JP2015210443A - 優れた吸光性を有し、微細パターン形成に適した感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた吸光性を有し、微細パターン形成に適した感光性組成物を提供する。【解決手段】紫外線ランプとフォトマスクを通し露光する一括露光法、又は紫外線ランプからの光又は短波長のレーザー光を用いる直接描画法により、所望のパターンを実現するための硬化部分を形成し、未硬化部分をアルカリ水溶液により現像するのに用いられる感光性組成物に関し、好ましくは、露光前の乾燥塗膜25μm厚さで、355nm及び375nm波長に対する吸光度が1.2〜1.8であり、405nm波長に対する吸光度が0.6以上である感光性組成物及びその硬化物、そして前記組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルムに関する。【選択図】 図1
Description
本発明は、優れた吸光性を有し、微細パターン形成に適した感光性組成物に関し、より詳しくは、紫外線ランプとフォトマスクを介して露光する一括露光法、又は紫外線ランプからの光又は短波長のレーザー光を用いる直接描画法により、所望のパターンを実現するための硬化部分を形成し、未硬化部分をアルカリ水溶液により現像するのに用いられる感光性組成物に関するものであり、好ましくは、露光前の乾燥塗膜25μm厚さで、355nm及び375nm波長に対する吸光度が1.2〜1.8であり、405nm波長に対する吸光度が0.6以上である感光性組成物及びその硬化物、そして前記組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルムに関するものである。
ソルダレジストは、プリント配線板に塗布する機能性コーティング材であり、電子部品を搭載する個所以外の部品をマスキングして保護し、はんだ付け時に、ソルダブリッジを防止する役割を果たす。ソルダレジスト膜は、通常、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、基板上に形成されており、近頃、配線の高密度化傾向により、フォトリソグラフィー法が90%以上占有している。液状フォトソルダレジストの一般的な作業工程では、ガラス繊維に含浸されたエポキシ硬化物に、銅薄板をラミネートした後、エッチング工程を介して回路パターンを形成した配線板にレジストを塗布し、溶剤乾燥工程を行い、フィルムを形成し、所定のパターンでマスキング部分を紫外線露光して、基本樹脂の分子量を増加させることで、以降の現像工程で露光された部分が溶解しないように、耐現像液性を付与した後、現像工程で、未露光部分(未硬化部)のフィルムを除去し、水洗した後、はんだ耐熱性、耐薬品性、絶縁特性等の回路保護機能を向上させるために、後硬化を介して架橋密度をさらに向上させる。
最近、半導体が軽薄短小化になるにつれて、より薄いプリント配線板及びより高解像度のパターンに対する要求が大きくなっている。従って、ソルダレジスト分野においても、薄い塗布工程が容易であり、寸法安定性が非常に優れたドライフィルム形態の製品がハイエンド製品を中心にして、急速に拡大されつつある。
従来、用いられた最も普遍的なフォトリソグラフィー法は、紫外線を発生させるランプからの光を、フォトマスクを介してプリント配線板上の乾燥塗膜を形成したソルダレジスト全面に露光する一括露光法である。この方法は、フォトマスクと基材の位置を正確に合わせる作業が必要であり、相当な時間が必要とされているだけでなく、プリント配線板の回路形成過程で発生する寸法変化のため、マスクとプリント配線板と間の寸法差が発生しやすい。特に、ハイエンド製品中の一つである、フリップチップパッケージング工程に適用されるプリント配線板の場合、精密な微細パターンが求められるが、この方法では、所望水準の正確なパターンを形成することが難しい問題がある。
このような問題点を克服するために、コンピュータに入力されたデータに基づいて、単一波長のレーザー光、又は紫外線を発生するランプからの光でフォトマスクなしで乾燥されたソルダレジスト塗膜に直接パターニングして、露光する直接描画法が提示され、利用されている。この技法は、光源により大きく2つに分類されるが、紫色のレーザーダイオードを光源として、h線(405nm)の光を用いるか、YAGレーザーの355nmレーザー光を用いる技法と、高圧水銀ランプの光を用いる技法とがある。直接描画法では、回路形成後の寸法を測定し、設計値からの差をコンピュータで補正し、所望の正確なパターンを形成することができるため、一括露光法の問題点であるプリント配線板の回路形成過程で発生する寸法変化を克服できる。しかし、全面露光技法である一括露光法に比べて、時間が必要とされ、生産性が低下される短所がある。前記2種類フォトリソグラフィー法は、露光波長と強度で、いずれも別の光源を適用するので、同じソルダレジストでその特性を実現するのには困難がある。
本発明は、前述したような従来技術等の問題点を解決するためのものであり、一括露光法及び直接描画法のいずれにも適用可能であり、特に、直接描画法においては、光源が紫外線を発生するランプからの光又はレーザー光を用いた光の波長に関係なく、適用可能な感光性組成物及びその硬化物、そして前記組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルムを提供することを技術的課題とする。
前述の技術的課題を達成するための本発明は、
(1)カルボン酸基含有樹脂100重量部、(2)光重合開始剤0.1〜20重量部、(3)1μm以下の平均粒径及び3μm以下の最大粒径を有する充填剤0.1〜300重量部、及び(4)分散剤0.1〜5重量部を含む感光性組成物を提供する。
(1)カルボン酸基含有樹脂100重量部、(2)光重合開始剤0.1〜20重量部、(3)1μm以下の平均粒径及び3μm以下の最大粒径を有する充填剤0.1〜300重量部、及び(4)分散剤0.1〜5重量部を含む感光性組成物を提供する。
