JP2017094958A - 座席支持機構 - Google Patents

座席支持機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2017094958A
JP2017094958A JP2015229848A JP2015229848A JP2017094958A JP 2017094958 A JP2017094958 A JP 2017094958A JP 2015229848 A JP2015229848 A JP 2015229848A JP 2015229848 A JP2015229848 A JP 2015229848A JP 2017094958 A JP2017094958 A JP 2017094958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
pedestal
wall surface
side wall
support mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015229848A
Other languages
English (en)
Inventor
菅原 隆
Takashi Sugawara
隆 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Electric IndustriesLtd
Original Assignee
Koito Electric IndustriesLtd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Electric IndustriesLtd filed Critical Koito Electric IndustriesLtd
Priority to JP2015229848A priority Critical patent/JP2017094958A/ja
Publication of JP2017094958A publication Critical patent/JP2017094958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chairs Characterized By Structure (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】座席の向きを変換する動作を、簡易な構成による一連の操作だけで容易に行うことができ、座席全体のコスト低減が可能となり、座席の脚台内には充分なスペースを確保できる座席支持機構を提供する。
【解決手段】脚台11が側壁Aの傍らに固設され、脚台11の上面12側に移動台21が側壁Aと直交方向に移動可能に設けられ、該移動台21の上面側に座席1の台座31が回転可能に支持される。座席1自体または台座31の外周の一部が側壁Aに対接しながら変位するカム部となる。座席1を回転させると、座席1自体または台座31のカム部によって台座31は側壁Aから離れる方向に押圧され、該押圧力によって、移動台21が付勢力に抗して側壁Aから離れる方向に移動し、カム部の変位軌跡が側壁Aに沿って確保される。
【選択図】図1

Description

本発明は、座席を回転させて向きを変換するための座席支持機構に関するものであり、例えば、鉄道車両、自動車、航空機、船舶等の各種乗物に搭載する座席に適用される。
従来より、鉄道車両等の乗物に搭載される座席には、その両側方向に長く複数人が掛けられる腰掛タイプが多く、一般に車両の側壁の壁面に沿って設置されている。かかる座席には、背凭れ面が側壁と平行なロングシート状態と、背凭れ面が側壁と略直交するクロスシート状態とに、座席中央の回転軸周りに回転させて向きを変換できる回転座席が知られている。
このような回転座席では、通常は回転軸が一箇所に固定されており、座席を回転させる時に座席の角隅の軌跡(回転半径)が側壁と干渉しないように、座席と側壁から離して配置する必要があった。従って、座席と側壁との間に隙間が生じたり、座席が車内で中央寄りに迫り出すため、通路あるいは座席の幅が狭くなったり、また、前記隙間に物を落とす虞がある等、車内の限られたスペースが損なわれるという実用上の問題があった。
そこで、前述の問題を解決し得る従来の技術として、例えば、特許文献1に開示されているように、ロングシート状態からクロスシート状態へ変換する時に、シートフレーム側の第2の可動枠を第1の可動枠に対して前方へスライドさせて、座席の回転時にその回転半径を確保するものが提案されている。かかる構成では、座席を一旦通路側にスライドさせて迫り出させ、回転半径を確保した上で90度回転させた後、通路幅を確保するために再び側壁側にスライドさせて戻していた。
