JP2017095902A - ドアクローザ - Google Patents

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Kenji Ogawa
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Abstract

【課題】扉を完全に開扉する方向で、扉の壁面に風圧が掛かっても、扉が勢い良く開かないドアクローザを提供する。
【解決手段】ドアクローザ本体は、圧縮バネと、該圧縮バネの付勢力を受ける摺動ラックとを有し、摺動ラックの回転軸と対向する側の垂直面には、圧縮バネの先端部を受ける一端部から他端部にかけて、第1制動区間としての第1ラック歯と、非制動区間としての垂直面と、第2制動区間としての第2ラック歯とが順次設けられ、一方、回転軸には、第1ラック歯に噛合する第1ピニオン歯と、この第1ピニオン歯の先端部で支持された状態で垂直面に対して空回り状態となる弧状摺接部と、第2ラック歯に噛合する第2ピニオン歯とが周方向に順次設けられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、玄関扉、室内扉等の開き式扉と扉枠に設置されるドアクローザに関する。
特許文献1の段落0040及び図7、図8には、回転軸10を一時的にロックする事項が記載されている。すなわち、段落0040には、「回動自在区間Qから扉Dが開扉されると、回動軸10の回動により、図7に示すように、第2ピニオン歯10bの歯先と第2ラック歯13dの逃げ面13eの摺動状態が解除される。その後、図8に示すように、第2ラック歯13dは、回動軸10の第2ピニオン歯10b及び補助ピニオン歯10cの間に位置し、ピニオン歯とラック歯は歯合した状態となる。これにより、圧縮ばね12の付勢力は抑制されなくなる。結果として、蓄積された付勢力にて圧縮ばね12はピストン13を付勢方向へ押圧するとともに、第2ラック歯13dが第2ピニオン歯10bを押圧する。扉Dは開扉された状態となる。」との記載がある。そして、第2区間Rでは、ドアクローザ1は圧縮ばね12のバネ力により自動開扉する(段落0041)。
付言すると、扉を0度から約90度まで開く過程に於いて、第1区間Pでは、圧縮ばね12の付勢力は扉を閉める方向(引寄せ方向)に作用するが、回動自在区間Qから扉Dがさらに開扉されて第2区間Rに至ると、回動軸10の弧状の第2ピニオン歯10bは、逆台形状の第2ラック歯13dの中に入り込み、該逆台形状第2ラック歯13dに一時的にロックされる状態になるため、前記圧縮ばね12の付勢力は、図8の左側の方向(扉を開く方向)に掛かり、所望の角度である90度まで「自動開扉」するという構成である。
その結果、段落0015に記載してあるように、「第2区間では、蓄積された圧縮ばねによる付勢が抑制されないので、第1区間内で蓄積された圧縮ばねの付勢力がピストンを摺動させ、これにより、扉に回動力が付与されなくても、圧縮ばね12の付勢力にてピストンが摺動し、回動軸10が回動することで扉を自動開扉させることができる。
しかしながら、特許文献1は、(a)第2区間に於いて、本願発明の如く耐風圧性能及び煽り止め (バックチェック)機能を有しない、(b)回転軸、摺動ラック、圧縮バネの組合せという簡単な構成ではない、(c)掃除不要、意匠上の美観等の観点から上枠からドアクローザ本体を突出させるものではない、(e)実施形態如何によって、可動アームの部品点数を減らすものではない、(f)実施形態如何によって、第2区間での扉の開く速度を調整することができない等の問題点があった。そこで、このような問題点を解決するために本発明が出現した。
特許第5650941号公報
本願発明の主たる目的は、扉を完全に開扉する方向で、扉の壁面に風圧が掛かっても、扉が勢い良く開かないことである。例えば扉が所定角度(例えば約90度、約180度)の範囲内で開閉する場合、前記摺動ラックに第1制動区間と非制動区間と第2制動区間を連続的に設け、回転軸(扉)のフリー区間のみならず、回転軸(扉)に対する二つの機能(初期段階の引寄せ機能と最終段階の風による煽り止め機能)を十分に発揮させることである。本願発明の第2の目的は、回転軸、摺動ラック、圧縮バネの組合せという簡単な構成により、第1の目的を達成することである。本願発明の第3の目的は、ドアクローザ本体の外面の掃除をする必要がないと共に、意匠上の美観にも優れていることである。本願発明の第4の目的は、可動アームの部品点数を「1本」にすることである。本願発明の第5の目的は、ドアクローザ本体内に作動油を含む油圧機構を設け、扉の開閉過程に於いて、前記作動油の流れを制御することによってピストンを有する摺動ラックの速度を調整し、もって、蝶番や扉枠に負担を掛けないことである。第6の目的は、実施形態によっては、扉の開き角度に応じて、扉の閉速度を微妙に調整することである。特に、第4実施形態では、第2制動区間(最終段階の風による煽り止め機能を有する、例えば70度〜90度の区間)の扉の開く速度を第1制動区間よりも落すことである。
本発明のドアクローザは、扉枠又は扉のいずれか一方に取付けられたドアクローザ本体と、扉又は扉枠のいずれか一方に取付けられたブラケットと、このブラケット及び前記ドアクローザ本体の回転軸とを連結する可動アームとを備えたドアクローザに於いて、前記ドアクローザ本体は、圧縮バネと、該圧縮バネの付勢力を受ける摺動ラックとを有し、該摺動ラックの前記回転軸と対向する側の垂直面には、前記圧縮バネの先端部を受ける一端部から他端部にかけて、第1制動区間としての第1ラック歯と、非制動区間としての垂直面と、第2制動区間としての第2ラック歯とが順次設けられ、一方、前記回転軸は、前記第1ラック歯に噛合する第1ピニオン歯と、この第1ピニオン歯の先端部で支持された状態で前記垂直面に対して空回り状態となる弧状摺接部と、前記第2ラック歯に噛合する第2ピニオン歯とが周方向に順次設けられ、 前記扉の開閉過程に於いて、前記第1制動区間における第1ラック歯と第1ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、閉扉方向で扉を自動閉扉させる機能を有し、一方、前記第2制動区間における第2ラック歯と第2ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、開扉方向で扉を制動させる煽り止め(バックチェック)機能を有することを特徴とする。
また本発明のドアクローザは、上記構成をそのまま含み、さらに、前記アクローザ本体は作動油が充填された密閉空間を有するシリンダハウジングであり、また前記摺動ラックはその先端部に、前記密閉空間を第1圧力室と摺動ラックの内部乃至圧縮バネ側の第2圧力室とに区画するピストンを有すると共に、その後端部に前記圧縮バネを受けると共に前記圧縮バネ側に存在する作動油用の案内孔が形成されたバネ受け座を有し、前記作動油は前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、前記ピストンの第1弁体が開いて前記第2圧力室から前記第1圧力室に排出される一方、前記摺動ラックが前記圧縮バネの伸長する方向(閉扉方向)に移動する場合には、前記シリンダハウジングに設けた摺動ラック用速度調整弁を含む連通路を介して前記第1圧力室から前記第2圧力室に戻されることを特徴とする。