本発明の他の側面によれば、本発明の前記感光性組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルムが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の前記感光性組成物の乾燥された層を基板上に提供するステップ;前記基板上の感光性組成物層を露光し、潜在的パターンを形成するステップ;及び前記露光された感光性組成物層を現像するステップ;を含む、基板上にパンターン化されたソルダレジストを形成する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の前記感光性組成物のコーティング層を硬化させ、得られる硬化膜が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の前記感光性組成物のパンターン化された硬化膜を含む基板が提供される。
本発明に係る感光性組成物は、露光前の乾燥塗膜25μm厚さで、露光に用いられる光に対して、355nm及び375nm波長に対するそれぞれの吸光度が1.2〜1.8であり、405nm波長に対する吸光度が0.6以上(例えば、0.6〜1.0)と非常に優れており、露光に用いられる光源、光強度、光波長によるパターン上−下部間の硬化度の差が大きくなく、一括露光法及び直接描画法で使用される様々な光源及び光強度、そして光波長が、いずれも適用可能である。従って、高生産性が求められる汎用製品の製造には、本発明の感光性組成物を活用して一括露光法を適用でき、高解像性が求められるハイエンド製品の製造には、本発明の感光性組成物を活用して直接描画法を適用できる等、本発明の組成物は、様々な方法のプリント配線板製造方法に適用できる長所がある。
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)カルボン酸基含有樹脂
本発明の感光性組成物に含まれるカルボン酸基含有樹脂としては、分子中にアクリル系不飽和二重結合を有するカルボン酸基含有感光性樹脂が挙げられる。具体的には、下記1)〜6)のものを単独で又は組み合わせて使用できるが、これらに制限されない:
本発明の感光性組成物に含まれるカルボン酸基含有樹脂としては、分子中にアクリル系不飽和二重結合を有するカルボン酸基含有感光性樹脂が挙げられる。具体的には、下記1)〜6)のものを単独で又は組み合わせて使用できるが、これらに制限されない:
1)多官能エポキシ化合物(例えば、多官能エポキシ樹脂)と不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸等)とを反応させた後、その反応結果物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物(例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物等)とを反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
2)前記カルボン酸基含有感光性樹脂1)に、さらに、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を同時に有する化合物を反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
3)不飽和モノカルボン酸と、その他の不飽和二重結合を有する化合物の1種以上を共重合させることによって、得られるカルボン酸含有樹脂に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロメチルメタアクリレート等)とを反応させることによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
4)エポキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物と、その他の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させた後、その反応結果物と多塩基酸無水物とを反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
5)不飽和二重結合を有する酸無水物(例えば、無水マレイン酸等)とその他の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、水酸基と不飽和二重結合を有する化合物(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート等)とを反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
6)多官能エポキシ化合物、不飽和モノカルボン酸、及び1分子中に1個以上のアルコール性水酸基とその他のエポキシとの反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂。
前記で、多官能エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールB型エポキシ、ビスフェノールC型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、これらのビスフェノール系エポキシに、水素添加反応を介して芳香族環を環状アルキル構造に変形した形態、ノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、キシロック型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、複素環式エポキシ、ナフタレン含有エポキシ樹脂、ポリブタジエン変性エポキシ樹脂、CTBN(carboxyl terminated butadiene-acrylonitrile)変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンを含むエポキシ樹脂等が挙げられる。
