JP2017095057A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

サイドエアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017095057A
JP2017095057A JP2015231970A JP2015231970A JP2017095057A JP 2017095057 A JP2017095057 A JP 2017095057A JP 2015231970 A JP2015231970 A JP 2015231970A JP 2015231970 A JP2015231970 A JP 2015231970A JP 2017095057 A JP2017095057 A JP 2017095057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
main body
inflating
expansion
gas generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015231970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6545606B2 (ja
Inventor
幸史 柴山
Yukifumi Shibayama
幸史 柴山
健作 本田
Kensaku Honda
健作 本田
明宏 波多野
Akihiro Hatano
明宏 波多野
松下 和弘
Kazuhiro Matsushita
和弘 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp, Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2015231970A priority Critical patent/JP6545606B2/ja
Publication of JP2017095057A publication Critical patent/JP2017095057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6545606B2 publication Critical patent/JP6545606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】エアバッグ本体を上方へより速く展開及び膨張させる。【解決手段】収納用形態で収納されるエアバッグ本体41は、ガス発生器30からの膨張用ガスにより、乗員Pの胸部から頭部PHにかけての部位と車両の側壁部との間で展開及び膨張する。エアバッグ本体41内は、上下方向へ延びる区画部50により、ガス発生器30が配置された後膨張部56と、区画部50よりも前側の前膨張部57と、区画部50よりも上側で後膨張部56及び前膨張部57を連通させる上膨張部58とに区画される。エアバッグ本体41は、収納用形態と非膨張展開状態との間の形態として、上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置され、かつ非膨張展開状態よりも上下方向の寸法の小さな中間形態を採る。エアバッグ本体41は、収納用形態では、それぞれ上下方向へ延びる複数の構成部がそれらの厚み方向に重ね合わされた長尺状の重ね合わせ部を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、側突等により車両に側方から衝撃が加わった場合に、車両用シートに着座している乗員と車両の側壁部との間でエアバッグを展開及び膨張させて、乗員の少なくとも胸部から頭部にかけての部位を衝撃から保護するサイドエアバッグ装置に関する。
車両用シートに着座している乗員の上半身のうち、胸部から頭部にかけての部位を側突等による衝撃から保護するサイドエアバッグ装置が、例えば、特許文献1に記載されている。
このサイドエアバッグ装置では、エアバッグの外殻部分を構成するエアバッグ本体内に、略上下方向に延びる区画部が設けられている。この区画部により、エアバッグ本体が、同区画部よりも後側の後膨張部と、区画部よりも前側の前膨張部とに区画されている。後膨張部の後端下部には、ガス発生器が配置されている。さらに、区画部には、後膨張部と前膨張部とを連通させる連通孔が設けられている。そして、上記エアバッグ本体と区画部とによってエアバッグが構成されている。
上記サイドエアバッグ装置では、非膨張展開状態のエアバッグ本体が、第1の折りと第2の折りとを少なくとも行なわれることにより、収納用形態にされている。第1の折りでは、非膨張展開状態のエアバッグ本体のうちガス発生器よりも上側の部分に対し、略前後方向に延びる複数の折り線に沿って一定幅ずつ折り返す、いわゆる蛇腹折りが行なわれる。第2の折りでは、第1の折りにより上下方向に寸法の小さくなったエアバッグ本体が、前方から後方に向けて折り畳まれる。このようにしてコンパクトにされたエアバッグとガス発生器とが、車両用シートのシートバック内に収納される。
上記サイドエアバッグ装置によると、側突等による衝撃に応じガス発生器で膨張用ガスが発生されると、その膨張用ガスは後膨張部内を上方へ向けて流れる。また、膨張用ガスの一部は、後膨張部内を上方へ向けて流れる途中で、連通孔を通じて前膨張部内に流入する。上記膨張用ガスにより、収納用形態のエアバッグ本体が、第2の折り及び第1の折りをそれぞれ解消(展開)しながら膨張していく。
このように展開及び膨張するエアバッグ本体が、一部をシートバック内に残した状態で車両用シートから飛び出す。その後もエアバッグ本体は、乗員の上半身の上記部位と車両の側壁部との間の隙間で展開及び膨張し、側壁部を通じて上記部位に伝わる側方からの衝撃を緩和する。
特開2014−237409号公報
ところで、ガス発生器が後膨張部の後端下部に配置され、かつエアバッグ本体を乗員の胸部から頭部にかけての広い部位の側方で展開及び膨張させる上記サイドエアバッグ装置では、エアバッグ本体のうち、乗員の頭部を保護する部分である上部が、ガス発生器から遠く離れている。しかも、エアバッグ本体が展開及び膨張する経路である、乗員の上半身と車両の側壁部との間の隙間は狭い。この狭い隙間を通ってエアバッグ本体の上部を他の部分と同様に展開及び膨張させるには、エアバッグ本体を上方へより速く展開及び膨張させることが重要である。
この点、エアバッグ本体のうちガス発生器よりも上側の部分に対し、蛇腹折りからなる第1の折りがなされた上記サイドエアバッグ装置では、その第1の折りの解消(展開)が、上方向と車幅方向との中間の方向に向けてなされる。車幅方向に向かう分、上方に向かう展開が遅くなる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグ本体を上方へより速く展開及び膨張させることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決するサイドエアバッグ装置は、収納用形態で収納され、かつガス発生器から供給される膨張用ガスにより、車両用シートに着座している乗員の少なくとも胸部から頭部にかけての部位と車両の側壁部との間で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、前記エアバッグ本体内は、上下方向へ延びる区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつ前記ガス発生器が配置される後膨張部と、前記区画部よりも前側に位置する前膨張部と、前記区画部よりも上側で前記後膨張部及び前記前膨張部を連通させる上膨張部とに区画され、前記エアバッグ本体の前後方向及び上下方向の各寸法は、前記収納用形態では、同エアバッグ本体が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた非膨張展開状態よりも小さくなるサイドエアバッグ装置であって、前記エアバッグ本体は、前記収納用形態と前記非膨張展開状態との間の形態として、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置され、かつ前記非膨張展開状態よりも上下方向の寸法の小さな中間形態を採り、前記収納用形態では、それぞれ上下方向へ延びる複数の構成部がそれらの厚み方向に重ね合わされた長尺状の重ね合わせ部を備える。
