JP2017095802A - 優れた靭性及び熱伝導率を有する熱間工具鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】同時に高熱伝導率、完全焼入性、靭性及び機械的特性を達成する熱間工具鋼の提供。【解決手段】重量パーセントで、%Ceq=0.20−1.2、%C=0.20−1.2、%N=0−1、%B=0−1、%Cr<1.5、%Ni=1.0−9、%Si<0.4、%Mn=0−3、%Al=0−2.5、%Mo=0−10、%W=0−15、%Ti=0−3、%Ta=0−3,%Zr=0−3、%Hf=0−3、%V=0−4、%Nb=0−3、%Cu=0−4、%Co=0−6、%S=0−1,%Se=0−1、$Te=0−1、%Bi=0−1、%As=0−1,%Sb=0−1,%Ca=0−1を有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、%Ceq=%C+0.86×%N+1.2×%B、%Mo+1/2・%W>1.2を満たす熱間工具鋼。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱疲労性及び耐熱衝撃性に優れ、極めて大きな熱伝導率を有し、切欠き感度の低い熱間工具鋼に関するものである。この鋼は、非常に優れた完全焼入性も示すものである。
多くの製造プロセスに利用される熱間工具鋼は、大きな熱機械的負荷にさらされることが多く、こうした負荷は、熱衝撃又は熱疲労につながる場合が多い。これらの多くの工作機械にとっての主要な破壊メカニズムには熱疲労及び/又は熱衝撃が含まれ、最も関連性のあるものを言及すると機械的疲労、摩耗(アブレシブ摩耗、凝着摩耗、腐食摩耗又はキャビテーション摩耗)、き裂、へたり又は別の塑性変形のようないくつか他の劣化メカニズムと組み合わされることが多い。
上記の工具以外の多くの他の用途において、多くの場合、他の破壊メカニズムに対する耐久性と組み合わされた優れた耐熱疲労性を必要とする材料が利用される。
熱衝撃及び熱疲労は、多くの場合、多くの用途において温度勾配により生じる。それは、温度低下につながる曝露時間の短さ又はエネルギー源の制限によりエネルギー量の定常伝播が達成されないことが原因であり、工具材における温度勾配の大きさは、その熱伝導率に関係する(あらゆる場合に対して、十分に小さいビオ数の反比例が当てはまる)。
そのような状況において、所定の熱流束密度関数を有する所定の用途では、熱伝導率がより高い材料は、得られる温度勾配がより小さいため、表面負荷はより小さくなる。
従来、高圧ダイカストの多くの例におけるように、熱疲労が主要な破壊メカニズムである多くの用途について、さまざまな工具材を評価するために最も広く使用されている靭性の測定法は、V字型ノッチ試験片の反発性試験(CVN−シャルピーVノッチ)である。破壊靭性、降伏変形、又は破壊時の変形などの他の測定も使用でき、いくつかの用途については、他の測定が代表的である。この測定法は、機械的耐久性に関する測定法(降伏応力、機械的耐久性又は疲労限度など)、摩耗に関する測定法(通常、一部のトライボ試験におけるK−重量損失)とともにさまざまな工具材候補の比較の目的ための材料性能の指標として使用できる。
したがって、所与の用途についてのさまざまな材料の理論上の耐久性を比較するためのメリット数は、以下のとおりであり得る。
メリット数=CVN・k/(E・α)
ここで、
CVN:シャルピーVノッチ
k:熱伝導率
E:弾性係数α:熱膨張係数。
多くの科学文献において、CVNという用語は、KIC、耐機械的疲労性又は作業温度における降伏強さに置き換えられると考えられる。しかし、上記の例のメリット数は、当業者の間でおそらく最も直感的にわかるものの1つである。
そのため、耐熱疲労性を改善するためには、同時に熱伝導率、靭性を増加させ、弾性係数及び熱膨張係数を低減するための試みがなされるべきであることは明らかである。
