JP2017088526A - 3−o−アルキルグリセリルアスコルビン酸及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】
抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさない新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供し、さらに該アスコルビン酸誘導体又はその塩の有効性について見出すことを課題とする。
【解決手段】
新規アスコルビン酸誘導体又はその塩を提供することにより、抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさず、さらに、該アスコルビン酸誘導体又はその塩は優れた有効性を有することを提供する。
【選択図】なし
抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさない新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供し、さらに該アスコルビン酸誘導体又はその塩の有効性について見出すことを課題とする。
【解決手段】
新規アスコルビン酸誘導体又はその塩を提供することにより、抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさず、さらに、該アスコルビン酸誘導体又はその塩は優れた有効性を有することを提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、3−O−アルキルグリセリルアスコルビン酸又はその塩に関する。本発明は、又、前記アスコルビン酸誘導体の用途に関する。本発明は更に、前記アスコルビン酸誘導体又はその塩を配合した化粧料に関する。
アスコルビン酸は水溶性ビタミンCの一種で、抗酸化作用、メラニン産生抑制作用及びコラーゲン産生促進作用など多様な生理活性を有しており、優れた化粧品素材として広く認知されている。しかし、アスコルビン酸は優れた機能を有する反面、熱や光に対して不安定であり、化粧品分野での利用が妨げられてきた。
そこで、アスコルビン酸より経時安定性が向上したものとして、種々のアスコルビン酸誘導体又はその塩が提案されており、美白用の皮膚外用剤への配合(特許文献1、特許文献2)や、化粧料への配合(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、前記のアスコルビン酸誘導体及びその塩の多くは、経時により着色や着臭し、化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こすなどの欠点を抱えておりその改善が望まれている。
本発明は、抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさない新規なアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供し、さらに該アスコルビン酸誘導体又はその塩の有効性について見出すことを課題とする。
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、下記式(I)で示される新規アスコルビン酸誘導体又はその塩は抗酸化作用等のアスコルビン酸が元来有する優れた機能を有するとともに、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさず、さらに、該アスコルビン酸誘導体又はその塩は優れた有効性を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記一般式(I)で表わされることを特徴とするアスコルビン酸誘導体又はその塩を提供する(請求項1)
請求項2の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れたセラミド産生促進作用を有しており、セラミド産生促進剤として提供するものである。
請求項3の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた抗酸化作用を有しており、抗酸化剤として提供するものである。
請求項4の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた抗炎症作用を有しており、抗炎症剤として提供するものである。
請求項5の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた敏感肌改善作用を有しており、敏感肌改善剤として提供するものである。
請求項6の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた抗酸化物質産生促進作用を有しており、抗酸化物質産生促進剤として提供するものである。
請求項7の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた美白作用を有しており、美白剤として提供するものである。
請求項8の発明は、前記一般式(I)中の、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である請求項1に記載のアスコルビン酸誘導体又はその塩が、優れた抗シワ作用を有しており、抗シワ剤として提供するものである。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、有効成分として化粧料に配合することができる(請求項9)。各種化粧料への配合量は、化粧料の用途により異なり特に限定できないが、通常、0.001〜10質量%の範囲が好ましい。0.001質量%未満の場合は、本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩が有する効果を十分に示さない場合が多い。一方、10質量%を超える場合は、配合量に見合った効果が望めない場合が多く、また皮膚刺激を示す場合がある。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩を含有した化粧料には、この必須成分の他に、通常含まれる添加剤が含まれている。
このような添加剤として、保湿成分、セラミド、油性成分、界面活性剤(陽イオン界面活性剤・陰イオン界面活性剤・非イオン界面活性剤・両性界面活性剤)、増粘・ゲル化剤、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料等を配合することができる。
保湿成分としては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、
アルギニン、セリン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、
ハマメリス水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の植物抽出成分、
ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、乳酸ナトリウム等の天然保湿因子系成分等を挙げることができる。
アルギニン、セリン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、
ハマメリス水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の植物抽出成分、
ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、乳酸ナトリウム等の天然保湿因子系成分等を挙げることができる。
セラミドとしては、セラミド1、セラミド2、セラミド3、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等の擬似セラミド、
グルコシルセラミド等の糖セラミドを挙げることができる。