上記の構成によれば、区画部が配置されることにより、エアバッグ本体内には、ガス発生器が配置された後膨張部、上膨張部及び前膨張部からなる膨張用ガスの流路が形成される。そのため、側突等の衝撃に応じてガス発生器で膨張用ガスが発生されると、その多くは上記の流路を流れることで、エアバッグ本体内に区画部が配置されない場合よりも早い時期から上方へ導かれる。そして、膨張用ガスが、後膨張部、上膨張部及び前膨張部のそれぞれに供給されることで、収納用形態のエアバッグ本体では、重ね合わせ部における複数の構成部が、重ね合わされた状態を解消(展開)しながら膨張していく。
ここで、中間形態のエアバッグ本体では、上膨張部の上部が下部の内側に配置されている。エアバッグ本体の展開及び膨張に際しては、上膨張部のうち、下部の内側に配置されている上部が、上方へ向かって流れる膨張用ガスの圧力を受けて、同下部から上方へ向けて真っ直ぐ押し出される。従って、エアバッグ本体は、その上部が蛇腹折りされた特許文献1よりも速く上方へ展開及び膨張される。
また、区画部は、エアバッグ本体の上記展開及び膨張に伴い、車幅方向の両側に引張られて緊張状態にされることで、同エアバッグ本体の車幅方向の膨張厚みを規制する。
その結果、車両用シートに着座している乗員の上半身(特に肩部)と車両の側壁部との間の隙間は狭いが、上膨張部を含むエアバッグ本体の全体が、詰まることなくこの狭い隙間で的確に展開及び膨張する。そして、上記のように展開及び膨張したエアバッグ本体が上記隙間に介在することで、乗員の少なくとも胸部から頭部にかけての部位が、側突等による衝撃から保護される。
上記サイドエアバッグ装置において、前記中間形態の前記エアバッグ本体における上下方向の寸法は、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態の前記エアバッグ本体の上下方向の寸法よりも小さいことが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグ本体が、非膨張展開状態と収納用形態との間の中間形態を採ったときには、同エアバッグ本体の上下方向の寸法が、単に上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態のエアバッグ本体の同方向の寸法よりも小さい。そのため、エアバッグ本体が収納用形態にされる際には、既に上下方向の寸法が小さくされていることとなる。収納用形態では、各構成部の上下方向の寸法が小さくなって、エアバッグ本体における重ね合わせ部の上下方向の寸法が小さくなる。エアバッグ本体は、収納に適したコンパクトな形態となる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記中間形態の前記エアバッグ本体では、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態の前記エアバッグ本体のうち、少なくとも前記ガス発生器よりも上側の部分が、残部に対し車幅方向に重ねられた状態で配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグ本体が中間形態を採るときには、上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態のエアバッグ本体のうち、少なくともガス発生器よりも上側の部分が、残部に対し車幅方向に隣接する箇所に位置する。そのため、中間形態のエアバッグ本体の上下方向の寸法は、少なくともガス発生器よりも上側の部分と残部とが上下方向に並んでいる場合の同方向の寸法、すなわち、単に上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態のエアバッグ本体の同方向の寸法よりも小さくなる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記エアバッグ本体のうち、少なくとも前記ガス発生器よりも上側の部分は、互いに上下方向に隣り合う複数の部分からなり、前記複数の部分は、前記残部に対しそれぞれ車幅方向に重ねられた状態で配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグ本体が中間形態を採るときには、上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態のエアバッグ本体のうち、少なくともガス発生器よりも上側であって、互いに上下方向に隣り合う複数の部分が、残部に対しそれぞれ車幅方向に隣接する箇所に位置する。そのため、中間形態のエアバッグ本体の上下方向の寸法は、少なくともガス発生器よりも上側の部分が単一の部分からなり、かつ残部に対し車幅方向に隣接する箇所に位置する場合の同方向の寸法よりも小さくなる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記区画部の下端部は前記エアバッグ本体の下端部に位置しており、前記区画部の上下方向の中間部には、前記後膨張部と前記前膨張部とを連通させる連通孔が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、ガス発生器で発生されて、後膨張部内を上方へ向かう膨張用ガスの一部は、上述したように上膨張部を経由して前膨張部に流入するが、その上膨張部に到達する前でも、連通孔を通ることで前膨張部に流入する。従って、前膨張部は、膨張用ガスが上膨張部から流入する前から展開及び膨張を開始することが可能となる。
上記サイドエアバッグ装置によれば、エアバッグ本体を上方へより速く展開及び膨張させることができる。
サイドエアバッグ装置の一実施形態を示す図であり、同装置が設けられた車両用シートをエアバッグ及び乗員とともに示す側面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及び側壁部の位置関係を示す平断面図。 一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及び側壁部を車両前方から見た断面図。 一実施形態において、エアバッグモジュールが組み込まれたシートバックの側部の内部構造を示す部分平断面図。 一実施形態において、エアバッグ本体が非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを示す側面図。 図5における6−6線断面図。 図5のエアバッグモジュールの内部構造を乗員及び車両用シートとともに示す部分側断面図。 一実施形態において、エアバッグ本体が折り畳まれる前のエアバッグモジュールを示す側面図。 図8のエアバッグ本体に対し第1の折りがなされたエアバッグモジュールを示す側面図。 図9の10−10線断面図。 図9のエアバッグ本体に対し、別の折りがなされたエアバッグモジュールを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図11(a)の左方から見た背面図。 図11のエアバッグ本体に対し、さらに別の折りがなされて同エアバッグ本体が中間形態にされたエアバッグモジュールを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図12(a)の左方から見た背面図、(c)は図12(a)の下方から見た断面図。 図12のエアバッグ本体に対し第2の折りがなされる途中段階のエアバッグモジュールを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図13(a)の下方から見た断面図。 第2の折りが完了してエアバッグ本体が収納用形態にされたエアバッグモジュールを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図14(a)の下方から見た断面図。 図4のエアバッグ本体がその一部をシートバック内に残して車両用シートから飛び出して展開及び膨張した状態を示す部分平断面図。 図6におけるエアバッグ本体が膨張して区画部が緊張したときのエアバッグの内部の状態を示す平断面図。 エアバッグ本体の折り態様の変形例を示す図であり、図12(b)に対応する背面図。