さらに、本発明のドアクローザは、上記構成をそのまま含み、前記ドアクローザ本体は作動油が充填された密閉空間を有するシリンダハウジングであり、また前記摺動ラックはその先端部に前記密閉空間を第1圧力室と摺動ラック内部の第2圧力室とに区画する第1弁体を有する第1ピストンを有し、かつその後端部に前記圧縮バネを受けると共に前記第2圧力室と前記圧縮バネが存在する第3圧力室とに区画する第2弁体を有する第2ピストンを有し、また前記シリンダハウジングは、前記第1ピストンが往復動する側のシリンダハウジングの周側壁部に設けた第1速度調整弁を有する第1連通路と、前記圧縮バネが収縮・伸長する側のシリンダハウジングの周側壁部に設けた第2速度調整弁を有する第2連通路を含み、好ましくは、前記第1制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室の存在する作動油は前記第2連通路の内端部の複数個の吐出孔から同時に前記第2圧力室へと流れ込むと共に、この第2圧力室の内圧によって第2圧力室に存在する作動油は第1弁体を開いて前記第1圧力室へと流れ出し、これに対して、前記第2制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、前記複数個の吐出孔の一つが第2ピストン或いは摺動ラックの一端部に塞がる態様となることを特徴とする。
上記構成に於いて、第1制動区間及び第2制動区間に於いて、扉が開扉方向へ回転し、これにより摺動ラックが回転軸を介して圧縮バネのバネ力に抗して移動する場合に、第3圧力室から第2圧力室へと流れる作動油の流量は、第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔のみならず、第2弁体の排出孔からも排出されることにより、前記第1制動区間の方が第2制動区間よりも多いことを特徴とする。具体的には、第1制動区間に於いて、摺動ラックが圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室の存在する作動油は第2連通路の内端部の複数個の吐出孔を介して第2圧力室へと流れ込むと共に、第1弁体からも第1圧力室へと流れ出し、これに対して、第2制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第2弁体の排出孔は該第2弁体によって完全に塞がれ、第3圧力室の存在する作動油は第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔からのみ第2圧力室へと流れ込むと共に、この第2圧力室の内圧によって第2圧力室に存在する作動油は第1弁体を開いて第1圧力室へと流れ出すことを特徴とする。
(a)請求項1に記載の発明は、扉を完全に開扉する方向で、扉の内面に風圧が掛かっても、耐風圧性能及び煽り止め(バックチェック)機能を持たせることにより、扉が勢い良く開かない。例えば扉が所定角度(例えば約90度、約180度)の範囲内で開閉する場合、前記摺動ラックに第1制動区間と非制動区間と第2制動区間を連続的に設け、回転軸(扉)に対する二つの機能(閉扉方向での初期段階の引寄せ機能、つまり自動閉扉機能)と、開扉方向での最終段階の風による煽り止め機能)を十分に発揮させることができる。
(b)請求項2に記載の発明は、扉枠の上枠に収納部が形成され、該収納部にドアクローザ本体が埋設状態に収納されているので、ドアクローザ本体の外面の掃除をする必要がないと共に、意匠上の美観にも優れている。
(c)請求項3に記載の発明は、可動アームは1本であり、該可動アームは、ブラケットに連結された係合ピンを案内する所定長の案内長孔を有するので、部品点数が減り、施工現場での取付け作業の効率化を図ることができる。
(d)請求項4に記載の発明は、ドアクローザ本体は、支持枠体の上壁部及び下壁部に上下一対の貫通状嵌合支持孔を有し、回転軸は前記貫通状嵌合支持孔に嵌合する上下一対の筒状軸受を介して該ドアクローザ本体に取れ付けられるので、回転軸を支持枠体に容易に嵌め込むことができる。
(e)請求項5に記載の発明は、摺動ラックの一端部には、第1ラック歯によりも突出するストッパ部が設けられ、一方、回転軸には、閉扉時に前記ストッパ部に当る当接部が設けられているので、摺動ラックを所定位置に停止させることができる。
(f)請求項6に記載の発明は、第1ピニオン歯の歯先の長さを基準にすると、弧状摺接部の摺接面は、前記第1ピニオン歯の歯先の軌跡上の仮想線よりも若干内側に位置し、また第2ピニオン歯の歯先の長さは、前記第1ピニオン歯の歯先の長さよりも長く、摺動ラックの第1ラック歯及び第2ラック歯の各歯溝の深さは、前記第1ピニオン歯の歯先及び前記第2ピニオン歯の歯先の長さに対応しているので、各歯の噛合及び非噛合をスムースに行うことができる。
(g)請求項7に記載の発明は、可動アームは、第1アームと、該第1アームに可動ピンを介して連結された第2アームとから成るので、扉を略180度開くことができる 。
(h)請求項8に記載の発明は、第1制動区間に於いて、扉にブレーキが掛かったとき、摺動ラックの速度は作動油の流量と流れによって制御されるので、蝶番や扉枠に負担を掛けない。したがって、故障が少ない。
(i)請求項9に記載の発明は、第1制動区間及び第2制動区間の各作動油の流量を調整することができる。
(j)請求項10及び請求項11に記載の各発明は、第2制動区間の扉の開扉速度を落とすることができる。すなわち、図24と図26の作動油に流れを比較すると理解することができるように、第1制動区間に於いて、摺動ラックが圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室の存在する作動油は第2連通路の内端部の複数個の吐出孔を介して第2圧力室へと流れ込むと共に、第1弁体からも第1圧力室へと流れ出し、これに対して、第2制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第2弁体の排出孔は該第2弁体によって完全に塞がれ、第3圧力室の存在する作動油は第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔からのみ第2圧力室へと流れ込むと共に、この第2圧力室の内圧によって第2圧力室に存在する作動油は第1弁体を開いて第1圧力室へと流れ出す。したがって、第2制動区間の方が、第1制動区間よりも、作動油のダンハー機能により、扉の開扉速度を落とすることができることから、開扉方向で扉を制動させる煽り止め(バックチェック)機能をより有効的に発揮させることができる。
図1乃至図9は本発明の第1実施形態を示す各説明図、図10乃至図14は本発明の第2実施形態を示す各説明図。図15乃至図22は本発明の第3実施形態を示す各説明図。図23乃至図27は本発明の第4実施形態を示す各説明図である。
