<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
<ハードウェア構成>
図1に、表示制御装置の一例としてのデジタルカメラ(以下、撮像装置100)の概略構成図を示す。
図1において、レンズ101はフォーカスレンズ、ズームレンズ等の複数のレンズを含むレンズ群であり、レンズ101の後方には絞り102が配置されている。レンズ101、絞り102を介した光は、イメージセンサ105の結像面上に被写体像として結像される。イメージセンサ105において、結像された被写体像は光信号から映像信号(映像データ)に変換される。イメージセンサ105により得られた映像信号は、信号処理部112に送られる。信号処理部112は、カメラマイコン111の制御下で、WB補正部107によるホワイトバランス補正処理、エッジ強調部108によるエッジ強調処理、γ補正部109によるガンマ補正処理を映像信号に対して施す。
また、輝度/色情報検出部110は、画像を水平、垂直方向に分割して、複数の輝度/色情報検出枠を設定し、輝度/色情報検出枠内の画素値を積分することで、被写体の各検出枠における輝度情報及び色情報を検出する。輝度/色情報検出部110によって検出された輝度情報および色情報は、カメラマイコン111に送られる。カメラマイコン111は、取得した、輝度及び色などの被写体情報を用いて、ホワイトバランス補正処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理に用いる補正値を算出し、算出した補正値に基づきホワイトバランス補正処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理を行う。ここで、ガンマ補正処理に用いられる撮像装置100のガンマ特性は、撮像装置の撮影モードが高輝度優先モードであれば高輝度優先用のガンマ補正カーブであり、撮像装置の撮影モードが通常撮影モードであれば通常撮影用のガンマ補正カーブである。高輝度優先用のガンマ補正カーブについては、後で詳しく述べる。また、信号処理部112におけるホワイトバランス補正処理、エッジ強調処理、ガンマ補正処理、輝度/色情報検出処理以外の処理については、ここでは図示および説明を省略する。
映像信号は、信号処理部112において信号処理を施されたのち、本体ディスプレイ116に出力されるか、あるいは、外部I/F119を介し、外部ディスプレイ120に出力される。外部I/F119は、外部表示装置へ映像を出力可能であり、HDMI(登録商標)、SDI、コンポジット、コンポーネント等があげられる。カメラマイコン111は、外部I/F119に外部ディスプレイ120が接続されているか否かを検知することが可能である。
本体ディスプレイ116は、撮像装置100に備えられた表示部である。本体ディスプレイ116では、イメージセンサ105で撮像された画像(動画/静止画)や、メモリカード118、磁気テープ115、DVD117などの記録媒体から再生した画像を表示することができる。また、本体ディスプレイ116には各種設定情報やメニュー画面などが表示される。本実施形態において、本体ディスプレイ116は画面に対するタッチ操作を受け付け可能なタッチパネルであるものとする。本体ディスプレイ116はたとえば有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイであり、後述する輝度設定は、有機ELディスプレイの自己発光の輝度設定である。ただし、本体ディスプレイ116は有機ELに限られるものではなく、液晶ディスプレイなどの他の方式のディスプレイが採用されてもよい。なお、液晶ディスプレイの場合、輝度設定はバックライトの輝度設定となる。
図1には不図示であるが、図2で後述するEVF204にも、本体ディスプレイ116と同じ表示内容を表示することができる。外部ディスプレイ120は撮像装置100に含まれる構成ではなく、外部I/F119を介して接続可能な、テレビ、映像確認用の業務用ディスプレイ、タブレット型のパーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器である。また、信号処理部112において信号処理を施された信号は、磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に記録される。
さらに、カメラマイコン111は、センサ制御部106を通じて、イメージセンサ105における信号の蓄積、読み出しなどの制御を行う。また、カメラマイコン111は、レンズ制御部103を通じて、レンズ101のフォーカス、ズームなどの制御を行う。また、カメラマイコン111は、輝度/色情報検出部110によって検出された輝度情報および色情報を基に、絞り制御部104を通じて、絞り102の制御を行う。また、カメラマイコン111は、センサ制御部106を通じて、シャッタースピードの制御を行うことで、露出制御を行う。また、カメラマイコン111は、レンズ制御部103を通じてレンズ101を駆動するか、あるいは、信号処理部112を制御することで、使用者の撮影時の手ぶれを補正する。
カメラマイコン111は撮像装置100全体を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーである。ROM111aはカメラマイコン111の動作用の定数や各種設定値、後述する各種フローチャートを実現するプログラムを格納した不揮発性の記録媒体である。RAM111bは、カメラマイコン111の動作用のワークメモリである。後述の各種フローチャートの処理は、カメラマイコン111が、ROM111aに記録されたプログラムを、RAM111bに展開して実行することで実現する。
図2は、撮像装置100の外観を示す斜視図である。図2において、本体部201は撮像装置100の本体部である。撮像装置100の内部には、DVD、磁気テープおよびメモリカードなどの着脱可能な記録媒体が収納され、映像信号および静止画像を記録・再生可能である。なお、内蔵の記録媒体を備えていても良い。レンズ部202はレンズ101が備えられたレンズ部である。マイク203は撮影時の音声を記録するために備えられた集音部である。EVF204は電子式ビューファインダ(Electronic View Finder)である。ユーザは、EVF204を覗き込むことにより、カメラ撮影時に、現在の設定内容や撮影されている被写体のライブビュー(以下、LV)を確認することができる。
動画用トリガスイッチ205はプッシュボタンであり、動画撮影(動画の記録)の開始および終了を指示するために使用者が操作するスイッチである。静止画用トリガスイッチ206はプッシュボタンであり、静止画の撮影開始および終了を指示するために使用者が操作するスイッチである。モードダイヤル207は、再生モードに設定する“再生”、カメラモードに設定する“カメラ”およびそのいずれでもない“OFF”のいずれかを選択できる回転式のスイッチである。本実施形態では、モードダイヤル207で選択できるのは、カメラモード、再生モード、電源OFFの3つとして説明するが、他のモード(例えば外部機器と無線通信する通信モード等)に切り替え可能としてもよい。
操作スイッチ群208は、使用者が本体を操作するためのスイッチやキーであり、たとえば、画質フィルタモードを入力するためのキーや、その他のメニュー操作や再生系の操作などのためのキーが含まれる。また、操作スイッチ群208には、例えば、メニュー画面を表示させるためのメニューボタン、選択肢の中から項目を選択する操作などの使われる上キー、下キー、左キー、右キーを含む方向キー、選択確定などの操作に使われるセットボタンなども含まれる。
本体ディスプレイ116は本体部201に対して回動可能に連結されたバリアングルモニタに備えられている。バリアングルモニタは、本体部201に対して本体ディスプレイ116の表示面が対向する閉位置から開いた状態への軸方向と、開いた状態で表示面が撮影者側(EVF204側)を向く開位置から被写体側を向く反転開位置への軸方向との2軸で回転可能である。図2では、バリアングルモニタが開位置である例を示している。スピーカ210は、動画を再生するときに音声を出力したり警告音を出力したりするための発音部である。バッテリ211は、本体部201と着脱可能になっている電源部である。
<高輝度優先モードと通常(スタンダード)のガンマ特性>
撮像装置100では、撮影時のガンマ特性(ガンマ補正カーブ)として、通常(スタンダード)のガンマ特性と、高輝度優先のガンマ特性のどちらを用いるか(撮影ガンマモード)をユーザが選択して撮影することが可能である。高輝度優先のガンマ特性を用いる場合は高輝度優先モード(Highlight Priorityモード、以下、HPモードと略す場合がある)に設定し、通常のガンマ特性を用いる場合はスタンダードモードに設定する。以上のような撮影ガンマモードの設定は、たとえば図6(b)を用いて後述する撮影ガンマモード切替画面での操作により行われ、その設定結果(HPモードかスタンダードモードか)はRAM111bに保持される。
