JP2017095432A - アクロレイン誘導体活性抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体内で発生するアクロレイン誘導体の活性を失活及び抑制する薬剤あるいはその薬剤を含有する医薬品、または医薬部外品、または化粧品を提供する。
【解決手段】 バラ科植物果実抽出物、特にリンゴ果実抽出物を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明はアクロレイン誘導体とタンパク質、核酸などといった生体分子間の反応を抑制するアクロレイン誘導体活性抑制剤であり、その薬剤を含有する皮膚外用剤に関する。
一般に生体内で生成されるアクロレイン、マロンジアルデヒド、4−ヒドロキシ−2−ノネナールといったα,β−不飽和脂肪族アルデヒド化合物は反応性が高く、生体に対して強い有害性を有し多様な症状又は疾患に関係していることが知られる。その生成経路として生体脂質の過酸化反応や塩基性生理活性物質の酵素反応などが挙げられる(非特許文献1、2)。アクロレイン(CH=CHCHO)は生体内で生じるこのようなアルデヒド化合物の中で最も単純な構造であるが、マロンジアルデヒドや4−ヒドロキシ−2−ノネナールなどもアクロレインと同様の生体内反応を示すことがわかっている。従って、本発明では、このようなアルデヒド化合物を「アクロレイン誘導体」と総称し、アクロレイン誘導体と生体内分子との反応を抑制する物質を「活性抑制剤」と称する。
アクロレイン誘導体の生体に対する有害性の一例として、動脈硬化症の発症過程や脳卒中患者の血中でアクロレイン又はアクロレインの付加体が増加することが確認されている(非特許文献3、4)。またアクロレイン誘導体は生体内のあらゆる組織のタンパク質と非特異的、非酵素的に反応しカルボニル化させることも知られている(非特許文献5)。このようなカルボニル化タンパク質は内臓や脳、皮膚中など生体内の至る箇所にその存在が確認されており、カルボニル化タンパク質もまた、多様な疾患や症状に関与することが報告されている。
その一例として、皮膚においては真皮や角層細胞内にカルボニル化タンパク質の存在が認められている。真皮におけるカルボニル化タンパク質の過剰な蓄積は、光学的透過性の低下による皮膚色変化(黄ぐすみ)や光線性弾力線維症の重症化によるシワ形成を亢進する(非特許文献6、7)。また角層内におけるカルボニル化タンパク質の過剰な蓄積は皮膚色変化(黄ぐすみ)を引き起こすとともに、角層内の水分保持機能を低下させる(特許文献1)。視覚的な皮膚の透明感はこのような黄ぐすみによって低下することが知られており、皮膚透明感が低下した皮膚では皮膚水分量やキメの低下が起こる可能性が示されている(非特許文献8)。さらにアトピー性皮膚炎患者や乾癬患者の角層細胞にはカルボニル化タンパク質の過剰蓄積が報告されている(非特許文献9)。
また、アクロレイン誘導体はタンパク質のみならず核酸とも反応して付加体を形成し、核酸にダメージを与えることにより、変異原性を示す懸念が示唆されている(非特許文献10、11)。
このようにアクロレイン誘導体は種々の生体分子に作用し、生体機能を著しく低下させ老化を亢進させる。そのためアクロレイン誘導体の生成抑制、反応阻害、活性抑制が実現できれば多様な疾患、老化などの予防、緩和に大きな役割を果たすと考えられる。
アクロレイン誘導体から生体を守る検討においては、アクロレイン誘導体の生成を阻害する発明がすでになされている(特許文献2、3)。しかしこれらによってもアクロレイン誘導体の生成は完全に抑えられるものではないため、アクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤の開発が切望されている。これに係る検討については、アクロレインと化学合成されたアミノ酸誘導体の反応を阻害する各種薬剤の発明がなされている(特許文献4、5)。しかしそのような薬剤が生体細胞内においても効果を示すかは不明であり、アクロレイン誘導体の活性を抑制し実際的な生体分子との反応を阻害できる薬剤の開発が望まれていた。この課題解決に向けて鋭意検討を重ねた結果、発明者らは本発明に至った。
