JP2017087895A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】n+1構造のスチールコードをベルトプライに用いた空気入りタイヤにおいて、ベルトエッジセパレーションの進行を抑制する。【解決手段】主フィラメント(12)を3本以上撚り合わせることなく一列に引き揃えてなる主フィラメント束(13)と、該主フィラメント束の周囲に巻き付けられた1本のラッピングフィラメント(14)と、を備えてなる扁平なスチールコード(10)を用いたベルトプライを備えた空気入りタイヤにおいて、前記スチールコードは、主フィラメント束を構成する複数の主フィラメントのうちの内側の1本の主フィラメント(12a)をスチールコードから引き抜くときの引抜力最小値が3.00〜6.50Nであり、該1本の主フィラメント(12a)をスチールコードから引き抜くときの引抜力最大値(Fmax)に対する引抜力最小値(Fmin)の比(Fmin/Fmax)が0.40以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、スチールコードをベルトの補強材として用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、一般に、カーカスプライの外面とトレッドゴムとの間に、複数のベルトプライを交差させ積層したベルトを備えており、ベルトプライには、優れた引張り強度や引張り弾性を有するスチールコードが使用されている。
ベルトプライのスチールコードとして、複数本のフィラメントを撚り合わせることなく一列に引き揃えて配置し、その周囲に1本のラッピングフィラメントを巻き付けてなるn+1構造の扁平なスチールコードが知られている(特許文献1〜4参照)。n+1構造とすることで、コード断面形状が扁平となるため、ベルト厚みを低減して、タイヤの軽量化につながる。しかしながら、n+1構造のスチールコードを用いたベルトでは、タイヤ走行時に比較的動きが大きいベルト端部において、ベルトエッジセパレーションと称される、コードとゴムとの分離が進行しやすい傾向にある。
特開2014−118124号公報 特開2004−161199号公報 特開2002−069873号公報 特開2013−216992号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、n+1構造のスチールコードをベルトプライに用いた空気入りタイヤにおいて、ベルトエッジセパレーションの進行を抑制することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、スチール製の主フィラメントを3本以上撚り合わせることなく一列に引き揃えてなる主フィラメント束と、前記主フィラメント束の周囲に巻き付けられた1本のスチール製のラッピングフィラメントと、を備えてなる扁平なスチールコードを用いたベルトプライを備え、前記スチールコードは、前記主フィラメント束を構成する複数の主フィラメントのうちの内側の1本の主フィラメントを前記スチールコードから引き抜くときの引抜力最小値が3.00〜6.50Nであり、前記内側の1本の主フィラメントを前記スチールコードから引き抜くときの引抜力最大値(Fmax)に対する引抜力最小値(Fmin)の比(Fmin/Fmax)が0.40以上であるものである。
本発明によれば、スチールコードから1本の主フィラメントを引き抜くときの引抜力最小値が3.00〜6.50Nであり、かつ、該引抜力最小値と引抜力最大値の比(Fmin/Fmax)が0.40以上であることにより、コード形状保持性能に優れ、また、コード耐久性を維持しつつ、ベルトエッジセパレーションの進行を抑制することができる。
一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。 一実施形態に係るベルトプライの一部断面図である。 一実施形態に係るスチールコードの構成を示す図である。 主フィラメントの引抜力の測定方法を説明するための図である。 主フィラメントの引抜力のS−Sカーブを示す図である。 スチールコードの変更例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、実施形態の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、左右一対のビード部(1)と、接地面を構成するトレッド部(3)と、トレッド部(3)とビード部(1)との間に介在する左右一対のサイドウォール部(2)とを備えてなる。なお、この例では、タイヤは、タイヤ赤道(CL)に対して左右対称構造をなす。
