JP2017095890A - 橋梁ジョイント構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物に敷設される既設舗装体との継目の材質相違に起因する種々の影響を軽減し、一連の施工に要する作業の簡素化及び施工時間の低減を図ることができる橋梁ジョイント構造物を提供すること。【解決手段】 橋梁ジョイント構造物1は、第1及び第2橋梁構造物を連結することで橋梁空隙部W1の伸縮を防止して、橋梁B全体を一体的な連動構造体10として一体的に変位挙動させる。橋梁ジョイント構造物1は、主に、強化アスファルト系舗装体2と、引張力補強部材3と、圧縮抵抗部材4とを備えた複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結する。強化アスファルト系舗装体2は、その内部に内包される引張力補強部材3と協働して、橋桁B1の収縮に伴って発生する橋梁空隙部W1の幅伸長を防止する。圧縮抵抗部材4は、橋桁B1の伸長に伴って発生する橋梁空隙部W1の幅収縮を防止する。【選択図】 図1

Description

本発明は、橋梁端部又は橋梁中間部にある橋梁空隙部を挟んで設けられる第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物とを連結することで連続した一体構造物とする橋梁ジョイント構造に関するものである。
従来の橋梁ジョイント構造物は、鉄筋コンクリート製のジョイント構造体を橋梁空隙部に架け渡すように打設し、このジョイント構造体によって橋桁と橋台とを連結したり或いは橋桁同士を連結し、このジョイント構造物の鉄筋コンクリートを路面の一部として利用するものであった。つまり、アスファルト系の舗装体の路面の一部にコンクリート製の路面が介在するため、このアスファルト系舗装体の路面とコンクリー製の路面との継目で材質が異なっていた。
特開2013−60710号公報
しかしながら、上記した橋梁ジョイント構造物では、ジョイント構造体による連結部分において、アスファルト系舗装体の路面とコンクリート製の路面との継目で路面の材質が全く異なったものとなるため、かかる路面の継目を通過する車両に対して種々の影響を及ぼすという問題点が考えられる。
例えば、上記したアスファルト系舗装体の路面とコンクリート製の路面との継目がある場合、かかる継目を車両が繰り返し走行して路面が摩耗すると、アスファルト系舗装体の路面とコンクリート製の路面との摩耗量が異なる結果、この路面上の継目に段差が生じることがあり、かかる段差の乗り越える際の衝撃や走行音が発生して、車両の走行上の安全性や乗り心地が低下するという問題点があった。
これに対し、橋梁ジョイント構造物の鉄筋コンクリートのコンクリート面を路面の一部とするのではなく、このコンクリート面の上に橋梁全体と同じアスファルト系舗装体を敷設することも可能ではある。
しかしながら、かかる場合は、鉄筋コンクリートの打設するための一連の施工作業及びその期間と、コンクリートの養生期間に加えて、更に、アスファルト系舗装体の敷設作業及びその期間が必要となるため、施工作業が煩雑となりかつ施工期間のために橋梁を通過する車両の交通規制を行わなければならないという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物とを連結する橋梁ジョイント構造物に関し、第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物に敷設される既設のアスファルト系舗装体との継目の材質相違に起因する種々の影響を軽減し、一連の施工に要する作業の簡素化及び施工時間の低減を図ることができる橋梁ジョイント構造物を提供することを目的としている。
この目的を達成するため、第1発明の橋梁ジョイント構造物は、橋梁端部又は橋梁中間部にある橋梁空隙部を挟んで設けられる第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物を連結するものであり、橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物の上に敷設される半たわみ性材料により形成され、その第1及び第2橋梁構造物の双方に接合されている強化アスファルト系舗装体と、その強化アスファルト系舗装体の内部に内包され、橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物側から第2橋梁構造物側にかけて延設される引張力補強部材と、その引張力補強部材を内包した前記強化アスファルト系舗装体の下方にある橋梁空隙部に充填配設されて第1及び第2橋梁構造物の双方と接合されるとともに、その第1及び第2橋梁構造物並びに前記強化アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きく、その第1又は第2橋梁構造物の変位挙動に伴って橋梁空隙部の幅が縮小する場合に発生する圧縮力を受け止める圧縮抵抗部材とを備えており、その圧縮抵抗部材、引張力補強部材及び強化アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結することによって、その第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動可能な連動構造体とするものである。
この第1発明の橋梁ジョイント構造物によれば、橋梁空隙部の幅が拡大するように第1又は第2橋梁構造物のうち少なくとも一方が変位挙動する場合、圧縮抵抗部材、引張力補強部材及び強化アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結しているので、引張力補強部材を内包した強化アスファルト舗装体によって橋梁空隙部の幅拡大を防止して、第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動させることができる。
