JP2017088440A - 安定化されたシュベルトマナイトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明におけるシュベルトマナイトに陰イオンが取り込まれる場合は、イオン交換が主なメカニズムであると考えられているが、静電気的に表面に濃縮される場合なども考えられるので、これらの現象も特に区別せず収着という言葉を用いて説明する。
Fe8O8OH8-2x(SO4)x〔1≦x≦1.75〕 (1)
この化合物は自然界にも存在し、自然界に存在するヒ素を取り込み不溶化することが佐藤らによって非特許文献1に報告され、ヒ素等の収着剤、不溶化剤として注目されている。また、その収着性能は、他の収着剤と比べて高いことが知られている。
しかしながら、シュベルトマナイトは安定性が低く、放置すると、より結晶性の高いゲータイトに変化し、ヒ素等を収着する能力が大きく低下することが知られている。このためヒ素濃度が低い場合には、構造が安定になるのに十分なヒ素を収着する前に、ゲータイトに変化してヒ素化合物収着量が減少することが懸念される。これを改善する方法として、特許文献1においてシュベルトマナイトの構造内の硫酸イオンの一部をケイ酸イオンで置換することが提案されている。
また、シュベルトマナイトが析出した後、ケイ酸塩を添加する前に、その分散液のpHを高くすることで、硫酸脱着量が上昇することを見出した。更に、析出してくるシュベルトマナイトに対するケイ酸の添加倍数を調整することでケイ酸収着量をコントロールでき、ケイ酸を添加する前のpH調整とケイ酸添加倍数を組み合わせることによって、硫酸の脱着量、すなわちシュベルトマナイト構造内の硫酸イオンとケイ酸イオンのイオン交換量、およびケイ酸の総収着量が任意にコントロールできることを見出した。
また、特許第5362292号公報に記載されている、硫酸鉄水溶液を加温しておき、炭酸水素ナトリウムなどの弱アルカリ性塩を加えてpHを調整してシュベルトマナイトを析出させる方法も適用できる。
更に、自然界におけるシュベルトマナイトの形成過程を模して、硫酸イオンと2価の鉄の共存下で鉄酸化細菌を培養することでシュベルトマナイトを得る方法も知られている。
第2工程は第1工程同様加温しながら進めることもできるが、室温でも十分反応を行なうことができる。
第2工程終了後にろ過、乾燥などを行い、ケイ酸により安定化されたシュベルトマナイトを得るが、ろ過したシュベルトマナイトは、土壌や水の汚染を除去するのに用いる際に余分な物質が溶け出して汚染することがないように、乾燥前に水などで数回洗浄して余分なイオンなどを除去するのが好ましい。
これを防ぐ方法として、ケイ酸イオンを添加する前に、得られたスラリーのpHを4以上にすることが好ましい。またこの時にpHが高いほどシュベルトマナイトの構造内に存在する硫酸イオンとケイ酸イオンの置換が進みやすくなる利点がある。
第1工程終了時の分散液のpHは、好ましくは4〜10、更に好ましくは6〜8である。pHが4未満であるとケイ酸が縮合しやすく、ろ過性が低下しやすい。一方、pHが10を超えると、シュベルトマナイト以外の鉄化合物に変化しやすくなる。
その際、ケイ酸を添加する前にpHを4〜10に調整して得られたものはろ過性が良好となり生産性の面で好ましい。また、ケイ酸を添加する前にpHを調整しない場合は、硫酸イオンとケイ酸イオンのイオン交換反応によらずに収着されるケイ酸イオンが多くなり、これによってろ過性が悪化し、得られるケイ酸処理シュベルトマナイトもケイ酸収着量が多く、従来の方法とは少し異なるものができるが、亜ヒ酸イオン等を吸着し、かつ一般的なシュベルトマナイトと比べて安定性が高いものを得ることができる。
ケイ酸の収着は室温でも容易に進行する為、特に加熱等の必要はない。室温で数時間から1日撹拌すれば、ケイ酸の収着はほぼ終了する。