トレッド部(3)における径方向内側部分にはカーカス(4)が埋設されている。カーカス(4)は、左右のビード部(1)間にトロイダル状に延在している。カーカス(4)は、トレッド部(3)からサイドウォール部(2)を通り、ビード部(1)において、ビードコア(5)の周りを内側から外側に折り返すことにより係止されている。カーカス(4)は、有機繊維コード等からなるカーカスコードをタイヤ周方向に対し実質上直角に配列してなる少なくとも1枚のカーカスプライからなる。
トレッド部(3)におけるカーカス(4)の外周側(即ち、タイヤ径方向外側)には、カーカス(4)とトレッドゴム部(8)との間に、ベルト(7)が配されている。ベルト(7)は、カーカス(4)のクラウン部の外周に重ねて設けられており、1枚又は複数枚のベルトプライ、通常は少なくとも2枚のベルトプライで構成することができ、本実施形態では、カーカス(4)側の第1ベルトプライ(7A)と、トレッドゴム部(8)側の第2ベルトプライ(7B)との2枚のベルトプライで構成されている。ベルト(7)の外周側には、タイヤ周方向に対して0〜5度の角度で螺旋状に巻回する有機繊維コードからなるベルト補強層(9)が、ベルト(7)の幅方向全体を覆うように設けられている。
ベルトプライ(7A)(7B)は、スチールコード(10)をタイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、15〜35度)で傾斜させかつタイヤ幅方向に所定の間隔にて配列させてなるものであり、図2に示すようにコーティングゴム(11)で被覆されている。スチールコード(10)は、上記2枚のベルトプライ(7A)(7B)間で互いに交差するように配設されている。
本実施形態では、スチールコード(10)として、図3に示すように、スチール製の主フィラメント(12)を3本以上撚り合わせることなく一列に引き揃えてなる主フィラメント束(13)と、該主フィラメント束(13)の周囲に巻き付けられた1本のスチール製のラッピングフィラメント(14)と、を備えてなる扁平なコードを用いる。すなわち、スチールコード(10)は、金属フィラメントからなる主フィラメント(12)を、3本以上撚り合わせることなく一列に引き揃えて配置した主フィラメント束(13)を、1本の金属フィラメントからなるラッピングフィラメント(14)でラッピングしてなる、n+1構造(但し、nは3以上)の扁平なコードである。扁平であるが故に、長径方向の曲げ剛性が高く、短径方向の曲げ剛性が低い。また、ラッピングフィラメント(14)で主フィラメント(12)を拘束することにより、主フィラメント束(13)の形状を保持することができる。
主フィラメント(12)としては、各種炭素鋼からなるスチールフィラメントを用いることができ、その直径(フィラメント径)dは、特に限定されず、例えば、0.10〜0.30mmものを用いてもよく、0.15〜0.25mmのものを用いてもよい。
主フィラメント束(13)は、一実施形態として、断面円形かつ同一径の複数本の主フィラメント(12)を、撚り合わせることなく横一列に引き揃えて配置することにより形成することができる。すなわち、主フィラメント(12)は、一つの平面に沿って1層をなすように並列される。そのため、得られるスチールコード(10)は扁平であり、図2に示すように長径D1と短径D2を持つ。長径D1と短径D2の値は特に限定されないが、長径D1が0.60〜1.50mm、短径D2が0.30〜0.60mmでもよい。
主フィラメント束(13)を構成する主フィラメント(12)の本数は3本以上(即ち、n≧3)であり、より好ましくは3〜6本(即ち、n=3〜6)であり、更に好ましくは4本又は5本(即ち、n=4,5)である。
なお、主フィラメント(12)としては、波付け加工された金属フィラメントを用いてもよいが、図3に示すように、波付けされていない真直な金属フィラメントを用いることが好ましい。
主フィラメント束(13)の周囲に巻き付けるラッピングフィラメント(14)としては、各種炭素鋼からなるスチールフィラメントを用いることができる。ラッピングフィラメント(14)としては、断面円形でありかつ波付け等していない真直なフィラメントを用いることが好ましく、これを図3に示すように主フィラメント束(13)の周りに螺旋状に巻き付ける。
ラッピングフィラメント(14)の直径(フィラメント径)d0は、主フィラメント(12)の直径dに対して同等以下のものが用いられる。より好ましくは、ラッピングフィラメント(14)の直径d0は、0.10mm以上であり、かつ主フィラメント(12)の直径dよりも小さいことである。直径d0が0.10mm以上であることにより、スチールコード作製時にラッピングフィラメントが断線することを防ぐことができる。
