JP2017090103A - 非浸潤性乳癌の判定法 - Google Patents
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Abstract
非浸潤性乳癌の検出に有用な、新規な非浸潤性乳癌マーカー、及び該非浸潤性乳癌マーカーを検出することによる、確度の高い、新規な非浸潤性乳癌の判定法を提供すること。
【解決手段】
グルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される非浸潤性乳癌マーカー、試料中の該非浸潤性乳癌マーカーを検出する、非浸潤性乳癌の判定を行うためのデータを得る方法、並びに試料中の該非浸潤性乳癌マーカーを検出し、その結果に基づいて判定する非浸潤性乳癌の判定法、の発明である。
【選択図】 なし
Description
(1)グルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される非浸潤性乳癌マーカー。
(2)試料中のグルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される一種以上の非浸潤性乳癌マーカーを検出する、非浸潤性乳癌の判定を行うためのデータを得る方法。
(3)試料中のグルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される一種以上の非浸潤性乳癌マーカーを検出し、その結果に基づいて判定する、非浸潤性乳癌の判定法。
(1)試料の前処理
非浸潤性乳管癌(DCIS)と診断された患者(非浸潤性乳癌患者、検体数:11名)、浸潤性乳癌と診断された患者(浸潤性乳癌患者、検体数:11名)から採取したそれぞれの乳頭分泌液(数μL)を、100μL のサンプル保存液(50 mM 炭酸水素アンモニウムと0.02% アジ化ナトリウムを含有する水溶液)に加え、4℃、5分間 18,000 x g で遠心した。上澄みを分取後、280 nm の波長の紫外線を用いた紫外吸収法によりタンパク質濃度を求め、50 mM 炭酸水素アンモニウム水溶液を用いてタンパク質濃度が 0.5 mg/mL となるように調製した。この調製液に45 mM ジチオトレイトール水溶液を 1.41μL 加えて還元し、タンパク質を変性させるためトリフルオロエタノールを 50% になるよう加え、60 ℃、1時間加熱した。加熱後室温に戻し、更に100 mM のヨードアセトアミド水溶液を 1.41μL 加えて室温暗環境下において1時間アルキル化を行った。次いで、アルキル化産物から10μLを分取し、90μLの50 mM 炭酸水素アンモニウム水溶液を加えて、トリフルオロエタノールの割合が 5%以下になるように調製した。更に、100 ng/μLのトリプシン(マススペクトロメトリーグレード、Promega Corporation, Madison, WI, USA)の溶液 1.2μL(タンパク質重量の 1/20 量のトリプシン含有)を加え 37 ℃ で一晩インキュベートした。得られたトリプシン消化産物はタンパク質(BSA)換算で約 350 fmol/μLであった。
上記(1)で得られたトリプシン消化産物のうち40μLを、二次元 Nano HPLC system (UltiMate 3000; Thermo Fisher Scientific Inc. (Dionex), Waltham, MA, USA) に装着した Acclaim PA2, 300μm i.d. x 15 cm 逆相カラム (Thermo Fisher Scientific Inc. (Dionex), Waltham, MA, USA) にインジェクションし A 溶媒 20 mM ギ酸アンモニウム水溶液, pH 10.0、B 溶媒 アセトニトリルを用い、75分のグラジエント(12〜95% の B 溶媒)で分離し 26 個の画分を得た。それらの画分を 70 ℃ で4時間加熱して溶媒を蒸発させた。次いで各々の画分に 0.1% トリフルオロ酢酸水溶液を 30μL 加えて、分離した成分を溶解させた。次いで、得られた各画分溶液の各全量を、それぞれ L−column Micro L2−C18, 75μm i.d. x 15 cm 逆相カラム((財)化学物質評価研究機構製)を用いて A 溶媒 0.1% ギ酸水溶液、B 溶媒 アセトニトリル/0.1% ギ酸を用い、45分のグラジエント(2〜95% の B 溶媒)で分離し、連続的にナノESIイオン源を装着したESI−イオントラップ型質量分析計 (HCTultra; Bruker Daltonik GmbH, Bremen, Germany)でデータ依存的スキャンを用いてオンライン分析した。各試料について、2回のランを行った。