モル倍の比率である。更に詳しくは、スラリーのpHを調整せずpHが2〜3程度の場合、1.5〜10倍、スラリーのpHが約4の場合、1〜10倍、スラリーのpHが6以上の場合0.4〜10倍である。pHを高くするほど添加したケイ酸の利用率が高くなるため、少ないケイ酸添加量でも必要なケイ酸収着量となる。その結果、適切なケイ酸添加量を選択することで廃水中に残るケイ酸が減少するので、スラリーのpHを高めにすることは廃水処理面でも好ましい。ケイ酸の添加倍数が0.4未満でも未処理のシュベルトマナイトに比べれば安定性は向上するが、実用的には不十分となりやすい。一方、ケイ酸添加倍数が多いとケイ酸が無駄になるばかりか、廃水中のケイ酸含有量が高くなり廃水処理費用の面で好ましくない。
化学式:Fe8O8OH8‐2x(SO4)x〔1≦x≦1.75〕
これらのことから、ケイ酸イオンは硫酸イオンと置換されるだけでなく、シュベルトマナイト周囲にも収着されると考えられる。イオン交換により導入されるケイ酸イオンと周囲に収着するケイ酸イオンの比率はケイ酸塩添加前に調整するシュベルトマナイト分散液のpHによって変化するようであるが、前記の通り意外にもその総量はpHに影響されなかった。
すなわち、本発明の方法では、鉄に対するケイ酸の添加量とケイ酸添加前のスラリーのpHを調整することで、ケイ酸イオン収着量と硫酸イオン脱着量を任意に調整することが可能である。
シュベルトマナイト1モルあたりのケイ酸収着量が0.4モルより少ないと、安定性向上効果が得られない場合がある。一方、ケイ酸収着量が3.0モルより多いと、ヒ酸イオンが収着されにくくなるだけでなく、高温高湿環境下に放置された場合における亜ヒ酸イオン収着性が損なわれることがある。
これらの中でも、ヒ素、セレン、フッ素、クロムおよびヨウ素のいずれかの元素を含む陰イオン性有害物質の収着除去または不溶化する方法に適している。
汚染水からの有害物質の収着除去剤として使用する場合、公知の方法を適用することができる。例えば、ろ過塔などに本願発明の安定化されたシュベルトマナイトを充填し、有害物質を含む廃水をろ過塔に供給して、有害物質を収着する方法など挙げられる。また、汚染水に本願発明の安定化されたシュベルトマナイトを加えて撹拌し、固液分離する方法を使用することもでき、必要に応じて凝集剤を併用してもよい。
例えば、汚染土壌と本願発明の安定化されたシュベルトマナイトとの混合は、地盤改良工事に用いられる混合機を用いて行なうことができ、汚染土壌を原位置で改良する機械と、地上で改良する機械のいずれも使用できる。いずれの場合も、本願発明の安定化されたシュベルトマナイトは固形物の状態、あるいは水を添加したスラリー状態で、汚染土壌と混合することができる。また、汚染土壌の下に敷き詰めて、汚染物質が周辺へ拡散しないようにする、吸着層工法などの吸着層に使用することもできる。
<参考例>ケイ酸を含まないシュベルトマナイト
2Lの4つ口フラスコに硝酸鉄(III)九水和物93.7g(0.23mol
)と硫酸ナトリウム28.4g(0.20mol)を量りとり、全体が800mlになるまで水を加え、攪拌機、温度計および冷却水を通したジムロートを取りつけた。これを温水浴にセットして加熱しながらフラスコ内を撹拌して均一に溶解させ、この水溶液を約60℃に保持した。このときpHは1.2であった。撹拌と保温を続けながら、炭酸ナトリウムを少量ずつ加え、水溶液のpHが2.7になったところで、炭酸ナトリウムの添加を止めた。炭酸ナトリウム添加量は15.4gであった。この時点で液は黄褐色で不透明なスラリー状となっていた。撹拌と保温を15分間続けてから、水浴の加熱を止め、水浴の温水を水に入れ替えて室温付近まで冷却した。
続いて、生成物が分散した反応混合物をろ紙をセットしたブフナー漏斗を使ってろ過した。余分なイオン等を除去するために、得られた固形分に1Lの水を加えて撹拌し、再度ろ過する工程を3回繰り返して行った後、シャーレに取り出し、50℃で一晩真空乾燥した。なお、表1において水洗工程数とは、前記水洗とろ過を3回繰り返した工程を1回として数えた。得られた黄褐色の乾燥固体の収量は25.1gであった。これを乳鉢ですりつぶして粉末としたものを収着試験等に用いた。この粉末を粉末X線回折で分析したところ、図3に示した典型的なシュベルトマナイトの回折パターンが得られ、シュベルトマナイトが得られたことを確認した。
