JP2017096814A - ムーブメントおよび時計 - Google Patents

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Eiichi Nagasaka
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Abstract

【課題】きち車と丸穴車との噛み合い外れを防止できるムーブメントおよび時計の提供。【解決手段】ムーブメント10は、巻真31により回転するきち車33と、きち車33に噛み合う丸穴車40と、丸穴車40を回転自在に支持する丸穴受け15と、丸穴受け15を一番受け12の固定板部125に取り付ける取付部材とを備える。取付部材は、丸穴車40を挟んで配置された2つのネジ46を備える。ネジ46のねじ込み量によって、きち車33の直径方向に丸穴受け15の位置を調整でき、きち車33と丸穴車40との噛み合い量も調整できる。【選択図】図4

Description

本発明は、手巻き機構を備える時計用のムーブメント、および、このムーブメントを備える時計に関する。
ぜんまいの機械エネルギーを利用して指針を運針させる機械式時計において、手動でぜんまいを巻き上げる手巻き機構を備える時計が知られている(特許文献1)。
手巻き機構では、竜頭を操作して巻真を回転すると、きち車が回転し、きち車と噛み合う丸穴車が回転する。丸穴車が回転すると、中間車を介して角穴車が回転し、角穴車と共に香箱真が回転することで、ぜんまいを巻き上げることができる。
特開2012−32299号公報
ところで、きち車と丸穴車とは、回転軸が直交しているため、噛み合いが外れやすい。このため、従来は、きち車および丸穴車の直径を大きくして噛み合いを外れ難くしていた。すなわち、歯車の直径が大きければ、歯数を増やすことができ、1歯分を送る場合の歯車の回転角度を小さくできるため、歯と歯の噛み合い量の変動も小さい。このため、歯車の噛み合いも外れ難くできる。
しかしながら、時計の厚さ寸法が小さな薄型の時計や、時計の直径が小さな小型の時計では、ムーブメントの配置スペースも限られるため、きち車や丸穴車の直径も大きくすることができない場合がある。このような場合には、歯数も少なくなり、1歯分を送る場合の歯車の回転角度が大きくなり、歯と歯の噛み合い量の変動も大きい。このため、歯と歯の噛み合いに余裕を取ることができず、部品ばらつきが大きいと、歯車の噛み合いが外れやすいという課題がある。
本発明の目的は、きち車と丸穴車との噛み合い外れを防止できるムーブメントおよび時計を提供することにある。
本発明のムーブメントは、巻真の回転を角穴車に伝達する輪列を有するムーブメントであって、前記巻真により回転するきち車と、前記きち車に噛み合う丸穴車と、前記丸穴車を回転自在に支持する丸穴受けと、前記丸穴受けをベース材に取り付ける取付部材とを備え、前記取付部材は、前記丸穴車を挟んで配置された2つのネジを備え、前記ネジのねじ込み量によって、前記きち車の直径方向に前記丸穴受けの位置を調整して前記きち車と前記丸穴車との噛み合い量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、丸穴車を支持する丸穴受けを、一番受けなどのベース材に対して、2つのネジを備える取付部材で取り付けているため、ネジのねじ込み量でベース材に対する丸穴受けの位置を調整できる。このため、丸穴受けに軸支される丸穴車と、きち車との噛み合い量を調整することができ、巻真を回転させた際に、きち車と丸穴車との噛み合いが外れることを防止できる。
本発明のムーブメントにおいて、前記丸穴受けと前記ベース材との間には、前記丸穴受けを前記きち車から離れる方向に付勢する弾性部材が配置されていることが好ましい。
丸穴受けとベース材との間に弾性部材が配置されていれば、ネジをねじ込むことで弾性部材が圧縮され、その反力で丸穴受けをネジの頭部に押し付けることができる。このため、丸穴受けはネジの頭部と弾性部材とで挟持されるため、丸穴受けや丸穴車のがたつきを防止できる。
本発明のムーブメントにおいて、前記弾性部材は座金であることが好ましい。
弾性部材として、ばね座金、皿ばね座金、波形ばね座金などの座金を用いれば、弾性部材としてゴムなどを用いた場合に比べて、長期間安定して丸穴受けをネジの頭部に押し付けることができる。また、座金を用いれば、コストも低減でき、組立性も向上できる。
本発明のムーブメントにおいて、前記丸穴車は、前記きち車と噛み合う第1丸穴車と、前記第1丸穴車と同軸で一体に回転して角穴車に回転を伝達する第2丸穴車とを備え、前記丸穴受けは、前記第1丸穴車および前記第2丸穴車の間に配置されていることが好ましい。
