以下、この発明によるメール配信システムの実施形態を、図を参照しながら説明する。
[メール配信システムの第1の実施形態の全体の概要]
図1は、第1の実施形態のメール配信システムの全体の概要を示す図である。この図1に示すように、この実施形態のメール配信システムは、メールサーバ1に対して、メール送受信機能を有する送信会員端末2と、メール送受信機能を有する受信会員端末3とが通信ネットワーク4を通じて接続されている構成を備える。通信ネットワーク4は、インターネットや携帯電話網、更には、Wi−Fi(登録商標)通信網などを含むものである。通信ネットワーク4とメールサーバ1との接続及び通信ネットワーク4と送信会員端末2、受信会員端末3との接続は、以下の例では無線接続としたが、有線接続であっても勿論よい。
メールサーバ1は、この実施形態の受信条件付メールの配信サービスを提供するサービス事業者が備えるもので、Webサイトに設けられている。メールサーバ1は、通信ネットワーク4を通じてアクセスしてきた者に、受信条件付メールサービス提供案内用ホームページを提供し、受信条件付メールの送信会員としての登録、あるいは、受信条件付メールの受信会員としての登録、を受け付けることができるように構成されている。
受信条件付メールの送信会員あるいは受信会員になりたい者は、自身が所持するメールの送受信機能を含む通信機能を備える電子機器を用いて、通信ネットワーク4を通じて、このメールサーバ1(Webサイト)にアクセスし、受信条件付メールサービス提供案内用ホームページを通じて、それぞれ所定の登録情報をメールサーバ1に提供して会員登録を行うことにより、送信会員あるいは受信会員となることができる。メールサーバ1は、送信会員の登録情報を、送信会員登録情報記憶部11に記憶し、受信会員の登録情報を、受信会員登録情報記憶部12に記憶する。
この明細書では、送信会員となった者が所持する、メールの送受信機能を含む通信機能を備える電子機器を送信会員端末と称し、また、受信会員となった者が所持する、メールの送受信機能を含む通信機能を備える電子機器を受信会員端末と称することとする。
メールサーバ1は、送信会員となった者が所持する送信会員端末2に対して、受信条件付メール用の送信制御機能部を構成する送信制御アプリケーションプログラム(以下、送信制御アプリと略称する)を、この例では、通信ネットワーク4を通じてダウンロードさせることによって提供する。送信会員端末2は、メールサーバ1から受け取った送信制御アプリを、自端末が備えるCPU(Central Processing Unit)からなる制御部が、使用者による起動指示に応じて、当該送信制御アプリを実行できるようにインストールする。
また、メールサーバ1は、受信会員となった者が所持する受信会員端末3に対して、受信条件付メール用の受信制御機能部を構成する受信制御アプリケーションプログラム(以下、受信制御アプリと略称する)を、この例では、通信ネットワーク4を通じてダウンロードさせることによって提供する。受信会員端末3は、メールサーバ1から受け取った受信制御アプリを、自端末が備えるCPUからなる制御部が、使用者による起動指示に応じて、当該受信制御アプリを実行できるようにインストールする。
送信会員端末2は、メール送信端末を構成するもので、この例では、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで構成される。なお、この送信会員端末2は、据え置き型の電子機器であってもよいし、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末やタブレット端末のような携帯型の電子機器であってもよい。また、自動車や飛行機、船舶などの移動体に装備されて移動する電子機器であってもよい。さらに、腕時計端末、眼鏡装着型端末、コンタクトレンズなどに内蔵されるチップ型端末など、ウェアラブル端末であっても良い。
受信会員端末3は、メール受信端末を構成するもので、この例では、携帯型の電子機器であるスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末で構成される。なお、この受信会員端末3は、上述の送信会員端末2と同様に、携帯型の電子機器である必要はなく、据え置き型の電子機器であってもよい。
送信会員は、送信会員端末2にインストールされている送信制御アプリを起動させて、送信メールの本文内容を作成すると共に、受信条件としての当該受信条件付送信メールの受信場所に関する条件を入力する。入力する受信条件は、送信する受信条件付メールの受信場所に関する条件を少なくとも含むもので、送信会員の職種などの送信会員の属性情報や受信許可時間帯及び/または受信不可時間帯、さらに、送信会員が受信条件付メールの転送先として希望する受信会員の年齢、性別、職業などの属性情報など、その他の受信条件を含んでいてもよい。
送信会員端末2の送信制御アプリは、入力された受信条件を、この実施形態においては、添付ファイルとして、送信メールに添付して、受信条件付メールを作成し、メールサーバ1を宛先として送信する。メールサーバ1のメールアドレスは、送信制御アプリにデータとして付随しており、このメールサーバ1のメールアドレスを用いて、送信制御アプリは、受信条件付メールを、メールサーバ1を宛先として送信する。
メールサーバ1は、送信会員が所持する送信会員端末2から送られてくる受信条件付メールを、送信会員の登録情報及び受信会員の登録情報を参照することで、受信会員が所持する受信会員端末3に転送(配信)するようにするメール転送処理機能部13を備えている。
すなわち、メールサーバ1のメール転送処理機能部13は、送信会員端末2から送られてくる受信条件付メールを、この例では、送信会員登録情報記憶部11に記憶されている送信会員登録情報を参照することで、送信会員からの受信条件付メールであることを確認する。そして、メールサーバ1のメール転送処理機能部13は、受信会員登録情報記憶部12を参照することで、会員登録されている全ての受信会員を把握(受信会員のメールアドレスを把握)し、この例では、その全ての受信会員の受信会員端末3に宛てて、送信会員からの受信条件付メールを転送(配信)するようにする。
なお、全ての受信会員にメール転送するのではなく、一部の受信会員に転送するようにしてもよい。
そして、受信制御アプリは、受信条件付メールの受信を確認したときには、当該受信条件付メールの添付ファイルから受信条件の情報を抽出する。そして、受信制御アプリは、受信会員端末3が備える受信位置情報取得手段から受信位置情報を取得して、その取得した受信位置情報で示される位置が、抽出した受信条件の内の当該受信条件付メールを受信する場所に関する条件が合致するかどうかを少なくとも判断する。
そして、受信制御アプリは、取得した受信位置情報で示される位置が、抽出した条件に合致すると判断したときには、その他の受信条件をもチェックし、全ての受信条件に合致したときには、受信した受信条件付メールを受信ホルダーに格納すると共に、受信会員端末3の使用者に、メールの着信を通知する等、通常の受信メールと同様の処理を行う。使用者は、メールの着信通知に基づいて、当該受信メールを選択して開くことで、その内容を知ることができる。
また、受信制御アプリは、この例では、取得した受信位置情報で示される位置が、抽出した条件に合致してはいないと判別したときには、受信した受信条件付メールは受信ホルダーに格納せずに廃棄し、受信会員端末3の使用者に対する呈示、この例ではメールの着信は通知しない。なお、受信条件付メールの着信通知などの使用者に対する呈示はしないが、「受信拒否した受信条件付メール」の格納エリアを設けて一時保存し、後の時点で、ユーザによる「受信拒否した受信条件付メール」の開封操作に対応し、開封することができるようにしてもよい。
[メール配信システムの各部のハードウエア構成例]
<メールサーバ1のハードウエア構成例>
図2は、この実施形態のメール配信システムを構成するメールサーバ1のハードウエア構成例を示すブロック図である。この例のメールサーバ1は、コンピュータで構成されており、図2に示すように、システムバス10を介して、制御部14と、通信部15と、メール転送用バッファ16と、前述した送信会員登録情報記憶部11及び受信会員登録情報記憶部12とが接続されている。
制御部14は、メールサーバ1の全体を制御するためのもので、内蔵するメモリ(図示は省略)に格納するプログラムに従って各種の機能を実行する。この例では、プログラムに従って機能処理を実行するソフトウェア機能部として、会員登録処理機能部17と、メール送受信機能部18と、前述したメール転送処理機能部13とが含まれる。
通信部15は、送信会員端末2や受信会員端末3、その他の通信端末と、通信ネットワーク4を通じた通信を行う。メール転送用バッファ16は、受信した受信条件付メールを、転送のために格納保持するためのバッファメモリである。
会員登録処理機能部17は、メールサーバ1にアクセスしてきた利用者による送信会員登録要求、あるいは、受信会員登録要求に応じた処理、及び送信会員登録情報の変更要求あるいは受信会員登録情報の変更要求に対する処理を実行する。
メール送受信機能部18は、メールサーバ1を宛先として送られてくるメールを受信し、また、このメールサーバ1からの送信メールを、指定された宛先に送信する機能を備える。そして、このメール送受信機能部18は、受信したメールが送信会員からの受信条件付メールであるか否かの判断機能を備え、受信したメールが送信会員からの受信条件付メールであると判別したときには、当該受信条件付メールをメール転送用バッファ16に一時格納し、その後の処理をメール転送処理機能部13に移行させる。
メール転送処理機能部13は、メール転送用バッファ16に格納されている受信条件付メールを、予め定められている転送態様で、受信会員登録情報記憶部12に記憶されている受信会員の全てに対して転送するようにする。この実施形態では、メールサーバ1における受信条件付メールの転送態様としては、複数種が用意されており、送信会員登録の際に、送信会員になろうとする者に、その複数種の転送態様から選択してもらい、送信会員登録情報の一部として、受信会員登録情報記憶部12に記憶するようにする。
<送信会員端末のハードウエア構成例>
図3は、この実施形態のメール配信システムを構成する送信会員端末2のハードウエア構成例を示すブロック図である。送信会員端末2は、メール送信端末を構成するもので、この例の送信会員端末2は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションで構成されており、図3に示すように、制御部21に対して、システムバス20を介して、通信部22と、表示部23と、操作入力部24と、送信メール生成用バッファ25と、現在位置検出部26と、が接続されている。
制御部21は、送信会員端末2の全体を制御するためのもので、内蔵するメモリ(図示は省略)に格納するプログラムに従って各種の機能を実行する。この例では、プログラムに従って機能を実行するソフトウェア機能部として、メール送受信機能部211と、前述した送信制御アプリからなる送信制御機能部212とが含まれる。