i)LC 条件
(一次元目)
HPLCカラム:Acclaim PA2, 300μm i.d. x 15 cm 逆相カラム (Thermo Fisher Scientific Inc. (Dionex) 製)
流速:6.0μL/分
A 溶媒:20 mM ギ酸アンモニウム水溶液, pH 10.0
B 溶媒:アセトニトリル
溶出: 0分→19 分:12% から 20% B 溶媒までリニアグラジエント、
19 分→29 分:48% B 溶媒までリニアグラジエント、
29 分→34 分:95% B 溶媒で洗浄、
34 分→75 分:2% B 溶媒で平衡化。
(なお、溶出開始後すぐにB溶媒の濃度を上げたので、溶出開始後ほとんど0分で、溶出液のB溶媒の濃度は12%になっている。)
カラム温度:35 ℃
注入量:40μL
分画数:26
HPLCカラム:L−column Micro L2−C18, 75μm i.d. x 15 cm 逆相カラム((財)化学物質評価研究機構製)
流速:300 nL/分
A 溶媒:0.1% ギ酸水溶液, pH 2.0
B 溶媒:アセトニトリル/0.1% ギ酸
溶出: 0分→1 分:8% B 溶媒までリニアグラジエント、
1 分→20 分:20% B 溶媒までリニアグラジエント、
20 分→25 分:35% B 溶媒までリニアグラジエント、
25 分→30 分:95% B 溶媒で洗浄、
30 分→45 分:2% B 溶媒で平衡化。
カラム温度:室温
注入量:30μL
イオン化法:エレクトロスプレーイオン化法 (electrospray ionization 法、ESI 法)
測定イオン:正イオン
スプレー電圧:1200V
ドライガス:窒素(4 L/min)
イオン源温度:160 ℃
走査範囲:m/z 300 〜 1,500(MS/MS 測定時:m/z 50 〜 2,200)
プリカーサーイオン選択数:4 イオン/マススペクトル
最小限のプリカーサーイオン強度:50,000 カウント
プリカーサーイオン選択排除時間:30 s
プリカーサーイオン排除価数:1
タンパク質サーチエンジン:Mascot (Matrix Science Ltd., London,UK)
タンパク質サーチ手法:MS/MS Ion Search
タンパク質データベース:Swiss−Prot
タンパク質サーチ時動物種分類:Homo sapiens (human)
タンパク質サーチ時翻訳後修飾設定:Carbamidomethyl (システイン残基修飾)
トリプシン未切断部位許容回数:1
プリカーサーイオン質量許容値:±0.5 Da
プロダクトイオン質量許容値:±1 Da
同定タンパク質解析ソフトウェア:Scaffold(Proteome Software,Inc., Portland, OR, USA)
二次元ナノLC−ESI−MS/MS測定によって、非浸潤性乳癌患者由来試料、浸潤性乳癌患者由来試料、及び非乳癌者由来試料から、総計503種のタンパク質成分が検出された。
次いで、以下の方法で、非浸潤性乳癌患者試料から特異的に検出されたタンパク質成分を、本発明の非浸潤性乳癌マーカーとして選別した。
[4+(23-0)] / 34≒0.794
である。
Claims (7)
- グルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される非浸潤性乳癌マーカー。
- 試料中のグルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される一種以上の非浸潤性乳癌マーカーを検出する、非浸潤性乳癌の判定を行うためのデータを得る方法。
- 試料が乳頭分泌液である、請求項2に記載の方法。
- 試料が血清、血漿、又は全血である、請求項2に記載の方法。
- 試料中のグルタチオン S-トランスフェラーゼP型、細胞外マトリックスタンパク質1、キネシン様タンパク質KIF20B、カタラーゼ、プレクチン、ネスプリン−1、及びネスプリン−2からなる群から選択される一種以上の非浸潤性乳癌マーカーを検出し、その結果に基づいて判定する、非浸潤性乳癌の判定法。
- 試料が乳頭分泌液である、請求項5に記載の判定法。
- 試料が血清、血漿、又は全血である、請求項5に記載の判定法。
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JP2015217202A JP2017090103A (ja) | 2015-11-05 | 2015-11-05 | 非浸潤性乳癌の判定法 |
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