また、特許文献2,3に開示されているように、座席をスライドないし回転させる機構に加えてカム機構を備え、座席を所定角度に方向転換する時に、カム機構により座席の回転に連動してスライドさせるものも提案されている。かかる構成では、カム機構として、座席側と脚台側の一方に固定されたカム部材と、他方に設けられたカムフォロアを有し、これらの相対的な係合関係によって、座席が側壁等に干渉しないように、座席の回転動作にスライドを連動させていた。
実開平6−32164号公報 実開昭58−126533 特開平11−34867号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載の座席では、向きを変換する動作として、スライド迫出し、回転、スライド戻しと、3段階の動作を別々に行う必要があり、その作業が非常に煩雑で面倒であり、動作時間も長くなるという問題があった。また、3段階の動作を実現するための各機構の部品が多くなり、構成が複雑となりコストが嵩むだけでなく、座席の足回りの限られた脚台内での部品の配置スペースの確保も難しく、暖房機等の他部品の取り付けも制限されるという設計上の問題もあった。
また、前述の特許文献2,3に記載の座席では、向きを変換する動作を、座席の回転とスライドを連動させることにより、一連の作業で完了することができるが、カム機構を構成する特別な部品が必要であった。そのため、前述の特許文献1に記載の座席と同様に、構成が複雑となりコストが嵩むだけでなく、座席の足回りの限られた脚台内での部品の配置スペースの確保も難しく、暖房機等の他部品の取り付けも制限されるという設計上の問題は解決できなかった。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、座席と側壁との間の隙間をなくすことができると共に、車室内に広いスペースを確保することが可能であり、しかも、座席の向きを変換する動作を、簡易な構成による一連の操作だけで容易に行うことができ、座席全体のコスト低減が可能となり、座席の脚台内には充分なスペースを確保することができる座席支持機構を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]座席(1)を回転させて向きを変換するための座席支持機構(10)において、
壁面(A)の傍らで床面上に固設された脚台(11)と、該脚台(11)の上面側に壁面(A)と直交する方向に移動可能に設けられ壁面(A)に向かって付勢された移動台(21)と、該移動台(21)の上面側に水平面内で回転可能に支持された座席(1)の台座(31)とを備え、
座席(1)の背面側および両側、ないし前記台座(31)の外周のうち座席(1)の背面側および両側に沿う端縁は、それぞれ壁面(A)に対接しながら変位するカム部として形成され、
座席(1)を回転させると、前記カム部により前記台座(31)は壁面(A)から離れる方向に押圧され、該押圧力によって、前記移動台(21)は前記付勢力に抗して壁面(A)から離れる方向に移動し、前記カム部の変位軌跡が壁面(A)に沿って確保されるように設定したことを特徴とする座席支持機構(10)。
[2]前記カム部は、座席(1)の背面側が壁面(A)に沿う状態で、該座席(1)の回転中心となる前記台座(31)の回転軸(S)が壁面(A)に最も接近した位置に保持され、この状態から座席(1)が前記台座(31)と共に正逆一方向に回転すると、前記回転軸(S)が前記移動台(21)ごと壁面(A)から離れる方向に移動した後、座席(1)の背面側が壁面(A)と略直交した時点で、座席(1)の両側の何れか一方が壁面(A)に沿う状態に保持される形状であることを特徴とする前記[1]に記載の座席支持機構(10)。
[3]前記台座(31)は、その両側方向に長い矩形状に形成され、
前記カム部は、前記台座(31)の外周のうち座席(1)の背面側に沿う一長辺端縁と座席(1)の両側に沿う両短辺端縁から成ることを特徴とする前記[2]に記載の座席支持機構(10)。
[4]前記台座(31)は、その一長辺端縁と両短辺端縁とが鈍角で連なるように角を切り欠いた形状としたことを特徴とする前記[3]に記載の座席支持機構(10)。
