JP2017094388A - Qrコードのマーキング方法およびレーザーマーキング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー光の照射を受けた部分に照射の前より明るい色彩が生じる材料より成る軸筒を有する筆記具に、汎用の機器やソフトウェアによる読取が可能なQRコード(登録商標)をマーキングする。
【解決手段】筆記具1をその両端位置で支持して軸回転させながら当該筆記具1の上方からその長さ方向に沿ってレーザー光を走査するレーザーマーキング装置において、マーキング対象のQRコードの画像データを、暗転を反転させると共に外周縁に沿って一定幅の暗色領域が設けられた形態に変換し、変換後の画像データのコード本体部分の軸筒10の周方向に対する歪みを考慮してマーキング範囲を設定して、その範囲内の変換後の画像データの暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射することにより、マーキング対象のQRコードを軸筒10の表面にマーキングする。
【選択図】図1
【解決手段】筆記具1をその両端位置で支持して軸回転させながら当該筆記具1の上方からその長さ方向に沿ってレーザー光を走査するレーザーマーキング装置において、マーキング対象のQRコードの画像データを、暗転を反転させると共に外周縁に沿って一定幅の暗色領域が設けられた形態に変換し、変換後の画像データのコード本体部分の軸筒10の周方向に対する歪みを考慮してマーキング範囲を設定して、その範囲内の変換後の画像データの暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射することにより、マーキング対象のQRコードを軸筒10の表面にマーキングする。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属製の軸筒を有する筆記具の軸筒にレーザー光を照射することによって、軸筒の表面にQRコード(登録商標。以下、登録商標の記載を省略する。)をマーキングする方法、およびこの方法が適用されるレーザーマーキング装置に関する。
2次元コードの代表格であるQRコードは、読み取りを容易にするための種々の工夫(たとえば特許文献1,2を参照。)や規格化によって広く普及し、昨今は様々な物品にマーキングされている。また、スマートフォンなどの携帯端末の普及に伴い、ウェブサイトのurlが埋め込まれたQRコードからurlを読み取り、そのウェブサイトに端末を接続する機能を持つ読取用のソフトウェアも多数開発されている。
しかし、汎用の機器やソフトウェアは、平坦面または曲率が緩やかな曲面にマーキングされたQRコードを読み取ることを前提とする。小径の円筒状物である筆記具の軸筒にマーキングされたQRコードは、形状に大きな歪みが生じ、汎用の機器やソフトウェアにより読み取ることが困難である。このため、筆記具については、クリップ部分に平坦面を設けてその平坦面にQRコードをマーキングする方法(特許文献3を参照。)が提案されている。
最近の市場には、アルマイト処理による着色被膜が形成されたアルミニウム製の軸筒を有する筆記具が増えているが、これらの筆記具では、デザイン性を高めるために幅の狭いクリップが装着されることが多く、特許文献3に記載された方法を適用することは困難である。
また、上記の着色被膜が形成されたアルミニウムにレーザー光を照射する方法によりQRコードをマーキングすると、レーザー光が照射された部分に照射の前より明るい色彩が生じて、明暗が反転された状態のQRコードがマーキングされるため、汎用の機器やソフトウェアで読み取ることができるQRコードをマーキングすることは不可能である。
本発明は、上記の問題に着目してなされたもので、レーザー光の照射を受けた部分に照射の前より明るい色彩が生じる材料より成る軸筒を有する筆記具に対して、汎用の機器やソフトウェアを用いて容易に読み取ることが可能なQRコードをマーキングできるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明では、マーキング対象のQRコードを、明暗を反転させると共に外周縁に沿って一定幅の暗色領域が設けられた形態に変換し、変換後の画像データの外周縁の暗色領域を除く部分、すなわちコードの本体部分が軸筒の中心軸に対してなす広がり角度が90度前後となるように軸筒に対するマーキングの範囲を設定する。そして、マーキングの対象の筆記具をその両端位置で支持して軸回転させながら前記マーキングの範囲内の前記変換後の画像データの暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射することにより、設定されたマーキング範囲に前記変換後のQRコードをマーキングする。