グルコシルセラミド等の糖セラミドを挙げることができる。
油性成分としては、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ローズマリー油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ナタネ油、ゴマ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、卵黄油、牛脚脂、トリグリセリン等の天然液状油、
ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂、硬化油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等の固形油脂、
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン等のロウ類、
流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油、
オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸−2−エチルヘキシル、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等のエステル油、
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン等のシリコーン油、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の高級脂肪酸、
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等の高級アルコールを挙げることができる。
ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂、硬化油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等の固形油脂、
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン等のロウ類、
流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油、
オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸−2−エチルヘキシル、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等のエステル油、
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン等のシリコーン油、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の高級脂肪酸、
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等の高級アルコールを挙げることができる。
界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の陽イオン界面活性剤、
脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩等の陰イオン界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド等の非イオン界面活性剤、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アシル−N−メチルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩等の陰イオン界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド等の非イオン界面活性剤、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
増粘・ゲル化剤としては、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、寒天、デンプン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、カチオンポリマー等を挙げることができる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては、リン酸、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、エチドロン酸等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、[4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル]−3,4,5−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等を挙げることができる。
防腐剤として、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、安息香酸塩、フェノキシエタノール、四級アンモニウム塩等を挙げることができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合した化粧料に、さらに、セラミド産生促進剤、抗酸化剤、抗炎症剤、敏感肌改善剤、抗酸化物質産生促進剤、美白剤、抗シワ剤等を同時に配合することができる(請求項10)。
前記セラミド産生促進剤としては、例えば、アセチルヒドロキシプロリン、L−カルニチン、ニコチン酸アミド、ローズマリーおよびラベンダーなどの植物抽出成分を挙げることができる。
前記抗酸化剤としては、例えば、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ等の生体内活性酸素分解酵素、トコフェロール、アスコルビン酸等のビタミン類及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ユビキノン、ルチン、オリザノールを挙げることができる。
前記抗炎症剤としては、例えば、酸化亜鉛、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体またはその塩、アラントイン、各種微生物および動植物抽出成分を挙げることができる。
前記敏感肌改善剤としては、例えば、フキ、知母、シラカバ、ヨモギ等の植物抽出成分や、オイゲノール配糖体、イソオイゲノール配糖体、ラズベリーケトン配糖体等からなる神経成長因子生成抑制剤を挙げることができる。
前記抗酸化物質産生促進剤としては、例えば、グルタチオン産生促進作用等を有する植物抽出成分を挙げることができる。
前記美白剤としては、例えば、トラネキサム酸及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノンおよびその誘導体、エラグ酸およびその誘導体、システイン、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シャクヤク抽出物を挙げることができる。
抗シワ剤としては、例えば、レチノイン酸等のビタミン類およびその誘導体、コラーゲン産生促進作用や真皮コラーゲン繊維束再構築作用を有する植物抽出成分を挙げることができる。
本発明のアスコルビン酸誘導体又はその塩は、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少なく、また化粧品に配合した際には乳化破壊や粘度低下を引き起こさず、さらに、該新規アスコルビン酸誘導体又はその塩は優れた有効性を有する。
次に、本発明を実施するための具体的な形態について説明するが、本発明の範囲は以下の実施形態により限定されるものではない。
