JP2017090116A - 配管の異常音検知方法および異常音検知装置 - Google Patents

配管の異常音検知方法および異常音検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017090116A
JP2017090116A JP2015217547A JP2015217547A JP2017090116A JP 2017090116 A JP2017090116 A JP 2017090116A JP 2015217547 A JP2015217547 A JP 2015217547A JP 2015217547 A JP2015217547 A JP 2015217547A JP 2017090116 A JP2017090116 A JP 2017090116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
sound
sound detection
abnormal
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015217547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6613107B2 (ja
Inventor
博昭 近藤
Hiroaki Kondo
博昭 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2015217547A priority Critical patent/JP6613107B2/ja
Publication of JP2017090116A publication Critical patent/JP2017090116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613107B2 publication Critical patent/JP6613107B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Abstract

【課題】配管の漏水位置を確実に検知することを目的とする。【解決手段】本発明の配管の異常音を検知する異常音検知方法は、水密可能な筐体200と配管800とを水密性を維持して接続する接続工程と、接続工程により接続された筐体2内に液体を流入する流入工程と、筐体2内から気体を抜く脱気工程と、筐体2内に配置される音検知部300により異常音を検知する検知工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、水道管、建物配管、工場内配管等の各種配管における漏水音等の異常音を検知する異常音検知方法および異常音検知装置に関する。
従来、配管の漏れの位置を決定する方法として、圧電センサを直接配管に取付け、配管の振動を検知し、検知された信号から相互相関関数を生成し、音響の伝搬速度を用いて異常音発生位置を特定する方法が存在する。
例えば、特許文献1(特開平8−226865号公報)には、掘削が容易でなく、雑音が多い環境において、侵入的でない方法で、邪魔な雑音源を排除して、正確に導管の漏れの位置を決定する方法について開示されている。
また、特許文献2(特開平11−117356号公報)には上水道の配水管の漏水を漏水音の計測により検知する場合、従来法では雑音の影響を受け易く検知が不充分であったのを、雑音に強く従来法より高精度で漏水を検知でき、漏水位置を精度よく特定できる配水管の漏水検知方法と、該検知方法を用いた複数の配水管路の漏水を集中的に監視できる漏水検知システムについて開示されている。
また、特許文献3(特開2015−145804号公報)には、地下に埋設された通水管の漏水箇所を検出する方法について開示されている。
特開平8−226865号公報 特開平11−117356号公報 特開2015−145804号公報
しかし、特許文献1記載の方法では、漏水位置を特定することが困難であるという問題がある。
また、特許文献2記載の方法では、センサを水中に設置する場合、設置器具または管路内に空気だまりが生じる可能性が高い。空気だまりが生じると、管路内の水流等によるノイズをセンサが検知し、漏水音を検知することができないという問題がある。
さらに、特許文献3記載の方法では、管路内に固定しない状態、または接触しない状態で水中にセンサを投入している。その結果、センサの筐体が水の流れに従動して動いてしまうため、漏水音を検知することができないという問題がある。
本発明の主な目的は、漏水位置を確実に検知する配管の異常音検知方法、配管の異常音検知装置を提供することである。
本発明の他の目的は、消火栓の漏水位置を確実に検知する配管の異常音検知方法、配管の異常音検知装置を提供することである。
(1)