丸穴車を、第1丸穴車および第2丸穴車で構成すれば、きち車と噛み合う第1丸穴車と、角穴車に回転を伝達する第2丸穴車とで、歯数やサイズの異なる歯車を利用できる。このため、ぜんまいを巻き上げる際に、適正な巻上げ感が得られるように、きち車から角穴車までの減速比(歯数)を設定することができる。また、ぜんまいを巻き上げる機構として、手巻き機構のみを設けたムーブメントと、手巻き機構および自動巻き機構を設けたムーブメントとにおいて、第2丸穴車のみを各ムーブメントに適したものにすることができ、巻真やきち車、第1丸穴車を共通化できる。
本発明のムーブメントにおいて、前記角穴車と前記第2丸穴車の間に配置される中間車と、前記中間車を回転自在に支持する一番受けとを備え、前記一番受けには、前記丸穴受けが配置される配置穴が形成され、前記第1丸穴車および前記第2丸穴車は、平面視で前記丸穴受け内に納まる平面サイズであることが好ましい。
本発明によれば、一番受けの配置穴に丸穴受けを配置できるため、丸穴受けに軸支される第2丸穴車と、一番受けに軸支される中間車とを、ほぼ同一平面に配置できる。したがって、ネジのねじ込み量によって丸穴受けの高さ位置が調整された場合でも、第2丸穴車と中間車との噛み合わせ状態を維持できる。
また、第1丸穴車および前記第2丸穴車は、平面視で前記丸穴受け内に納まる平面サイズであるため、丸穴受けの外側に突出することがない。このため、丸穴受けを前記配置穴に配置する場合や、ネジで位置調整する場合に、各丸穴車が配置穴周囲の一番受けに衝突することも防止でき、丸穴受けの組み込み作業や位置調整作業を容易に行うことができる。
本発明のムーブメントにおいて、前記2つのネジの配置位置は、平面視で前記巻真と重なる位置であることが好ましい。
ムーブメントの平面視で、つまりムーブメントを香箱真や各指針軸の軸方向に沿った方向から視認した場合に、各ネジが巻真に重なる位置に配置されていれば、きち車と丸穴車との噛み合い位置に近接する位置に一方のネジを配置できる。このため、巻真を回転した際にきち車から丸穴車に加わる力を、前記ネジで効果的に受けることができる。
本発明のムーブメントにおいて、前記2つのネジの配置位置は、平面視で前記巻真と重ならない位置であることが好ましい。
2つのネジが平面視で巻真と重ならない位置であれば、ネジ穴を巻真と平面視で異なる位置に形成できる。このため、ネジ穴の形成位置の自由度が高まり、巻真の周囲に配置される切替部品などに干渉しない位置に容易にネジ穴を形成できる。
本発明の時計は、前記ムーブメントと、前記ムーブメントで駆動される指針とを有することを特徴とする。
本発明によれば、前記ムーブメントを備えるため、リューズを回転操作してぜんまいを巻き上げる際に、きち車と丸穴車との噛み合いが外れることを防止でき、確実にぜんまいを巻き上げることができる。
本発明の第1実施形態に係る時計の正面図である。 第1実施形態のムーブメントを時計裏蓋側から見た平面図である。 第1実施形態のムーブメントの要部を示す断面図である。 第1実施形態のムーブメントの要部を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る時計の正面図である。 第2実施形態のムーブメントを時計裏蓋側から見た平面図である。 本発明の変形例の要部を示す断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る時計1を図1〜4に基づいて説明する。
図1は、時計1を示す正面図である。時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース2を備え、外装ケース2の内周側に、文字板3が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。
また、時計1は、外装ケース2内に収容されたムーブメント10(図2)と、時刻情報を表示する時針4A、分針4B、秒針4Cと、ぜんまい20(図3)による持続時間を指示するパワーリザーブ針5とを備えている。
各指針4A〜4Cおよびパワーリザーブ針5は、ムーブメント10の指針軸に取り付けられ、ムーブメント10により駆動される。
文字板3には、カレンダー小窓3Aが設けられており、カレンダー小窓3Aから、日車6が視認可能となっている。
外装ケース2の側面には、リューズ7が設けられている。リューズ7は、時計1の中心に向かって押し込まれた通常の位置(0段位置)から2段引くことができる。
リューズ7を0段位置で回転すると、後述するように、ぜんまい20を巻き上げることができる。ぜんまい20の巻上げに連動して、パワーリザーブ針5が移動する。本実施形態の時計1は、ぜんまい20をフルに巻き上げた場合に、約40時間の持続時間を確保できる。
