JP2017092269A - プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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志津 福住
Shizu Fukuzumi
志津 福住
蔵渕 和彦
Kazuhiko Kurabuchi
和彦 蔵渕
正明 竹越
Masaaki Takekoshi
正明 竹越
名越 俊昌
Toshimasa Nagoshi
俊昌 名越
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Abstract

【課題】プラズマ処理のような特別な工程を経ることなく製造することができ、異種材料、特にアンダーフィル及び封止材の濡れ性に優れる絶縁層を備えるプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】基板と当該基板上に設けられた絶縁層とを備え、絶縁層の基板側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、溝形状を有する凹部3aが線状に1又は2以上で形成されているプリント配線板を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板及びその製造方法に関する。
プリント配線板及びプリント配線板を用いてなる半導体装置は、薄型化、高機能化、高信頼化が年々進んでいる。また、プリント配線板に用いられるソルダレジスト又はビルドアップ材に代表される絶縁層は、異種材料(アンダーフィル材、封止材等)の濡れ性に優れることが要求されている。濡れ性を向上させる手段としては,絶縁層の表面粗さや親水性を増加させることが一般的に知られている。例えば、半導体装置においてアンダーフィルや封止材を用いて封止をする場合、プリント配線板のソルダレジストにプラズマ処理等を行い、濡れ性を向上させる手法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−208913号公報
特許文献1に記載の方法によれば、ソルダレジスト表面における異種材料の濡れ性を向上させるためには、プラズマ処理を行う必要がある。しかし、プラズマ処理を行うためには、プラズマ処理装置を導入する必要がある上、余分なプリント配線板製造の工程が増えてしまうため、生産性が悪化し、プリント配線板のコストアップに繋がる場合がある。さらに、濡れ性を向上させる必要がある領域以外の表面もプラズマ処理によって表面が荒れてしまうため、水分、フラックス等を吸収しやすくなり、プリント配線板の信頼性(絶縁信頼性等)に悪影響を及ぼす可能性がある。
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、プラズマ処理のような特別な工程を経ることなく製造することができ、異種材料の濡れ性に優れる絶縁層を備えるプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、特別な装置を用いることなく、絶縁層の任意の箇所に特定の溝形状を有する線状の凹部を形成することで、該凹部に沿ってアンダーフィル及び封止材が濡れ広がることを見出し、本実施形態を完成させるに至った。
すなわち、本実施形態は、基板と当該基板上に設けられた絶縁層とを備え、絶縁層の基板側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、深さが0.1μm以上である溝形状が線状に形成されている凹部を1又は2以上有しているプリント配線板を提供する。なお、「溝形状が線状に形成されている凹部」とは、端面図として観察したときに、後述する、幅と、長さとを有する、線状の凹部である。また、この線状の凹部は、直線状であってもよく、曲線状であってもよく、数珠状であってもよい。
上記本実施形態に係るプリント配線板は、プラズマ処理のような特別な工程を経ることなく製造することができ、絶縁層における異種材料の濡れ性に優れる。また、濡れ性を必要としない箇所は絶縁層本来の平滑な面が維持されており、余計な水分、フラックス等の吸収が抑制されるため、プリント配線板の信頼性に優れる。
上記本実施形態では、複数の溝状の凹部の少なくとも一つの幅が0.010〜0.050mm、長さが幅の2倍以上であることが好ましい。この場合、絶縁層における異種材料の濡れ性が更に向上する傾向がある。
上記本実施形態では、絶縁層が感光性樹脂組成物を用いて形成されていることが好ましい。また、前記絶縁層は、感光性樹脂組成物の硬化物であってもよい。
上記感光性樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する光反応性化合物を含有することが好ましく、更にアシルホスフィン系化合物を含有することがより好ましい。
上記絶縁層はソルダレジストであることが好ましい。