本発明によれば、レーザー光の照射を受けた部分に照射の前より明るい色彩が生じる金属材料より成る軸筒を有する筆記具の軸筒に、明暗の反転や大きな歪みが生じることのないQRコードをマーキングすることができる。よって、汎用の機器やソフトウェアで容易に読み取ることが可能なQRコードを筆記具の軸筒に直接にマーキングして、種々の情報の提供やウェブサイトへの誘導などの機能を筆記具に持たせることが可能になる。
図1は、本発明によるQRコードのマーキングに用いられるレーザーマーキング装置の構成例を示す正面図であり、図2はその上面図である。この実施例のレーザーマーキング装置は、金属製の軸筒10を有する筆記具1を水平な姿勢で支持する支持装置2と、支持装置2に支持された筆記具1の軸筒10に上方よりレーザー光を照射するレーザー光照射装置3と、パーソナルコンピュータによる制御装置4(図4に示す。)とを備える。
マーキングの対象となる筆記具1は、軸筒10が金属製であれば、ボールペン、シャープペンシル、万年筆などの種別は問わない。なお、制御装置4に設定するプログラムやデータを変更することによって、QRコードと共に、文字や絵柄などをマーキングすることもできる。
支持装置2は、支持機構として筆記具1を両端位置で支持する一対の支持ユニット21,22と、これらの支持ユニット21,22を筆記具1の中心軸に沿う軸周りに回転させる回転機構20とを備える。回転機構20には、筆記具1のペン尻側を支持する第1の支持ユニット21に連結された第1回転軸201、筆記具1のペン先側を支持する第2の支持ユニット22に連結された第2回転軸202、これらの回転軸201,202を支える軸受けユニット25,26、回転軸201,202より後方に配置されるパルスモータ23およびその回転が伝達される駆動軸24、駆動軸24を支える一対の軸受けユニット27,28、駆動軸24の回転を回転軸201,202に伝達するためのプーリー205〜208および伝達ベルト203,204などが含まれる。
第1回転軸201と第2回転軸202とはそれぞれの軸心の位置を合わせた状態で支持されると共に、各回転軸201,202の軸受けユニット25,26より突出した端部に、それぞれプーリー205,206が設けられている。パルスモータ23(以下、単に「モータ23」という。)の駆動軸24は、前方のプーリー205,206の間の間隔よりやや長く、軸受けユニット27,28によって、第1回転軸201および第2回転軸202に平行な姿勢で支持されている。また駆動軸24の両端部(軸受けユニット27,28より外側)には、それぞれ前方のプーリー205,206に対向するようにプーリー207,208が設けられ、プーリー205と207との間、およびプーリー206と208との間に、それぞれ伝達ベルト203,204が架けられている。各軸受けユニット25,26,27,28は平板状の支持台5の上面に固定され、その固定によって、各回転軸201,202間の関係や回転軸201,202と駆動軸24との間の関係が安定して維持される。
筆記具1のペン尻側を支持する第1の支持ユニット21は、図3に示すように、直方体状の本体の前面(第1回転軸20に連結する面に対向する面)の側に軸筒10のペン尻側の端部を嵌め込むための凹部21Aが形成されると共に、本体の一面の幅中央部から凹部に至るまでの範囲に、筆記具1のクリップ11を収容するためのスリット21Bが形成されている。図示は省略するが、ペン先側を支持する第2の支持ユニット22の前面側にも、軸筒10のペン先側の端部を嵌め込むための凹部が形成されている。各支持ユニット21,22の凹部の中心部はそれぞれ第1回転軸201,第2回転軸202の軸心に位置合わせされている。よって、軸筒10のペン尻側の端部を第1の支持ユニット21の凹部21Aに嵌め込み、ペン先側の端部を第2の支持ユニット22の凹部に嵌め込むことにより、筆記具1は、その中心軸を各回転軸201,202の軸心に合わせた状態で支持される。
支持装置2のモータ23が回転すると、それに伴う駆動軸24の回転が両端のプーリー207,208および伝達ベルト203,204、ならびに前方のプーリー205,206を介して第1回転軸201および第2回転軸202に伝達される。よって、第1の支持ユニット21と第2の支持ユニット22とを、同じ方向に同じ速度で回転させることができ、これらにより支持された筆記具1も同様に回転させることができる。
