JP2017092710A - 弾性波デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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将史 鎌田
Masashi Kamata
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Abstract

【課題】信頼性の高い弾性波弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】圧電性を有する第1基板10と、第2基板30と、第1基板10と第2基板30との間に配置され両者を接合する、第1基板10の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる樹脂部21と、第1基板10より延性の高い材料からなり、第1基板10および第2基板30の面方向に延びる、樹脂部21の厚みよりも薄い金属層22と、を有する接合部20と、を備える弾性波デバイス1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスの弾性波デバイス
およびその製造方法に関する。
タンタル酸リチウム等の圧電基板を用いた弾性波デバイスが知られている。しかしながら、このタンタル酸リチウム基板は、周波数温度特性が―36ppm/℃と悪く、例えば2GHz帯のデバイスだと―30〜+85℃の温度範囲で±4.3MHzも変動してしまい、近年の厳しい仕様を満たすことが困難である。そして、弾性波デバイスの温度変動は、これを使用する機器に影響を与えるため、温度に対する周波数変動が少ない、つまり温度特性が良好な弾性波デバイスが望まれていた。
そこで、圧電基板に、熱膨張係数が異なる支持基板(Si基板等)を接着剤等で接合することで、圧電基板の熱膨張・熱収縮を抑制し、圧電基板の温度に対する周波数特性を安定化させた技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
特開2005−347295号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、貼り合せた基板に反りが発生する虞があった。また、接着剤の熱伝導は一般的に低いため、圧電基板上に形成される弾性波素子が発熱したときに効果的に放熱できない虞があった。このため、さらなる温度特性が良好な弾性波デバイスの開発が求められている。
本願はかかる事情のもと勘案されたものであり、その目的は、温度特性が良好な弾性波デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様としての弾性波デバイスは、圧電性を有する第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され両者を接合する、前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる樹脂部と、前記第1基板より延性の高い材料からなり、前記第1基板および前記第2基板の面方向に延びる、前記樹脂部の厚みよりも薄い金属層と、を有する接合部とを備えるものである。
本発明の一態様としての弾性波デバイスの製造方法は、圧電性を有する第1基板の主面に前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる熱硬化型の第1樹脂層を配置する工程と、第2基板の主面に前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる熱硬化型の第2樹脂層を配置する工程と、前記第1樹脂層または前記第2樹脂層の少なくとも一方の表面に金属層を形成する工程と、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを前記金属層を介して対向配置する工程と、前記金属層を電磁誘導により加熱し、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を加熱して硬化させる工程と、を含むものである。
本発明によれば、温度特性が良好な弾性波デバイスおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る弾性波デバイスの断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、図1の弾性波デバイスの変形例を示す断面図である。 図1の弾性波デバイスの変形例を示す断面図である。 (a)から(d)は、図1に示す弾性波デバイスの製造方法を示す工程ごとの断面図である。
<弾性波デバイスの構造>
図1は、本発明の実施形態に係る弾性波デバイス1の断面図である。弾性波デバイス1は、第1基板10と第2基板30と接合部20とを備える。ここで、便宜的に、互いに直交するD1軸、D2軸、D3軸を設定する。
第1基板10は、圧電性を有する基板である。例えば、第1基板10は、タンタル酸リチウム単結晶(LiTaO),ニオブ酸リチウム単結晶(LiNbO),水晶などの圧電性を有する直方体状の単結晶基板である。具体的には、例えば、第1基板10は、36°〜48°Y−XカットのLiTaO基板によって構成されている。
