JP2017090507A - 光走査デバイスおよび投影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】投影装置の大型化を抑えつつ、各レーザ光が形成する画像同士の画素ズレを補正可能とする。【解決手段】複数の光源から出力されたレーザ光を走査させる光走査デバイス400である。光走査デバイス400は、光検出器410と、レーザ光を反射して走査させる本体部420と、を備える。本体部420は、光検出器410に対して相対的に揺動することでレーザ光を反射しながら走査させる反射部450を備える。反射部450は、透過体と、透過体の第1の面に形成され、レーザ光を反射する反射膜と、透過体の第1の面に形成され、レーザ光の一部を透過する透過部とを備える。透過体は、当該透過体に対する前記レーザ光の入射角に応じて透過率が異なる。光検出器410は、透過体を透過したレーザ光を受光する位置に固定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、光走査デバイスおよび投影装置に関する。
例えば、投影装置としては、赤色レーザ光、青色レーザ光および緑色レーザ光を二次元的に走査させることによって、画像を投影する走査式の投影装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2015−79170号公報
ところで、各レーザ光の光軸がわずかでもずれていると、各レーザ光が形成する画像同士に画素ズレが生じてしまう。
各レーザ光の光軸のズレを検出するための専用のセンサをレーザ光の光路上に設け、当該センサで光軸のズレを検出すれば、その検出結果に基づいて各レーザ光の出力タイミングを調整して画素ズレを補正することも可能である。しかしレーザ光の光路上にセンサを配置すると、投影装置自体の大型化を招くことになる。
そこで、本発明は、投影装置の大型化を抑えつつ、各レーザ光が形成する画像同士の画素ズレを補正可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光走査デバイスは、複数の光源から出力されたレーザ光を走査させる光走査デバイスであって、光検出器と、レーザ光を反射して走査させる本体部と、を備え、本体部は、光検出器に対して相対的に揺動することでレーザ光を反射しながら走査させる反射部を備え、反射部は、透過体と、透過体の第1の面に形成され、レーザ光を反射する反射膜と、透過体の第1の面に形成され、レーザ光の一部を透過する透過部とを備え、透過体は、当該透過体に対するレーザ光の入射角に応じて透過率が異なっており、光検出器は、透過体を透過したレーザ光を受光する位置に固定されている。
このように、反射部は、反射膜でレーザ光を反射しつつ、一部のレーザ光を透過部で透過する。これにより、レーザ光の一部が、反射部で反射された光とは異なる領域に案内される。このレーザ光の一部は透過体を透過するが、透過体の透過率はレーザ光の入射角に応じて透過率が異なる。レーザ光の光軸にズレがある場合と、ない場合とでは透過体に対する入射角が異なるので、透過体を透過すればレーザ光の強度に異なりが生じる。つまり、透過体を透過したレーザ光の強度を光検出器が検出すれば、光軸ズレを検出することができる。光軸ズレを検出することができれば、その検出結果に基づいて各レーザ光の出力タイミングを補正することができ、光軸ズレを起因とした画素ズレを補正することが可能となる。
また、光検出器は、透過体を透過したレーザ光を受光する位置、つまり反射部の背方となる位置に固定されている。この反射部の背方は、投影には直接関係のない領域であるので、レーザ光の主たる光路と比しても、光検出器の設置の自由度は高い。また、反射部の揺動を考慮してある程度の余裕を持った空間も設けられている。この空間に光軸ズレ検出用の光検出器を設置することができるので、投影装置の大型化を抑制することができる。
例えば、透過体は、第1の面をなす、透過性を有する基板と、基板の、第1の面とは反対側の第2の面に形成される透過膜とを備え、透過膜は、入射角に応じて透過率が異なるように形成された誘電体多層膜であってもよい。
このように、透過体が基板と透過膜とを備え、透過膜が入射角に応じて透過率が異なるように形成された誘電体多層膜であるので、各層の材料、膜厚を調整することで、入射角に応じた透過率の調整を容易に行うことができる。また、透過体全体の透過率を調整しなくてもよく、製造効率も高めることができる。
例えば、透過部は、反射膜に設けられた透過開口部であってもよい。
このように、透過部が反射膜に設けられた透過開口部であるので、透過性を有する反射膜自体をレーザ光が透過した場合と比しても、レーザ光の強度は低下しない。したがって、光検出器でのレーザ光の検出精度を高めることができる。
例えば、本体部は、基台と、基台に対して反射部を揺動自在に支持する支持部とを有してもよい。
このように、基台に対して反射部を揺動自在に支持する支持部が設けられているので、本体部全体を搖動させて反射部を搖動させる場合と比しても、搖動させる部分を小さくすることができる。したがって、揺動にかかるエネルギーを抑制することができる。
また、本発明の他の態様に係る投影装置は、上述の光走査デバイスと、複数の光源と、複数の光源のそれぞれの出力タイミングを制御する制御部とを備え、制御部は、複数の光源のうち、少なくとも2つの光源から出力され、搖動中の反射部を透過した少なくとも2つのレーザ光を、光検出器が個別に受光して出力したレーザ光毎の出力結果に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正する。
このように、複数の光源のうち、少なくとも2つの光源から出力され、搖動中の反射部を透過した少なくとも2つのレーザ光を、光検出器が個別に受光して出力したレーザ光毎の出力結果に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正するので、各光源の光軸ズレを補正することができ、当該光軸ズレに起因する画素ズレを抑制することができる。
例えば、制御部は、光検出器が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の位相差に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正してもよい。
このように、光検出器が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の位相差に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正するので、より正確に出力タイミングを補正することができる。