Free Radic Biol Med.2000 Jun 15;28(12):1685−96. Biochem Soc Trans.2003 Apr;31(2):371−4. Atherosclerosis.2010 Aug;211(2):475−9 Mol Nutr Food Res.2011 Sep;55(9):1332−41 YAKUGAKU ZASSHI 133(10)1055−1063(2013) J Dermatol Sci.2011 Oct;64(1):45−52. Arch Dermatol Res.2001 Jul;293(7):363−7. J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn.39(3)201−208(2005) Journal of Drmatology 2010;37:693−698 Chem Res Toxicol.2009 May;22(5):798−806 Mol Nutr Food Res.2011 Sep;55(9):1291−300
特許第4526839号 特開2002−281999号公報 特開2002−138013号公報 特許第4944372号 特許第5063947号
本発明の課題は、生体内においてアクロレイン誘導体の活性を低下させ、アクロレイン誘導体が生体に及ぼす様々な負の作用を改善、緩和する薬剤を提供すること及び、その薬剤を含有する医薬品又は医薬部外品又は化粧品等の皮膚外用剤を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、バラ科植物果実抽出物、特にリンゴ果実抽出物がアクロレイン誘導体の活性を著しく低下させ、細胞内タンパク質などの生体分子との反応を著しく抑制する作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明ではバラ科植物果実抽出物、特にリンゴ果実抽出物にアクロレイン誘導体の活性を抑制する効果が認められた。したがって本発明のアクロレイン誘導体活性抑制剤及びその薬剤を配合した皮膚外用剤は、アクロレイン誘導体と生体分子の反応により症状が進行する脳卒中や動脈硬化などの血管疾患及び全身組織の老化(例えば皮膚においてはシワ形成や皮膚水分量低下、くすみの亢進など)に対し予防又は改善効果が期待できる。
バラ科植物果実にはイチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどが挙げられるが、本発明のアクロレイン誘導体活性抑制剤はバラ科植物果実抽出物、中でもリンゴ果実抽出物であることが好ましい。
リンゴ果実抽出物において、リンゴ(Malus pumila)の品種にはふじ、王林、紅玉、陸奥、津軽、旭、デリシャス、ジョナゴールド、陽光などが挙げられる。リンゴ果実の抽出部位は、全果、果肉、果皮、種など特に限定されない。さらに前記果実は成熟果、未成熟果(幼果)などの成熟状態を問わないが、特に未成熟果(幼果)が望ましく、1個あたりの重量が5〜20g程度の時期に摘果されたものが特に望ましい。前記の抽出部位、及び成熟状態の抽出物を1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。
リンゴ果実抽出物は、市販のリンゴ果実抽出物を用いても良いし、リンゴ果実から抽出しても良く、特に制限されない。抽出する方法についても、特に制限されず、従来公知の方法を採用できる。具体的には、以下のようであって良い。例えば、リンゴ果実を破砕、搾汁して果汁を得、それに含まれるペクチンなどの不溶性成分などを酵素分解及び濾過により除去して清澄果汁を得る。又はリンゴ果実をアルコール(エタノール、メタノール等)と混合して破砕し、そのまま浸漬及び圧搾、又は加熱還流しながら抽出し、次いで減圧濃縮によりアルコールを除去した後、遠心分離及びろ過、又は有機溶媒(ヘキサン、クロロホルム等)による分配、ろ過を行い、抽出物を得る方法などが挙げられる。抽出溶媒は、特に制限されない。
本発明に係る抽出物の各種皮膚外用剤に対する配合量は、皮膚外用剤の実施形態、皮膚外用剤の使用形態等に応じて変動させることができるので特に制限されない。例えば0.00005〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.1質量%である。なお、これらの値は乾燥物としての質量比である。