第1基板10の平面形状は適宜に設定されてよいが、例えば、所定方向(D2方向)を長手方向とする矩形である。第1基板10の大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、厚さは1μm〜100μm、1辺の長さは0.5mm〜2mmである。
第1基板10の主面10aには、図示しない励振電極、接続配線、パッド電極といった各種電極および配線が設けられている。励振電極はSAWを発生させるためのものである。励振電極は、複数の電極指を有する櫛歯状の複数のIDT電極と複数のIDT電極の両端に配置された反射器電極とを含んでもよい。このような励振電極により、例えば、ラダー型フィルタや2重モードSAW共振器フィルタなどが構成されている。なお、励振電極、接続線、パッド電極等は、例えばAl−Cu合金などのAl合金によって形成されている。
そして、これらの端子として機能するパッド電極のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、励振電極等によりフィルタリングされる。そして、フィルタリングした信号を端子として機能するパッド電極のいずれかを介して出力する。
接合部20は、一様な厚みを有し、一方の主面を第1基板10に、他方の主面を後述の第2基板30にそれぞれ接合させることで、第1基板10と第2基板30との接着剤として機能する。
このような接合部20は、樹脂部21と金属層22とを備える。樹脂部21は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等種々の材料を用いることができる。樹脂部21は、第1基板10と第2基板30とを接合することができれば特に限定はされないが、第1基板10よりも弾性波の伝搬方向における線膨張係数が小さいものとしてもよい。その場合には、第1基板10の温度変化による変形を抑制することができ、温度特性の優れた弾性波デバイス1とすることができる。
このような樹脂部21の厚みとしては、例えば10μm〜200μm程度とすればよい
。より具体的には、第1基板10の厚みよりも厚くすることで、効果的に温度変化による第1基板1の変形を抑えることができる。
樹脂部21の線膨張係数を調整するためには、例えば、樹脂部21に低線膨張係数材料からなる無機材料からなるフィラーを含有させてもよいし、ガラス繊維を含有させてもよい。このような材料を添加することで、一般的に第1基板10よりも線膨張係数の大きい樹脂材料の線膨張係数を小さく制御することができる。
特に、樹脂部21にガラス繊維を含有させる場合には、樹脂部21の硬度を高めることができるので、さらに効果的に温度変化による第1基板1の変形を抑えることができる。
金属層22は、例えばAu,Al,Ni,Fe,Cu,SUS等の材料を用いることができる。そして、第1基板10の面方向に延びる層状となっている。金属層22の熱伝導率は、このような金属を用いることで樹脂部21よりも高くなっている。このことから、第1基板10の主面10aに形成された励振電極により局所的な発熱が生じたときに、熱を面方向に放熱させることができるので、信頼性の高い弾性波デバイスを提供することができる。
さらに、金属層22は、第1基板10よりも延性が高いことが好ましい。より好ましくは、第1基板10,第2基板30の双方よりも延性の高い材料からなることが好ましい。延性の高い材料からなる場合には、温度変化により接合部20が変形した場合であっても割れたり破損したりすることがないので信頼性の高いものとすることができる。
また、一般的に、樹脂部21は硬度が低く変形しやすいが、金属層22によりそれを支持し補強層的な役割を担うことができる。ここで、より温度特性に優れた弾性波デバイスを提供するために、第1基板10の厚みを薄くする場合には、第1基板10が破損しやすくなるが、金属層22の支持力により破損を抑制することができる。また、より温度特性に優れた弾性波デバイスを提供するために、第1基板10と線膨張係数の大きさが大きく異なる材料を第1基板10と貼り合せた場合には、温度変化時に、より大きな力が第1基板10に加わることとなる。この場合にも、金属層22の支持力により破損を抑制することができる。
また、金属層22として、第1基板10よりも線膨張係数の小さい材料を用いてもよい。この場合には上述の効果に加えて、金属層22によっても第1基板10の温度変化による変形を抑制することができるので、より温度特性に優れた弾性波デバイス1を提供することができる。このような材料としては、Fe−36Ni合金等を例示することができる。
このような金属層22の厚みとしては、例えば、5μm〜50μm程度を例示できる。樹脂部21に温度補償を行なう機能を持たせる場合には、樹脂部21の機能を発現させるために、金属層22の厚みは接合部21の厚みに比べて小さくすることが好ましい。
この例では金属層22は、樹脂部21の厚みの途中に配置されている。このような構成とすることで、樹脂部21全体の変形を抑制することができる。