第1実施形態のドアクローザを上枠及び扉に取り付けた状態の室内側から見た正面図。 概略断面説明図。 (a)図2の3−3線から見た閉扉直前における扉、ブラケット、回転軸、アーム、係合ピンの位置関係の説明図。(b)図2の3−3線から見た閉扉時における扉、ブラケット、回転軸、アーム、係合ピンの位置関係の説明図。なお、ドアクローザ本体を便宜上、仮想線で示す。 ドアクローザ本体の分解斜視図(上下一対の軸受も示す)。 図1の正面から見た主要部の縦概略断面説明図。 図5の6−6線概略断面説明図。 要部の分解斜視図。 扉の開扉過程における回転軸(扉)に対する第1制動区間、非制動区間、第2制動区間の概略説明図。 図8における扉の回動角度の一例を示す説明図。 第2実施形態のドアクローザX1を扉及び上枠に取り付けた状態の室内側から見た正面図。 本体3Aを扉2の上端部、ブラケット4Aを扉枠1の上枠に配置した斜視図。 平面視からのアームユニットの動きを示す概略説明図。 図8と同様の各区間の概略説明図。 図9と同様の扉の回動角度の他例を示す説明図。 本発明の第3実施形態を示す説明図(図5と同様)。 第3実施形態の図6と同様に説明図。 ハウジング31Aの右側壁(右蓋)31dからの説明図。 第1速度調整弁40Aの説明図。 第2速度調整弁40Bの説明図。 第3速度調整弁40Cの説明図。 開扉時に於ける作動油の流れを示す説明図。 閉扉時に於ける作動油の流れを示す説明図。 本発明の第4実施形態を示す説明図。 閉扉状態に於ける作動油の流れを示す説明図(例えば扉が0度から30度まで開くとき)。 第2制動区間(例えば扉が30度から70度まで開くとき)の作動油の流れを示す説明図。 第3制動区間(例えば扉が70度から90度まで開くとき)の作動油の流れを示す説明図。 第3制動区間(例えば扉が90度から70度まで閉じるとき)の作動油の流れを示す説明図。
図1乃至図9は、本発明の第1実施形態のドアクローザXである。これらの図に於いて、垂直の回転軸5を基準にして上下方向という。また左右方向は、図5で示した長尺状の取付けベース板10の長手方向をいう。したがって、取付けベース板10を含むドアクローザ本体3の左側が一端部、右側が他端部である。また摺動ラック25の一端部は、圧縮バネ26の先端部(右側)26aを受ける側であり、その反対側が摺動ラックの他端部である。
まず、ドアクローザXは、扉枠1又は扉2のいずれか一方に取付けられたドアクローザ本体3(以下、「本体3」という)と、扉2又は扉枠1のいずれか一方に取付けられたブラケット4と、このブラケット及び前記本体3の垂直の回転軸5とを連結する1本の可動アーム6とを備えている(図1参照)。
図1及び図2で示すように、第1実施形態では、本体3は、扉(例えば室内扉や玄関扉)2の蝶番2a側の上枠の収納部1a(例えば下方が開口する下向き凹所1a)に埋設状態に収納されている。扉2はその自由端部にラッチバネのバネ力に抗して後退動可能な反転ラッチ、ラッチボルト等のラッチを備えている。
一方、ブラケット4は、扉2の上端部(例えば上框)の壁面に固定されている。図3で示すように平面視「略く」字形状、或いは直線状の可動アーム6は1本であり、この可動アーム6はブラケット4に連結された係合ピン7を案内する「く」字形状の案内長孔6aを有する。
特許文献1の実施形態では、ドアクローザ本体とブラケットを連結する可動アームは、第1アームと第2アームの2本で構成されているが、本実施形態では、従来のようなアームニユットを不要にし、部品点数を少なくしている。
次に、図4の主要部の分解斜視図を参照にして本体3を説明する。本体3は、取付けベース板10と、該取付けベース板に固定され、かつ、長手方向に摺動ラック用案内部11を有する縦断面或いは端面コ字形状の支持枠体12と、この支持枠体の一端部側(左側)に位置するように前記取付けベース板10に固定された圧縮バネ用の横向きハット形状のカバー枠体13とから成り、前記支持枠体12の上壁部12a及び下壁部12bの略中央部には、上下一対の貫通状嵌合支持孔14が形成され、前述の垂直の回転軸5は、前記貫通状嵌合支持孔14に嵌合する上下一対の筒状軸受15を介して本体3に取れ付けられ、少なくともその一端部(実施形態では下端部)は突出している。
しかして、取付けベース板10は、横長長方形状の垂直板であり、上下端部の適宜箇所に固着具16用の複数個の貫通小孔17が形成されている。取付けベース板10の手前側の垂直内面10aには支持枠体12及びカバー枠体13が長手方向に並べて取付けられるので、その左右方向及び上下方向の長さは、前記支持枠体12及びカバー枠体13が食み出ないものとするのが好ましい。実施形態では、取付けベース板10の左右方向長さ及び上下方向の長さは、例えば図5で示すように余裕を持った長さと幅になっている。なお、取付けベース板10の一端部側には、本体3用の不番の取付け小孔が適宜に形成されている。
支持枠体12の左右方向の長さは、取付けベース板10の略半分である。支持枠体12は、水平の上壁部12a、この上壁部と対向する水平の下壁部12b、及び垂直の側壁部12cを有する。したがって、支持枠体12は、断面コ字形状である。垂直の側壁部12cの端部に直交状態に連続する上壁部12a及び下壁部12bは端板部に相当する。この端板部12a、12bが取付けベース板10の垂直内面10aに位置決めして固定される。そこで、上壁部12a及び下壁部12bの各端部には、取付けベース板10の複数個の貫通小孔17と一致可能な複数個の固着具16用のネジ穴18が形成されている。さらに、上壁部12a及び下壁部12bの各端部には、取付けベース板10に支持枠体12を固定することにより出来上がる上下一対の摺動ラック用案内部(実施形態では上下の長溝)11、11が長手方向に形成されている。
貫通状嵌合支持孔14は、真円形状であり、垂直の回転軸5の直径よりも若干大きい。実施形態では、図4及び図5で示すように、短筒状の上下の筒状軸受15の端部15a、15bが嵌合する大径嵌合孔14aと、該大径嵌合孔に連通すると共に、前記筒状軸受15の小径内下端部15bが嵌合する小径嵌合孔14bとを有し、その内周面はそれぞれ段差形状となっている。取付けベース板10に支持枠体12を固定すると、一端面から他端面にかけて略矩形のトンネル状収納空間23及び前述した上下一体の摺動ラック用案内部11、11が出来上がり、さらに、取付けベース板10の一端部側に支持枠体12の一端面に接続するようにカバー枠体13の他端面を固定すると、圧縮バネ26用の収納部24が完成する。
カバー枠体13は、他端面が横倒れハット形状のカバー部分13aと、このカバー部分13aを構成する一端部側のバネ端支持壁13bと、このバネ端支持壁13bから取付けベース板10の端部方向に突出する突片部分13cを有する。そして、前記突片部分13c及び前記カバー部分13aの上下の突片部分(不番)には、第2固着具19用の取付け孔20及び本体3用の取付け孔21がそれぞれ形成されている。なお、本体3用の取付け孔21は取付けベース板10の本体3用の取付け小孔(不番)と一致可能である。
次に、図2、図5乃至図7を参照にして、本体3の収納空間23に組み込まれる摺動ラック25、垂直の回転軸5及びカバー枠体13の収納部24乃至前記収納空間23の一端部側に内装される圧縮バネ26を説明する。
まず、摺動ラック25の構成を説明する。例えば図2及び図7で示すように、摺動ラック25の取付けベース板10の垂直内面10a及び支持枠体12の上下一体の摺動ラック用案内部(長溝)11、11に案内される背面部の上下端部には、縦断面指先形状の係合爪片25aが対称的に長手方向に設けられている。また背面部に連続する正面側の肉厚部の回転軸と対向する側の垂直面には、一端部から他端部にかけて、ストッパ部25b、第1ラック歯25c、垂直面25d、第2ラック歯25eが順次長手方向に設けられている。