前記したカルボン酸基含有感光性樹脂の例の中で、光硬化性、耐熱性、耐メッキ性、付着性を考慮する時、感光性樹脂1)、2)又はこれらの混合物を使用することがより好ましい。
前記カルボン酸基含有樹脂の酸価は、好ましくは40〜200mgKOH/gであり、より好ましくは45〜120mgKOH/gである。カルボン酸基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満のとき、アルカリ現像が困難になる恐れがあり、200mgKOH/gを超えると、現像液により露光硬化された部分が溶解又は部分的に溶解され、設計したパターン通りの現像が困難になる恐れがある。
前記カルボン酸基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂構成モノマー成分及び分子量分布度によって差はあるが、好ましくは2,000〜120,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。カルボン酸基含有樹脂の重量平均分子量が2,000未満のとき、乾燥工程中、エポキシとの反応率が高まり、乾燥工程時間マージンが小さくなり、現像工程で塗膜の硬化部分が緻密でなく、親水性が高く、所望のパターンを形成することができないか、塗膜厚さ減少現象が生じ、また、硬化工程後、緻密な硬化構造を形成できなく、耐湿性が悪くなる恐れがある。反面、その重量平均分子量が120,000を超えると、現像性が顕著に悪くなり、現像工程時、過量のスラッジを形成することがある。
本発明の感光性組成物には、前記カルボン酸基含有樹脂が全体組成物100重量%に対して、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%の範囲で選択できる。全組成物中のカルボン酸基含有樹脂含量が20重量%未満のとき、塗膜強度が低下され、60重量%を超えると、乾燥工程時間マージンが小さくなり、激しい場合、現像性が劣ることがあり、さらに、樹脂構成成分によって差はあるが、粘性が高くなり、塗布性が低下される恐れがある。
(2)光重合開始剤
本発明の感光性組成物に含まれる光重合開始剤としては、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤よりなる群から選ばれる1種以上の光重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明の感光性組成物に含まれる光重合開始剤としては、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤よりなる群から選ばれる1種以上の光重合開始剤を使用することが好ましい。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤の例には、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタンオン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパンオン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル-ベンジル)−1−(4−モルホリニル)フェニル−ブタン−1−オン等が挙げられる。市販品としては、BASF社製のIrgacure907、Irgacure369、Irgacure379等が挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。市販品としては、BASF社製のDarocureTPO、Irgacure819等が挙げられる。
本発明の感光性組成物には、前記光重合開始剤が、前記カルボン酸基含有樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の量で含まれ、好ましくは0.5〜15重量部含まれる。カルボン酸基含有樹脂100重量部に対する光重合開始剤の含量が0.1重量部未満のとき、光硬化性が不十分になり、現像工程時、設計されたパターンを実現することができないか、露光硬化部が現像液に洗い流される恐れがあり、20重量部を超えると、ソルダレジストの表面硬化が早すぎて、十分な深部硬化性を実現できなく、アンダーカット(undercut)等の問題が生じる恐れがある。
(3)充填剤
本発明の感光性組成物は、物理的強度、絶縁特性、耐水性、低い熱膨張率を確保するために、体質顔料等の充填剤を含んでもよい。公知された無機又は有機充填剤を使用することができるが、特に、硫酸バリウム、球状シリカ及び溶融シリカよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく使用できる。
本発明の感光性組成物は、物理的強度、絶縁特性、耐水性、低い熱膨張率を確保するために、体質顔料等の充填剤を含んでもよい。公知された無機又は有機充填剤を使用することができるが、特に、硫酸バリウム、球状シリカ及び溶融シリカよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく使用できる。
本発明の感光性組成物に含まれる充填剤は、平均粒径が1μm以下、最大粒径が3μm以下であり、好ましくは、平均粒径が0.5μm以下であり、最大粒径が1.5μm以下である。充填剤の平均粒径が1μmより大きいか、最大粒径が3μmより大きい場合、長波長領域光に対する吸光度が顕著に低下され、深部硬化が不十分になり、表面と深部の均一した硬化度を達成することができなく、アンダーカットが激しくなる恐れがあり、特定短波長を用いるレーザー光源を使用する場合には、このような不適合現象が非常に激しくなる恐れがあり、表面硬化と深部硬化率の顕著な差により、硬化工程中、反り現象が生じることがある。充填剤の粒径の下限値は特に制限されなく、例えば0.01μm以上でああ手もよいが、これに制限されない。