第2基板30は、接合部20にその主面30aを接合させて配置されている。第2基板30は、セラミック基板、有機基板、Si等の半導体基板、サファイア、タンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム,水晶等の単結晶基板等種々の材料を用いることができる。そして、第2基板30の厚みは、第1基板10,接合部20に応じて適宜設定することができる。この例では、第1基板10と同じ材料、同じ厚みを有するLiTaO基板とした。
この場合には、温度変化が生じたときの弾性波デバイス1全体の反りを抑制することができる。
このように反りを抑制するためには、第2基板30を第1基板10と同様の材料で構成する他にも、第2基板30を接合部20の樹脂部21の線膨張係数よりも大きい材料で構成することで実現することができる。
その場合には、第2基板の厚みを次式に従うように設定することで反りモーメントを打ち消す事ができる。
T30=T10×(E10/E30)×[(α10−α20)/(α30−α20)]
ここで、各符号は以下の通りとする。
T30:第2基板30の厚み
T10:第1基板10の厚み
E10:第1基板10の弾性率
E30:第2基板30の弾性率
α10:第1基板10の線膨張係数
α20:接合部20の線膨張係数
α30:第2基板30の線膨張係数
なお、α20は、接合部20の平均値を指すものとする。
前述の通り、第2基板30が第1基板10と同材料であればE10とE30およびα10とα30が等しいため、第2基板30の厚みT30は第1基板10の厚みT10と等しいときに反りを最も抑制することができる。また、第2基板30が第1基板10の2倍の弾性率を持つ材料で構成されている場合には、第2基板30の厚みはその逆数の1/2倍の厚みとすれば良い。
<変形例1>
上述の例では、第1基板10の主面10a(接合部20と接合されていない側の主面)にのみ、励振電極等を設けた場合について説明したが、第2基板30の主面30b(接合部20と接合されていない側の主面)にも素子として機能する電極等を設けてもよい。
例えば、第2基板30として、第1基板10と同じ材料を用いる場合には、第2基板30の主面30bにも弾性波素子として機能する励振電極等を設けてもよい。このように、弾性波デバイス1の表裏面を弾性波素子として機能する素子形成面とすることで、素子形成面を広くとることができ、弾性波デバイス1を小型化することができる。
この場合には、第1基板10の主面10aに送信用フィルタを構成する励振電極を、第2基板30の主面30bに受信用フィルタを構成する励振電極を、それぞれ形成してもよい。例えば、送信用フィルタとしてはラダー型フィルタを構成するようにすればよいし、受信用フィルタとしては2重モードSAW共振器フィルタを構成するようにすればよい。この場合には、受信用フィルタと送信用フィルタとを電気的・物理的に分離することができるので、アイソレーション特性の優れた分波器となる弾性波デバイス1を提供することができる。
なお、金属層22は、厚み方向において、第2基板30よりも第1基板10に近い側に配置してもよい。このような構成とすることで、一般的に高い電力が供給される送信フィルタに近い側に放熱板として機能する金属層22が位置することとなり、効果的に放熱することができる。
また、第2基板30の主面30bに形成する電極等は励振電極等に限定されない。第2
基板30として、Si基板を用いた場合には、圧電膜とそれを厚み方向に挟む電極を形成して、圧電薄膜共振子を構成してもよい。また、高抵抗Si基板や絶縁材料からなる基板を用いて、インダクタンス等の導体パターン等を形成してもよい。
<変形例2>
上述の例では、第2基板30を、第1基板10を構成する材料と同じにした例を説明したが、第1基板10を構成する材料よりも線膨張係数の小さい材料を用いてもよい。その場合には、第2基板30が、第1基板10の温度変化による変形を抑制する機能を備えるものとなる。このような材料としては、例えば、第1基板10がLiTaO基板からなる場合には、第2基板30として、Si基板や、サファイア基板等を用いればよい。
第2基板30の厚みは、第1基板10の厚みと、第1基板10および第2基板30を構成する材料の線膨張係数の大きさとから決定できる。例えば、第1基板10としてLiTaO基板を用いて、その厚みを20μm程度とする場合であれば、第2基板30としてSi基板を用いる場合にはその厚みを200μm程度とすればよい。
上述の場合には、樹脂部21を構成する材料の線膨張係数は特に限定されない。第1基板10よりも小さい線膨張係数を有する材料とする場合には、第2基板30と共に第1基板10の温度変化による変形を抑制することができる。第1基板10と同等もしくは、大きい線膨張係数を有する材料を用いる場合には、薄い第1基板10の割れ等の破損を抑制する緩衝部として機能する。
<変形例3>
上述の例では、金属層22は樹脂部21の厚みの途中に位置させた場合を例に説明したが、この例に限定されない。
例えば、図2(a)に示すように、金属層22を接合部20のうち最も第1基板10側に位置させてもよい。言い換えると、金属層22は一方の面を第1基板10に、他方の面を樹脂部21にそれぞれ接合させていてもよい。