製造例1 3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(100g)にDMF200mL中で撹拌し、ラウリルグリシジルエーテル(166g)を加えた後、80℃に加温し36時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮を行い、得られた残渣182gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=10/1/0.1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(45.6g)を得た。
アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸(100g)にDMF200mL中で撹拌し、ラウリルグリシジルエーテル(166g)を加えた後、80℃に加温し36時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて濃縮を行い、得られた残渣182gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=10/1/0.1混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、生成物(45.6g)を得た。
得られた生成物について、1H−NMR、13C−NMR測定を行い、この結果より、この生成物は化2で示される3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸であることが確認された。
なお、この式においては、炭素原子、及び各炭素原子に結合する水素原子は省略されている。例えば、この式における1〜4の位置は炭素原子であり、6、7、9の位置はCH2基であり、5、8の位置はCH基である。
NMR(核磁気共鳴分光法)による分析結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(500MHz, CD3OD):
δ ppm 0.90(3H,t),0.92(3H,t),1.32(12H,m),1.39(2H,m),1.48(2H,m),1.55(2H,m),3.47(4H,m),3.66(2H,m),3.86(1H,m),3.91(1H,m),4.00(2H,m),4,16(1H,m),4.38(1H,m),4.55(1H,m),4.87(1H,brs)
13C−NMR(125MHz, CD3OD):
δ ppm 14.29,14.45,20.33,26.55,26.58,30.44,30.66,30.69,34.01,63.09,63.19,63.38,70.30,70.38,70.55,70.61,70.64,70.69,70.74,70.88,71.01,71.04,72.41,75.20,75.24,75.32,76.77,76.79,76.81,77.08,77.11,122.77,122.85,122.88,159.45,159.47,159.50,19.52,172.19
1H−NMR(500MHz, CD3OD):
δ ppm 0.90(3H,t),0.92(3H,t),1.32(12H,m),1.39(2H,m),1.48(2H,m),1.55(2H,m),3.47(4H,m),3.66(2H,m),3.86(1H,m),3.91(1H,m),4.00(2H,m),4,16(1H,m),4.38(1H,m),4.55(1H,m),4.87(1H,brs)
13C−NMR(125MHz, CD3OD):
δ ppm 14.29,14.45,20.33,26.55,26.58,30.44,30.66,30.69,34.01,63.09,63.19,63.38,70.30,70.38,70.55,70.61,70.64,70.69,70.74,70.88,71.01,71.04,72.41,75.20,75.24,75.32,76.77,76.79,76.81,77.08,77.11,122.77,122.85,122.88,159.45,159.47,159.50,19.52,172.19
試験例1 [安定性試験]
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸又はアスコルビン酸を1%、エタノールを25%配合し、pHを5付近に調整した水溶液を表1に示す組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸又はアスコルビン酸を1%、エタノールを25%配合し、pHを5付近に調整した水溶液を表1に示す組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
調製した水溶液を50mLのスクリュー管に入れ密栓し、50℃にて4週間保管し、HPLC測定(東ソー社製液体クロマトグラフィーを用いた。)を行いピーク面積より残存率を求めた。残存率及び着色度の評価を、下記の方法、基準に基づき行った。結果を表2に示す。
残存率
◎: >80%
○: 60−80%
△: 20−60%
×: <20%
◎: >80%
○: 60−80%
△: 20−60%
×: <20%
着色
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 調整直後と比較しほとんど変化なし。
2: 調整直後と比較し着色する。
1: 調整直後と比較し強く着色する。
この評価に基づき、下記の様に分類した。
◎: 10人の総合点が25以上
○: 10人の総合点が16−24
△: 10人の総合点が15以下
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 調整直後と比較しほとんど変化なし。
2: 調整直後と比較し着色する。
1: 調整直後と比較し強く着色する。
この評価に基づき、下記の様に分類した。
◎: 10人の総合点が25以上
○: 10人の総合点が16−24
△: 10人の総合点が15以下
表2の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸が、アスコルビン酸と比較して、長期間の保存でも安定で、経時により着色や着臭等が少ないことを示している。
試験例2 [セラミド合成律速酵素(SPT)遺伝子発現評価試験]
セラミド産生促進に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いたセラミド合成律速酵素(SPT)遺伝子発現の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
セラミド産生促進に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いたセラミド合成律速酵素(SPT)遺伝子発現の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
試験手順
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。各ウェルに過酸化水素処理を1時間行い、新鮮培地に交換後さらに6時間培養した。細胞からRNAを抽出後、リアルタイムPCR(ライフテクノロジーズ社製)を用いてセラミド合成の律速酵素(SPT)遺伝子の発現量を測定した。
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。各ウェルに過酸化水素処理を1時間行い、新鮮培地に交換後さらに6時間培養した。細胞からRNAを抽出後、リアルタイムPCR(ライフテクノロジーズ社製)を用いてセラミド合成の律速酵素(SPT)遺伝子の発現量を測定した。
セラミド合成の律速酵素(SPT)遺伝子発現量をControl群と比較し(コントロールを100%としたときの%値)、下記のように評価した。その結果を表3に示す。
○: >120%
△: 100−120%
×: <100%
○: >120%
△: 100−120%
×: <100%