以下、サイドエアバッグ装置の一実施形態について、図1〜図16を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)における中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が着座しているものとする。このダミーは、例えば国際統一側面衝突ダミー(WorldSID)のAM50(米国成人男性の50%をカバーするモデル)である。
図1〜図3に示すように、車両10において側壁部11の車内側の近傍には、車両用シート12が配置されている。ここで、側壁部11とは、車両10の側部に配置された車両構成部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応する側壁部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応する側壁部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション(座部)13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾斜角度を調整可能に構成されたシートバック14とを備えている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で車両10に配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
次に、シートバック14における車外側の側部の内部構造について説明する。
シートバック14内には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの一部は、図4に示すように、シートバック14内の車外側部分に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部15」という)は、金属板を曲げ加工等することによって形成されている。サイドフレーム部15を含むシートフレームの前側には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド16が配置されている。また、シートフレームの後側には、合成樹脂等によって形成された硬質のバックボード17が配置されている。なお、シートパッド16は表皮によって被覆されているが、図4ではその表皮の図示が省略されている。後述する図15についても同様である。
シートパッド16内において、サイドフレーム部15の車外側近傍には収納部18が設けられている。収納部18には、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールABMが組み込まれている。
収納部18の角部からは、斜め前かつ車外側に向けてスリット19が延びている。シートパッド16の前側の角部16cとスリット19とによって挟まれた箇所(図4において二点鎖線の枠で囲んだ箇所)は、後述するエアバッグ40によって破断される破断予定部21を構成している。
エアバッグモジュールABMは、ガス発生器30及びエアバッグ40を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<ガス発生器30>
ガス発生器30は、インフレータ31と、そのインフレータ31を覆うリテーナ32とを備えている。ここでは、インフレータ31として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ31は略円柱状をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ31は、その上端部にガス噴出部(図示略)を有している。また、インフレータ31の下端部には、同インフレータ31への作動信号の入力配線となるハーネス33(図5等参照)が接続されている。
なお、インフレータ31としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ32は、膨張用ガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ31をエアバッグ40と一緒に上記サイドフレーム部15に締結する機能を有する部材である。リテーナ32の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって、略上下方向へ延びる略筒状に形成されている。リテーナ32には、これを上記サイドフレーム部15に取付けるための係止部材としてボルト34が固定されている。
なお、ガス発生器30は、インフレータ31とリテーナ32とが一体になったものであってもよい。
図1〜図3に示すように、エアバッグ40の外殻部分はエアバッグ本体41によって構成されている。
<エアバッグ本体41>
図5は、エアバッグ本体41が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態(以下「非膨張展開状態」という)のエアバッグモジュールABMを示している。また、図6は、図5における6−6線に沿った断面構造を示している。さらに、図7は、エアバッグモジュールABMの内部構造を示すべく、図5の非膨張展開状態のエアバッグ本体41が車幅方向の中央部分で切断されたエアバッグモジュールABMを乗員P及び車両用シート12とともに示している。
図5〜図7に示すように、エアバッグ本体41は、1枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、その中央部分に設定した折り線42に沿って二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成されている。ここでは、エアバッグ本体41の上記の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを本体布部43といい、車外側に位置するものを本体布部44というものとする。
なお、本実施形態では、折り線42がエアバッグ本体41の後端部に位置するように布片が二つ折りされているが、折り線42が他の端部、例えば前端部、上端部、下端部等に位置するように布片が二つ折りされてもよい。また、エアバッグ本体41は上記折り線42に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよいし、3枚以上の布片からなるものであってもよい。
エアバッグ本体41においては、両本体布部43,44の外形形状が、折り線42を対称軸として互いに線対称の関係にある。図1〜図3に示すように、各本体布部43,44の形状及び大きさは、エアバッグ本体41が車両用シート12と側壁部11との間で展開及び膨張したときに、その車両用シート12に着座している乗員Pの上半身のうち胸部PTから頭部PHにかけての部位に対応する領域を占有し得るように設定されている。