これに対し、橋梁空隙部の幅が縮小するように第1又は第2橋梁構造物の少なくとも一方が変位挙動する場合、圧縮抵抗部材、引張力補強部材及び強化アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結しているので、圧縮抵抗部材によって橋梁空隙部の幅縮小を防止して、第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動させることができる。
このように、圧縮抵抗部材、引張力補強部材及び強化アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結することによって、その第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動可能な連動構造体とするので、例えば、第1橋梁構造物が橋桁であって第2橋梁構造物が橋台である場合、橋桁の桁端の伸縮変位及び回転変位を、連動構造体の全体的な挙動として吸収することができる。
ここで、強化アスファルト系舗装体は半たわみ性材料により形成されているが、この半たわみ性材料は、その弾性係数に温度依存性があるため、低温環境(一般に約20℃以下)では弾性係数が高く、引張力補強部材との間の付着力が大きくなり、かかる引張力補強部材による引張強度の補強(向上)機能が発揮される。これに対し、高温環境では引張力補強部材と半たわみ性材料との間の付着力が小さくなり、かかる引張力補強部材による引張強度の補強(向上)機能が低下する。
第1及び第2橋梁構造物は低温環境で収縮するため、これら両橋梁構造物の間に存在する橋梁空隙の幅は低温環境で拡大する傾向にあり、結果、橋梁空隙部(第1及び第2橋梁構造物の間)には引張力が主に作用することとなるが、低温環境下では、半たわみ性材料と引張力補強部材との付着力は大きくなるので、引張力補強部材を内包した強化アスファルト系舗装体によって橋梁空隙部の幅拡大を防止できる。
これに対し、第1及び第2橋梁構造物は高温環境で膨張するため、これら両橋梁構造物の間に存在する橋梁空隙部の幅は高温環境で縮小する傾向にあり、結果、橋梁空隙部(第1及び第2橋梁構造物の間)には圧縮力が主に作用することとなるが、高温環境下では半たわみ性材料と引張力補強部材との付着力は小さくなるので、引張力補強部材を内包した強化アスファルト系舗装体によって橋梁空隙部の幅縮小を阻止困難となる。
そこで、この橋梁空隙部の幅縮小は、圧縮抵抗部材によって抑制するのである。ここで、圧縮抵抗部材は、橋梁空隙部に充填配設されており、第1及び第2橋梁構造物と接合されており、かかる第1及び第2橋梁構造物並びに強化アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きいことから、高温環境下では、橋梁空隙部の縮小が圧縮抵抗部材によって防止される。
第2発明の橋梁ジョイント構造物は、第1発明の橋梁ジョイント構造物において、前記強化アスファルト系舗装体は、前記半たわみ性材料に代えて、繊維補強アスファルト材料により形成されている。
この第2発明の橋梁ジョイント構造物によれば、半たわみ性材料に代えて、繊維補強アスファルト材料を使用することで、第1発明の橋梁ジョイント構造物とは作用に相違点があるため、以下この相違点について説明するが、その他については、第1発明の橋梁ジョイント構造物と同様に作用するものであるので説明を省略する。
この第2発明の橋梁ジョイント構造物によれば、強化アスファルト系舗装体は繊維補強アスファルト材料により形成されているが、この繊維補強アスファルト材料は、半たわみ性材料と同様に、その弾性係数に温度依存性があるため、低温環境では弾性係数が高く、引張力補強部材との間の付着力が大きくなり、かかる引張力補強部材による引張強度の補強(向上)機能が発揮される。これに対し、高温環境では引張力補強部材と繊維補強アスファルト材料との間の付着力が小さくなり、かかる引張力補強部材による引張強度の補強(向上)機能が低下する。
第1及び第2橋梁構造物は低温環境で収縮するため、これら両橋梁構造物の間に存在する橋梁空隙の幅は低温環境で拡大する傾向にあり、結果、橋梁空隙部(第1及び第2橋梁構造物の間)には引張力が主に作用することとなるが、低温環境下では、繊維補強アスファルト材料と引張力補強部材との付着力は大きくなるので、引張力補強部材を内包した強化アスファルト系舗装体によって橋梁空隙部の幅拡大を防止できる。
これに対し、第1及び第2橋梁構造物は高温環境で膨張するため、これら両橋梁構造物の間に存在する橋梁空隙部の幅は高温環境で縮小する傾向にあり、結果、橋梁空隙部(第1及び第2橋梁構造物の間)には圧縮力が主に作用することとなるが、高温環境下では繊維補強材料と引張力補強部材との付着力は小さくなるので、引張力補強部材を内包した強化アスファルト系舗装体によって橋梁空隙部の幅縮小を阻止困難となる。
そこで、この橋梁空隙部の幅縮小は、圧縮抵抗部材によって抑制するのである。ここで、圧縮抵抗部材は、橋梁空隙部に充填配設されており、第1及び第2橋梁構造物と接合されており、かかる第1及び第2橋梁構造物並びに強化アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きいことから、高温環境下では、橋梁空隙部の縮小が圧縮抵抗部材によって防止される。