通信部22は、通信ネットワーク4を通じてメールサーバ1などと通信を行うためのものである。表示部23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などからなる。制御部21は、メールサーバ1から送られてくるホームページの画像を、ブラウザ機能を用いて、表示部23の表示画面に表示したり、受信条件付メールを送信する際に、送信制御アプリからなる送信制御機能部212に基づいて、メール本文や受信条件などの必要な情報を入力するための送信メール用画面を、表示部23の表示画面に表示したりする。
操作入力部24は、キーボード、テンキー、タッチパッドやマウスなどのポインティングデバイスを含む。操作入力部24は、表示部23の表示画面に、操作入力部24の一部を構成するタッチパネルが重畳されて配置されていてもよいし、送信会員端末2本体に対して外付けであってもよい。また、操作入力部は音声入力であってもよい。制御部21は、操作入力部24を通じた使用者の操作入力に応じた処理を行い、必要に応じて表示部23の表示画面に、操作入力に応じた表示を行うようにする。
送信メール生成用バッファ25は、送信する受信条件付メールなどの送信メールを、その生成の際に、添付ファイルも含めて一時格納しておくためのバッファメモリである。
現在位置検出部26は、例えばGPS(Global Positioning System)測位機能を有し、送信会員端末2の現在位置の位置情報(緯度、経度、高度)を検出する機能を備える。ただし、この位置情報の内、高度の検出はできなくてもよい。この現在位置検出部26は、後述するように、受信条件として受信場所に関する情報を指定する場合において、特に現在位置を中心とした地域領域を設定する場合に用いられる。
なお、現在位置検出部26は、GPS測位機能を有しない場合でも、Wi-Fi(登録商標)を用いて、送信会員端末2の周囲にある無線LANアクセスポイントを特定し、送信会員端末2に記録されたアクセスポイントの位置情報から推測することなどによっても実現できる。
制御部21のメール送受信機能部211は、この送信会員端末2を宛先に送られてくるメールを受信し、また、この送信会員端末2から送信する送信メールを生成し、指定された宛先に送信する機能を備える。
送信制御機能部212は、使用者により受信条件付メールを送信する際に起動される。そして、この送信制御機能部212は、使用者の操作入力部24を通じて操作入力に応じて、送信メールを生成すると共に受信条件の入力を受け付ける。そして、後述するようにして、送信制御機能部212は、受け付けた受信条件を、生成した送信メールに自動的に付加、この例では、添付ファイルとして添付して、受信条件付メールを生成し、その生成した受信条件付メールを使用者の送信指示に応じて、メールサーバ1を宛先として送信するようにする。送信制御機能部212の処理の詳細については、更に後述する。
<受信会員端末のハードウエア構成例>
図4は、この実施形態のメール配信システムを構成する受信会員端末3のハードウエア構成例を示すブロック図である。受信会員端末3は、メール受信端末を構成するもので、この例の受信会員端末3は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末で構成されており、図4に示すように、制御部31に対して、システムバス30を介して、通信部32と、表示部33と、操作入力部34と、携帯電話回路部35と、受信メールバッファ36と、受信位置情報取得部37と、時計部38と、が接続されている。
制御部31は、受信会員端末3の全体を制御するためのもので、内蔵するメモリ(図示は省略)に格納するプログラムに従って各種の機能を実行する。この例では、プログラムに従って機能を実行するソフトウェア機能部として、メール送受信機能部311と、前述した受信制御アプリからなる受信制御機能部312とが含まれる。
通信部32は、通信ネットワーク4を通じて携帯電話通信を行ったり、メールサーバ1などと通信を行ったりするためのものである。表示部33は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などからなる。制御部31は、携帯電話機能用の画面を表示部33の表示画面に表示したり、メールサーバ1から送られてくるホームページの画像を、ブラウザ機能を用いて、表示部33の表示画面に表示したり、受信条件付メールを受信した際に、受信制御アプリからなる受信制御機能部312に基づいて、受信メール本文の内容を、表示部33の表示画面に表示したりする。
操作入力部34は、この例では、表示部33の表示画面に、タッチパネルが重畳されて配置されて構成されている。制御部31は、操作入力部34を通じた使用者の操作入力に応じた処理を行い、必要に応じて表示部33の表示画面に、操作入力に応じた表示を行うようにする。
携帯電話回路部35は、マイクロフォンからなる送話器、スピーカからなる受話器、及び音声コーデック回路を備える通話回路等からなる。
受信メールバッファ36は、送信する受信条件付メールなどを生成する際に一時格納しておくためのバッファメモリである。
受信位置情報取得部37は、例えばGPS(Global Positioning System)測位機能を有し、受信会員端末3の現在位置の位置情報(緯度、経度、高度)を検出する現在位置検出機能部(図示は省略)を備える。ただし、この位置情報の内、高度の検出はできなくてもよい。この例の受信会員端末3は、高機能携帯電話端末であるので、受信位置情報取得部37の現在位置検出機能部は、携帯電話基地局の位置情報を用いたり、Wi-Fi(登録商標)のアクセスポイントの位置情報を用いたり、ジャイロセンサなどの移動センサや加速度センサ、方位センサなどを用いたりして、GPS測位機能で測位して検出した現在位置を補正して、GPS電波が届かない室内においても、詳細な現在位置を検出することができるようにされている。もちろん、GPS測位機能を有さなくても、携帯電話基地局の位置情報やWi-Fi(登録商標)のアクセスポイントの位置情報などから、現在位置を検出するようにすることができる。
この場合には、受信位置情報取得部37は、現在位置検出機能部で検出した現在位置の位置情報を受信位置情報として取得し、受信位置情報で示される位置は、検出された現在位置の位置情報から直接的に認識することができる。
また、受信位置情報取得部37は、受信位置の入力受付機能部(図示は省略)を有し、受信位置の例としての現在位置について、住所や、「新宿駅」、「羽田空港」、「スカイツリー」、「○○デパート渋谷店」などの場所名、施設名、建物名などの入力を受け付けることができるようにしている。そして、この例では、受信位置情報取得部37は、通信部32を通じて通信ネットワーク4に含まれるインターネットの地図情報サイトなどの所定のサイトにアクセスし、受け付けた住所や場所名、施設名、建物名などを検索キーワードとして対応する位置情報(緯度、経度、高度)の検索要求をして、所定のサイトから前記位置情報を取得する機能を有する。
この機能は、受信会員がそのエリアに入ったときに、積極的に受信条件付メールの受信を限定したいときなどに、特に有用である。例えば、「スカイツリー」と入力しておくことで、「スカイツリー」の場所で受信条件付メールを確実に入手できるようにすることができる。
この場合には、受信位置情報取得部37は、入力された場所名、施設名、建物名などを受信位置情報として取得し、この取得した受信位置情報で示される位置の位置情報を、インターネットを通じて取得する。
なお、受信会員端末3が地図データベースを備え、入力された場所名、施設名、建物名などに対応する位置情報(緯度、経度)を取得することができる場合には、上述のような通信ネットワーク4に含まれるインターネットの所定のサイトへのアクセスは不要であることは言うまでもない。また、受信会員は、受信会員端末3の現在位置検出機能部で検出した現在位置の位置情報を通信ネットワーク4に含まれるインターネットの地図情報サイトなどに送り、現在位置に対応する場所名、施設名、建物名などを取得して、それを受信位置(受信場所)とするように指定してもよい。
この受信位置情報取得部37は、後述するように、受信条件付メールに添付されている、受信場所に関する情報からなる受信条件に、当該受信会員端末3の受信位置情報取得部37で取得された受信位置が合致するか否かを判定するために用いられる。
時計部38は、年、月、日のカレンダー情報及び時、分、秒の現在時刻情報を発生する。この時計部38は、後述するように、受信条件の一部として、受信メールの受信を可もしくは不可とする年、月、日や、1日の内の時間帯などが受信会員により設定されたときに、その年、月、日や、時間帯の監視のために用いられる。なお、受信を許可する年、月、日の設定は、連続する複数年、複数月、複数日の設定であってもよい。
メール送受信機能部311は、この受信会員端末3を宛先に送られてくるメールを受信し、受信メールバッファ36に格納する。また、メール送受信機能部311は、この受信会員端末3から送信する送信メールを生成し、指定された宛先に送信する機能を備える。
受信制御機能部(受信制御アプリ)312は、この実施形態においては、受信会員端末3にインストールされた後には、当該受信会員端末3に電源が投入されている状態においてメールが受信されると、自動的に起動されるように構成されている。そして、この受信制御機能部(受信制御アプリ)312は、メール送受信機能部311に優先して受信したメールをチェックし、メールサーバ1からの受信条件付メールかどうか判断し、受信条件付メールであると判断したときには、その後の受信処理を、当該受信制御機能部312が行う。受信したメールが受信条件付メールではないと判別したときには、受信制御機能部312は、その後の受信処理を、メール送受信機能部311に行わせるように移行させる。受信制御機能部312の処理の詳細については、更に後述する。
なお、使用者(受信会員)が、この受信制御機能部(受信制御アプリ)312を使用したいときにのみ、起動するようにして、受信制御機能部をオン、オフすることができるようにしてもよい。
[メール配信システムにおける処理動作例]
<会員登録処理>
メールサーバ1の制御部14の会員登録処理機能部17による会員登録処理の流れの一例を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、会員登録処理機能部17の処理は、制御部14が、会員登録処理機能部17を構成するプログラムに従って行うので、以下の説明においては、図5のフローチャートの各ステップの処理は、制御部14が行うものとして説明する。
制御部14は、先ず、通信ネットワーク4を通じたホームページ(メールサーバ1のWebサイト)へのアクセスを受信したか否か判別し(ステップS101)、アクセスを受信していなければ、当該ステップS101を繰り返す。このステップS101で、通信ネットワーク4を通じたホームページへのアクセスを受信したと判別したときには、制御部14は、アクセスしてきた者の通信端末に、通信ネットワーク4を通じてホームページを提供する(ステップS102)。
次に、制御部14は、アクセスしてきた者が会員登録要求をしてきたか否か判別し(ステップS103)、会員登録要求以外を指定したときには、その指定された要求に応じた処理を行う(ステップS113)。
ステップS103で、アクセスしてきた者(アクセス者)が会員登録要求をしてきたと判別したときには、制御部14は、その会員登録要求が送信会員登録要求か、受信会員登録要求かを判別する(ステップS104)。