また、本実施形態は、上述のプリント配線板の製造方法であって、基板上に絶縁層を形成する工程を備えるプリント配線板の製造方法を提供する。かかる製造方法によれば、プラズマ処理を行う必要がなく、プラズマ処理装置を導入する必要がないため、プリント配線板の製造コストを抑えることができる。また、異種材料の濡れ性を必要としない箇所は絶縁層本来の平滑な面を維持できるため、絶縁層が余計な水分、フラックス等を吸収することを抑制することができ、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態は、上述のプリント配線板の製造方法であって、基板上に、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層を形成する工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射し、光硬化部を形成する工程と、光硬化部以外の領域を除去することで、感光性樹脂組成物層の基板側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、上記溝形状を有する線状の凹部を形成する工程とを備えるプリント配線板の製造方法を提供する。かかる製造方法によれば、プラズマ処理を行う必要がなく、プラズマ処理装置を導入する必要がないため、プリント配線板の製造コストを抑えることができる。また、異種材料の濡れ性を必要としない箇所は絶縁層本来の平滑な面を維持できるため、絶縁層が余計な水分、フラックス等を吸収することを抑制することができ、プリント配線板の信頼性を向上させることができる。さらに、従来の感光性樹脂組成物を用いた絶縁層の製造方法と同時に、絶縁層の任意の箇所に所定の凹部を形成することができるため、プリント配線板製造の工程を短縮でき、生産性を向上させることができる。
本開示によれば、プラズマ処理のような特別な工程を経ることなく製造することができ、異種材料、特にアンダーフィル及び封止材の濡れ性に優れる絶縁層を備えるプリント配線板及び当該プリント配線板の製造方法を提供できる。
また、本実施形態の製造方法によれば、製造時間及び製造コストを削減できると共に、信頼性の向上が可能である。
凹部の形状を模式的に示すプリント配線板の断面図の一例である。 凹部の形状の例を模式的に示すプリント配線板の平面図である。 プリント配線板の製造方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態で使用したマスクパターンを模式的に示す平面図である。 凹部を全面に形成した絶縁層を備える半導体装置を模式的に示す断面図である。 凹部を特定の箇所に形成した絶縁層を備える半導体装置を模式的に示す断面図である。 プラズマ処理後の絶縁層を備える従来の半導体装置を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(プリント配線板)
図1は、凹部の形状を模式的に示すプリント配線板の断面図の一例である。また、図2は凹部の形状の例を模式的に示すプリント基板の平面図である。図1及び2に示すように、本発明のプリント基板は、形状が溝状であり、例えば長さを幅の2倍以上とする線状の凹部3aを1(図2の(g))又は複数(図2の(a)〜(f))で形成した絶縁層3を有する。図2の(a)〜(f)は凹部3aが3箇所で形成される例を示しているが、本発明においては凹部3aが2又は4以上の箇所に形成されてもよい。また、溝形状を有する線状の凹部3aは、特定の幅の凹部1種のみからなるものであってよく、異なる幅の凹部を複数種組み合わせたものであってもよい。これら凹部3aは、規則的に形成されていてよく、不規則的に形成されていてもよい。また、折れ曲がっていてもよい。図1及び図2に示す凹部3aは、絶縁層3をプリント基板の真上から観察したときに線状の溝として明確に認識されるものであり、表面粗さ等で定義されるような無秩序の表面凹凸形状の凹部を意味するものではない。すなわち、線状の溝とは、ある一定の長さ及び幅を持った溝ともいえる。
凹部3aは、絶縁層3の表面の所望の領域、すなわち、少なくとも一部の領域(以下、「領域A」ともいう。)に形成されていればよく、本実施形態に係るプリント配線板は、上記以外の態様であってよい。
上記領域Aにおいて凹部3aが占める面積の割合R(以下、単に「割合R」ともいう)は5%以上であってもよい。割合Rが5%以上である場合、凹部3aに入り込む異種材料の量が全体として多くなるため、異種材料の濡れ性を向上する効果を得やすくなる。濡れ性を更に向上できる観点から、割合Rは、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。割合Rは、例えば、90%以下とすることができる。ここで、凹部3aの幅及び長さは、凹部3aのうち、深さが0.1μm以上の部分を直上から観察した際の投影幅及び投影長さを表す。本発明において凹部3aの1つを絶縁層3に形成するときは、例えば、図2の(g)に示すように、連続して繋がる凹部3aを長く形成すれば、前記の割合Rを5%以上にすることができる。このとき、領域Aにおいて任意に選んだ10箇所の測定範囲より大きい凹部を有する場合、その割合Rが100%とする。
凹部3aの深さ(H)は、0.1μm以上であってもよい。ここで、「深さ(H)」とは、絶縁層3の表面から凹部3aの最底部までの深さ(図1中のH)を意味する。深さ(H)が0.1μm未満である場合、異種材料との密着性を向上する効果が充分に大きいとはいえない場合がある。さらに、凹部3aの深さ(H)は、凹部として形成されている箇所が明確になるため、1μm以上がより好ましい。一方、深さ(H)が10μm以下である場合、絶縁層3上に異種材料(例えば、アンダーフィル、封止材等)を形成する工程において、異種材料の埋め込み不足が起こりにくく、プリント配線板の信頼性に優れる傾向がある。10μm以上では、基板20が露出してしまう恐れがあるため好ましくない。したがって、深さ(H)は、0.1〜10μmが好ましく、さらに1〜10μmがより好ましい。なお、凹部3aの深さ(H)は0.1〜10μmの範囲であっても、基板20の表面が露出しないような深さに設定する必要がある。すなわち、凹部とは、基板の表面が露出していない構造をいう。