一局面に従う配管の異常音検知方法は、配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、水密可能な筐体と配管とを水密性を維持して接続する接続工程と、接続工程により接続された筐体内に液体を流入する流入工程と、筐体内から気体を抜く脱気工程と、筐体内に配置される音検知部により異常音を検知する検知工程と、を含むものである。
この場合、脱気工程により筐体の内部から気体を抜き、筐体と配管とを水密に接続することから、流水、または空気(気体)だまり等による騒音も発生しにくい。その結果、音検知部により配管の異常音を正確に検知することができる。したがって、配管の異常音の位置を正確に検知することができる。なお、「水密」とは、密閉され、水圧(圧力)がかかっても液体が漏れないようになっている状態または構造をいう。なお、本発明における「水密」は水に限定されるものではない。
(2)
第2の発明に係る配管の異常音検知方法は、一局面に従う配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、配管内の水圧は、0.5MPa以上1.5MPa以下である。
本発明は圧力管である消火管等に用いることができる。一般的に、消火管内の水圧は、0.5MPa以上1.5MPa以下で設定される。そのため、本発明にかかる異常音検知装置は、配管内の水圧が、0.5MPa以上1.5MPa以下で用いることができる。なお、本発明は、消火管のみならず、同様の水圧で設定された任意の配管または圧力管等で使用することができる。水圧が高いほど、漏水などの配管異常による音が発生し易く、音が伝わりやすい。そのため、音検知部が配管内の微小な異常音を検知し易いという効果がある。
(3)
第3の発明に係る配管の異常音検知方法は、一局面または第2の発明に従う配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、水密可能な筐体内に音検知部を配置する配置工程を含み、配置工程は、振動を吸収する取付部材によって、音検知部を筐体内に取り付けるものである。
この場合、配管からの振動を取付部材により吸収することができるので、音検知部に確実に異常音を検知することができる。例えば、取付部材が振動を伝達する部材からなる場合、配管外からの騒音または振動等が音検知部に伝達され、正確に異常音を検知することができない。本発明では、その問題を解決することができる。
(4)
第4の発明に係る配管の異常音検知装置は、第3の発明に従う配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、取付部材が、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材を含むものである。
この場合、取付部材が、多孔質部材からなるので、振動を吸収することができる。その結果、音検知部は、配管の微小な異常音を正確に検知することができる。
(5)
第5の発明に係る配管の異常音検知装置は、一局面から第4の発明に従う配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、音検知部が拡径部を有する集音部材を含むものである。
この場合、拡径部の拡径側が音検知部から遠い位置に配置される。その結果、配管の異常音を集音しやすく、配管の微小な異常音も正確に検知することができる。
(6)
他の局面に従う配管の異常音を検知する異常音検知装置は、配管の異常音を検知する異常音検知装置であって、水密可能な筐体と、配管内の音を検知する音検知部と、筐体の振動を吸収し、かつ、音検知部を筐体内に取り付ける取付部材と、筐体内と配管内とを連通可能に接続する接続部と、を含むものである。
この場合、取付部材が筐体の振動を吸収するため、配管の振動によって筐体が振動しても音検知部に振動が伝わりにくい。その結果、音検知部が騒音に影響されにくい。また、筐体内と配管内とを連通可能に接続する接続部を含むものであるため、配管内および筐体内が液体で満たされている。その結果、音が伝わりやすく、音検知部が配管内の微小な異常音を検知し易い。
(7)
第7の発明に係る配管の異常音を検知する異常音検知装置は、他の局面に従う配管の異常音を検知する異常音検知装置であって、音検知部は、配管内の音を集音する集音部材と、集音部材により集音された音により振動する振動部材と、振動部材の振動を検知する圧電センサとを備える。
この場合、音検知部の集音部材が配管内の音を集音するため、配管の微小な異常音も集音することができる。また、集音部材により集音された音により振動部材が振動し、その振動を圧電センサが検知する。その結果、配管の微小な異常音も検知することができ、配管の異常音を正確に検知することができる。
(8)
第8の発明に係る配管の異常音を検知する異常音検知装置は、他の局面または第7の発明に従う配管の異常音を検知する異常音検知装置であって、取付部材は、音検知部の外周面の少なくとも一部に取り付けられ、筐体の振動を吸収する、ものである。
この場合、配管が振動することにより筐体が連動して振動し、その振動を取付部材が吸収する。その結果、音検知部は、配管の異常音を正確に検知することができる。
(9)