多くの用途について、厚い工具が使用されるため、熱処理を必要とするような十分な機械的耐久性が必要とされる場合、優れた完全焼入性も望ましい。焼入性は、熱間工具鋼に対しても非常に興味深いものである。これは、焼き戻しされたベイナイト微細構造よりも焼き戻しされたマルテンサイト微細構造により、高い靭性を達成することがはるかに容易であるためである。したがって、より高い焼入性で、焼入れ冷却での厳密度が低いことが要求される。厳密に冷却することはより困難であるため、達成するのにコストがかかり、さらに、製造される工具及び構成部品の形状が複雑である場合が多いため、熱処理された部品の割れにつながる。
耐摩耗性及び機械的耐久性は、靭性と反比例することが多い。そのため、耐摩耗性及び耐熱疲労性を同時に向上させることはたやすくはない。この点において、耐摩耗性又は機械的耐久性を向上させるためにCVNがやや低減されるとしても、耐熱疲労性を大幅に増加させることによって、熱伝導率が役立つ。
必ずしも工具又は構成部品の寿命に対する影響はないが、機械加工の容易さ、全般的な溶接性又は修繕性、コーティングの支持性、コストなどのような、製造コストに対して影響がある熱間工具鋼について望ましい多くの他の特性が、要求されていなくとも、存在する。
本発明において、機械的崩壊又は摩耗に対するより良好な耐久性と組合せ可能な、耐熱疲労性及び耐熱衝撃性が改善された工具材の群が開発された。こうした鋼は、他の既存の高い機械的特徴に関して、改善された完全焼入性及びCVNも高熱伝導率工具鋼にもたらす(WO/2008/017341)。
本筆者は、同時に高熱伝導率、完全焼入性、靭性及び機械的特性を達成する課題は、以下の組成範囲内で、特定の組成に関する規則及び熱機械的処理を適用することにより解決できることを発見した。
Figure 2017095802
残部は鉄及び不可避不純物からなり、ここで、
%Ceq=%C+0.86×%N+1.2×%B、
である組成範囲において
%Mo+・%W>1.2を特徴とする。
%Si及び%Crを制限するほど、熱伝導率がより良好になるが、解決策はより高価になる(また、特定の用途に関係する可能性もあるため、こうした用途に対して維持することが望まれる一部の特性は、これらの元素の特定の含有量での低下とともに、例えば、使用されるAl、Ti、Si(及び任意の他の脱酸素剤)が少なすぎる場合の捕捉された酸化物介在物に起因する靭性、又は%Cr若しくは%Siが少なすぎる場合の耐食性の特定の例のように悪化することがある。)。したがって、コストの増加、靭性、耐食性又は特定の用途に関する他の特性の低下と、より高い熱伝導率の利益との妥協がなされることが多い。%Si及び%Crの量が0.1%未満のとき、より良好には0.05%未満である場合のみ最大の熱伝導率が達成され得る。さらに、%C、%Mo、%W、%Mn及び%Ni以外の他のすべての元素量は、可能な限り低くする必要がある(0.05未満は、大半の用途に対して想定できるコストで技術的に可能であり、当然0.1未満は、達成するのによりコストがかからない)。特に靭性が関係するいくつかの用途については、制限されない%Si量(これは、すべての鉄の脱酸元素のうち熱伝導率に対する不利益が低い)が添加される必要があるため、介在物のレベルが高すぎないことを確実にするためにいくらか熱伝導率を断念した。使用される%C、%Mo及び%Wの含有量により、特にパーライト領域における完全焼入性が十分である可能性もある。ベイナイト領域の完全焼入性を向上させるために、最良の元素はNiである(必要量も、上記に加えて、%Cr、%Mnなどのような特定の他の合金化元素の含有量の関数として表せる)。所望の機械的特性を達成するために使用される%Mo、%W及び%Cの含有量は、高熱伝導率を達成するために互いにバランスをとる必要がある、その結果、こうした元素は、マトリックスの固溶体中に可能な限り少なくする。同じことが、特定のトライボ反応を達成するために使用できると考えられる他のすべての炭化物形成元素(%V、%Zr、%Hf、%Taなど)に当てはまる。
本全文書において炭化物という用語は、一次炭化物及び二次炭化物の両方を指す。
一般に、耐えるべき機械的要求について焼き戻しされたマルテンサイト又は焼き戻しされたベイナイトの微細構造が望ましい場合、高熱伝導率を達成するために以下の合金化規則(固溶体中の%Cを最低限にすること)を順守することが都合がよい。強い炭化物形成元素(Hf、Zr又はTaなど、さらにはNbも使用される)の場合、式は修正の必要がある。