[5]前記台座(31)の一長辺端縁が壁面(A)に当接することで、前記付勢力と相俟って座席(1)は背面側が壁面(A)に沿う状態に拘束されるように設定したことを特徴とする前記[3]または[4]に記載の座席支持機構(10)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の座席支持機構(10)によれば、脚台(11)の上面側で移動台(21)は、壁面(A)と直交する方向に移動可能であるが、壁面(A)に向かって常時付勢されている。よって、移動台(21)の上面側で回転可能に支持された座席(1)の台座(31)も、壁面(A)に向かって常時付勢されることになる。そのため、壁面(A)と座席(1)との間に隙間が生じることはなく、隙間に物を落とす虞もない。
ここで座席(1)の背面側および両側、ないし前記台座(31)の外周のうち座席(1)の背面側および両側に沿う端縁は、それぞれ壁面(A)に対接しながら変位するカム部として形成されている。このように、座席(1)自体または座席(1)を直接支持する台座(31)の一部は、壁面(A)との干渉を避けることなく、逆に積極的に壁面(A)に当接するようになっている。
かかる構成によれば、座席(1)を回転させると、前記カム部によって壁面(A)を押圧することになるが、その反作用で座席(1)を支持する台座(31)は回転しながら壁面(A)から押圧される。この押圧力によって、移動台(21)は前記付勢力に抗して壁面(A)から離れる方向に移動する。よって、前記カム部の変位軌跡は壁面(A)に沿って確保され、該カム部を壁面(A)に当接させながら座席(1)を回転させることができる。
前記[2]に記載したように、前記カム部は次のような形状にすると良い。すなわち、前記カム部として、座席(1)自体の背面側ないし前記台座(31)の外周のうち座席(1)の背面側に沿う端縁は、座席(1)の背面側が壁面(A)に沿う状態で、該座席(1)の回転中心となる前記台座(31)の回転軸(S)が壁面(A)に最も接近した位置に保持されるように設定する。かかる状態は、座席(1)が両側方向に長い場合、一般にロングシート状態と称される。
このロングシート状態から座席(1)を前記台座(31)と共に正逆一方向に回転させると、前記回転軸(S)は前記移動台(21)ごと壁面(A)から離れる方向に移動した後、座席(1)の背面側が壁面(A)と略直交する状態に至る。そこで、前記カム部として、座席(1)自体の両側ないし前記台座(31)の外周のうち座席(1)の両側に沿う端縁は、座席(1)の背面側が壁面(A)と略直交した時点で、当該位置の座席(1)の両側の何れか一方が壁面(A)に沿う状態に保持される形状に設定する。かかる状態は、前記ロングシート状態に対してクロスシート状態と称される。
前記[3]に記載したように、例えば前記台座(31)は、その両側方向に長い矩形状に形成して、前記カム部を、前記台座(31)の外周のうち座席(1)の背面側に沿う一長辺端縁と座席(1)の両側に沿う両短辺端縁から成るようにすれば良い。これにより、カム部が弾性変形することはないと共に、座席(1)自体が壁面(A)に過度に干渉することもなく、カム部を壁面(A)に確実に係合させることができる。
ここで前記[4]に記載したように、前記カム部となる台座(31)の一長辺端縁と両短辺端縁とが鈍角で連なるように角を切り欠いた形状にすれば良い。これにより、座席(1)の回転軸(S)から最も距離が離れた座席(1)の対角線上の回転半径をなるべく小さく抑えることができる。
また、前記[5]に記載したように、前記カム部となる台座(31)の一長辺端縁が壁面(A)に当接することで、前記付勢力と相俟って座席(1)の背面側が壁面(A)に沿う状態に拘束されるように設定すると良い。このように、台座(31)の一長辺端縁をそのまま壁面(A)に当接するストッパーとすることで、座席(1)を前記ロングシート状態に拘束するための特別なロック機構を省くことができる。
本発明に係る座席支持機構によれば、座席の台座は移動台を介して壁面側に付勢されているため、壁面と座席との間の隙間をなくすことができ、この隙間に物を落とす虞がない。また、座席は常に壁面に接する位置となるため、車室内における通路や座席足元等に広いスペースを確保することができる。
さらに、座席の向きを変換する動作を、簡易な構成による一連の動作だけで容易かつ迅速に行うことができ、座席全体のコスト低減や軽量化が可能となる。また、構成部品の削減により保守点検も容易となる。しかも、座席の足回りの脚台内に充分なスペースを確保することもできる。