また、この粉末を蛍光X線で分析し、X線強度比から求めた、鉄:ケイ素:硫黄の質量比率は46.3:0.00:5.33であった。この数値をそれぞれの原子量で除して各原子のモル数を求め、鉄を8.0として各原子のモル比に換算したところ、鉄:ケイ素:硫黄=8.0:0.0:1.6であった。したがって、この合成で得られたシュベルトマナイトは、化学式(1)におけるxの値が1.60である。
Fe8O8OH8-2x(SO4)x〔1≦x≦1.75〕 (1)
このシュベルトマナイトを50℃、相対湿度98%の恒温恒湿器に放置し、ヒ素収着特性の推移を調べた結果を表3にまとめた。これによれば、湿熱放置後の亜ヒ酸収着性能は1週間程度で半減して、極めて不安定であることが判った。また、湿熱放置1週間後の粉末X線回折パターンを図6に示した。この回折パターンはゲータイトのパターンであり、他の例と比べて著しく不安定であることが判った。
2Lの4つ口フラスコに硝酸鉄(III)九水和物93.7g(0.23mol
)と硫酸ナトリウム28.4g(0.20mol)を量りとり、全体が800mlになるまで水を加え、攪拌機、温度計、および冷却水を通したジムロートを取りつけた。これを温水浴にセットして加熱しながらフラスコ内を撹拌して均一に溶解させ、この水溶液を約60℃に保持した。このときpHは1.2であった。撹拌と保温を続けながら、炭酸ナトリウムを少量ずつ加え、水溶液のpHが2.7になったところで、炭酸ナトリウムの添加を止めた。炭酸ナトリウム添加量は15.4gであった。撹拌と保温を15分間続けてから、水浴の加熱を止め、水浴の温水を水に入れ替えて室温付近まで冷却した。次に、このスラリー状混合液にケイ酸ナトリウム源としてJIS K1408において3号に規定されたケイ酸ナトリウム水溶液(愛知珪曹工業(株)製、珪酸ソーダ3号、SiO2換算で29%含有)をシュベルトマナイトのモル数の3倍、すなわち硝酸鉄のモル数の1/8に対して3倍に相当する18.0gを加えて室温のまま20時間撹拌した。
その後、生成物が分散した反応混合物を、ろ紙をセットしたブフナー漏斗を使ってろ過し、余分なイオン等を除去するために、得られた固形分に1Lの水を加えて撹拌し、ろ過する工程を3回繰り返して行い、ろ紙上の固形分を50℃で一晩真空乾燥した。このときのろ過は、参考例と比べてやや遅く、ろ過し難かった。
得られた黄褐色の乾燥固体は31.4gであった。これを乳鉢ですりつぶして粉末として収着試験等に用いた。この粉末を粉末X線回折で分析したところ、図4に示した回折パターンが得られ、シュベルトマナイトが得られたことを確認した。この回折パターンの内、2θ=26°付近のブロードなピークが図3と比較してやや大きく、ピークの位置と使用した原料からシリカゲルが生成したと推察された。ろ過性の低下はこのシリカゲルの膨潤によるものと思われる。この粉末を蛍光X線で分析し、参考例と同様に鉄を8とした場合の、鉄、ケイ素、硫黄各原子のモル比率を求めたところ、鉄:ケイ素:硫黄=8.00:2.43:1.15であった。参考例で得たシュベルトマナイトは、鉄:ケイ素:硫黄=8.0:0.0:1.6であったので、シュベルトマナイト1モルあたり硫黄のモル比率の差で計算される硫酸イオン0.45モルが脱着され、ケイ酸が2.43モル収着したことになる。
このケイ酸処理シュベルトマナイトを50℃、相対湿度98%の恒温恒湿器に放置し、ヒ素収着特性の推移を調べた結果を他の例と共に表3にまとめた。参考例と比べて、湿熱条件下においても亜ヒ酸収着性が低下し難いことが判った。
硝酸鉄のモル数の1/8に対し、実施例1と同じケイ酸ナトリウム水溶液をケイ酸換算で2倍添加したものを実施例2、等倍添加したものを実施例3、5倍添加したものを実施例4とし、それ以外の工程は全て実施例1と同様に行い、各種評価を行った。何れも参考例に比べてろ過性はやや良くなかった。これらの粉末X線回折パターンを測定し、2θ=26°付近のピークを比較すると、ケイ酸添加量が多いほどピークが大きかったことから、このピークはシリカゲルの回折パターンが重複していると考えられる。