本発明のアクロレイン誘導体活性抑制剤を皮膚外用剤として用いる場合、バラ科植物果実抽出物を水溶性の溶剤に溶解したのち、水で希釈した水溶液として塗付することもできるし、医薬品または医薬部外品または化粧品として一般に使われているような形状として塗付することもできる。
本発明に係る皮膚外用剤の形態は特に限定されない。例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料、ゾル、ゲル、パウダー、スプレー、固形など各種形態で適用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)薬剤によるアクロレイン活性抑制
[各種素材含有試料及びアクロレイン溶液の調製]
リンゴ果実抽出物は、アップルフェノンC‐100(アサヒフード アンド ヘルスケア)をサンプルとして用いた。また比較素材として、高い抗酸化力を有することが知られているL(+)−アスコルビン酸(和光純薬)、及びその誘導体であるリン酸アスコルビルマグネシウム(アイ・ティー・オー)を用いた。
これら3素材をそれぞれ純水に1%となるように溶解し、これを段階希釈して各種濃度のサンプル溶液を調製した。アクロレイン試薬としては、Acrolein Monomer(東京化成工業)を用い、これを純水に0.005%となるように溶解した。
[アクロレイン検出試薬の調製]
カルボニル基検出試薬である4−Hydrazino−7−nitrobenzofurazan Hydrazine(NBD−H;東京化成工業)をN,N−dimethyl formamide(DMF;和光純薬)で25mMとなるように溶解した。その後Trifluoroacetic acid(TFA;ナカライテスク)を0.05%含有する純水で、前記NBD−H含有DMF溶液を0.25mMに希釈した。
[各種素材のアクロレイン活性抑制能評価]
96穴プレートの各ウェルに、上記の素材含有溶液25μL及びアクロレイン含有溶液を50μL添加し、1分間プレートシェイクした。その後、ウェル内の溶液の蒸発を防ぐためプレート表面をシールで密閉した状態で37℃、2時間インキュベートした。その後、シールを剥がし、前述のアクロレイン検出試薬を各ウェルに25μL添加し、1分間プレートシェイクした。その後プレートを常温、暗所にて30分間静置したのち、マイクロプレートリーダーにて蛍光強度を測定した(励起波長:470nm、蛍光波長:550nm)。実験結果を図1に示す。
[データ処理]
3素材において、それぞれ素材を添加していない条件における蛍光強度値をアクロレイン残存率100%とした。アクロレインの残存率は、この蛍光強度値で素材添加時の蛍光強度値を除すことにより算出した。図1のグラフに示したアクロレイン失活率は100%からアクロレイン残存率の差をとることで算出した。
各種素材のアクロレイン活性抑制能評価結果を示したグラフである。
図1の結果から、リンゴ果実抽出物は高い抗酸化力を有するL(+)−アスコルビン酸及びリン酸アスコルビルマグネシウムと比較して種々の分子と反応性を示すアルデヒド基と強く反応し、アクロレインを失活させる効果が著しく高いことが示唆された。
(2)アクロレイン処理した生体細胞での薬剤によるカルボニル化タンパク質産生抑制
[リンゴ果実抽出物及びアクロレイン含有培養液の調製]
リンゴ果実抽出物としてはアップルフェノンC−100(アサヒフード アンド ヘルスケア)、アクロレイン試薬としてはAcrolein Monomer(東京化成工業)を用いた。5%ウシ胎児血清(FBS)を含むダルベッコ変法イーグル培地「ニッスイ」(DMEM、日水製薬)に、アクロレインを終濃度0.0005%となるよう添加した。このアクロレイン含有培地にリンゴ果実抽出物を各種濃度で溶解し、リンゴ果実抽出物及びアクロレイン含有培養液を作製した。
[不死化ヒト表皮細胞株の培養とリンゴ果実抽出物及びアクロレイン含有培養液での培養]
不死化ヒト表皮細胞株HaCaTを96穴プレートに5×10/wellで播種し、37℃、5%COインキュベーターにて24時間培養した。培養液を廃棄し、細胞をPBS(−)液で洗浄後、前記リンゴ果実抽出物及びアクロレイン含有培地を各ウェルに100μL添加し、さらに24時間培養した。
[細胞内のカルボニル化タンパク質量評価]