次に、高輝度優先モード用のガンマ補正特性について、図3を参照しながら説明する。図3は、撮像装置100の高輝度優先モード用のガンマ特性を説明する図である。図3(a)において、ガンマ特性301は入力ダイナミックレンジx1に対応するガンマ特性であり、ITU−R BT.709などで規格化されているガンマ特性である。ガンマ特性302は入力ダイナミックレンジx2に対応するガンマ特性であり、入力ダイナミックレンジを実用的な範囲に広げた場合を表している。ガンマ特性302は、ガンマ特性301を基準にした場合、ガンマ特性の一部のコントラストを圧縮することをせずに、入力コードに対する出力コードの関係を一定に保ち、低輝度から高輝度までのビットの割り振りを固定する特性となっている。
図3(b)に、高輝度優先のガンマ特性と、通常(スタンダード)のガンマ特性の例を示す。ガンマ特性303(第2の階調特性)は、HPモードで被写体の輝度(撮像信号)を階調値(映像信号)に変換する際に用いられる撮像装置100(イメージセンサ105)の高輝度優先のガンマ特性である。撮像時のガンマ特性303と表示時のガンマ特性304(本体ディスプレイ116に出力する際のガンマ特性)を合わせたシステムトータルでは、階調特性305が得られる。HPモードを使用した場合の階調特性305は、中輝度から高輝度の領域に対しても、コントラストが圧縮されることはなく、低輝度部から高輝度部までの全領域において、リニアな特性を実現できている。
ここで、基準となる入力ダイナミックレンジx1に対応する撮像装置のガンマ特性を
y=f(x)
とすると、入力ダイナミックレンジをt倍にする際の撮像装置100のガンマ特性は、
y=f(x/t)
とすることで得られる。なお、入力ダイナミックレンジは、製品ごとに適正に設定されてもよいし、同一製品内での撮影モードごとに適正に設定されてもよいし、同一撮影モード内において撮影シーンごとに適応的に設定されてもよい。
このように、HPモードを利用すると、入力のダイナミックレンジによらず、ガンマ補正処理によるコントラスト圧縮を回避することができ、暗部からハイライト部まで全域で、より自然な階調性、色再現性、鮮鋭感を実現することが可能となる。特に、金属の輝き、水の透明感、青空や雲の立体感、スキントーン等の階調性、色再現性、鮮鋭感を格段に向上することができる。
一方、ガンマ特性306(第1の階調特性)は、通常(スタンダード)モードで被写体の輝度(撮像信号)を階調値に変換する際に用いられる撮像装置100(イメージセンサ105)のガンマ特性である。撮像時のガンマ特性306と表示時のガンマ特性304(本体ディスプレイ116に出力する際のガンマ特性)を合わせたシステムトータルでは、階調特性307が得られる。HPモードのガンマ特性303と通常モードのガンマ特性306では。HPモードのガンマ特性303のほうが高輝度側の階調性が高い。すなわち、被写体輝度の高輝度側に割り当てられる階調値(コード値)の数が多い。逆に、HPモードのガンマ特性303と通常モードのガンマ特性306では。HPモードのガンマ特性303のほうが低〜中間輝度側の階調性が低い。すなわち、被写体輝度の低輝度〜中輝度に割り当てられる階調値(コード値)の数が少ない。そのため、通常(スタンダード)モードを使用して撮像した映像を表示した場合の階調特性307は、実被写体の階調特性に対して高輝度部の輝度変化が減少してしまい、リアリティー(自然な階調性、色再現性、鮮鋭感)については階調特性305よりも低い。言い換えれば、通常モードを使用して撮像した映像を表示した場合、HPモードを使用して撮像した映像を表示した映像よりも、被写体の高輝度部分が色潰れ(白トビ)しやすい。また、HPモードを使用して撮像した映像を表示した場合、通常モードを使用して撮像した映像を表示した映像よりも、被写体の高輝度部分の階調が滑らかに見える。このため、HPモードを使用して撮像された映像は、金属の輝き、水の透明感、青空や雲の立体感など、高輝度部分の視認性が向上する。一方で、階調特性307の低輝度から中輝度の部分は実被写体の階調特性よりも持ちあがっており、階調特性305を用いた画像よりも低輝度から中輝度の部分が明るく見える。
次に、撮像装置100におけるカメラマイコン111による、高輝度優先モード時のガンマ補正処理、メタデータ記録処理について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4は、撮像装置100で行われるカメラ階調補正処理を示すフローチャートである。この処理は、撮像装置100をカメラモードで起動し、ライブビュー(LV)の撮影が開始されると繰り返し行われ、LV画像および動画記録開始後の記録用の撮像画像の双方に適用される処理である。なお、図4の処理は、図5で後述するカメラモード処理で行われるガンマ特性別のLV表示、動画記録の処理の部分に特化して詳細に説明したものである。
S401では、カメラマイコン111は、入力ダイナミックレンジを決定する。ここでの入力ダイナミックレンジは、カメラモードに含まれる複数の撮影モード毎に予め設定された所定値であるか、あるいは、輝度/色情報検出部110によって検出された輝度情報および色情報を基に算出された値である。S402では、カメラマイコン111は、輝度/色情報検出部110によって検出された輝度情報および色情報を基に露出制御を行う。
S403では、カメラマイコン111は、RAM111bに保持された撮影ガンマモードが高輝度優先モード(HPモード)かどうかを判断する。高輝度優先モードの場合、処理はS404に遷移し、ガンマ補正処理に用いるガンマ補正特性を高輝度優先用のガンマ補正カーブに決定する。S405では、カメラマイコン111は、撮影される画像に関して高輝度優先モードに対応したメタデータの記録を行う。ここで、記録されるメタデータは、高輝度優先モードを表すためのフラグ、入力ダイナミックレンジ、あらかじめ設定された表示輝度の基準値に対する倍率、ピーク輝度値、撮像装置100におけるガンマ形状情報やベースガンマなどである。
一方、S403で高輝度優先モードではなくスタンダードモードと判定された場合、S406でカメラマイコン111は、ガンマ補正処理に用いるガンマ補正特性を通常撮影用のガンマ補正カーブに決定する。S407では、カメラマイコン111は、撮影される画像に関してスタンダードモードに対応したメタデータの記録を行う。ここで、記録するメタデータは、通常撮影モードを表すためのフラグ、入力ダイナミックレンジ、あらかじめ設定された表示輝度の基準値に対する倍率、ピーク輝度値、撮像装置100におけるガンマ形状情報やベースガンマなどである。
S408では、カメラマイコン111は、決定したガンマ補正特性に基づいてガンマ補正処理を行い、カメラの階調補正処理を終了する。カメラマイコン111は、カメラモードが終了するまで、カメラ階調補正処理を繰り返す。
<カメラモード処理>
図5に、撮像装置100におけるカメラモードの処理のフローチャートを示す。撮像装置100をカメラモードで起動すると、図5の処理を開始する。
S501では、カメラマイコン111は、RAM111bに保持している撮影ガンマモードが高輝度優先モード(HPモード)であるかどうかを判定する。撮影ガンマモードがHPモードであった場合には処理はS502へ遷移し、HPモードでなかった場合には処理はS503へ遷移する。
S502では、カメラマイコン111は、パネル輝度設定処理(図8のフローチャートにより後述)を行う。S503では、カメラマイコン111は、ROM111aに記憶している本体ディスプレイ116用のユーザー設定輝度を読み出し、ユーザー設定輝度で本体ディスプレイ116を表示する。なお、本体ディスプレイ116の設定輝度は、図6(d)を参照して後述するような輝度設定画面から設定される。また、ビューアシスト時にモニターガンマが変更されていれば、それを元に戻した通常のモニターガンマで表示する。以下、「ユーザー設定輝度で本体ディスプレイ116を表示する」と記載した場合は、モニターガンマは、ビューアシスト時に変更されたもの(後述のガンマ特性312)ではなく、通常のモニターガンマ(後述のガンマ特性304)を適用するものとする。S504では、カメラマイコン111は、イメージセンサ105で撮像され、信号処理部112において信号処理された映像データ(LV画像)を本体ディスプレイ116に表示する。図6(a)に、本体ディスプレイ116におけるLV画像600の表示例を示す。この画面は、HPモードであればS502のパネル輝度設定処理に応じた輝度で表示される。
S505では、カメラマイコン111は撮影ガンマモード切り替え画面を本体ディスプレイ116に表示させる指示があったか否かを判定する。切り替え画面を表示させる指示があった場合には処理はS506へ遷移し、そうでない場合には処理はS510へ遷移する。
S506では、カメラマイコン111は図6(b)に示すような切り替え画面(撮影ガンマモード設定画面)を生成し、本体ディスプレイ116に表示する。撮影ガンマモード切り替え画面には、撮影ガンマモードとしてスタンダード(第1のモード)を選択するための選択肢601と、HPモード(第2のモード)を選択するための選択肢602が表示される。方向キーあるいはタッチ操作によって選択肢601と602うち何れかを選択すると、選択した選択肢に関する説明(ガイド)が表示される。図6(b)の例では、HPモードの選択肢602が選択されているため、HPモードに関する説明であるガイド603が表示されている。ガイド603には、「高輝度領域も圧縮せずに自然な階調で撮影します。外部モニターを明るめに設定することでより高精細な映像を楽しめます」と表示されている。すなわち、HPモードでどんな撮影ができるかの説明、及び、外部モニターの設定輝度を上げることをユーザに促す旨が表示されている。