凹部3aの幅(図1に示すX)は、0.010〜0.050mmが好ましい。幅(X)が0.010mm以上であることで、工程上、凹部の形成がし易く、0.050mm以下であることで、露光、現像時に開口して、基板が露出しにくくなる傾向がある。凹部3aの幅(X)が上記範囲であれば、良好な深さの凹部を形成できるため絶縁層と異種材料の濡れ性が向上する傾向がある。領域Aには、幅(X)が0.010〜0.050mmの凹部3aが2種類以上混在していても構わない。
凹部3aの長さ(図2の(a)又は(d)に示すL)は、幅の2倍以上であることが好ましい。溝を長くすることで、溝に沿ってアンダーフィル6及び封止材7が濡れ広がりやすくなる。この知見を利用して、半導体素子搭載部分の中心から外側へ向かって溝状の凹部3aを放射状に配置することで、濡れ性が向上しボイドが低減する。また、アンダーフィル6のフィレットが形成される部分に、溝形状の凹部3aの長さ方向が半導体素子の辺方向と平行になるよう配置することで、アンダーフィルが必要以上に濡れ広がることを防ぎ、良好なフィレット形状を得ることができる。また、半導体素子の、各辺(例えば、四辺)に、凹部を形成することで、位置合わせが容易になる。
本実施形態において、凹部3aの深さ(H)及び幅(X)と長さ(L)は、光干渉方式の非接触表面形状計測装置を用いて測定することができる。測定装置はこれに限られたものではなく、表面形状を計測するレーザー顕微鏡等を用いてもよい。凹部3aの深さ(H)及び幅(X)と長さ(L)は、上記領域Aから任意に選んだ10箇所において計測し、平均して得られる値を深さ(H)及び幅(X)と長さ(L)とした。領域Aにおいて凹部3aが占める面積は、例えば、上記測定装置を用いて上記領域Aから任意に選んだ0.01mmの範囲(図2に示す点線内の測定範囲8)を10箇所測定し、測定した範囲に存在する溝状の凹部3aの面積の合計から算出し、平均して得られる値を凹部3aが占める割合Rとした。なお、領域Aは凹部が形成されている範囲で適宜設定することができる。また、測定範囲8の形状は、連続していれば特に制限はないが、計測の簡便性から四角に設定することが好ましい。
(プリント配線板の製造方法)
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一態様は、基板20上に上述の絶縁層3を形成する工程を備える。以下、感光性樹脂組成物を用いて複数の凹部3aを有する絶縁層3を形成する場合について、図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一態様は、基板20上に、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層10を形成する工程と、感光性樹脂組成物層10の所定部分に活性光線を照射し、光硬化部を形成する工程と、光硬化部以外の領域を除去することで、感光性樹脂組成物層10の基板20側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、深さ(H)が0.1μm以上である複数の凹部3aを形成する工程とを備える。当該領域Aに凹部3aが占める面積の割合Rが5%以上となるように形成してもよい。
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一態様では、まず、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層10を基板20上に形成する(図3(a))。
感光性樹脂組成物は液状であってもよいし、フィルム状であってもよい。フィルム状感光性樹脂組成物は、例えば、感光性樹脂組成物を溶剤に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液(塗布液)とした後に、かかる溶液(塗布液)を支持フィルム上に塗布して乾燥することにより形成することができる。
フィルム状感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層10を形成する場合、例えば、支持フィルムと当該支持フィルム上に形成されたフィルム状感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層10とを備える感光性エレメントを用いる。感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層10の支持フィルムとは反対側の面に保護フィルムを有していてもよい。具体的には、保護フィルムを感光性樹脂組成物層10から剥離させ、露出した面をラミネート等により、基材1上に形成された回路パターンを有する導体層2を覆うように基板20に流動させることで、基板20上に感光性樹脂組成物層10を形成することができる。基板20の濡れ性を向上させる観点及び追従性を向上させる観点から、減圧下で積層する方法も好ましい。
液状感光性樹脂組成物を用いる場合、例えば、スクリーン印刷法、ロールコータにより塗布する方法等の公知の方法により、液状感光性樹脂組成物を基板20上に塗布することで、感光性樹脂組成物層10を形成することができる。