表3の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸と比較して、セラミド合成律速酵素(SPT)遺伝子発現作用に優れていることを示している。
試験例3 [細胞内抗酸化活性評価試験]
抗酸化に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた抗酸化活性の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
抗酸化に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いた抗酸化活性の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
試験手順
正常ヒト表皮角化細胞を2×104cells/wellの細胞密度で96穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。各ウェルに蛍光試薬である蛍光試薬(2,7−Dichlorofluorescin diacetate)を添加し、30分間反応させた。その後、過酸化水素処理を2時間行い、蛍光強度(励起波長:485nm、測定波長:530nm)を測定した。
正常ヒト表皮角化細胞を2×104cells/wellの細胞密度で96穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。各ウェルに蛍光試薬である蛍光試薬(2,7−Dichlorofluorescin diacetate)を添加し、30分間反応させた。その後、過酸化水素処理を2時間行い、蛍光強度(励起波長:485nm、測定波長:530nm)を測定した。
蛍光強度をControl群と比較し(コントロールを100%としたときの%値)、下記のように評価した。その結果を表4に示す。
◎: <50%
○: 50−80%
△: 80−100%
×: >100%
◎: <50%
○: 50−80%
△: 80−100%
×: >100%
表4の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸が、アスコルビン酸より優れた細胞内抗酸化活性を有していることを示している。
試験例4 [抗炎症試験]
抗炎症に関する試験として、表5に示す3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸配合クリームを1日朝晩2回、顔面頬部に8週間連用した際の外観の評価を、下記の方法、基準に基づき行った。
抗炎症に関する試験として、表5に示す3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸配合クリームを1日朝晩2回、顔面頬部に8週間連用した際の外観の評価を、下記の方法、基準に基づき行った。
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 連用前と比較し赤みが改善されている。
2: 連用前と比較し赤みに変化はない。
1: 連用前と比較し赤みが悪化している。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表6に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
3: 連用前と比較し赤みが改善されている。
2: 連用前と比較し赤みに変化はない。
1: 連用前と比較し赤みが悪化している。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表6に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
表6の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸が、優れた抗炎症効果を有していることを示している。
試験例5 [敏感肌改善試験]
敏感肌改善に関する試験として、正常ヒト皮膚繊維芽細胞を用いた神経成長因子(NGF)の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
敏感肌改善に関する試験として、正常ヒト皮膚繊維芽細胞を用いた神経成長因子(NGF)の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
試験手順
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。過酸化水素処理を1時間行い、新鮮培地に交換後さらに6時間培養した。細胞からRNAを抽出後、リアルタイムPCR(ライフテクノロジーズ社製)を用いてNGF遺伝子量を測定した。
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。過酸化水素処理を1時間行い、新鮮培地に交換後さらに6時間培養した。細胞からRNAを抽出後、リアルタイムPCR(ライフテクノロジーズ社製)を用いてNGF遺伝子量を測定した。
神経成長因子(NGF)のmRNA発現量をControl群と比較し(コントロールを100%としたときの%値)、下記のように評価した。その結果を表7に示す。
◎: <50%
○: 50−80%
△: 80−100%
×: >100%
◎: <50%
○: 50−80%
△: 80−100%
×: >100%
表7の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸と比較して、神経成長因子(NGF)生成抑制作用を有しており、敏感肌改善に優れていることを示している。
試験例6 [グルタチオン(GSH)産生促進作用評価試験]
抗酸化物質産生促進に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いたグルタチオン(GSH)産生促進の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
抗酸化物質産生促進に関する試験として、正常ヒト表皮角化細胞を用いたグルタチオン(GSH)産生促進の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びアスコルビン酸について行った。
試験手順
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。細胞を溶解後、細胞中のGSH量をDTNB−酵素サイクリング法によって測定した。
正常ヒト表皮角化細胞を5×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、24時間培養した。細胞を溶解後、細胞中のGSH量をDTNB−酵素サイクリング法によって測定した。
グルタチオン(GSH)量をControl群と比較し(コントロールを100%としたときの%値)、下記のように評価した。その結果を表8に示す。
○: >120%
△: 100−120%
×: <100%
○: >120%
△: 100−120%
×: <100%
表8の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸と比較して、グルタチオン(GSH)産生促進作用を有しており、抗酸化物質産生促進に優れていることを示している。
試験例7 [コラーゲン産生評価試験]
抗シワに関する試験として、正常ヒト皮膚繊維芽細胞を用いたコラーゲン産生促進作用の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸について行った。
抗シワに関する試験として、正常ヒト皮膚繊維芽細胞を用いたコラーゲン産生促進作用の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸について行った。
試験手順