レーザー光照射装置3は、ファイバレーザー式のレーザー発振部31(図4に示す。)が収容されたアンプユニット(図示せず)や、ガルバノミラーを含むレーザー光走査部32が収容されたヘッドユニット30や、アンプユニットおよびヘッドユニット30を所定の高さ位置で支える支柱33を備える。ヘッドユニット30は支持装置2の上方空間に突出し、その突出部分の底面に投光用レンズが装着された投光窓(ともに図示せず。)が設けられている。レーザー光走査部32は、投光窓から出射されるレーザー光が一軸方向に沿って走査されるように、毎時のレーザー光の進行方向を変動させる。
上記の支持装置2とレーザー光照射装置3とは、支持装置2の各支持ユニット21,22に支持された筆記具1の上方にヘッドユニット30の投光用レンズが位置し、かつ各回転軸201,202や駆動軸24の軸方向がレーザー光の走査軸にほぼ平行になるように位置合わせされる。
図4は、上記のレーザーマーキング装置における電気的構成を、パーソナルコンピュータによる制御装置4に設けられた機能と共に示したブロック図である。この実施例の制御装置4には、他のコンピュータ等で作成されたQRコードの画像データを入力すると共に、このQRコードの大きさやマーキングの位置をユーザが自由に指定し、その指定に応じたマーキングを行う機能(画像データ入力部41,設定データ入力部42,制御部43)が設けられている。さらに、この実施例では、アルマイト処理による着色被膜を有するアルミニウムなど、レーザー光の照射により削られた部分に照射前よりも明るい色彩が生じる材料により形成された軸筒10の表面に読取可能なQRコードをマーキングするために、制御部43に、入力されたQRコードの画像データを変換する機能(画像変換部44)が含まれている。
画像データ入力部41は、ネットワーク接続された他のコンピュータ、またはUSBメモリやCD−ROMなどのリムーバブル記憶媒体から、マーキング対象のQRコードの元画像データG1(図5の上段を参照。)の入力を受け付ける。
画像変換部44は、上記の元画像データG1を、明暗が反転されると共に外周縁に沿って一定幅の暗領域Mが設けられた形態の画像データG2(図5の下段を参照。)に変換する。以下では、G2を「変換後画像データG2」と呼ぶ。元画像データG1が示すQRコードの外縁の形状は正方形であり、変換後画像データG2の暗領域Mを含む全体の外縁の形状も正方形となる。なお、元画像データG1は、jpegなどの一般的な形式の画像データであるが、変換後画像データG2は、モータ23や回転機構20の制御に適合する形式のCADデータに変換される。
設定データ入力部42は、マーキングするQRコードの大きさ(外縁を表す正方形の一辺の長さ)、軸筒10の軸径、軸筒10に対するマーキング位置、マーキングに必要なレーザー光の照射条件(レーザー光源への駆動電流の強さ、発振周波数など)などについて、ユーザの手操作による設定を受け付ける。レーザー光の照射条件は、マーキング対象の軸筒10の材質や色彩によって変動し、また周囲環境の温度や湿度等に応じた微調整も必要である。
さらに設定データ入力部42は、元画像データG1を図5に示した方法で変換するか否かの設定操作も受け付け、変換させる旨の設定が行われたことに応じて画像変換部44を有効にする。さらに、この場合の設定データ入力部42は、QRコードの大きさに関する設定データとして、変換後画像データG2のコード本体部分の一辺の長さAのほか、暗領域Mを含むコード全体の一辺の長さBの指定を受け付ける。ただし、完了したマーキングに関して設定されたA,Bの値に、マーキングの対象となった軸筒10の軸径の長さD(図6を参照。)を組み合わせて登録すれば、その後は、軸径の長さDの入力に応じてその値に対応するA,Bの登録値を呼び出す方法により、A,Bの値を容易に設定することができる。
なお、元画像データG1の入力に代えて、QRコードに埋め込む情報の入力を受け付けて、制御装置4において元画像データG1を作成するようにしてもよい。
以下、変換後画像データを用いてマーキングを行う場合の制御について説明する。
制御部43は、設定データ入力部42により入力されたA,B,Dの各値に基づき、コード本体部分およびコード全体の軸筒10の中心軸100に対する広がり角度θA,θB(図6を参照。)を求め、これらの角度によって、軸筒10の周方向におけるコード本体部分およびコード全体のマーキング範囲を設定する。一方、軸筒10の長さ方向に対しては、制御部43は、A,Bの値をそのままコード全体および本体部のマーキング範囲に設定する。
制御部43は、設定データ入力部42により入力されたA,B,Dの各値に基づき、コード本体部分およびコード全体の軸筒10の中心軸100に対する広がり角度θA,θB(図6を参照。)を求め、これらの角度によって、軸筒10の周方向におけるコード本体部分およびコード全体のマーキング範囲を設定する。一方、軸筒10の長さ方向に対しては、制御部43は、A,Bの値をそのままコード全体および本体部のマーキング範囲に設定する。