本発明の実施の形態に係る座席支持機構の一例を概略的に示す斜視図であり、座席がロングシート状態の時の形態を示している。 本発明の実施の形態に係る座席支持機構の一例を概略的に示す斜視図であり、座席が回転途中の形態を示している。 本発明の実施の形態に係る座席支持機構の一例を概略的に示す斜視図であり、座席がクロスシート状態の時の形態を示している。 本発明の実施の形態に係る座席支持機構における座席の一連の動作の前半を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る座席支持機構における座席の一連の動作の後半を示す説明図である。
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施の形態を示している。
本実施の形態に係る座席支持機構10は、座席1を回転させて向きを変換するためのものである。ここで座席1の用途は、特に限定されるものではないが、以下に、鉄道車両の客室内に搭載する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。
図1〜図3は、座席支持機構10の構成の概略を示すものであり、図1は、図示省略した座席1がロングシート状態にある時、図2は、座席1が回転途中の時、図3は、座席1がクロスシート状態の時のそれぞれ座席支持機構10の動きを示している。各図中のAは、車両の客室内において座席1(図4参照)を沿わせる壁面の一部である。ここで壁面とは、車両の進行方向と平行な側壁の内壁面であり、以下「側壁A」とする。
図1〜図3に示すように、座席支持機構10は、脚台11と、移動台21と、座席1の台座31とを備えて成る。脚台11は、側壁Aと略直交する方向に若干長い直方体の箱状に形成されており、側壁Aの傍らで床面上に固設されている。脚台11の上面12は略水平であり、上面12の長手方向に延びる両側の長辺は前記側壁Aと略直交し、上面12の前後の短辺は前記側壁Aと略平行に配されている。なお、脚台11は、図示したように板状の面を備えた箱状に限られることなく、パイプ材等のフレームを組み合わせた骨組み状に構成したものでも良い。
脚台11の上面12には、スライド機構を介して移動台21が側壁Aと直交する方向に移動可能に設けられている。ここでスライド機構は、両側一対のレールユニットから成り、各レールユニットは、ガイドレール13と、このガイドレール13に摺動可能に組み合わされたスライダー14から構成されている。一対のガイドレール13,13は、脚台11の上面12に両長辺に沿って互いに平行に取り付けられている。
移動台21は、前記脚台11の上面12に合致する長方形の板状に形成されており、その下面には両長辺に沿って互いに平行に一対のスライダー14,14が取り付けられている。このように、各スライダー14に対して移動台21が固定されており、移動台21 (座席1) は、側壁Aに対して略直交する方向に離反ないし接近するように移動可能となっている。なお、移動台21は、図示したように板状に限られることなく、パイプ材等のフレームを組み合わせた枠組み状に構成したものでも良い。
また、移動台21は、付勢手段15によって側壁Aに向かって、すなわち側壁Aに接近する方向に常時付勢されている。付勢手段15は、チューブと、該チューブより出没するロッドを備えたダンパーから構成されている。かかるダンパーのうちチューブの基端が、前記脚台11の上面12にて前側(側壁Aに遠い側)の短辺側に連結され、ロッドの先端が、移動台21の下面にて後側(側壁Aに近い側)の短辺側に連結されている。
ロッドの基端は、チューブ内部でピストンに連結されており、ピストンないしロッドはガス圧や油圧等で突出する方向に付勢されており、このような付勢手段15であるダンパーにより、移動台21は、前述したように側壁Aに接近する方向に常時付勢されている。なお、ダンパー自体の構成として、ロッドを任意の突出した位置で拘束可能なロック機能を備える場合は、このロック機能により、移動台21を任意の位置で拘束できるように構成することも可能である。
移動台21の上面には、回転機構を介して台座31が水平面内で回転可能に支持されている。ここで回転機構は、特に図示しないが移動台21の上面に台座31を回転可能に支持できる構成であれば足り、周知の機構をそのまま利用することができる。例えば、移動台21の略中央に、座席1の回転中心となる回転軸Sが軸支され、この回転軸Sの上側に台座31が一体に取り付けられて、回転軸Sと一緒に回転するように構成すると良い。
また、前記回転機構には、台座31(座席1)をロングシート状態とクロスシート状態の回転位置で、それぞれ拘束するためのロック機構が必要となる。このロック機構は、周知の回転機構であれば、例えば、脚台11側から台座31に亘り上下に出没可能なピンと、このピンを上方に付勢するバネと、バネの付勢力に抗してピンを引き下げる操作レバーと、台座31に設けられて前記ピンが係脱するロック孔から構成される。