第9の発明に係る配管の異常音を検知する異常音検知装置は、他の局面から第8の発明に従う配管の異常音を検知する異常音検知装置であって、取付部材の少なくとも一部が、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材である。
多孔質部材とは、振動の吸収により音を伝播しにくく、内部に水を保持する部材のことである。この場合、多孔質部材は、振動の吸収により音を伝播しにくいことから騒音が減少する。また、多孔質部材は、水を保持する部材であることから、空気を抜きやすく水流等の騒音が減少する。
多孔質部材が連続気泡であれば、気泡が繋がっているため、音の振動が伝わりにくい。また、気泡が繋がっていれば、内部に水が浸透しやすい。その結果、騒音が減少するという効果が顕著である。つまり、取付部材の少なくとも一部が、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材であれば、騒音が減少する。
なお、本発明における「配管」とは、液体を通過させる管であればよい。配管は、配水管、配油管等、配液管であってもよい。また、配管は、塩ビ管、ポリオレフィン管等の樹脂管、または鋼管、鋳鉄管等の金属管であってもよく、任意の素材からなる管でもよい。
本発明における「異常音」とは、漏水音等のことであり、通常の配管内に発生する音以外の音のこという。また、本発明における「漏水」とは、配管の亀裂等何らかの原因によって配管から液体が漏れることをいい、油等でもよく、水に限定されるものではない。また、「水」は純水に限定されるものではない。
本発明によれば、配管の異常音を確実に検知することができる。
本発明の一実施形態における側断面図。 本発明の一実施形態における側断面図。 本発明の一実施形態における図1または図2のX−Xでの断面図。 本発明の一実施形態における図1または図2のX−Xでの断面図。 同実施形態の一例である漏水検知装置を配管に接続した場合の模式図。 本発明の一実施形態における漏水検知方法の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における漏水検知方法の一例を示すフローチャート。 配管の外周面に直接圧電センサを取付けた場合の一例を示すグラフ。 本発明の一実施形態における漏水検知装置を用いた場合の一例を示すグラフ。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を附してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1または図2に示すように、本発明における異常音検知装置である漏水検知装置100は、配管800に接続するものである。
なお、本実施形態では、「気体」は空気を例示して説明し、「液体」は水を例示し、「異常音」は漏水音を例示して説明する。
(漏水検知装置100の構造)
漏水検知装置100は、水密可能な筐体200と、配管800等の管路内の音を検知する音検知部300と、音検知部300を筐体200内に取り付ける取付部材400と、筐体200内の水が溢れ出ないようにするための蓋部材500と、筐体200を配管800と直接的または間接的に連通可能に接続する接続部である管接続部材700とからなる。
筐体200は、音検知部300を内部に取付部材400により保持するものである。筐体200は、上部に蓋接続部210、および下部に管接続部220を備える。
蓋接続部210は、蓋部材500と接続する部分である。蓋接続部210にはボルト600を通す貫通孔211が複数設けられている。本実施形態ではボルト600により筐体200と蓋部材500とを接続する。
管接続部220は、配管800に接続する管接続部材700と接続する。
なお、筐体200は消火栓であってもよく、消火栓に接続するものであってもよい。つまり、筐体200は直接的または間接的に配管800と接続されており、筐体200内部と配管800の内部とが連通可能とする構成であればよい。
本実施形態では、配管800と漏水検知装置100の筐体200とが連通可能に接続されており、内部は水で満たされている。空気中より水中のほうが密度が高く音は伝わりやすいため、配管800内で生じた漏水の音を検知しやすいという効果がある。
筐体200内に空気があると水流が生じたり、空気が水中を移動して雑音を生じたりする。その結果、騒音が生じ、その騒音を音検知部300が検知してしまう。そのため、筐体200内には空気がないことが好ましい。
(音検知部300の構造)
音検知部300は、配管800内の音を集音する集音部材310と、集音部材310により集音された音により振動する振動部材320と、振動部材320の振動を検知し電圧に変換する圧電センサ330とからなる。
集音部材310は、漏斗状であり、配管800内の音を集音するところである。集音部材310は、下部が上部より平面視直径が大きい拡径部311を備える。これにより振動部材320の大きさにかかわらず配管800内の音を検知しやすい。本実施の形態においては、集音しやすいように、拡径部311は配管800側に配置され、他端側である集音部材310の上部は振動部材320側に配置される。