本発明の感光性組成物には、前記充填剤が、前記カルボン酸基含有樹脂100重量部に対して、0.1〜300重量部の量で含まれ、好ましくは0.1〜200重量部含まれる。カルボン酸基含有樹脂100重量部に対する充填剤の含量が0.1重量部未満のとき、塗布後、塗膜のチクソ性が低下され、流されるか、絶縁及び耐水特性が低下される。また、300重量部を超えると、感光性組成物の粘度が高くなり、印刷性が低下されるか、硬化物の引張強度が急激に低下される。
(4)分散剤
本発明の感光性組成物に含まれる分散剤としては、具体的に、脂肪族カルボン酸及びその塩、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル、ポリエステル−エステルカルボン酸塩、高分子ポリエステルカルボン酸のポリアミン塩、脂肪族アミン塩、第4級アンモニウム塩、長鎖ポリアミノアミド及びそのリン酸塩、長鎖ポリアミノアミドと高分子ポリエステル酸の中性塩及び多官能高分子アクリル酸よりなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の感光性組成物に含まれる分散剤としては、具体的に、脂肪族カルボン酸及びその塩、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル、ポリエステル−エステルカルボン酸塩、高分子ポリエステルカルボン酸のポリアミン塩、脂肪族アミン塩、第4級アンモニウム塩、長鎖ポリアミノアミド及びそのリン酸塩、長鎖ポリアミノアミドと高分子ポリエステル酸の中性塩及び多官能高分子アクリル酸よりなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の感光性組成物には、前記分散剤が、前記カルボン酸基含有樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の量で含まれ、好ましくは0.1〜4重量部含まれる。カルボン酸基含有樹脂100重量部に対する分散剤の含量が0.1重量部未満のとき、組成物の安定性が悪くなり、5重量部を超えると、耐熱性、耐水性及び耐化学性が低下される問題がある。
追加成分
本発明の感光性組成物は光重合開始剤の効果を増大させるために、光開始増減剤をさらに含んでいてもよく、その例には、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物及び3級アミン化合物等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピータン−2オン(7−(ジエチルアミノ)−4-メチルクマリン)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬製のKayacureEPA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬製のKayacureDMBI)等が挙げられる。この中で、チオキサントン化合物が好ましい。チオキサントン化合物は、特に、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤と混用時、深部硬化性面で優れた特性を示す。このようなチオキサントン化合物は、相対的に吸光量の少ないソルダレジストの深部部分でも長波長光による光硬化を可能にする。前記光開始増減剤は、単独で又は2種以上の組み合わせで使用できる。本発明の感光性組成物に、前記したような光開始増減剤がさらに含まれる場合、その含量は、前記カルボン酸基含有樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部以下(例えば、0.1〜20重量部)、より好ましくは10重量部以下であってもよい。光開始増減剤含量が20重量部を超えると、深部硬化で緻密な架橋構造を形成できなく、アンダーカットが生じるか、付着性が低下されることがある。
本発明の感光性組成物は光重合開始剤の効果を増大させるために、光開始増減剤をさらに含んでいてもよく、その例には、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物及び3級アミン化合物等が挙げられる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピータン−2オン(7−(ジエチルアミノ)−4-メチルクマリン)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬製のKayacureEPA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬製のKayacureDMBI)等が挙げられる。この中で、チオキサントン化合物が好ましい。チオキサントン化合物は、特に、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤と混用時、深部硬化性面で優れた特性を示す。このようなチオキサントン化合物は、相対的に吸光量の少ないソルダレジストの深部部分でも長波長光による光硬化を可能にする。前記光開始増減剤は、単独で又は2種以上の組み合わせで使用できる。本発明の感光性組成物に、前記したような光開始増減剤がさらに含まれる場合、その含量は、前記カルボン酸基含有樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部以下(例えば、0.1〜20重量部)、より好ましくは10重量部以下であってもよい。光開始増減剤含量が20重量部を超えると、深部硬化で緻密な架橋構造を形成できなく、アンダーカットが生じるか、付着性が低下されることがある。