両本体布部43,44としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
図5〜図7に示すように、両本体布部43,44の上記結合は、それらの周縁部に設けられた周縁結合部45においてなされている。本実施形態では、周縁結合部45は、両本体布部43,44の周縁部のうち、後端下部(折り線42の近傍部分)を除く部分を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この点は、後述する各種結合部についても同様である。各種結合部とは、後縦結合部53,54、前縦結合部55等である。
上記縫製に関し、図5、図7〜図9、図11(a)、図12(a)、図13(a)及び図14(a)では、3つの線種によって縫製部分が表現されている。1つ目の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、縫合部分を側方から見た状態を示している(図5における周縁結合部45等参照)。2番目の線種は、一定長さ(一般的な破線よりも長い長さ)の細線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、例えば車外側の本体布部44の奥に位置していて直接は見えない(隠れている)縫糸の状態を示している(図5における前縦結合部55等参照)。3番目の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、縫製部分を通る面における縫糸の断面を示している(図7における周縁結合部45等参照)。
なお、周縁結合部45は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。この点は、上記各種結合部についても同様である。
図5〜図7に示すように、両本体布部43,44間であって、周縁結合部45及び折り線42によって囲まれた空間は、膨張用ガスによって展開及び膨張する膨張部46を構成している。
膨張部46内には区画部50が設けられている。区画部50は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構成を有している。
<区画部50>
区画部50は、エアバッグ本体41と同様の素材からなる一対の布部51,52を備えている。両布部51,52は、乗員Pの上半身のうち頭部PHよりも下方であって、少なくとも肩部PSを含む部位の側方から下方へ向けて延びる縦長の帯状をなしている。本実施形態では、区画部50の上端部は、頭部PHよりも僅かに低い箇所に位置している。また、区画部50の下端部は、エアバッグ本体41の下端部に位置している。両布部51,52は、エアバッグ本体41が非膨張展開状態にあるとき、車幅方向に重ねられた状態となる。
両布部51,52の下端部は、上述した周縁結合部45の一部によって両本体布部43,44の下端部に対し結合(共縫い)されている。
車内側の布部51は、その後側の周縁部に沿って略上下方向へ延びるように設けられた車内側の後縦結合部53によって車内側の本体布部43に結合されている。車外側の布部52は、その後側の周縁部に沿って略上下方向へ延びるように設けられた車外側の後縦結合部54によって車外側の本体布部44に結合されている。
区画部50の両布部51,52は、それらの前側の周縁部に沿って略上下方向へ延びるように設けられた前縦結合部55によって相互に結合されている。区画部50は、上記形態の結合により、エアバッグ本体41の両本体布部43,44間に架け渡されている。
膨張部46において区画部50よりも後側の空間は、後膨張部56を構成している。後膨張部56内の後端下部には、上述したガス発生器30が配置される。詳細については、後述する。後膨張部56は、ガス発生器30からの膨張用ガスにより、乗員Pの上半身のうち、主として、胸部PTの後半部の側方と、肩部PSの側方とで展開及び膨張する。膨張部46において区画部50よりも前側の空間は、前膨張部57を構成している。前膨張部57は、乗員Pの上半身のうち、主として、胸部PTの前半部の側方で展開及び膨張する。膨張部46において、区画部50よりも上側の空間は、上記後膨張部56と前膨張部57とを連通させる上膨張部58を構成している。上膨張部58は、乗員Pの上半身のうち、主として、頭部PHの側方で展開及び膨張する。
区画部50は、上記のように、膨張部46の中間部及び下部を、後膨張部56と前膨張部57とに区画する機能を有するほか、エアバッグ本体41の車幅方向の厚み(両本体布部43,44の間隔:膨張厚み)を規制する機能も有している。
上下方向における区画部50の中間部には、後膨張部56と前膨張部57とを連通させる連通孔61が設けられている。より詳しくは、前縦結合部55は、その上下方向の中間部において結合を解除されている。区画部50の上下方向の中間部では、両布部51,52を結合させる前縦結合部55が設けられていない。前縦結合部55において結合を解除された箇所は上記連通孔61を構成している。
そして、上記エアバッグ本体41及び区画部50によってエアバッグ40が構成されている。
上述したガス発生器30は、略上下方向へ延びる姿勢にされて、後膨張部56の後端下部に収容されている。ハーネス33は、エアバッグ本体41の後端部に設けられたスリット(図示略)等を通して、同エアバッグ本体41の後方へ引き出されている。ガス発生器30の全てのボルト34は、車内側の本体布部43に挿通されている。この挿通により、ガス発生器30がエアバッグ本体41に対し位置決めされた状態で係止されている。
さらに、車外側の本体布部44は、自身の前部に排気孔62を有している。排気孔62は、膨張部46の余剰の膨張用ガスをエアバッグ本体41の前部から車外側の外部へ排出するための孔である。
ところで、図4及び図14(a),(b)に示すように、ガス発生器30及びエアバッグ40を主要な構成部材として有するエアバッグモジュールABMは、エアバッグ本体41が折り畳まれることでコンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされている。収納用形態では、エアバッグ本体41の前後方向及び上下方向の各寸法が、上記非膨張展開状態よりも小さくなる。これは、エアバッグモジュールABMを、シートバック14における限られた大きさの収納部18に対し、収納に適したものとするためである。
エアバッグ本体41は、非膨張展開状態のエアバッグ本体41に対し、図8〜図14に示す折りがなされることにより、収納用形態にされる。次に、エアバッグ本体41が折り畳まれる工程について説明するが、折りの方向を特定する際には、エアバッグ40が車両用シート12に取付けられているものと仮定して、「前」、「後」、「上」、「下」、「内」、「外」等の語を用いるものとする。
図8は、折り線42及びガス発生器30の軸線ALが上下方向へ延びる姿勢にされた非膨張展開状態のエアバッグ本体41を、車外側から見た状態を示している。この非膨張展開状態のエアバッグ本体41における上膨張部58の上下方向の中間部分に、上記折り線42に直交する折り線71が設定される。
図8において矢印で示すように、上膨張部58の上部(折り線71よりも上側の部分)72が、下部(折り線71よりも下側の部分)73の内側に位置するように、折り線71に沿って折り返す第1の折り(中折り、内折り等とも呼ばれる)が行なわれる。この第1の折りにより、図9及び図10に示すように、上膨張部58の上部72が、下部73の内側に配置される。上部72が下部73に対し車幅方向に重なった状態となり、同上膨張部58の上下方向の寸法が、第1の折りが行なわれる前の約1/2になる。これに伴い、エアバッグ本体41の上下方向の寸法が、非膨張展開状態での上下方向の寸法よりも小さくなる。