振動部材320は、配管800内の音により振動するものであり、本実施形態では、略円柱状の形状である。集音部材310を取り付けることにより配管800内の小さな音であっても集音することができる。その結果、振動部材320が振動する。
圧電センサ330は、振動部材320の振動を検知するものであり、本実施形態では、圧電センサ330は振動部材320の周囲に取り付けられている。圧電センサ330の例としては、高分子ピエゾセンサが挙げられる。高分子ピエゾセンサとは、センサ高分子材料を用いた圧電素子を意味する。圧電センサ330が検知した振動は電圧に変換され、図5に示すように、外部の無線機W1に伝えられる。
(取付部材400の構造)
取付部材400は、音検知部300を筐体200内に取り付けるものであり、図1乃至図4に示すように、音検知部300の側周面と筐体200の内側の側周面との間に位置する。
仮に、音検知部300が筐体200と共に動くと、音検出部300が筐体200の振動を検知する。その結果、音検知部300が騒音(振動)を検知してしまい影響が出る。つまり、取付部材400は、筐体200の振動を音検知部300に伝えにくい材質が好ましい。具体的には、筐体200の振動を吸収するような材質が好ましい。例えば、合成樹脂、ゴム材料が挙げられ、見かけ密度が低い方が好ましい。見かけ密度は0.01以上1.5未満が好ましく、より好ましくは0.02以上0.1未満である。
この場合、配管800が振動し、連動して筐体200が振動しても音検知部300に振動が伝わりにくい。また、配管800が振動せず、筐体200のみが振動している場合も同様に音検知部300に振動が伝わりにくい。その結果、音検知部300は騒音(振動)に影響されず漏水音を確実に検知できる。
本実施形態では取付部材400は、筐体200の内側の側周面に取り付けられているが、蓋部材500に取り付けられるような構成であってもよい。取付部材400は、周辺の音(配管800の振動等)が音検知部300に伝えにくい構成であればどのようなものであってもよい。
このような構成により配管800が振動し、連動して筐体200が振動しても、その振動は取付部材400が吸収する。その結果、音検知部300が騒音の影響を受けにくい。
また、本実施形態では、取付部材400は、図1および図3に示すように音検知部300の側周面全体に設ける構造を例示したが、これに限定されず、図2および図4に示すように音検知部300の少なくとも一部を筐体200に取り付ける構造であってもよい。
したがって、取付部材400は、筐体200の振動を吸収する。その結果、音検知部300が騒音の影響を受けにくい。
取付部材400の例としては、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材が挙げられる。この場合、筐体200の内部に取付部材400を配置しても多孔質部材は内部に水を保持することができ、また、空気溜まりが生じにくい。つまり、音検知部300が騒音の影響を受けにくく、水中の音を検知し易くなる。
多孔質部材は、取付部材400の少なくとも一部を構成するものであってもよい。つまり、取付部材400の中間層として多孔質部材を使用してもよい。この場合、取付部材400は、筐体200の振動を吸収することができる。
蓋部材500は、筐体200の一端の蓋をするものであり、本実施形態では、筐体200の蓋接続部210に接続する。蓋部材500は、ボルト600を通す複数の貫通孔510と、音検知部300と外部の無線機W1とをつなぐケーブルFを通す貫通孔520とを備える。貫通孔520からは筐体200内の水が漏れないような構成であり、蓋部材500と蓋接続部210とは複数のボルト600で接続されている。
なお、本実施形態では、筐体200は蓋部材500によって蓋がされているが、筐体200の一端が閉ざされている構成であり、筐体200が蓋部材500の機能を備えるような構成であってもよい。
管接続部材700は、筐体200と配管800とを直接的または間接的に接続するものである。管接続部材700は、筐体200内と配管800内とが連通するように構成されている。管接続部材700は、蓋部材500と反対側の筐体200の端部に取り付けるものである。本実施形態では、管接続部材700は、筐体200の管接続部220に接続する。管接続部材700は、筐体200の内と配管800内とが連通するように連通孔710を備える。
なお、上記の管接続部材700は、筐体200と配管800との接続が可能な場合には、管接続部材700は不要となる。
<配管に直接異常音検知装置を取り付けた場合の異常音検知方法の一例のフローチャート>
図6は、本発明にかかる配管800に対して異常音検知装置を取り付け、異常音を検出するための処理工程の一例を示すフローチャートである。図6では、異常音検知装置は漏水検知装置100を例示して説明し、異常音は漏水音を例示して説明する。
図6に示すように、まず水密可能な筐体200内に、配管800内の音を検知する音検知部300を配置する(ステップS11)。具体的には、当該筐体200の振動を吸収する取付部材400によって音検知部300を筐体200内に取り付ける。