本発明の感光性組成物は、耐熱性を付与するために、分子中に2個以上オキシラン環を有する熱硬化性エポキシ樹脂をさらに含んでいてもよい。本発明の感光性組成物に、さらに包含可能な熱硬化性エポキシ樹脂は、好ましくは150〜3,000eq/gのエポキシ平均当量を有しており、その例としては、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールB型エポキシ、ビスフェノールC型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、これらのビスフェノール系エポキシに水素添加反応を通して芳香族環を環状アルキル構造に変形した形態、ノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、キシロック型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、複素環式エポキシ、ナフタレン含有エポキシ樹脂、ポリブタジエン変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンを含むエポキシ樹脂等が挙げられる。パッケージ内の腐食を防止し、絶縁性を保持して、長期的性能低下を防止するためには、クロリドアニオン、臭素アニオン、ナトリウムカチオン、マグネシウムカチオン等のイオン含量の少ない高純度の製品を使用することが好ましい。前記熱硬化性エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明の感光性組成物に、前記したバーのような熱硬化性エポキシ樹脂がさらに含まれる場合、その含量は、全組成物100重量%に対して0.5〜60重量%であり、好ましくは3〜40重量%であってもよい。熱硬化性エポキシ樹脂の含量が0.5重量%未満のとき、耐熱性が劣る恐れがあり、低い架橋密度によって耐湿性が低下される恐れがある。また、60%を超えると、現像性が低下され、設計されたパターンを形成できない問題がある。
本発明の感光性組成物が、前記熱硬化性エポキシ樹脂を含む場合、これと前記カルボン酸含有樹脂との反応性及び反応率を高めるために、熱反応触媒が共に使用されるのが好ましい。熱反応触媒の例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられるが、特にこれらに制限さらなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、又はエポキシ基とカルボキシル基との反応を促進させるものであればよい。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体、カプセル化アミン触媒のようなアミン系触媒、第3級アミン又はイミダゾール類触媒、第4級アンモニウム塩、ウレア触媒等を用いることができる。これらの熱反応触媒は単独で又は2種以上を混合して使用できる。本発明の感光性組成物に、前記したようなこれらの熱反応触媒がさらに含まれる場合、その含量は、前記カルボン酸基含有樹脂と熱硬化型エポキシ樹脂との合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。熱反応触媒含量が0.05重量部未満のとき、熱硬化性が低下され、架橋構造の緻密性が不十分になり、20重量部を超えると、残余触媒量による耐水性低下が生じることがある。
本発明の感光性組成物は、前記カルボン酸基含有樹脂の合成や組成物の調整のために、そして、基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のために、有機溶剤を含んでいてもよい。このような有機溶剤には、ケトン、芳香族炭化水素、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、エステル、アルコール、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等が挙げられる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のエステル;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフタ、水素添加石油ナフタ、ソルベントナフタ等の石油系溶剤等が挙げられる。このような有機溶剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。本発明の感光性組成物に含まれる有機溶剤含量は、全組成物100重量%に対して1〜50重量%であり、好ましくは3〜30重量%であってもよい。
本発明の感光性組成物は、前記した成分以外にも、公知された熱中和禁止剤、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の公知された増粘剤、シリコン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤及び/又はレベリング剤、付着増進目的等のシランカップリング剤、高温での黄変を防止のためのHALS系統酸化防止剤、防錆剤等とのような公知された添加剤を1種以上、さらに含んでいてもよい。
本発明の感光性組成物は、露光前の乾燥塗膜25μm厚さで、355nm及び375nm波長に対するそれぞれの吸光度が好ましくは1.2〜1.8であり、405nm波長に対する吸光度が好ましくは0.6以上(例えば、0.6〜1.0)と、一括露光法及び直接描画法で使用される露光用光に対する吸光度が極めて優れている。従って、本発明の感光性組成物は、露光方法及びレーザー光の波長の長短に関係なく、現像工程後、優れたソルダレジストパターンを形成することができる。具体的に説明すれば、355〜405nmの中長波長領域のいかなる光によっても本発明組成物の表面と深部を十分に硬化させることができる。