第3発明の橋梁ジョイント構造物は、第1又は第2発明の橋梁ジョイント構造物において、前記引張力補強部材は、前記強化アスファルト系舗装体の内部に配設された状態で、橋梁空隙部を跨いで第1及び第2橋梁構造物の双方に跨がった状態で橋梁軸方向に延設される架設部と、その架設部の延設方向両端部に連設されて橋軸直交方向に延設される掛着部とを備えている。
なお、引張力補強部材の架設部のうち第1橋梁構造物側の配設部分又は第2橋梁構造物側の配設部分は、例えば、強化アスファルト系舗装体に内包された状態を維持しつつ、強化アスファルト系舗装体と第1橋梁構造物又は第2橋梁構造物との接合範囲に対して全体的に配設するようにしても良い。
第4発明の橋梁ジョイント構造物は、第3発明の橋梁ジョイント構造物において、前記引張力補強部材は、前記強化アスファルト系舗装体に内包された状態で前記架設部が橋軸直交方向に平行に複数設けられる平面視メアンダライン状に形成されており、橋軸直交方向に隣り合う前記架設部同士の一端部又は他端部が前記掛着部により連設されている。
第5発明の橋梁ジョイント構造物は、第1から第4発明のいずれかの橋梁ジョイント構造物において、前記圧縮抵抗部材は、前記強化アスファルト系舗装体を敷設する場合に、橋梁空隙部を閉塞する閉塞部材である。
ここまで説明したように「強化アスファルト系舗装体」とは「セメントミルクや補強繊維などの補強添加物を母体アスファルト混合物に添加してできる半たわみ性材料や繊維強化アスファルト材料などの強化アスファルト系材料を用いた舗装体」である。また、強化アスファルト系材料は、その弾性係数に温度依存性があり、かかる「弾性係数の温度依存性」とは「低温環境下で弾性係数が高くなり、高温環境下で弾性係数が低くなる性質」であり、補強添加物は、母体アスファルト混合物の弾性係数を高めるものである。
したがって、本発明で「強化アスファルト系材料」とは「弾性係数に温度依存性のある母体アスファルト混合物に補強添加物を添加して弾性係数を向上した(高めた)アスファルト系材料」であり、「強化アスファルト系舗装体」とは「強化アスファルト系材料を用いた舗装体」となる。換言すれば、「強化アスファルト系舗装体」とは「弾性係数に温度依存性のある母体アスファルト混合物に補強添加物を添加して弾性係数を向上したアスファルト系材料を用いた舗装体」となる。
また、このような「強化アスファルト系舗装体」の内部に、引張力補強部材などの補強骨格部材を内包した引張強度を向上した(高めた)舗装体(以下「骨格補強アスファルト系舗装体」ともいう。)は、「母体アスファルト混合物に補強添加物を添加するとともに補強骨格部材を内包することにより引張強度を向上したアスファルト系材料を用いた舗装体」や「強化アスファルト系材料に補強骨格部材を内包して引張強度を向上した舗装体」を意味すると言える。
さらに、補強添加物は、強化アスファルト系材料の弾性係数を向上させるのみならず、例えば、低温環境下において補強骨格部材と強化アスファルト系材料との付着力を強化する機能も発揮するものである。このことから、「骨格補強アスファルト系舗装体」とは「補強骨格部材との付着力を補強添加物により強化されたアスファルト系材料を用いた舗装体」も意味すると言える。なお、「骨格補強アスファルト系舗装体」は、補強骨格部材(引張力補強部材)として鉄筋を用いた場合、「鉄筋補強アスファルト系舗装体」となる。
故に、本発明は、以下のようにもなる。
第6発明の橋梁ジョイント構造物は、橋梁端部又は橋梁中間部にある橋梁空隙部を挟んで設けられる第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物を連結するものであり、橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物の上に敷設されるとともに第1及び第2橋梁構造物の双方に接合されており、橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物側から第2橋梁構造物側にかけて延設される補強骨格部材を内包するとともに当該補強骨格部材との付着力を補強添加物により強化して引張強度を向上したアスファルト系材料により形成される骨格補強アスファルト系舗装体と、その骨格補強アスファルト系舗装体の下方にある橋梁空隙部に充填配設されて第1及び第2橋梁構造物の双方と接合されるとともに、その第1及び第2橋梁構造物並びに前記骨格補強アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きく、その第1又は第2橋梁構造物の変位挙動に伴って橋梁空隙部の幅が縮小する場合に発生する圧縮力を受け止める圧縮抵抗部材とを備えており、その圧縮抵抗部材及び骨格補強アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結することによって、その第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動可能な連動構造体とする。
なお、本発明において、引張強度(引張強さ)を向上するとは、引張力を作用させた場合における弾性域での最大引張応力、いわゆる引張力に対する弾性限度(弾性限界)を向上することも意味し、圧縮強度(圧縮強さ)が大きいとは、圧縮力を作用させた場合における弾性域での最大圧縮応力、いわゆる圧縮力に対する弾性限度(弾性限度)が大きいことも意味する。
本発明の橋梁ジョイント構造物によれば、第1及び第2橋梁構造物を連結する複合体は、橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物の上に敷設される強化アスファルト系舗装体を用いたものであるので、この橋梁空隙部を跨ぐ新設の路面をアスファルト系の路面とすることができるという効果がある。