リューズ7を1段位置に引いて回転すると、日車6を移動して日付を合わせることができる。リューズ7を2段位置に引くと秒針4Cが停止し、2段位置でリューズ7を回転すると、時針4A、分針4Bが移動して時刻を合わせることができる。
[ムーブメント]
次に、ムーブメント10について図2〜4を参照して説明する。なお、図3、4はムーブメント10の要部の断面図であり、図3はぜんまい20を巻き上げる巻上げ輪列に沿った断面図であり、図4は巻真31に沿った断面図である。
ムーブメント10は、地板11、一番受け12、テンプ受け13を備えている。地板11と一番受け12との間には、図3に示すぜんまい20が収納された香箱車(一番車)21と、二番車(図示略)と、図2に示す三番車23、四番車24、ガンギ車(五番車)25が配置されている。また、地板11とテンプ受け13との間には、アンクル26、テンプ27等が配置されている。これらは手巻き機構を有する一般的な機械式ムーブメントと同じであるため、説明を省略する。なお、地板11、一番受け12、テンプ受け13等で、ムーブメント10において、歯車などを支持するベース材が構成されている。
次に、本発明の特徴であるぜんまいの手巻き機構30について説明する。
手巻き機構30は、巻真31、つづみ車32、きち車33、丸穴車40、第1中間車51、第2中間車52を備え、リューズ7の回転操作による回転を、角穴車60に伝達し、角穴車60および香箱真22を回転させてぜんまい20を巻き上げるものである。
一番受け12には、第1中間車51、第2中間車52、角穴車60、香箱車21の香箱真22が回転自在に軸支されている。一方、丸穴車40は、一番受け12とは別体の丸穴受け15に回転自在に軸支されている。
なお、本実施形態の一番受け12は、前記第1中間車51、第2中間車52、角穴車60、香箱真22が回転自在に軸支されている。また、一番受け12は、丸穴受け15が固定される固定板部125を備えている。
一番受け12には、前記丸穴受け15が配置される配置穴(凹部)122が形成されている。配置穴122の平面形状は、丸穴受け15の平面形状に合わせて設定されており、平面略菱形の穴とされている。
固定板部125には、図4に示すように、前記配置穴122に露出する2つのネジ穴126が形成されている。固定板部125の表面において、前記ネジ穴126の周囲には凹部127が形成されている。この凹部127には、弾性部材45が配置されている。弾性部材45は、バネ座金、皿バネ座金、波形バネ座金などの弾性変形が可能であり、その弾性変形の反力で丸穴受け15を付勢できる座金を用いることができる。また、弾性部材45は、Oリングのような合成樹脂製等の弾性を有するリング部材でもよい。さらに、固定板部125には、後述する第1丸穴車41が配置される凹部128が形成されている。
丸穴受け15は、前記配置穴122内に配置可能な平面形状とされたプレートで構成され、前記ネジ穴126に合わせて2つの貫通穴151が形成されている。丸穴受け15は、前記貫通穴151を通してネジ穴126に、取付部材である2つのネジ46をねじ込むことで、一番受け12の固定板部125に固定されている。
丸穴受け15には、丸穴車40が回転自在に軸支されている。丸穴車40は、きち車33に噛み合う第1丸穴車41と、第1丸穴車41と一体に回転して第1中間車51に噛み合う第2丸穴車42とで構成されている。
丸穴受け15は、第1丸穴車41と第2丸穴車42との間に配置されており、第1丸穴車41は丸穴受け15に対して巻真31側(時計表面側)に配置され、第2丸穴車42は丸穴受け15に対して巻真31側とは反対側である時計裏面側に配置されている。
第1丸穴車41は、前記きち車33と回転軸が直交するように配置され、各歯車同士も直交方向から噛み合っている。
第2丸穴車42は、第1丸穴車41と同軸で一体に回転するように組み合わされている。第2丸穴車42の直径は、第1丸穴車41よりも大きく設定され、第2丸穴車42の歯数も第1丸穴車41よりも多くされている。これにより、ぜんまいを巻き上げる際に、適正な巻上げ感が得られるように、きち車から角穴車までの減速比(歯数)を設定することができる。
ただし、第1丸穴車41および第2丸穴車42は、丸穴受け15内に納まる直径(平面サイズ)とされ、第2丸穴車42や第1丸穴車41の歯先が丸穴受け15の外周に突出しないように設定されている。
また、第2丸穴車42の歯幅(第2丸穴車42の厚さ寸法)は、第1丸穴車41よりも大きくされている。
丸穴車40を回転自在に支持する丸穴受け15と、固定板部125との間には、前記弾性部材45が配置されている。このため、丸穴受け15はネジ46の頭部461側に付勢され、頭部461の位置によって固定板部125に対する高さ位置が決まる。