代表例として実施例4の粉末X線回折パターンを図5として示す。実施例1に比べて、2θ=26°付近のピークが更に大きくなっていることが判る。また、蛍光X線測定から換算した、鉄を8とした時のケイ素、硫黄の原子のモル比を実施例1と同様に計算し、表2にまとめた。
更に前記湿熱条件に放置後、亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行い、得られた結果を表3にまとめた。
これらの結果より、湿熱環境下において、ケイ酸処理をしていない参考例に比べて、何れも湿熱環境下放置後に高い亜ヒ酸イオン収着性が維持できることが判った。
シュベルトマナイトが析出するまでの工程は実施例1と同様に行い、室温まで冷却する際、撹拌を止めておいたところ、生成したシュベルトマナイトが沈殿したため、デカンテーションによって上澄みを除去した。この後、除去した上澄みと同量の水を加え、再び撹拌した。このとき液のpHは3.5であった。次に、実施例4と同様に、硝酸鉄のモル数の1/8に対し、実施例1と同じケイ酸ナトリウム水溶液をケイ酸換算で5倍添加した。以降の工程は実施例1と同様に行い、ケイ酸処理シュベルトマナイトを得た。本実施例では実施例1〜4に比べてろ過性がやや改善された。また、蛍光X線測定から換算した、鉄を8とした時のケイ素、硫黄のモル比を実施例1と同様に計算し、表2にまとめた。亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行い、得られた結果を表3にまとめた。
このように、従来の方法に比べて、簡便にケイ酸処理シュベルトマナイトを得ることができ、湿熱環境下における安定性も同様に得られることが判った。また、一旦デカンテーションにより上澄みを除去してから同量の水を加えたことで、pHが上昇し、ケイ酸がゲル化しにくくなった結果、ろ過性に改善が見られたものと考えられる。
表2において同じケイ酸ナトリウム量を使用した実施例4と比べると、ケイ酸収着量がやや減少し、硫酸脱着量が増加していることから、実施例5は実施例4に比べて、硫酸イオンとケイ酸イオンのイオン交換が起きやすく、シュベルトマナイトの構造内に取り込まれるケイ酸は増加するが、周囲に収着されるケイ酸は減少する傾向があると言える。
シュベルトマナイトが析出するまでの工程は実施例1と同様に行い、室温まで冷却後、撹拌しながら炭酸ナトリウムを加え、pHを4.0に調整した。次に、硝酸鉄のモル数の1/8に対し、実施例1と同じケイ酸ナトリウム水溶液をケイ酸換算で2倍添加した。以降の工程は実施例1と同様に行い、ケイ酸処理シュベルトマナイトを得た。本実施例では実施例1〜4に比べてろ過性が改善され、参考例と同程度であった。また、蛍光X線測定から換算した、鉄を8とした時のケイ素、硫黄のモル比を実施例1と同様に計算し、表2にまとめた。亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行い、得られた結果を表3にまとめた。
このように、従来の方法に比べて、簡便にケイ酸処理シュベルトマナイトを得ることができ、湿熱環境下における安定性も同様に得られることが判った。また、実施例4以降は、ケイ酸ナトリウムを添加する前にpHを上げることで、ケイ酸がゲル化しにくくなったと考えられる。また、図2からも判るように、ケイ酸塩を加える前のpHが高いほど、ケイ酸添加量に対し硫酸脱着量が増加することが判った。
一方、図1からわかるように、ケイ酸添加量に対するケイ酸総収着量はpHの影響がなく、ケイ酸添加前のpHが高いほど、収着されるケイ酸の内、シュベルトマナイトの硫酸イオンとイオン交換される割合が高くなると言える。すなわち、pHが高いほど安定化に寄与する構造内部のケイ酸が効率良く収着されると言える。加えて、ケイ酸のゲル化が原因と考えられるろ過性の低下も抑制できることから、本発明の方法ではケイ酸塩を加える前にpHを高める方法が極めて有効であると言え、特にpHを4以上にすると顕著な効果が得られることが判った。