このステップS104で、送信会員登録要求であると判別したときには、制御部14は、例えば図6(A)に示すような送信会員登録用ページを、アクセス者側に通信ネットワーク4を通じて提供し、アクセス者の通信端末の表示部の表示画面に表示させるようにする(ステップS105)。この送信会員登録用ページには、図6(A)に示すように、送信会員になろうとしている者が登録すべき複数個の項目の情報の入力欄221〜226が呈示されており、その入力欄221〜226への登録情報の入力が促される。
図6(A)の例においては、入力欄221〜226の入力項目が全て必須入力項目とされているので、送信会員になろうとしているアクセス者が、この図6(A)の送信会員登録用ページの画面において、この例では、入力欄221〜226の全てに入力して、完了ボタン(アイコンボタン)227をクリック操作すると、アクセス者の通信端末からその入力された登録情報がメールサーバ1に送信される。なお、中止ボタン(アイコンボタン)228がアクセス者によりクリック操作されると、送信会員登録の処理は中止されて、この処理ルーチンは終了となる。
そして、メールサーバ1は、送信会員になろうとしているアクセス者が前記入力欄221〜226の全てに入力して送信してきた情報を、送信会員登録情報として受け付け(ステップS106)、当該受け付けた送信会員登録情報を、送信会員登録情報記憶部11に格納記憶する(ステップS107)。
そして、このステップS107の次には、メールサーバ1は、送信会員になろうとしているアクセス者の通信端末に対して、送信制御アプリ(プログラム)を、通信ネットワーク4を通じてダウンロードさせることによって提供し、当該通信端末から送信制御アプリの受信完了の通知を受けた後、送信会員登録完了を通知する(ステップS108)。そして、メールサーバ1は、アクセス者との通信路を切断して、この処理ルーチンを終了する。
このとき、送信会員になろうとしているアクセス者の通信端末では、メールサーバ1から送信会員登録完了の通知を受信すると、メールサーバ1からダウンロードされてきた送信制御アプリのインストール指示が、使用者に対してなされる。そこで、使用者は、送信制御アプリの当該通信端末へのインストール指示を行い、これに応じて通信端末では、送信制御アプリのインストール処理を実行する。これにより、送信会員になろうとしているアクセス者の通信端末は、送信会員端末となり、その使用者(アクセス者)は、送信会員となる。
なお、送信制御アプリは、前述もしたように、送信会員端末から受信条件付メールをメールサーバ1に宛てて送信するようにするが、その宛先としてのメールサーバ1のメールアドレスが、送信制御アプリに付随するデータとして、ダウンロードされる送信制御アプリに含まれている。さらに、この例では、送信会員の登録情報の内、送信会員の属性情報、この例では後述する「職種(ジャンル)」の情報が、受信条件の一部として自動的に含められるように、送信制御アプリに付随するデータとして、ダウンロードされる送信制御アプリに含まれている。
図7(A)に、この例における送信会員登録情報記憶部11の記憶内容である送信会員登録情報の例を示す。すなわち、この例では、ステップS105の送信会員登録用ページの入力欄221,222,223,224,225,226のそれぞれの登録項目は、図6(A)に示したように、「名前」、「会員ID(Identification:識別情報)」、「パスワード」、「メールアドレス」、送信会員になろうとしているアクセス者の「職種」、受信条件付メールの「転送態様」、とされている。
なお、この発明における送信会員の登録情報としての必須の情報は、メールサーバ1が送信会員を一意に識別することが情報であり、「名前」、「会員ID」、「パスワード」、「メールアドレス」、のいずれか、あるいは、その複数個の組み合わせであればよい。しかし、この実施形態においては、それらすべての項目と、それら以外の送信会員の属性、この例では「職種」及び送信会員が選択する「転送態様」の登録項目も、必須項目としてユーザに要請され、ユーザがそれらを入力して登録しておくことで、後述するような種々のサービス態様を享受することができるようにしている。
ここで、「職種」とは、送信会員になろうとしている者が属する職種である。この例では、メールサーバ1が、図6(A)に示した送信会員登録用ページにおいて、入力欄225において、「▽」マーク225aをクリックすることで、プルダウンメニューとして、レストラン、デパート、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア(コンビニ)、書店、など、予め定めて用意した複数種の職種の一覧を呈示し、その中から送信会員になろうとする者に選択してもらうことで登録を受け付けるようにする。なお、該当する職種が無いことを考慮して、「その他」を職種の一つとして一覧表示するようにしている。
そして、この実施形態では、この登録された「職種」の情報は、当該送信会員になろうとする通信端末にダウンロードする送信制御アプリに、送信会員の職種データとして付随させるようにする。
また、「転送態様」は、送信会員からの受信条件付メールのメールサーバ1が実行する転送態様の種別である。この例においては、例えば図8に示すように、受信条件付メールの転送回数、転送期間、転送頻度などに応じて複数通りの種別の転送態様が、予めメールサーバ1側において用意されている。
そして、メールサーバ1が、図6(A)に示した送信会員登録用ページにおいて、入力欄226において、「▽」マーク226aをクリックすることで、プルダウンメニューとして、例えば図8に示すような表として当該複数通りの種別の転送態様の一覧を呈示し、その中から送信会員になろうとするアクセス者に選択してもらうことで登録を受け付けるようにする。
この実施形態では、図8に示したように、メールサーバ1を所持管理するサービス業者は、選択された転送態様に応じた料金を、送信会員に課金するようにする。送信会員になろうとしているアクセス者は、料金をも考慮して、転送態様の種別を選択して、登録する。メールサーバ1は、転送態様のいずれかを送信会員になろうとするアクセス者が選択すると、クレジット払い、振込み払いなどの課金処理方法のページを提供し、その課金処理方法の選択をも送信会員の登録情報として受け付けるようにする。なお、図7(A)の例の送信会員登録情報では、課金処理方法の項目については省略してある。また、料金については一例であり、これより高くてもよいし、安くてもよい。さらに、無料であってもよい。
なお、この実施形態では、送信会員が、メールサーバ1にアクセスして、前述のステップS113の「その他の処理」に含まれる登録情報の変更処理をすることにより、自分の送信会員登録情報を変更することができる。したがって、送信会員は、送信会員登録情報の内の転送態様の種別を、受信条件付メールの送信前に変更することで、いつでも希望する転送態様で受信条件付メールの送信をすることができる。なお、メールサーバ1は、登録情報の変更処理の要求を受けたときには、登録した会員IDとパスワードによる送信会員の認証を行い、認証がOKである場合にのみ、当該送信会員による登録情報の変更を受け付ける。
ここで、図8に示した例の転送態様の項目の「転送回数/日」は、受信条件付メールを送信した日(送信日当日)における転送回数が1回か、複数回かを示している。また、「転送期間」は、受信条件付メールを送信した日を基準にした、転送を実行する期間を示している。さらに、「転送頻度」は、転送回数が複数回の場合の受信条件付メールの転送頻度を示している。また、この例では、「料金/回」は、受信条件付メールの転送1回(1通)当たりの料金としている。
なお、図8に示した転送態様の例は、一例であり、これに限られるものではないことは言うまでもない。例えば転送期間は、1日単位としたが、半日単位としてもよいし、昼間と夜間として、夜間は低料金に設定してもよい。また、平日のみ、土曜日のみ、日曜日のみ、休日のみなどを、転送期間として設けてもよい。
次に、ステップS104において、アクセス者の会員登録要求が受信会員登録要求であると判別したときには、制御部14は、例えば図6(B)に示すような受信会員登録用ページを、アクセス者側に通信ネットワーク4を通じて提供し、アクセス者の通信端末の表示部の表示画面に表示させるようにする(ステップS109)。この受信会員登録用ページには、図6(B)に示すように、受信会員になろうとしているアクセス者が登録すべき複数個の項目の情報の入力欄321,322,323,334が呈示されており、その入力欄321〜324への登録情報の入力が促される。
図6(B)の例においては、入力欄321〜324の内の入力欄322〜324が必須入力項目とされているので、受信会員になろうとしているアクセス者が、この図6(B)の受信会員登録用ページの画面において、少なくともこれらの入力欄322〜324の全てに入力して、完了ボタン(アイコンボタン)325をクリック操作すると、アクセス者の通信端末からその入力された登録情報がメールサーバ1に送信される。なお、中止ボタン(アイコンボタン)326がアクセス者によりクリック操作されると、受信会員登録の処理は中止されて、この処理ルーチンは終了となる。
そして、メールサーバ1は、受信会員になろうとしているアクセス者の通信端末から送信されてきた情報を、受信会員登録情報として受け付け(ステップS110)、当該受け付けた受信会員登録情報を、受信会員登録情報記憶部12に格納記憶する(ステップS111)。
そして、このステップS111の次には、メールサーバ1は、受信会員になろうとしているアクセス者の通信端末に対して、受信制御アプリ(プログラム)を、通信ネットワーク4を通じてダウンロードさせることによって提供し、当該通信端末から受信制御アプリの受信完了通知を受けた後、受信会員登録完了を通知する(ステップS112)。そして、メールサーバ1は、アクセス者との通信路を切断して、この処理ルーチンを終了する。
このとき、受信会員になろうとしているアクセス者の通信端末では、メールサーバ1から受信会員登録完了の通知を受けると、メールサーバ1からダウンロードされてきた受信制御アプリのインストール指示が、使用者に対してなされる。そこで、使用者は、受信制御アプリの当該通信端末へのインストール指示を行い、これに応じて通信端末では、受信制御アプリのインストール処理を実行する。これにより、受信会員になろうとしているアクセス者の通信端末は、受信会員端末となり、その使用者(アクセス者)は、受信会員となる。
図7(B)に、この例における受信会員登録情報記憶部12の記憶内容である受信会員登録情報の例を示す。すなわち、この例では、ステップS109の受信会員登録用ページの入力欄321,322,323,324のそれぞれの登録項目は、図6(B)に示したように、「名前」、「会員ID」、「パスワード」、「メールアドレス」、とされている。
なお、この発明における受信会員の登録情報としての必須の情報は、メールサーバ1が受信条件付メールの転送先としての受信会員の「メールアドレス」のみで良い。受信会員の「名前」は必須項目ではなく、任意の入力項目である。また、受信会員の「会員ID」、「パスワード」は、メールサーバへの登録情報の変更要求の際に必要な情報であり、この例では、必須の項目とされている。しかし、受信会員の登録情報の変更を考慮しなければ、これら「会員ID」及び「パスワード」も任意入力項目とすることができる。