0.03<%Ceq−AC・[%Mo/(3・AMo)+%W/(3・AW)+%V/AV]>0.165
ここで、
%Mo:モリブデンの重量パーセント、
%W:タングステンの重量パーセント、
%V:バナジウムの重量パーセント、
AC:炭素の原子量(12.0107u)、
AMo:モリブデンの原子量(95.94u)、
AW:タングステンの原子量(183.84u)、
AV:バナジウムの原子量(50.9415u)。
熱伝導率をさらに改善するために、
0.05<%Ceq−AC・[%Mo/(3・AMo)+%W/(3・AW)+%V/AV]>0.158
であることがさらに一層望ましい。さらに、より良好なのは以下である。
0.09<%Ceq−AC・[%Mo/(3・AMo)+%W/(3・AW)+%V/AV]>0.15
他の強い炭化物形成元素の存在について修正するために、強い炭化物形成元素のそれぞれの種類についての余分な項を式に追加する必要がある。
−AC×%M/(R×AM)
ここで、
%M:炭化物形成元素の重量パーセント、
AC:炭素の原子量(12.0107u)、
R:炭化物あたりの炭化物形成元素の数(例えば、炭化物の種類がMCである場合1、炭化物の種類がM23である場合23/7など)、
AM:炭化物形成元素の原子量(???u)。
非金属部分(%C、%B及び%N)を含むセラミック強化粒子形成元素が、実際に炭化物(或いは窒化物、ホウ化物又は中間物)にされる場合、このバランスにより優れた熱伝導率が提供される。したがって、適切な熱処理が適用される必要がある。この熱処理は、大半の元素が溶体化され(十分に高い温度におけるオーステナイト化、通常1040℃超、多くは1080℃超)、続いて急冷段階を含む。その厳密さは、主に所望の機械的特性によって決定されるが、安定な微細構造を避けるべきである。安定な微細構造は、固溶体に大量の%C及び炭化物形成元素を含む相を意味するためである。準安定な微細構造は、炭素に起因する微細構造のゆがみがさらに大きくなり、それにより熱伝導率が低下するため本質的にさらに悪いが、一旦準安定な構造が解放されると炭化物形成元素自体が所望の配列を見つける。そのため、焼き戻しされたマルテンサイト及び焼き戻しされたベイナイトが、この場合に求められる微細構造となる。
一般的に、一部の特定の特性を追求するために高含有量でMn及びSiが使用されるほど、より少ない量で%Niは使用されるべきであると言うことができる。それは、マトリックスの電子熱伝導率に対する効果が高すぎるためである。これは、大まかに、
%Ni+9×%Mn+5×%Si<9
によって表すことができ、又はさらにより良好なのは上限が8重量%に低減できる場合である。
S、As、Te、Bi又はさらにPbのような機械加工性向上剤を使用することができる。機械加工性向上剤の最も一般的な1つである硫黄は、機械加工性を向上するために通常利用される含有量においてマトリックスの熱伝導率に対して比較的悪影響が少ないが、熱伝導率が最大にされる場合、そのすべてを球状で、靭性に対する不利益が少ない、二硫化マンガンの形態で含み、固溶体に2つの元素が可能な限り少なくなるようにするために、その存在はMnの存在とよくバランスがとれていなければならない。
前で述べたように、鋼中で特定の元素を低レベルにすることは、技術的限界のため費用がかかる。例えば、Crを含まないと評価された鋼(組成式では0%Cr)は、特にそれが高品質の合金工具鋼の場合、ほとんどの場合、事実上%Cr>0.3%含まれていることになる。組成には記載のない%Crは、それが重要だとは考えられないが、存在していない訳ではない。
%Siの場合は、ESRのような精錬プロセスの使用によってその含有量が少なくとも低減できるためにやや異なるが、この場合は小さなプロセスウィンドウのため(よって、コストがかかるため根本的目的がある場合にのみ行われることになる)、%Siを0.2%未満に低減させ、同時に低レベルの介在物(特に酸化物)を達成することは技術的に非常に難しい。組成式範囲から高熱伝導率であると考えられるすべての既存の工具鋼がそうでないのは、以下の2つ主要な理由による。
金属マトリックス中の固溶体、特に%Cを最低限にするために、%Cの比率と炭化物形成元素との比率がよくバランスがとれていない。機械的耐久性を向上させるために、固溶体が意図的に利用されるため、バランスがとれていないことが多い。