合成に用いた硝酸鉄のモル数の1/8、すなわちシュベルトマナイトの理論上の生成モル数に対するケイ酸ナトリウム添加量を1倍〜5倍、ケイ酸ナトリウム添加前のpH調整を4〜8とし、これらの組み合わせを表1にまとめた。これ以外は実施例1と同様にして、ケイ酸処理シュベルトマナイトを得た。これらの全てにおいて、実施例1〜4に比べてろ過性が改善され、参考例と同程度であった。また、蛍光X線測定から換算した、鉄を8とした時のケイ素、硫黄のモル比を実施例1と同様に計算し、表2にまとめた。亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行い、得られた結果を表3にまとめた。
このように、従来の方法に比べて、簡便にケイ酸処理シュベルトマナイトを得ることができ、湿熱環境下における安定性も同様に得られることが判った。また、ケイ酸ナトリウムを添加する前にpHを上げることで、ケイ酸がゲル化しにくくなったと考えられる。
なお、ケイ酸添加前のpHを8に調整した、実施例15、16の粉末X線回折パターンは典型的なシュベルトマナイトのものであったが、粉末の色は他の実施例、比較例と比べて赤色がかっていた。3価の鉄イオンが存在する水溶液ではpHを12程度にするとゲータイトが生成することが知られており、本発明の方法においてもケイ酸により安定化させる前にpHを高くし過ぎると別の鉄化合物が生成する可能性がある。
実施例1と同じケイ酸ナトリウム水溶液20.7gを水に溶解し全体を1Lとしたケイ酸ナトリウム濃度0.1mol/Lの水溶液を作成した。この水溶液165mlを採取し、支持電解質として、硝酸ナトリウム0.016gを加えて、水を加えて全体を1.1Lとし、撹拌溶解してSiO2換算で15mmol/Lのケイ酸処理用水溶液とした。この水溶液1Lと参考例のシュベルトマナイト5gを2Lの4つ口フラスコに量りとり、攪拌機、温度計、および冷却水を通したジムロートを取りつけ、室温で20時間撹拌した。次に内容物をろ過して固液分離した。このろ液はケイ酸収着量と硫酸脱着量を求めるために用いた。次いで、ろ紙上に捕集した固体を500mlの水に入れて撹拌後、ろ過するという洗浄工程を3回繰り返した。得られた固体を50℃で真空乾燥し、ケイ酸を収着させたシュベルトマナイトを得た。残った未使用の処理用水溶液と前記処理後のろ液をそれぞれ孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して、液中のケイ素濃度ICP発光分析で分析し、その差からケイ酸の収着量を計算したところ、用いた未処理シュベルトマナイト1gあたりのケイ酸収着量は、ケイ素として1.01mmol/gであった。また、処理後のろ液中の硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラムで分析し、シュベルトマナイトからの硫酸イオン脱着量を計算したところ0.86mmol/gであった。これとは別に、得られたケイ酸処理シュベルトマナイトを蛍光X線で分析し、ケイ素および硫黄の分析値からケイ酸収着量と硫酸脱着量を計算したところ、ケイ酸収着量が1.01mmol/g、硫酸脱着量が0.81mmol/gとなり、処理液の分析値とほぼ一致した。得られたケイ酸処理シュベルトマナイトの亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行い、得られた結果を表3にまとめた。これらの結果より、ケイ酸処理をしていない参考例に比べて、湿熱環境下における構造の安定性と高い亜ヒ酸イオン収着性を示すことが判った。
したがって、比較例1で得られたケイ酸処理シュベルトマナイトは、亜ヒ酸イオンに対して高い吸着性能を有し、かつ湿熱環境下でもその性能を安定して維持できると言えるが、実施例に比べて合成が複雑で廃水の発生量が多いという欠点を有している。