この場合、音検知部300は筐体200の振動に影響を受けにくく、正確に配管800の漏水の異常音を検知することができる。
次に、筐体200と配管800とを水密性を維持して接続する(ステップS12)。筐体200内と配管800内とを連通させた状態、つまり、接続工程後に、配管800内の水を筐体200内に流入させる(ステップS13)。なお、配管800内の水圧を利用して筐体200内に水を満たしてもよい。
筐体200内を水で満たすことにより配管800の漏水による音を検知し易くなる。なお、流入工程は、筐体200内に外部から水を流入させてもよい。
続いて、本実施形態では、流入工程と同時に筐体200の内部から空気を抜く(ステップS14)。これにより、内部からほぼ空気がなくなるため、流水によるノイズが生じにくくなる。なお、流入工程と脱気工程とは同時でなくてもよく、別工程でおこなってもよい。
そして、音検知部300により漏水音を検知する(ステップS15)。このような工程を備えることにより配管800の漏水を正確に検知することができる。
<消火栓の分岐部に異常音検知装置を取り付けた場合の異常音検知方法の一例のフローチャート>
図7は、本発明にかかる消火栓の分岐部に対して異常音検知装置を取り付け、異常音を検出するための処理工程の一例を示すフローチャートである。配管に直接、異常音検知装置を取り付けた場合の異常音検知方法の一例のフローチャートと同様の説明は省略する。
図7に示すように、まず筐体200に音検知部300を配置する(ステップS21)。具体的には、筐体200の振動を吸収する取付部材400によって音検知部300を筐体200内に取り付ける。
次に、筐体200と消火栓の分岐部とを水密性を維持して接続する(ステップS22)。次いで、配管800から消火栓を経由して筐体200内に水を流入する(ステップS23)。具体的には、消火栓の栓を解放し、筐体200内を水で満たす。
続いて、筐体200から空気を抜く(ステップS24)。なお、消火栓内は、圧力が、0.5MPa以上1.5MPa以下の範囲内に設定されているため、当該水圧を利用して筐体200から空気を抜いてもよい。
最後に、音検知部300により配管800の漏水音を検知する(ステップS25)。
このような工程を経ることにより、微小な漏水音でも確実に検知することができる。
次に、図1、図2および図5に示すように、音検知部300からケーブルFを経由して無線機W1に送られた電圧データは、無線機W2に送られる。
そして、当該電圧データは、制御装置Cによってグラフ化され、そのグラフがモニターMに表示される。そのため、作業者は、複数の無線機から送られてきた電圧データをもとにしたグラフを用いることにより、配管800のどの地点で漏水が起こっているか判定することができる。
また、漏水有無の判定する方法としては信号強度の比較の他に、相互相関関数を用いた方法も用いることができる。相互相関関数から振動の伝達時間差Tdを求め、伝達時間差Tdと振動の伝搬速度Vとから異常音発生位置を特定する方法である。
図5に示すように、ポイントAのセンサから距離Sの位置で流体の漏洩が発生したと仮定する。すなわち、距離Sの位置が異常音の発生位置(流体の漏洩位置)である。この場合、漏洩音は、ポイントBのセンサに到達するまでにポイントAの振動センサの距離Sよりも距離にして距離αだけ長い距離(S+α)を伝搬する。
したがって、ポイントAの振動センサおよびポイントBのセンサの距離をDと仮定した場合、漏洩音がポイントAのセンサとポイントBのセンサとに到着する伝達時間差Tdとすると、漏洩音の伝搬速度V、2つのセンサ間の距離をDとして以下の式で求めることができる。
Td=α/V・・・(1)
また、
α=D−2S・・・(2)
で示すことができる。
式(2)を式(1)に代入することにより、
S=(D−V・Td)/2・・・(3)
と表すことができる。
以上のように距離Sを求めることができる。
漏水が起きている場合、一定の場所で連続的に振動が発生し続ける。このことから、相互相関関数により振動位置を求め、その振動源が移動せずに連続的であることから漏水有無の判定をすることができる。
また、本発明における漏水有無の判定においては、管外から振動センサーで計測する方法と比べて低周波帯を用いることが好ましい。管外からの計測においては、外部からの騒音等の影響を受け、周波数が低すぎると騒音と漏水の振動とが混在するために判定精度が低下するおそれがある。
一方、水中においては外部からの騒音が伝わってこない。低周波であるほど、振動の減衰が小さいために検知能力が向上する。好ましい範囲は10Hz以上450Hz以下であるが、それに限定されない。
本実施の形態においては、筐体200、接続部700を設けることとしているが、これに限定されず、消火栓の分岐部または消火栓自体が、筐体200として利用できる場合には、音検知部300および取付部材400を、消火栓の分岐部または消火栓自体を筐体200の代わりに用いてもよい。すなわち、筐体200および接続部700を用いなくてもよい。