したがって、第1丸穴車41と、きち車33との噛み合い量、つまりきち車33の直径方向における第1丸穴車41の位置(時計1の厚さ方向における第1丸穴車41の高さ位置)は、固定板部125に対するネジ46のねじ込み量によって調整できる。
すなわち、ネジ46のねじ込み量(ねじ込み深さ)を大きくして、頭部461と固定板部125との距離を小さくすると、弾性部材45は圧縮され、第1丸穴車41は巻真31側に近づく位置に調整され、きち車33の歯との噛み合い量も増加する。
一方、ネジ46のねじ込み量(ねじ込み深さ)を小さくして、頭部461と固定板部125との距離を大きくすると、弾性部材45によって第1丸穴車41が頭部461側に押される。このため、第1丸穴車41の位置を巻真31から離れる方向に調整でき、きち車33の歯との噛み合い量も小さくなる。
このため、手巻き機構30の各部品に寸法等のばらつきがあっても、ネジ46のねじ込み量を調整することで、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い量を適切に設定できる。
ネジ46のねじ込み量によって、丸穴受け15の位置を調整すると、第2丸穴車42の高さ位置も上下に調整される。このため、第1中間車51に対する第2丸穴車42の位置も変化する。この際、第2丸穴車42および第1中間車51は平歯車同士であり、ネジ46による調整量は第2丸穴車42の歯幅(厚さ寸法)に比べて小さいため、第2丸穴車42および第1中間車51の噛み合い状態も維持できる。
なお、ネジ46のねじ込み量の調整は、巻真31を回転させた際に、きち車33と第1丸穴車41との噛み合いが外れるか否かを確認しながら行ってもよいが、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い状態を視認しながら調整することが好ましい。例えば、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い位置を視認可能な穴を、丸穴受け15や固定板部125に形成し、この穴から噛み合い状態を確認しつつ、ネジ46のねじ込み量を調整してもよい。なお、噛み合い状態の視認は、時計1の組立作業者が目視で行ってもよいが、噛み合い状態をカメラで撮影し、画像処理によって確認してもよい。
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、丸穴車40を支持する丸穴受け15を、一番受け12(固定板部125)とは別体に構成し、2つのネジ46によって固定板部125に対して位置調整可能に取り付けている。このため、丸穴受け15に軸支される丸穴車40(第1丸穴車41)と、きち車33との噛み合い量を調整でき、部品に寸法ばらつきや組立誤差などが生じても、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い量を適切な値に調整できる。したがって、リューズ7を回転してぜんまい20を巻き上げる際に、きち車33の回転によって、第1丸穴車41がネジ46の頭部461側に押し上げられても、丸穴受け15が頭部461に当たる位置で、第1丸穴車41の前記押し上げ方向の移動が規制される。このため、きち車33から第1丸穴車41が離れて歯の噛み合いが外れることを防止できる。
また、丸穴受け15および固定板部125間にバネ座金などの弾性部材45が介在されており、ネジ46のねじ込みによって圧縮される弾性部材45の反力で、丸穴受け15をネジ46の頭部461側に付勢することができる。このため、丸穴受け15や丸穴車40が固定板部125および頭部461間で、がたつくことを防止できる。さらに、弾性部材45を座金で構成すれば、コストも低減でき、組立性も向上できる。
さらに、丸穴受け15の位置調整は、ネジ46のねじ込み量のみで設定できるので、容易に位置調整が行える。また、丸穴受け15の高さ位置を調整可能に一番受け12に固定する固定構造を、ネジ46および弾性部材45で実現できるため、固定構造を簡易にでき、部品点数も少なくでき、製造コストや組立コストも低減できる。
丸穴受け15を取り付けるネジ46の平面配置位置を、巻真31と重なる位置に設定しているので、きち車33と丸穴車40との噛み合い位置に近い場所に、ネジ46を設けることができる。このため、きち車33の回転によって、第1丸穴車41がネジ46の頭部461側に押し上げられる力を、ネジ46で効果的に受けることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5,6を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態の時計1Aは、図5に示すように、第1実施形態の時計1におけるカレンダー小窓3Aおよび日車6を無くし、文字板3にテンプ27部分を視認できる窓3Bを形成したものである。