正常ヒト皮膚繊維芽細胞を、2.5×104 cells/wellの細胞密度で96穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、7日間培養した。その後、遊離コラーゲン量をSircol collagen assay kit(Biocolor社製)を用いて測定した。
正常ヒト皮膚繊維芽細胞を、2.5×104 cells/wellの細胞密度で96穴プレートに播種した。サンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、7日間培養した。その後、遊離コラーゲン量をSircol collagen assay kit(Biocolor社製)を用いて測定した。
コラーゲン産生量をControl群と比較し(コントロールを100%としたときの%値)、下記のように評価した。その結果を表9に示す。
◎: >200%
○: 150−200%
△: 100−150%
×: <100%
◎: >200%
○: 150−200%
△: 100−150%
×: <100%
表9の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸が、コラーゲン産生促進料として優れるアスコルビン酸と同等の、コラーゲン産生促進作用を有していることを示している。
試験例8 [メラニン産生抑制試験]
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸について行った。結果を表10に示す。
美白効果の試験として、B16メラノーマ4A5細胞のテオフィリン誘発メラニン産生に対する作用の評価を、下記の手順により、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸について行った。結果を表10に示す。
試験手順
B16マウス メラノーマ4A5株を、2.0×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。24時間培養後、テオフィリン及びサンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、3日間培養した。細胞を破砕後、タンパク量を、BCA protein assay kit(PIERCE社製)を用いて定量し、又、メラニンの生成量を、アルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に終濃度2mol/Lとなるように水酸化ナトリウムを添加して加熱溶解(60℃、15分)後、マイクロプレートリーダーを用いて450nmの吸光度を測定した。メラニン量は、合成メラニン(SIGMA)を標準品として作成した検量線から算出した。タンパク量でメラニン量を除することにより単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
B16マウス メラノーマ4A5株を、2.0×104cells/wellの細胞密度で48穴プレートに播種した。24時間培養後、テオフィリン及びサンプルを添加し(サンプルを添加していないものをコントロールとした)、3日間培養した。細胞を破砕後、タンパク量を、BCA protein assay kit(PIERCE社製)を用いて定量し、又、メラニンの生成量を、アルカリ可溶化法にて測定した。細胞破砕液に終濃度2mol/Lとなるように水酸化ナトリウムを添加して加熱溶解(60℃、15分)後、マイクロプレートリーダーを用いて450nmの吸光度を測定した。メラニン量は、合成メラニン(SIGMA)を標準品として作成した検量線から算出した。タンパク量でメラニン量を除することにより単位タンパクあたりのメラニン量を算出した。
メラニン生成抑制率を下記のように表記した。なお、測定はN=4で行った。
◎: 70−100%
○: 40−70%
△: 20−40%
×: <20%
◎: 70−100%
○: 40−70%
△: 20−40%
×: <20%
表10の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸が、アスコルビン酸より優れたメラニン産生抑制作用を有していることを示している。
試験例9 [クリーム]
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸を1%、界面活性剤を5%配合し、pHを5付近に調整したクリームを表11に示した組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸を1%、界面活性剤を5%配合し、pHを5付近に調整したクリームを表11に示した組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
調製したクリームの直後及び50℃で24時間保存した際の外観の評価を、下記の方法、基準に基づき行った。
外観
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 均一な層となっている。
2: 水又は油の粒が確認される。
1: 二層に分離している。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表12に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: 均一な層となっている。
2: 水又は油の粒が確認される。
1: 二層に分離している。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表12に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
表12の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸と比較して、乳化破壊を引き起こしにくいことを示している。
試験例10 ジェル
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸を1%、カルボキシビニルポリマーを1%配合し、pHを5付近に調整したジェルを表13に示した組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸およびアスコルビン酸を1%、カルボキシビニルポリマーを1%配合し、pHを5付近に調整したジェルを表13に示した組成で調製した。なお、表中の数値は質量%を表し、残余とは配合量を計100重量部とするために必要な量を意味する。
調製したジェルの直後及び50℃で24時間保存した際の外観の評価を、下記の方法、基準に基づき行った。
外観
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: ヨーグルト状となっている。
2: ヨーグルト状ではあるが、流動性がある。
1: 液体状である。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表14に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
10人のパネラーにより、次の基準で評価した。
3: ヨーグルト状となっている。
2: ヨーグルト状ではあるが、流動性がある。
1: 液体状である。
この評価に基づき、下記の様に分類した。その結果を表14に示す。
○: 10人の総合点が25以上
△: 10人の総合点が16−24
×: 10人の総合点が15以下
表14の結果は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、アスコルビン酸と比較して、ジェル製剤の粘度低下を引き起こしにくいことを示している。
試験例11 [化粧水]
表15に示す(1)〜(8)の原料を、よく撹拌しながら混合することにより化粧水を調製することができる。この化粧水は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びローズマリーエキスを配合しているので、セラミド産生促進効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