この場合には、第1基板10の主面10aに形成された励振電極からの発熱を、熱伝導率の低い樹脂部21に到達する前に金属層22により面方向に放熱させることができる。また、温度変化により変形する第1基板10に金属層22が直接接続されていることから、第1基板10の割れを抑制することができる。さらに、第1基板10の変形に追従した樹脂部21の変形を抑制することができる。
また、図2(b)に示すように、金属層22を接合部20のうち最も第2基板30側に位置させてもよい。言い換えると、金属層22は一方の面を第2基板30に、他方の面を樹脂部21にそれぞれ接合させていてもよい。
この場合には、第1基板10の主面10aと金属層22との距離を大きくすることができるので、主面10a上に配置された励振電極等の電極と電極層22との意図しない容量形成を抑制することができる。
なお、図1、図2に示す例では、金属層22を一層のみ設けた例を説明したが、複数層設けてもよい。
<変形例4>
上述の例では、第2基板30の主面30bは露出していたが、この例に限定されない。例えば、図3に示すように、第2基板30の主面30bに第2の接合部40を接合し、第
2の接合部40のうち第2基板30と反対側の面に第3基板50を設けてもよい。ここで、第2の接合部40は、接合剤となる樹脂部のみで構成してもよいし、接合部20と同様の構成としてもよい。
この場合には、接合部20,第2基板30,第2の接合部40,第3基板50を合わせて、第1基板10の温度変化による変形を抑制することができるので、より精密に温度特性を制御できる。
例えば、第2基板30を第1基板10よりも線膨張係数の小さい材料で構成し、第3基板50を第1基板10と同等の線膨張係数を有する材料で構成すれば、第3基板50で反りを抑制しつつ、第2基板30で確実に第1基板10の温度変化による変形を抑制することができる。
なお、間に挟まれる第2基板30は上下面から応力がかかるが、接合部20および第2の接合部40に金属層22が含まれる場合には、第2基板30の割れを抑制することができる。
<弾性波デバイスの製造方法>
次に、図4(a)〜(d)を用いて弾性波デバイス1の製造方法を説明する。
まず、図4(a)に示すように、圧電性を有する材料からなる第1基板10を準備する。そして、第1基板10の2つの主面10a,10bのうち主面10bに第1樹脂層25を配置する。第1樹脂層25としては、熱硬化性の樹脂が用いられ、例えば、スピンコート法を用いて一面に塗布される。フィルム状の第1樹脂層25を載置してもよい。
ここで、第1樹脂層25の厚みとしては20〜100μmを例示できる。熱硬化性の樹脂材料としてはエポキシ樹脂を例示できる。
次に、図4(b)に示すように、第2基板30を準備する。第2基板30は、樹脂、セラミック、圧電材料、半導体等を各種材料からなる基板を採用することができ、その結晶性に制限はなく、単結晶基板や多結晶基板等適宜選択することができる。この例では、第1基板10と同じ材料からなり、同じ膜厚を有するものを準備する。そして、第2基板30の2つの主面30a,30bのうち主面30aに第2樹脂層26を配置する。第2樹脂層26としては、熱硬化性の樹脂が用いられ、例えば、スピンコート法を用いて一面に塗布される。フィルム状の第2樹脂層26を載置してもよい。
ここで、第2樹脂層26の厚みとしては20〜100μmを例示できる。熱硬化性の樹脂材料としてはエポキシ樹脂を例示できる。
次に、第1樹脂層25または第2樹脂層26上の少なくとも一方に金属層22を形成する。この例では、図4(c)に示すように第2樹脂層26上に金属層22を形成する場合を例に説明する。
金属層22を構成する材料は、磁性材料であり、第1樹脂層25や第2樹脂層26が硬化したときの熱伝導率に比べて高い熱伝導率を備える材料であれば適宜自由に選択することができる。また、第1樹脂層25や第2樹脂層26が硬化したときの延性に比べて高い延性を備える材料であればさらに好ましい。
このような材料としては、例えば、Fe、Ni、これらの合金等を選択できる。厚みは、理由は後述するが、50μm〜100μm程度とする。
金属層22は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法等の通常の薄膜形成方法により形成すればよい。フィルム状の膜を載置してもよい。
次に、図4(d)に示すように、第1樹脂層25と第2樹脂層26とを金属層22を介して対向させる。そして、この積層体の周囲に高周波コイル60を配置して、この高周波コイル60に高周波交流電界を印加する。具体的には、積層体を高周波コイル60を内蔵させたステージに載置して誘導加熱を行なう。
これにより、電磁誘導で磁性材料からなる金属層22を誘導加熱し、その周辺に位置する第1樹脂層25,第2樹脂層26を硬化させて、樹脂部21にするとともに、第1基板10,樹脂層21,金属層22,第2基板30を接合する。