しかして、前記ストッパ部25bは、第1ラック歯25cの歯先よりも収納空間23側へと突出し、該ストッパ部25bには、後述する回転軸に設けた当接部5aが、閉扉時に当る。またストッパ部25bの一端面(左面)は、圧縮バネ26の先端部26aを支持するバネ端支持部となっている。ところで、特に図示しないが、圧縮バネ26の先端部は、ストッパ部25bの一端面に形成した横向き凹所、固着具、支持柱等で適宜に支持することが好ましい。
図5は、閉扉時、圧縮バネ26の付勢力は、摺動ラック25を本体3の他端部(右)側に付勢し、摺動ラック25が初期位置に停止している状態を示す。ここで図6を参照にすると、複数の前記第1ラック歯25cは、回転軸5及び可動アーム6を介して扉2にブレーキを掛ける第1制動区間に存在し、また前記垂直面25dは扉2にブレーキを掛けない非制動区間に存在し、さらに、前記第2ラック歯25eは扉に再びブレーキを掛ける第2制動区間に存在する。
付言すると、図8及び図9で示す第1制動区間θ1は閉扉直前(約30度〜0度)で、扉2に対する圧縮バネの付勢力は、閉扉方向で扉を自動閉扉させる機能を有(引き寄せ)し、また前記非制動区間θ2(約30度〜約70度)は、扉2の開閉過程に於いて、扉2を軽く開閉できるフリー的機能を発揮し、さらに、前記第2制動区間θ3(約70度〜約90度)は、開扉方向で風による煽り止めする(バックチェック)機能を発揮する。そして、好ましくは、第1実施形態の基本的な原理をそのまま利用し、油圧機構の作動油の流量によって、前記煽り止めする(バックチェック)機能の強弱を調整する(後述する第4実施形態)。
一方、閉扉時、摺動ラック25のストッパ部25bにより、その回転が止められる回転軸5は、例えば図6と図7で示すように、前記ストッパ部25bの角部に当接する当接部5aと、前述の第1ラック歯25cに噛合する合計2個の第1ピニオン歯5b、5bと、この第1ピニオン歯5bの後続第1ピニオン歯の先端部の略傾斜面27で支持された状態で前述の垂直面25dに対して空回り状態となる弧状摺接部5cと、前述の第2ラック歯25eに噛合する複数個(例えば3個、4個等)の第2ピニオン5dとが周方向に順次設けられている。
そして、図6で示すように実施形態では、好ましくは、第1ピニオン歯5bの歯先の長さを基準にすると、弧状摺接部5cの摺接面は、前記第1ピニオン歯5bの歯先の軌跡上の仮想線よりも若干内側に位置し、また第2ピニオン歯5dの歯先の長さは、前記第1ピニオン歯5bの歯先の長さよりも長く、摺動ラック25の第1ラック歯25c及び第2ラック歯25eの各歯溝の深さは、前記第1ピニオン歯5b及び前記第2ピニオン歯5dの各歯先の長さに対応している。
垂直の回転軸5の軸部は、周方向に当接部5a、第1ピニオン歯5b等を有する大径噛合部を基準にして上端部と下端部に区別することができるが、図2及び図5で示すように本体3の上壁部12aと下壁部12bから突出する上部と中途部にはリング状の上下の止め具28、28がそれぞれ装着され、一方、本体3の下壁部12bから所要量突出する下端部の外周面は多角形の角軸状に形成され、ブラケット4及び可動アーム6の案内長孔6aを貫通する係合ピン7の上端部が前記角軸状下端部に一体的に嵌合している。
上記構成に於いて、扉2の開閉過程に於いて、第1制動区間θ1における第1ラック歯25cと第1ピニオン歯5bの噛合と圧縮バネの付勢力は、扉を自動的に閉扉させる機能を有する。一方、第2制動区間θ2における第2ラック歯25eと第2ピニオン歯5dの噛合と前記圧縮バネの付勢力は、開扉方向でブレーキがかかる機能(チェックバック機能或いは煽り止め機能)を有する。
そこで、二つの機能(引寄せ機能と煽り止め機能)について、図8及び図9を参照にして説明する。
まず、図8の(a)は扉2の閉扉時である。この時、摺動ラック25は圧縮バネ26の付勢力にて押圧された状態で初期位置に停止している。そして、摺動ラック25のストッパ部25bは回転軸5の当接部5aに当っている。当該状態において、第1ラック歯25cの前歯と後歯には、回転軸5の軸部に設けられた第1ピニオン歯5bの2個の歯はそれぞれ歯合状態となっている。したがって、この噛合状態では、図9で示す扉2の角度は「0度」である。
そこで、今仮に、図示しないラッチを備えた扉2が開扉されると、1本の可動アーム6を介して回転軸5が反時計回りに回転する。これにより、第1ピニオン歯5bが第1ラック歯25cを押圧し、圧縮バネ26の付勢力を蓄積させる方向へ摺動ラック25を移動させる(図面では左側の矢印方向)。この時、摺動ラック25は矢印方向に上下の案内部11にその上下の係合爪片25aが案内されながら取付けベース板10の垂直内面10aに沿って摺動する。
第1ピニオン歯5bが第1ラック歯25cを押圧する開扉初期の状態は、図9に示す扉2の第1制動区間(0度〜約30度の区間)θ1である。
ところで、この第1制動区間θ1内において、扉2から手を離し、該扉2に開く方向への回転力が付与されなくなると、蓄積された付勢力により圧縮バネ26は摺動ラック25を押し戻すことになるので、図9の「閉」方向に圧縮バネ26のバネ力によって戻る。換言すると、閉扉直前である約30度から扉2にブレーキがかかり、そのままラッチングする。つまり、扉2は閉扉位置まで引き寄せされ、ドアクローザは自動閉扉する(この機能は従来と同様である)。
さて、図8の(b)は扉2がさらに開扉され、第1制動区間θ1から非制動区間(30度〜約70度の区間)θ2に入った状態である。この非制動区間θ2では、まず第1ピニオン歯5bと第1ラック歯25cの歯合状態が解除される。この歯合状態が解除された状態において、前記第1ピニオン歯5bに続く弧状摺接部5cの摺接面は、第1ピニオン歯5bの歯先円直径の軌跡上に位置するか又はそれよりも若干内側に位置している(実施形態)ので、該弧状摺接部5cの摺接面は、第1ラック歯25cの後続の歯先の傾斜面(逃げ面)27に対して摺動可能となる。この第1ラック歯25cの傾斜面27と回転軸2の弧状摺接部5cの摺接面の両者の摺動状態では、圧縮バネ26の付勢力が抑制され、摺動ラック25は摺動することなく所定位置で静止させることも可能である。すなわち、非制動区間θ2は回転軸5が、いわば回転自在な区間でもあることから、扉2の開閉力が軽いものとなる。
そして、図8の(c)は、扉2がさらに開扉され、非制動区間θ2から第2制動区間θ3(70度〜約90度の区間)に入った状態である。この第2制動区間θ3では、回転軸5の、例えば合計3個の第2ピニオン歯5dは合計3個の第2ラック歯25eに順次噛合して行くので、摺動ラック25は圧縮バネ26の付勢力に抗してカバー枠体13の方向へさらに移動する。つまり、蓄積された付勢力にさらに圧縮バネ26の付勢力が加味される。換言すると、完全開扉の直前である約70度で扉2に二度目のブレーキがかかり、風による煽り止め(バックチェック)機能が働く。
なお、実施形態では、第1制動区間θ1、非制動区間θ2、第2制動区間θ3は上述のとおりであるが、これらの角度は限定的ではなく、例えば第1制動区間θ1は扉2の回転角度0度から20度、非制動区間θ2は扉2の回転角度20度から75度、第2制動区間θ3は扉2の回転角度75度から90度とすることもできる。したがって、各区間の回転角度は、ピニオン歯の形状によって、適宜変更することができる。