したがって、第1及び第2橋梁構造物の上に元々あった既存舗装体の路面と、橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物に敷設される新設舗装体の路面とを、同じアスファルト系の材料により形成できるので、既設舗装体と新設舗装体との継目に材料相違に起因した不具合、例えば、継目に段差が発生するために当該継目を車両が通過する際に生じる衝撃や走行音を低減でき、車両の走行上の安全性や乗り心地を向上できるという効果がある。
また、従来の鉄筋コンクリート製のジョイント構造体(複合体)を用いた橋梁ジョイント構造物に比べて、鉄筋コンクリートの打設に要する一連の作業及びその作業期間が不要となることから、鉄筋コンクリートに使用するコンクリートの打設工程、このコンクリート打設に伴うプラント車の配備、養生及び暫定的なコンクリート路面の除去、並びに、アスファルト系舗装体の再舗装(再敷設)などの、複数の施工工程が不要となるという効果がある。
つまり、従来の鉄筋コンクリート製の橋梁ジョイント構造物のように、鉄筋コンクリートのコンクリート面の上に更にアスファルト系舗装体を敷設する必要がなく、第1及び第2橋梁構造体を連結する複合体自体が強化アスファルト系舗装体であるので、かかる強化アスファルト系舗装体を舗装した後、改めてアスファルト系舗装体を別途敷設する必要がなく、その分、橋梁ジョイント構造物の施工に要する作業工数、作業期間、及び、施工コストを大幅に削減できるという効果がある。
また、強化アスファルト系舗装体は半たわみ性材料で形成されており、母体であるアスファルト系混合物の内部にある空隙にセメントミルクの硬化物が充填されているので、アスファルト系及びコンクリート系の両性質を併有している。よって、強化アスファルト系舗装体は、その表面がアスファルト系の舗装面(路面)としての性能を発揮でき、かつ、その内部に鉄筋などの引張力補強部材を内包することで、鉄筋コンクリートなどの引張力に対する補強が施されたコンクリートのような引張強度を発揮できるという効果がある。
また、引張力補強部材は、強化アスファルト系舗装体に作用する引張力に対する補強を施すものであるので、強化アスファルト系舗装体に内包された状態で、少なくとも当該引張力の作用方向(橋軸方向)に向かって延びる形態を備えれば良い。
このように、引張補強部材の形態は、少なくとも強化アスファルト系舗装体に対する引張力の作用方向に延びる形態という簡易なものであるので、かかる引張力補強部材の形態が大型となったり又は複雑となることもなく、その製造、輸送、設置その他の施工に伴う作業を簡素化でき、その施工時間を短縮化できるという効果がある。
第2発明の橋梁ジョイント構造物によれば、半たわみ性材料に代えて、繊維補強アスファルト材料を使用することで、第1発明の橋梁ジョイント構造物とは異なる効果を奏するため、以下この効果について説明するが、その他の点については、第1発明の橋梁ジョイント構造物の奏する効果と同様であるので説明を省略する。
第2発明の橋梁ジョイント構造物によれば、強化アスファルト系舗装体は繊維補強アスファルト材料で形成されており、母体であるアスファルト系混合物に補強繊維を混合して引張力に対する補強が施されているので、鉄筋などの引張力補強部材を内包させることで、鉄筋コンクリートなどの引張力に対する補強が施されたコンクリートのような引張強度を発揮できるという効果がある。
第3発明の橋梁ジョイント構造物によれば、第1又は第2発明の橋梁ジョイント構造物の奏する効果に加え、引張力補強部材は、強化アスファルト系舗装体に内包された状態で、その架設部が橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物と第2橋梁構造物との双方に跨がった状態で延設されている。これによって、強化アスファルト系舗装体のうち第1橋梁構造物側及び第2橋梁構造物側の双方の配設部分に対して引張強度に対する補強を施すことができるという効果がある。
また、架設部の延設方向(橋軸方向)両端部には、橋軸直交方向に延設される掛着部が連設されるので、橋軸方向に引張力が作用した場合、かかる掛着部が強化アスファルト系舗装体の内部で引っ掛かることで、強化アスファルト系舗装体の伸長を防止して引っ張り強度を維持できるという効果がある。
第4発明の橋梁ジョイント構造物によれば、第3発明の橋梁ジョイント構造物の奏する効果に加え、複数の架設部及び掛着部が平面視メアンダライン状に連続した形態でユニット化されているので、強化アスファルト系舗装体の敷設途中で、その舗装体内部に引張力補強部材を設置して埋設する場合に、その設置作業を簡素化できかつ短時間で行うことができ、全体としての施工時間の短縮化が図られ、車両交通規制による交通障害の緩和に資するという効果がある。
第5発明の橋梁ジョイント構造物によれば、第1から第4発明のいずれかの橋梁ジョイント構造物の奏する効果に加え、圧縮抵抗部材が閉塞部材であることから、この圧縮抵抗部材を橋梁空隙部に充填配置することによって、この橋梁空隙部を閉塞できる。
したがって、橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物と第2橋梁構造物とに跨がる格好で強化アスファルト系舗装体を敷設する場合に、かかる圧縮抵抗部材が存在することで、橋梁空隙部から半たわみ性材料や繊維補強アスファルト材料が脱落することを防止できる。また、強化アスファルト系舗装体の舗装後も、かかる圧縮抵抗部材によって強化アスファルト系舗装体を下方から支持して橋梁空隙部から脱落することを防止できるという効果がある。