例えば、制御部は、光検出器の出力結果に基づいて、反射部の揺動の振幅を検出してもよい。
このように、光検出器の出力結果に基づいて反射部の揺動の振幅が検出されるので、検出した振幅が目標範囲に収まっていない場合には、当該目標範囲に収まるように反射部の揺動の振幅を制御することができる。反射部の揺動の振幅は、投影画像のサイズを決める一因でもあるので、この振幅を制御できれば、投影画像のサイズを一定に保つような投影を行うことができる。
例えば、制御部は、光検出器が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の最大値に基づいて、レーザ光毎の強度を検出してもよい。
このように、光検出器が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の最大値に基づいて、レーザ光毎の強度が検出されるので、検出したレーザ光毎の強度が目標範囲に収まっていない場合には、当該目標範囲に収まるようにレーザ光の強度を制御することができる。したがって、各レーザ光を安定した強度で走査させることができる。
本発明によると、装置の大型化を抑えつつ、各レーザ光が形成する画像同士の画素ズレを補正することができる。
実施の形態1に係る投影装置の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係る投影装置の制御構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る光走査デバイスの概略構成を示す正面図である。 実施の形態1に係る光走査デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る反射部の概略構成を示す説明図である。 実施の形態1に係る画素ズレを説明するための説明図である。 実施の形態1に係る画素ズレを説明するための説明図である。 実施の形態1に係る光軸のずれ量と、光検出器の出力結果との関係を示す説明図である。 実施の形態1に係る光検出器に正対した状態の反射部を示す説明図である。 実施の形態1に係る補正モードの流れを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る投影動作の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る光検出器の出力強度比と、反射部の揺動の振幅との関係を示すグラフである。 実施の形態2に係る出力強度比を説明するための説明図である。 実施の形態2に係る揺動制御の流れを示すフローチャートである。 実施の形態3に係る光検出器の出力結果の最大値と、レーザ光の強度との関係を示すグラフである。 実施の形態3に係る出力結果の最大値を説明するための説明図である。 実施の形態3に係るレーザ光の強度制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図は、必ずしも各寸法または各寸法比等を厳密に図示したものではない。
(実施の形態1)
[投影装置の構成]
図1は、実施の形態1に係る投影装置の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、投影装置200は、例えば携帯型のレーザプロジェクタであり、筐体110と、筐体110に内蔵された投影部210とを備えている。なお、投影装置200としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯機器に搭載されたものであってもよい。
投影部210は、筐体110の一側面に設けられた投影用の開口部211を介して投影を行う。投影装置200は、通常モードと、補正モードとが実行可能である。通常モードは、投影装置200の一般的な機能を実行可能なモードであり、通常モードであると投影装置200では一般的な投影が実行可能となる。補正モードは、通常モードにおける投影の前に、投影画像の補正に必要な情報を取得するモードである。補正モードにおいては、開口部211を介して投影部210から卓の上面(投影面SC)に対して補正用のレーザ光が投影される。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。
図2は、投影装置200の制御構成を示すブロック図である。
投影装置200は、赤色成分(R)のレーザ光と緑色成分(G)のレーザ光と青色成分(B)のレーザ光とを合成し、合成したレーザ光を走査しながら投影面SCに照射することにより、投影面SCにカラーの投影画像を投影する。
図2に示すように、投影装置200は、投影部210と、加速度センサ240と、記憶部245と、制御部250とを備える。
投影部210は、それぞれ波長の異なるレーザ光を出力する複数の光源261,262,263から出力されたレーザ光を主走査方向と、当該主走査方向に直交する副走査方向とに走査することにより投影画像を形成する。投影部210は、通常モード時においては、記憶部245に記憶された通常モード用の画像データに基づいて画像を投影する。また、投影部210は、補正モード時においては、記憶部245に記憶された補正用のレーザ光の照射パターンに基づいて、補正用のレーザ光を投影する。
具体的に、投影部210は、光源モジュール260と、レーザドライバ270と、走査モジュール280と、ミラードライバ290とを備える。
光源モジュール260は、複数の光源261,262,263からのレーザ光を合成して走査モジュール280に出力する。具体的に、光源モジュール260は、複数の光源261,262,263と、複数の光学素子264,265,266と、合成プリズム267とを備える。
複数の光源261,262,263は、それぞれ特定の波長の単色成分のレーザ光を発するレーザダイオードである。光源261は赤色成分のレーザ光を発し、光源262は緑色成分のレーザ光を発し、光源263は青色成分のレーザ光を発する。以降、赤色成分のレーザ光を赤色光と称し、緑色成分のレーザ光を緑色光と称し、青色成分のレーザ光を青色光と称す場合がある。
複数の光学素子264,265,266は、それぞれビーム整形機能およびコリメート機能を有するコリメートレンズである。ビーム整形機能とは、レーザ光のビーム形状を円形状に整形する機能である。コリメート機能とは、レーザ光を発散光から平行光に変換する機能である。複数の光学素子264,265,266は、それぞれ複数の光源261,262,263に対応して配置されている。すなわち、光学素子264は、光源261からの赤色光を平行光に変換し、かつ円形状に整形する。同様に光学素子265は、光源262からの緑色光を平行光に変換し、かつ円形状に整形する。光学素子266は、光源263からの青色光を平行光に変換し、かつ円形状に整形する。各光学素子264,265,266を透過した各色光は、合成プリズム267に入射する。