実施例ではケイ酸ナトリウム添加前のpH調整値に関係なく、ケイ酸の添加倍数とケイ酸収着量が一つの直線上にプロットされることが判った。このことは、ケイ酸の収着量はpHに無関係にケイ酸の添加倍数によってコントロールできることをしめしている。実施例では、硫酸がほぼ全量脱着しても、ケイ酸収着量が増加していることや、前記粉末X線分析やろ過性から推察したように、実施例の方法では硫酸が全量脱着してもシリカゲルが生成したり、シュベルトマナイト外部にケイ酸が収着したりするなどして、ケイ酸収着量が増加するようである。
図1の場合とは異なり、ケイ酸添加前のスラリーのpHによって挙動が異なる。シュベルトマナイトを析出させた後、ケイ酸塩を添加する前にpHを調整せず、すなわちpH約2.7のスラリーでは、pHを上げた他の実施例に比べて硫酸イオンの脱着が起きにくく、調整したpHが高いほど少ないケイ酸添加量でより多くの硫酸イオンが脱着されることが判る。図2で、スラリーのpHを調整せずpH約2.7の場合より、従来法である比較例1の方が硫酸イオンが脱着されやすい。これは、従来法ではシュベルトマナイトを一旦洗浄、乾燥操作を経ているために、硝酸イオンなどの酸性成分が除去されて、反応溶液のpHが実施例1〜4に比べて上がったためと思われる。また、デカンテーションにより酸性成分をある程度除去した実施例5が、従来法とpH未調整の実施例の間に入ることもそれを支持している。さらに、ケイ酸添加前のpHが4の場合は、従来法と同等よりやや硫酸イオンが脱着されやすく、pH5、6、8では明らかに従来法より脱着されやすい。pH8ではシュベルトマナイトと近いモル量のケイ酸ナトリウムの添加で、硫酸イオンのほぼ全量が脱着されることから、ケイ酸イオンがシュベルトマナイトの内部にイオン交換によって取り込まれることが優先されると考えられる。pHが低くになるにつれて硫酸イオンの脱着が起きにくくなるが、先に述べたようにケイ酸の収着はpHに依存しないことから、pHが低くなるにしたがって、硫酸イオンとのイオン交換によらず、シュベルトマナイトの外側に収着されるケイ酸イオンが増加すると考えられる。このため余分なケイ酸を減らして従来法と同様のケイ酸処理シュベルトマナイトを得るという意味では、スラリーのpHを高めに設定することが有効と思われる。
比較例1について、未使用のケイ酸処理溶液、およびケイ酸収着操作後のろ液を超純水で希釈し、ICP発光分析装置(Spectro社製、ARCOS SOP)を用いて測定し、ケイ素標準液で作製した検量線を基に、ケイ素の定量を行った。また、この溶液を別途サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製カラムDionex IonPac AS19を取りつけたイオンクロマトグラフ(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、Dionex ICS3000)により測定して、硫酸イオンを定量した。この定量結果と、以下に説明する蛍光X線分析による元素含有比率から、ケイ素の全量をケイ酸イオン、硫黄の全量を硫酸イオンと仮定して求めた結果は、前記の通り近い値を示した。
実施例、参考例および比較例で得られたシュベルトマナイトについて、株式会社リガク製走査型蛍光X線分析装置ZSX Primus IIを用いて分析し、FP法で構成元素の定量を行った。定量値は質量比であるので、原子量で割ってモル比を求めた。この内、ケイ素はケイ酸、硫黄は硫酸として存在しているとした。またシュベルトマナイトの化学式において、シュベルトマナイト1モル中に鉄が8モル存在することから、鉄原子を8モルとした場合、これに対するケイ素と硫黄のモル比を求めることで、ケイ酸処理したシュベルトマナイト1モルあたりの硫酸とケイ酸の存在比を求めた。硫酸の脱着量については、ケイ酸処理をしていないシュベルトマナイトに含まれる硫酸イオンの量を基準とし、ケイ酸処理品中の硫酸イオン量を差し引いて脱着量とした。