S507では、カメラマイコン111は切り替え画面にてユーザから何れかの選択肢(スタンダード/高輝度優先モード)が選択され決定する操作がされたか否かを判定する。選択肢601と602の何れかを選択した状態でセットボタンが押下されるか、あるいは閉じるアイコン604がタッチされると、選択している撮影ガンマモードで決定(設定)する。切り替え画面にてユーザから何れかの選択肢が選択され決定する操作がされた場合はS508へ遷移し、そうでない場合はS509へ遷移する。
S508では、カメラマイコン111は、S507でユーザから選択された撮影ガンマモードを決定し、決定された撮影ガンマモードをRAM111bに保持する。なお、決定された撮影ガンマモードは、ROM111aに記録されても良い。S509では、カメラマイコン111は、切り替え画面を閉じる操作があったか否かを判定する。閉じる操作があった場合には処理はS501へ遷移し、そうでない場合には処理はS507へ遷移する。切替画面を閉じる操作としては例えば、メニューボタンの押下がある。
一方、S505において撮影ガンマモード切り替え画面を表示させる指示ではなかった場合、処理はS510へ遷移し、カメラマイコン111は、メニュー画面を表示させる指示操作があったか否かを判定する。メニュー画面を表示させる指示操作としては、例えばメニューボタンの押下がある。メニュー画面を表示させる指示操作があった場合には処理はS511へ遷移し、そうでない場合には処理はS531へ遷移する。
S511では、カメラマイコン111は、ROM111aに保持している本体ディスプレイ116用のユーザ設定輝度を読み出し、ユーザ設定輝度で本体ディスプレイ116にメニュー画面のトップメニューを表示する。すなわち、ビューアシスト設定がオンでHPモードであったことにより本体ディスプレイ116の輝度をユーザが設定したユーザ設定輝度よりも上げていた場合にも、メニュー画面に表示を切り替えたことに応じてユーザ設定輝度に戻す。これは、メニュー画面が撮像された画像ではない映像を表示する画面(撮像された画像が表示されない画面)であるためである。
S512では、カメラマイコン111は、メニュー画面にある複数のメニュー項目のうち、ビューアシスト設定をするためのメニュー項目が選択されたかどうかを判定する。ビューアシスト設定のメニュー項目が選択された場合には処理はS513へ遷移し、そうでない場合には処理はS516へ遷移する。S513では、カメラマイコン111は、ビューアシスト設定画面を本体ディスプレイ116に表示し、ユーザから設定が選択されたか否かを判定する。
図6(c)に、本体ディスプレイ116でのビューアシスト設定画面の表示例を示す。ビューアシスト設定画面には、ビューアシストをオン(有効)とする選択肢611と、ビューアシストをオフ(無効)とする選択肢612が表示され、ユーザは何れかを選択して設定することができる。ビューアシストは、HPモードで撮影を行う際、及びHPモードで撮影された画像を再生して本体ディスプレイ116に表示する際の視認性に関するアシスト機能である。ビューアシストがオンに設定されていると、HPモードで撮影されたライブビュー画像を表示する際、及びHPモードで撮影された画像を再生して表示する際にディスプレイ116の輝度を自動的に上げる(自動的に輝度変更する)。ビューアシストは、カメラモード時だけでなく、再生モード等においてHPモードで記録された映像を再生表示する際にも適用される。
撮像時に適用するHPモードでの入力ガンマ特性は、ディスプレイに表示出力する際の出力ガンマ特性を合わせたシステムトータルでの階調特性を輝度リニアにすることで、暗部からハイライト部までの全域でより自然な階調性で表現するためのガンマ特性である。しかし、輝度リニアの階調特性の映像を表示すると、自然な階調性ではあるが、通常の入力ガンマ特性で記録された映像に比べて、中低輝度が暗くなってしまう。この中低輝度の見栄えを良くするためにビューアシストの機能が備えられており、ビューアシスト設定をオンとすることで、ディスプレイの表示輝度を上げ、中低輝度が暗くならないように表示することができる。なお、ビューアシスト設定がオフの場合はHPモードであっても表示輝度を自動的に上げることはしない。
十字キーの上下キーへの操作あるいは選択肢611または選択肢612へのタッチ操作によって選択肢611と選択肢612の何れかを選択する操作があると、処理はS514に遷移する。S514では、カメラマイコン111はS513で選択された設定(ビューアシストのオン/オフ)をRAM111bに保持する。なお、電源を切っても設定を保持するよう、ROM111bに記録しても良い。ビューアシストがオンからオフに設定変更された場合は、ビューアシストが解除される。すなわち、この後に表示されるHP動画は、ビューアシスト時に上げた本体ディスプレイ116の輝度を戻した状態、ビューアシスト時にモニターガンマが変更されていれば、それを元に戻した状態で表示される。S515では、カメラマイコン111はビューアシスト設定画面を閉じる操作(メニューボタンの押下また閉じるアイコン613へのタッチ操作)があったか否かを判定する。閉じる操作があった場合には処理はS501へ遷移し、そうでない場合には処理はS513へ遷移する。
S516では、カメラマイコン111は、メニュー画面にある複数のメニュー項目のうち、信号処理部112において信号処理されたLV画像(映像データ)を背景に表示する設定画面に遷移するメニュー項目が選択されたかどうかを判定する。LV画像を背景に表示する設定画面に遷移するメニュー項目としては例えば、輝度設定、ズーム操作時の始点と終点に慣性をつけるか否かを選択するソフトズームコントロール、ズーム操作時のズーム速度を変更するズームスピードレベルがある。これらのメニュー項目に関しては、LV画像を背景に表示することで、設定の変化をよりユーザに把握しやすくさせることができる。LV画像を背景に表示する設定画面に遷移するメニュー項目が選択された場合には処理はS517へ遷移し、そうでない場合には処理はS521へ遷移する。
S517では、カメラマイコン111はRAM111bに保持している撮影ガンマモードが高輝度優先モードであるかどうかを判定し、HPモードであった場合はS518へ遷移し、HPモードでなかった場合はS519へ遷移する。S518では、カメラマイコン111はパネル輝度設定処理(図8のフローチャートにより後述)を行う。S519では、カメラマイコン111は、S516で選択されたメニュー項目に応じた設定画面(LV画像を背景に表示する設定画面)を表示し、ユーザからの設定変更操作に応じた設定を行う。
図6(d)に、S516で選択されたメニュー項目に応じた設定画面の一例としての、輝度設定画面の表示例を示す。この画面は、メニュー画面の階層下における、HPモードで撮影された画像と共に表示可能な設定画面である。輝度設定画面では、本体ディスプレイ116の輝度として、2段階の設定値のうち何れかをユーザが選択して設定することができる。輝度設定画面には、LV画像623に重畳して、高輝度(HIGH)の選択肢621と通常(NORM)の選択肢622が表示される。ユーザが上下キーの操作あるいはタッチ操作によって何れかの選択肢を選択すると、選択した輝度に設定され、選択した輝度での表示が行われる。ユーザは、背景のLV画像623の見栄えを確認しながら、好みの輝度に設定することができる。設定された輝度はROM111aに記録され、HPモードでない場合の表示、HPモードであるがビューアシスト機能がオフとなっている場合の表示に適用される。ここで設定した輝度を、以下、「ユーザ設定輝度」と称する。本実施形態では、ユーザ設定輝度としてユーザが選択できる輝度は2段階であるが、3段階以上の多段階の中から選択できるようにしても良い。
S520では、カメラマイコン111は、S519で表示した設定画面を閉じる操作があったか否かを判定する。閉じる操作があった場合には処理はS501へ遷移し、閉じる操作がなかった場合には処理はS519へ遷移する。
S521では、カメラマイコン111はメニュー画面を閉じる操作があったか否かを判定する。閉じる操作があった場合には処理はS501へ遷移し、そうでない場合には処理はS522へ遷移する。S522では、カメラマイコン111は、メニュー画面において選択されたその他のメニュー項目に応じたその他の処理を行う。その他の処理(その他の設定処理)としては、例えば、撮像する動画の画質に関する設定や、AF方式に関する設定などがある。
S531では、カメラマイコン111は、動画用トリガスイッチ205が押されたか否かを判定する。押された場合はS532へ遷移し、そうでない場合はS538へ遷移する。S532では、カメラマイコン111は、RAM111bに保持している撮影ガンマモードがHPモードであるかどうかを判定する。HPモードと判定された場合には処理はS533へ遷移し、HPモードではないと判定された場合(スタンダードモードだった場合)には処理はS535へ遷移する。
S533では、カメラマイコン111は磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に、イメージセンサ105で撮像され、信号処理部112から得られたHPモードでの映像を記録し始める。HPモードでの映像は、S404で説明した通り、高輝度優先用のガンマ補正カーブ(ガンマ特性303)を適用して得られた映像である。S534では、カメラマイコン111は、S533で記録している動画のメタデータとして、HPモードで撮影したことが識別可能な属性情報(以下、HP情報と称する)を付与する。HP情報は、動画ファイルのヘッダとして記録してもよいし、動画ファイルに関連付けられた管理ファイルに記録しても良い。