実施形態では、1本の可動アーム6は、平面視左腕を内側に「略く字形状」に折り曲げた形態をしているが、もちろん、この可動アーム6の形状や長さは適宜に変更(例えば平面視弧状、直線状)等の形状に任意に設計変更することができる。
次に、図10乃至図14を参照にして、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明に当って、第1実施形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
この第2実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、ドアクローザX1を構成する本体3Aを扉2の上端部に、一方、ブラケット4Aを扉枠1の上枠1bにそれぞれ配置した点、本体3Aは支持枠体とカバー枠体から成るのではなく、一つの横長直方体の収納箱である点、可動アームは一本ではなく、従来技術と同様のアームニユット(例えば特開2012−12845号公報のドアクローザ)と同様である点等である。
すなわち、例えば図11を参照にすると、X1はドアクローザ、3Aは扉2の上端部に取付けられた横長直方体の収納箱31を備えた本体、6Aは第1アーム6bと、該第1アームに可動ピン9を介して連結された第2アーム6cとから成る可動アーム、4Aは扉枠1の上枠1bに取付けられたブラケットである。
しかして、前記第1アーム6bの基端部は連結ピン8を介してブラケット4Aの突起部分に軸支されている。一方、前記第2アーム6cの基端部は本体3Aの収納箱31の上壁31aから突出した回転軸5の多角形の突出端部に一体的に連結されている。
図12は、扉2が閉じる時の可動アーム6Aの閉じ状態を示すもので、図12(a)は可動アーム6Aの第1アーム6bと第2アーム6cが平面視「逆く」の字状に開いた状態であり、この状態から矢印方向に扉が回転すると、図12(b)の如く、第1アーム6bと第2アーム6cが互いに閉じる状態となり、扉が完全に閉じる。
図14は可動アーム6Aを採用したことにより、扉2が略180度回転することを示すものである。この第2実施形態では、扉2が略180度回転するので、第2制動区間θ3のバックチェックの回転量を約70度から180度にした点が第1実施形態と異なる。
なお、摺動ラック25と回転軸5の取り付け位置が第1実施例では図8を基準とすると、ラック25が上で回転軸5が下であるのに対して、第2実施例では図13を基準とすると、ラック25が下で回転軸5が上となっている。このように構成しても、本発明の課題を達成することができる。また、特に図示しないが、本発明の第1実施形態等のドアクローザも、例えば特許文献1と同様に作動油が通過する作動油通路等を適宜に設けることが好ましい。
次に、図15乃至図22は本発明の第3実施形態を示す各説明図である。この第3実施形態は、前記第1実施形態の主要部を含み、さらに、ピストン35の先端面とシリンダハウジング31Aの一側壁の内面の間の第1油圧室Aに存在する作動油W(図21、図22を参照)をピストン35が摺動する側の前記シリンダハウジング31Aの周側壁部に設けた速度調整弁を含む単数又は複数個の連通路を介して摺動ラック25Aの内部側の第2圧力室Bに戻す構成を加味したものである。
すなわち、第3実施形態のドアクローザは、前記第1実施形態の主要部を含み、さらに、ドアクローザ本体(本体)3は作動油Wが充填された密閉空間を有するシリンダハウジング31Aであり、また摺動ラック25Aはその先端部に、前記密閉空間を第1圧力室Aと摺動ラックの内部乃至圧縮バネ26側の第2圧力室Bとに区画するピストン35を有すると共に、その後端部に前記圧縮バネ26を受けると共に前記圧縮バネ26側に存在する作動油用の案内孔37が形成されたバネ受け座36を有し、前記作動油Wは前記摺動ラック25Aが前記圧縮バネ26の収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、前記ピストン35の第1弁体39が開いて前記第2圧力室Bから前記第1圧力室Aに排出される一方、前記摺動ラック25Aが前記圧縮バネ26の伸長する方向(閉扉方向)に移動する場合には、前記シリンダハウジング31Aに設けた単数又は複数の速度調整弁を含む連通路を介して前記第1圧力室Aから前記第2圧力室Bに戻される。
そこで、以下、図面を参照にして、シリンダハウジング31A(以下、「ハウジング」)、ピストン35を有する摺動ラック25A、速度調整弁等の構成を詳しく説明する。なお、細部的事項の説明は割愛する。ここでは図15を基準にして、右側を先端部、その逆側を後端部とする。
まず、図15は第1実施形態の図5、図16は第1実施形態の図6に相当する。ハウジング31Aは、第2実施形態の収納箱31と同様に正面壁、背面壁、上面壁31a、下面壁31b及び左右一対の側面壁(左右の蓋部)31c、31dの6面で直方体形状に形成される。この直方体形状のハウジング31Aはクローザ本体なので、扉枠1又は扉2のいずれか一方に横設状態に取付けられる。
ハウジング31A内部(不番の密閉空間)には、ピストン35を有する摺動ラック25A、摺動ラック用付勢手段(圧縮バネ)26が内装されている。摺動ラック25Aは前記圧縮バネ26により、図15及び図16の右方向に付勢された状態で往復移動可能に配置され、密閉空間はピストン35を基準として第1圧力室A(図15と図16の各右側の領域)と第2圧力室B(図15と図16の各左側の大領域)とに区画されている。
本実施形態では、ピストン35は摺動ラック25Aの先端部に設けられ、その排出路38内に第1弁体39を有している。一方、摺動ラック25Aの後端部には、圧縮バネ26側に存在する作動油用の案内孔37が形成されたバネ受け座36が設けられている。このバネ受け座36は圧縮バネ26の先端部(一端部)を支持し、前記圧縮バネ26の後端部(他端部)はハウジング31Aの後端部に相当する左側壁(左蓋)31cの内面に支持されている。左側壁(左蓋)31cと右側壁(右蓋)31dは、それぞれ外周の雄ねじ部を有し、ハウジング31Aの左右端部に形成した雌ねじ部にそれぞれ螺着している。
摺動ラック25Aの内部には第2圧力室Bの一部を形成する不番の空洞部が形成され、該空洞部は先端部側に形成された排出路38を介して上記第1圧力室Aに連通していると共に、後端部側の上記バネ受け座36の案内孔37を介して圧縮バネ26が存在する空間部に連通している。したがって、この実施形態の「第2圧力室B」は、摺動ラック25Aの不番の空洞部と圧縮バネ26が存在する空間部から成る。
ところで、前記排出路38は、不番の空洞部側通路と、該空洞部側通路よりも大きい不番の高圧室側通路とからなり、この高圧室側通路に第1弁体(チェック弁)39が介設され、該第1弁体39により前記第1圧力室Aと第2圧力室Bとを連通・遮断するように構成している。付言すると、排出路38は、高圧室側通路に嵌着されたボール状の弁本体39を備え、該ボール状の弁本体39が開くと、第2圧力室Bに存する作動油が第1圧力室Aに排出され得る。