時計1Aのムーブメント10Aは、図6に示すように、一番受け12における配置穴122Aの形成位置を変更し、丸穴受け15を取り付けるネジ46の配置位置が巻真31と平面視で重ならないように設定したものである。その他の構成は前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
ムーブメント10Aでは、一番受け12に形成される配置穴122Aは、配置穴122Aの長軸方向が巻真31の長手方向に対して約30度傾くように形成されている。また、一番受け12(固定板部125)に形成されるネジ穴の位置も、配置穴122Aの長軸方向に合わせた位置に形成されている。ただし、配置穴122Aの平面形状は、前記第1実施形態と同じである。このため、丸穴受け15は前記第1実施形態と同一のものが利用できる。
ムーブメント10Aにおいても、ネジ46のねじ込み量を調整することで、配置穴122Aに配置される丸穴受け15の高さ位置を調整できる。このため、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い量も適切に設定できる。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ネジ46の平面配置位置が、巻真31と重ならない位置に設定されているので、ネジ46と巻真31とが当接することも確実に防止できる。
さらに、ネジ46のネジ穴の形成位置の自由度が高まるため、他の部品と干渉しない位置に容易にネジ穴を形成できる。
また、きち車33と第1丸穴車41との噛み合い位置から巻真31に沿った方向にはネジ46が配置されないため、前記噛み合い状態を視認可能な穴を巻真31に沿って形成できる。このため、巻真31を回転操作しながら、前記噛み合い状態を容易に確認でき、調整作業時の作業効率を向上できる。
[他の実施形態]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、丸穴受け15と一番受け12の固定板部125との間に、弾性部材45を介在させていたが、弾性部材45を介在させなくてもよい。すなわち、きち車33に対して離れる方向の丸穴車40の移動規制は、ネジ46の頭部461で行え、これによりきち車33と第1丸穴車41との噛み合いが外れることも防止できるためである。ただし、弾性部材45を設けたほうが、丸穴受け15のがたつきを抑えることができ、がたつきによる音の発生なども防止できる利点がある。
前記各実施形態では、巻真31およびきち車33に対する丸穴車40の高さ位置をネジ46で調整可能としていたが、さらに地板11や固定板部125に対する巻真31の高さ位置を調整可能に構成してもよい。例えば、図7に示すように、巻真31の先端を地板11に保持する機構として、円板状の軸支持部材80を設け、この軸支持部材80を地板11に形成した矩形状の穴111に回転位置調整可能に配置すればよい。軸支持部材80は、中心位置から偏心した位置に形成されて巻真31の軸が挿通される支持穴81と、軸支持部材80の表面に形成された軸支持部材80の回転位置の調整用の溝82とを備える。
軸支持部材80の溝82にマイナスドライバーなどを差し込み、穴111内で軸支持部材80を回転すると、支持穴81の位置も一定範囲で変化する。このため、巻真31の先端軸の位置も変化し、これによりきち車33の位置も微調整される。
このような構成を追加すれば、丸穴車40ときち車33との噛み合い位置の調整をより細かく行うことができる。
また、第2実施形態では、丸穴受け15のネジ46の平面位置を、巻真31に沿った方向に対して約30度傾斜した方向に設定していたが、他の角度、例えば約45度に傾斜した方向でもよい。要するに、ネジ46の平面配置位置は、巻真31と平面視で重ならない位置であればよく、他の部品との干渉などを考慮して設定すればよい。
第1丸穴車41、第2丸穴車42は、丸穴受け15の平面範囲内に納まる平面サイズとしていたが、第2丸穴車42は、丸穴受け15の外周側で第1中間車51と噛み合うように設計してもよい。
丸穴受け15が取り付けられるベース材は、一番受け12に限らず、地板11、巻真受け、回路受け座などでもよい。
一番受け12は、前記実施形態のように、固定板部125が一体に形成されているものに限らず、固定板部125が別体とされたものでもよい。すなわち、一番受け12は、第1中間車51、第2中間車52、角穴車60、香箱真22等を回転自在に軸支するプレート状の一番受け本体と、第1丸穴車41が配置される段部を有し、前記丸穴受け15が取り付けられる固定板部125とが別体に構成されたものでもよい。