本発明の一実施例である橋梁ジョイント構造物の内部構造を示した断面図である。 図1に示した橋梁ジョイント構造物の平面図である。 引張力補強部材の平面図である。 図2のIV−IV線における縦断面図である。 橋梁ジョイント構造物を施工した橋梁の変位挙動を示した模式図であり、(a)は、無変形状態にある橋梁を、(b)は、橋桁が撓み状態にある橋梁を、(c)は、橋桁の伸長状態にある橋梁を、(d)は、橋桁が収縮状態にある橋梁を、それぞれ図示したものである。 引張力補強部材の変形例を示した平面図である。
以下、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して説明する。ここで、以下の実施例では、橋梁ジョイント構造物1を橋梁端部に設ける場合について説明している。このため、第1橋梁構造物又は第2橋梁構造物の一方として橋梁空隙部W1を挟んで橋軸方向(図1の左右方向)一側に配設される橋桁B1(床版B1aを含む。)を適用し、第1橋梁構造物又は第2橋梁構造物の他方としてその橋梁空隙部W1を挟んで橋軸方向(図1の左右方向)他側に配設される橋台B2(パラペットB2aを含む。)を適用して説明する。
なお、橋梁ジョイント構造物1は、橋梁空隙部W1が存在する部分を連結するものであることから、これを橋梁中間部に設ける場合、例えば、第1又は第2橋梁構造物の一方として橋梁空隙部W1を挟んで橋軸方向一側に存在する橋桁B1を適用し、第1又は第2橋梁構造物の他方としてその橋梁空隙部W1を挟んで橋軸方向他側に存在する橋桁B1を適用しても良い。
また、本実施例の橋梁ジョイント構造物1は、例えば、橋長30m未満の橋梁B(図6参照。以下同じ。)に適用されるものであり、更に、強化アスファルト系舗装体2の施工時期の気温が25℃以下となる期間、例えば、春期、秋期又は冬期に行われることを想定したものである。
図1は、本発明の一実施例である橋梁ジョイント構造物1の内部構造を示した断面図である。図1に示すように、橋桁B1の上部には床版B1aが配設されている。この床版B1aの上面には、図示しない防水層が形成されて、この防水層の上に既設のアスファルト系舗装体(以下「既設舗装体」という。)B3の形成されている。
この既設舗装体B3は、表面に路面B3aを有した表層B3bと、この表層B3bの下にある基層B3cとを積層形成したものである。なお、既設舗装体B3の基層B3cの下には防水層を介して踏掛版B4が配設されている。なお、かかる踏掛版B4は配設されない場合もある。
橋台B2の上部にはパラペットB2aが立設されている。このパラペット端面B2bは橋桁端面(床版端面)B1bと対向配置されており、この橋桁端面B1bとパラペット端面B2bとの間に任意の幅を有した橋梁空隙部W1が設けられている。
図1に示すように、本実施例の橋梁ジョイント構造物1は、橋梁空隙部W1を挟んで設けられた橋桁B1の床版B1aと橋台B2のパラペットB2aとを連結することで橋梁空隙部W1の伸縮を防止して、橋梁B全体を一体的な連動構造体10(図5参照。)として一体的に変位挙動させるものである。この橋梁ジョイント構造物1は、主に、強化アスファルト系舗装体2と、引張力補強部材3と、圧縮抵抗部材4とを備えた複合体を介して橋桁B1と橋台B2とが一体的に変位挙動するように連結するものである。
強化アスファルト系舗装体2は、その内部に内包される引張力補強部材3と協働して、橋梁Bの変位挙動、特に橋桁B1の収縮に伴って橋梁空隙部W1の幅が拡大する場合に発生する引張力を受け支えて、かかる橋梁空隙部W1の幅伸長を防止するものである。強化アスファルト系舗装体2は、橋梁空隙部W1に跨がった状態で、床版B1a及びパラペットB2aの上に敷設(舗装)されており、床版B1a及びパラペットB2aの上面に接着剤層(図示せず)を介して接合されている。
強化アスファルト系舗装体2は、その上面となる路面2aとなっており、かかる路面2aが床版B1a側及びパラペットB2a側の土工部G1に設けられる既設舗装体B3の路面B3a,B3aと面一となっている。なお、強化アスファルト系舗装体2のうちパラペットB2a側の部分は、パラペットB2aを越えて土工部G1側まで延設されている。
この強化アスファルト系舗装体2は、母体がアスファルト系材料である舗装体であって、半たわみ性舗装、繊維補強アスファルト舗装その他のアスファルト系材料の弾性係数を補強添加物により向上した舗装体である。
半たわみ性舗装体は、半たわみ性材料を用いた舗装体である。半たわみ性材料は、母体となるアスファルト混合物中に空隙に補強添加物としてセメントミルクを浸透充填して当該セメントミルクを硬化した母体アスファルト混合物とセメントミルク硬化物の材料である。この母体となるアスファルト混合物は、セメントミルクの注入充填の確実性に配慮して空隙率の大きな開粒度アスファルト混合物が用いられる。
この半たわみ性舗装体は、母体アスファルト混合物の敷設物の表面(路面)に、流動性のあるセメントミルクを流し拡げることで、母体アスファルト混合物の敷設物中の空隙にセメントミルクを注入浸透させて、セメントミルクを母体アスファルト混合物の空隙全体に充填して硬化させることで形成される。
ここで、セメントミルクの注入は、母体アスファルト混合物の敷設物の表面温度が50℃以下になってから行われる。母体アスファルト混合物が高温状態であると、セメントミルクがゲル化して空隙への注入が困難となり、半たわみ性舗装体の機械的強度が低下するからである。
また、セメントミルクの注入後は、セメントミルクの養生が必要となるが、交通規制の開放期間を勘案するならば、普通セメントで約3日、早強セメントで約1日、超速硬セメントで約3時間であることから、より短期の交通規制開放を目的とする場合は、超速硬セメントを用いたセメントミルクを使用することが好ましい。