ただし、本実施の形態の座席支持機構10では、座席1をロングシート状態に拘束するロック機構は、後述するカム部により、また、座席1をクロスシート状態に拘束するロック機構は、前述した付勢手段15であるダンパーのロック機能で代用することができる。これについて詳しくは後述する。
座席1は、図4および図5で平面的にのみ示したが、2人掛け用として2つの座部2,2と背凭れ3,3を両側方向に並設して成る。背凭れ3は、その下端側が座部2の後端側に支持されるが、リクライニング機構を介して傾動可能に支持するように構成しても良い。左右の座部2,2の両側には、袖状の肘掛け4が配設されている。このような座席1は、一般に客室内の床面上に通路を挟んで左右に2列ずつ、そして進行方向に所定間隔おきに複数列が並ぶように設置される。
座席1において、最も両端に位置する部位(両側)は肘掛け4の側面であり、片や最も背面側に位置する部位は、座部2の後端ないし背凭れ3の背面である。ここで背凭れ3が通常の起立した状態にある時は、座部2の後端と背凭れ3の背面はほぼ同一の垂直面に沿うが、リクライニング機構によって背凭れ3を後傾させた場合は、背凭れ3上部の背面が座席1の最も背面側に位置することになる。かかる座席1は、台座31と一緒に水平方向に回転させて、その向きをロングシート状態とクロスシート状態とに変換できるようになっている。
台座31は、座席1を取り付けて支持するものであり、座席1の底面に合致する形状の板状に形成されている。すなわち、台座31は、その両側方向に長い矩形状に形成されている。ただし、台座31の外周のうち座席1の背面側に沿う一長辺端縁と座席1の両側に沿う両短辺端縁とが交わる部分は、直角ではなく鈍角で連なるように角を切り欠いた形状となっている。ここで座席1の背面側とは、座部2の後端ないし背凭れ3の背面であり、また、座席1の両側とは、座部2の両側に配された肘掛け4の側面が該当する。
座席1の背面側および両側、ないし台座31の外周のうち一長辺端縁および両短辺端縁は、それぞれ側壁Aに対接しながら変位するカム部として形成されている。すなわち、座席1を回転させると、カム部によって台座31は側壁Aから離れる方向に押圧され、該押圧力によって、台座31と共に移動台21が前記付勢力に抗して側壁Aから離れる方向に移動し、カム部の変位軌跡が側壁Aに沿って確保されるように設定されている。
詳しく言えば前記カム部により、図4(a)に示すように、座席1の背面側が側壁Aに沿うロングシート状態で、該座席1の回転中心となる台座31の回転軸Sが側壁Aに最も接近した位置に保持される。このロングシート状態から座席1を台座31と共に正逆一方向に回転させると、図4(b)〜図5(h)に示すように、前記回転軸Sが移動台21ごと側壁Aから離れる方向に移動する。その後、図5(i)に示すように、座席1の背面側が側壁Aと略直交した時点で、座席1の両側の何れか一方が側壁Aに沿うクロスシート状態に保持されるように設定されている。
前記カム部は、要は座席1および台座31において側壁Aに対接させながら回転させる部位であるが、例えば、台座31の一長辺端縁と両短辺端縁を座席1の外側に迫り出させて、台座31の外周だけをカム部としても良い。逆に、台座31の一長辺端縁と両短辺端縁よりも座席1の背面側や両側の方が外側に迫り出す場合には、これら座席1の外側部分がカム部に該当する。もちろん、台座31の外周と座席1の外側部分の両方でカム部を構成しても良い。
特に、台座31の外周だけでカム部を構成する場合は、剛性のある台座31の一長辺端縁が側壁Aに当接することで、付勢手段15の付勢力と相俟って、該付勢手段15自体のロック機能や他の特別なロック機構を備えなくても、座席1がロングシート状態に拘束されるように設定することが可能となる。もちろん、座席1の外側部分のうち側壁Aに対接させる背面側を、座面や背凭れ面のようなクッション性を備えず、剛性のある部材で形成して側壁Aに当接するように構成しても良いが、以下、台座31の外周をカム部として説明する。
次に、本実施の形態に係る座席支持機構10の作用を説明する。
図4(a)から図5(i)は、座席支持機構10による座席1の一連の回動動作を示すものである。図4(a)に示すように、座席1の背面側が側壁Aに沿うロングシート状態では、座席1の回転中心となる台座31の回転軸Sが側壁Aに最も接近した位置に保持され、客室内の通路幅や立って乗車するスペースを広く確保できるため、通勤や通学の時間帯に適している。