<比較例および実施例>
次に、本発明にかかる漏水検知装置100と、配管800に直接圧電センサを取付けた場合と、を比較する。まず配管800の外周面に直接圧電センサを設けた場合(比較例)について説明する。
配管800の外周面に直接圧電センサを取付けた場合(比較例)と、本発明にかかる漏水検知装置100を用いた場合(実施例)とで漏水を検知する試験を実施した。
<比較例>
図8は、配管800の外周面に直接圧電センサを取付け、0Hz以上500Hz以下の周波数で、騒音がほとんどない通常状態(I1)、漏水なしで騒音が発生している状態(N1)、並びに騒音および漏水5L/minが発生している状態(L1)の信号強度(V)の結果である。
図8に示すように、漏水なしで騒音が発生している状態(N1)と騒音および漏水5L/minが発生している状態(L1)とはグラフの軌跡がほぼ同じである。そのため、漏水が発生していると判定することが困難である。
<実施例>
図9は、本発明にかかる漏水検知装置100を上記比較例と同様の条件下で実施したものであり、0Hz以上500Hz以下の周波数で、騒音がない通常状態(I2)、漏水なしで騒音が発生している状態(N2)、並びに騒音および漏水5L/minが発生している状態(L2)の信号強度(V)の結果である。取付部材400である多孔質部材はポリエチレン製で連続気泡をもつ発泡体とし、見かけ比重は0.03とした。
漏水検知装置100を管路についた消火栓分岐部に取り付け、0.50Paの圧力をかけた。
図9に示すように、漏水なしで騒音が発生している状態(N2)のグラフは、騒音が発生しているにも関わらず、取付部材400である多孔質部材が配管800の振動(騒音)を吸収している。そのため、騒音がほとんどない通常状態(I2)のグラフとほぼ同じ軌跡をたどっている。
この結果、漏水検知装置100は、騒音をほとんど検知していないことがわかる。
そして、騒音および漏水5L/minが発生している状態(L2)では、漏水なしで騒音が発生している状態(N2)と同様に、騒音が発生しているにも関わらず、取付部材400である多孔質部材が配管800の振動(騒音)を吸収している。そのため、音検知部300は、漏水の音を正確に検知することができる。
図9の騒音および漏水5L/minが発生している状態(L2)は、約160Hz以上250Hz以下の間にピークがあり、騒音が生じているにも関わらず、漏水検知装置100は、漏水の発生を検知している。
この結果、漏水検知装置100は、配管800の漏水を正確に検知できることがわかる。また、実施例に記載の水圧(0.5MPa)より、高い水圧をかけた場合においても、更に検知能力が向上する。
以上のように、本実施の形態にかかる配管の異常音検知方法によると、脱気工程により筐体200の内部から空気を抜き、配管800と水密に接続することから、流水、または空気だまり等によるノイズも発生しにくい。その結果、音検知部300により配管800の異常音を正確に検知することができる。したがって、配管800の異常音の位置を正確に検知することができる。
また、取付部材400が、多孔質部材からなるので、振動を吸収することができる。その結果、音検知部300は、配管800の微小な異常音を正確に検知することができる。
また、拡径部311の拡径側が音検知部300から遠い位置に配置される。その結果、配管800の異常音を集音しやすく、配管800の微小な異常音も正確に検知することができる。
そして、本実施の形態にかかる配管の異常音検査装置100によると、取付部材400が筐体200の振動を吸収するため、配管800の振動によって筐体200が振動しても音検知部300に振動が伝わりにくい。その結果、音検知部300が騒音に影響されにくい。また、筐体200内と配管800内とを連通可能に接続する管接続部材700を含むものであるため、配管800内および筐体200内が水で満たされている。その結果、音が伝わりやすく、音検知部300が配管200内の微小な異常音を検知し易い。
また、音検知部300の集音部材310が配管800内の音を集音するため、配管800の微小な異常音も集音することができる。また、集音部材310により集音された音により振動部材320が振動し、その振動を圧電センサ330が検知する。その結果、配管800の微小な異常音も検知することができ、配管800の異常音を正確に検知することができる。
また、配管800が振動することにより筐体200が連動して振動し、その振動を取付部材400が吸収する。その結果、音検知部300は、配管800の異常音を正確に検知することができる。
また、取付部材400の少なくとも一部に多孔質部材が用いられていれば、多孔質部材により音を吸収し、水を内部に含むことができるため、空気を抜き易く騒音が減少する。
本発明において、ステップS11およびステップS21が配置工程に相当し、ステップS12およびステップS22が接続工程に相当し、ステップS13およびステップS23が流入工程に相当し、ステップS14およびステップS24が脱気工程に相当し、ステップS15およびステップS25が検知工程に相当する。