さらに制御部43は、長さ方向におけるマーキング範囲をレーザー光の走査範囲に置き換え、周方向におけるマーキング範囲をモータ23の回転角度範囲に置き換えて、これらの範囲の組み合わせによる仮想の曲面に変換後画像データG2をあてはめ、そのデータ中の暗色部分に対応する各位置をレーザー光の照射位置に設定する。
この実施例では、支持ユニット21のスリット21Bが形成された面が図3に示したように下向きかつ水平になったときの状態を、モータ23の回転角度が0度の状態としている。上記一連の設定が完了した後、マーキングの開始を指示する操作が行われると、制御部43は、まず回転角度を0度にリセットした後に、角度θBにより設定されたコード全体のマーキング範囲の一端をレーザー光の走査軸に合わせ、当該マーキング範囲が走査軸を通過するようにモータ23を回転させながら、設定された照射位置にレーザー光が照射されるように、レーザー発振部31やレーザー光走査部32の動作を制御する。
なお、この実施例では、コード全体のマーキング範囲がレーザー光の走査軸を1回通過する間にマーキングを完了させることができるが、マーキングの精度をより高めるために、レーザー光の走査軸に対してコード全体のマーキング範囲を往復動させて各照射位置に2回ずつレーザー光を照射してもよい。または、各照射位置を複数のグループに分類し、レーザー光の走査軸に対してコード全体のマーキング範囲を複数回往復動させながら、各グループに対するレーザー光の照射を順に行うようにしてもよい。
また、図6の例では、回転角度が0度のときにレーザー光の走査軸に対応する位置が中心になるようにして、軸筒10の周方向におけるマーキング範囲を設定しているが、これに限らず、クリップ11が装着されている部分を除く任意の範囲にマーキング範囲を設定することができる。周方向および長さ方向のいずれにおいても、ユーザの設定操作によってマーキング範囲を自由に変更することができる。
レーザー光が照射された部分に照射の前より明るい色彩が生じる材料より成る軸筒10に上記の変換後画像データG2を用いたマーキングを行うと、元画像データG1によるQRコードの白セルに該当する箇所とコード本体部分の外周縁に沿ってレーザー光が照射され、これらの部分に周囲よりも明るい色彩が現れる。これにより、図7に示すように、レーザー光が照射されずに軸筒10の本来の色彩により表される黒セルと、レーザー光の照射により生じた明色により表される白セルとが分布するQRコードが、白セルと同一色の矩形枠内に配置された状態でマーキングされる。すなわち、元画像データG1に表されたのと同様のパターンを有するQRコードが背景との境界が明示された状態でマーキングされることになる。
上記のQRコードを汎用の機器やソフトウェアで読み取るには、軸筒10の周方向におけるコードの歪みをできるだけ抑える必要がある。しかし、そのためにQRコードのサイズを小さくすると、レーザー光の照射による白セルの位置や範囲が不正確になり、読み取りが困難になるおそれがある。この問題に関して、発明者らは、変換後の画像データによるコードのサイズを様々に変更して実験を繰り返した結果、軸筒10の中心軸100に対するコード本体の広がり角度θAを90度前後に設定することによって、読み取り可能なQRコードをマーキングできることを確認した。
以下、変換後画像データG2と上記のマーキング範囲の設定とによって、レーザー光の照射を受けた部分が当該照射の前より明るい色彩になる材料で形成された軸筒10に汎用の機器やソフトウェアにより読み取り可能なQRコードをマーキングできるかどうかを確認する目的で実施した実験について、詳細に説明する。
<マーキング対象のQRコード>
下記3種類の情報を表すQRコードを準備した。
コードA http://www.kikuchishiko.co.jp/ (出願人のホームページurl)
コードB http://www.mofa.go.jp/mofaj/ (外務省ホームページのurl)
コードC http://www.kantei.go.jp/ (首相官邸ホームページのurl)
下記3種類の情報を表すQRコードを準備した。
コードA http://www.kikuchishiko.co.jp/ (出願人のホームページurl)
コードB http://www.mofa.go.jp/mofaj/ (外務省ホームページのurl)
コードC http://www.kantei.go.jp/ (首相官邸ホームページのurl)
<サンプルとした筆記具の種類>
株式会社パイロットコーポレーション製の多機能筆記具(製品名:2+1 EVOLT(登録商標))の中の5タイプを使用した。いずれのタイプも、ダブルアルマイト加工が施されたアルミニウム製の軸筒を有するものである。各サンプルの品番と軸筒の色彩は以下のとおりである。