かかるロングシート状態では、図1に示すように、台座31の一長辺端縁が、その全長に亘って側壁Aに当接しており、かつ付勢手段15の付勢力により側壁Aに押し付けられている。また、座席1の背凭れ3にかかる着座者の荷重は、そのまま側壁Aに受け止められる。よって、付勢手段15自体のロック機能や他の特別なロック機構を用いなくても、台座31の一長辺端縁がそのままストッパーとなり、座席1をロングシート状態に確実に拘束することができる。また、側壁Aと座席1との間に隙間が生じることはなく、隙間に物を落とす虞もない。
図4(b)〜図5(h)に示すように、前記ロングシート状態から座席1を正逆一方向(図中では時計回り方向)に回転させると、前記カム部である台座31の一長辺端縁の隅から短辺端縁によって側壁Aを押圧することになる。その反作用で台座31は回転しながら側壁Aから押圧される。この押圧力によって、移動台21は付勢手段15の付勢力に抗して側壁Aから離れる方向に移動する。
これにより、前記カム部の変位軌跡は側壁Aに沿って確保され、該カム部を側壁Aに当接させながら座席1を回転させることができる。ここで座席1の台座31は移動台21と共に、脚台11の上面側で前記カム部が側壁Aに対接しながら回転できる分の距離だけ、前記スライド機構によって側壁Aから離れるように移動することになる。なお、座席1を回転させるには、背凭れ3の上部など適所を掴んで回転方向に力を加えれば良い。
座席1を回転させ始める操作初期では、付勢手段15の付勢力に抗する必要があるため、比較的大きな回転力が必要となる。一方、図5(f)に示すように、台座31の回転軸Sが側壁Aから最も離れた時点、すなわち、台座31の対角線が側壁Aに対して直交する時点を越えた後は、逆に付勢手段15の付勢力によって座席1を容易に回転させることができる。なお、台座31は一長辺端縁と両短辺端縁の角を切り欠いた形状としたから、座席1の対角線上の回転半径をなるべく小さく抑えることができる。
座席1が前記ロングシート状態から90度回転すると、図5(i)に示すように、座席1の背面側が側壁Aと略直交するクロスシート状態となる。このようなクロスシート状態では、客室内の通路幅や立ちスペースは狭くなるが、着座者同士が対面することができる。図3に示すように、クロスシート状態では、台座31の一短辺端縁が側壁Aに当接しており、かつ付勢手段15の付勢力により側壁Aに押し付けられている。ただし、台座31の短辺は長辺と比較すれば短く、座席1の背凭れ3が側壁Aに接して支えられることもない。
従って、台座31の一短辺端縁が側壁Aに当接して付勢されているだけでは、座席1をクロスシート状態に拘束することは難しい。そのため、座席1がクロスシート状態にある時だけ、前記付勢手段15自体のロック機能や他の周知のロック機構を用いて、座席1を確実にクロスシート状態に拘束できるようにすると良い。すなわち、ロックを解除した時だけ、前記とは逆向きに回転させることが可能となり、クロスシート状態の座席1を元のロングシート状態に戻すことができる。
このように、本座席支持機構10によれば、座席1の回転に際しては、座席1(台座31)自体が側壁Aと干渉することを避ける従来技術の基本的な考え方とは逆に、座席1(台座31)自体を積極的に側壁Aに当接させるようにしている。これにより、簡易な構成で座席1の回転と通路側への移動を連動させることが可能となり、一連の動作だけで容易かつ迅速に座席1の向きを変換することができる。特に鉄道車両の場合は、動作時間の短縮により車両の折り返し時の方向転換に時間が掛からなくなり、ホーム上で乗客を待たせる時間を削減することができる。
また、背凭れ3の傾動角度が特に制約されることもないため、従来のロングシート状態とクロスシート状態とに変換可能な回転座席では装備できなかったリクライニング機能も付加することが可能となる。また、カム部を主に台座31の外周から構成すれば、カム部が弾性変形することはなく、座席1自体が側壁Aに過度に干渉することもなく、カム部を側壁Aに確実に当接させることができる。
さらに、構成が簡略化されることで部品点数が削減され、コスト低減だけでなく軽量化も可能となり、保守点検等のメンテナンス性も向上する。また、脚台11の内部や足周りに充分なスペースを確保することができるため、脚台11の内部に暖房器を設けたり、脚台11の高さを低く抑えて、座り心地に影響する座部2の厚さを充分に確保することもできる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、脚台11、移動台21、台座31の形状は図示したものに限定されることはない。