次いで、必要に応じて感光性樹脂組成物層10上の支持フィルムを除去する除去工程を行い、感光性樹脂組成物層10の所定部分に活性光線を照射し、照射部の感光性樹脂組成物層10を光硬化させる露光工程を行う(図3(b))。活性光線を照射する方法としては、従来公知の方法を適用することができるが、直接描画方式、投影露光方式等のマスクデータを用いる方式、感光性樹脂組成物層に直接接触しないようにネガマスクを配置する露光方式、直接ネガマスクを配置するコンタクト露光方式等の露光用マスク4を用いる方式を好適に適用することができる。露光用マスク4としては、目的とする凹部3aの形状、幅、深さ等に応じて、所定のパターンを有するものを用いればよい。例えば、図4に示す、所定の幅(図中のXμm)の溝状の凹部を所定のピッチ(図中のYμm)で配置したマスクパターンを有するものを用いることができる。
上記露光量を調節することで凹部3aを形成すると同時に開口部3bを形成することもできる。例えば、露光する領域別に露光量を変える、露光マスクの濃淡を変える(グレーマスクを用いる)等で、露光量を調整することができる。これにより、プリント配線板製造の工程を短縮でき、生産性を向上させることができる。また、凹部3aと開口部3bとを形成するために、2段階露光を行ってもよく、露光を複数回繰り返し行ってもよい。
露光工程は、後述する現像工程後に得られる凹部3aの幅(X)が、0.010〜0.050mmとなるように行うことが好ましい。凹部3aの幅(X)が0.050以下となるように露光を行うことにより、基板20表面(例えば、導体層2及び基材1)が露出しにくくなり、凹部3aの形成が容易になる。また、凹部3aの幅(X)が0.010mm以上となるように露光工程を行うことにより、現像工程で十分な深さの凹部3aを得ることが容易になる。
次に、露光後の感光性樹脂組成物層10上に支持フィルムが存在している場合にはその支持体を除去した後、ウエット現像又はドライ現像で光硬化されていない部分(未露光部)を除去して現像することにより、露光後の感光性樹脂組成物層10の表面に凹部3aを形成することができ、凹部3aを有する絶縁層3を得ることができる。
上記ウエット現像の場合、現像液としては、アルカリ性水溶液、有機溶剤現像液等の安全かつ安定であり操作性が良好なものが、感光性樹脂組成物の種類に対応して用いられる。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、アルカリ金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物である水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、アルカリ金属、アンモニウム等の炭酸塩又は重炭酸塩である炭酸アルカリ又は重炭酸アルカリ、アルカリ金属のリン酸塩であるリン酸ナトリウム、リン酸カリウム等、アルカリ金属のピロリン酸塩であるピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリンなど、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。
また、このようなアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液及び0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液が好ましく、そのpHは9〜11の範囲とすることが好ましい。また、このようなアルカリ性水溶液の温度は感光性樹脂組成物層10の現像性に合わせて調節され、20〜50℃とすることが好ましい。さらに、上記アルカリ性水溶液中には、現像を促進させるために界面活性剤、消泡剤等の少量の有機溶剤を混入させてもよい。
上記有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが用いられる。このような有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。また、このような有機溶剤の温度は、現像性にあわせて調節することができる。このような有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。単独で用いる有機溶剤現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、高圧スプレー方式、揺動浸漬、ブラッシング、スラッピング等の公知の方法が適宜採用される。その中でも、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。本実施形態の凹部3aの形成においては、必要に応じて、上述した2種類以上の現像方法を併用してもよい。
上記現像工程終了後、高圧水銀ランプによる紫外線照射又は加熱を行うことが好ましい。これにより、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させることができる。また、感光性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含有する場合は、光硬化部以外の領域を除去する工程の後に、加熱する工程を更に備えることにより、エポキシ樹脂を硬化させ、プリント配線板としての信頼性を向上させることができる。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば、0.05〜10J/cm程度の照射量で照射を行うことができる。また、凹部3aを有する絶縁層3を加熱する場合は、130〜200℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。