スチールコード(10)は、上記主フィラメント束(13)に対し、ラッピングフィラメント(14)を巻き付けることでラッピングしてなるものである。ラッピングフィラメント(14)の巻きピッチpは、特に限定されないが、2.0〜30.0mmであることが好ましく、より好ましくは2.0〜10.0mmであり、3.0〜5.0mmでもよい。
本実施形態において、スチールコード(10)としては、主フィラメント束(13)を構成する複数の主フィラメント(12)のうちの内側の1本の主フィラメント(12a)を当該スチールコード(10)から引き抜くときの引抜力最小値(Fmin)が3.00〜6.50Nであるものを用いる。引抜力最小値が3.00N以上であると、ラッピングフィラメント(14)による拘束力が大きくなるので、コード形状の悪化を抑えることができ、ベルトセパレーションの進行を抑えることができる。また、引抜力最小値が6.50N以下であると、ラッピングフィラメント(14)による拘束力が大きくなり過ぎることによるコード形状の悪化を抑えることができ、ベルトセパレーションの進行を抑えることができる。引抜力最小値は3.20〜6.40Nであることがより好ましい。
本実施形態において、スチールコード(10)としては、また、上記内側の1本の主フィラメント(12a)をスチールコード(10)から引き抜くときの引抜力最大値(Fmax)に対する引抜力最小値(Fmin)の比(Fmin/Fmax)が0.40以上であるものを用いる。この比が0.40以上であることにより、ラッピングフィラメント(14)による拘束(主フィラメント束(13)に対する拘束)のばらつきを抑えて、コード耐久性の低下を抑えることができる。上記の比(Fmin/Fmax)は0.50以上であることが好ましい。比(Fmin/Fmax)は、大きいほど拘束ばらつきがなく、好ましいので、上限は特に限定されず、例えば0.90以下でもよく、0.80以下でもよい。
ここで、引き抜きの対象となる内側の1本の主フィラメント(12a)とは、主フィラメント束(13)を構成する一列に引き揃えられた複数の主フィラメント(12)のうち、両端の主フィラメントを除いた主フィラメントのうちの1本である。例えば、主フィラメント束が3本の主フィラメントで構成される場合、真ん中の主フィラメントである。主フィラメント束が4本の主フィラメントで構成される場合、内側の2本の主フィラメントのうちの1本である。主フィラメント束が5本の主フィラメントで構成される場合、内側の3本の主フィラメントのうちの1本である(図3参照)。なお、内側の主フィラメントが複数ある場合、引抜力はどれでもほぼ同じであるため、いずれか1本について測定すればよく、いずれか1本の主フィラメントについての測定値が上記の規定範囲内にあればよい。好ましくは、内側の主フィラメントの全てについての測定値が上記の規定範囲内にあることである。
引抜力最小値(Fmin)及び引抜力最大値(Fmax)の測定方法は以下の通りである。
引張試験機を用い、室温にて、図4に示すように、スチールコード(10)のつかみ間隔を300mmとして、一方のつかみ具(20)に内側の1本の主フィラメント(12a)を固定し、他方のつかみ具(22)に残りの主フィラメント(12b)を全て固定する。そして、30mm/分の速度で、両つかみ具(20)(22)を引き離す方向に移動させて、1本の主フィラメント(12a)をスチールコード(10)から引き抜く。このときのつかみ具の変位と引抜力との関係(引抜力のS−Sカーブ)は、図5に示すように波形状となる。測定開始から数えて5番目から9番目までの山の値(極大値)の平均値を引抜力最大値(Fmax)とする。また、測定開始から数えて5番目から9番目までの谷の値(極小値)の平均値を引抜力最小値(Fmin)とする。ここで、5番目から9番目までの山及び谷の値に基づいて算出するのは、この範囲で引抜力の波形状が安定化するためである。
引抜力最小値(Fmin)と比(Fmin/Fmax)を上記の範囲内に設定する方法は特に限定されないが、ラッピングフィラメント(14)の巻き付け構成等により調整することができる。
例えば、ラッピングフィラメントの巻き付けピッチpを小さくすると、拘束力が高くなるので、引抜力最小値(Fmin)が大きくなる。また、ラッピングフィラメントの巻き付け張力(巻き付けテンション)を大きくすると、引抜力最小値(Fmin)が大きくなる。なお、巻き付け張力を大きくしすぎると、コードの長手方向においてラッピングフィラメントによる拘束ばらつきが大きくなり、比(Fmin/Fmax)が小さくなってしまう。