ここで、仮に、区画部50の上端がエアバッグ本体41の上端部に位置しているものとすると、第1の折りを行なうことができない。両本体布部43,44間に架け渡された区画部50が、上部72を下部73の内側に折り返す際の妨げとなるからである。第1の折りは、区画部50の上端がエアバッグ本体41の上端部(周縁結合部45の上端部)から下方へ離れることを条件に可能となる。
次に、第1の折りが行なわれたエアバッグ本体41において少なくともガス発生器30よりも上側の部分、ここでは、ガス発生器30の上端よりも僅かに上方の部分に、上記折り線71に対し平行に折り線74が設定される。図9において矢印で示すように、エアバッグ本体41において、上記折り線74よりも上側の部分75が、その折り線74に沿って車外側(図9の手前側)へ折り返される。この部分75は、少なくともガス発生器30よりも上側の部分に相当する。部分75には、上記上膨張部58の上部72及び下部73が含まれる。上記折り返しにより、図11(a),(b)に示すように、上記部分75の多くが折り線74よりも下側の部分76に対し、車外側から重ねられる。この部分76は、エアバッグ本体41のうち、部分75(少なくともガス発生器30よりも上側の部分)とは異なる部分(残部)に相当する。
エアバッグ本体41の上下方向の寸法は、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)と残部(部分76)とが上下方向に並んでいる場合の同方向の寸法、すなわち、単に上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置された状態(図9)のエアバッグ本体41の同方向の寸法よりも小さくなる。
次に、図11(a)において一点鎖線で示すように、上記エアバッグ本体41のうち、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(下方へ折り返された部分75)の上下方向の中間部分に、上記折り線71,74に平行に折り線77が設定される。少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)には、折り線77を境として、互いに上下方向に隣り合う複数(2つ)の部分78,79が設定される。
同図11(a)において矢印で示すように、上記少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)において、上記折り線77よりも下側の部分78が、その折り線77に沿って車外側(図11(a)の手前側)へ折り返されて、同折り線77よりも上側の部分79に対し、車外側から重ねられる。図12(a)〜(c)は、上記折り返し後のエアバッグ本体41を示している。上記折り返しにより、エアバッグ本体41の上下方向の寸法は、図9での寸法はもちろんのこと、図11(a)での寸法よりも小さくなる。このときのエアバッグ本体41の形態を、「中間形態」というものとする。従って、中間形態を経て収納用形態にされるエアバッグ本体41において、その収納用形態にされる際には、既に上下方向の寸法が小さくされていることとなる。
続いて、上記中間形態のエアバッグ本体41に対し、第2の折りが行なわれる。詳しくは、中間形態のエアバッグ本体41における前側の領域Z1の複数箇所に、上記折り線42(軸線AL)に対しそれぞれ平行に折り線82が設定される。領域Z1は、中間形態のエアバッグ本体41における前後方向の略中央部よりも前側の領域であり、ここでは区画部50よりも前側の領域である。そして、上記領域Z1が、各折り線82に沿って同一方向に繰り返し折り畳むロール折りにより、前方から後方へ向けて折り畳まれる。この折り畳みにより、エアバッグ本体41は、図13(a),(b)に示すように、上記中間形態よりも前後方向の寸法の小さな形態になる。
次に、エアバッグ本体41のうち、ロール折りされた領域Z1よりも後側の領域Z2の複数箇所に、上記折り線42(軸線AL)に対しそれぞれ平行に折り線84が設定される。そして、上記領域Z2が、各折り線84に沿って、折り返す方向を交互に変えて折り畳む蛇腹折りにより、前方から後方へ向けて折り畳まれる。この折り畳みにより、エアバッグ本体41は図14(a),(b)に示す収納用形態になる。
なお、中間形態のエアバッグ本体41が収納用形態にされる過程では、上下方向の折りは行なわれない。収納用形態にされる際には、中間形態で小さくされた上下方向の寸法が維持される。
同図14(a),(b)に示すように、収納用形態にされたエアバッグ本体41は、長尺状の重ね合わせ部85を備えている。重ね合わせ部85は、それぞれ上下方向へ延びる複数の構成部86を備えている。複数の構成部86は、それらの厚み方向に重ね合わされている。
上記のように、エアバッグ本体41が収納用形態にされる際には、既に上下方向の寸法が小さくされているため、収納用形態では、各構成部86の上下方向の寸法が小さく、エアバッグ本体41における重ね合わせ部85の上下方向の寸法が小さい。
そして、上記のように、エアバッグ本体41が収納用形態にされたエアバッグモジュールABMは、上下方向にも前後方向にも寸法が小さくなっており、シートバック14の狭い収納部18に対しても収納に適したものとなる。
図4に示すように、収納用形態にされたエアバッグモジュールABMは収納部18に配置されている。リテーナ32から延びてエアバッグ本体41の車内側の本体布部43に挿通されたボルト34は、サイドフレーム部15に車外側から挿通されている。そして、このボルト34に対し、サイドフレーム部15の車内側からナット35が締付けられることで、ガス発生器30がエアバッグ40と一緒にサイドフレーム部15に固定されている。
なお、ガス発生器30は、上述したボルト34及びナット35とは異なる部材によってサイドフレーム部15に固定されてもよい。
図1に示すように、サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABM(図2参照)のほかに衝撃センサ91及び制御装置92を備えている。衝撃センサ91は加速度センサ等からなり、側壁部11(図2参照)等に設けられており、同側壁部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置92は、衝撃センサ91からの検出信号に基づきガス発生器30の作動を制御する。
さらに、車両10には、車両用シート12に着座している乗員Pをその車両用シート12に拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
次に、上記のように構成された本実施形態のサイドエアバッグ装置の作用について説明する。
このサイドエアバッグ装置では、側突等により車両10の側壁部11に対し側方から衝撃が加わらないときには、制御装置92からガス発生器30に対し、これを作動させるための作動信号が出力されない。ガス発生器30からは、膨張用ガスがエアバッグ40に供給されない。エアバッグモジュールABMは、収納用形態で収納部18に収納され続ける(図4参照)。
これに対し、車両10の走行中に、側突等により側壁部11に対し側方から所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ91によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置92からガス発生器30に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、ガス発生器30は高圧の膨張用ガスを発生する。