また、前記実施の形態では、手動により座席1を回転させる例を説明したが、電動モーターにより自動的に座席1を回転できるように構成することもできる。また、座席1は2人掛けの例を説明したが、3人掛けや1人掛けの座席であっても良い。もちろん、座席1は、鉄道車両用のものに限らず、航空機、自動車、船舶等の他の乗物用、あるいは劇場用、家庭用、事務用の椅子にも適用することができる。
さらに、前記付勢手段15であるダンパーの取り付け位置は、図示した位置に限定されることはなく、別の箇所に配置しても良い。また、付勢手段15はダンパーに限らず、他に例えばコイルスプリング等を用いて構成しても良い。さらに、スライド機構のガイドレール13を脚台11に設け、スライダー14を移動台21に設けたが、逆の態様として、ガイドレール13を移動台21に設け、スライダー14を脚台11に設けても良い。
本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、劇場用、家庭用、事務用の椅子を対象とした座席支持機構として広く利用することができる。
1…座席
2…座部
3…背凭れ
4…肘掛け
10…座席支持機構
11…脚台
12…上面
13…ガイドレール
14…スライダー
15…付勢手段
21…移動台
31…台座

Claims (5)

  1. 座席を回転させて向きを変換するための座席支持機構において、
    壁面の傍らで床面上に固設された脚台と、該脚台の上面側に壁面と直交する方向に移動可能に設けられ壁面に向かって付勢された移動台と、該移動台の上面側に水平面内で回転可能に支持された座席の台座とを備え、
    座席の背面側および両側、ないし前記台座の外周のうち座席の背面側および両側に沿う端縁は、それぞれ壁面に対接しながら変位するカム部として形成され、
    座席を回転させると、前記カム部により前記台座は壁面から離れる方向に押圧され、該押圧力によって、前記移動台は前記付勢力に抗して壁面から離れる方向に移動し、前記カム部の変位軌跡が壁面に沿って確保されるように設定したことを特徴とする座席支持機構。
  2. 前記カム部は、座席の背面側が壁面に沿う状態で、該座席の回転中心となる前記台座の回転軸が壁面に最も接近した位置に保持され、この状態から座席が前記台座と共に正逆一方向に回転すると、前記回転軸が前記移動台ごと壁面から離れる方向に移動した後、座席の背面側が壁面と略直交した時点で、座席の両側の何れか一方が壁面に沿う状態に保持される形状であることを特徴とする請求項1に記載の座席支持機構。
  3. 前記台座は、その両側方向に長い矩形状に形成され、
    前記カム部は、前記台座の外周のうち座席の背面側に沿う一長辺端縁と座席の両側に沿う両短辺端縁から成ることを特徴とする請求項2に記載の座席支持機構。
  4. 前記台座は、その一長辺端縁と両短辺端縁とが鈍角で連なるように角を切り欠いた形状としたことを特徴とする請求項3に記載の座席支持機構。
  5. 前記台座の一長辺端縁が壁面に当接することで、前記付勢力と相俟って座席は背面側が壁面に沿う状態に拘束されるように設定したことを特徴とする請求項3または4に記載の座席支持機構。
JP2015229848A 2015-11-25 2015-11-25 座席支持機構 Pending JP2017094958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015229848A JP2017094958A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 座席支持機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015229848A JP2017094958A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 座席支持機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017094958A true JP2017094958A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58817665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015229848A Pending JP2017094958A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 座席支持機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017094958A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210021773A (ko) * 2019-08-19 2021-03-02 명보기업 주식회사 철도차량의 좌석시트 회전장치