(1)BTHE−1SR−GY (灰色)
(2)BTHE−1SR−V (紫色)
(3)BTHE−1SR−O (橙色)
(4)BTHE−1SR−G (緑色)
(5)BTHE−1SR−BN (茶色)
株式会社パイロットコーポレーション製の多機能筆記具(製品名:2+1 EVOLT(登録商標))の中の5タイプを使用した。いずれのタイプも、ダブルアルマイト加工が施されたアルミニウム製の軸筒を有するものである。各サンプルの品番と軸筒の色彩は以下のとおりである。
(1)BTHE−1SR−GY (灰色)
(2)BTHE−1SR−V (紫色)
(3)BTHE−1SR−O (橙色)
(4)BTHE−1SR−G (緑色)
(5)BTHE−1SR−BN (茶色)
<マーキングについて>
上記(1)〜(5)のサンプルの軸径が10mmとなる箇所を対象に、A,B,Cの各QRコードの元画像データG1を図5に示したように変換し、変換後画像データG2の暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射する方法によるマーキングと、元画像データG1の黒セルに対応する位置にレーザーを照射する方法によるマーキングとの2通りを実施した。いずれのマーキングも、コード本体部分の一辺の長さAを8mmに設定して、図1〜4に示した構成のレーザーマーキング装置を用いて実施した。また変換後画像データを用いたマーキングでは、コード全体の一辺の長さBを10mmに設定した。
上記(1)〜(5)のサンプルの軸径が10mmとなる箇所を対象に、A,B,Cの各QRコードの元画像データG1を図5に示したように変換し、変換後画像データG2の暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射する方法によるマーキングと、元画像データG1の黒セルに対応する位置にレーザーを照射する方法によるマーキングとの2通りを実施した。いずれのマーキングも、コード本体部分の一辺の長さAを8mmに設定して、図1〜4に示した構成のレーザーマーキング装置を用いて実施した。また変換後画像データを用いたマーキングでは、コード全体の一辺の長さBを10mmに設定した。
<読取実験に使用した機器およびソフトウェア>
読取用の機器として、アップルインコーポレイテッド製のiPhone(登録商標)6およびiPad(登録商標)を使用した。これらの機器には、読取用のソフトウェアとして、株式会社デンソーウェーブ、アララ株式会社により開発された「QRコードリーダー“Q”」(無料提供)をインストールした。
読取用の機器として、アップルインコーポレイテッド製のiPhone(登録商標)6およびiPad(登録商標)を使用した。これらの機器には、読取用のソフトウェアとして、株式会社デンソーウェーブ、アララ株式会社により開発された「QRコードリーダー“Q”」(無料提供)をインストールした。
<読み取り実験について>
マーキングされたQRコードを1つずつ順に対象として、上記2種類の機器により読み取りの可否を確認した。具体的には、上記の読取用ソフトウェアを起動させて、QRコードの撮影を開始してから読取に成功する(読み取られたurlのサイトに接続される)までの時間をタイマーで測定し、その測定値を記録した。また15秒が経過しても読み取ることができなかった場合は、測定を中止して、「読取失敗」と記録した。
マーキングされたQRコードを1つずつ順に対象として、上記2種類の機器により読み取りの可否を確認した。具体的には、上記の読取用ソフトウェアを起動させて、QRコードの撮影を開始してから読取に成功する(読み取られたurlのサイトに接続される)までの時間をタイマーで測定し、その測定値を記録した。また15秒が経過しても読み取ることができなかった場合は、測定を中止して、「読取失敗」と記録した。
サンプルとQRコードと読取用機器の組み合わせ毎に、6回ずつ上記の読取実験を行い、測定結果をサンプル毎に整理したところ、以下の表1〜5のようになった。なお、各表のコードの欄中のA1,B1,C1は、先に示したコードA,B,Cの元画像データの変換後画像データを用いてマーキングされたQRコード(実施例)であり、A0,B0,C0は、元画像データを用いてマーキングされたQRコード(比較例)である。また測定結果の欄の×印は「読取失敗」を意味する。
上記のとおり、元画像データをそのまま用いたマーキングによるQRコードA0,B0,C0は、全く読み取ることができなかったのに対し、変換後画像データを用いてマーキングされたQRコードA1,B1,C1については、いずれの機器でも、短時間で情報を読み取ることができた。
上記の実験において読取に成功したQRコードA1,B1,C1の本体部分の一辺の長さA(8mm)と、マーキング箇所の軸筒の軸径D(10mm)との関係によれば、本体部分の一辺の長さは、軸筒の全周の長さの約0.26倍である。このことから、軸筒の中心軸100に対するコード本体部分の広がり角度θAが90度前後になるようにコード本体部分の一辺の長さを定めて、変換後画像データを用いたマーキングを行うことによって、汎用の機器やソフトウェアにより容易に読み取ることが可能なQRコードをマーキングすることができる、と解される。上記の実験結果によれば、少なくとも、軸筒の軸径に対する変換後のQRコードの本体部の一辺の比率を0.8とすることによって読み取り可能なQRコードをマーキングできることは、明らかである。
図5に示した方法により変換された画像データを用いたマーキング方法は、アルマイト加工による着色被膜を有する軸筒に限らず、表面に鏡面加工が施されたスチール製の軸筒やセラミック製の軸筒にも適用することができる。さらに、筆記具に限らず、アルマイト加工が施されたアルミニウム、鏡面加工が施されたスチール、黄銅、セラミック等、レーザー光の照射を受けた部分に照射の前より明るい色彩が生じる材料により形成された種々の物品にも、同様のマーキング方法によって、汎用の機器やソフトウェアで容易に読み取ることが可能なQRコードをマーキングすることができる。
1 筆記具
10 軸筒
100 軸筒の中心軸
2 支持装置
3 レーザー光照射装置
4 制御装置
20 回転機構
21,22 支持ユニット
41 画像データ入力部
42 設定データ入力部
43 制御部
44 画像変換部
G1 元画像データ
G2 変換後画像データ
A コード本体部分の一辺の長さ
θA コード本体部分の軸筒の中心軸に対する広がり角度
10 軸筒
100 軸筒の中心軸
2 支持装置
3 レーザー光照射装置
4 制御装置
20 回転機構
21,22 支持ユニット
41 画像データ入力部
42 設定データ入力部
43 制御部
44 画像変換部
G1 元画像データ
G2 変換後画像データ
A コード本体部分の一辺の長さ
θA コード本体部分の軸筒の中心軸に対する広がり角度
Claims (3)
- レーザー光の照射を受けた部分に照射の前より明るい色彩が生じる材料より成る軸筒を有する筆記具を対象として、当該筆記具の上方からのレーザー光の照射によって前記軸筒の表面にQRコード(登録商標;以下省略。)をマーキングする方法であって、
マーキング対象のQRコードの画像データを、明暗を反転させると共に外周縁に沿って一定幅の暗色領域が設けられた形態に変換し、
前記変換後の画像データの前記外周縁の暗色領域を除く部分が前記軸筒の中心軸に対してなす広がり角度が90度前後となるように前記軸筒に対するマーキングの範囲を設定して、前記筆記具をその両端位置で支持して軸回転させながら前記マーキングの範囲内の前記変換後の画像データの暗色部分に対応する位置にレーザー光を照射することにより、前記マーキング対象のQRコードを軸筒の表面にマーキングする、
ことを特徴とするQRコードのマーキング方法。 - 前記変換後のQRコードの前記暗領域を除く部分の一辺の前記軸筒の軸径に対する比率が0.8となるように、前記軸筒に対するマーキングの範囲を設定する、請求項1に記載されたQRコードのマーキング方法。
- 筆記具をその両端位置で支持する支持機構と、前記支持機構およびこれに支持された筆記具を当該筆記具の中心軸の軸廻りに回転させる回転機構と、前記支持機構に支持された筆記具の上方からレーザー光を走査するレーザー光照射装置と、前記軸筒の表面にQRコードをマーキングするために前記回転機構およびレーザー光照射装置の動作を制御する制御装置とを具備し、
前記制御装置は、マーキング対象のQRコードを、明暗を反転させると共に外周縁に沿って一定幅の暗色領域が設けられた形態に変換する変換手段と、前記変換後のQRコードの前記暗色領域を除く部分の前記軸筒の中心軸に対する広がり角度が90度前後となるように前記軸筒に対するマーキングの範囲を設定する設定手段と、前記マーキングの範囲内の前記変換後の画像データの暗色部分に対応する位置にレーザー光が照射されるように前記回転機構およびレーザー光照射装置の動作を制御する制御手段とを具備する、
レーザーマーキング装置。
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JP2019108062A (ja) * | 2017-12-20 | 2019-07-04 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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