JP2017092401A - 熱伝導部品 - Google Patents

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Akira Morinaga
彰 森永
一幸 福薗
Kazuyuki Fukuzono
一幸 福薗
剛 堂浦
Go Doura
剛 堂浦
晃 澤田
Akira Sawada
晃 澤田
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Abstract

【課題】 高温部品からの熱をより効率よく熱伝導させる熱伝導部品とする。【解決手段】 高温部品500と低温部品600との間に介在される銅鉄合金からなる熱伝導部品であって、高温部品500に接触する第1の接触面110Aと、低温部品600に接触する第2の接触面120Aと、前記第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとの間を連結する連結部130Aとが一体に形成されており、前記連結部130Aは略横向きV字状でバネ性を有し、全体として略Σ形状となっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、高温部品と低温部品との間に介在されて、高温部品からの熱を効率よく熱伝導させる熱伝導部品に関する。
電子機器の低温部品を内蔵する半導体の放熱板として利用するものは、特開平07−202083号公報の『半導体モジュール』がある。
この半導体モジュールは、『動作することによって発熱する半導体と、前記半導体の上面と対向するように配置された金属部材と、熱伝導率が100w/m℃以上の素材からなり、前記半導体の上面に一方の面が固定され、もう一方の面が前記金属板に接触し、前記金属板の方向へ常に付勢する付勢手段から構成』されたものである(なお、金属部材は金属板の誤記と思われる)。
そして、付勢手段としては『銅製のコの字型バネ』を用いている。
特開平07−202083号公報
熱伝導効率の観点からは、前記付勢手段の一方の面ともう一方の面が、それぞれ半導体の上面と金属板に密着しなければならない。
発明者は、前記『銅製のコの字型バネ』なる付勢手段を厚さが0.2mmのタフピッチ銅で作製し、高温部品と低温部品との間に介在させ、その熱伝導効率を測定してみた。その結果、高温部品と周囲温度との差には安定した値が得られなかった。この原因は、熱伝導性能は高いがバネ性に劣るというタフピッチ鋼の特性のため、付勢手段が高温部品や低温部品に密着しないためであると考えられる。
また、リン青銅やベリリウム銅等は、バネ特性には優れているが、熱伝導性能がタフピッチ銅の1/5程度になるので、熱伝導に劣ると考えられる。
なお、高温部品と周囲温度との差が小さいほど熱伝導効率がよいと考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、高温部品からの熱をより効率よく熱伝導させることができる熱伝導部品を提供することを目的としている。
本発明に係る熱伝導部品は、高温部品と低温部品との間に介在される銅鉄合金からなる熱伝導部品であって、高温部品に接触する第1の接触面と、低温部品に接触する第2の接触面と、前記第1の接触面と第2の接触面との間を連結する連結部とが一体に形成されており、前記連結部はバネ性を有する構造になっている。
本発明に係る熱伝導部品は、従来のタフピッチ鋼や、リン青銅、ベリリウム銅よりもバネ特性及び熱伝導特性に優れている銅鉄合金から構成されているため、高温部品や低温部品に対する密着度合いも高く、また熱伝導特性も優れたものとすることができた。
本発明の第1の実施の形態に係る熱伝導部品の概略的斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る熱伝導部品を高温部品と低温部品との間に挟み込んだ状態を示す概略的側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る熱伝導部品の概略的側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る熱伝導部品の概略的側面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る熱伝導部品100Aは、高温部品500と低温部品600との間に介在される銅鉄合金からなる熱伝導部品であって、高温部品500に接触する第1の接触面110Aと、低温部品600に接触する第2の接触面120Aと、前記第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとの間を連結する連結部130Aとが一体に形成されており、前記連結部130Aは略横向きV字状でバネ性を有し、全体として略Σ形状となっている。
まず、銅鉄合金とは銅と鉄との共晶合金であり、例えば特開平06−017163号公報記載の製法によって製造される。ただし、本発明に係る熱伝導部品100A等を構成する銅鉄合金が下記の製造方法によって製造されたものに限定されることがないのはいうまでもない。
かかる製造方法は以下の通りである。
下記工程(ア)〜(エ):