S535では、カメラマイコン111は、磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に、イメージセンサ105で撮像され、信号処理部112から得られた通常モードの映像を記録し始める。通常モード(スタンダードモード)での映像は、S406で説明した通り、通常撮影用のガンマ補正カーブ(ガンマ特性306)を適用して得られた映像である。
S536では、カメラマイコン111は、動画用トリガスイッチ205が押されたかどうかを判定する。動画用トリガスイッチ205が押されたと判定された場合には処理はS537へ遷移し、カメラマイコン111は動画の記録を停止し、動画ファイルのクローズ処理を行う。他方、動画用トリガスイッチ205が押されていないと判定された場合には、処理はS536へ戻り、カメラマイコン111は動画の撮影記録を継続する。
S538では、カメラマイコン111はモードダイヤル207が操作されたかどうかを判定する。操作されたと判定された場合には処理はS539へ遷移し、そうでない場合には処理はS505へ遷移する。S539では、カメラマイコン111は、S538で操作された結果が再生モードかどうかを判定する。再生モードであると判定された場合には処理はS540へ遷移し(再生モードに遷移し)し、カメラマイコン111は再生モード処理を実行する。S540の再生モード処理については図7を用いて後述する。他方、S539で再生モードでないと判定された場合には、カメラマイコン111は、電源をOFFして処理を終了する。
<再生モード処理>
図7に、撮像装置100における再生モードの処理のフローチャートを示す。撮像装置100を再生モードで起動したり、カメラモードから再生モードに遷移させたりすると、図7の処理を開始する。図7に示される処理は、図5のS540における再生モード処理の詳細である。
S701では、カメラマイコン111はROM111aに保持しているユーザ設定輝度を読み出し、ユーザ設定輝度で本体ディスプレイ116を表示する。S702では、カメラマイコン111は磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に記憶されている画像と、各画像の属性情報を読み出し、画像のサムネイルを本体ディスプレイ116に一覧表示する。
図11(a)に、S702で本体ディスプレイ116に表示されるサムネイル一覧表示(インデックス表示、マルチ表示)の表示例を示す。サムネイル画像1101〜1108が表示され、これらのうち、HPモードで撮影された画像に対応するサムネイル画像には、HP動画であることを示すHPアイコン1109が付されている。なお、以下、HPモードで撮影された画像をHP動画と称する。また、通常モードで撮影された画像と通常モードで撮影されているライブビュー画像を総称して第1の種別の画像、HPモードで撮影された画像とHPモードで撮像されているライブビュー画像を総称して第2の種別の画像と称する。図示の例では、サムネイル画像1101、1102、1108によって示される動画がHP動画である。なお、読み出した各画像の属性情報にHP情報が付与されているか否かにより、HPモードで撮影された画像か否かが識別される。このサムネイル一覧表示では、HP動画のサムネイルが含まれていてもビューアシスト機能による輝度変更は行わない。
S703では、カメラマイコン111は、サムネイル一覧に表示されたサムネイル画像の何れかを選択するユーザ操作があったか否か(動画の選択があったか否か)を判定する。何れかのサムネイル画像が選択された場合には処理はS704へ遷移し、そうでない場合にはS703の処理が繰り返される(サムネイル画像の選択を待つ)。S704では、カメラマイコン111はS703でユーザから選択されたサムネイル画像に対応する動画の再生表示を開始する。すなわち、カメラマイコン111は磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に記憶されている再生すべき動画を読み出し、信号制御部112を制御して再生し、本体ディスプレイ116に再生した動画を表示する。あるいは、外部ディスプレイ120に再生した動画を表示するべく、外部I/F119から出力する。
図11(b)、図11(c)に、本体ディスプレイ116における動画の再生中の表示例を示す。図11(b)は、ボタン表示「入」での表示例であり、再生動画1110に重畳して、HPアイコン1109とボタンアイコン1111が表示される。ボタンアイコン1111は動画の再生動作に関する各種操作(停止、早送り、早戻しを含む)を行うためのボタンアイコンであり、タッチ操作によってタッチされると、対応する処理が行われる。ボタン表示「入」と「切」とはユーザによる切り替えが可能である(S715、S716)。図11(c)は、ボタン表示「切」での表示例であり、再生動画1110が表示されているが、HPアイコン1109とボタンアイコン1111は表示されない。
S705では、カメラマイコン111は、再生している動画に付与されている属性情報を解析し、HP情報があるかを解析する。再生中の動画の属性情報にHP情報があった場合、すなわち、HP動画の再生中である場合には、処理はS706へ遷移し、そうでない場合(HP動画ではない動画を再生中である場合)には処理はS708へ遷移する。S706では、カメラマイコン111は、パネル輝度設定処理(図8のフローチャートにより後述)を行う。S707では、カメラマイコン111は、ガイド表示処理(図9のフローチャートにより後述)を行う。また、再生中の動画がHP動画ではない場合、S708において、カメラマイコン111は、ROM111aに保持しているユーザ設定輝度を読み出し、ユーザ設定輝度で本体ディスプレイ116を表示する。
S709では、カメラマイコン111は、再生している動画が終端まできたかを判定する。終端まできたと判定された場合には処理はS710へ遷移し、そうでない場合には処理はS713へ遷移する。S710では、カメラマイコン111は、S707の処理でガイドを表示していた場合はガイドを非表示にする。S711では、カメラマイコン111は、磁気テープ115、あるいはDVD117、あるいはメモリカード118に記憶されている次の動画があるかどうかを判定する。次の動画があると判定された場合には処理はS712へ遷移し、次の動画がないと判定された場合には処理はS702へ遷移する。S712では、カメラマイコン111は、次の動画の再生を開始し、処理をS705へ戻す。
S713では、カメラマイコン111は、再生している動画を停止させる停止操作がされたかどうかを判定し、停止操作がされた場合は動画の再生を停止してS714へ遷移し、そうでない場合はS715へ遷移する。S714では、カメラマイコン111は、停止画面処理(図10のフローチャートにより後述)を実行する。
S715では、カメラマイコン111は、ユーザからのボタンの表示切り替えの指示操作がされたかどうかを判定する。切り替えが指示されたと判定された場合には処理はS716へ遷移し、そうでない場合には処理はS718へ遷移する。
S716では、カメラマイコン111は、ボタン表示の「入」/「切」を切り替える。すなわち、ボタン表示「切」(図11(c))であった場合にボタン表示の切り替え指示があると、カメラマイコン111は、ボタン表示「入」に切り替え、図11(b)のようにボタンアイコン1111を表示する。この切り替えによって、表示中の動画がHP動画である場合にはHPアイコン1109も表示される。他方、ボタン表示「入」(図11(b))であった場合にボタン表示の切り替え指示があると、カメラマイコン111はボタン表示「切」に切り替え、図11(c)のようにボタンアイコン1111を非表示にする。また、表示中の動画がHP動画である場合には、ボタンアイコン1111を非表示にすることに伴って、HPアイコン1109も非表示にする。S717では、カメラマイコン111は、ガイド表示処理(図9のフローチャートにより後述)を行う。
S718では、カメラマイコン111は、モードダイヤル207が操作されたかどうかを判定する。操作された場合はS719へ遷移し、そうでない場合はS709へ遷移する。S719では、カメラマイコン111は、モードダイヤル207が操作された結果がカメラモードかどうかを判定する。カメラモードであった場合には処理はS720へ遷移し、カメラマイコン111は処理を再生モードからカメラモード(図5)へ切り替える。また、モードダイヤル207が操作された結果が電源オフであった場合には、カメラマイコン111は電源をOFFして処理を終了する。
<パネル輝度設定処理>
図8は、図5のS502、S518,図7のS706で実行されるパネル輝度設定処理の詳細を示すフローチャートである。この処理は、HPモードあるいはHP動画であり、かつビューアシスト機能がオンである場合に、ユーザ設定輝度に関わらない高い輝度で本体ディスプレイ116を表示する処理である。