また複数本の主フィラメントをその平行配列を維持したまま束ね、平行配列された複数本の主フィラメントおよびこれに巻き付けられたラッピングフィラメントから構成されるストリップ状のスチールコードをその両面から押圧することでも引抜力を大きくすることができる。このようにスチールコードをその短径方向における両面から押圧すると、図6に示すように、主フィラメント(12)よりも硬度の低いラッピングフィラメント(14)が変形し、隣接する主フィラメント(12)の間に形成される空間の少なくとも一部が、当該空間の形状に沿って変形したラッピングフィラメント(14)の少なくとも一部によって埋められる。このようなスチールコードの押圧技術自体は上記特許文献4に記載されており、引抜力最小値(Fmin)と比(Fmin/Fmax)の調整に利用することができる。
本実施形態では、以上の手法を適宜組み合わせて、比(Fmin/Fmax)を0.40以上に維持しつつ、引抜力最小値(Fmin)を大きくすることが望ましい方策であるといえる。また、主フィラメントとして波付け加工された金属フィラメントを用いた場合、上記比(Fmin/Fmax)が小さくなる傾向があるので、主フィラメントとしては波付けされていない金属フィラメントを用いることが好ましく、上記比(Fmin/Fmax)を0.40以上に設定しやすい。
ここで、従来のn+1構造のスチールコードにおいて、ラッピングフィラメントは主フィラメントを束ねるための最低限の巻き付けがなされていたにすぎず、主フィラメント束に対する拘束力が小さく、引抜力最小値も小さいものであったため、コード形状保持性能が十分に高いものであるとはいえず、ベルトエッジセパレーションが進行しやすいものであった。本実施形態では、例えばラッピングフィラメントによる拘束力を高くして上記引抜力最小値(Fmin)を大きくしたことにより、コード形状保持性能を高めてベルトエッジセパレーションを生じにくくしている。
本実施形態において、ベルトプライは、図2に示すように、スチールコード(10)を、その長径方向(B)がベルト面(即ち、ベルト外周面)に平行になるように配置することで形成されている。すなわち、ベルトプライ内において、スチールコード(10)は、その短径方向(A)がベルトプライの厚み方向(K)と一致するようにして、所定間隔で被覆ゴム(11)内に埋設されている。そのため、スチールコード(10)は、その長径方向(B)がトレッド面に平行になるように配置される。このように構成することにより、ベルトプライの厚みを薄くしてタイヤ質量の増加を抑えることができる。また、得られたベルトプライでは、タイヤ幅方向における曲げ剛性が高くなるので、操縦安定性を向上することができる。
なお、スチールコード(10)の打ち込み本数としては、特に限定されず、例えば、10〜40本/25.4mmでもよく、13〜30本/25.4mmでもよく、15〜25本/25.4mmでもよい。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、上記スチールコード(10)を所定の打ち込み本数にて複数本平行に並べたコード配列体に、被覆ゴムとしてのゴム組成物を被覆し、これにより作製したトッピング反を、ベルトプライを構成する部材として用いて、未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製し、次いで、該未加硫タイヤを金型にセットして加硫することにより製造することができる。
以下、実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表1中の各物性、およびタイヤ性能についての測定・評価方法は以下の通りである。
・フィラメント径、コード径:JIS G3510に準拠し、所定の厚み計により金属フィラメント及びスチールコードの直径を計測した。コード径については、長径側の外径(長径D1)と短径側の外径(短径D2)を計測した。
・Fmin、Fmax、Fmin/Fmax:引張試験機として島津製作所(株)製オートグラフを用いて、上述した測定方法により、引抜力最小値(Fmin)と引抜力最大値(Fmax)を求め、両者の比Fmin/Fmaxを算出した。
・コード形状保持性能:タイヤをその周上における任意の2箇所(両者の位置は90°以上離れる)で切断し、その切断面でコードの並びを観察した。1断面あたり2枚のベルトプライのそれぞれの両端から15本、中央部で15本、計90本のコードを観察した。そして、0.90<(測定短径/測定長径)/{主フィラメント径/(主フィラメント径×主フィラメント本数)}<1.80となっているコード本数の割合(%)を算出し、コード形状保持性能とした。ここで、測定長径及び測定短径とは、切断面を観察したときの主フィラメント束の最大径及び最小径(即ち、ラッピングフィラメントを考慮に入れずに測定した主フィラメント束の最大径と最小径)のことを示す。この式の値が1に近いほど、コード形状は維持されており、良好である。コード形状保持性能が90%以上のとき、コード形状が維持されているとする。