%Si及び%Crの含有量が、例えば、%Cr<1(又は誤って0%であると思わせる可能性のある、%Crについて述べていない場合)及び%Si<0.4である場合があり、これは、結局は%Cr>0.3及び%Si>0.25であることを意味する。それは、マトリックスの伝導率に強い影響を及ぼすすべての微量元素、さらに炭化物に対する高い溶解度を有し構造にゆがみを生じる可能性が高いものにも当てはまる。マトリックスに、一般に%Ni、例によっては%Mnの他に0.5%を超える他の元素が固溶していないことが望ましい。好ましくは、この量は、0.2%を超えるべきではない。熱伝導率を最大にすることが所与の用途に対する主要な目的である場合、マトリックスに固溶する%Ni以外、例によっては、%C及び%Mn以外のいかなる元素も0.1%又はさらにより良好には0.05%を超えるべきではない。
熱間工具鋼にとって、靭性、特に耐切欠き感度性及び破壊靭性は、最も重要な特徴の1つである。割れ又は欠けを避けるために一旦十分な靭性が付与され、余分な靭性は工具の寿命を全く延ばさない冷間加工用途とは異なり、熱疲労が関連する破壊メカニズムである熱間加工用途では、工具の寿命は、靭性(切欠き感度及び破壊靭性の両方)に直接に比例する。別の重要な機械的特徴は、作業温度における降伏強さであり(降伏強さは、温度の上昇とともに低下するため)、一部の用途については耐クリープ性でさえある。機械的耐久性及び靭性は、反比例する傾向があるが、微細構造が異なると関係も異なる。すなわち、所与の温度における同じ降伏強さに対して異なる値の靭性が微細構造に応じて得られる。その点において、大半の熱間工具鋼について、純粋に焼き戻しされたマルテンサイトの微細構造は機械的特性の最良の妥協を提供するものであることはよく知られている。それは、熱処理プロセスにおけるオーステナイト化後の冷却過程において安定なフェライト−パーライト又は準安定のベイナイトのような他の微細構造の形成を避けることが重要であることを意味する。したがって、急速な冷却速度が必要とされることになる場合又はさらに完全焼入性が望まれる場合、こうしたより安定な構造を形成する反応速度を遅らせるためにいくつかの合金化元素を利用すべきであり、すべての可能な代替形態から熱伝導率への悪影響が最も少ない代替形態を利用すべきである。
高熱伝導率を達成しながら耐摩耗性及び高温におけるより高い降伏強さを得るための1つの方策は、高い電子密度のMFeC二次炭化物、場合によって一次炭化物さえも利用することである(熱伝導率を改善するためにMは、Mo又はWのみであるべきである)。電子密度が相当高く、構造的な欠陥がほとんどなく凝固する傾向のあるいくつかの他の(Mo、W、Fe)炭化物が存在する。Zr並びに低い程度であるがHf及びTaのような一部の元素は、例えば、Cr及びVよりも構造の規則性、よってキャリアの散乱、ひいては伝導率に対する不利益な影響がより少なくこの炭化物に固溶することができ、Cに対する親和性が高いため別のMC炭化物を形成する傾向もある。一般に、主に(Mo、W、Fe)炭化物(当然%C部分は、%N又は%Bによって置き換えることができる)、通常60%超、最適には80%超、さらには90%のそのような種類の炭化物を含むことが望まれる。他の金属元素の固溶物(明らかに、炭化物の場合、こうした金属元素は、通常遷移金属になる)は、炭化物中にほとんど存在し得ないが、高いフォノン伝導率を保証するためにはそれらを制限することが望ましい。通常、Fe、Mo及びW以外の他の金属元素は、炭化物の金属元素の重量パーセントの20%を上回るべきではない。好ましくは、10%、又はさらにより良好には5%を超えるべきではない。これは多くの場合当てはまる。なぜなら、これらが、高い凝固反応速度に対してですら、極めて低密度の凝固欠陥のある構造を形成する傾向があるためである(したがって、キャリアの散乱を引き起こす構造元素が少ない)。この場合、安定な構造の形成(パーライト及びフェライト)はMo及びWによって十分に妨害されるが、ベイナイトの形成は、非常に急速に起こる。