合成プリズム267は、複数の光源261,262,263から照射され、複数の光学素子264,265,266を介して入射された各色光を合成する。具体的には、合成プリズム267には、ダイクロイック膜である誘電体多層膜が形成された複数の界面267a,267b,267cを有する。光源261に対応する界面267aは、赤色光を反射するものである。光源262に対応する界面267bは、緑色光を反射し、赤色光を透過するものである。光源263に対応する界面267cは、青色光を反射し、赤色光および緑色光を透過するものである。これらの界面267a,267b,267cを通過することにより、各色のレーザ光が合成される。
レーザドライバ270は、制御部250による制御に基づいて、各光源261,262,263を駆動して各色光を出力させる回路である。
走査モジュール280は、合成プリズム267で合成されたレーザ光を走査しながら投影面SCに照射することにより、投影面SCに投影画像を投影するためのものである。走査モジュール280は、第1の光走査デバイス400Aと、第2の光走査デバイス400Bとを備える。第1の光走査デバイス400Aは、レーザ光を反射させて、水平方向(主走査方向)に比較的高速で走査させる。第2の光走査デバイス400Bは、各色光を反射させて、垂直方向(副走査方向)に比較的低速で走査させる。合成プリズム267で合成されたレーザ光は、第1の光走査デバイス400Aで反射した後に、第2の光走査デバイス400Bで反射する。第1の光走査デバイス400A及び第2の光走査デバイス400Bがそれぞれ水平方向及び垂直方向に揺動することにより、レーザ光が水平方向及び垂直方向に(すなわち、二次元的に)走査されながら投影面SCに照射され、投影面SCに投影画像が投影される。
光走査デバイス400(第1の光走査デバイス400Aおよび第2の光走査デバイス400B)の具体的な構成については後述する。
ミラードライバ290は、制御部250による制御に基づいて、第1の光走査デバイス400A及び第2の光走査デバイス400Bそれぞれの駆動源460(後述)を駆動して、第1の光走査デバイス400A及び第2の光走査デバイス400Bによるレーザ光の走査を制御する回路である。
加速度センサ240は、投影装置200の加速度を検出するためのセンサであり、この検出結果によって投影装置200の姿勢を検出することができる。加速度センサ240は検出結果を制御部250に出力する。
記憶部245は、不揮発性メモリであり、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。記憶部245は、通常モード用の画像データ、補正用のレーザ光の照射パターンなどを記憶する。
制御部250は、投影装置200の全般的な動作を制御する。制御部250は、レーザドライバ270を制御することで、各光源261,262,263の出力タイミングを制御する。また、制御部250は、ミラードライバ290を制御することで、第1の光走査デバイス400A及び第2の光走査デバイス400Bの駆動を制御する。
制御部250は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Ramdom Aceess Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/O(Input/Output)ポートなどを有するワンチップマイコンで構成されてもよい。制御部250の各種の動作は、ROMに記録されているプログラムを、RAMを作業用のメモリとして用いて、MPUが実行することにより果たされるソフトウェア機能によって実現されてもよい。
例えば、通常モードの投影では、制御部250は、記憶部245から通常モード用の画像データを読み出し、当該画像データに基づいて投影部210を制御して、通常モード用の画像データに基づく投影画像を投影する。補正モードにおいては、制御部250は、記憶部245から補正用のレーザ光の照射パターンを読み出し、当該照射パターンに基づいて投影部210を制御して、補正用のレーザ光を投影する。これにより、制御部250では、投影画像の補正に必要な情報が取得される。
[光走査デバイス]
次に、光走査デバイス400について詳細に説明する。なお、第1の光走査デバイス400Aおよび第2の光走査デバイス400Bは、レーザ光を走査する方向が異なるだけで、基本的には同じ構成であるので、まとめて説明し同じ符号を付す。
図3は、光走査デバイスの概略構成を示す正面図である。図4は、光走査デバイスの概略構成を示す分解斜視図である。
図3および図4に示すように、光走査デバイス400は、光検出器410と、本体部420とを備える。
光検出器410は、受光した光の強度を検出する素子であり、光の強度を電気信号に変換する。光検出器410としては、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、イメージセンサなどが挙げられる。
本体部420は、レーザ光を反射して走査させる機器である。本体部420は、第1フレーム430と、第2フレーム440と、反射部450と、駆動源460とを備える。
第1フレーム430は、金属などから形成された正面視矩形枠状の枠体であり、その内部に光検出器410が配置されている。第1フレーム430におけるY軸方向で対向する一対の辺部には、矩形状の永久磁石431,432が取り付けられている。永久磁石431,432の磁極は、互いに同じ磁極が対向するように配置されている。本実施の形態ではN極同士が対向している。また、第1フレーム430の表面には、第2フレーム440が一体的に取り付けられる。
第2フレーム440は、Si基板等の単一基板材料に対してドライエッチング法による微細加工を施すことで各部が一体的に形成されている。具体的には、第2フレーム440は、枠部441と、ヒンジ部442と、突起部443と、固定部444とを一体的に備えている。
枠部441は、正面視矩形枠状に形成された基台であり、第1フレーム430の表面に重ねられて固定される。
ヒンジ部442は、枠部441の内周縁において、X軸方向で対向する一対の辺部にそれぞれ設けられている。ヒンジ部442には、枠部441の一対の辺部の略中央からX軸方向に沿って延在していて、固定部444を支持する。ヒンジ部442は、固定部444の揺動軸として機能する。
突起部443は、各ヒンジ部442をY軸方向で所定の間隔をあけて挟むように複数設けられている。突起部443は、枠部441の一対の辺部から2つずつX軸方向に沿って内方に突出している。この突起部443およびヒンジ部442に対して、共振ピーク量を抑制するための弾性部材480が設けられている。
固定部444は、正面視矩形枠状に形成されており、その表面には反射部450が取り付けられる。この固定部444の開口部445に対向する位置に、光検出器410が配置されている。光検出器410は、投影装置200内の例えば支持体、フレームなどの構造物(図示省略)に固定されてもよいし、第1フレーム430に固定されてもよい。すなわち、光検出器410に対して固定部444が相対的に揺動する位置であれば、如何なる箇所でも光検出器410を固定することが可能である。
開口部445は、反射部450を透過し光検出器410まで至るレーザ光の光路となる。固定部444がレーザ光を遮らないようにするべく、開口部445は、反射部450を透過したレーザ光のビーム径よりも大きく形成されている。
このように、ヒンジ部442および固定部444によって、反射部450が枠部441に対して揺動自在に支持されている。つまり、ヒンジ部442および固定部444が、基台である枠部441に対して反射部450を支持する支持部である。
図5は、反射部の概略構成を示す説明図であり、図5の(a)は正面図、図5の(b)は図5の(a)のb−b切断線から見た断面図である。
図5に示すように、反射部450は、基板451と、反射膜452と、透過膜453とを備え、固定部444の正面側(レーザ光が照射する側)に取り付けられている。
基板451は、レーザ光を透過する板状の透明基材であり、例えばアクリル樹脂、ガラスなどから形成されている。基板451は、固定部444の開口部445を閉塞するように正面視矩形状に形成されている。
反射膜452は、基板451の第1の面(正面側の表面451a)に形成されていて、レーザ光を反射する。具体的には、反射膜452は、例えばアルミニウムなどの光反射性の高い金属を、基板451の表面451aに蒸着することにより形成されている。反射膜452の膜厚は数μm程度である。反射膜452の正面視略中央には円形の透過開口部454が形成されている。この透過開口部454は、基板451の表面451aにマスクを施した状態で、反射膜452となる金属を蒸着することで形成される。レーザ光の一部は、透過開口部454を透過してから、反射膜452を透過する。つまり、透過開口部454が、レーザ光の一部を透過する透過部である。本実施の形態では、透過開口部454の内部が空間である場合を例示しているが、透過開口部454内に透過性材料が充填されていてもよい。この透過性材料と、基板451とが一体成形されていてもよい。
なお、反射膜452を例えばハーフミラーなどの反射性および光透過性を有する反射膜とした場合、透過開口部454はなくともよい。この場合、反射性および光透過性を有する反射膜自体が透過部となる。
透過膜453は、基板451の、第1の面とは反対側の第2の面(背面側の表面451b)に形成されていて、透過開口部454および基板451を透過したレーザ光を透過する。透過膜453は、当該透過膜453に対するレーザ光の入射角に応じて透過率が異なっている。具体的には、透過膜453は、誘電体多層膜により形成されており、各層の材料、厚みなどの調整することで、透過膜453に対するレーザ光の入射角に応じて透過率が異ならせている。本実施の形態では、透過膜453に対するレーザ光の角度が90度である場合を入射角0度とする。入射角が0度である場合に最も透過率が高く、入射角が0度から大きくなっていくに連れて徐々に透過率が低くなるように設定されている。これは、透過膜453の厚み、組成などを調整することで変更できる。
本実施の形態では、透過膜453と基板451とが透過体をなしている。
図3に示すように、駆動源460は、電磁コイル461と、電極パッド462とを備え、固定部444を搖動させるための動力源である。
電磁コイル461は、反射部450の背面側の表面に、当該反射部450の周縁部を周回するように配線されている。なお、電磁コイル461の配線は実際には複数巻きであるが、図3では単数巻きで示している。電磁コイル461の一対の端部は、一対のヒンジ部442を通って、第2フレーム440の枠部441まで配線されている。電磁コイル461の一対の端部には、電極パッド462が電気的に接続されている。
電極パッド462は、第2フレーム440の枠部441に設けられており、ミラードライバ290と電気的に接続されている。電極パッド462に対して、ミラードライバ290から電圧が付与されると、電磁コイル461には電流が流れる。このとき、電磁コイル461のうち、永久磁石431,432に対向する部分は、永久磁石431,432によって発生された磁界との相互作用により反射部450の厚み方向(Z軸方向)にローレンツ力を受ける。その結果、反射部450には、ヒンジ部442を揺動中心として搖動する力が作用するので、固定部444および反射部450が、ヒンジ部442が揺動する。この揺動によって、反射部450を反射したレーザ光がY−Z平面に平行に走査する。
例えば、第1の光走査デバイス400Aの場合には、この第1の光走査デバイス400AのY−Z平面と、投影装置200の水平方向(主走査方向)とが平行となるように、第1の光走査デバイス400Aが投影装置200内に配置されている。これにより、第1の光走査デバイス400Aを反射したレーザ光が水平方向に走査される。
他方、第2の光走査デバイス400Bの場合には、この第2の光走査デバイス400BのY−Z平面と、投影装置200の垂直方向(副走査方向)とが平行となるように、第2の光走査デバイス400Bが投影装置200内に配置されている。これにより、第2の光走査デバイス400Bを反射したレーザ光が垂直方向に走査される。
なお、本実施の形態では、駆動源として、電磁コイル461および電極パッド462からなる駆動源460を例示して説明したが、反射部450を搖動させることができるのであれば、その他の駆動源を用いてもよい。その他の駆動源としては、例えば、圧電素子、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータなどが挙げられる。
[補正モード]
次に、補正モードについて具体的に説明する。
補正モードとは、上述したように、通常モードにおける投影の前に、投影画像の補正に必要な情報を取得するモードである。ここで、複数の光源261,262,263の光軸にズレが生じている場合、各色光により形成された投影画像を正確に合成することができず、画素ズレが生じてしまう。例えば、青色光を発する光源263の光軸にズレが生じている場合を例示して説明する。なお、他の光源261,262の光軸にはズレがないものとするが、説明をわかりやすくするために以下では赤色光を発する光源261と、ズレが生じている光源263とを比較する。
図6および図7は、画素ズレを説明するための説明図である。
図6に示すように、R10は、赤色光の単位投影画像(第1の単位投影画像)である。B10は、青色光の単位投影画像(第2の単位投影画像)である。単位投影画像とは、投影部210から投影面SCに投影された画像であり、水平方向(主走査方向)と垂直方向(副走査方向)とに所定の幅を有する矩形状の画像である。単位投影画像R10と、単位投影画像B10とは同形状である。
R20は、赤色光の単位投影画像R10の目標投影位置である。B20は、青色光の単位投影画像B10の目標投影位置である。目標投影位置は、単位投影画像を投影面SC上に投影する際の目標となる目標投影位置である。
図7に示すように、目標投影位置R20と目標投影位置B20とを一致させた場合、赤色光および青色光のどちらの光軸にもズレがなければ、単位投影画像R10と単位投影画像B10とも目標投影位置R20,B20で一致して、全体としてマゼンタの投影画像M10が投影面SC上に形成される。マゼンタは、赤色光と青色光との合成色である。
しかし、青色光の光軸が例えば水平方向に1画素分だけずれている場合には、目標投影位置B20から水平方向に1画素だけずれて単位投影画像B10が投影される。このため、単位投影画像R10では垂直方向に1列分だけ赤色のままの領域R11が残り、単位投影画像B10でも垂直方向に1列分だけ青色のままの領域B11が残る。マゼンタの投影画像M10も水平方向に1画素分だけ小さくなる。つまり、単位投影画像B10を全体として1画素分水平に移動させればよい。これは光源263の青色光の出力タイミングを補正すれば可能である。具体的には、水平方向に走査している際の青色光の出力タイミングを補正すれば、水平方向の画素ズレを抑制することができる。他方、画素ズレが垂直方向に発生している場合には、垂直方向に走査している際の青色光の出力タイミングを補正すれば、垂直方向の画素ズレを抑制することができる。これは他の光源261,262の光軸ズレにおいても同様である。このように、画素ズレが抑制される出力タイミングで各光源261,262,263から各色光を出力させればよい。
ところで、各光源261,262,263の出力タイミングを補正するには、光軸のずれを補正するための情報を取得しておく必要がある。この情報の取得に、光検出器410の出力結果を用いる。
図8は、光軸のずれ量と、光検出器の出力結果との関係を示す説明図である。
図8では、赤色光を発する光源261に光軸ズレがなく、青色光を発する光源263に−θ度だけ光軸ズレがあり、緑色光を発する光源262に+θ度だけ光軸ズレがある場合を例示している。なお、図8の上側のグラフは、揺動による反射部450の振れ角(走査角度)の時間変化を示している。反射部450の角度波形Dは、例えば正弦波となっており、1周期がレーザ光を所定方向に1往復走査させる角度変化を示している。走査角度が0度の場合、反射部450は光検出器410と正対した状態となる。正対した状態とは、反射部450の主面と、光検出器410の受光面とが平行となった状態である。
図9は、光検出器に正対した状態の反射部を示す説明図である。図9の(a)は光軸ズレのないレーザ光が反射部に照射された場合を示している。図9の(b)は−θ度だけ光軸ズレがあるレーザ光が反射部に照射された場合を示している。図9の(c)は+θ度だけ光軸ズレがあるレーザ光が反射部に照射された場合を示している。
図9の(a)に示すように、光軸ズレのない赤色光(レーザ光L1)が反射部450に照射されている場合、光検出器410に正対した反射部450には、光軸L10が当該反射部450の反射膜452に直交するようにレーザ光L1が照射される。このとき、レーザ光L1の一部は、透過開口部454を介して基板451に入射し、透過膜453を経て光検出器410に到達する。透過膜453に対するレーザ光L1の入射角は0度であるので、透過膜453の透過率が最も高い。つまり、光検出器410に至るレーザ光L1は、透過膜453を通過したことで最も強度が高い状態となり、その強度のまま光検出器410で受光される。
そして、図9の(a)に示す二点鎖線のように、反射部450が正方向又は負方向に揺動すると、透過膜453に対する入射角も0度から増加する。入射角が大きくなると透過膜453の透過率も小さくなるため、光検出器410に到達するレーザ光L1の強度も低下する。したがって、光検出器410の出力値(検出結果)も反射部450の走査角度に応じて変動することになる。
図8に示すように、光軸ズレのない赤色光の場合であると、光検出器410の出力波形D1は、反射部450の角度波形Dの倍の正弦波となる。光軸ズレがないため、出力波形D1における最大値は、いずれも反射部450の角度が0度となる時点に一致する。
図9の(b)に示すように、−θ度だけ光軸ズレがある青色光(レーザ光L2)が反射部450に照射されている場合、光検出器410に正対した反射部450には、光軸L20が当該反射部450の反射膜452に−θ度ずれてレーザ光L2が照射される。このとき、レーザ光L2の一部は、透過開口部454を介して基板451に入射し、透過膜453を経て光検出器410に到達する。透過膜453に対するレーザ光L2の入射角は0度−θ度であるので、透過膜453の透過率が最大値から低下する。
そして、反射部450が+方向又はマイナス方向に揺動すると、透過膜453に対する入射角も変動する。この入射角が0度となる位置、つまり、反射部450が−θ度だけ揺れた位置(図9の(b)における二点鎖線の位置)になると、透過膜453の透過率が最も高くなり、透過膜453を透過したレーザ光L2の強度は最も高くなる。
図8に示すように、−θ度だけ光軸ズレのある青色光の場合であると、光検出器410の出力波形D2は、反射部450の角度波形Dに対して−θ度分の位相がずれることになる。この位相差に基づいて、青色光を発する光源263の出力タイミングを補正すれば、投影面SC上での画素ズレを補正することができる。
図9の(c)に示すように、+θ度だけ光軸ズレがある緑色光(レーザ光L3)が反射部450に照射されている場合、光検出器410に正対した反射部450には、光軸L30が当該反射部450の反射膜452に+θ度ずれてレーザ光L3が照射される。このとき、レーザ光L3の一部は、透過開口部454を介して基板451に入射し、透過膜453を経て光検出器410に到達する。透過膜453に対するレーザ光L3の入射角は0度+θ度であるので、透過膜453の透過率が最大値から低下する。
そして、反射部450が+方向又はマイナス方向に揺動すると、透過膜453に対する入射角も変動する。この入射角が0度となる位置、つまり、反射部450が+θ度だけ揺れた位置(図9の(c)における二点鎖線の位置)になると、透過膜453の透過率が最も高くなり、透過膜453を透過したレーザ光L3の強度は最も高くなる。