紫外線照射及び加熱は、両方を行ってもよい。この場合、両方を同時に行ってもよく、いずれか一方を実施した後に他方を実施してもよい。紫外線照射と加熱とを同時に行う場合は、はんだ耐熱性及び耐薬品性をより良好に付与する観点から、60〜150℃で加熱することが好ましい。
以上が感光性樹脂組成物を用いた絶縁層3の形成に関する詳しい説明だが、上述するように、本発明の実施形態の適用部位に応じて、感光性樹脂組成物以外の樹脂組成物(例えば、熱硬化性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂組成物)を用いて絶縁層3を形成してよい。例えば、絶縁層3が配線板内のビルドアップ層である場合には、熱硬化性樹脂組成物が一般的に好適であり、凹部形成にはビア形成時のレーザードリルを適用すればよい。
本発明の実施形態に係るプリント配線板が備える基板20は、特に限定されるものではないが、基材と該基材上に形成された金属箔(例えば、銅箔)とを備える基板であってよく、より詳細には、ガラスクロスに樹脂を含浸させたガラスクロス入り基材と当該基材上に形成された導体層(例えば、銅層)を備える基板であってよい。また、上記の他、ビルドアップ材、シリコンウエハ、ガラス、SUS板等を用いることができる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板が備える絶縁層3は、上述のように、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物のいずれを用いて形成されたものであってもよい。絶縁層3の形成に用いる樹脂組成物は、絶縁層3が形成される部位に応じて選択することができる。例えば、絶縁層3が配線板内のビルドアップ層である場合、熱硬化性樹脂組成物が一般的に好適であり、工程短縮に寄与しやすい樹脂組成物を選択すればよい。また、絶縁層3が図1及び2に示すような配線板の最外層である場合、工程短縮に寄与しやすい点で、感光性樹脂組成物を選択することが好ましい。感光性樹脂組成物を用いる場合、後述する露光工程により得られる感光性樹脂組成物層の光硬化部を絶縁層3とすることができる。
感光性樹脂組成物としては、光ラジカル重合、光カチオン重合、その他の方式の感光性樹脂組成物全般を用いることができる。その中でも酸素阻害の少ない、光カチオン重合系の樹脂組成物を特に好適に用いることができる。そのような樹脂組成物としては、光カチオン重合開始剤、エポキシ樹脂又はオキセタン樹脂を含む化合物が例に挙げられる。エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が、絶縁層3と異種材料の濡れ性を更に向上できる点及び絶縁層3の耐熱性を向上できる点で有効であり、プリント配線板の各種信頼性を向上させることができる。
また、光ラジカル重合系の樹脂組成物も有効である。このような樹脂組成物としては、例えば、(a)分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(b)光重合開始剤、(c)光反応性化合物、(d)多官能エポキシ樹脂及び(e)無機充填材を含む樹脂組成物が挙げられる。
その中でも、(b)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類;アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体;9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類;7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、等のアシルホスフィン系化合物;9−フェニルアクリジン、9−アミノアクリジン、9−ペンチルアミノアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、9−モノペンチルアミノアクリジン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−オキサプロパン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタン等のアクリジン環を有する化合物;(2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン)、(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))等のオキシムエステルを有する化合物などが挙げられる。これらは組み合わせて用いることもできる。これらの中で、アシルホスフィン系化合物を用いることが好ましい。アシルホスフィン系化合物は、底部硬化性に優れており、また、酸素阻害を受け難いという特徴を有している。このため、後述する感光性樹脂組成物層を形成する工程の後、且つ光硬化部を形成する工程の前に、支持フィルムを剥離する工程を備えるプリント配線板の製造方法、すなわち、酸素による影響を比較的受けやすいプリント配線板の製造方法において好適に適用することができる。加えて、底部硬化性に優れることから、顔料等により、色をつけた感光性樹脂組成物を用いる際にも有効であり、半導体パッケージ用基板の最外層に使用されるソルダレジストにも好適に適用することができる。
さらに、(c)光反応性化合物としては、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する光重合性モノマーを含有することが、感度、解像性の点で好ましい。光重合性モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用されるが、特にエチレン性不飽和基を1分子内に3つ以上有する多官能光重合モノマーを少なくとも1種類以上含有することが望ましい。中でもエチレン性不飽和基を1分子内に6つ以上有する多官能光重合モノマーがリフロー実装時のクラック耐性の向上に有効である。
以下のような化合物を適用することも好ましい。ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ウレタンオリゴマーなどが挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板において、絶縁層3は、基板20にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ね、ソルダレジストの諸特性を有するソルダレジストであることが好ましい。ソルダレジストは、例えば、基板20に対し、めっき又はエッチングを施す場合に、めっきレジスト又はエッチングレジストとして用いられる他、そのまま基板20上に残されて、配線等を保護するための保護膜(永久マスクレジスト)として用いられるものである。
本実施形態に係る半導体装置の一態様を図5に示す断面図を用いて説明する。本発明の実施形態に係る半導体装置は、例えば、半導体素子搭載用基板50と、半導体素子搭載用基板50に搭載された半導体素子5とを備える。半導体素子搭載用基板50と半導体素子5とは、アンダーフィル6で充填されており、半導体素子5は、封止材7によって封止されている。半導体素子搭載用基板50は、基板20と、当該基板20上に形成された絶縁層3とを備える。基板20は、基材1と当該基材1上に形成された回路パターンを有する導体層2とを備える。絶縁層3の基板20側とは反対側の表面(以下、単に「絶縁層3の表面」ともいう)には、アンダーフィル6及び封止材7と接する箇所に凹部3aが形成されている。また、導体層2が露出するように絶縁層3の表面に形成された開口部3bには、接続用バンプ9が形成されており、半導体素子5と導体層2とは、接続用バンプ9を介して電気的に接続されている。図2に示すプリント配線板においては、絶縁層3の表面の全面に、深さが0.1μm以上である複数の凹部3aが形成されており、かつ絶縁層3の表面の全面に凹部3aが占める面積の割合が5%以上である。
図6に示す半導体装置は、封止材7を含まず、かつ絶縁層3の表面においてアンダーフィル6が接する部分のみに凹部3aが形成されている点で、図5に示すプリント配線板とは異なる。図6に示す半導体装置においては、絶縁層3の表面においてアンダーフィル6が接する部分における少なくとも一部の領域に、深さが0.1μm以上である複数の凹部3aが形成されており、かつ上記領域における凹部3aが占める面積の割合が5%以上である。プラズマ処理を行う従来法で製造されるプリント配線板(図7参照)は、絶縁層3の表面の全面が粗化されているが、図6に示す半導体装置は、異種材料の濡れ性を必要としない箇所では絶縁層本来の平滑な面が維持されているため、プラズマ処理を行う従来法で製造される半導体装置と比較して、絶縁層3における余計な水分、フラックス等の吸収を抑制することができ、プリント配線板としての信頼性に優れる。
図5及び6に示すように、半導体素子周辺部等の特定の箇所のみ濡れ性向上の必要がある場合、従来のプラズマ処理を行う方法では、絶縁層3の表面の全面が粗化されてしまうため、選択的に処理を行うことが難しいが、本発明の実施形態に係る製造方法によれば、凹部3aを必要に応じて絶縁層3の表面の任意の位置に形成することができるため、異種材料の濡れ性が必要な箇所のみを選択的に処理できる。そのため、濡れ性を必要としない箇所では絶縁層本来の平滑な面を維持できる。これによりプラズマ処理による従来法によりプリント配線板を製造する場合と比較して、絶縁層3における余計な水分、フラックス等の吸収が抑制され、信頼性に優れるプリント配線板を製造することができる。また、本発明の実施形態に係る製造方法によれば、図5に示すように、アンダーフィル6と封止材7を併用するプリント配線板の場合には、絶縁層3の全面に凹部3aを形成することによって絶縁層3とアンダーフィル6及び封止材7の濡れ性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板において、感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層3がソルダレジストである場合には、半導体素子搭載用基板50上に半導体素子5をフリップチップ接続した後、絶縁層3の上に他の部材(例えばアンダーフィル6、封止材7等)が形成される。その場合、例えばアンダーフィル6及び封止材7の両者は、絶縁層3であるソルダレジストとの濡れ性に優れるという本発明の効果が得られる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板は、例えば、パソコン等の電子機器へ装着されて用いられる。
以上、本発明の実施形態に係るプリント配線板及び当該プリント配線板の製造方法の一実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
以下、実施例により本開示の目的及び利点を更に詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<感光性樹脂組成物溶液の準備>
まず、下記の成分を下記に示す配合量(質量部)で混合することにより、感光性樹脂組成物溶液を得た。
分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性プレポリマーとして、酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート「EXP−2810」(DIC株式会社製、商品名)を85質量部使用した。重量平均分子量は10000で酸価は70mgKOH/gであった。
光反応性化合物として、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物「KAYARAD DPHA」(日本化薬株式会社製、商品名)を15質量部使用した。
また、光重合開始剤として、アシルホスフィン化合物である2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド「DAROCURE−TPO」(BASF社製、商品名)を3質量部、2,4−ジエチルチオキサントン「カヤキュアDETX−S」(日本化薬株式会社製、商品名)を0.3質量部用いた。
エポキシ樹脂として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂であるNC−3000H(日本化薬株式会社製、商品名)を10質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるYSLV−80(新日鉄住金化学株式会社製、商品名)を20質量部用いた。
無機充填材には、硫酸バリウムであるB30(堺化学工業株式会社製、商品名)を30質量部、シリカであるMEK(メチルエチルケトン)スラリー(1)(株式会社アドマテックス製、サンプル名)を50質量部用いた。無機充填材の感光性樹脂組成物中に分散した状態における平均粒径及び最大粒径は、レーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いて測定した。B30の平均粒径が0.3μm、MEKスラリー(1)の平均粒径が0.5μmであった。また、B30及びMEKスラリー(1)を含む無機充填材の最大粒径は3μm以下であった。また、フィルム化後の無機充填材の粒径はフィルムを硬化後に断面を電子顕微鏡(SEM)で観察して確認した。フィルム中に分散されている無機充填材の最大粒径が5μm以下であることを確認した。
その他成分としては以下のものを用いた。ブタジエン系エラストマであるエポリードPB3600(株式会社ダイセル製、商品名)を3質量部、重合禁止剤としてアンテージ500(川口化学工業株式会社製、商品名)を0.5質量部、硬化促進剤及び濡れ性向上剤として、それぞれメラミンを2質量部とジシアンジアミドを1質量部、顔料としてフタロシアニンブルーを1.2質量部使用した。溶剤には、メチルエチルケトンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを使用した。
<フィルム状感光性樹脂組成物の作製>
上記の感光性樹脂組成物溶液を支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は15μmであった。続いて、感光性樹脂組成物層の支持フィルムと接している側とは反対側の表面上に保護フィルムとして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(MA−411、王子エフテックス株式会社製、商品名)を貼り合わせ、フィルム状感光性樹脂組成物を備える感光性エレメントを得た。
<基板の準備>
基板として、コア基材の両面に銅箔を有する両面銅張積層板(MCL−E−679、日立化成株式会社製、商品名)を準備した。このとき、コア基材は厚み1.0mmのものを用いた。銅箔は両面とも厚み18μmのものを用いた。基板の大きさは20mm×20mmとした。
<感光性樹脂組成物層の形成>
得られたフィルム状感光性樹脂組成物を用いて、上記基板上に感光性樹脂組成物層を形成した。詳細には、まず、感光性エレメントの保護フィルムのみを剥がし、プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて上記基板の一方の表面にフィルム状感光性樹脂組成物を積層し、基板上に感光性樹脂組成物層を形成した。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。
<絶縁層の形成>
このようにして得られた感光性樹脂組成物層上に、株式会社オーク製作所社製EXM‐1201型露光機を使用して、200mJ/cmのエネルギー量で露光を行った。露光には、図4に示す、所定の幅(図中のXμm)の直線を所定のピッチ(図中のYμm)で配置したマスクパターンを有する露光用マスクを用いた。より詳細には、10mm×10mmの範囲に、幅が20μm、長さが80μmの直線を、150μmのピッチで平行方向に配置したマスクパターンを有する露光用マスクを用いた。なお、図4では、未露光部となる領域を濃い色で示す。
次いで、常温で1時間静置した後、露光後の感光性樹脂組成物層上のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)を剥離した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で露光後の感光性樹脂組成物層を90秒間スプレー現像し、基板側とは反対側の表面に形成された感光性樹脂組成物に複数の凹部を形成した。続いて、株式会社オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して所定のエネルギー量で紫外線照射を行い、クリーンオーブンで所定温度、所定時間で熱硬化し、基板側とは反対側の表面に凹部が複数形成されている絶縁層を備える積層体を得た。
(実施例2)
絶縁層の形成工程における露光において、10mm×10mmの範囲に、幅が40μm、長さが10mmの直線を、150μmのピッチで垂直方向と平行方向に、すなわち、格子状に配置したマスクパターンを有する露光用マスクを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基板側とは反対側の表面に凹部が複数形成されている絶縁層を備える積層体を得た。
(比較例1)
絶縁層の形成工程における露光において、露光用マスクを用いずに感光性樹脂組成物層の全面を露光したこと以外は、実施例1と同様にして、基板上に絶縁層を備える積層体を得た。
(比較例2)
比較例1で得られた積層体の絶縁層に対し、バレル型プラズマ装置(PB−1000S、モリエンジニアリング社製)を用いて、300W、3分の条件で表面処理を行い、基板上にプラズマ処理された絶縁層を備える積層体を得た。なお、表面処理ではガスとして酸素を使用した。
[凹部形状の評価]
実施例1〜2について、凹部形状の評価を行った。具体的には、光干渉方式の非接触表面形状計測装置Vertscan2.0(株式会社菱化システム製)を用いて、絶縁層表面における上記領域Aから任意に選んだ10箇所を測定し、凹部の深さ(H)及び幅と長さを計測し、平均して得られる値を深さ(H)及び幅(X)と長さ(L)とした。さらに、領域A内の任意の10箇所を100μm×100μmの範囲で測定し、測定範囲の面積と測定範囲に形成された凹部の面積の合計値との関係から、測定範囲において凹部が占める面積の割合rを算出し、各測定箇所における割合rの平均値を凹部が占める面積の割合Rとした。結果を下記表1に示す。
[アンダーフィルの濡れ性評価]
以下の方法により、実施例1〜2、比較例1〜2の絶縁層における濡れ性を評価した。
110℃に熱したホットプレート上に積層体を配置し、形成した凹部上に、アンダーフィル(CEL−C−3730S、日立化成株式会社製、商品名)を3mgポッティングし、濡れ広がりを評価した。比較例1の濡れ広がり面積を1.0とした時の濡れ広がりの面積を計算した。評価結果を表1に示す。
Figure 2017092269
表1に示すように、実施例1及び2の製造方法により形成した絶縁層は、濡れ性評価において、凹部を形成していない比較例1と比較して高い濡れ性を示しており、プラズマ処理を行った比較例2と同等程度まで濡れ性が向上することが確認された。実施例1及び2では、パターン幅を0.010〜0.050mmの範囲内に設定することにより、深さ(H)が2〜5μmの凹部を形成することができた。それによって、濡れ性の向上を図ることができた。
以上のように、本発明のプリント配線板は、プラズマ処理のような特別な工程を経ることなく製造することができ、製造時間及び製造コストを削減できると共に、異種材料、特にアンダーフィル及び封止材の濡れ性に優れる絶縁層を備える。それにより、本発明のプリント配線板を有する半導体装置は、信頼性向上を図ることができる。
1…基材、2…導体層、3…絶縁層、3a…凹部、3b…開口部、4…露光用マスク、5…半導体素子、6…アンダーフィル、7…封止材、8…測定範囲、9…接続用バンプ、10…感光性樹脂組成物層、20…基板、50…半導体素子搭載用基板。

Claims (10)

  1. 基板と当該基板上に設けられた絶縁層とを備え、
    前記絶縁層の前記基板側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、溝形状が線状に形成されている凹部を1又は2以上有するプリント配線板。
  2. 前記溝形状を有する凹部の幅が0.010〜0.050mmである、請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記溝形状を有する凹部の長さが幅の2倍以上である、請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 前記絶縁層が感光性樹脂組成物を用いて形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  5. 前記感光性樹脂組成物が、(メタ)アクリロイル基を有する光反応性化合物を含有する、請求項4に記載のプリント配線板。
  6. 前記感光性樹脂組成物が、アシルホスフィン系化合物を含有する、請求項4又は5に記載のプリント配線板。
  7. 前記絶縁層がソルダレジストである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  8. 前記領域における当該凹部が占める面積の割合が5%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記基板上に、前記絶縁層として感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射し、光硬化部を形成する工程と、
    前記光硬化部以外の領域を除去することで、前記感光性樹脂組成物層の前記基板側とは反対側の表面における少なくとも一部の領域に、前記複数の凹部を形成する工程とを備えるプリント配線板の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板及び半導体素子を備える半導体装置。
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