ムーブメント10、10Aは、ぜんまい20の手巻き機構30として、手巻き機構のみを設けていたが、自動巻き機構を追加してもよい。この場合、丸穴車40から角穴車60までの輪列が変更される場合も、第2丸穴車42のみを変更すればよく、第1丸穴車41、きち車33、つづみ車32、巻真31は共通化できる。
時計は、前記時計1、1Aに限定されない。例えば、パワーリザーブ針5を備えていない時計でもよい。
本発明のムーブメントや時計は、ぜんまい20の手巻き機構を備えている時計に広く利用できる。すなわち、ぜんまい20を駆動源とする一般的な機械時計に限らず、ぜんまいの機械エネルギーを発電機で電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーにより回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に運針させて正確に時刻を表示する電子制御式機械時計にも適用可能である。
1、1A…時計、2…外装ケース、3…文字板、4A…時針、4B…分針、4C…秒針、5…パワーリザーブ針、6…日車、7…リューズ、10、10A…ムーブメント、11…地板、12…一番受け、122、122A…配置穴、125…固定板部、126…ネジ穴、127…凹部、15…丸穴受け、151…貫通穴、21…香箱車、22…香箱真、23…三番車、24…四番車、26…アンクル、30…手巻き機構、31…巻真、32…つづみ車、33…きち車、40…丸穴車、41…第1丸穴車、42…第2丸穴車、45…弾性部材、46…ネジ、461…頭部、51…第1中間車、52…第2中間車、60…角穴車、80…軸支持部材。

Claims (8)

  1. 巻真の回転を角穴車に伝達する輪列を有するムーブメントであって、
    前記巻真により回転するきち車と、
    前記きち車に噛み合う丸穴車と、
    前記丸穴車を回転自在に支持する丸穴受けと、
    前記丸穴受けをベース材に取り付ける取付部材とを備え、
    前記取付部材は、前記丸穴車を挟んで配置された2つのネジを備え、前記ネジのねじ込み量によって、前記きち車の直径方向に前記丸穴受けの位置を調整して前記きち車と前記丸穴車との噛み合い量を調整可能に構成されている
    ことを特徴とするムーブメント。
  2. 請求項1に記載のムーブメントにおいて、
    前記丸穴受けと前記ベース材との間には、前記丸穴受けを前記きち車から離れる方向に付勢する弾性部材が配置されている
    ことを特徴とするムーブメント。
  3. 請求項2に記載のムーブメントにおいて、
    前記弾性部材は座金である
    ことを特徴とするムーブメント。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
    前記丸穴車は、前記きち車と噛み合う第1丸穴車と、前記第1丸穴車と同軸で一体に回転して角穴車に回転を伝達する第2丸穴車とを備え、
    前記丸穴受けは、前記第1丸穴車および前記第2丸穴車の間に配置されている
    ことを特徴とするムーブメント。
  5. 請求項4に記載のムーブメントにおいて、
    前記角穴車と前記第2丸穴車の間に配置される中間車と、
    前記中間車を回転自在に支持する一番受けとを備え、
    前記一番受けには、前記丸穴受けが配置される配置穴が形成され、
    前記第1丸穴車および前記第2丸穴車は、平面視で前記丸穴受け内に納まる平面サイズである
    ことを特徴とするムーブメント。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
    前記2つのネジの配置位置は、平面視で前記巻真と重なる位置である
    ことを特徴とするムーブメント。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のムーブメントにおいて、
    前記2つのネジの配置位置は、平面視で前記巻真と重ならない位置である
    ことを特徴とするムーブメント。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のムーブメントと、
    前記ムーブメントで駆動される指針とを有する
    ことを特徴とする時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019086328A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 セイコーインスツル株式会社 ムーブメントおよび時計

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