繊維補強アスファルト舗装体は、繊維補強アスファルト材料を用いた舗装体である。繊維補強アスファルトは、母体となるアスファルト混合物中に補強添加物として補強繊維を混合した複合材料である。ここで、補強繊維は、耐熱性が200℃程度まである材料であり、例えば、炭素繊維(カーボンファイバー)、ビニロン繊維、ガラス繊維、ステンレス鋼などの鋼繊維を使用することができる。
引張力補強部材3は、強化アスファルト系舗装体2に引張力に対する剛性を付与するものである。この引張力補強部材3は、強化アスファルト系舗装体2の内部に内包されており、橋梁空隙部W1を跨いで床版B1a側からパラペットB2a側にかけて延設されている。この引張力補強部材3は、例えば、補強用の鉄筋であって、その表面に防錆処理が施された防錆鉄筋である。
圧縮抵抗部材4は、橋梁Bの変位挙動、特に橋桁B1の伸長に伴って橋梁空隙部W1の幅が縮小する場合に発生する圧縮力を受け止めて、かかる橋梁空隙部W1の幅収縮を防止するものである。この圧縮抵抗部材4は、橋桁B1の床版B1a、橋台B2のパラペットB2a及び強化アスファルト系舗装体2に比べて圧縮強度が大きい無収縮モルタルなどの無収縮性材料で形成されている。
圧縮抵抗部材4は、引張力補強部材3を内包した前記強化アスファルト系舗装体2を敷設する前に、その強化アスファルト系舗装体2の下方に存在する橋梁空隙部W1に未硬化状態の流動性のある無収縮性材料を流し込んで充填して、この充填した無収縮性材料を硬化させることで形成される。この圧縮抵抗部材4の上面は接着剤層(図示せず)を介して強化アスファルト系舗装体2の下面と接合される。
この圧縮抵抗部材4が橋梁空隙部W1に充填形成されるので、床版B1aとパラペットB2a(土工部G1を含む。)とに跨がった部分から既設舗装体B3の除去した凹所が、橋梁空隙部W1で分断されることなく一続きの凹所となって、強化アスファルト系舗装体2を敷設するための敷設凹所5となる。
バックアップ材6は、橋桁端面B1b及びパラペット端面B2bにそれぞれ接着剤層(図示せず)を介して接合された状態で橋梁空隙部W1に密嵌されている。このバックアップ材6は、橋梁空隙部W1を覆い塞ぐための目地材であり、後述する地覆開口部止水部材7、橋桁端面B1bおよびパラペット端面B2bと協働することで、圧縮抵抗部材4を打設するための型枠となる。
図2は、図1に示した橋梁ジョイント構造物1の平面図である。図2に示すように、橋梁ジョイント構造物1は、強化アスファルト系舗装体2は、橋梁Bの橋軸直交方向(図2上下方向)に連続して橋桁B1の横断方向(図2上下方向)全体に設けられてている。この強化アスファルト系舗装体2の内部には、その橋梁Bの横断方向全体に引張力補強部材3が配設されている。
図3は、引張力補強部材3の平面図である。図3に示すように、引張力補強部材3は、鉄筋を複数箇所で折曲げて屈曲させることでメアンダライン状(蛇行状)に形成したものである。このように引張力補強部材3は、鉄筋が連続する方向に架設部3aと掛着部3bとが交互に繰り返して複数連設した形態を有しており、複数の架設部3a及び掛着部3bがユニット化されたものとなっている。
複数の架設部3aは全て同じ長さに形成されており、各架設部3aを連設する複数の掛着部3bは鉄筋の延長方向両端部を残して全て同じ長さに形成されており、鉄筋の延長方向両端部に設けられる掛着部3b,3bは残りの掛着部3bの長さの1/2となっている。なお、掛着部3bは、鉄筋加工におけるいわゆる「直角フック」に相当するものである。
図2に戻って説明すると、ユニット化した引張力補強部材3を橋軸直交方向に複数並設することで、引張力補強部材3の架設部3a及び掛着部3bは、橋梁Bの横断方向全体に複数配設された状態となる。このように引張力補強部材3をユニット化したことで、強化アスファルト系舗装体2の舗装工事の途中で、母体アスファルト混合物が敷設凹所5の深さ約1/2にまで敷設されたときに、強化アスファルト系舗装体2(の母体アスファルト混合物)の中に引張力補強部材3を設置して埋設する場合でも、その設置作業を簡素化できかつ短時間で行うことができる。
また、引張力補強部材3の各架設部3aは、橋梁空隙部W1を跨いで床版B1a側からパラペットB2a側にかけて橋軸方向(図2左右方向)に向かって延設されており、床版B1a及びパラペットB2aの双方に跨設されている。また、各掛着部3bは、各架設部3aより短く形成されている。各架設部3aの延設方向両端部に連設された掛着部3b,3bは、各々反対方向に延設されており、いずれも橋軸直交方向に延設されている。また、各架設部3aに連設される掛着部3b,3bは隣り合う別の架設部3a,3aの延設方向端部に連設されている。
地覆開口部止水部材7は、橋桁B1の地覆B1cと橋台B2の地覆B2cとの間に存在する空隙(地覆開口部W2)に密嵌されており、地覆開口部W2を閉塞している。
図4は、図2のIV−IV線における縦断面図である。図4に示すように、上記したバックアップ材6は橋梁Bの横断方向全体に渡って橋梁空隙部W1に密嵌されており、このバックアップ部材の長手方向両端部には地覆開口部止水部材7がそれぞれ配設されている。このバックアップ部材及び地覆開口部止水部材7により囲われた部分には、無収縮性材料により形成された圧縮抵抗部材4が形成されている。
また、強化アスファルト系舗装体2は、圧縮抵抗部材4の上方に敷設されており、その内部には引張力補強部材3の架設部3aが橋軸直交方向(図4の左右方向)に等間隔で複数並設されている。
このように構成された橋梁ジョイント構造物1によれば、次のように現場施工する。まず、既存の橋梁Bから橋梁空隙部W1に配設される従来の伸縮装置が撤去される。この際に、橋梁空隙部W1を挟んで存在する橋桁B1(床版B1a)及び橋台B2(パラペットB2a)並びに土工部G1に敷設されている既設舗装体B3が撤去される。この既設舗装体B3を撤去することで、橋桁B1の床版B1a及び橋台B2のパラペットB2aを露出させる。