一方、図5及び図6に示すように、両本体布部43,44間に区画部50が架け渡されることにより、エアバッグ本体41内には、ガス発生器30が配置された後膨張部56、上膨張部58及び前膨張部57からなる膨張用ガスの流路が形成されている。また、エアバッグ本体41内には、後膨張部56、連通孔61及び前膨張部57からなる膨張用ガスの流路が形成されている。連通孔61の流路面積(断面積)は、上膨張部58での流路面積(断面積)よりも小さい。そのため、膨張用ガスの多くは、前者の流路を流れることで、エアバッグ本体41内に区画部50が配置されない場合よりも早い時期から上方へ導かれる。
また、後膨張部56内を上方へ向かう膨張用ガスの一部は、上膨張部58を経由して前膨張部57に流入する前でも、連通孔61を通ることで前膨張部57に流入する。
そして、膨張用ガスが、後膨張部56、上膨張部58及び前膨張部57のそれぞれに供給されることで、収納用形態のエアバッグ本体41(図14(a),(b)参照)が、第2の折り及び第1の折りをそれぞれ解消(展開)しながら膨張していく。表現を変えると、収納用形態のエアバッグ本体41では、重ね合わせ部85における複数の構成部86が、重ね合わされた状態を解消(展開)しながら膨張していく。
また、連通孔61を通じて膨張用ガスが流入した前膨張部57は、同膨張用ガスが上膨張部58から流入する前から展開及び膨張を開始する。
上記のようにエアバッグ本体41が展開及び膨張する過程で、シートバック14のシートパッド16がエアバッグ本体41によって押圧され、図4の破断予定部21において破断される。図15に示すように、エアバッグ本体41は自身の後端部を、ガス発生器30等とともに収納部18内に残した状態でシートバック14から車両10の略前方へ飛び出す。
その後も、膨張用ガスの供給が続くことで、図1〜図3に示すように、エアバッグ本体41における後膨張部56は、乗員Pの肩部PSの側方及び胸部PTの後半部の側方で展開及び膨張する。前膨張部57は、乗員Pの胸部PTの前半部の側方で展開及び膨張し、上膨張部58は、乗員Pの頭部PHの側方で展開及び膨張する。このようにして、エアバッグ本体41は、車両用シート12に着座している乗員Pの上半身のうち、胸部PTから頭部PHにかけての部位と車両10の側壁部11との間の狭い隙間で展開及び膨張する。
ここで、第2の折りは、第1の折りのなされたエアバッグ本体41を前方から後方に向けて折り畳むことによりなされている。そのため、第2の折りの解消(展開)は、後方から前方へ向けて行なわれる。
また、第1の折りは、非膨張展開状態のエアバッグ本体41における上膨張部58の上部72を下部73の内側に位置するように折り返すことによりなされている。この第1の折りの解消(展開)は、図10に示すように、上膨張部58のうち、折り返されることにより下部73の内側に配置されている上部72が、上方へ向かって流れる膨張用ガスの圧力を受けて同下部73から上方へ向けて真っ直ぐ押し出されることによりなされる。従って、エアバッグ本体41のうちガス発生器30よりも上側の部分は、蛇腹折りされた特許文献1よりも速く上方へ向けて展開及び膨張される。
また、図16に示すように区画部50は、エアバッグ本体41の上記展開及び膨張に伴い、車幅方向の両側に引張られて緊張状態にされることで、同エアバッグ本体41の車幅方向の膨張厚みを規制する。
その結果、車両用シート12に着座している乗員Pの上半身(特に肩部PS)と車両10の側壁部11との間の隙間は狭いが、上膨張部58を含むエアバッグ本体41の全体が、詰まることなくこの狭い隙間で的確に展開及び膨張する。そして、上記のように展開及び膨張したエアバッグ本体41が上記隙間に介在することで、乗員Pの少なくとも胸部PTから頭部PHにかけての部位が拘束される。また、側壁部11を通じて乗員Pの上記部位に伝わる側方からの衝撃が緩和される。
なお、図3及び図7に示すように、上膨張部58に上記区画部50が設けられていないことから、同上膨張部58では、上述したような膨張厚みの規制は行なわれない。しかし、頭部PHと側壁部11との間の隙間は、上記肩部PSと側壁部11との間の隙間よりも広い。そのため、上膨張部58が車幅方向に大きな膨張厚みで膨張しても支障はない。むしろ、膨張厚みが増大することで、上膨張部58が衝突のエネルギーを吸収する量が増え、乗員Pの頭部PHを衝撃からより適切に保護することが可能となる。
ところで、図5に示すように、膨張部46内の余剰の膨張用ガスは、排気孔62を通じて車外側の本体布部44よりも車外側へ排出される。この排出により、膨張部46の内圧が低下し、乗員Pが膨張部46によって適切な押圧力で拘束され、衝撃から保護される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)乗員Pと車両10の側壁部11との間の隙間は狭い(図3)。
しかし、エアバッグ本体41内に上下方向に延びる区画部50を配置することで、エアバッグ本体41内を、区画部50よりも後側に位置し、かつガス発生器30が配置される後膨張部56と、区画部50よりも前側に位置する前膨張部57と、区画部50よりも上側で後膨張部56及び前膨張部57を連通させる上膨張部58とに区画する(図7)。
エアバッグ本体41は、収納用形態と非膨張展開状態との間の形態として、上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置され(図10)、かつ非膨張展開状態よりも上下方向の寸法の小さな中間形態(図12(a))を採る。エアバッグ本体41は、収納用形態では、それぞれ上下方向へ延びる複数の構成部86がそれらの厚み方向に重ね合わされた長尺状の重ね合わせ部85を備える(図14(a),(b))。
そのため、ガス発生器30から供給された膨張用ガスを、区画部50によって上方へ向かわせることで、区画部50が設けられない場合に比べ、エアバッグ本体41をより早い時期から上方へ向けて展開及び膨張させ始めることができる。
また、エアバッグ本体41のうち乗員Pの肩部PSの側方となる箇所では、区画部50によって車幅方向の膨張厚みを規制することができる。肩部PSと車両10の側壁部11との間の隙間は特に狭いが、エアバッグ本体41をこの狭い隙間で展開及び膨張させることができる(図3)。
さらに、エアバッグ本体41の展開及び膨張に際し、上膨張部58のうち、下部73の内側に配置されている上部72を、上方へ向かって流れる膨張用ガスの圧力によって上方へ向けて真っ直ぐ押し出させることで、エアバッグ本体41を上方へより速く展開及び膨張させることができる(図10)。
その結果、乗員P(特に肩部PS)と側壁部11との間の狭い隙間で、エアバッグ本体41の全体を展開及び膨張させることができる。上記隙間に、展開及び膨張したエアバッグ本体41を介在させることで、乗員Pの胸部PTから頭部PHにかけての部位を、側突等による衝撃から適切に保護することができる。
特に、エアバッグ本体41の上膨張部58はガス発生器30から遠く離れているが、この上膨張部58を乗員Pの頭部PHの側方で適切に展開及び膨張させて、同頭部PHを衝撃から保護することができる(図7)。
(2)エアバッグ本体41のうち、乗員Pの頭部PHの側方で展開及び膨張する上膨張部58には区画部50を設けていない(図7)。
そのため、上膨張部58の膨張厚みを確保することができ、同頭部PHを衝撃から保護する性能を高めることができる。
(3)中間形態のエアバッグ本体41における上下方向の寸法を、単に上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置された状態のエアバッグ本体41の上下方向の寸法よりも小さく設定している(図12(a)、図9)。
そのため、エアバッグ本体41が収納用形態にされる際には、既に上下方向の寸法が小さくされている。従って、収納用形態では、各構成部86の上下方向の寸法を小さくして、エアバッグ本体41における重ね合わせ部85の上下方向の寸法を小さくし、エアバッグ本体41を収納に適したコンパクトな形態にすることができる(図14(a),(b))。