<受信条件付メールの送信時処理(送信制御アプリの処理例)>
次に、送信会員端末2における受信条件付メールの生成及び送信処理の流れの一例を、図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図9の例の処理は、送信会員端末2の制御部21が、送信制御アプリ(送信制御機能部212)に従って行うので、以下の説明においては、図9の各ステップの処理は、制御部21が行うものとして説明する。
制御部21は、使用者(送信会員)によって送信制御アプリが起動されたときに、図9の処理ルーチンを開始するようにする。
すなわち、制御部21は、送信制御アプリが起動されると、受信条件付メールの作成画面の初期画面を、表示部23の表示画面に表示する(ステップS201)。この初期画面には、受信条件付メールの作成及び送信のための処理を開始することと、メールの件名は受信条件付メールであることを識別することができる件名、この例では[受信条件付メール]という件名に自動設定されると共に、宛先は、メールサーバ1に自動設定されることが表示される。そして、この例では、メールの件名と宛先の入力は不要であって、メールの件名と宛先の入力は禁止されていることが表示画面に表示されて、送信会員に対して報知される。なお、メールの件名と宛先の入力について、送信会員が入力できるようにしてもよい。
次に、制御部21は、送信するメールについての受信条件の入力を促すメッセージを伴う受信条件受付画面を表示部23の表示画面に表示して、受信条件を受け付けるようにする(ステップS202)。前述したように、この受信条件として、この実施形態では、受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報を受け付ける。この受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報は、この例では、受信を許可する地域範囲の情報として受け付けられる。例えば指定された位置を中心とした、指定された半径の円形の地域範囲を、受信を許可する地域範囲の情報として受け付けるようにされており、表示部23の表示画面の受信条件受付画面には、当該円形の地域範囲の中心位置の入力欄と、その半径の入力欄とが表示されている。
この場合に、送信会員端末の使用者(送信会員)は、円形の地域範囲の中心位置としては、「現在位置」の他、所定の住所や、「新宿駅」、「羽田空港」、「スカイツリー」、「○○デパート渋谷店」などの場所名、施設名、建物名などを入力して指定することができる。現在位置はデフォルト値として、中心位置の入力欄に初期的に表示されている。送信会員は、円形の地域範囲の中心位置として「現在位置」以外を希望するときには、当該デフォルト値の現在位置を削除して、指定したい中心位置を特定することができる住所、場所名、施設名、建物名などを入力する。
円形の地域範囲の中心位置として「現在位置」が指定されたときには、制御部21は、現在位置検出部26で検出された現在位置の位置情報(緯度、経度)を、円形の地域範囲の中心位置の位置情報として添付ファイル用のバッファメモリに格納する。円形の地域範囲の中心位置として現在位置以外の住所、場所名、施設名、建物名などが指定されたときには、制御部21は、通信ネットワーク4を通じて地図情報サイトにアクセスし、指定された住所、場所名、施設名、建物名などの位置情報(緯度、経度)の取得要求をすることで、それらの位置情報(緯度、経度)を取得して、円形の地域範囲の中心位置の位置情報として添付ファイル用のバッファメモリに格納する。
円形の地域範囲の半径は、当該半径の入力欄において、例えばプルダウンメニューとして用意されている、例えば「100メートル」、「500メートル」、「1キロメートル」、「2キロメートル」、などの中から送信会員が選択指定することで指定される。このような選択指定ではなく、送信会員が、半径の値を直接的に記述して指定することができるようにしても勿論よい。制御部21は、以上のようにして指定された円形の地域範囲の半径の値を、円形の地域範囲の半径の情報として添付ファイル用のバッファメモリに格納する。
なお、受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報としての受信を許可する地域範囲の情報は、円形の地域範囲を特定する中心位置と半径とからなる情報に限られるものではない。例えば、複数地点を指定することで特定される多角形や、互いに隣接する2点を直線で結ぶことで形成される任意の形状の地域範囲であってもよい。例えば、送信会員は、三角形の地域範囲を指定する場合には、予め、当該指定する三角形の頂点の3地点の情報(位置情報(緯度、経度)のほか、住所、場所名、施設名、建物名でもよい)を定めて、それを受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報として入力する。制御部21は、その入力された3地点の情報に基づいて、上述と同様にして、必要に応じて通信ネットワーク4を介することで、それらの3地点の位置情報(緯度、経度)を取得する。そして、制御部21は、その3地点の位置情報(緯度、経度)を、受信場所に関する条件の情報としての受信を許可する地域範囲の情報として、添付ファイル用のバッファメモリに格納するようにする。
なお、受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報としての受信を許可する地域範囲の指定については、通信ネットワーク4を通じて接続可能である地図情報サイトを利用するようにすることもできる。すなわち、その場合には、制御部21は、先ず、通信ネットワーク4を通じて地図情報サイトにアクセスして、地図(例えば日本の地図)の情報を取得し、表示部23の表示画面に地図を表示する。この地図情報の取得に先立ち、例えば「現在位置」、「所定の住所」、「新宿駅」、「羽田空港」、「スカイツリー」、「○○デパート渋谷店」などの場所名、施設名、建物名などにより、表示する地図範囲の中心位置の指定を送信会員から受け付け、当該指定された位置を中心とした地図情報を地図情報サイトから取得して表示画面に表示するようにする。
そして、制御部21は、この地図上において、受信場所に関する条件となる情報が、円形の地域範囲の情報であれば、送信会員による当該円形の地域範囲の中心位置(緯度、経度)の指定と、半径の指定とを受け付けて、それを送信会員が指定する受信場所に関する条件として添付ファイル用のバッファメモリに格納するようにする。このようにすれば、送信会員は、地図上において、受信場所に関する条件となる地域範囲を指定することができ、便利である。そして、表示部23の表示画面に表示されている地図上に、指定された円形の地域範囲を、当該円形の枠線で囲む、当該円形の地域範囲を他の部分とは区別することができるように所定の透明色で表示する、などにより、送信会員に報知するようにすれば、送信会員は、自分が指定した地域範囲を確認することができて便利である。
また、この表示部23の表示画面に表示した地図を用いれば、円形の地域範囲だけでなく、多角形の地域範囲や、互いに隣接する2点を直線で結ぶことで形成される任意の形状の地域範囲を容易に指定することができる。すなわち、地図上においては、送信会員は、多角形の地域範囲や任意の形状の地域範囲の各頂点の位置を、例えば時計回りに順次に指定するようにする。この場合にも、当該多角形の地域範囲の輪郭を枠線で囲む、当該多角形の地域範囲を他の部分とは区別することができるように所定の透明色で表示する、などにより、送信会員に報知することができる。
なお、送信会員が、場所名、施設名、建物名などを直接指定する受信場所に関する条件として、添付ファイル用のバッファメモリに格納するようにすることもできる。この場合その指定された場所、施設、建物などにいる受信会員のみに通知することができる。ただし、この場合には、受信会員端末3の受信位置情報取得部37が、その指定された場所、施設、建物などを、受信位置情報の例としての現在位置の位置情報として、検出する手段ないし特定する手段を有するか、あるいは、受信位置情報として、対応する場所名、施設名、建物名などの入力を、受信会員から受け付けるようにしておく必要がある。
ステップS202の次には、制御部21は、受信条件の受付を完了したか否か判別して、その受付完了を待つ(ステップS203)。このステップS203で受信条件の受付完了を確認したときには、制御部21は、受け付けた受信条件を添付ファイルとして生成する(ステップS204)。この例では、上述した受信場所に関する条件の情報に加えて、送信制御アプリに付随するデータとされている送信会員の登録情報の「職種」が含められて、受信条件の情報として添付ファイルが生成される。
次に、制御部21は、メール本文の作成を促すメッセージを表示部23の表示画面に表示して、送信会員にメール本文の作成を促す(ステップS205)。そして、制御部21は、送信会員によるメール本文の作成を受け付ける(ステップS206)。この場合、メール本文は、受信会員が受信条件として指定された受信場所に居るなど、受信条件として指定された受信場所を受信位置とする受信会員にとって有益となると予想される内容とされる。例えば新宿駅の近傍に所在する店舗が送信会員である場合に、新宿駅から1kmの範囲内に所在する受信会員に、サービス情報を知らせるメールを送る場合等が例として挙げられる。
次に、制御部21は、送信会員による送信実行指示を監視し(ステップS207)、送信実行指示がなされていないと判別したときには、送信会員によって中止操作がなされたか否か判別し(ステップS209)、中止操作はなされていないと判別したときには、処理をステップS206に戻して、このステップS206以降の処理を繰り返す。ステップS209で、中止操作がなされたと判別したときには、制御部21は、処理を中止し(ステップS210)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS207で、送信実行指示がなされたと判別したときには、制御部21は、ステップS206で受け付けたメール本文に、受信条件の添付ファイルを付加した受信条件付メールを、メールサーバ1に宛てて送信する処理を実行し(ステップS208)、その後、この処理ルーチンを終了する。
<メールサーバでの転送処理>
次に、メールサーバ1における、送信会員端末から送られてくる受信条件付メールの転送処理の流れの一例を、図10のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図10の例の処理は、メールサーバ1の制御部14が、メール転送処理機能部13に従って行うので、以下の説明においては、図10の各ステップの処理は、制御部14が行うものとして説明する。
制御部14は、受信条件付メールを受信したか否か判別する(ステップS121)。このステップS121においては、制御部14は、この例では、受信したメールの件名と、送信者のメールアドレスとから受信条件付メールを判別する。すなわち、この例では、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であるか否か判別し、受信したメールの件名が[受信条件付メール]でなければ受信条件付メールではないと判断する。そして、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であると判別したときには、送信会員登録情報記憶部11に記憶されている送信会員の中に、送信者のメールアドレスと一致しているメールアドレスが存在しているか否か判別し、一致しているメールアドレスが存在している場合には、受信したメールは、受信条件付メールであると判断するようにする。
なお、このステップS121での受信条件付メールであるか否かの判別処理は、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であるか否かの判別処理のみとしてもよいし、送信会員登録情報記憶部11に記憶されている送信会員の中に、送信者のメールアドレスと一致しているメールアドレスが存在しているか否かの判別処理のみとしてもよい。しかし、この例のように、2段階の判別処理により、受信条件付メールであるか否かの判断を、より高確度で行うことができる。
また、この実施形態では、送信会員登録情報として、転送態様が送信会員の各個に対応して登録されているので、メールサーバ1では、送信者のメールアドレスから、送信会員を特定する必要がある。なお、メールサーバ1における受信条件付メールの転送態様が、1種類のみである場合には、送信会員登録情報に転送態様が含まれないので、受信条件付メールの送信会員を特定する必要はなく、受信条件付メールであることのみを判別することができれば、メールサーバ1は転送処理が可能である。
ステップS121で、受信条件付メールを受信してはいないと判別したときには、制御部14は、会員登録処理や、会員登録情報の修正(更新)処理などや、通常のメールの受信処理などのその他の処理を行うようにする(ステップS122)。
ステップS121で、受信条件付メールを受信したと判別したときには、制御部14は、受信した受信条件付メールを、メール転送用バッファ16に一時格納する(ステップS123)。
次に、制御部14は、送信会員登録情報記憶部11を参照して、ステップS121において検出した、受信した受信条件付メールの送信者のメールアドレスと一致しているメールアドレスを登録している送信会員に対応して登録されている転送態様を把握する(ステップS124)。
次に、制御部14は、ステップS124で把握した転送態様で、受信会員登録情報記憶部12に記憶されている全ての受信会員のメールアドレス宛に、ステップS123でメール転送用バッファ16に一時格納している受信条件付メールの転送処理を実行する(ステップS125)。
そして、制御部14は、全ての受信会員に対する、ステップS124で把握した転送態様での受信条件付メールの転送処理が完了したか否か判別し(ステップS126)、完了していないと判別したときには、処理をステップS125に戻して、ステップS124で把握した転送態様での転送処理を継続する。
ステップS126で、全ての受信会員に対する、ステップS124で把握した転送態様での受信条件付メールの転送処理が完了したと判別したときには、制御部14は、受信条件付メールの転送処理を停止し(ステップS127)、メール転送用バッファ16に一時格納している受信条件付メールを消去して(ステップS128)、この処理ルーチンを終了する。
なお、この図10の処理ルーチンは、一つの受信条件付メールについての処理として説明した。しかし、実際的には、メールサーバ1は、受信条件付メールを受信する毎に、ステップS123において、それをメール転送用バッファ16に格納する。そして、このメール転送用バッファ16に格納している受信条件付メールのそれぞれについて、図10のステップS124〜ステップS128を、並行して、それぞれ実行するようにするものである。
<受信条件付メールの受信時処理(受信制御アプリの処理例)>
次に、受信会員端末3における受信条件付メールの受信時の処理の流れの一例を、図11のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図11の例の処理は、受信会員端末3の制御部31が、受信制御アプリ(受信制御機能部312)に従って行うので、以下の説明においては、図11の各ステップの処理は、制御部31が行うものとして説明する。
制御部31は、まず、受信条件に関する設定入力の要求があるか否か判別する(ステップS301)。このステップS301で、受信条件に関する設定入力の要求があると判別したときには、制御部31は、表示部33の表示画面に受信条件に関する設定入力用画面を表示して、その設定を受け付けるようにする(ステップS302)。
この例では、受信会員端末3では、受信制御アプリにより、送信者(送信会員)の職種と、受信条件付メールの受信許可時間帯とが、受信条件として追加設定可能とされている。このため、表示部33の表示画面に表示されている受信条件に関する設定入力用画面には、送信会員になろうとした者に提示された職種の一覧と同一の送信会員の職種の一覧が表示されると共に、当該一覧の各職種に対応して選択するか否かのチェックボックスが表示されている。さらに、設定入力用画面には、受信条件付メールの受信を許可する時間帯の入力欄も表示されている。なお、送信会員の職種の一覧のデータは、メールサーバ1からダウンロードされる受信制御アプリに付随するデータとされている。
受信会員は、この設定入力用画面において、受信条件付メールの受信を許可する送信会員の職種と、受信を許可する時間帯を入力して設定することができる。受信条件付メールの受信を許可する送信会員の職種としては、1個の職種を指定してもよいし、また、複数個の職種を指定してもよく、更には、全ての職種を指定してもよい。受信を許可する時間帯も、全時間帯、特定の時刻から別の特定の時刻までの時間帯を指定するようにしてもよい。さらには、昼食の時間帯(例えば11:00〜14:00)、夕食の時間帯(例えば17:00〜21:00)などのように用途を特定して指定するようにしてもよい。さらに、特定の時刻を指定できるようにしてもよい。
ステップS302で、以上のようにして受信条件の追加設定を受け付けた後、あるいはステップS301で、受信条件に関する設定入力要求はないと判別したときには、制御部31は、メールを受信したか否か判別する(ステップS303)。このステップS303で、メールを受信してはいないと判別したときには、制御部31は、処理をステップS301に戻し、このステップS301以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS303で、メールを受信したと判別したときには、制御部31は、受信したメールは、受信条件付メールであるか否か判別する(ステップS304)。このステップS304における受信条件付メールであるか否かの判別は、この例では、受信したメールの件名と、当該メールの転送者のメールアドレスとから受信条件付メールを判別する。
すなわち、この例では、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であるか否か判別し、受信したメールの件名が[受信条件付メール]でなければ受信条件付メールではないと判断する。そして、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であると判別したときには、転送者のメールアドレスをチェックし、メールサーバ1のメールアドレスと一致しているか否か判別し、一致していると判別したときには、受信したメールは、受信条件付メールであると判断するようにする。
なお、このステップS304での受信条件付メールであるか否かの判別処理は、受信したメールの件名が[受信条件付メール]であるか否かの判別処理のみとしてもよいし、転送者のメールアドレスがメールサーバ1のメールアドレスと一致しているか否かの判別処理のみとしてもよい。しかし、この例のように、2段階の判別処理により、受信条件付メールであるか否かの判断を、より高確度で行うことができる。
ステップS304で、受信したメールは、受信条件付メールではないと判別したときには、制御部31は、処理をメール送受信機能部311に移行し、通常のメール受信処理を行うようにする(ステップS305)。
そして、ステップS304で、受信したメールは、受信条件付メールであると判別したときには、制御部31は、受信したメールの添付ファイルを開封し、当該添付ファイルから受信条件を取得する(ステップS306)。
次に、制御部31は、受信位置情報取得部37で受信位置情報を取得し、この受信位置情報で示される受信位置を、受信条件の内の受信場所に関する条件の情報と照合する(ステップS307)。すなわち、この例では、受信条件の受信場所に関する条件の情報は、受信を許可する地域範囲の情報とされており、制御部31は、当該受信を許可する地域範囲内に、受信会員端末3の受信位置情報取得部37で取得された受信位置情報で示される受信位置が含まれるか否かを判断する。
また、このステップS307においては、制御部31は、ステップS302で受け付けた受信条件に関する設定入力が有るかどうかをチェックし、設定入力された受信条件があるときには、その設定入力された受信条件についても判断する。すなわち、その設定入力に送信会員の職種が含まれているときには、設定された受信を許可する職種が、添付ファイルから抽出した受信条件に含まれる送信会員の職種に適合するか否かを判断する。さらに、設定入力に受信を許可する時間帯が含まれているときには、時計部38から現在時点(受信時点)の時刻の情報を取得し、当該現在時刻が、設定された受信を許可する時間帯内の時刻であるか否か判断する。
そして、制御部31は、ステップS307での受信条件についての判断の結果、受信会員端末3における受信位置及び受信会員が設定した追加条件の全てが、受信条件に合致しているか否か判別する(ステップS308)。このステップS308で、受信条件に合致していると判別したときには、制御部31は、受信した受信条件付メールを受信メールバッファ36に格納し、その後の処理をメール送受信機能部311に移行させて、メール着信通知をするなど、受信メールの通常処理を実行する(ステップS309)。そして、この処理ルーチンを終了する。
ステップS308で、受信条件に合致していないと判別したときには、制御部31は、受信した受信条件付メールの受信を拒否して、当該受信条件付メールを廃棄する(ステップS310)。そして、この処理ルーチンを終了する。
上述の受信会員端末3の処理例では、受信位置情報取得部37で受信位置情報を取得し、その受信位置情報で示される特定の位置が、送信会員端末2が設定した受信条件付メールの受信場所に関する条件の情報に合致するかどうかを判定するようにした。しかし、上述したように、送信会員端末2で付加される受信条件としての受信場所に関する条件が、場所名や施設名、建物名などとされる場合があることを想定すると、受信会員端末3において、特定の位置を中心とした範囲のエリアを受信位置とするような受信位置情報を受け付けるようにしてもよい。その場合には、受信会員端末3では、受信条件付メールに付加されている受信場所に関する条件としての場所名や施設名、建物名などが、受信会員端末3の受信会員により、受信位置として設定された受信許可範囲内にあるかどうかを判定するようにする。
例えば、受信会員端末3では、受信を許可する地域範囲の情報として、受信会員端末3の現在位置を円の中心位置として、円形の地域範囲を特定するために半径を設定入力できるようにする。また、受信会員端末3では、通信ネットワーク4に含まれるインターネットの地図情報サイトなどにアクセスして、設定入力手段に現在位置の近隣の場所名、施設名、建物名などが表示されるようにし、その中から必要な場所名、施設名、建物名などを設定できるようにし、それを受信位置情報としてもよい。その場合には、受信会員端末3では、受信条件付メールに付加されている受信条件として場所名、施設名、建物名などが、設定された場所名、施設名、建物名などのいずれかに合致しているかどうかを判定するようにする。
[第1の実施形態の効果]
以上説明したようにして、第1の実施形態のメール配信システムにおいては、送信会員は、自分が望む地域範囲に受信会員端末3が所在する受信会員のみに、サービス情報などのメールを受信条件付メールとして送信して受信させるようにすることができる。
例えば、送信会員が、店頭での商品の販売店である場合には、自分の店舗が存在する場所の近くの地域エリアに居る受信会員や、自分が販売する商品の購買層の住民が多い地域エリアに住む受信会員に対してのみ、広告やサービス情報の送信メールを受信条件付メールとして送信することができ、便利である。
この場合にメールサーバ1は、送信会員端末2からの受信条件付メールを、受信会員にそのまま転送するだけで良いので、非常に簡単な構成となる。また、受信会員は、受信会員端末3のメールアドレスだけをメールサーバ1に登録するだけでよく、メールアドレス以外の個人情報は全く登録する必要がないので、個人情報の秘匿が確保できるというメリットがある。
そして、受信会員には、現在居る場所において有益となるであろう、場所(位置)に関連する受信条件付メールのみが呈示されて、現在居る場所に関連しない不要なメールは呈示されずに絞り込まれるという効果がある。
すなわち、受信会員は、自分が現在居る場所に存在する店舗や飲食店などの広告やサービス情報は受信したいと望むが、現在居る場所からあまりに遠い場所にある店舗や飲食店などの広告やサービス情報は、邪魔になるだけで、できれば受信したくないという要求を満足することができる。
また、上述の実施形態によれば、受信会員は、場所に関する受信条件のみではなく、送信会員の職種を受信条件として追加指定することで、さらにメールの受信の絞り込み(フィルタリング)が可能である。このため、受信会員にとって不要である職種の送信会員からの受信条件付メールの受信を排除することができるという効果がある。
さらに、上述の実施形態によれば、受信会員は、受信条件付メールの受信を許可する時間帯を受信条件として追加指定することで、自分が受信条件付メールを受信したい時間帯、例えば昼時や、夕食時などの時間帯にのみ、受信条件付メールを受信するようにすることができるので、非常に便利であるという効果もある。
[第1の実施形態の変形例]
なお、上述の第1の実施形態では、メールサーバ転送処理のステップS121での受信条件付メールであるか否かの判別処理や受信会員端末での受信条件付メールであるか否かの判別処理のために、送信会員端末からの受信条件付メールの件名を[受信条件付メール]とした。しかし、受信条件付メールであるか否かの判別処理の判別資料は、メールの件名に限られるものではない。
例えば、送信会員端末からの受信条件付メールには、上記の受信条件の添付ファイルに加えて、送信会員からの受信条件付メールであることを示す情報を含む別の添付ファイルを添付するようにしてもよい。その場合には、メールサーバ1や受信会員端末は、当該別の添付ファイルを開封して、受信条件付メールであるか否かを確実に判断することができる。なお、上記の別の添付ファイルは、送信会員端末で付加するのではなく、メールサーバ1で付加して、受信会員端末に転送するように構成してもよい。
また、上述の第1の実施形態においては、受信条件として受信条件付メールの受信場所に関する条件の他に付加する送信会員の属性情報は、送信会員の「職種」を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、送信会員の国籍や、法人であるか個人であるか、などを受信条件として付加する送信会員の属性情報とすることもできる。また、送信会員が、商品を販売する事業者や、有料のサービスを提供する事業者である場合には、販売する商品やサービスの対価の価格帯や、クーポンの有無などを、受信条件として付加する送信会員の属性情報とすることもできる。
なお、上述では、受信条件として、送信会員の属性情報を用いたが、送信会員の属性情報に限らず、受信会員の属性情報を用いることもできる。すなわち、送信会員が受信条件付メールの転送先として希望する受信会員の年齢、性別、職業などの属性情報を受信条件とすることができる。この場合、受信会員は自分の属性情報(個人情報)を受信条件に加えることで、当該受信条件付メールを絞り込み(フィルタリング)することができる。
[メール配信システムの第2の実施形態の全体の概要]
上述の第1の実施形態では、メールサーバが、複数の送信会員端末のそれぞれに送信制御アプリを提供して、それら複数の送信会員端末からの受信条件付メールを、受信会員端末に転送するように構成した。しかし、例えば、ある単独の事業者が複数の受信会員を募り、その複数の受信会員の受信会員端末のそれぞれに、受信条件付メールを送信するようにする場合においても、この発明は適用できる。第2の実施形態のメール配信システムは、そのような場合を想定した構成例である。
図12は、第2の実施形態のメール配信システムの全体の概要を示す図である。この図12に示すように、この第2の実施形態のメール配信システムは、メール配信装置100と、受信会員端末300とが、通信ネットワーク4を通じて接続されて構成される。
受信会員端末300は、この第2の実施形態では、メール配信装置100に対して通信ネットワーク4を通じてアクセスして受信会員登録をした受信会員が備える通信端末であって、受信会員登録後に、メール配信装置100からダウンロードされる受信制御アプリ(第1の実施形態におけるメールサーバ1からダウンロードされる受信制御アプリと同様)をインストールしているものである。したがって、受信会員端末300は、実質的に、第1の実施形態の場合の受信会員端末3と同様の構成(図4参照)を有するので、ここでは、その詳細な構成については説明を省略する。
メール配信装置100は、この第2の実施形態では、第1の実施形態における送信会員端末2とメールサーバ1との機能を併せ持つような構成を備え、第1の実施形態における受信会員登録情報記憶部12と同様の受信会員登録情報記憶部101を備えると共に、送信制御機能部102を備える。
受信会員登録情報記憶部101には、図7(B)に示したものと同様に、メール配信装置100に対してアクセスしてきて受信会員登録した受信会員の登録情報が、記憶されている。
送信制御機能部102は、メール配信装置100の使用者(オペレータ)による操作入力に基づく、送信メール本文及び受信条件についての入力情報を受け付けて受信条件付メールを生成する機能と、生成した受信条件付メールを受信会員端末300に送信する機能を備える。すなわち、送信制御機能部102は、第1の実施形態の送信会員端末2にインストールされる送信制御アプリと同様の機能を有するものであり、送信会員端末2において説明したのと同様にして、このメール配信装置100の使用者による受信条件の入力設定及び送信メール本文の作成入力を受け付けて、受信条件付メールを作成する。そして、送信制御機能部102は、受信会員登録情報記憶部101に記憶されている受信会員に対して、作成した受信条件付メールを送信するようにする。
なお、この送信制御機能部102に付随するデータとして、上述した第1の実施形態の場合の送信制御アプリと同様にして、この例では、メール配信装置100を所持する事業者あるいはメール配信装置100の使用者の属性情報(前述した送信会員の属性情報と同様)が、設定入力されて記憶されている。さらに、この例の送信制御機能部102には、付随するデータとして、前述した転送態様と同様の複数種の態様からなる送信態様が記憶されており、受信条件付メールを送信する際に、その一覧がメール配信装置100の使用者に呈示され、当該使用者による一覧からの送信態様の選択を受け付けるように構成されている。
図13に、この例のメール配信装置100のハードウエア構成例のブロック図を示す。この例のメール配信装置100は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションで構成されており、図13に示すように、システムバス112を介して、制御部103と、通信部104と、表示部105と、操作入力部106と、送信メール生成用バッファ107と、現在位置検出部108と、送信メール本文格納部109と、受信条件格納部110と、受信会員登録情報記憶部101が接続されて構成されている。
制御部103は、メール配信装置100の全体を制御するためのもので、内蔵するメモリ(図示は省略)に格納するプログラムに従って各種の機能を実行する。この例では、プログラムに従って機能処理を実行するソフトウェア機能部として、会員登録処理機能部111と、前述した送信制御機能部102とが含まれる。
通信部104は、受信会員端末3、その他の通信端末と、通信ネットワーク4を通じた通信を行う。
表示部105と、操作入力部106と、送信メール生成用バッファ107と、現在位置検出部108とは、第1の実施形態の送信会員端末2の、表示部23と、操作入力部24と、送信メール生成用バッファ25と、現在位置検出部26とに対応しており、同様の構成を有するので、ここではその詳細な説明を省略する。
送信メール本文格納部109は、予め作成された送信メール本文を記憶する記憶部であり、識別用のファイル名を付けられた複数個の送信メール本文が格納可能である。また、受信条件格納部110は、予め作成された受信条件の情報を記憶する記憶部であり、識別用のファイル名を付けられた複数個の受信条件の情報が格納可能である。
[メール配信装置100の送信制御機能部102の処理の流れ]
次に、この例のメール配信装置100の送信制御機能部102における処理の流れの例を、図14及びその続きである図15のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図14及び図15の例の処理は、メール配信装置100の制御部103が、送信制御機能部102(送信制御アプリ)に従って行うので、以下の説明においては、図14及び図15の各ステップの処理は、制御部103が行うものとして説明する。
すなわち、制御部103は、送信制御機能部102が起動されると、受信条件付メールの作成画面の初期画面を、表示部105の表示画面に表示する(ステップS401)。この初期画面には、受信条件付メールの作成及び送信のための処理を開始することと、メールの件名は受信条件付メールであることを識別することができる件名、この例では[受信条件付メール]という件名に自動設定されることが表示される。そして、この例では、メールの件名と宛先の入力は不要であって、メールの件名と宛先の入力は禁止されていることが表示画面に表示されて、メール配信装置100の使用者に対して報知される。なお、メールの件名と宛先の入力について、送信会員が入力できるようにしてもよい。
次に、制御部103は、送信するメールについての受信条件の入力を促すメッセージを伴う受信条件受付画面を表示部105の表示画面に表示して、受信条件を受け付けるようにする(ステップS402)。このステップS402における受信条件の受付処理は、第1の実施形態の送信会員端末2における送信制御アプリの処理動作において、ステップS202について説明したのと同様にしてできる。
なお、この第2の実施形態では、前述のステップS202での受信条件の入力及び設定処理動作を事前に行って、その事前に作成した受信条件の情報を、受信条件格納部110に格納しておくことができる。そのため、ステップS402では、受信条件は、新規に作成するか、事前に作成したものを用いるかを、メール配信装置100の使用者に問い合わせ、事前に作成したものを用いる場合には、受信条件格納部110に格納されている1個または複数の受信条件の中から、メール配信装置100の使用者が選択したものを受け付けることができるように構成されている。
ステップS402の次には、制御部103は、受信条件の受付を完了したか否か判別して、その受付完了を待つ(ステップS403)。このステップS403で受信条件の受付完了を確認したときには、制御部103は、受け付けた受信条件を添付ファイルとして生成する(ステップS404)。この例では、受信場所に関する条件の情報に加えて、送信制御機能部102(送信制御アプリ)に付随するデータとして予め記憶されているメール配信装置100の事業者あるいはメール配信装置100の使用者の職種などの前述した属性情報が含められて、受信条件の情報として添付ファイルが生成される。
次に、制御部103は、メール本文の作成を促すメッセージを表示部105の表示画面に表示して、メール配信装置100の使用者にメール本文の作成を促してメール本文の作成の操作を受け付ける(ステップS405)。
次に、制御部103は、メール配信装置100の使用者による送信実行指示を監視し(ステップS406)、送信実行指示がなされていないと判別したときには、メール配信装置100の使用者によって中止操作がなされたか否か判別し(ステップS407)、中止操作はなされていないと判別したときには、処理をステップS405に戻して、このステップS405以降の処理を繰り返す。ステップS407で、中止操作がなされたと判別したときには、制御部103は、処理を中止し(ステップS408)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS406で、送信実行指示がなされたと判別したときには、制御部103は、表示部105の表示画面に送信態様の一覧を呈示し、その一覧からのメール配信装置100の使用者による送信態様の選択を受け付ける(図15のステップS411)。そして、制御部103は、ステップS405で受け付けたメール本文に、受信条件の添付ファイルを付加した受信条件付メールを、受信会員登録情報記憶部101に記憶されている受信会員の受信会員端末300のメールアドレスに宛てて送信する処理を実行する(ステップS412)。この場合に、この例では、受信会員登録情報記憶部101に記憶されている受信会員の全てに受信条件付メールを送信するが、受信条件付メールを送信する受信会員を、受信会員登録情報記憶部101に記憶されている受信会員の中から選択しておくことで、その選択されている一部の受信会員にのみ受信条件付メールを送るようにすることもできる。
次に、制御部103は、ステップS411で選択された送信態様のメール送信が完了したか否か判別し(ステップS413)、選択された送信態様のメール送信は完了していないと判別したときには、次の送信タイミングを待ち(ステップS414)、次の送信タイミングが到来したと判別したときには、処理をステップS412に戻して、受信会員の受信会員端末300に宛てた受信条件付メールの送信を実行する。そして、制御部103は、ステップS413で、選択された送信態様のメール送信が完了したと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
[第2の実施形態の効果]
この第2の実施形態のメール配信システムにおいても、第1の実施形態のメール配信システムと同様に、受信会員は、メールアドレス以外の個人情報を秘匿した状態で、受信メールを、受信位置に応じて絞り込み(フィルタリング)することができるという効果が得られる。
そして、この第2の実施形態のメール配信システムにおいては、メール配信装置100では、受信条件付メールの送信の開始時に、希望する送信態様を選択することができるので、送信メール本文の内容に応じて、送信態様をその都度、選択することができるという効果もある。
[メール配信システムの第3の実施形態の全体の概要]
上述の第2の実施形態では、メール配信装置100は、事前に送信メール本文及び受信条件を作成して格納しておくことができる送信メール本文格納部109及び受信条件格納部110を備えていると共に通信部104を備えている。そこで、通信ネットワーク4を通じて、メール配信装置100の外部から、予め作成した送信メール本文及び受信条件をメール配信装置100に送って、それらを、送信メール本文格納部109及び受信条件格納部110に格納しておくように構成することができる。
このことに着目すると、メール配信装置100の利用者(使用者)を、単独の事業者や個人に限定する必要はなく、通信ネットワーク4を介して接続可能な複数の者とすることが可能となる。そして、その複数の者を送信会員としてメール配信装置100に予め登録することで、それらの複数の送信会員が作成した送信メール本文及び受信条件を用いた受信条件付メールを、メール配信装置100で作成して、受信会員に配信するようにすることも可能となる。
第3の実施形態のメール配信システムは、上記のことを考慮したもので、上述の第2のメール配信システムの変形例である。図16に、この第3の実施形態のメール配信システムの全体の構成例の概要を示す。
すなわち、この第3の実施形態のメール配信システムは、図16に示すように、メール配信装置120に対して、通信ネットワーク4を通じて受信会員端末300のみならず、送信会員端末200が接続される構成とされる。
この第3の実施形態では、送信会員になりたい者は、メール配信装置120に通信ネットワーク4を通じてアクセスして送信会員登録情報を登録することで送信会員となり、この例では、メール配信装置120からの送信会員専用メールアプリの提供を、自分が所有する通信端末で受ける。そして、その通信端末に、メール配信装置120から受けた送信会員専用メールアプリをインストールすることで、当該通信端末は、送信会員端末200となる。送信会員専用メールアプリは、送信会員端末200の制御部221に内蔵されるメモリに記憶され、制御部221により実行される。
ここで、送信会員専用メールアプリは、受信条件付メール用の送信メール本文と受信条件の情報とを、それぞれ添付ファイルとして送信会員端末200からメール配信装置120に送信するようにする送信会員専用メールの作成及び送信制御用のアプリケーションプログラムである。
そして、メール配信装置120に登録される送信会員の情報は、第1の実施形態において図7(A)に示したものと同様のものとすることができる。ただし、この第3の実施形態の場合には、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態における受信条件付メールの転送態様の代わりに送信態様が登録される。この送信態様は、前述した転送態様と同様の態様とすることができ、送信会員に対する課金は、この送信態様に基づくものとされる。
送信会員端末200のハードウエア構成は、第1の実施形態において図3に示した構成と同様とすることができる。ただし、この例では、送信会員端末の制御部221に格納されるプログラムとしては、第1の実施形態における送信制御アプリに代わり、送信会員専用メールアプリがインストールされるものである。
この第3の実施形態におけるメール配信装置120は、第2の実施形態におけるメール配信装置100の受信会員登録情報記憶部101と同様の受信会員登録情報記憶部121と、送信制御機能部122を備えると共に、送信会員登録情報記憶部123と、送信会員専用メール受信処理機能部124とを備える。送信制御機能部122と送信会員専用メール受信処理機能部124とは、制御部125内に内蔵されるメモリに格納されるソフトウェアプログラムとすることができる。
すなわち、この第3の実施形態におけるメール配信装置120は、図13に示した第2の実施形態におけるメール配信装置100のハードウエア構成において、制御部103(図16の制御部125が対応)内に、送信会員専用メール受信機能部124を追加すると共に、送信会員登録情報記憶部123をシステムバス112に接続して追加した構成とすることができる。なお、この第3の実施形態におけるメール配信装置120においては、図13に示した第2の実施形態におけるメール配信装置100の表示部105、操作入力部106及び現在位置検出部108は設けなくてもよい。なお、図16のメール配信装置120内には、送信メール本文格納部109及び受信条件格納部110に対応する送信メール本文格納部126及び受信条件格納部127が示されている。
送信会員登録情報記憶部123には、第1の実施形態において説明したのと同様にして、図7(A)に示したような送信会員登録情報が記憶されるものである。
[第3の実施形態のメール配信システムにおける要部の処理の流れの例]
<送信会員専用メールアプリの処理動作例>
次に、この第3の実施形態の送信会員端末200の送信会員専用メールアプリの処理の流れの例を、図17のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図17のフローチャートの各ステップの処理は、送信会員端末200の制御部221が、送信会員専用アプリに従って行うので、以下の説明においては、図17の各ステップの処理は、制御部221が行うものとして説明する。
すなわち、制御部221は、送信会員専用メールアプリが起動されると、受信条件付メール用の情報の作成画面の初期画面を、表示部の表示画面に表示する(ステップS501)。この初期画面には、受信条件付メールの作成用として、受信条件の情報と、送信メール本文の作成を支援し、作成された受信条件の情報と送信メール本文の情報を、添付ファイルとして送信することと、メールの件名は受信条件付メール用の情報の送信であることを識別することができる件名、この例では[送信会員専用メール]という件名に自動設定されることが表示される。そして、この例では、メールの件名と宛先の入力は不要であって、メールの件名と宛先の入力は禁止されていることが表示画面に表示されて、送信会員端末200の使用者である送信会員に対して報知される。
次に、制御部221は、受信条件付メールについての受信条件の入力を促すメッセージを伴う受信条件受付画面を送信会員端末200の表示部の表示画面に表示して、受信条件を受け付けるようにする(ステップS502)。このステップS502における受信条件の受付処理は、第1の実施形態の送信会員端末2における送信制御アプリの処理動作において、ステップS202について説明したのと同様にしてできる。
なお、この第3の実施形態では、送信会員が前述のステップS202での受信条件の入力及び設定処理動作を事前に行って、その事前に作成した受信条件の情報を、送信会員端末200の受信条件格納部(図示を省略)に格納しておくことができる。そして、ステップS502では、受信条件は、新規に作成するか、事前に作成したものを用いるかを、送信会員端末200の使用者である送信会員に問い合わせ、事前に作成したものを用いる場合には、受信条件格納部に格納されている1個または複数の受信条件の中から、送信会員が選択したものを受け付けることができるように構成されている。
ステップS502の次には、制御部221は、受信条件の受付を完了したか否か判別して、その受付完了を待つ(ステップS503)。このステップS503で受信条件の受付完了を確認したときには、制御部221は、受け付けた受信条件を添付ファイルとして生成しておく(ステップS504)。この例では、受信場所に関する条件の情報に加えて、送信会員専用メールアプリに付随するデータとして予め記憶されている、メール配信装置120に登録された送信会員の職種などの前述した属性情報が含められて、受信条件の情報として添付ファイルが生成される。
なお、受信場所に関する条件以外の送信会員の属性情報は、メール配信装置120において、後述するように送信会員端末200から取得した受信条件の添付ファイル及びメール本文の添付ファイルから受信条件付メールを作成する際に、送信会員登録情報記憶部123から取得して、受信条件の添付ファイルに追加するようにすることもできる。その場合には、送信会員端末200の送信会員専用メールに添付する受信条件は、受信場所に関する条件のみで良い。
次に、制御部221は、メール本文の作成を促すメッセージを送信会員端末200の表示部の表示画面に表示して、送信会員にメール本文の作成を促してメール本文の作成の操作を受け付ける(ステップS505)。
ステップS505の次には、制御部221は、メール本文の受付を完了したか否か判別して、その受付完了を待つ(ステップS506)。このステップS506でメール本文の受付完了を確認したときには、制御部221は、受け付けたメール本文を添付ファイルとして生成しておく(ステップS507)。
次に、制御部221は、送信会員による送信会員専用メールの送信実行指示を監視し(ステップS508)、送信実行指示がなされていないと判別したときには、送信会員によって中止操作がなされたか否か判別し(ステップS509)、中止操作はなされていないと判別したときには、処理をステップS508に戻して、このステップS508以降の処理を繰り返す。ステップS509で、中止操作がなされたと判別したときには、制御部221は、処理を中止し(ステップS510)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS508で、送信会員専用メールの送信実行指示がなされたと判別したときには、制御部221は、予め作成されている送信会員専用メールの既定メール文を、送信会員端末200の表示部の表示画面に呈示すると共に、当該既定メール文の送信会員専用メールに、ステップS504で作成された受信条件の添付ファイルと、ステップS507で作成された受信条件付メールのメール本文の添付ファイルとを付加し、宛先をメール配信装置120として送信する(ステップS511)。そして、この処理ルーチンを終了する。なお、宛先のメール配信装置120のメールアドレスは、送信会員専用メールアプリの付随データとされている。
<メール配信装置120における送信会員専用メールの受信処理例>
次に、上述のようにして送信会員端末200から送信された送信会員専用メールの、メール配信装置120における受信処理例を、図18のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図18のフローチャートの各ステップの処理は、メール配信装置120の送信会員専用メール受信処理機能部124が行うが、以下の説明においては、図17の各ステップの処理は、当該送信会員専用メール受信処理機能部124を備えるメール配信装置120の制御部125が行うものとして説明する。
制御部125は、送信会員専用メールを受信したか否か判別し(ステップS521)、送信会員専用メールの到来を監視する。ここで受信してメールが送信会員専用メールであるか否かは、そのメールの件名が[送信会員専用メール]となっているかどうかで判断することができる。
ステップS521で、送信会員専用メールを受信したと判別したときには、制御部125は、受信した送信会員専用メールの送信者のメールアドレスにより送信会員登録情報記憶部123を参照することで、受信した送信会員専用メールを送信した送信会員を認識する(ステップS522)。なお、送信会員専用メールに送信会員名や送信会員IDなど送信会員を特定できる情報を添付しておくようにしてもよい。
次に、制御部125は、受信した送信会員専用メールに添付されている送信メール本文は送信メール本文格納部126に、受信条件の情報は受信条件格納部127に、それぞれ、送信会員の識別情報、例えば送信会員名や送信会員IDに対応付けて格納して保存する(ステップS523)。
次に、制御部125は、送信制御機能部(送信制御アプリ)122を起動し、送信者である送信会員の識別情報の例である送信会員名や送信会員IDを、送信制御機能部に伝達する(ステップS524)。そして、この送信会員専用メールの受信処理ルーチンを終了し、送信制御機能部122の処理を開始する。
<メール配信装置120における送信制御機能部の処理例>
次に、メール配信装置120における送信制御機能部122の処理例を、図19のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図19のフローチャートの各ステップの処理は、メール配信装置120の送信制御機能部122が行うが、以下の説明においては、図19の各ステップの処理は、当該送信制御機能部122を備えるメール配信装置120の制御部125が行うものとして説明する。
制御部125は、送信制御機能部122が起動されたか否か判別して起動されるのを待ち(ステップS531)、起動されたと判別したときには、送信会員専用メールを送ってきた送信会員を、その送信会員IDにより認識する(ステップS532)。
次に、制御部125は、送信メール本文格納部126にステップS532で認識された送信会員IDに対応付けられて格納されている送信メール本文を読み出すと共に、受信条件格納部127にステップS532で認識された送信会員IDに対応付けられて格納されている受信条件を読み出す。そして、制御部125は、読み出した送信メール本文に、読み出した受信条件を添付ファイルとして添付して、受信条件付メールを作成する(ステップS533)。なお、受信条件として、受信場所に関する条件以外の送信会員の属性情報をメール配信装置120で追加する場合には、送信会員IDに基づいて、送信会員登録情報記憶部123を参照して取得することで追加が可能となる。
次に、制御部125は、ステップS532で認識した送信会員IDに対応付けられて送信会員登録情報記憶部123に記憶されている送信態様を認識する(ステップS534)。次に、制御部125は、ステップS533で作成した受信条件付メールを、受信会員登録情報記憶部121に記憶されている受信会員の受信会員端末300のメールアドレスに宛てて送信する処理を実行する(ステップS535)。この場合に、この例では、受信会員登録情報記憶部121に記憶されている受信会員の全てに受信条件付メールを送信する。しかし、送信会員が、受信条件付メールを送信する受信会員を、受信会員登録情報記憶部121に記憶されている受信会員の中から選択しておくことで、その選択されている一部の受信会員にのみ受信条件付メールを送るようにすることもできる。
次に、制御部125は、ステップS534で認識された送信態様のメール送信が完了したか否か判別し(ステップS536)、認識された送信態様のメール送信は完了していないと判別したときには、次の送信タイミングを待ち(ステップS537)、次の送信タイミングが到来したと判別したときには、処理をステップS535に戻して、受信会員の受信会員端末300に宛てた受信条件付メールの送信を実行する。そして、制御部125は、ステップS536で、認識された送信態様のメール送信が完了したと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
なお、この第3の実施形態においては、受信条件付メールの受信会員への送信が完了すると、送信メール本文格納部126及び受信条件格納部127に記憶されている、送信が完了したメール本文及び受信条件は、送信メール本文格納部126及び受信条件格納部127から削除される。
[第3の実施形態の効果]
この第3の実施形態のメール配信システムにおいても、第1の実施形態のメール配信システムと同様に、受信会員は、メールアドレス以外の個人情報を秘匿した状態で、受信メールを、受信位置に応じて絞り込み(フィルタリング)することができるという効果が得られる。
そして、この第3の実施形態のメール配信システムにおいては、第2の実施形態と同様のハードウエア構成を用いて、複数の送信会員が受信条件付メールの配信の利用が可能になるという効果がある。
[第3の実施形態の変形例]
上述の第3の実施形態では、メール配信装置120は、送信会員からの送信会員専用メールを受信したときに、即座に受信条件付メールを作成して受信会員に送信するようにした。しかし、送信会員からの送信会員専用メールを受信したときに即座に受信条件付メールを作成して受信会員に送信することは必須ではなく、送信会員専用メールを受信したときから遅延した時点で、受信条件付メールを作成して受信会員に送信するようにしてもよい。また、送信会員からの送信会員専用メールに、受信条件付メールの送信開始時点を含めるようにすると共に、メール配信装置120が、その受信条件付メールの送信開始時点を監視して、当該送信開始時点になったら、送信制御機能部122を起動して、受信会員への受信条件付メールの送信を行うようにしてもよい。
また、上述の第3の実施形態においては、メール本文及び受信条件の情報は、メールの添付ファイルとして送信会員端末からメール配信装置に送るようにしたが、メール本文及び受信条件の情報のメール配信装置への提供方法は、これに限られるものではない。例えば、メモリカードや、USBメモリなどの記憶媒体に、メール本文及び受信条件の情報を記憶したものをメール配信装置に提供し、メール配信装置のオペレータが、その記憶媒体のメール本文及び受信条件の情報を、それぞれの格納部に、送信会員IDに対応付けて格納するようにしてもよい。
[その他の実施形態または変形例]
上述の第2、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の各種態様や各種変形例が適用できる。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、受信条件は、メールの添付ファイルに含めるようにしたが、メールの通信プロトコルにおいて、添付ファイルを含むメール本文の通信タイミングとは別のタイミングでやり取りする所定のデータで、ユーザが利用することができるフィールドがあれば、そのフィールドに受信条件を含めるようにしてもよい。フィールドに十分なデータ量があれば、添付ファイルがなくても同様の効果が期待できる。
なお、上述の第1〜第3の実施形態では、送信会員及び受信会員を会員登録したが、送信会員や受信会員は、送信者や受信者として登録さえされていればよく、会員とならなくてもよいことはもちろんであり、その場合も同様の効果が期待できる。