S801では、カメラマイコン111は、RAM111bに保持しているビューアシスト設定の状態を読み出し、現在ビューアシスト設定がオンであるか否かを判断する。ビューアシストがオンであると判断した場合には処理はS802に遷移し、そうでなければ処理を終了する。S802では、カメラマイコン111は、ROM111aに保持している本体ディスプレイ116用のユーザ設定輝度の情報を読み出す。そしてユーザ設定輝度が所定の輝度設定以上(輝度が所定値以上に明るくなる輝度設定)であるか否かを判断する。本実施形態では、所定の輝度設定以上であるか否かとして、ユーザ設定輝度が高輝度(HIGH)であるか否かを判定する。輝度設定値が所定値以上(高輝度(HIGH))であれば処理はS804へ遷移し、そうでなければ(通常(NORM)である場合)処理はS803へ遷移する。
なお、本実施形態では、設定可能なユーザ輝度設定が高輝度(HIGH)と通常(NORM)であるため(図6(d))、高輝度(HIGH)であるか通常(NORM)であるかに応じて処理を分岐させるが、これに限られるものではなない。例えば、ユーザ設定輝度が3段階以上の設定輝度から設定できる場合には、S802の処理は、ユーザ設定輝度が、設定可能な輝度のうち最大値である場合に処理はS804に遷移し、そうでない場合には処理はS803に遷移するというようにしてもよい。また、たとえばユーザ設定輝度が5段階の設定輝度から設定できる場合、ユーザ設定輝度が明るい方から2段階目までの場合(1〜5の設定可能値のうちの4か5の場合)に処理がS804に遷移し、他の場合に処理がS803に遷移するようにしてもよい。
S803では、カメラマイコン111は、ユーザ設定輝度よりも輝度が高くなるように、本体ディスプレイ116の輝度を、予め決められたビューアシスト用の輝度にするよう制御する。これにより、HP動画がビューアシストONで再生されている場合には、例えばユーザ設定輝度が通常(NORM)に設定されていても、高輝度(HIGH)で表示されることになる。このとき、アイコン等の表示が明るくなりすぎると、本体ディスプレイ116に焼き付きが生じる可能性がある。そのため、アイコン等の、LV画像または再生画像以外の表示要素の本体ディスプレイ116上での表示輝度がビューアシスト設定オフ時の表示輝度と同じになるように、アイコン等の表示アイテムをビューアシスト設定オフ時よりも低い輝度で描画してもよい。すなわち、描画する明るさを暗くしてもよい。カメラマイコン111は、こうして表示輝度を変更すると、本処理を終える。
S804では、カメラマイコン111は、本体ディスプレイ116用のモニターガンマを、中間域での明るさをビューアシスト設定がオンにされていないときよりも明るくなるように変更する。ユーザ設定輝度が既に高輝度(HIGH)である(設定可能な最大輝度である)ため、これよりも明るい輝度で表示することができない(これ以上、本体ディスプレイ116の輝度を上げられない)。そこで、ビューアシスト設定時には、表示時のガンマ特性を変えることで、ビューアシスト設定がオンにされていないときよりも、階調特性307のように低輝度から中輝度の部分が明るくなるようにする。カメラマイコン111は、こうしてガンマ特性を変更すると、本処理を終える。
なお、S802では、ユーザ設定輝度を判定するので、ユーザ設定輝度が通常(NORM)に設定されている間はパネル輝度設定処理が実行されるたびにS803が実行される。同様に、ユーザ設定輝度が高輝度(HIGH)に設定されている間はパネル輝度設定処理が実行されるたびにS804が実行される。ビューアシスト設定中にユーザ設定輝度が高輝度から通常に変更されてS803が実行された場合には、カメラマイコン111は、S804で変更したモニターガンマを元に戻す。また、ビューアシスト設定中にユーザ設定輝度が通常から高輝度に変更されてS804が実行された場合には、カメラマイコン111は、モニターガンマをビューアシスト時の特性に変更する。
ビューアシストによる輝度変更について図3(c)を用いてさらに説明する。撮影装置のガンマ特性がHPモードにおけるガンマ特性303であった場合に、本体ディスプレイ116のガンマ特性304(第1の出力ガンマ特性)により表示を行うと、システムトータルの特性が輝度リニアな階調特性305となる。この状態で表示を行うと、HPモードにおいて被写体輝度の全域にわたって良好な再現性を得られる。しかしながら、通常モードの際の階調特性307に比べて、中輝度の部分が暗く見えてしまう傾向にある。ビューアシストがONになると、S803で本体ディスプレイ116の輝度が上昇し、システムトータルの特性が階調特性311のようになる。その結果、中輝度部分の輝度を上げることができ、視覚性が改善される。
なお、たとえば本体ディスプレイ116が液晶の場合は、バックライトの輝度をx(1より大きい)倍にすることで階調特性305を階調特性311に変更することができる。また、本体ディスプレイ116が有機ELの場合は、表示のガンマ特性をx(1より大きい)倍する(すなわち、有機ELの輝度を上げる)ことにより階調特性301を得ることができる。有機ELの輝度を上げた場合はすべての階調の輝度を同率で上げる。すなわち、最も明るい階調の輝度も上がる。さらに、ビューアシストをオンにした場合に、ユーザー設定輝度が高輝度(HIGH)であった場合には、本体ディスプレイ116の表示時のガンマ特性としてガンマ特性312を採用することにより、システムトータルの特性が階調特性313のようになる。ガンマ特性312(第2の出力ガンマ特性)は、ガンマ特性304よりも中間〜低輝度側を明るく表示するガンマ特性である。これにより、さらに中間部の見栄えが向上する。表示装置のガンマ特性312を適用した場合の階調特性313の最も明るい階調の輝度は階調特性301と同じであるが、低〜中間部分の階調が持ち上がっており、この部分の見栄えが向上する。
<ガイド表示処理>
図9は、図7のS707、S717で実行されるガイド表示処理の詳細を示すフローチャートである。ガイド表示処理は、HP動画を再生する場合であって、外部I/F119に外部ディスプレイ120が接続されている場合に、ユーザに外部ディスプレイ120の輝度の変更(輝度を上げること)を促すガイドを表示する処理である。
S901では、カメラマイコン111は、外部I/F119に外部ディスプレイ120が接続されており、外部ディスプレイ120に映像出力されているか否かを判定する。外部ディスプレイ120に映像出力されている場合には処理はステップS903へ遷移し、そうでなければ処理はS902へ遷移する。S902では、カメラマイコン111は、RAM111bに保持しているガイド表示済みフラグをオフにする。このガイド表示済みフラグは、一度ガイド表示を行った後は、外部ディスプレイ120の接続が解除されるまで再度ガイド表示が行われることがないように、ガイド表示を既に行ったか否かを記憶しておくためのものである。
S903では、カメラマイコン111は、ボタン表示の設定が「入」であるか否かを判定する。すなわち、ボタンアイコン1111が表示された状態か否かの判定である。ボタン表示が「切」である場合には処理はS904へ遷移し、ボタン表示が「入」であれば、ここで処理は終了となる。なお、ボタン表示が「入」である場合に処理を終了とするのは、ガイド表示によりボタンアイコンが隠れてしまうことにより、ユーザが動画の再生、停止等の動作を指示することが出来なくなるのを防ぐためである。
S904では、カメラマイコン111はRAM111bに保持しているガイド表示済みフラグがオフであるか否かを確認する。ガイド表示済みフラグがオフである場合には、処理はS905へ遷移し、そうでなければ、ここで処理は終了となる。S905では、カメラマイコン111は外部I/F119から出力される映像信号と、本体ディスプレイ116に表示される映像信号に、外部表示装置の輝度の変更を促すガイド表示を重畳する。また、カメラマイコン111はRAM111bに保持しているガイド表示済みフラグをオンにする。ガイド表示は、S905で表示が開始されてから所定時間が経過すると自動的に消去される。
図11(d)に、S905での、本体ディスプレイ116及び外部ディスプレイ120におけるガイド表示の表示例を示す。HP動画である再生動画1110に重畳して、外部モニターを明るめの設定にして再生することを促すガイド表示1120が表示されている。ユーザはこのガイド表示1120を見ることで、外部ディスプレイ120の輝度設定を変更して輝度を上げる操作を自ら行うとよいことに気付くことができる。カメラマイコン111は、外部ディスプレイ120が接続されてから初めてHP動画を再生し始めた場合、または、HP動画を再生している途中で外部ディスプレイ120が接続された場合、にガイド表示1120の表示を開始する。そして、カメラマイコン111は、ガイド表示1120を表示してから所定時間後にガイド表示1120を非表示として、再生動画1110だけの表示とする。
なお、ガイド表示1120は、外部I/F119に接続される外部ディスプレイ120のみに関するものである。従って、本体ディスプレイ116に表示することなく、外部I/F119から出力される映像信号のみにガイド表示1120が表示されるように制御してもよい。また、外部I/F119から出力する画像に対する文字表示等の表示アイテムの重畳の許可・不許可を設定することが出来る。そして、重畳が不許可に設定されていても、このガイド表示に限っては重畳を行う(HP動画にガイド表示を重畳して出力する)ように制御してもよい。こうすることで、ユーザが適切でない外部表示装置の輝度設定(HP動画の階調特性の低輝度から中輝度の部分が通常ガンマで撮影したものより暗く見えてしまう輝度設定)のまま動画を視聴する可能性を少なくすることが出来る。
なお、上述した図9のガイド表示処理は、図7のS707(すなわち、各動画の再生の開始時)と、S717(すなわち、ボタン表示の切替後)に行う例を説明したが、これに限るものではない。外部I/F119に外部ディスプレイ120が接続されたことを検知したタイミングで行っても良い。すなわち、動画の再生の途中で、外部I/F119に外部ディスプレイ120が接続されたことを検知すると、カメラマイコン111は、その時点で再生している動画がHP動画であるか否かを判定する。そして、HP動画である場合には、外部表示装置の輝度の変更を促すガイド表示を外部I/F119から外部ディスプレイ120に向けて出力する。また、複数の動画を連続して再生する場合、再生すべき複数の動画にHP動画が含まれていれば、最初の動画の再生前に外部表示装置の輝度の変更を促すガイド表示を外部I/F119から出力(動画に重畳して出力)しても良い。例えば、プレイリストに基づいて1番目からN番目までのN個の動画を連続して再生する指示があった場合に、カメラマイコンン111は、そのN個の動画の中に少なくとも1つのHP動画が含まれているか否かを判定する。そして、少なくとも1つのHP動画が含まれていた場合には、1番目に再生する動画がHP動画でなくとも、1番目の動画の再生開始時に、図9のガイド表示処理を行う。そして、外部出力中である場合には外部表示装置の輝度の変更を促すガイド表示を外部I/F119から出力する。或いは、最初の動画の再生時ではなく、動画のリストに含まれるHP動画の再生が開始するまでの時間を計算し、その時間が所定の時間以下となった場合にガイドを表示するようにしてもよい。すなわち、カメラマイコン111は、複数の動画を連続して再生して外部I/F119から出力する際に、通常の動画を再生している時でも、HP動画の再生が開始されるまでの時間が所定の時間となった場合に、ガイド表示を外部I/F119から出力する。
また、動画の再生時だけでなく、動画の一覧表示等をする画面で、HP動画を示すサムネイルやファイル名等が表示された場合に、ガイド表示1120を表示するようにしてもよい。また、この場合、単にHP動画を示すサムネイルやファイル名等が表示された場合にガイド表示を行うだけでなく、HP動画を示すサムネイルやファイル名、アイコン1109等に選択カーソル等の表示が重なったときにガイド表示を実行するようにしてもよい。すなわち、カメラマイコン111は、通常の画像とHP動画を含む複数の画像の一覧画面を出力している際に、HP動画を特定する情報あるいはHP動画であることを示す表示アイテム(アイコン1109)が選択された場合に、ガイドを出力する。HP動画を特定する情報はサムネイルやファイル名などである。
また、図9の例では、ボタン表示がされていない場合(S902No)の場合にガイド表示を実行する例を説明したが、ボタン表示がされている場合にもガイド表示を行うものとしても良い。また、外部I/F119から、外部ディスプレイ120で設定されている輝度設定の情報を取得し、外部ディスプレイ120の輝度設定が所定の設定値以上に明るい設定には、ガイド表示を行わないようにしても良い。
<停止中画面処理>
図10は、図7のS714で実行される停止中画面処理の詳細を示すフローチャートである。停止中画面処理は、再生モード処理で動画を再生していた状態から動画の再生が停止されると実行される処理である。
S1001では、カメラマイコン111は、ボタン付き停止画面を本体ディスプレイ116に表示する。すなわち、動画再生中のボタン表示設定が「入」であるか「切」であるかに関わらず、停止すると最初はボタンアイコンが表示される。図11(e)に、このときの表示例を示す。カメラマイコン111は停止中の動画1130に重畳して、ボタンアイコン群1131を表示する。このとき、カメラマイコン111は、停止中の動画がHP動画である場合には、HPアイコン1109も表示する。
S1002では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作あるいはボタンアイコンへのタッチ操作によりシーン送り操作(次の動画を選択する操作)を行ったかどうかを判定する。シーン送り操作が行われたと判定された場合には処理はS1003へ遷移し、そうでない場合には処理はS1009へ遷移する。S1003では、カメラマイコン111は、磁気テープ115/DVD117/メモリカード118から次の動画シーンを読み出し、デコード処理を行い、動画シーンのメタデータ(属性情報)の解析を行う。
S1004では、カメラマイコン111は、S1003で解析したメタデータから、次の動画シーンがHP動画であるか否かを判定する。すなわち、次のシーンの動画の属性情報にHP情報が付与されているか否かを判定する。HP動画であると判定された場合には処理はS1005に遷移し、そうでないと判定された場合には処理はS1007へ遷移する。
S1005では、カメラマイコン111は、図8で前述したパネル輝度設定処理を行う。S1006では、カメラマイコン111は、図9で前述したガイド表示処理を行う。S1007では、カメラマイコン111は、RAM111bまたはROM111aに記録されたユーザ設定輝度を読み出し、本体ディスプレイ116の輝度を読み出したユーザ設定輝度とする。この時、ユーザ設定輝度が通常(NORM)で、かつ、前のシーンの動画がHP動画であり、ビューアシスト機能がオンだった場合には、次の通常動画に遷移したことに応じて本体ディスプレイ116の輝度が変更され、自動的に下げられることとなる。S1008では、カメラマイコン111は、S1003でデコードされた次のシーンの動画のフレームをボタン表示付きの停止画面として本体ディスプレイ116に表示する。
S1009では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により、表示している動画の再生指示操作を行ったかどうかを判定する。ユーザが再生指示操作を行ったと判定した場合には処理は図7のS704へ遷移し、カメラマイコン111は、シーン送り操作により選択された動画の再生を開始する。再生指示操作が行われていない場合には、処理はS1010へ遷移する。
S1010では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりメニューを開く操作を行ったかどうかを判定する。ユーザがメニューを開く操作を行ったと判定した場合には処理はS1011へ遷移し、そうでない場合には処理はS1021へ遷移する。
S1011では、カメラマイコン111は、RAM111bまたはROM111aから、メニューで設定されていたユーザ設定輝度を読み出し、読み出したユーザ設定輝度になるよう、本体ディスプレイ116の輝度を調整する。また、カメラマイコン111は、本体ディスプレイ116にメニューのトップ階層(トップメニュー)を表示する。
S1012では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により、メニュー画面に含まれる複数のメニュー項目のうち、輝度設定メニューの項目を選択したかどうかを判定する。輝度設定メニューは、本体ディスプレイ116の輝度(ユーザ設定輝度)を設定するメニューであり、また、輝度設定メニュー表示中は動画も一時停止状態で表示される。輝度設定メニューを選択したと判定された場合には処理はS1013へ遷移し、そうでない場合には処理はS1019へ遷移する。
S1013では、カメラマイコン111は一時停止されている動画の属性情報によりHP動画かどうか(HP情報が付与されているか否か)を判定する。HP動画と判定された場合には処理はS1014に遷移し、そうでない場合には処理はS1015へ遷移する。S1014は、カメラマイコン111は、図8で説明したパネル輝度設定処理を行う。
S1015では、カメラマイコン111は、輝度設定画面を本体ディスプレイ116へ表示する。輝度設定画面は、図6(d)で説明したものと同様の画面である。ただし、背景に表示される画像はLV画像ではなく、直前に表示していた再生動画の停止中の映像である。S1016では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により輝度設定を変更したかどうか(設定されているユーザ設定輝度と異なる輝度設定の選択肢が選択されたか)を判定する。これは、図6(d)の表示例と図5のS519で例示した処理と同様である。輝度設定を変更したと判定された場合には処理はS1017へ遷移し、変更していないと判定された場合には処理はS1018へ遷移する。
S1017では、カメラマイコン111は、設定された輝度をユーザ設定輝度としてROM111aに記憶するとともに、設定された輝度となるように本体ディスプレイ116の輝度を変更する。この時、輝度設定画面には背景に再生動画の停止中の映像が表示されているため、ユーザは映像の見栄えを確認しながら好みの輝度に設定することができる。なお、輝度を変更した場合にS1014のパネル輝度設定処理はやり直さないものとする。これは、HP動画でありビューアシスト機能がオンとなっていることが要因でユーザ設定輝度に関わらず高輝度(HIGH)で表示されていた場合に、通常輝度(NORM)に変更してもパネル輝度設定処理により表示輝度が下がらないためである。このように通常輝度(NORM)への変更に応じて輝度が下がらないと、輝度を変更できたことをユーザにフィードバックできない。
ただし、表示している画像がHP動画であり、通常(NORM)から高輝度(HIGH)に変更したのであれば、S1014のパネル輝度設定処理をやり直すものとしてもよい。このようにすれば、HP動画でビューアシストがオンであれば、適用される表示ガンマ(モニターガンマ)が変更されるため、HP動画の見栄えが良くなる。また、ユーザ設定輝度の変更に応じて表示状態が変わるため、ユーザに設定が変更されたことを認識させることもできる。
S1018では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により輝度設定画面を抜ける操作を行ったかどうかを判定する。設定画面を抜ける操作が行われたと判定された場合には処理はS1011へ遷移し、そうでない場合には処理はS1016へ遷移する。
S1019では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりメニュー画面を抜ける操作を行ったかどうかを判定する。メニュー画面を抜ける操作が行われたと判定された場合には処理はS1001へ遷移し、そうでない場合には処理はS1020へ遷移する。S1020では、カメラマイコン111は、選択されたその他のメニュー項目に応じたその他のメニュー処理を行う。
S1021では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりボタン表示の切り替えを指示したかどうかを判定する。ボタン表示の切り替えが指示されたと判定された場合には処理はS1022に遷移し、そうでない場合には処理はS1024に遷移する。
S1022では、カメラマイコン111は、ボタン表示「入」/「切」を切り替える。ボタン表示「入」から「切」に切り替えられた場合は図11(e)のように表示していたボタンアイコン群1131を表示にする。このとき、表示中の画像がHP動画である場合にはHPアイコン1109も非表示にする。他方、ボタン表示「切」から「入」に切り替えられた場合は、ボタンアイコン群1131が表示されていない状態から、図11(e)のようにボタンアイコン群1131を表示する。このとき表示中の画像がHP動画である場合にはHPアイコン1109も表示する。S1023では、カメラマイコン111は、図9に示したガイド表示処理を行う。
S1024では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により編集操作の指示をしたかどうかを判定する。編集操作が指示されたと判定された場合には処理はS1025へ遷移し、そうでない場合には処理はS1026へ遷移する。S1025では、カメラマイコン111は編集処理(図12のフローチャートにより後述)を実行する。
S1026では、カメラマイコン111は、ユーザがモードダイヤル207を操作してモード切り替え操作を行ったかどうかを判定する。モード切り替え操作が行われたと判定された場合には処理はS1027へ遷移し、そうでない場合には処理はS1002へ遷移する。また、S1027では、カメラマイコン111は、ユーザによって操作されたモードダイヤル207のポジションを検出し、検出したポジションがカメラモードのポジションであるかどうかを判定する。カメラモードのポジションであると判定した場合には処理はS1028へ遷移し、カメラマイコン111はカメラモード処理を実行する。モードダイヤル207のポジションがカメラモードのポジションでない場合(電源OFFのポジションである場合)には電源OFF処理を行い処理終了となる。S1028で実行されるカメラモード処理は、図5のフローチャートで説明した処理である。
<編集処理>
図12は、図10のS1025で実行される編集処理の詳細を示すフローチャートである。この編集処理は、再生モード処理で動画が停止表示されていた状態(すなわち、編集対象の動画が指定された状態)から、編集の指示がされると実行される。上述のように、画像(または映像)には、撮影時の階調特性に関する特定の属性情報として、HPモードで撮影されたことを示す情報が付与されている。以下では、編集前の画像に上述したHPモードで撮影されたことを示す特定の属性情報が付与されていれば、編集後の画像にもその特定の属性情報が付与される編集処理としてコピー、トリミングを例示する。また、編集前の画像に特性の属性情報が付与されていても、編集後の画像には特定の属性情報が付与されない編集処理として、トランスコードを例示する。
S1201では、カメラマイコン111は、RAM111bまたはROM111aに記録されたユーザ設定輝度で本体ディスプレイ116を表示する。S1202では、カメラマイコン111は、編集選択一覧画面を本体ディスプレイ116へ表示する。図13(a)に、編集選択一覧画面の表示例を示す。編集選択一覧画面は、直前に表示していた編集対象の動画(指定された動画)に対してどの編集を行うかの複数の選択肢を表示した画面である。本実施形態では、選択肢として、消去、トリミング、トランスコード(MP4変換、すなわち、フォーマット変換)、コピーの4つの編集操作の選択肢が表示される。各選択肢は、タッチして選択するか、操作スイッチ群208に含まれる方向キーと決定ボタンとで選択することができる。
S1203では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりコピーの選択肢を選択したか否か判定する。コピーの選択肢が選択されたと判定された場合には処理はS1208へ遷移し、そうでない場合には処理はS1204へ遷移する。S1204では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトランスコードの選択肢を選択したか否かを判定する。トランスコードの選択肢が選択されたと判定された場合には処理はS1213へ遷移し、そうでない場合には処理はS1205へ遷移する。
S1205では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトリミングの選択肢を選択したか否かを判定する。トリミングの選択肢が選択されたと判定された場合には処理はS1221へ遷移し、そうでない場合には処理は1106へ遷移する。S1206では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により消去の選択肢を選択したか否かを判定する。消去の選択肢が選択されたと判定された場合には処理はS1229へ遷移し、そうでない場合には処理はS1207へ遷移する。
S1207では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により、編集選択一覧画面を閉じる操作を行ったか否かを判定する。編集選択一覧画面を閉じる操作が行われたと判定された場合には、カメラマイコン111は編集選択一覧画面を閉じ、編集処理を終了し、処理を図10のS1026に遷移させる。編集選択一覧画面を閉じる操作が行われていないと判定された場合には処理はS1203へ遷移する。
S1208では、カメラマイコン111は、コピー実行確認画面を本体ディスプレイ116に表示する。このコピー実行確認画面は、次のS1208a、S1208bの処理により、HP動画でかつビューアシスト機能がオンである場合には、ユーザ設定輝度ではなく、HP動画用の輝度で表示される。S1208aでは、カメラマイコン111は、表示されている動画の属性情報を解析し、HP情報が付与されているか否かを判定する。HP情報が付与されていると判定された場合には処理はS1208bへ遷移し、そうでない場合には処理はS1224へ遷移する。S1208bでは、カメラマイコン111は、パネル輝度設定処理(図8)を行う。
S1209では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により、コピー実行確認画面においてコピー実行が選択されたかどうかを判定する。コピー実行が選択されたと判定された場合には処理はS1211へ遷移し、そうでない場合には処理はS1210へ遷移する。S1210では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりコピー中止の操作を行った否かを判定する。コピー中止操作がされたと判定された場合には処理はS1235へ遷移し、そうでない場合には処理はS1209へ遷移する。
S1211では、カメラマイコン111は、コピー実行画面を本体ディスプレイ116に表示する。スッテップS1212では、カメラマイコン111は、コピー処理を実行する。コピー処理において、カメラマイコン111は、まず磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかから、編集対象(コピー対象)の動画のデータ(動画ファイル)を読み込む。そして、カメラマイコン111は、読み込んだ動画と同一の動画を別ファイルとして磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかへ保存する。コピー処理により生成する動画ファイルには、コピー元の動画と同一の属性情報が付与される(属性情報もコピーされる)。すなわち、HP情報が付与された動画をコピーした場合は、新たに生成される動画ファイルにもHP情報が付与される。コピー処理が完了すると処理はS1235へ遷移する。