この第1弁体39は、閉扉状態では第1圧力室Aの内圧で空洞部側通路に通ずるボール収容部の内壁に押し付けて排出路38を閉じ、第1圧力室A側の作動油が第2圧力室B側には流出しない。第1圧力室A側の作動油は、後述するように速度調整弁を含む単数又は複数の連通路を介して第2圧力室B側に戻される。
摺動ラック25Aの空洞部には、第1実施形態と同じラック・ピニオン機構が組み込まれている。回転軸5を含むラック・ピニオン機構の構成については、第1実施形態の説明を援用する。なお、回転軸5の突出端部(例えば上端部又は下端部)には、第1実施形態と同様の1本の可動アーム6又は第2実施形態と同様のリンク機構を構成する複数本の可動アーム6Aが連結される。
次に、図17乃至図20を参照にして速度調整弁を含む複数の連通路の構成を説明する。この実施形態では、第1制動区間の扉の開閉速度を微妙に調整するために複数の連通路をハウジング31Aに設けている。すなわち、合計3個の速度調整弁が右側壁(右蓋)31d側のハウジング31Aに設けられ、これら3個の速度調整弁40A、40B、40Cは、ピストン35が摺動する側のハウジング31Aの先端部の周壁部に右側壁(右蓋)31dからそれぞれ差し込むように嵌め込まれている。
ここで図17を参照にすると、図17の略中央部下に第1速度調整弁40A(図18に示す)、図17の左上に第2速度調整弁40B(図19に示す)、そして、図17の左下に第3速度調整弁40C(図19に示す)がそれぞれ挿着されている。これら速度調整弁40A、40B、40Cは、外端部に相当する基端部にドライバー等の操作工具を挿入係合するプラス型の係合溝が、中途部に雄ネジ部が、先端側に軸部が、該軸部先端に切欠部がそれぞれ形成された軸形状をしており、上記雄ネジ部の基端側にはシール用のOリングが外嵌合されている。そして、各速度調整弁40A、40B、40Cをそれぞれ含む各連通路41、42、43は、実施形態では、長手方向に所定間隔を有して第2圧力室Bに連通する複数個(2個)の吐出孔 (垂直連通孔)41a、41b、42a、42b、43a、43bをそれぞれ有している。
ところで、各連通路41、42、43の詳細は割愛するが、例えば速度調整弁40A、40B、40Cは大径の基端部寄りの部位から小径の挿入端部まで軸方向に作動油が通過することができるような案内溝が形成されており、閉扉時、摺動ラック25Aがハウジング31Aの右側壁(右蓋)31d方向へ移動すると、前記吐出孔(垂直連通孔)41a、41b、42a、42b、43a、43bが選択的に第1圧力室Aに存在する作動油が各連通路41、42、43を介して第2圧力室Bへと戻される。
また各速度調整弁40A、40B、40Cは、不番の各挿着孔に挿入する際、雄ネジ部を雌ネジ部に螺合させ、この状態で、軸部周りに形成された横溝状の隙間及び切欠部を介して各吐出孔41a、41b、42a、42b、43a、43bを連通させ、これにより、第1圧力室Aと第2圧力室Bとが連通し、各速度調整弁41、42、43をそれぞれ操作工具で軸方向に螺進退させて切欠部の位置を変えることにより、切欠部による流路を広狭変化させ、ピストン35を有する摺動ラック25Aの移動に連動して第1圧力室Aから第2圧力室Bに流出する作動油の流量を制御する。これにより、扉2の閉速度を調整する。
図21は、開扉方向における作動油Wの流れの一例を示す概略説明図である。この図から明らかなように、作動油Wは摺動ラック25Aが圧縮バネ26の収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、ピストン35の第1弁体39が開いて第2圧力室Bから前記第1圧力室Aに排出される。
図22は閉扉方向における作動油Wの流れの一例を示す概略説明図である。この図から明らかなように、摺動ラック25Aが圧縮バネ26の伸長する方向(閉扉方向)に移動する場合には、ハウジング31Aに設けた速度調整弁を含む複数の連通路41、42、43を介して第1圧力室Aから第2圧力室Bに戻される。
なお、この実施形態では、ハウジング31Aは、それぞれ速度調整弁40A、40B、40Cを含む複数個の連通路41、42、43を有しているが前記連通路は単数でも良い。しかし、それぞれ速度調整弁40A、40B、40Cを含む複数個の連通路41、42、43を有する実施形態の場合には、扉の開き角度に応じて、扉2の閉速度を微妙に調整することができる。
次に、図23乃至図27は、本発明の第4実施形態を示す各説明図である。この第4実施形態の発明の課題は、第2制動区間の方が、第1制動区間よりも、作動油のダンハー機能により、扉の開扉速度を落とすることができるようにし、これにより開扉方向で扉を制動させる煽り止め(バックチェック)機能をより有効的に発揮させることである。その解決手段として、第1制動区間及び第2制動区間に於いて、扉が開扉方向へ回転し、これにより摺動ラックが回転軸を介して圧縮バネのバネ力に抗して移動する場合に、第3圧力室から第2圧力室へと流れる作動油の流量は、第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔のみならず、第2弁体の排出孔からも排出されることにより、前記第1制動区間の方が第2制動区間よりも多いことを特徴とする。具体的には、第1制動区間及び第2制動区間に於いて、扉が開扉方向へ回転し、これにより摺動ラックが回転軸を介して圧縮バネのバネ力に抗して移動する場合に、第3圧力室から第2圧力室へと流れる作動油の流量は、第2速度調整弁を有する第2連通路の複数の吐出孔を介して第2圧力室に流れ込むと共に、第2弁体の排出孔からも排出されることにより、前記第1制動区間の方が第2制動区間よりも多いことを特徴とする。
すなわち、第1制動区間に於いて、摺動ラックが圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室の存在する作動油は第2連通路の内端部の複数個の吐出孔を介して第2圧力室へと流れ込むと共に、第1弁体からも第1圧力室へと流れ出し、これに対して、第2制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第2弁体の弁路(排出孔)は該第2弁体によって完全に塞がれ、第3圧力室の存在する作動油は第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔からのみ第2圧力室へと流れ込むと共に、この第2圧力室の内圧によって第2圧力室に存在する作動油は第1弁体を開いて第1圧力室へと流れ出すことを特徴とする。
しかして、この第4実施形態は、前記第1実施形態の主要部を含み、さらに、前記ドアクローザ本体(本体)3は作動油Wが充填された密閉空間を有するシリンダハウジング31B(以下、「ハウジング」という)であり、また前記摺動ラック25Bはその先端部に前記密閉空間を第1圧力室Aと摺動ラック内部の第2圧力室Bとに区画する第1弁体39を有する第1ピストン35を有し、かつその後端部に圧縮バネ26を受けると共に前記第2圧力室Bと前記圧縮バネ26が存在する第3圧力室Cとに区画する第2弁体45を有する第2ピストン36Bを有する。
また前記ハウジング31Bは、前記第1ピストン35が往復動する側のハウジング31Bの周側壁部に設けた第1速度調整弁を有する第1連通路と、前記圧縮バネ26が収縮・伸長する側のハウジングの周側壁部に設けた第2速度調整弁44Aを有する第2連通路44を含む。