(ア)炭素含有量0.02%以下の鉄と、電解銅とを高周波誘導炉で溶解して溶湯にする工 程:
(イ)前記溶湯表面に0.008%以下のチタンを含有したフラックスを投入する工程:
(ウ)前記溶湯表面に脱酸剤を投入する工程:および
(オ)超音波振動を与えた状態のインゴットケース内へ該溶湯を注入してインゴットを造 る工程:からなることを特徴とする共晶銅鉄合金の製造方法。
高温部品500としては、例えばハードディスクドライブがある。
ハードディスクドライブのフレームは、内蔵されるディスクに沿って盛り上がり、その中心すなわちデスクの回転中心がさらに一段盛り上がっていることが多い。また、フレームの縁部も強度確保の観点から凹凸に形成されていることが多い。
ハードディスクレコーダーは、コンピューターの記憶装置として使用される以外にハードディスクレコーダーに使用される。
なお、本明細書においては高温部品500としてハードディスクドライブを例として挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の高温部品、例えばCPUや電源回路等に適用することができることはいうまでもない。
また、本明細書においては、低温部品600の例としてシャーシを挙げるが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の低温部品、例えばヒートシンク等にも適用することができることはいうまでもない。
この熱伝導部品100Aは、0.05〜0.3mm厚の1枚の長方形状の銅鉄合金の板材を折曲形成したものである。かかる熱伝導部品100Aの第1の接触面110Aは、高温部品500であるハードディスクドライブの上面に接触する部分であって、例えば40mm×60mmの長方形状に形成されている。
また、熱伝導部品100Aの第2の接触面120Aは、低温部品600としてのシャーシに接触する部分であって、例えば30mm×60mmの長方形状に形成されている。
この第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとは、例えば30mmの間隔をもって平行に形成されている。
しかも第1の接触面110Aの一方の長辺と、第2の接触面120Aの一方の長辺とが揃うように形成されている。このため、第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとは幅寸法が異なるため、他方の長辺はズレることになる。
なお、第1の接触面110Aの幅寸法と第2の接触面120Aの幅寸法とが異なるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、高温部品500や低温部品600のサイズ等の各種のスペックに応じて適宜変更することができるのはいうまでもない。
前記第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとを連結する連結部130Aは、第1の接触面110Aの長辺から内側に接触されるとともに、第2の接触面120Aの長辺から内側に折曲され、第1の接触面110Aと第2の接触面120Aとの間の空間において略横向きV字状に折曲されて構成されている。
このため、この熱伝導部品100Aは、側面視略Σ形状になっている。
なお、第1の接触面110Aと連結部130Aとの境目を第1の折曲部141A、第2の接触面120Aと連結部130との境目を第2の折曲部142A、連結部130の中間部の折曲点を第3の折曲部143Aとする。
このように構成された熱伝導部品100Aは以下のようにして高温部品500としてのハードディスクレコーダーに組み込まれる。
第1の接触面110Aと高温部品500の上面との間に例えば0.5mm厚の熱伝導シート210を挟み込む。さらに、第2の接触面120Aと低温部品600の裏面との間に例えば0.5mm圧の熱伝導シート220を挟み込む。なお、高温部品500の上面と低温部品600の裏面との間隔が25mmであるならば、熱伝導部品100Aは5mm程度圧縮されることになる。このように熱伝導部品100Aが圧縮されることによって、熱伝導部品100Aは高温部品500と低温部品600とに密着することになる。
この熱伝導部品100Aは、第1の折曲部141A、第2の折曲部142A及び第3の折曲部143Aの3箇所において変形されるので、たとえ小さな部品であっても高温部品500と低温部品600との間で確実に圧縮され、両者との間に介在される熱伝導シート210、220に密着することになる。
熱伝導部品100Aを上述したような条件で、高温部品500と低温部品600との間に挟み込み、高温部品500を作動させた結果、高温部品500と周囲との温度差は22.9℃であることが確認された。
対照実験として、この熱伝導部品100Aと同じサイズのものを0.8mm厚の鋼材、0.2mm厚のリン青銅で作製し、同様の実験を行った結果、高温部品500と周囲との温度差は、鋼材製のもので25.0℃、リン青銅製のもので24.6℃であることが確認された。
これは、銅鉄合金製の熱伝導部品100Aの熱伝導効率は、鋼材製或いはリン青銅製のものより優れていることを示している。
上述した第1の実施の形態に係る熱伝導部品100Aは、側面視略Σ形状であったが、他の形状であってもよい。