また、本発明において、漏水検知装置100が「異常音検知装置」に相当し、筐体200が「筐体」に相当し、音検知部300が「音検知部」に相当し、集音部材310が「集音部材」に相当し、振動部材320が「振動部材」に相当し、圧電センサ330が「圧電センサ」に相当し、取付部材400が「取付部材」に相当し、蓋部材500が「蓋部材」に相当し、管接続部材700が「接続部」に相当し、配管800が「配管」に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神の範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
100 漏水検知装置(異常音検知装置)
200 筐体
300 音検知部
310 集音部材
320 振動部材
330 圧電センサ
400 取付部材
500 蓋部材
700 管接続部材(接続部)
800 配管

Claims (9)

  1. 配管の異常音を検知する異常音検知方法であって、
    水密可能な筐体と前記配管とを水密性を維持して接続する接続工程と、
    前記接続工程により接続された前記筐体内に液体を流入する流入工程と、
    前記筐体内から気体を抜く脱気工程と、
    前記筐体内に配置される音検知部により前記異常音を検知する検知工程と、を含む、配管の異常音検知方法。
  2. 前記配管内の水圧は、0.5MPa以上1.5MPa以下である、請求項1記載の配管の異常音検知方法。
  3. 水密可能な筐体内に音検知部を配置する配置工程を含み、
    前記配置工程は、振動を吸収する取付部材によって、前記音検知部を前記筐体内に取り付けるものである、請求項1または2記載の配管の異常音検知方法。
  4. 前記取付部材が、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材を含む、請求項3記載の配管の異常音検知方法。
  5. 前記音検知部が拡径部を有する集音部材を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配管の異常音検知方法。
  6. 配管の異常音を検知する異常音検知装置であって、
    水密可能な筐体と、
    前記配管内の音を検知する音検知部と、
    振動を吸収し、かつ、前記音検知部を前記筐体内に取り付ける取付部材と、
    前記筐体内と前記配管内とを連通可能に接続する接続部と、を含む、配管の異常音検知装置。
  7. 前記音検知部が、前記配管内の音を集音する集音部材と、
    前記集音部材により集音された音により振動する振動部材と、
    前記振動部材の振動を検知する圧電センサと、を含む、請求項6記載の配管の異常音検知装置。
  8. 前記取付部材が、前記音検知部の外周面の少なくとも一部に取り付けられ、前記筐体の振動を吸収する、請求項6または7記載の配管の異常音検知装置。
  9. 前記取付部材の少なくとも一部が、連続気泡を有する樹脂である多孔質部材である、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の配管の異常音検知装置。
JP2015217547A 2015-11-05 2015-11-05 配管の異常音検知方法および異常音検知装置 Expired - Fee Related JP6613107B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217547A JP6613107B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 配管の異常音検知方法および異常音検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015217547A JP6613107B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 配管の異常音検知方法および異常音検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017090116A true JP2017090116A (ja) 2017-05-25
JP6613107B2 JP6613107B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=58770380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015217547A Expired - Fee Related JP6613107B2 (ja) 2015-11-05 2015-11-05 配管の異常音検知方法および異常音検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613107B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6046053U (ja) * 1983-09-07 1985-04-01 株式会社 フジ漏水調査センタ− 消火栓装着用音圧・水圧測定器