前記の培養液を廃棄し、細胞をPBS(−)液で洗浄後、−20℃の冷メタノールを各ウェルに100μL添加し−20℃で5分間冷却し細胞を固定した。メタノールを廃棄し、細胞をPBS(−)液で洗浄後、20μMFTSCを含有する0.1M MES−Na(pH5.5)を各ウェルに100μL添加し、37℃、5%COインキュベーターにて1時間静置した。ウェル内の溶液を廃棄し、各ウェルに100μLのPBS(−)液を添加し、マイクロプレートリーダーで蛍光測定した(励起波長:492nm、蛍光波長:516nm)。
[細胞内の総タンパク質量評価]
ウェル内の溶液を破棄し、各ウェルに0.5%オクチルフェノールエトキシレート(和光純薬)溶液を50μL添加し、細胞内タンパク質を溶解した。その後TaKaRa BCA Protein Assay Kit(タカラバイオ)の調製液をウェルに50μL添加し37℃で10分インキュベートし、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定した(吸光波長:550nm)。BSA(ウシ血清アルブミン、SIGMA)換算でタンパク量を算出した。実験データをまとめたものを表1に示す。
[データ処理]
表1はアクロレイン及び各種濃度のリンゴ果実抽出物をHaCaT細胞に作用させたときの細胞内の総タンパク質量平均値の比(ratio%)とt検定値(p)を示す。表2はアクロレイン及び各種濃度のリンゴ果実抽出物をHaCaT細胞に作用させたときの細胞内の総タンパク質量におけるカルボニル化タンパク質量平均値の割合の比(ratio%)とt検定値(p)を示す。すなわち、前述の[細胞内のカルボニル化タンパク質量評価]で得た値を[細胞内の総タンパク質量評価]で得た値で除した値の比である。群間における有意差の有無については表1と同様なスチューデントのt検定値(p)を用いて判定し、p<0.05を有意差あり(*)とした。
Figure 2017095432
Figure 2017095432
表1の結果から、今回検討した濃度においてアクロレイン及びリンゴ果実抽出物を作用させた細胞に毒性は生じなかった。さらに表2に示したように、リンゴ果実抽出物は細胞内の総タンパク量に占めるカルボニル化タンパク質の割合を有意に低下させる結果であった。
以上の結果から、リンゴ果実抽出物はアクロレイン誘導体の活性を著しく抑制する効果を有し、アクロレイン誘導体に起因する細胞内タンパク質のカルボニル化反応を有意に阻害する効果を示した。すなわち、リンゴ果実抽出物は生体に対し高い安全性を担保できる濃度において、アクロレイン誘導体と種々の生体分子との反応を阻害する効果が極めて高い薬剤であることが示唆された。したがってこの薬剤を含有する皮膚外用剤においても同様の効果が期待できると考えられる。
以下に本発明を利用した皮膚外用剤の処方例を挙げる。
(皮膚外用剤の調製)
以下の実施例3および比較例3における表内の配合量は特に断らない限り重量%を示す。
皮膚用クリームの調製(表3、実施例3)
(1)流動パラフィン 6.0(重量%)
(2)ミリスチン酸イソプロピル 3.0
(3)シクロペンタシロキサン 2.5
(4)ジメチコン 2.0
(5)ベヘニルアルコール 3.4
(6)ワセリン 2.0
(7)ステアリン酸ソルビタン 1.5
(8)セテス−20 3.4
(9)トコフェロール 0.02
(10)クエン酸 0.05
(11)1,3−ブチレングリコール 1.0
(12)メチルパラベン 0.15
(13)プロピルパラベン 0.07
(14)ジプロピレングリコール 1.9
(15)リンゴ未成熟果実抽出物 0.003
(16)精製水 残部
(製造方法)
上記原料(1)〜(9)を混合し、遮光し、80℃で加熱撹拌した。・・・油相
他方、(10)〜(16)を混合し、80℃で加熱撹拌した。・・・水相
遮光した状態で80℃で油相を撹拌しながら、水相を添加し、ホモジナイザーで均一に乳化した。全行程は、遮光して行うのが望ましく、また、遮光して保存することが望ましい。リンゴ未成熟果実抽出物は着色しやすいので遮光下としたが、遮光せず行うことも可である。
(比較用クリーム(表3、比較例3)の調製)
前述の皮膚用クリームの調製と、リンゴ未成熟果実抽出物を加えないことを除けば全く同様にして、比較用クリーム(表3、比較例3)を製造した。製造時と保存時の遮光も、実施例と全く同様にした。