露光前の乾燥塗膜厚さ25μmで355nm及び375nm波長に対するそれぞれの吸光度が0.5未満のとき、表面硬化性が十分に得られなく、露光現像工程後、割れ現象等によるパターン不良が生じ、0.5〜1.2未満のときには、耐水性が低下され、吸湿率が増加されるか、メッキ工程で微細な白濁現象が生じることがある。また、355nm及び375nm波長に対するそれぞれの吸光度が1.8を超えると、深部硬化が不十分になり、ソルダレジストパターンがアンダーカットを発生させる等、設計したソルダレジストパターンが得られなくなる。
本発明の他の側面によれば、本発明の前記感光性組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルムが提供される。前記キャリアフィルムとしては、従来の感光性組成物ドライフィルムに使用されてきた公知のフィルム(例えば、PETフィルム)を制限がなく使用できる。前記ドライフィルムは、感光性組成物層を保護するためのカバーフィルムをさらに含んでいてもよい。
本発明の感光性組成物を、基板又はキャリアフィルム上に塗布する方法には特に制限がない。例えば、前記した有機溶剤を用い、当該塗布法に適するように組成物粘度を調整し、基板又はキャリアフィルム上にディッピングコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコーティング法等の方法を使用して、組成物を塗布することができる。その後、約60〜100℃の温度で乾燥し、組成物中に含まれた有機溶剤を揮発させることによって、基板又はキャリアフィルム上に無粘着塗膜を形成することができる。この時、感光性組成物の乾燥塗膜厚さは5〜50μmのものが好ましい。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の前記感光性組成物の乾燥された層を基板上に提供するステップ;前記基板上の感光性組成物層を露光し、潜在的パターンを形成するステップ;及び前記露光された感光性組成物層を現像するステップ;を含む、基板上にパンターン化されたソルダレジストを形成する方法が提供される。
感光性組成物の乾燥された層を、基板上に提供するステップは、前記説明の通りに、組成物を基板上に直接塗布した後、乾燥する方法、又は前記説明の通りにして得られた感光性組成物のドライフィルムを基板に接合させる方法によって行われてもよい。ドライフィルムを用いる場合、キャリアフィルムは露光工程を進めた後、剥離して除去できる。
前記露光ステップは、接触式又は非接触式で行われてもよく、フォトマスクを介して露光し、パターン潜像を形成する一括露光法、及びフォトマスクなしで、コンピュータからデータを伝送し、直接描画装置(レーザーダイレクトイメージング装置又は紫外線ダイレクトイメージング装置)を利用して、パターン潜像を描画する直接描画法のいずれも使用可能である。露光時、光源は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、半導体レーザー及び固体レーザー中から選択できる。また、その露光量は、一般的には5〜1000mJ/cm2、好ましくは10〜600mJ/cm2の範囲内であってもよいが、これに制限されなく、装置及び設備種類、感光性組成物の乾燥膜厚等、種々変数を考慮して適宜選択することができる。
前記現像ステップでは、露光された感光性組成物層をアルカリ水溶液現像剤(例えば、0.3〜3%炭酸ナトリウム水溶液)で現像し、未露光部を除去することによって、パンターン化されたソルダレジストパターンを形成する。
感光性組成物が熱硬化性エポキシ樹脂成分を含有する場合には、前記現像ステップ以降に、パンターン化されたソルダレジストを加熱硬化するステップをさらに含んでいてもよい。加熱硬化ステップでは、例えば、約140〜180℃の温度でソルダレジストを加熱し、カルボン酸基含有樹脂のカルボキシル基と熱硬化性エポキシ樹脂成分のエポキシ基とを反応させることによって、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、絶縁特性等の諸特性がさらに向上された硬化塗膜を形成することができる。
本発明のさらに別の側面によれば、前記本発明の感光性組成物のコーティング層を硬化させ、得られる硬化膜が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、前記本発明の感光性組成物のパンターン化された硬化膜を含む基板(例えば、マイクロエレクトロニクスプリント配線板)が提供される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例]
カルボン酸基含有樹脂の合成
窒素注入ライン、滴下漏斗、コンデンサー、温度計、撹拌器及び加熱マントル付き4口フラスコに、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(KUKDO CHEMICAL CO., LTD製、YDCN−500−90P、軟化点90℃、エポキシ当量205g/当量)400gと溶媒としてエチルカルビトールアセテート190g及びソルベントナフタ190gを入れ、100℃に加熱しながら撹拌し、溶解した。結果混合物に、アクリル酸150g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン4、0g及び重合禁止剤としてブチル化ヒドロキシトルエン4gを加え、120℃で20時間反応し、エポキシ当量が15,000g/当量の反応生成物を得た。ここに、テトラヒドロフタル酸無水物150gを入れ、90℃に加熱した後、6時間反応した。その結果、不揮発分65重量%、固形分酸価86mgKOH/g、重量平均分子量8,000のカルボン酸基含有樹脂(樹脂A)を得た。以下の実施例及び比較例で樹脂Aをカルボン酸基含有樹脂として用いた。
カルボン酸基含有樹脂の合成