高周波コイル60に印加する高周波交流電界としては、電流浸透深さが金属層22の厚みを超えないような周波数を選択する事で、電力損失を抑える事ができる。例えば金属層22として50μmのFeを用いる場合は、高周波交流電界の周波数を30kHz以上にすることで電力浸透深さを50μm以下にする事ができる。また高周波交流電界の電力は、例えば樹脂層26が、面積が100cm、厚み100μm、一般的なエポキシ樹脂で、印加前に比べて200℃の温度上昇をさせたい場合であれば、必要な熱量は72J程度なので、200Wの電力を7秒程度印加することでも賄うことができる。実際には熱量の漏れなどを考慮して電力か時間のどちらかを増した印加条件で加熱し、前記樹脂層25,26が硬化するまで保温用の電力を印加する。このようにして、弾性波デバイス1を製造することができる。
このように、第1樹脂層25と第2樹脂層26との間に配置された金属層22を誘導加熱することで、第1樹脂層25と第2樹脂層26とを硬化し、各構成要素の接合を実現する場合には、接合時に線膨張係数の大きい第1基板10に熱が加わらないため、弾性波デバイス1の各構成部に発生する残留応力を抑制することができ、信頼性を高くすることができる。
なお、上述の例において、第1樹脂層25,第2樹脂層26を形成した際に、これらの樹脂の硬化温度よりも低い温度で短時間加熱処理を行なってもよい。具体的には図4(a)、図4(b)のそれぞれに続いて上述の仮加熱処理を行なってもよい。
また、上述の例では、誘導加熱を用いて第1基板10,樹脂層21,金属層22,第2基板30を接合したが、通常の加熱処理、加圧処理で接合してもよいし、接合面の表面を中性子ガンやイオンガン、プラズマ等を照射して活性化して接合してもよい。
また、第1基板10,第2基板30を接合部20を介して接合した後に、両基板を薄層化してもよい。
<SAW装置>
本発明の弾性波デバイス1を不図示の回路基板に実装してSAW装置を構成してもよい。回路基板にはパワーアンプモジュールまたはIC等が実装されており、これらと弾性波デバイス1を電気的に接続することで通信装置として機能する。なお、回路基板の実装面と弾性波デバイス1を覆うモールド樹脂を設けてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。また、実施の形態に示す構成と、各変形例に示す構成を適宜組み合わせてもよい。
1・・・弾性波デバイス
10・・・第1基板
20・・・接合部
21・・・樹脂部
22・・・金属層
30・・・第2基板

Claims (9)

  1. 圧電性を有する第1基板と、
    第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置され両者を接合する、前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる樹脂部と、前記第1基板より延性の高い材料からなり、前記第1基板および前記第2基板の面方向に延びる、前記樹脂部の厚みよりも薄い金属層と、を有する接合部と、を備える弾性波デバイス。
  2. 前記金属層は、前記樹脂部の厚みの途中に設けられている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
  3. 前記第2基板は、線膨張係数が前記樹脂部よりも大きい材料からなる、請求項1または2に記載の弾性波デバイス。
  4. 前記第2基板は、前記第1基板と同じ材料からなる、請求項3に記載の弾性波デバイス。
  5. 前記第2基板は、線膨張係数が前記第1基板よりも小さい材料からなる、請求項1または2に記載の弾性波デバイス。
  6. 前記樹脂部は、ガラス繊維または無機物のフィラーを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波デバイス。
  7. 前記金属層は、磁性体材料からなる、請求項1乃至6のいずれかに記載の弾性波デバイス。
  8. 圧電性を有する第1基板と、
    第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置され両者を接合する樹脂部と、前記第1基板より延性の高い材料からなり、前記第1基板および前記第2基板の面方向に延びる、前記樹脂部の厚みよりも薄い金属層と、を有する接合部と、を備える弾性波デバイス。
  9. 圧電性を有する第1基板の主面に前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる熱硬化型の第1樹脂層を配置する工程と、
    第2基板の主面に前記第1基板の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料からなる熱硬化型の第2樹脂層を配置する工程と、
    前記第1樹脂層または前記第2樹脂層の少なくとも一方の表面に金属層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを前記金属層を介して対向配置する工程と、
    前記金属層を電磁誘導により加熱し、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を加熱して硬化させる工程と、を含む弾性波デバイスの製造方法。
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