(皮膚外用剤の効果確認試験)
20代から50代までのボランティア女性によって、実施例3と比較例3(対照群)とで、あまり年代に偏りのない評価パネルを実施例15人(平均年齢35歳)、比較例14人(平均年齢36歳)で構成した。
調製した実施例3のクリームと比較例3のクリームを両目下部に塗った以外は普段と同じ化粧をし、普段と同じ生活を8週間行った。ただし、意図的な日光浴など、紫外線に激しく晒される行動は避けた。
肌のハリについて、試験前後に目下部肌の反発力を測定し、ヒステリシス曲線で囲まれる面積を比較した(非特許文献12、13)。
肌のキメについて、試験後にテープストリッピング法(非特許文献14)で両目下部の角層最外層を採取し、前後の状態変化を調べた。
パネルには、試験の目的を説明し、日光浴を避けるなどの注意事項を周知したが、各メンバーが実施例に相当するか比較例に相当するかは明かさなかった。
歯科医学,2000,63(1):23−32 株式会社アクシム、肌の弾力の測定について(URL:http://www.med−a.co.jp/upfile/pdf_1273891499.pdf?nocache=1391830910) J.Soc.Cosmet.Chem.Japan,Vol.23,No.1,55−57 (1989)
肌のハリと弾力について明確に区別することは困難であるが、最低限の微細押しこみ量に対する反発力をハリとして測定した。ヒステリシス曲線で囲まれる面積が小さいほどハリがあると判断される。
各人について、試験前後の面積比を求め、平均を出した。
肌のキメの評価は以下の様に行った。
角層標本の観察面積は2.4平方cmとした。
一標本当り、重なり合っていない角層細胞のうち、大きい方から5個の細胞を選び、その面積の総和を測定した。各人について、試験前後の総和の比を計算した。一般に、角層面積が大きいほどキメがよいと判断される。
結果を表3に示した。
実施例3と比較例3で、肌特性のハリとキメについて改善効果が認められた。また、何ら負の差異は認められなかった。
Figure 2017095432
本発明のアクロレイン誘導体活性抑制剤は、生体に対し高い安全性を担保できる濃度においてアクロレイン誘導体と種々の生体分子との反応を抑制することを可能とする。これを皮膚外用剤に応用することで皮膚のハリやキメ等の改善効果が期待でき、また食品等に応用すれば動脈硬化や脳卒中等の様々な疾患に対しても効果が期待できる。従って本薬剤はアクロレイン誘導体が関与する症状、疾患の改善に幅広く期待できると考えられる。

Claims (7)

  1. バラ科植物果実抽出物を有効成分とするアクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤。
  2. アクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤が皮膚への活性抑制であることを特徴とする請求項1記載の薬剤。
  3. バラ科植物果実抽出物がリンゴ果実抽出物であることを特徴とする請求項1、2記載のアクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤。
  4. リンゴ果実抽出物がリンゴ未成熟果実抽出物であることを特徴とする請求項1、2、3記載のアクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤。
  5. アクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤が皮膚のハリを保つことを特徴とする請求項1、2、3、4記載の薬剤。
  6. アクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤が皮膚のキメを整えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5記載の薬剤。
  7. アクロレイン誘導体の活性を抑制する薬剤が皮膚外用剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6記載の薬剤。
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