実施例、参考例および比較例で得られたシュベルトマナイト1gを容量50mlの広口ポリ瓶に量り採り、蓋をせずに、50℃、相対湿度98%に設定した恒温恒湿器内に所定時間放置した。恒温恒湿器から取り出したサンプルを50℃で一晩真空乾燥し、粉末X線回折パターンの測定、およびヒ酸イオン、亜ヒ酸イオン収着性能の評価を行った。また、一部のサンプルはセレン酸イオン、亜セレン酸イオン、フッ化物イオン、二クロム酸イオンの収着特性についても評価を行った。
粉末X線回折パターンの測定はブルカー・エイエックスエス株式会社製X線回折装置D8 ADVANCEを用い、X線源としてCuKα線を使って、2θが10〜80°の範囲を測定した。
表5に示すA〜Eの有害物質をそれぞれ含む試験液を作成した。100mlのポリプロピレン製瓶に各収着剤サンプル0.1gを量りとり、前記試験液50mlを入れた。この内、試験液Bを使用した収着試験のみ試験液50mlに対し、各収着剤サンプルを0.05gとした。水浴を備えた振とう機にこれらのポリ瓶をセットし、40℃で24時間振とうした。振とう終了後、収着剤と試験液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾別し、ろ液中の有害物質濃度をICP−AES(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 iCAP7600)で測定した。フッ素については、イオンクロマトグラフィー(カラム;IonPacTM AS12A(DIONEX社製、φ4mm×200mm)で測定した。各サンプルの有害物質除去率(%)として計算し、その結果を表3、表6に記載した。
ろ過性は、参考例と同等以上であれば◎、ろ過性が明らかに劣るものは△とした。△の場合と比べて改善されているが参考例より劣る場合は○と評価した。
また、製品を取得するまでに要する各工程数は、比較例1で示した従来法では、シュベルトマナイト合成後に一旦水洗と乾燥工程を実施するが、実施例はこの工程を入れないため、工程数が半分になると共に、廃水の量も減少し、反応容器の洗浄などの工程も不要となるため、製造コストの大幅な低減が可能である。
Claims (7)
- 鉄イオンと硫酸イオンが共存する水溶液からシュベルトマナイトが析出した分散液に、ケイ酸イオンを添加することにより、シュベルトマナイトにケイ酸イオンを収着させることを特徴とする安定化されたシュベルトマナイトの製造方法。
- シュベルトマナイトが析出した分散液のpHを4〜10に調整した後にケイ酸イオンを添加する請求項1に記載の安定化されたシュベルトマナイトの製造方法。
- シュベルトマナイトが析出した分散液のpHを6〜8に調整した後にケイ酸イオンを添加する請求項1または請求項2に記載の安定化されたシュベルトマナイトの製造方法。
- ケイ酸を収着させたシュベルトマナイト中の鉄原子とケイ素原子のモル比が8.0:0.4〜3.0である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の安定化されたシュベルトマナイトの製造方法。
- ケイ酸を収着させたシュベルトマナイト中の鉄原子と硫黄原子のモル比が8.0:0〜1.3である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の安定化されたシュベルトマナイトの製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の安定化されたシュベルトマナイトを、陰イオン性有害物質を含む液体または固体に接触させることを特徴とする、陰イオン性有害物質を収着除去または不溶化する方法。
- 陰イオン性有害物質がヒ素、セレン、フッ素、クロム、ヨウ素のいずれかの元素を含む陰イオン性有害物質である、請求項6に記載の陰イオン性有害物質を収着除去または不溶化する方法。
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