前記第2連通路44は、圧縮バネ26の後端部側の排出路44aと、該圧縮バネ26の先端部側の排出路44bの複数の排出路を有し、また前記第1速度調整弁を有する第1連通路は、第3実施形態と同一である。
すなわち、第1連通路は、複数(3個)の連通路41、42、43であり、これらの各連通路には各速度調整弁40A、40B、40Cがそれぞれ螺着している。その詳細は第3実施形態の説明を援用する。なお、例えば図27で示すように、速度調整弁40Aと速度調整弁40Bの各垂直連通孔41a、41b、42a、42bは、図面上重なるので、便宜上、他方の垂直連通孔は(41a、41b )で示す。
これに対して、前記第2速度調整弁44Aを有する第2連通路44は1個である。前記第2速度調整弁44Aは、第1速度調整弁よりも長く、例えばハウジング31Bの右側壁(右蓋部)側から延びる所定長の棒状体で、外端部に相当する基端部は挿入先端部側よりも大径である。この第2速度調整弁44Aの構成は第1速度調整弁のそれと同様なので、第1速度調整弁の説明を援用する。
しかして、この第2連通路44は、図23を基準にすると、ハウジング31Bの左側壁(左蓋部)寄りの部位に第3圧力室Cに存在する作動油Wを排出する第1排出孔44aと、第2速度調整弁44Aの挿入先端部の前方の圧縮バネ26の先端部側の第2排出孔44bと、さらに、この第2排出孔44bよりも前方に位置し、第2圧力室Bと連通する第3排出孔44cを含んでいる。
実施形態では、第2連通路44は、圧縮バネ26の収縮量、つまり、摺動ラック25Bの移動量を考慮して、ハウジング31Bの長さ方向に所定間隔を有して第3圧力室Cに連通する複数(例えば2個)の吐出孔(連通孔)44b、44c、が設けられている。
そして、図24で示すように、前記第1排出孔44aは第1制動区間では第2速度調整弁44Aによって塞がれるので、第3圧力室Cに存在する作動油は前記第2排出孔44bから排出される。このとき、前述したように、第3圧力室Cから第2圧力室Bへと流れる作動油Wの流量は、第2速度調整弁44Aを有する第2連通路44の第2吐出孔44bのみならず、第2弁体45の排出孔からも排出される。
これに対して、非制動区間では、第1実施例同様、ピニオン歯とラック歯の歯合状態が解除されるため回転軸5は、摺動ラック25Bに対して空回り状態となる。摺動ラック25Bは摺動することなく、所定位置に静止しているため作動油Wも流れることがない。すなわち軽い力で扉2の開閉が可能である(図25参照)。
次に、第2制動区間(例えば扉が70度から90度まで開くとき)に於いて、前記摺動ラック25Bが前記圧縮バネ26の収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第2排出孔44bが第2ピストン36Bで略塞がれるので、第3圧力室Cに存在する作動油Wは、第2排出孔44bから排出されない一方、第3圧力室Cの内圧が高まるので、第2速度調整弁44A側の第1排出孔44aから作動油Wが排出され、この排出された作動油Wは、第3排出孔44cを介して第2圧力室Bへと戻される。この時、第3圧力室Cの内圧が所定値まで高まっているので、第2弁体45はその弁路を略完全に閉じる(図26参照)。
したがって、この第4実施形態では、第1制動区間に於いて、摺動ラック25Bが圧縮バネ26の収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室Cの存在する作動油Wは第2連通路44の内端部の複数個の吐出孔44b、44cを介して第2圧力室Bへと流れ込むと共に、完全に弁路(排出孔)を閉じていない第1弁体39からも第1圧力室Aへと流れ出す。
これに対して、第2制動区間に於いて、前記摺動ラック25Bが前記圧縮バネ26の収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、前記第2弁体45の弁路(排出孔)は該第2弁体45によって完全に塞がれ、第3圧力室Cの存在する作動油Wは第2速度調整弁44Aを有する第2連通路44の第1吐出孔44aとその前方の第3吐出孔44cをそれぞれ介して第2圧力室Bへと流れ込むと共に、この第2圧力室Bの内圧によって第2圧力室に存在する作動油Wは第1弁体39を開いて第1圧力室Aへと流れ出す。その他、図27は第2制動区間(例えば扉が90度から70度で閉じるとき)の作動油の流れを示す説明図である。
なお、この第4実施形態は、第3実施形態と一部の構成が同じなので、説明の便宜上、第3実施形態と同一の構成には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を割愛する。
本発明は、室内扉や玄関扉のドアクローザとして用いられる。
X、X1…ドアクローザ、
1…扉枠、2…扉、
3、3A、3B…ドアクローザ本体(本体)、
4、4A…ブラケット、
5…回転軸、
6、6A…可動アーム、
7…係合ピン、
10…取付けベース板、
11…案内部、
12…支持枠体、
13…カバー枠体、
14…嵌合支持孔、
15…軸受、
23…収納空間、
24…圧縮バネの収納部、
25、25A、25B…摺動ラック、
26…圧縮バネ、
25a…係合爪片、
25b…ストッパ部、
25c…第1ラック歯、
25d…垂直面、
25e…第2ラック歯、
5a…当接部、
5b…第1ピニオン歯、
5c…弧状摺接部、
5d…第2ピニオン歯、
θ1…第1制動区間、
θ2…非制動区間、
θ3…第2制動区間
31A、31B…ハウジング、
35…ピントン(第1ピストン)、
36…バネ受け座、
36A…第2ピストン、
37…案内孔、
38…排出路、
39…第1弁体、
41、42、43…複数(3個)の連通路、
40A、40B、40C…各速度調整弁、
A…第1圧力室(第3実施形態、第4実施形態)、
B…第2圧力室(第3実施形態、第4実施形態)、
C…第3圧力室(第4実施形態)、
44…第2連通路、
44A…第2速度調整弁、
44a…吸引孔、
44b、44c…複数の吐出孔(連通孔)、
45…第2弁体。

Claims (11)

  1. 扉枠又は扉のいずれか一方に取付けられたドアクローザ本体と、扉又は扉枠のいずれか一方に取付けられたブラケットと、このブラケット及び前記ドアクローザ本体の回転軸とを連結する可動アームとを備えたドアクローザに於いて、前記ドアクローザ本体は、圧縮バネと、該圧縮バネの付勢力を受ける摺動ラックとを有し、該摺動ラックの前記回転軸と対向する側の垂直面には、前記圧縮バネの先端部を受ける一端部から他端部にかけて、第1制動区間としての第1ラック歯と、非制動区間としての垂直面と、第2制動区間としての第2ラック歯とが順次設けられ、一方、前記回転軸は、前記第1ラック歯に噛合する第1ピニオン歯と、この第1ピニオン歯の先端部で支持された状態で前記垂直面に対して空回り状態となる弧状摺接部と、前記第2ラック歯に噛合する第2ピニオン歯とが周方向に順次設けられ、前記扉の開閉過程に於いて、前記第1制動区間における第1ラック歯と第1ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、閉扉方向で扉を自動閉扉させる機能を有し、一方、前記第2制動区間における第2ラック歯と第2ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、開扉方向で扉を制動させる煽り止め機能を有するドアクローザ。