次に、橋梁空隙部W1にはバックアップ材6を密嵌し、地覆開口部W2には地覆開口部止水部材7を密嵌する。このとき、互いに対向した橋桁端面B1b(のコンクリート面)及びパラペット端面B2b(のコンクリート面)に接着剤が塗布され、この接着剤を介してバックアップ材6が床版B1a及びパラペットB2a間に接合される。また同様に、互いに対向した橋桁B1の地覆B1cのコンクリート端面及びパラペットB2aの地覆B2cのコンクリート端面に接着剤を塗布し、この接着剤を介して地覆開口部止水部材7が橋桁B1及びパラペットB2aの地覆B1c,B2c間に接合される。
バックアップ材6及び地覆開口部止水部材7の密嵌後、圧縮抵抗部材4が形成される橋梁空隙部W1について、その橋桁端面B1b(のコンクリート面)及びパラペット端面B2b(のコンクリート面)にそれぞれ接着剤を塗布し、バックアップ材6により底が塞がれた橋梁空隙部W1内に、未硬化状態の流動性のある無収縮モルタルなどの無収縮性材料を流し込み、無収縮性材料が床版B1aの上面及びパラペットB2aの上面と面一となるように充填した後に養生硬化させると、橋梁空隙部W1に圧縮抵抗部材4が形成される。
この圧縮抵抗部材4の施工及び地覆開口部止水部材7の施工によって、強化アスファルト系舗装体2の敷設凹所5が敷設舗装される。この敷設凹所5の内面に相当する、圧縮抵抗部材4の上面、床版B1aの上面、パラペットB2aの上面、土工部G1の既設舗装体B3の上面及び縦切断面、及び、床版B1a側の既設舗装体B3の縦切断面に接着剤が塗布された後、この敷設凹所5に強化アスファルト系舗装体2が敷設舗装される。
ここで、強化アスファルト系舗装体2が非たわみ性舗装体である場合は、まず、引張力補強部材3が配設される深さ、即ち、敷設凹所5の深さ半分の位置まで母体アスファルト混合物を敷設した後、そこに引張力補強部材3を設置する。かかる場合、引張力補強部材3は、橋梁Bの横断方向全体に複数の架設部3aが平行かつ等間隔に並設された状態となるように設置される。また、各架設部3aの両端部には掛着部3b,3bが連設された状態となる。
引張力補強部材3の設置後、その上から更に母体アスファルト混合物が敷設されて、母体アスファルト混合物の敷設物の内部に引張力補強部材3が内包された状態で埋設される。母体アスファルト混合物の敷設後、これを転圧して既設舗装体B3と面一にした後、この母体アスファルト混合物の敷設物の表面温度が50℃以下になるまで待機し、その表面温度が50℃以下になれば、かかる表面にセメントミルクを流し拡げて、母体アスファルト混合物の敷設物の空隙へセメントミルクを注入充填する。
セメントミルクの注入充填後、セメントミルクを養生硬化させると、引張力補強部材3を内包した強化アスファルト系舗装体2が完成し、これと同時に、この強化アスファルト系舗装、引張力補強部材3及び圧縮抵抗部材4の複合体が完成し、かかる複合体を介して橋桁B1及び橋台B2を連結する橋梁ジョイント構造物1が完成し、この橋梁ジョイント構造物1によって橋桁B1及び橋台B2を一体化した連動構造体10が完成する。
以上説明したように、図1から図4を参照して説明したように、橋梁Bは、橋梁ジョイント構造物1を介して橋桁B1(床版B1a)及び橋台B2(パラペットB2a)連結される結果、図5に示すように、橋桁B1及び橋台B2が一体化した連動構造体10となる。
図5は、橋梁ジョイント構造物1を施工した橋梁Bの変位挙動を示した模式図であり、図5(a)は、無変形状態にある橋梁Bを、図5(b)は、橋桁B1が撓み状態にある橋梁Bを、図5(c)は、橋桁B1の伸長状態にある橋梁Bを、図5(d)は、橋桁B1が収縮状態にある橋梁Bを、それぞれ図示したものである。
図5に示すように、連動構造体10は、橋梁ジョイント構造物1を介した橋桁B1及び橋台B2の一体化によって、橋桁B1の変位挙動に連動して橋台B2が一体的に変位挙動するようになり、橋桁B1の桁端の伸縮変位及び回転変位を、連動構造体10の全体的な変位挙動として吸収することができる。
図5(a)に示すように、橋桁B1の橋軸方向(図5左右方向。以下同じ。)両側の桁端は、橋梁ジョイント構造物1により橋台B2とそれぞれ連接されており、図5(b)に示すように、交通荷重である車両が橋梁Bを通過することにより橋桁B1に活荷重が作用すると、この橋桁B1の撓み変形に連動して橋台B2が橋桁B1側に引き寄せられ、橋台B2全体が橋桁B1側へ向けて倒れ込むように地盤G上で回転する格好となって、連動構造体10全体として変位挙動する。
また、図5(c)に示すように、橋桁B1の温度変化等により橋桁B1が橋軸方向に伸長すると、この橋桁B1の伸長変形に連動して橋台B2が土工部G1側へ押動され、橋台B2全体が反橋桁B1側(土工部G1側)へ向けて倒れ込むように地盤G上で回転する格好となって、連動構造体10全体として変位挙動する。
また、図5(d)に示すように、橋桁B1の温度変化等により橋桁B1が橋軸方向に収縮すると、この橋桁B1の収縮変形に連動して橋台B2が橋桁B1側に引き寄せられ、橋台B2全体が橋桁B1側へ向けて倒れ込むように地盤G上で回転する格好となって、連動構造体10全体として変位挙動する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。ここで、図6は、上記した引張力補強部材3の変形例である引張力補強部材13を示した平面図である。