一部の鋼について、合金化元素を完全に可溶化し、その後、下部ベイナイト形成の範囲の特定の温度に急冷し(フェライトの形成を避けるために)、長時間その温度に保持して100%ベイナイトの構造を達成することにあるマルテンパータイプの熱処理を施すことによってスーパーベイナイト構造を達成することができる。多くの鋼について、純粋なマルテンサイト構造が望まれる。そのため、この系ではベイナイトの変態を遅らせるためにいくつかの元素が添加される必要がある。Mo及びWは、その点において極めて効果がないためである。通常、この目的のためにCrが利用されるが、これは、MFeC炭化物に固溶して、大きなゆがみを引き起こすため、この系の熱伝導率に極めて悪影響を及ぼす。そのため、炭化物に固溶しない元素を使用することがはるかにより良い。こうした元素は、マトリックスの伝導率を低下させるため、悪影響が最小限のものを利用すべきである。その結果、当然の候補はNiであるが、いくつかの他のものを平行して利用することができる。通常、所望の焼入性を得、伝導率を過大に阻害することなく靭性を向上させることに寄与するためには3%〜4%で十分である。一部の用途については、特に%Mn及び%Siがややより高いか、又はより小さな領域が利用される場合、より少量の%Niでも所望の効果が得られる。そのため、Niは、2%〜3%又は1%〜3%さえ一部の用途については十分である可能性もある。最終的に最大熱伝導率よりもCVNが優先される一部の用途においては、通常、最大5.5%、例外的に最大9%のより高い%Ni含有量が利用されることになる。%Niの使用の別の利点の1つは、熱疲労に対する結果として生じる利点(より高いメリット数)とともに、この濃度でこの種の鋼の熱膨張係数を低下させる傾向があることである。
%Moのみの使用は、熱伝導率についてやや有利であるが、より高い熱膨張係数をもたらすため、熱疲労に対する全般的な耐久性が低下する不利がある。よって、Wよりも1.2〜3倍のMoを含むが、Wが存在することが通常は好ましい。例外は、特に耐熱疲労性ではなく、靭性とともに熱伝導率のみが最大にされるべき用途である。
Mo3−xFeC炭化物系のままであり、Cr含有量を可能な限り低くする場合、%W、%Mo及び%Cの含有量のバランスをとるための1つの好ましい方法は、以下の合金化規則を順守することである。
%Ceq=0.3+(%Moeq−4)・0.04173
ここで、Moeq=%Mo+1/2%W。
所望の高熱伝導率を維持しながらいくつかの機械的又は摩擦学的特性を最適化するために、先行する式から得られる%Ceqに許される変形形態は以下のとおりである。
最適には、−0.03/+0.01、
好ましくは、−0.05/+0.03、
許容されるのは、−0.1/+0.06。
この合金化規則は、異なる%Cの合金、よって異なる用途により良好に適合するように再公式化されることもある。
%Ceq(仮)=%Moeq・0.04173
ここで、Moeq=%Mo+1/2%W。
さらに、この結果、
%Ceq(仮)<=0.3の場合、%Ceq(最終)=%Ceq(仮)+K
%Ceq(仮)>0.3の場合、%Ceq(最終)=%Ceq(仮)+K
ここで、K及びKは、以下になるよう選択される。
最適には、K1は[0.10;0.12]内及びK2は[0.13;0.16]内、
好ましくは、K1は[0.08;0.16]内及びK2は[0.12;0.18]内である。
許容されるのは、K1は[0.06;0.22]内及びK2は[0.10;0.25]内である。
この場合、フェライト又はパーライトの形成を避けるための焼入性は、%Cが0.25%超である場合良好である。しかし、ベイナイト形成が避けられるべきである場合、通常3%を上回る量でNiが必要とされる。
いくつかの特定の機械的特性の組合せ、又は作業環境によって生じる劣化に対する耐久性を追求して他の強化メカニズムを利用することができる。常に、熱伝導率に対する悪影響を可能な限り最小にしながら、所望の特性が最大になるようにする。Cu、Mn、Ni、Co、Siなどを含む固溶体(Crのような炭素への親和性がより低いいくつかの炭化物形成元素を含む)及び侵入型固溶体(主にC、N及びB)。また、NiMo、NiAl、NiTiなど(よって、Ni及びMoの他に、元素Al、Ti、特に、MFeC炭化物中に固溶するTiを少量で添加できる)のような金属間化合物の形成とともに、析出をこの目的のために利用することができる。さらに、最終的に他のタイプの炭化物を使用することができるが、それは、Hf、Zr、さらにはTaについての場合のように炭化物構成物が炭素に対する非常に高い親和性を有する場合を除いて、通常、高熱伝導率を維持するのがさらに一層難しい。Nb及びVは、通常コストを低減するために使用され、それにおいて、特定のトライボ反応が達成されるが、これらは、熱伝導率に対して影響が大きいため、コストが重要な要因である場合にのみ、より少量で使用される。これらの元素の一部も、MFeC炭化物に固溶するとそれほど不利益でなく、特に、Zr並びにより少ない程度でHf及びTaの場合である。
量が重量百分率で測定される場合、利用される元素の量が多いか少ないかは、原子量および形成される炭化物のタイプによる。例えば、2%Vは、4%Wよりもはるかに大きい。Vは、他の既存の炭化物とともに固溶体にならない限り、MCタイプの炭化物を形成する傾向がある。そのため、1単位の炭化物を形成するためには1単位のみのVが必要とされ、原子量は50.9415である。Wは、熱間工具鋼のMFeCタイプの炭化物を形成する傾向がある。そのため、1単位の炭化物を形成するために3単位のWが必要とされ、原子質量は183.85である。したがって、4%Wによるよりも2%Vにより5.4倍大きい単位の炭化物を形成することができる。
高熱伝導率工具鋼(WO/2008/017341)の開発まで、工具鋼の熱伝導率を増加させるための既知の唯一手段は、合金化を低く抑えることであり、それにより、特に、高温において不十分な機械的特徴を有していた。長時間600℃以上に曝露後、42HRC超を達成することができる熱間工具鋼は、熱伝導率が30W/mK及び熱拡散率が8mm/sの上限を有すると考えられていた。機械的特性及び良好な完全焼入性を同時に有する本発明の工具鋼は、8mm/sを超える、一般に11mm/s超の熱拡散率を示す。正確に測定することがより容易であるため、さらに大半の工具は周期的なプロセスに適用される結果、熱伝導率よりも熱拡散率の方が性能の評価により一層関連性があるため、熱拡散率が、関連性のある熱特性として選択される。
本発明の工具鋼は、任意の冶金学的方向によって製造でき、最も一般には、砂型鋳造、精密鋳造、連続鋳造、電気炉溶解、真空誘導溶解である。さらに、粉末冶金法を使用することができ、これには、任意の種類のアトマイズ及びその後の圧縮成形法、いくつかを言及するとHIP、CIP、低温若しくは高温成形、焼結、溶射又はクラッディングなどが含まれる。合金は、直接、所望の形状で得られてもよく、又はさらに冶金学的に改善されてもよい。ESR、AOD、VARなどのような任意の精錬の冶金学的プロセスが適用されてもよく、鍛造又は圧延、塊の三次元鍛造さえ靭性を改善するために利用されることが多い。本発明の工具鋼は、溶接の過程で溶接合金として利用される棒、線材又は粉末として得ることができる。低コストの鋳造合金を使用し、本発明の鋼でできた棒若しくは線材を用いた溶接又は本発明の鋼でできた粉末を使用したレーザー、プラズマ若しくは電子ビーム溶接により本発明の鋼をダイの重要部分に供給することによってダイさえも製造することができる。また、本発明の工具鋼は、別の材料の表面の部品にそれを供給するための任意の熱投射技術とともに使用することができると考えられる。
本発明の工具鋼は、大きな熱機械的負荷を受ける部品又は基本的に熱疲労により破壊する傾向のある、若しくは高い靭性が必要とされ、高熱伝導率から利益が得られるあらゆる部品の構築のために使用することもできる。より速い熱移動又は作業温度の低下からの利益。例として、燃焼機関用の構成部品(モーターブロックリングなど)、反応炉(化学産業におけるものも)、熱交換デバイス、発電機又は一般にエネルギー変換のためのあらゆる機械。金属の鍛造(自由鍛造又は型打ち鍛造)、押出し成形、圧延、鋳造及びチキソ成形のためのダイ。熱可塑性及び熱硬化性材料の両方のすべてのその形成における塑性加工のためのダイ。一般に、改善された耐熱疲労性から利益を得ることができるあらゆるダイ、工具又は部分。また、大きなエネルギー量を作用させる(ステンレス鋼など)若しくは高温にある(熱間切断、プレス焼入れ)材料の成形又は切断のためのダイの場合のような、熱管理が改善されたことにより利益が得られるダイ、工具又は部分。