(4)中間形態のエアバッグ本体41では、上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置された状態のエアバッグ本体41のうち、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)を、残部(部分76)に対し車幅方向に重ねられた状態で配置している(図12(a),(b))。
そのため、中間形態のエアバッグ本体41の上下方向の寸法を、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)と残部(部分76)とが上下方向に並んでいる場合(図9)の同方向の寸法よりも小さくすることができ、上記(3)の効果を得ることができる。
(5)エアバッグ本体41のうち、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)を、互いに上下方向に隣り合う複数の部分(部分78,79)によって構成し、これらの部分(部分78,79)を残部(部分76)に対しそれぞれ車幅方向に重ねられた状態で配置している(図12(b))。
そのため、中間形態のエアバッグ本体41の上下方向の寸法を、少なくともガス発生器30よりも上側の部分(部分75)が単一の部分からなる場合の同方向の寸法よりも小さくすることができ、上記(3)の効果をより好適に得ることができる。
(6)区画部50の下端部をエアバッグ本体41の下端部に位置させる。区画部50の上下方向の中間部には、後膨張部56と前膨張部57とを連通させる連通孔61を設けている(図5)。
そのため、膨張用ガスが上膨張部58を経由して前膨張部57に流入する前でも、同膨張用ガスを連通孔61から前膨張部57に流入させて、同前膨張部57を展開及び膨張させ始めることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<収納部18について>
・車両用シート12のシートバック14に代えて側壁部11に、収納部18に相当する箇所が設けられ、ここにエアバッグモジュールABMが組み込まれてもよい。
<ガス発生器30について>
・リテーナ32が用いられず、ボルト34を有するインフレータ31のみによってガス発生器30が構成されてもよい。
<膨張部46について>
・エアバッグ本体41は、その略全体が上記実施形態のように膨張部46からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・膨張部46によって拘束及び保護される乗員Pの領域が、胸部PTよりも下方へ拡大されてもよい。
<エアバッグ本体41の折りについて>
・上記実施形態では、第2の折りとして、ロール折り及び蛇腹折りの組合わせが行なわれたが、ロール折りのみ、又は蛇腹折りのみが行なわれてもよい。
・上記実施形態では、図12(b)に示すように、折り線77に沿って折り返された部分78の全体が部分79の車外側に重ねられたが、これに代えて、図17に示すように、部分78の一部(下部73を含む部分)がさらに車内側に折り返されてもよい。
・上膨張部58の上部72が下部73の内側に配置された状態のエアバッグ本体41のうち、残部に対し車幅方向に重ねられた状態で配置される部分の大きさや形状は、少なくともガス発生器30よりも上側であることを条件に変更可能である。
・エアバッグ本体41のうち、少なくともガス発生器30よりも上側の部分は、互いに上下方向に隣り合う3つ以上の複数の部分によって構成されてもよい。この場合にも、複数の部分は残部に対し、それぞれ車幅方向に重ねられた状態で配置されることが望ましい。
<区画部50について>
・区画部50は単一の布片によって構成されてもよい。
・上下方向における区画部50の上端部の位置は、乗員Pの頭部PHよりも下方であって、少なくとも肩部PSを含む部位であることを条件に変更可能である。例えば、区画部50の上端部の位置は、肩部PSの側方に変更されてもよい。
・上下方向における区画部50の下端部の位置は、エアバッグ本体41の下端部であってもよいし、下端部よりも上方に変更されてもよい。後者の場合、区画部50の下端部は、周縁結合部45の下端部から上方へ離れることになる。
<その他>
・エアバッグモジュールABMはケース(図示略)内に収容された状態で、収納部18内に配置され、サイドフレーム部15に固定されてもよい。
・上記サイドエアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
10…車両、11…側壁部、12…車両用シート、30…ガス発生器、41…エアバッグ本体、50…区画部、56…後膨張部、57…前膨張部、58…上膨張部、61…連通孔、72…上膨張部の上部、73…上膨張部の下部、75,76,78,79…部分、85…重ね合わせ部、86…構成部、P…乗員、PH…頭部、PT…胸部。

Claims (5)

  1. 収納用形態で収納され、かつガス発生器から供給される膨張用ガスにより、車両用シートに着座している乗員の少なくとも胸部から頭部にかけての部位と車両の側壁部との間で展開及び膨張するエアバッグ本体を備え、
    前記エアバッグ本体内は、上下方向へ延びる区画部により、同区画部よりも後側に位置し、かつ前記ガス発生器が配置される後膨張部と、前記区画部よりも前側に位置する前膨張部と、前記区画部よりも上側で前記後膨張部及び前記前膨張部を連通させる上膨張部とに区画され、
    前記エアバッグ本体の前後方向及び上下方向の各寸法は、前記収納用形態では、同エアバッグ本体が膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた非膨張展開状態よりも小さくなるサイドエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグ本体は、前記収納用形態と前記非膨張展開状態との間の形態として、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置され、かつ前記非膨張展開状態よりも上下方向の寸法の小さな中間形態を採り、前記収納用形態では、それぞれ上下方向へ延びる複数の構成部がそれらの厚み方向に重ね合わされた長尺状の重ね合わせ部を備えるサイドエアバッグ装置。
  2. 前記中間形態の前記エアバッグ本体における上下方向の寸法は、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態の前記エアバッグ本体の上下方向の寸法よりも小さい請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記中間形態の前記エアバッグ本体では、前記上膨張部の上部が下部の内側に配置された状態の前記エアバッグ本体のうち、少なくとも前記ガス発生器よりも上側の部分が、残部に対し車幅方向に重ねられた状態で配置されている請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグ本体のうち、少なくとも前記ガス発生器よりも上側の部分は、互いに上下方向に隣り合う複数の部分からなり、
    前記複数の部分は、前記残部に対しそれぞれ車幅方向に重ねられた状態で配置されている請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記区画部の下端部は前記エアバッグ本体の下端部に位置しており、
    前記区画部の上下方向の中間部には、前記後膨張部と前記前膨張部とを連通させる連通孔が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