例えば、第2の実施の形態に係る熱伝導部品100Bは、図3に示すように、側面視略Z 字形状に形成されている。すなわち、この熱伝導部品100Bは、銅鉄合金製の1枚の板材を折曲形成したものであって、高温部品500に接触する第1の接触面110Bと、この第1の接触面110Bに平行で低温部品600に接触する第2の接触面120Bと、前記第1の接触面110Bと第2の接触面120Bとを連結する側面視略直線状の連結部130Bとが一体に形成されたものである。
また、図4に示す第3の実施の形態に係る熱伝導部品100Cであってもよい。
この第3の実施の形態に係る熱伝導部品100Cは、銅鉄合金製の1枚の長方形状の板材を切断して折曲形成したものである。
この熱伝導部品100Cは次のようにして形作られる。
まず、長方形状の板材の対向する長辺の略中央部分からそれぞれ内側に向かって短辺の約1/3程度の第1の切込みを形成する。さらに、この第1の切込みの終端部から一方の短辺側に向かって長辺の約1/6程度の第2の切込みを形成する。
第1の切込み及び第2の切込みで形成された部分を連結部130Cとし、第2の切込みが形成された凹字形状の部分を第2の接触面120Cとし、この第2の接触面120Cと前記連結部130Cで連結された部分を第1の接触面110Cとする。
そして第1の接触面110Cと連結部130Cとの境目を第1の折曲部141Cとし、第2の接触面120Cと連結部130Cとの境目を第2の折曲部142Cとする。第1の折曲部141Cと第2の折曲部142Cを逆方向に折曲する。
このように構成された第3の実施の形態に係る熱伝導部品100Cは、第1の折曲部141C、第2の折曲部142Cとの2つの折曲部しかないが、両折曲部141C、142Cの幅が全体に比較して小さく設定されるので、第2の実施の形態に係る熱伝導部品100Bよりも小さな力で圧縮することができる。従って、高温部品500と低温部品600との間の間隔がより狭い場合に適している。
上述したような切込みを形成して連結部130Cとするタイプのものであって長尺物ならば、連結部130Cを一定間隔毎に複数個設けると、全体の圧縮を均一にすることができる。
上述した第1の実施の形態に係る熱伝導部品100Aは、第1の接触面110Aと高温部品500との間及び第2の接触面120Aと低温部品600との間に、それぞれ熱伝導シート210、220を介在させたが、第1の接触面110Aと高温部品500とが、第2の接触面120Aと低温部品600とが密着するのであれば、これらの熱伝導シート210、220は不要である。
ただし、高温部品500や低温部品600に凹凸等があるために密着しない又は密着度が低くなるのであれば、熱伝導シート210、220を介在させることで密着度の低さを補うことができる。
これは、第2及び第3の実施の形態に係る熱伝導部品100B、100Cでも同様である。
また、第1の実施の形態に係る熱伝導部品100Aの第1の接触面110A、第2の接触面120A及び連結部130Aの裏面側に放熱塗料を塗布することでより放熱効果を向上させることも可能である。
ここで、裏面側とは第1の接触面110Aであれば反高温部品側であり、第2の接触面120Aであれば反低温部品側であり、連結部130Aであれば第1の接触面110Aの裏面側及び第2の接触面120Aの裏面側と連なった部分である。
ここに放熱塗料を塗布することで、高温部品500から熱伝導部品100Aに伝わった熱は低温部品600に達するまでに放熱されるので、より放熱効果を向上させることができる。
放熱塗料を塗布することでより放熱効果を向上させることができるのは、第2及び第3の実施の形態に係る熱伝導部品100B、100Cでも同様である。
なお、放熱塗料には種々のものがあるが、例えば放熱特性が高い顔料、樹脂を配合し、更に放射特性(放射率)が優れた材料(放射材料)を配合・分散した塗料がある。
100A 熱伝導部品
110A 第1の接触面
120A 第2の接触面
130A 連結部
500 高温部品
600 低温部品

Claims (4)

  1. 高温部品と低温部品との間に介在される銅鉄合金からなる熱伝導部品において、高温部品に接触する第1の接触面と、低温部品に接触する第2の接触面と、前記第1の接触面と第2の接触面との間を連結する連結部とが一体に形成されており、前記連結部はバネ性を有する構造になっていることを特徴とする熱伝導部品。
  2. 前記連結部が略横向きV字状で、全体として略Σ形状であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部品。
  3. 前記第1の接触面、第2の接触面及び連結部の裏面側に放熱塗料を塗布したことを特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導部品。
  4. 前記第1の接触面と高温部品との間及び第2の接触面と低温部品との間の少なくとも一方には、熱伝導シートが介在されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱伝導部品。
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