窒素注入ライン、滴下漏斗、コンデンサー、温度計、撹拌器及び加熱マントル付き4口フラスコに、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(KUKDO CHEMICAL CO., LTD製、YDCN−500−90P、軟化点90℃、エポキシ当量205g/当量)400gと溶媒としてエチルカルビトールアセテート190g及びソルベントナフタ190gを入れ、100℃に加熱しながら撹拌し、溶解した。結果混合物に、アクリル酸150g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン4、0g及び重合禁止剤としてブチル化ヒドロキシトルエン4gを加え、120℃で20時間反応し、エポキシ当量が15,000g/当量の反応生成物を得た。ここに、テトラヒドロフタル酸無水物150gを入れ、90℃に加熱した後、6時間反応した。その結果、不揮発分65重量%、固形分酸価86mgKOH/g、重量平均分子量8,000のカルボン酸基含有樹脂(樹脂A)を得た。以下の実施例及び比較例で樹脂Aをカルボン酸基含有樹脂として用いた。
実施例1〜6及び比較例1〜3
下記表1に示した成分を表1の量で配合及び撹拌し、トリプルロールミルで分散して、実施例1〜6及び比較例1〜3の感光性組成物をそれぞれ得た。
下記表1に示した成分を表1の量で配合及び撹拌し、トリプルロールミルで分散して、実施例1〜6及び比較例1〜3の感光性組成物をそれぞれ得た。
前記製造された各実施例及び比較例の感光性組成物を用いて形成されたソルダレジスト膜に対して次のような評価を行った。
吸光度
感光性組成物を高透過性光学ガラス板に塗布した後、熱風循環式オーブンを利用し、80℃で30分間乾燥し、ガラス板上の乾燥塗膜試片を製造した。製造された乾燥塗膜試片に対して吸光度を測定した。UV−VISスペクトロメータとしては、Varian社製のCary50conc製品を使用しており、塗布前のガラス板に対する吸光度を基準にして設定した。実施例1〜6及び比較例1〜3の組成物に対して、測定された吸光度グラフを図1に示した。
感光性組成物を高透過性光学ガラス板に塗布した後、熱風循環式オーブンを利用し、80℃で30分間乾燥し、ガラス板上の乾燥塗膜試片を製造した。製造された乾燥塗膜試片に対して吸光度を測定した。UV−VISスペクトロメータとしては、Varian社製のCary50conc製品を使用しており、塗布前のガラス板に対する吸光度を基準にして設定した。実施例1〜6及び比較例1〜3の組成物に対して、測定された吸光度グラフを図1に示した。
断面形状を通した硬化深度測定
感光性組成物をプリント配線板にコーティングした後、80℃で30分間乾燥工程を行い、乾燥塗膜を形成した。それぞれの乾燥塗膜に対して、実験に適用する各露光装置(stepper)に適切な露光条件を選定した。露光条件は21段ステップタブレットを利用し、露光後、現像工程を経て、6段の残像感度が測定される露光量を適正露光量として選定した。適正露光量を介して進行された深部硬化の測定は、BT樹脂(Bismaleimide triazine resin)上で乾燥された乾燥塗膜厚さ25μmと50μmに対して行った。目標ライン/スペースは50μm/50μmで行った。BT樹脂は、基材の光反射がほとんどなく、アンダーカットが最も発生しやすい基材であり、BT樹脂を通した評価は、極限条件で弁別力のより高い結果を見出すためである。評価の結果は、下記の数式により計算されるアンダーカット率で示さており、ここで、上部長さ、下部長さ及び高さは図2に示される通りである。アンダーカット率の値が0に近いほど理想的である。
感光性組成物をプリント配線板にコーティングした後、80℃で30分間乾燥工程を行い、乾燥塗膜を形成した。それぞれの乾燥塗膜に対して、実験に適用する各露光装置(stepper)に適切な露光条件を選定した。露光条件は21段ステップタブレットを利用し、露光後、現像工程を経て、6段の残像感度が測定される露光量を適正露光量として選定した。適正露光量を介して進行された深部硬化の測定は、BT樹脂(Bismaleimide triazine resin)上で乾燥された乾燥塗膜厚さ25μmと50μmに対して行った。目標ライン/スペースは50μm/50μmで行った。BT樹脂は、基材の光反射がほとんどなく、アンダーカットが最も発生しやすい基材であり、BT樹脂を通した評価は、極限条件で弁別力のより高い結果を見出すためである。評価の結果は、下記の数式により計算されるアンダーカット率で示さており、ここで、上部長さ、下部長さ及び高さは図2に示される通りである。アンダーカット率の値が0に近いほど理想的である。
以上の吸光度及びアンダーカット測定結果をまとめて、下記表2に示した。
前記表2の結果から分かるように、本発明の実施例に係る感光性組成物は、露光方法及び光源に関係なく、一括露光法及び直接描画法に使用される355〜405nm波長領域の光に対して、優れた吸光度を示しており、これにより、ソルダレジスト乾燥塗膜の中部及び深部の硬化率を高め、非常に理想的なパターン断面(即ち、低いアンダーカット率)を形成することができた。また、後塗膜である50μmの塗膜でも低いアンダーカット率を実現でき、単一波長の光源であるレーザー光源による硬化時にも良好な結果が得られた。
実施例7
実施例1の感光性組成物をメチルエチルケトンで希釈し、この希釈水をキャリアフィルム上に塗布した後、60℃で2分、80℃で2分、110℃で2分、60℃で3分を行う、温度プロファイルで厚さ25μmの乾燥塗膜を形成し、その上に、カバーフィルムをラミネートして、ドライフィルムを得た。その後、カバーフィルムを剥離し、パターンが形成された銅箔基板にフィルムを熱積層でラミネートした後、表2に示された露光方法により露光を行った。以降、キャリアフィルムを除去した後、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像し、パターンを得て、150℃の熱風乾燥器で60分間、加熱硬化を行い、試験基板を製造した。この基板の切断面観察を介して前記のようなアンダーカット評価を行った結果、表2の実施例1と同様の結果が得られた。