JP2015231970A 2015-11-27 2015-11-27 サイドエアバッグ装置 Active JP6545606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015231970A JP6545606B2 (ja) 2015-11-27 2015-11-27 サイドエアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015231970A JP6545606B2 (ja) 2015-11-27 2015-11-27 サイドエアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017095057A true JP2017095057A (ja) 2017-06-01
JP6545606B2 JP6545606B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=58803127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015231970A Active JP6545606B2 (ja) 2015-11-27 2015-11-27 サイドエアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6545606B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230202421A1 (en) * 2020-04-09 2023-06-29 Autoliv Development Ab Side airbag device

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09323605A (ja) * 1996-03-27 1997-12-16 Morton Internatl Inc 自動車の乗客室内の占有者を保護する方法とエアバッグクッションを折りたたむ方法
GB2318767A (en) * 1996-10-15 1998-05-06 Autoliv Dev Air bag arrangement
JPH10152011A (ja) * 1996-09-26 1998-06-09 Mitsubishi Motors Corp エアバック装置
DE102013001337A1 (de) * 2013-01-26 2014-07-31 Autoliv Development Ab Seitengassackeinheit und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP2014237409A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
WO2015075984A1 (ja) * 2013-11-21 2015-05-28 トヨタ自動車株式会社 車両用サイドエアバッグ装置
JP2015131586A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09323605A (ja) * 1996-03-27 1997-12-16 Morton Internatl Inc 自動車の乗客室内の占有者を保護する方法とエアバッグクッションを折りたたむ方法
JPH10152011A (ja) * 1996-09-26 1998-06-09 Mitsubishi Motors Corp エアバック装置
GB2318767A (en) * 1996-10-15 1998-05-06 Autoliv Dev Air bag arrangement
DE102013001337A1 (de) * 2013-01-26 2014-07-31 Autoliv Development Ab Seitengassackeinheit und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP2014237409A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 豊田合成株式会社 サイドエアバッグ装置
WO2015075984A1 (ja) * 2013-11-21 2015-05-28 トヨタ自動車株式会社 車両用サイドエアバッグ装置
JP2015131586A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230202421A1 (en) * 2020-04-09 2023-06-29 Autoliv Development Ab Side airbag device
US11958429B2 (en) * 2020-04-09 2024-04-16 Autoliv Development Ab Side airbag device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6545606B2 (ja) 2019-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6222008B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6327110B2 (ja) 側突用エアバッグ装置
JP5724909B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6067490B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6589799B2 (ja) 車両用エアバッグ装置及び車両用エアバッグ装置に用いられるラッピング材
JP2017226381A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5972833B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2017100493A (ja) ファーサイドエアバッグ装置及びエアバッグの折り畳み方法
JP6278025B2 (ja) 車両用サイドエアバッグ装置及びサイドエアバッグの折り畳み方法
JP6098409B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2017013746A (ja) サイドエアバッグ装置
JP6229593B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2019059381A (ja) ファーサイドエアバッグ装置
JP7063280B2 (ja) 側突用エアバッグ装置
JP2016030538A (ja) 車両用シート
JP6544263B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2019001213A (ja) サイドエアバッグ装置
JP5768778B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2018161925A (ja) サイドエアバッグ装置
JP6237538B2 (ja) エアバッグ装置
JP6206310B2 (ja) 乗物用シートのシートバック
JP6445390B2 (ja) ファーサイドエアバッグ装置
JP6380161B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6545606B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP6631434B2 (ja) ファーサイドエアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6545606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250