表15に示す(1)〜(8)の原料を、よく撹拌しながら混合することにより化粧水を調製することができる。この化粧水は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びローズマリーエキスを配合しているので、セラミド産生促進効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
試験例12 [クリーム]
表16に示す(1)〜(10)の油相部及び(11)〜(12)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく撹拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができる。このクリームは、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びトコフェロールを配合しているので、抗酸化効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
表16に示す(1)〜(10)の油相部及び(11)〜(12)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく撹拌しながら室温まで冷却することにより、クリームを調製することができる。このクリームは、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びトコフェロールを配合しているので、抗酸化効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
試験例13 [乳液]
表17に示す(1)〜(7)の油相部及び(8)〜(15)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく撹拌しながら室温まで冷却することにより、乳液を調製することができる。この乳液は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びグリチルリチン酸を配合しているので、抗酸化効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
表17に示す(1)〜(7)の油相部及び(8)〜(15)の水相部をそれぞれ70℃に加温溶解する。水相部に油相部を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よく撹拌しながら室温まで冷却することにより、乳液を調製することができる。この乳液は、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びグリチルリチン酸を配合しているので、抗酸化効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
試験例14 [ジェル]
表18に示す(1)〜(10)の原料を、よく撹拌しながら混合することによりジェルを調製することができる。このジェルは、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びコウジ酸を配合しているので、美白効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
表18に示す(1)〜(10)の原料を、よく撹拌しながら混合することによりジェルを調製することができる。このジェルは、3−O−ラウリルグリセリルアスコルビン酸及びコウジ酸を配合しているので、美白効果に優れた化粧料に好適であると考えられる。
Claims (10)
- 下記の一般式(I)で表わされるアスコルビン酸誘導体及びその塩。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とするセラミド産生促進剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする抗酸化剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする抗炎症剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする敏感肌改善剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする抗酸化物質産生促進剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする美白剤。
- 請求項1で表わされるアスコルビン酸誘導体またはその塩を有効成分とする抗シワ剤。
- 請求項2〜8のいずれか1項に記載の有効成分を0.001〜10質量%配合することを特徴とする皮膚外用剤又は化粧料。
- 前記皮膚外用剤及び化粧料に、さらに、セラミド産生促進剤、抗酸化剤、抗炎症剤、敏感肌改善剤、抗酸化物質産生促進剤、美白剤、抗シワ剤から選ばれる1種以上を配合することを特徴とする請求項9記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015218756A JP2017088526A (ja) | 2015-11-06 | 2015-11-06 | 3−o−アルキルグリセリルアスコルビン酸及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015218756A JP2017088526A (ja) | 2015-11-06 | 2015-11-06 | 3−o−アルキルグリセリルアスコルビン酸及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017088526A true JP2017088526A (ja) | 2017-05-25 |
Family
ID=58769646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015218756A Pending JP2017088526A (ja) | 2015-11-06 | 2015-11-06 | 3−o−アルキルグリセリルアスコルビン酸及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017088526A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114848520A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-08-05 | 上海新高姿化妆品有限公司 | 一种美白修护组合物及其应用 |
JP7267657B1 (ja) * | 2022-11-25 | 2023-05-02 | 株式会社成和化成 | アスコルビン酸誘導体又はその塩及びその化粧料 |
-
2015
- 2015-11-06 JP JP2015218756A patent/JP2017088526A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114848520A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-08-05 | 上海新高姿化妆品有限公司 | 一种美白修护组合物及其应用 |
CN114848520B (zh) * | 2022-06-20 | 2023-08-01 | 上海新高姿化妆品有限公司 | 一种美白修护组合物及其应用 |
JP7267657B1 (ja) * | 2022-11-25 | 2023-05-02 | 株式会社成和化成 | アスコルビン酸誘導体又はその塩及びその化粧料 |
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