S1213では、カメラマイコン111は、変換後のフォーマットを選択するフォーマット選択画面を本体ディスプレイ116に表示する。フォーマットとは、動画データの解像度、及び、ビットレートであり、例えば“1920×1080、24Mbps”、“1920×1080、17Mbps”、“1280×720、4Mbps”などが選択肢として表示される。S1214では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりフォーマットの選択肢のいずれかを選択したか否かを判定する。フォーマットが選択されたと判定されると処理はS1216へ遷移し、そうでない場合には処理はS1215へ遷移する。S1215では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトランスコードの中止を指示する操作が行われたか(キャンセルボタンが押されたか)を判定する。トランスコードの中止を指示する操作が行われたと判定された場合には処理はS1235へ遷移し、そうでない場合には処理はS1214へ遷移する。
S1216では、カメラマイコン111はトランスコードの実行確認画面(トランスコードの編集画面)を本体ディスプレイ116に表示する。図13(b)に、トランスコードの実行確認画面の表示例を示す。トランスコードの実行確認画面には、編集対象の動画の停止中の映像と共に、トランスコードを実行(START)するか、キャンセルするかの選択肢が表示される。この画面を表示する際にはパネル輝度設定処理(図8)は行われていないため、編集対象の動画は、HP動画であるか否かに関わらず、ユーザ設定輝度で表示される。これは、編集対象の動画がHP動画であっても、トランスコードが実行され生成される変換後の動画には、HP情報が引き継がれない(HP情報は付与されない)ためである。すなわち、変換前の動画がHP動画であっても変換後の動画はHP情報が付与されないため、ビューアシスト機能がオンであっても変換後の動画はユーザ設定輝度で表示される。従って、カメラマイコン111は、変換後の動画がどう表示されるかを事前に確認できるようにするため、トランスコードの実行確認画面では、編集対象の動画がHP動画でありビューアシスト機能がオンであったとしてもユーザ設定輝度での表示を行う。
S1217では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトランスコードの実行を指示する操作を行ったか否かを判定する。トランスコードの実行が指示されたと判定された場合には処理はS1219へ遷移し、そうでない場合には処理はS1218へ遷移する。S1218では、S1215と同様に、トランスコードの中止を指示する操作が行われたか(キャンセルボタンが押されたか)が判定される。トランスコードの中止を指示する操作が行われたと判定された場合には処理はS1235へ遷移し、そうでない場合には処理はS1217へ遷移する。
S1219では、カメラマイコン111は、磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかから編集対象の動画を読み込み、デコードを行う。そして、トランスコードの実行画面において、読み込んだ動画の再生を開始する。S1220では、カメラマイコン111は、S1214で選択されたフォーマット情報をRAM111bから読み出し、読み出したフォーマット情報に応じて、編集対象の動画のトランスコード処理を行う。トランスコード処理では、複数の動画を結合することも可能である。そのため、HP動画と通常の動画を結合した場合に属性情報の不整合が発生するため、トランスコード処理では変換元となる動画のHP情報を引き継がず破棄する。
S1221では、カメラマイコン111は、トリミング実行画面を本体ディスプレイ116に表示する。図13(c)に、トリミング実行画面(編集画面、確認画面)の表示例を示す。トリミング実行画面には、編集対象の動画が停止状態で表示されるとともに、トリミング位置を指定するための各種操作用表示アイテムが表示される。このトリミング実行画面は、次のS1222、S1223の処理により、HP動画でかつビューアシスト機能がオンである場合には、ユーザ設定輝度ではなく、HP動画用の輝度で表示される。S1222では、カメラマイコン111は、表示されている動画の属性情報を解析し、HP情報が付与されているか否かを判定する。HP情報が付与されていると判定された場合には処理はS1223へ遷移し、そうでない場合には処理はS1224へ遷移する。S1223では、カメラマイコン111は、パネル輝度設定処理(図8)を行う。
S1224では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトリミング位置を変更する操作を行ったか否かを判定する。トリミング位置を変更する操作が行われたと判定された場合には処理はS1225へ遷移し、そうでない場合には処理はS1228へ遷移する。S1225では、カメラマイコン111は、S1224でユーザが選択した位置の情報を用いて、RAM111bで管理しているトリミング位置情報を更新する。
S1226では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトリミングの実行を選択したか否かを判定する。トリミングの実行が選択されたと判定された場合には処理はS1228へ遷移し、そうでない場合には処理はS1227へ遷移する。S1227では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作によりトリミング中止を選択したかどうかを判定する。トリミング中止が選択されたと判定された場合には処理はS1235へ遷移し、そうでない場合には処理はS1224へ遷移する。
S1228では、カメラマイコン111は、RAM111bからトリミング位置情報を読み出し、磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかから読み出した編集対象の動画をトリミング位置情報に基づいて分割する。そして分割して生成された動画を動画ファイルとして磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかへ保存する。トリミング処理により生成する動画ファイルの属性情報は、編集元となった動画の属性情報と同一となるよう制御される。すなわち、HP情報が付与された動画をトリミングした場合、生成される動画にも同じHP情報が付与される。
S1229では、カメラマイコン111は、編集対象動画の消去確認画面を本体ディスプレイ116に表示する。消去確認画面には、消去の実行を指示するためのボタンアイコンと、キャンセルを指示するためのボタンアイコンと、編集対象の動画の停止中の映像が表示される。S1230、S1231の処理は、S1222、S1223の処理と同様である。
S1232では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により消去の実行を指示するボタンアイコンを選択したか否かを判定する。消去の実行が選択された場合には処理はS1234へ遷移し、そうでない場合には処理はS1233へ遷移する。S1233では、カメラマイコン111は、ユーザが操作スイッチ群208への操作またはタッチ操作により消去中止(キャンセル)のボタンアイコンを選択したか否かを判定する。消去中止が選択された場合には処理はS1235へ遷移し、そうでない場合には処理はS1232へ遷移する。
S1234では、カメラマイコン111は、磁気テープ115/DVD117/メモリカード118のいずれかに保存されている編集対象の動画(動画ファイル)の消去を行う。消去が完了すれば、処理はS1235へ遷移する。
S1235では、カメラマイコン111は、RAM111bまたはROM111aに記録されているユーザ設定輝度を読み出し、読み出したユーザ設定輝度に応じて本体ディスプレイ116の輝度を変更する。S1236では、カメラマイコン111は、再び編集選択一覧画面の画面データを本体ディスプレイ116に表示する。その後、処理はS1203へ戻り、上述した処理が繰り返される。
なお、カメラマイコン111が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御が行われてもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明を撮像装置100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されるものではない。上述の実施形態の高輝度優先モード(HPモード)で適用した撮影時のガンマカーブのように、通常のガンマカーブに比べて低輝度〜中輝度域の階調が低いガンマカーブを適用して撮影された画像を表示することのできる表示制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は表示する際の制御に関するものであり、撮像に関する構成は有していなくともよい。従って、本発明はデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。デジタルカメラには、デジタル一眼レフカメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラを含むことは言うまでも無い。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。