WO2021131180A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 コイト電工株式会社 座席装置
KR102381404B1 (ko) * 2022-02-21 2022-03-30 권상길 회전좌판을 구비한 절첩식 의자
JP2022086572A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 コイト電工株式会社 座席装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210021773A (ko) * 2019-08-19 2021-03-02 명보기업 주식회사 철도차량의 좌석시트 회전장치
KR102228289B1 (ko) 2019-08-19 2021-03-16 명보기업 주식회사 철도차량의 좌석시트 회전장치
WO2021131180A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 コイト電工株式会社 座席装置
JP2021107183A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 コイト電工株式会社 座席装置
CN114901512A (zh) * 2019-12-27 2022-08-12 小丝电工株式会社 座椅装置
US11849855B2 (en) 2019-12-27 2023-12-26 Koito Electric Industries, Ltd. Seat device
CN114901512B (zh) * 2019-12-27 2024-03-12 小丝电工株式会社 座椅装置
JP2022086572A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 コイト電工株式会社 座席装置
JP7361676B2 (ja) 2020-11-30 2023-10-16 コイト電工株式会社 座席装置
KR102381404B1 (ko) * 2022-02-21 2022-03-30 권상길 회전좌판을 구비한 절첩식 의자

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017094958A (ja) 座席支持機構
JP2013545659A (ja) 航空機の座席
US10973333B2 (en) Stadium seat having a split back recliner and a vehicle including a stadium seat having a split back recliner
WO2014125632A1 (ja) 車両用シート
US9102250B2 (en) Stadium and stowing seat
US9315238B2 (en) Lounge assembly
JP2019085023A (ja) 乗物用シート構造
JP2015066969A (ja) 車両用シート
CN105263747B (zh) 车用座椅
KR20120063371A (ko) 차량용 시트의 쿠션 연동 백 리클라이닝 장치
JP6150597B2 (ja) 座席装置
US20230415619A1 (en) Seat device
US20100283300A1 (en) Vehicle seat apparatus
US7261378B2 (en) Cam lock for vehicle seating
US12024070B2 (en) Seat device
JP2013136321A (ja) 車両のシート装置
WO2021171666A1 (ja) 座席装置
JP6041618B2 (ja) 座席装置
KR101469438B1 (ko) 시트쿠션 연동식 리클라이닝 시트
JP7143777B2 (ja) 乗物用シート
JP6887801B2 (ja) 座席装置
JP2009292403A (ja) 車両
JP2018161924A (ja) 床下収納装置
JP2016147514A (ja) 乗物用シート
JPH0548747U (ja) 車両用腰掛のリクライニング機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200331