JP2005283169A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Fuji Tecom Inc 漏水音検出装置
JP2014149179A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sekisui Chem Co Ltd 漏洩検出器、漏洩位置特定方法および配管装置
JP2015184229A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 積水化学工業株式会社 漏洩検知装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6046053U (ja) * 1983-09-07 1985-04-01 株式会社 フジ漏水調査センタ− 消火栓装着用音圧・水圧測定器
JP2005283169A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Fuji Tecom Inc 漏水音検出装置
JP2014149179A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sekisui Chem Co Ltd 漏洩検出器、漏洩位置特定方法および配管装置
JP2015184229A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 積水化学工業株式会社 漏洩検知装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6613107B2 (ja) 2019-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103590444B (zh) 大型埋地压力输水管道渗漏连续监测方法与爆管预警系统
JP5583994B2 (ja) 漏洩検知装置及び漏洩検知方法
Pal et al. Detecting & locating leaks in water distribution polyethylene pipes
KR101406507B1 (ko) 음향/압력 복합센서를 구비한 상수도관용 누수감지장치
KR101888188B1 (ko) 누수감지가 가능한 초음파 수도미터기, 이를 구비한 누수 감지시스템 및 이를 이용한 누수위치 감지방법
CN103672415B (zh) 基于非介入式传感器的气体管道泄漏检测和定位系统及方法
JP6503131B1 (ja) 膜欠陥検査方法及び膜欠陥検査装置
JP6613107B2 (ja) 配管の異常音検知方法および異常音検知装置
JP2014153327A (ja) 漏洩検知装置及び漏洩検知方法
JP2016061763A (ja) 水道管の漏水箇所検知方法
JP2022104811A (ja) 地震事象を検出する方法
WO2016152143A1 (ja) 欠陥分析装置、欠陥分析システム、欠陥分析方法およびコンピュータ読み取り可能記録媒体
JPH1164151A (ja) 配管の漏洩検知システム
JP2017090258A (ja) 漏液音検知センサおよびそのセンサを用いた漏液検知システム
KR20130044414A (ko) 누수 탐지용 음향 센서
CN106052969A (zh) 一种阀门阀杆填料处气体泄漏检测装置和方法
JP2012002513A (ja) 管路検査装置
KR100402685B1 (ko) 타공사에 의한 매설배관의 실시간 손상감지 모니터링시스템 및 가스배관의 충격위치 산출방법
JP3784963B2 (ja) 橋脚洗掘監視装置
JP2018077123A (ja) 管内音検知装置
Khulief et al. On the in-pipe measurements of acoustic signature of leaks in water pipelines
RU2712106C1 (ru) Крыло для сигнализатора потока жидкости и способ контроля потока жидкости с помощью крыла
CN103899919A (zh) 一种新型管道泄漏无损检测装置
CN103644461B (zh) 一种非介入式电容型气体管道泄漏次声波检测装置
JP2005283169A (ja) 漏水音検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191101

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6613107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees