
ここで、図4には、画像形成装置100に第1カバー部材7が装着されており、第2カバー部材54が装着されていない状態が示されており、図5には、画像形成装置100に第1カバー部材7及び第2カバー部材54が装着された状態が示されている。また、図6には、図5の状態における第1カバー部材7及び第2カバー部材54の位置関係を模式的に示す平面図である。
図4及び図6に示すように、第1カバー部材7の突出部74は第1カバー部材7の前面よりも前方に突出している。また、第2カバー部材54は、操作表示部5の背面部53に上下方向D11の移動によって着脱可能であり、背面側は開放されている。
ここで、図6に示されるように、第2カバー部材54の左右の側壁541の内面542の間隔は、第1カバー部材7の突出部74の左右方向D12の寸法と同じ又は少し長い関係にある。そして、図5に示されるように、第1カバー部材7が収容部8に装着された後、第2カバー部材54が背面部53に装着されると、突出部74が左右の側壁541の内面542の間に嵌合する。なお、内面542が、突出部74に嵌合して突出部74の左右方向D12のスライド移動を規制する嵌合部の一例である。
これにより、第2カバー部材54は、第1カバー部材7の左右方向D12への移動を、第1カバー部材7の突出部74と第2カバー部材54の内面542との接触によって規制する。なお、第1カバー部材7及び第2カバー部材54は、第1カバー部材7が収容部8に装着された後に第2カバー部材54が背面部53に装着された場合に、第1カバー部材7の左右方向D12の移動が第2カバー部材54で規制される構成であれば、ここで説明する構成に限らない。
また、第2カバー部材54は、第1カバー部材7が収容部8に装着された後、第2カバー部材54が背面部53に装着されたときに、収容部8側(背面側)の端部543が第1カバー部材7の前面に当接又は近接する位置に配置される構成である。これにより、第1カバー部材7の前方への移動も、第1カバー部材7の表面と第2カバー部材54の端部543との接触によって規制される。
このように、画像形成装置100では、第2カバー部材54が操作表示部5の背面部53に装着されて、第1カバー部材7の左右方向D12への移動及び前方への移動が第2カバー部材54によって規制されることにより、第1カバー部材7の脱落が抑制される。
なお、図5及び図6に示されるように、第2カバー部材54にはネジが挿通される挿通口56が形成されており、図4に示されるように、背面部53の上面には、第2カバー部材54を上方からネジで背面部53に螺合するためのネジ穴55が形成されている。即ち、第2カバー部材54は、上方から挿通口56を介して背面部53のネジ穴55にネジなどの固定部材で締結されることによって背面部53に固定される。
これにより、第2カバー部材54は、背面部53に強固に固定されるため、第2カバー部材54による第1カバー部材7の脱落も効果的に抑制される。なお、第2カバー部材54の固定に用いられる前記ネジなどの固定部材は露出することになるが、背面部53は、操作表示部5の背面に位置する。従って、画像形成装置100の前方からは操作表示部5で隠れるため、背面部53における前記固定部材の露出は画像形成装置100の外観を損ねない。また、前記固定部材は上方から下方に向けて螺合されるため、使用者の注目度が高い画像形成装置100の正面視における画像形成装置100の外観は損なわれない。
続いて、図7〜図9を参照しつつ、オプション装着部10について説明する。
図7に示されるように、第3カバー部材9の背面側には、長手方向に亘って上端及び下端から突出する複数の係止部91が形成されている。一方、オプション装着部10には、オプション装着部10の長手方向(第3カバー部材9の長手方向)に亘って上端及び下端にレール部が形成されている。
なお、前記レール部に代えて、収容部8の係止部222、223と同様に、前記長手方向に亘って断続的に前記レール部から上方又は下方に突出する複数の係止部が形成されていてもよい。また、第3カバー部材9にも、前記レール部と同様のレール部が形成されており、第3カバー部材9及びオプション装着部10各々の前記レール部が係合した状態で、第3カバー部材9がオプション装着部10に対して左右方向D12にスライド可能な構成であってもよい。
そして、第3カバー部材9は、オプション装着部10の左側から右方向に向けて、係止部91がオプション装着部10の前記レール部に沿ってスライド移動されることにより、オプション装着部10に装着される。なお、第3カバー部材9の前方への移動は、係止部91とオプション装着部10の前記レール部との係合によって規制される。
さらに、第3カバー部材9には、ネジなどの固定部材94が挿通される挿通口部92が形成されている。一方、図8に示されるように、オプション装着部10には、固定部材94が螺合されるネジ穴93が形成されている。そして、図9に示されるように、第3カバー部材9は、オプション装着部10に装着された後、固定部材94が挿通口部92を介してネジ穴93に螺合されることによってオプション装着部10に固定される。
ここで、図9に示されるように、第3カバー部材9がオプション装着部10に固定された後、第1カバー部材7が収容部8に装着されていない状態では固定部材94が画像形成装置100の前方に露出している。
しかしながら、図1及び図4に示されるように、第1カバー部材7は、少なくとも固定部材94を隠蔽可能な範囲で第3カバー部材9の前方にオーバーラップする形状を有する。これにより、画像形成装置100では、第3カバー部材9が固定部材94でオプション装着部10に固定された後、第1カバー部材7が収容部8に装着されることにより、第1カバー部材7の左端部が第3カバー部材9の右端部の前方に重なって固定部材94が隠蔽される。具体的に、従って、画像形成装置100では、画像読取部2の前面部21に第1カバー部材7及び第3カバー部材9が装着された状態では、第1カバー部材7及び第3カバー部材9のいずれにおいても前面にネジなどの固定部材が露出せず画像形成装置100の外観が損なわれない。
ところで、オプション装着部10に装着されるオプションユニット101において、前面部21に挿入される部分の前後方向D13の長さが短ければ、オプション装着部10に装着されたオプションユニット101の安定感が低下するという問題が生じる。特に、オプションユニット101の前後方向D13の寸法が長くなるほどオプションユニット101の安定感は低くなる。しかしながら、前面部21においてオプションユニット101の安定のために、前面部21の前後方向D13の長さを十分に確保すると、画像形成装置100の前後方向D13のサイズの小型化が阻害される。これに対し、本実施形態に係る画像形成装置100では、画像形成装置100の小型化を図りつつオプションユニット101の安定化を図ることが可能である。
次に、図10〜図13を用いて、オプションユニット101について説明する。なお、図10には、第3カバー部材9及びオプションユニット101が装着された状態、図11には、第3カバー部材9及びオプションユニット101が装着されていない状態、図12には、第3カバー部材9が装着されておらずオプションユニット101が装着された状態がそれぞれ示されている。
図10に示されるように、オプション装着部10では、第3カバー部材9が取り外され、キーボード等の電子機器102が載置される載置台などのオプションユニット101が装着されることがある。そして、オプションユニット101は、以下に説明するように、画像読取部2の前面部21及び左側面部22に固定される。
図10〜図12に示されるように、画像読取部2の左側面部22には、左側面部22に設けられているアルミなどの金属製のフレーム部材23と、フレーム部材23に対して着脱可能なABS樹脂などの樹脂製の第4カバー部材24とが設けられている。フレーム部材23は、画像読取部2において、原稿が載置される原稿台2Aと画像読取部2の左側端面を形成する第4カバー部材24との間に配置されている。
なお、第4カバー部材24のフレーム部材23への着脱手法は特に限定されないが、例えば第4カバー部材24をフレーム部材23に形成される被装着部に左側から嵌合させることにより第4カバー部材24がフレーム部材23に装着されることが考えられる。
そして、図11及び図12に示されるように、左側面部22のフレーム部材23には、オプションユニット101が有する後述の挿通部111が挿通される長尺状の挿通口部231が形成されている。具体的に、挿通口部231は、画像読取部2の左側面部22の原稿台2Aと画像読取部2の左端面を形成する第4カバー部材24との間において、画像読取部2の前面部21から背面側に向けて長尺状の空間を形成する。
例えば、フレーム部材23において、挿通口部231は、左側面、右側面、上面、及び下面で囲まれており、前面及び背面を有しない構造である。なお、挿通口部231の前記左側面、前記右側面、前記上面、及び前記下面は、前後方向D13において連続的又は断続的に形成される。
また、フレーム部材23には、オプションユニット101の挿通部111が挿通口部231に挿通された状態で、オプションユニット101をフレーム部材23に固定するネジなどの固定部材233が挿通される開口部232が形成されている。
一方、オプション装着部10は、オプションユニット101が有する後述の嵌合部113が嵌合される開口部103と、開口部103内に露出するフレーム部材25とを有する。フレーム部材25は、第3カバー部材9が取り外されることによって開口部103内に露出する鋼板などの金属製部材である。また、フレーム部材25には、オプションユニット101の固定に用いられるネジ穴104が形成されている。なお、フレーム部材25は、左側面部22のフレーム部材23と一体的に構成されていてもよい。
図13は、オプションユニット101の分解図である。図13に示されるように、オプションユニット101は、フレーム部材110と、カバー部材120、130、140、150、及び160とを有する。フレーム部材110は、ステンレス又はアルミなどの金属製部材であり、カバー部材120、130、140、150、及び160は、ABS樹脂などの樹脂製部材である。なお、フレーム部材110に一つの樹脂製のカバー部材が装着されることも考えられる。
フレーム部材110は、挿通部111、載置部112、及び嵌合部113を含む。挿通部111は、載置部112の左後方端部から後方に向けて突出し、左側面部22の挿通口部231に挿通可能な長尺状の部分である。載置部112は、挿通部111と一体形成されており電子機器102の載置領域に対応する部分である。嵌合部113は、載置部112の後端から下方に形成されており、オプション装着部10の開口部103に嵌合して固定される。
また、フレーム部材110には、開口部114〜117が設けられている。開口部114は、フレーム部材110を挟むカバー部材130とカバー部材160との固定に用いられる。開口部115は、オプションユニット101がオプション装着部10に固定される際に用いられる。開口部116は、固定部材233を用いてオプションユニット101がフレーム部材23に固定される際に用いられる。開口部117は、カバー部材150がフレーム部材110に固定される際に用いられるネジ穴である。
カバー部材120は、電子機器102が載置される載置面を形成する部材であり、裏面の内周には複数の係合部121が設けられている。係合部121各々は、カバー部材120とカバー部材130又はカバー部材160との固定に用いられる。
カバー部材130は、カバー部材160との間でフレーム部材110を挟持する部材であり、裏面に複数の連結部131が設けられている。連結部131は、カバー部材130とカバー部材160との固定に用いられる。
カバー部材140は、カバー部材130の背面側を覆う部材であり、裏面にネジ穴を含むリブ141が設けられている。ネジ穴141は、フレーム部材110とカバー部材140との固定に用いられる。
カバー部材150は、オプションユニット101がオプション装着部10に固定された後、嵌合部113の前面側を覆うために用いられる。カバー部材150には、フレーム部材110とカバー部材150との固定に用いられる開口部151が設けられている。
カバー部材160は、オプションユニット101の底面を形成する部材である。カバー部材160の上面には不図示のリブが設けられており、前記リブとカバー部材130の連結部131とがフレーム部材110の開口部114を介して係合することによりカバー部材160がカバー部材130に固定される。
そして、このように構成されたオプションユニット101は、図12に示されるように画像読取部2に装着される。具体的に、オプションユニット101は、まずフレーム部材110にカバー部材120、130、140、及び160が装着された状態で、フレーム部材110の挿通部111が左側面部22のフレーム部材23の挿通口部231に挿通される。
そして、オプションユニット101の挿通部111は、フレーム部材110の嵌合部113が、オプション装着部10の開口部103に嵌合される状態となるまで挿通口部231に挿入される。このとき、挿通部111は、挿通口部231の内周面(上面、下面、左側面、右側面)に当接又は近接する。これにより、オプションユニット101は、フレーム部材110の挿通部111と側端部22のフレーム部材23との当接によって移動が規制されることになる。
次に、オプションユニット101は、フレーム部材23に形成された開口部232を介してネジなどの固定部材233が、左側面部22のフレーム部材110のネジ穴116に螺合されることによって左側面部22に固定される。また、オプションユニット101は、フレーム部材110の開口部115を介してネジなどの固定部材118が、オプション装着部10のフレーム部材25のネジ穴104に螺合されることによって前面部21にも固定される。その後、オプションユニット101には、カバー部材150が正面側から装着されて、カバー部材150の開口部151を介してネジなどの固定部材がフレーム部材110のネジ穴117に螺合されることにより、カバー部材150がフレーム部材110に固定される。
このように構成された画像形成装置100では、オプションユニット101が、挿通部111が挿通口部231に挿通された状態で、画像読取部2の前面部21のオプション装着部10と左側面部22のフレーム部材23とに固定される。従って、オプションユニット101が画像読取部2に対して安定して装着される。また、オプションユニット101の挿通部111は、画像読取部2の左側面部22を利用して前面部21から背面側に向けて挿通されるため、画像読取部2の前後方向D13のサイズを不要に拡張せず画像形成装置100の小型化も阻害されない。