  2. 請求項1に於いて、扉枠の上枠に収納部が形成され、該収納部にドアクローザ本体が埋設状態に収納されていることを特徴とするドアクローザ。
  3. 請求項1に於いて、可動アームは1本であり、該可動アームは、ブラケットに連結された係合ピンを案内する所定長の案内長孔を有することを特徴とするドアクローザ。
  4. 請求項1に於いて、ドアクローザ本体は、支持枠体の上壁部及び下壁部に上下一対の貫通状嵌合支持孔を有し、回転軸は前記貫通状嵌合支持孔に嵌合する上下一対の筒状軸受を介して該ドアクローザ本体に取れ付けられることを特徴とするドアクローザ。
  5. 請求項1に於いて、摺動ラックの一端部には、第1ラック歯によりも突出するストッパ部が設けられ、一方、回転軸には、閉扉時に前記ストッパ部に当る当接部が設けられていることを特徴とするドアクローザ。
  6. 請求項1に於いて、第1ピニオン歯の歯先の長さを基準にすると、弧状摺接部の摺接面は、前記第1ピニオン歯の歯先の軌跡上の仮想線よりも若干内側に位置し、また第2ピニオン歯の歯先の長さは、前記第1ピニオン歯の歯先の長さよりも長く、摺動ラックの第1ラック歯及び第2ラック歯の各歯溝の深さは、前記第1ピニオン歯の歯先及び前記第2ピニオン歯の歯先の長さに対応していることを特徴とするドアクローザ。
  7. 請求項1に於いて、可動アームは、第1アームと、該第1アームに可動ピンを介して連結された第2アームとから成ることを特徴とするドアクローザ。
  8. 扉枠又は扉のいずれか一方に取付けられたドアクローザ本体と、扉又は扉枠のいずれか一方に取付けられたブラケットと、このブラケット及び前記ドアクローザ本体の回転軸とを連結する可動アームとを備えたドアクローザに於いて、前記ドアクローザ本体は、圧縮バネと、該圧縮バネの付勢力を受ける摺動ラックとを有し、該摺動ラックの前記回転軸と対向する側の垂直面には、前記圧縮バネの先端部を受ける一端部から他端部にかけて、第1制動区間としての第1ラック歯と、非制動区間としての垂直面と、第2制動区間としての第2ラック歯とが順次設けられ、一方、前記回転軸は、前記第1ラック歯に噛合する第1ピニオン歯と、この第1ピニオン歯の先端部で支持された状態で前記垂直面に対して空回り状態となる弧状摺接部と、前記第2ラック歯に噛合する第2ピニオン歯とが周方向に順次設けられ、前記扉の開閉過程に於いて、前記第1制動区間における第1ラック歯と第1ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、閉扉方向で扉を自動閉扉させる機能を有し、一方、前記第2制動区間における第2ラック歯と第2ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、開扉方向で扉を制動させる煽り止め機能を有し、さらに、前記ドアクローザ本体は作動油が充填された密閉空間を有するシリンダハウジングであり、また前記摺動ラックはその先端部に、前記密閉空間を第1圧力室と摺動ラックの内部乃至圧縮バネ側の第2圧力室とに区画するピストンを有すると共に、その後端部に前記圧縮バネを受けると共に前記圧縮バネ側に存在する作動油用の案内孔が形成されたバネ受け座を有し、前記作動油は前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、前記ピストンの第1弁体が開いて前記第2圧力室から前記第1圧力室に排出される一方、前記摺動ラックが前記圧縮バネの伸長する方向(閉扉方向)に移動する場合には、前記シリンダハウジングに設けた摺動ラック用速度調整弁を含む連通路を介して前記第1圧力室から前記第2圧力室に戻されることを特徴とするドアクローザ。
  9. 扉枠又は扉のいずれか一方に取付けられたドアクローザ本体と、扉又は扉枠のいずれか一方に取付けられたブラケットと、このブラケット及び前記ドアクローザ本体の回転軸とを連結する可動アームとを備えたドアクローザに於いて、前記ドアクローザ本体は、圧縮バネと、該圧縮バネの付勢力を受ける摺動ラックとを有し、該摺動ラックの前記回転軸と対向する側の垂直面には、前記圧縮バネの先端部を受ける一端部から他端部にかけて、第1制動区間としての第1ラック歯と、非制動区間としての垂直面と、第2制動区間としての第2ラック歯とが順次設けられ、一方、前記回転軸は、前記第1ラック歯に噛合する第1ピニオン歯と、この第1ピニオン歯の先端部で支持された状態で前記垂直面に対して空回り状態となる弧状摺接部と、前記第2ラック歯に噛合する第2ピニオン歯とが周方向に順次設けられ、前記扉の開閉過程に於いて、前記第1制動区間における第1ラック歯と第1ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、閉扉方向で扉を自動閉扉させる機能を有し、一方、前記第2制動区間における第2ラック歯と第2ピニオン歯の噛合と圧縮バネの付勢力は、開扉方向で扉を制動させる煽り止め機能を有し、さらに、前記ドアクローザ本体は作動油が充填された密閉空間を有するシリンダハウジングであり、また前記摺動ラックはその先端部に前記密閉空間を第1圧力室と摺動ラック内部の第2圧力室とに区画する第1弁体を有する第1ピストンを有し、かつその後端部に前記圧縮バネを受けると共に前記第2圧力室と前記圧縮バネが存在する第3圧力室とに区画する第2弁体を有する第2ピストンを有し、また前記シリンダハウジングは、前記第1ピストンが往復動する側のシリンダハウジングの周側壁部に設けた第1速度調整弁を有する第1連通路と、前記圧縮バネが収縮・伸長する側のシリンダハウジングの周側壁部に設けた第2速度調整弁を有する第2連通路を含むことを特徴とするドアクローザ。
  10. 請求項9に於いて、第1制動区間及び第2制動区間に於いて、扉が開扉方向へ回転し、これにより摺動ラックが回転軸を介して圧縮バネのバネ力に抗して移動する場合に、第3圧力室から第2圧力室へと流れる作動油の流量は、第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔のみならず、第2弁体の排出孔からも排出されることにより、前記第1制動区間の方が第2制動区間よりも多いことを特徴とするドアクローザ。
  11. 請求項10に於いて、第1制動区間に於いて、摺動ラックが圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第3圧力室の存在する作動油は第2連通路の内端部の複数個の吐出孔を介して第2圧力室へと流れ込むと共に、第1弁体からも第1圧力室へと流れ出し、これに対して、第2制動区間に於いて、前記摺動ラックが前記圧縮バネの収縮する方向(開扉方向)に移動する場合には、第2弁体の排出孔は該第2弁体によって完全に塞がれ、第3圧力室の存在する作動油は第2速度調整弁を有する第2連通路の吐出孔からのみ第2圧力室へと流れ込むと共に、この第2圧力室の内圧によって第2圧力室に存在する作動油は第1弁体を開いて第1圧力室へと流れ出すことを特徴とするドアクローザ。
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