図8に示すように、+θ度だけ光軸ズレのある緑色光の場合であると、光検出器410の出力波形D3は、反射部450の角度波形Dに対して+θ度分の位相がずれることになる。この位相差に基づいて、緑色光を発する光源262の出力タイミングを補正すれば、投影面SC上での画素ズレを補正することができる。
このように、各色光の出力波形D1,D2,D3と、反射部450の角度波形Dとの位相差を、光軸ズレを補正するための情報とする。位相差に基づいて各光源261,262,263の出力タイミングを補正すれば、光軸ズレに起因した画素ズレを抑制することができる。
なお、位相差の取得に反射部450の角度波形Dを直接用いてもよいが、位相差の取得に駆動信号を用いることも可能である。以下の説明では、位相差の取得に駆動信号を用いた場合を例示して説明する。
以下、補正モードの流れについて説明する。なお、補正モードは、第1の光走査デバイス400Aおよび第2の光走査デバイス400Bのそれぞれに対して同じ処理が実行される。
図10は、補正モードの流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、制御部250は、ミラードライバ290を制御して、駆動源460に駆動信号を付与し、反射部450を搖動させる。
ステップS2では、制御部250は、ミラードライバ290による反射部450の揺動が安定したか否かを判定し、安定していない場合はそのままの状態を維持し、安定した場合にはステップS3に移行する。
ステップS3では、制御部250は、記憶部245から補正用のレーザ光の照射パターンを読み出し、当該照射パターンに基づいて投影部210を制御して、光源261を点灯させ、赤色光を出力させる。
ステップS4では、制御部250は、光検出器410の出力波形D1と、駆動源460に対する駆動信号の周期とから、当該駆動信号の周期に対する赤色光の位相差を求める。
ステップS5では、制御部250は、投影部210を制御して、光源261を消灯する。
ステップS6では、制御部250は、記憶部245から補正用のレーザ光の照射パターンを読み出し、当該照射パターンに基づいて投影部210を制御して、光源262を点灯させ、緑色光を出力させる。
ステップS7では、制御部250は、光検出器410の出力波形D3と、駆動源460に対する駆動信号の周期とから、当該駆動信号の周期に対する緑色光の位相差を求める。
ステップS8では、制御部250は、投影部210を制御して、光源261を消灯する。
ステップS9では、制御部250は、記憶部245から補正用のレーザ光の照射パターンを読み出し、当該照射パターンに基づいて投影部210を制御して、光源263を点灯させ、青色光を出力させる。
ステップS10では、制御部250は、光検出器410の出力波形D2と、駆動源460に対する駆動信号の周期とから、当該駆動信号の周期に対する青色光の位相差を求める。
ステップS11では、制御部250は、投影部210を制御して、光源262を消灯する。
ステップS12では、制御部250は、ステップS4で求めた赤色光の位相差と、ステップS7で求めた緑色光の位相差とから、赤色光を基準とした緑色光の位相差を求める。
ステップS13では、制御部250は、ステップS4で求めた赤色光の位相差と、ステップS10で求めた青色光の位相差とから、赤色光を基準とした青色光の位相差を求める。
ステップS14では、制御部250は、赤色光を基準とした緑色光の位相差および青色光の位相差から、緑色光を発する光源262の出力タイミングと、青色光を発する光源263の出力タイミングとを取得する。これらの出力タイミングを用いれば、赤色光の出力タイミングに対応するように、緑色光および青色光の出力タイミングが補正されるので、各色光の光軸ズレが抑制される。したがって、光軸ズレを起因とした画素ズレも抑制される。
[投影動作]
次に、投影装置200での投影動作について説明する。
図11は、投影動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS21では、制御部250は投影部210を起動する。
ステップS22では、制御部250は、加速度センサ240の検出結果に基づいて、投影装置200自体の姿勢が一定時間以上安定しているか否かを判定し、一定時間以上安定していると判定した場合にはステップS23に移行し、一定時間以上安定していない場合にはステップS22を繰り返す。
ステップS23では、制御部250は、補正モードを実行し、投影画像の補正に必要な情報を取得する。
ステップS24では、制御部250は、通常モードの投影を実行する。このとき、制御部250は、補正モードで取得した出力タイミングを用いて、通常モードでの投影の出力タイミングを補正する。
ステップS25では、制御部250は、投影部210を停止し、投影動作を終了する。
[効果等]
以上のように、本実施の形態によれば、反射部450は、反射膜452でレーザ光を反射しつつ、一部のレーザ光を透過開口部454で透過する。これにより、レーザ光の一部が、反射部450で反射された光とは異なる領域に案内される。このレーザ光の一部は透過体(基板451および反射膜452)を透過するが、透過体の透過率はレーザ光の入射角に応じて透過率が異なる。レーザ光の光軸にズレがある場合と、ない場合とでは透過体に対する入射角が異なるので、透過体を透過すればレーザ光の強度に異なりが生じる。つまり、透過体を透過したレーザ光の強度を光検出器410が検出すれば、光軸ズレを検出することができる。光軸ズレを検出することができれば、その検出結果に基づいて各レーザ光の出力タイミングを補正することができ、光軸ズレを起因とした画素ズレを補正することが可能となる。
また、光検出器410は、透過体を透過したレーザ光を受光する位置、つまり反射部450の背方となる位置に固定されている。この反射部450の背方は、投影には直接関係のない領域であるので、レーザ光の主たる光路と比しても、光検出器410の設置の自由度は高い。また、反射部450の揺動を考慮してある程度の余裕を持った空間も設けられている。この空間に光検出器410を設置しているので、投影装置200の大型化を抑制することができる。
また、透過体が基板451と透過膜453とを備え、透過膜453が入射角に応じて透過率が異なるように形成された誘電体多層膜であるので、各層の材料、膜厚を調整することで、入射角に応じた透過率の調整を容易に行うことができる。また、透過体全体の透過率を調整しなくてもよく、製造効率も高めることができる。
また、透過開口部454が反射膜452に設けられた透過開口部であるので、透過性を有する反射膜自体をレーザ光が透過した場合と比しても、レーザ光の強度は低下しない。したがって、光検出器410でのレーザ光の検出精度を高めることができる。
また、基台である枠部441に対して反射部450を揺動自在に支持する支持部(ヒンジ部442および固定部444)が設けられているので、本体部420全体を搖動させて反射部450を搖動させる場合と比しても、搖動させる部分を小さくすることができる。したがって、揺動にかかるエネルギーを抑制することができる。
また、複数の光源261,262,263のうち、少なくとも2つの光源から出力され、搖動中の反射部450を透過した少なくとも2つのレーザ光を、光検出器410が個別に受光して出力したレーザ光毎の出力結果に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングが補正されるので、各光源261,262,263の光軸ズレを補正することができ、当該光軸ズレに起因する画素ズレを抑制することができる。
また、光検出器410が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の位相差に基づいて、少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正するので、より正確に出力タイミングを補正することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、光検出器410の検出結果を、光軸ズレに起因した画素ズレ補正に適用した場合を例示して説明した。この実施の形態2では、反射部450の揺動の振幅制御に光検出器410の検出結果を適用する場合について説明する。
なお、以下の説明において、実施の形態1と同等の部分においては同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図12は、光検出器の出力強度比と、反射部の揺動の振幅との関係を示すグラフである。
図12に示すように、光検出器410の出力強度比と、反射部450の揺動の振幅とは正比例の関係となっている。つまり、出力強度比が分かれば、反射部450の揺動の振幅も検出することができる。
ここで光検出器410の出力強度比とは、反射部450が1周期揺動した際における出力結果の波形の最大値と、複数の極小値それぞれの差の平均値とする。
図13は、出力強度比を説明するための説明図である。
図13に示すように、光軸ズレのない出力波形D5の場合には、最大値(極大値)と各極小値との差は常に一定(Δd5)となる。最大値と、複数の極小値それぞれとの差の平均値である出力強度比もΔd5となる。他方、光軸ズレのある出力波形D6の場合には、最大値と各極小値との差はばらつく(Δd61、Δd62)ことになる。これらの差の平均値Δda=(Δd61+Δd62)/2を出力強度比とする。
反射部450の揺動の振幅は、投影画像のサイズを決める一因でもある。このため、出力強度比を目標範囲内に収めていれば、投影画像のサイズを一定に保つような投影を行うことができる。なお、図13において、出力波形D10は、出力強度比が目標範囲内に収まらなかった場合の一例を示している。
以下、反射部450の揺動制御について説明する。
図14は、揺動制御の流れを示すフローチャートである。なお、この揺動制御においても、第1の光走査デバイス400Aと第2の光走査デバイス400Bとで同じ処理が実行される。
ステップS31では、制御部250は、レーザ光の走査位置を所定位置に合わせる。所定位置とはレーザ光を安定して走査することのできる位置である。
ステップS32では、制御部250は、ミラードライバ290を制御して、駆動源460に駆動信号を付与し、反射部450を搖動させる。そして、制御部250は、反射部450が1周期揺動する間、レーザ光が照射されるように、投影部210を制御する。このとき、少なくとも一つの光源261,262,283を発光させればよい。
ステップS33では、制御部250は、光検出器410の検出結果を基に出力強度比を検出する。これにより、反射部450の揺動の振幅が検出される。
ステップS34では、制御部250は、検出した出力強度比が目標範囲に収まっているか否かを判定し、収まっている場合には揺動制御を終了し、収まっていない場合にはステップS35に移行する。目標範囲に収まっている場合とは、反射部450の揺動の振幅が、所望のサイズの投影画像を形成できる場合である。他方、目標範囲に収まっていない場合とは、反射部450の揺動の振幅が、所望のサイズの投影画像を形成できない場合である。なお、ここでは、出力強度比を判定に用いたが、出力強度比に基づいて検出された反射部450の揺動の振幅を判定に用いてもよい。
ステップS35では、制御部250は、検出した出力強度比と、目標範囲との差に応じて、駆動源460に対する駆動電圧を変更して、揺動制御を終了する。
これにより、出力強度比が目標範囲内に収まり、投影画像のサイズが所望の大きさに保たれることになる。
[効果等]
以上のように、本実施の形態によれば、光検出器410の出力結果に基づいて反射部450の揺動の振幅が検出されるので、検出した振幅が目標範囲に収まっていない場合には、当該目標範囲に収まるように反射部450の揺動の振幅を制御することができる。反射部450の揺動の振幅を制御できれば、投影画像のサイズを一定に保つような投影を行うことができる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、反射部450の揺動の振幅制御に光検出器410の検出結果を適用した場合について説明した。この実施の形態3では、レーザ光の強度制御に光検出器410の検出結果を適用する場合について説明する。
なお、以下の説明において、実施の形態1と同等の部分においては同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図15は、光検出器の出力結果の最大値と、レーザ光の強度との関係を示すグラフである。
図15に示すように、光検出器410の出力結果の最大値と、レーザ光の強度とは正比例の関係となっている。つまり、出力強度の最大値が分かれば、レーザ光の強度も検出することができる。
図16は、出力結果の最大値を説明するための説明図である。
図16に示すように、光軸ズレのない出力波形D5、光軸ズレのある出力波形D6のいずれにおいても、光検出器410の出力結果の最大値は変わらない。このため、最大値を目標範囲内に収めていれば、各色のレーザ光の強度を一定にすることができる。
以下、レーザ光の強度制御について説明する。
図17は、レーザ光の強度制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS41では、制御部250は、レーザ光の走査位置を所定位置に合わせる。所定位置とはレーザ光を安定して走査することのできる位置である。
ステップS42では、制御部250は、ミラードライバ290を制御して、駆動源460に駆動信号を付与し、反射部450を搖動させる。そして、制御部250は、反射部450が1周期揺動する間、レーザ光が照射されるように、投影部210を制御する。このとき、一つの光源(例えば光源261)を発光させる。
ステップS43では、制御部250は、光検出器410の検出結果から最大値を検出する。これにより、光源261のレーザ光の強度が検出される。
ステップS44では、制御部250は、検出した最大値が目標範囲に収まっているか否かを判定し、収まっている場合にはレーザ光の強度制御を終了し、収まっていない場合にはステップS45に移行する。目標範囲に収まっている場合とは、レーザ光が所望の色、輝度で出力されている場合である。他方、目標範囲に収まっていない場合とは、レーザ光が所望の色、輝度で出力されていない場合である。なお、ここでは、最大値を判定に用いたが、最大値に基づいて検出されたレーザ光の強度を判定に用いてもよい。
ステップS45では、制御部250は、検出した最大値と、目標範囲との差に応じて、光源261に対する駆動電圧を変更して、レーザ光の強度制御を終了する。
そして、この強度制御を残りの光源262,263に対しても個別に行う。
これにより、各光源261,262,263から発せられるレーザ光の強度が全て目標範囲に収まることになる。
[効果等]
以上のように、本実施の形態によれば、光検出器410が出力したレーザ光毎の出力結果の波形の最大値に基づいて、レーザ光毎の強度が検出されるので、検出したレーザ光毎の強度が目標範囲に収まっていない場合には、当該目標範囲に収まるようにレーザ光の強度を制御することができる。したがって、各レーザ光を安定した強度で走査させることができ、輝度と色のバランスが安定した投影画像を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る投影装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
[変形例1]
上記実施の形態では、透過膜453と基板451とが透過体をなしている場合を例示して説明したが、透過膜453を設けず基板451単体を透過体としてもよい。この場合、基板451は、当該基板451に対するレーザ光の入射角に応じて透過率が異なるように形成されている。この場合、基板451を誘電体多層膜により形成していればよい。
また、上記実施の形態では、1軸駆動の光走査デバイス400を例示して説明したが、二軸駆動の光走査デバイスに対しても、本開示の特徴的な構成は適用可能である。
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、例えば、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムを含む。この場合、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、合成された複数のレーザ光を走査させる光走査デバイスおよび複数のレーザ光により投影画像を生成する投影装置に対して利用できる。
200 投影装置
250 制御部
261,262,263 光源
400,400A,400B 光走査デバイス
410 光検出器
420 本体部
441 枠部(基台)
442 ヒンジ部(支持部)
444 固定部(支持部)
450 反射部
451 基板(透過体)
452 反射膜
453 透過膜(透過体)
454 透過開口部(透過部)

Claims (8)

  1. 複数の光源から出力されたレーザ光を走査させる光走査デバイスであって、
    光検出器と、
    前記レーザ光を反射して走査させる本体部と、を備え、
    前記本体部は、
    前記光検出器に対して相対的に揺動することで前記レーザ光を反射しながら走査させる反射部を備え、
    前記反射部は、
    透過体と、
    前記透過体の第1の面に形成され、前記レーザ光を反射する反射膜と、
    前記透過体の前記第1の面に形成され、前記レーザ光の一部を透過する透過部とを備え、
    前記透過体は、当該透過体に対する前記レーザ光の入射角に応じて透過率が異なっており、
    前記光検出器は、前記透過体を透過した前記レーザ光を受光する位置に固定されている
    光走査デバイス。
  2. 前記透過体は、
    前記第1の面をなす、透過性を有する基板と、
    前記基板の、前記第1の面とは反対側の第2の面に形成される透過膜とを備え、
    前記透過膜は、前記入射角に応じて透過率が異なるように形成された誘電体多層膜である
    請求項1に記載の光走査デバイス。
  3. 前記透過部は、前記反射膜に設けられた透過開口部である
    請求項1又は2に記載の光走査デバイス。
  4. 前記本体部は、
    基台と、
    前記基台に対して前記反射部を揺動自在に支持する支持部とを有する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査デバイスと、
    前記複数の光源と、
    前記複数の光源のそれぞれの出力タイミングを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記複数の光源のうち、少なくとも2つの光源から出力され、搖動中の前記反射部を透過した少なくとも2つの前記レーザ光を、前記光検出器が個別に受光して出力した前記レーザ光毎の出力結果に基づいて、前記少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正する
    投影装置。
  6. 前記制御部は、前記光検出器が出力した前記レーザ光毎の出力結果の波形の位相差に基づいて、前記少なくとも2つの光源の少なくとも一つの出力タイミングを補正する
    請求項5に記載の投影装置。
  7. 前記制御部は、
    前記光検出器の出力結果に基づいて、前記反射部の揺動の振幅を検出する
    請求項5又は6に記載の投影装置。
  8. 前記制御部は、
    前記光検出器が出力した前記レーザ光毎の出力結果の波形の最大値に基づいて、前記レーザ光毎の強度を検出する
    請求項6に記載の投影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021070625A1 (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 住友電気工業株式会社 ミラー駆動機構および光モジュール
EP3876018A3 (en) * 2020-03-06 2021-12-29 Tdk Taiwan Corp. Optical element driving mechanism

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