実施例1の感光性組成物をメチルエチルケトンで希釈し、この希釈水をキャリアフィルム上に塗布した後、60℃で2分、80℃で2分、110℃で2分、60℃で3分を行う、温度プロファイルで厚さ25μmの乾燥塗膜を形成し、その上に、カバーフィルムをラミネートして、ドライフィルムを得た。その後、カバーフィルムを剥離し、パターンが形成された銅箔基板にフィルムを熱積層でラミネートした後、表2に示された露光方法により露光を行った。以降、キャリアフィルムを除去した後、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で90秒間現像し、パターンを得て、150℃の熱風乾燥器で60分間、加熱硬化を行い、試験基板を製造した。この基板の切断面観察を介して前記のようなアンダーカット評価を行った結果、表2の実施例1と同様の結果が得られた。
Claims (15)
- (1)カルボン酸基含有樹脂100重量部;
(2)光重合開始剤0.1〜20重量部;
(3)1μm以下の平均粒径及び3μm以下の最大粒径を有する充填剤0.1〜300重量部;及び
(4)分散剤0.1〜5重量部;
を含む感光性組成物。 - 前記カルボン酸基含有樹脂が、
1)多官能エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とを反応させた後、その反応結果物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物とを反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂;
2)前記カルボン酸基含有感光性樹脂1)に、さらに、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を同時に有する化合物を反応させ、得られるカルボン酸基含有感光性樹脂;又は前記カルボン酸基含有感光性樹脂1)と2)の混合物;
であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。 - 前記光重合開始剤が、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記充填剤が、硫酸バリウム、球状シリカ及び溶融シリカよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記分散剤が、脂肪族カルボン酸及びその塩、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル、ポリエステル−エステルカルボン酸塩、高分子ポリエステルカルボン酸のポリアミン塩、脂肪族アミン塩、第4級アンモニウム塩、長鎖ポリアミノアミド及びそのリン酸塩、長鎖ポリアミノアミドと高分子ポリエステル酸の中性塩、及び多官能高分子アクリル酸よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- さらに、光開始増減剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- さらに、分子中に2個以上オキシラン環を有する熱硬化性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 露光前の乾燥塗膜25μm厚さで、355nm及び375nm波長に対するそれぞれの吸光度が1.2〜1.8であり、405nm波長に対する吸光度が0.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物をキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して得られるドライフィルム。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物の乾燥された層を基板上に提供するステップ;
前記基板上の感光性組成物層を露光し、潜在的パターンを形成するステップ;及び
前記露光された感光性組成物層を現像するステップ;
を含む、基板上にパンターン化されたソルダレジストを形成する方法。 - 前記感光性組成物の乾燥された層を基板上に提供するステップが、その感光性組成物を基板上に直接塗布した後、乾燥する方法、又はその感光性組成物のドライフィルムを基板に接合させる方法によって行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記露光ステップが、フォトマスクを用いる一括露光法によって行われること特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記露光ステップが、フォトマスクを用いない直接描画法によって行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物のコーティング層を硬化させて得られる硬化膜。
- 請求項1〜8のいずれか1項に感光性組成物のパンターン化された硬化膜を含む基板。
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JP2014093063A JP2015210443A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 優れた吸光性を有し、微細パターン形成に適した感光性組成物 |
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CN113099624A (zh) * | 2021-04-06 | 2021-07-09 | 浙江欣旺达电子有限公司 | 一种线路板阻焊层的制作方法 |
-
2014
- 2014-04-28 JP JP2014093063A patent/JP2015210443A/ja active Pending
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