例えば、上記した実施例では、引張力補強部材3は、架設部3a及び掛着部3bを交互に複数連設したメアンダライン状のユニットとして説明したが、かかる1つの引張力補強部材の形態は必ずしもメアンダライン状に限定されるものではなく、図6に示すように、架設部13aの両端部に直角状に曲折された掛着部13b,13bをそれぞれ連設した形態とし、かかる引張力補強部材13の架設部13aが橋軸直交方向に平行に複数並べるように強化アスファルト系舗装体2に内包するようにしても良い。
1 橋梁ジョイント構造物(橋梁ジョイント構造物、連動構造体の一部)
2 強化アスファルト系舗装体(強化アスファルト系舗装体、骨格補強アスファルト系舗装体の一部、複合体の一部)
3,13 引張力補強部材(引張力補強部材、補強骨格部材、骨格補強アスファルト系舗装体の一部、複合体の一部)
4 圧縮抵抗部材(圧縮抵抗部材、閉塞部材、複合体の一部)
10 連動構造体
3a,13a 架設部
3b,13b 掛着部
B 橋梁
B1 橋桁(第1橋梁構造物又は第2橋梁構造物の一方、橋梁端部の一部、連動構造体の一部)
B2 橋台(第1橋梁構造物又は第2橋梁構造物の他方、橋梁端部の一部、連動構造体の一部)
W1 橋梁空隙部

Claims (6)

  1. 橋梁端部又は橋梁中間部にある橋梁空隙部を挟んで設けられる第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物を連結する橋梁ジョイント構造物において、
    橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物の上に敷設される半たわみ性材料により形成され、その第1及び第2橋梁構造物の双方に接合されている強化アスファルト系舗装体と、
    その強化アスファルト系舗装体の内部に内包され、橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物側から第2橋梁構造物側にかけて延設される引張力補強部材と、
    その引張力補強部材を内包した前記強化アスファルト系舗装体の下方にある橋梁空隙部に充填配設されて第1及び第2橋梁構造物の双方と接合されるとともに、その第1及び第2橋梁構造物並びに前記強化アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きく、その第1又は第2橋梁構造物の変位挙動に伴って橋梁空隙部の幅が縮小する場合に発生する圧縮力を受け止める圧縮抵抗部材とを備えており、
    その圧縮抵抗部材、引張力補強部材及び強化アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結することによって、その第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動可能な連動構造体とする橋梁ジョイント構造物。
  2. 前記強化アスファルト系舗装体は、前記半たわみ性材料に代えて、繊維補強アスファルト材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載の橋梁ジョイント構造物。
  3. 前記引張力補強部材は、前記強化アスファルト系舗装体の内部に配設された状態で、橋梁空隙部を跨いで第1及び第2橋梁構造物の双方に跨がった状態で橋梁軸方向に延設される架設部と、その架設部の延設方向両端部に連設されて橋軸直交方向に延設される掛着部とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁ジョイント構造物。
  4. 前記引張力補強部材は、前記強化アスファルト系舗装体に内包された状態で前記架設部が橋軸直交方向に平行に複数設けられる平面視メアンダライン状に形成されており、橋軸直交方向に隣り合う前記架設部同士の一端部又は他端部が前記掛着部により連設されていることを特徴とする請求項3記載の橋梁ジョイント構造物。
  5. 前記圧縮抵抗部材は、前記強化アスファルト系舗装体を敷設する場合に、橋梁空隙部を閉塞する閉塞部材であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の橋梁ジョイント構造物。
  6. 橋梁端部又は橋梁中間部にある橋梁空隙部を挟んで設けられる第1橋梁構造物及び第2橋梁構造物を連結する橋梁ジョイント構造物において、
    橋梁空隙部に跨がって第1及び第2橋梁構造物の上に敷設されるとともに第1及び第2橋梁構造物の双方に接合されており、橋梁空隙部を跨いで第1橋梁構造物側から第2橋梁構造物側にかけて延設される補強骨格部材を内包するとともに当該補強骨格部材との付着力を補強添加物により強化して引張強度を向上したアスファルト系材料により形成される骨格補強アスファルト系舗装体と、
    その骨格補強アスファルト系舗装体の下方にある橋梁空隙部に充填配設されて第1及び第2橋梁構造物の双方と接合されるとともに、その第1及び第2橋梁構造物並びに前記骨格補強アスファルト系舗装体に比べて圧縮強度が大きく、その第1又は第2橋梁構造物の変位挙動に伴って橋梁空隙部の幅が縮小する場合に発生する圧縮力を受け止める圧縮抵抗部材とを備えており、
    その圧縮抵抗部材及び骨格補強アスファルト系舗装体の複合体を介して第1及び第2橋梁構造物を連結することによって、その第1及び第2橋梁構造物を一体的に変位挙動可能な連動構造体とすることを特徴とする橋梁ジョイント構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110777641A (zh) * 2019-11-07 2020-02-11 湘潭大学 一种便于维护和更换的多级耗能桥梁抗震挡块

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