どのように本発明の鋼組成がさまざまな典型的な熱間加工用途についてより正確に特定できるかのいくつかの実例が提供される。
「実例1」
かなりの壁厚を有する重いアルミニウムダイカストについては、可能な限り熱伝導率が大きいことが望まれるが、純粋なマルテンサイト微細構造への非常に高い完全焼入性も望まれ、切欠き感度は可能な限り低く、破壊靭性は可能な限り高くすべきである。熱間工具鋼により構成されるダイ又は部品は非常に重い部分を有していることが多いため、この解決策は、非常に良好な完全焼入性を伴って耐熱疲労性を最大にする。この場合、以下の組成範囲を利用することができると考えられる。
eq:0.3〜0.34 Cr<0.1(好ましくは、%Cr<0.05%) Ni:3.0〜3.6
Si:<0.15(好ましくは、%Si<0.1であるが、許容される量の酸化物介在物を伴う)
Mn:<0.2 Moeq:3.5〜4.5
ここで、Moeq=%Mo+1/2%W
他のすべての元素は、可能な限り低くすべきであり、いかなる場合も0.1%未満であるべきである。すべての値は、重量パーセントである。
Figure 2017095802
「実例2」
型打ち鍛造について。この場合、耐摩耗性及び耐熱疲労性の最適化が同時に達成される必要があるため、耐摩耗性の向上(一次炭化物が存在する)とともに最大のCVN及び熱拡散率が望ましい。この場合、以下の組成範囲内の粉末冶金学的工具鋼を利用することができると考えられる。
eq:0.34〜0.38 Cr<0.1(好ましくは、%Cr<0.05%)Ni:3.0〜3.6
Si:<0.15(好ましくは、%Si<0.1であるが、許容される量の酸化物介在物を伴う)
Mn:<0.2 Moeq:5.0〜7.0
ここで、Moeq=%Mo+1/2%W
他のすべての元素は、可能な限り低くすべきであり、いかなる場合も0.1%未満であるべきである。すべての値は、重量パーセントである。
Figure 2017095802
「実例3」
薄板の熱間切断について。この場合、良好な完全焼入性及び靭性を有しながら耐摩耗性を最大にする必要がある。熱伝導率は、刃先の温度を可能な限り低く保つために非常に重要である。この場合、以下の組成範囲を利用することができると考えられる。
eq:0.72〜0.76 Cr<0.1(好ましくは、%Cr<0.05%)Ni:3.4〜4.0
Si:<0.15(好ましくは、%Si<0.1)
Mn:<0.4 Moeq:12〜16
ここで、Moeq=%Mo+1/2%W
他のすべての元素は、可能な限り低くすべきであり、いかなる場合も0.1%未満であるべきである。すべての値は、重量パーセントである。
Figure 2017095802

Claims (17)

  1. 熱間工具鋼であって、
    重量パーセントで以下の組成

    %Ceq=0.28-1.2 %C=0.28-1.2 %N=0-1 %B =0-1
    %Cr <1.5 %Ni=2.99超-6 %Si<0.4 %Mn=0-3
    %A1=0-2.5 %Mo=2-10 %W=0-8 %Ti=0-3
    %Ta=0-3 %Zr=0-3 %Hf=0-3 %V=0-4
    %Nb=0-3 %Cu=0-4 %Co=0-6 %S=0-1

    を有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、
    ここで、%Ceq=%C+0.86×%N+1.2×%Bであり、
    %Mo+1/2×%W>1.2であり、
    当該熱間工具鋼は、室温において8mm/sよりも大きな熱拡散率を有することを特徴とする熱間工具鋼。
  2. 炭化物の少なくとも80重量%は、Fe、MoもしくはWの単独炭化物又はそれらの組み合わせであり、
    前記Fe、Mo及び/又はWの炭化物内には、他の単一金属元素は、固溶状態で10重量%を超える濃度で存在しない、請求項1に記載された熱間工具鋼。
  3. 前記炭化物中の%Cは、少なくとも部分的に%N及び/又は%Bによって置換される、請求項2に記載された熱間工具鋼。
  4. %Ni及び/又は%Mnを除き、前記炭化物が析出された前記Feの金属マトリックス内には、単一元素が固溶状態で0.5%を超える濃度で存在しない、請求項2または3に記載された熱間工具鋼。
  5. %Niを除き、前記炭化物が析出された前記Feの金属マトリックス内に、単一元素が固溶状態で0.1%を超える濃度で存在しない、請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  6. 0.03<%Ceq−AC×[%Mo/(3×AMo)+%W/(3×AW)+%V/AV]<0.165であり、
    ここで、
    %Ceq=%C+0.86×%N+1.2×%B、
    %Mo:モリブデンの重量パーセント、
    %W:タングステンの重量パーセント、
    %V:バナジウムの重量パーセント、
    AC:炭素の原子質量(12.0107u)、
    AMo:モリブデンの原子質量(95.94u)、
    AW:タングステンの原子質量(183.84u)、
    AV:バナジウムの原子質量(50.9415u)であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  7. %Ni+9×%Mn+5×%Si<8である、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  8. %Ceq=0.28〜0.55、%C=0.28〜0.55、%N=0〜0.6及び%B=0〜0.45である、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  9. %Cr<0.2、%Si<0.2である、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  10. %Cr<0.1である、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  11. %Si<0.1である、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  12. %Cr<0.05及び%Si<0.05である、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  13. 3<%Mo+1/2・%W<11であることを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。

  14. %Ceq=0.28-0.4 %C=0.28-0.4 %N =0-0.45 %B=0-0.3
    %Cr<0.5 %Si<0.3 %Mo=2.5-8 %W=0-5

    である、請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。

  15. %Ceq=0.28-0.36 %C=0.28-0.36 %N=0-0.4 %B=0-0.25
    %Cr<0.3 %Si<0.25 %Mo=3-6.5 %W=1-4

    である、請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  16. %Ceq×(%Mo+0.5×%W)/(%Cr+%V+%Nb)>8であり、
    ここで、
    %Cr+%V+%Nb>0であり、
    %Ceq=%C+0.86×%N+1.2×%Bであり、
    %Mo:モリブデンの重量パーセント、
    %W:タングステンの重量パーセント、
    %V:バナジウムの重量パーセント、
    %Nb:ニオブの重量パーセント
    %Cr:クロムの重量パーセント、
    であり、
    %Cr、%V及び%Nbは、0.05%未満の濃度で存在するとしても、実際の重量パーセントであることを特徴とする、請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼。
  17. 請求項1から請求項16までのいずれか一項に記載された熱間工具鋼の少なくとも1つを有するダイ、工具又はピース。
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