・コード耐久性:タイヤを規定リムに装着し、FMVSS139に準拠した試験方法により、15000km走行させた。試験終了後にタイヤを解体し、スチールコードを取り出して、そのコード強力(破断荷重)を測定した。また、未走行のタイヤから取り出したスチールコードを用いて、同様にコード強力を測定し、それぞれ、未走行タイヤのコード強力に対する走行後のコード強力の保持率(%)を算出した。保持率が高いほど、耐久性に優れることを意味する。コード強力保持率が95%以上であれば、コード耐久性は維持されているとする。なお、コード強力(破断荷重)は、JIS G3510に準拠して、スチールコードの強伸度特性を引張試験機(島津製作所(株)製オートグラフ)を用いて測定することにより算出した。
・ベルトエッジセパレーション:タイヤを規定リムに装着し、FMVSS139に準拠した試験方法により、15000km走行させた。試験終了後にタイヤを解体し、ベルト端部におけるセパレーションの長さを計測した。ベルトエッジセパレーションの判定は、計測値(mm)を小数第1位で四捨五入した上で、無:0mm、微小:1〜2mm、小:3〜5mm、中:6〜9mm、大:10mm以上とした。
下記表1に示す構造を持つスチールコードを作製した。
実施例及び比較例のスチールコードは、複数本(4本又は5本)の主フィラメントを撚り合わせることなく1列に引き揃えて配置した主フィラメント束を、1本の真直のラッピングフィラメントでラッピングしてなるn+1構造のスチールコードであり、主フィラメント束にラッピングフィラメントを巻き付けた後、圧延ロールを用いてその両面から押圧してラッピングフィラメントを変形させたものである。これら引き揃えのn+1構造のスチールコードでは、主フィラメントに波付け加工を施していないものを用いた。ラッピングフィラメントの巻き付け張力や巻き付けピッチ等を調整することにより、表1に記載の引抜力最小値(Fmin)、引抜力最大値(Fmax)及び両者の比(Fmin/Fmax)を持つスチールコードを作製した。
得られたスチールコードをベルトコードとして用いて、タイヤサイズ:175/65R15 84Sのラジアルタイヤを、常法に従い加硫成形した。各タイヤについて、ベルト以外の構成は、全て共通の構成とした。ベルトプライ(7A)/(7B)におけるスチールコードの角度は、タイヤ周方向に対して+25°/−25°とした。各タイヤは、ベルト強力がほぼ同一となるように、スチールコードの打ち込み本数を設定した。ベルトプライは、スチールコードをその長径方向がベルト面に平行になるように、表1記載の打ち込み本数にて配置した上で、カレンダー装置を用いて、トッピング反とすることにより作製した。なお、カーカスプライは、ポリエチレンテレフタラート1100dtex/2を打ち込み数28本/25mmで1プライとした。
得られた各タイヤについて、コード形状保持性能、コード耐久性、及びベルトエッジセパレーションを評価した。結果を表1に示す。
結果は表1に示す通り、従来のn+1構造のスチールコードに相当する比較例1では、引抜力最小値(Fmin)が小さく、ラッピングフィラメントによる拘束力が小さいため、コード形状保持性能に劣り、ベルトセパレーションの抑制効果も不十分であった。一方、比較例2では、引抜力最小値(Fmin)が大きすぎ、ラッピングフィラメントによる拘束力が強すぎたため、コード形状保持性能に改善はみられず、ベルトエッジセパレーションの抑制効果も不十分であった。比較例3では、引抜力最小値(Fmin)は規定範囲内であったものの、Fmin/Fmaxが小さく、ラッピングフィラメントによる拘束のばらつきが大きいため、コード耐久性が悪化した。
これに対し、引抜力最小値(Fmin)とFmin/Fmaxがともに規定範囲内である実施例1〜4であると、比較例1に比べて、コード形状保持性能に優れ、また、コード耐久性を維持しつつ、ベルトエッジセパレーションを改善することができた。
本発明は、乗用車用タイヤを始めとする各種の空気入りタイヤに好適に用いることができる。
7…ベルト、7A,7B…ベルトプライ、10…スチールコード、12…主フィラメント、13…主フィラメント束、14…ラッピングフィラメント

Claims (2)

  1. スチール製の主フィラメントを3本以上撚り合わせることなく一列に引き揃えてなる主フィラメント束と、前記主フィラメント束の周囲に巻き付けられた1本のスチール製のラッピングフィラメントと、を備えてなる扁平なスチールコードを用いたベルトプライを備え、
    前記スチールコードは、前記主フィラメント束を構成する複数の主フィラメントのうちの内側の1本の主フィラメントを前記スチールコードから引き抜くときの引抜力最小値が3.00〜6.50Nであり、前記内側の1本の主フィラメントを前記スチールコードから引き抜くときの引抜力最大値(Fmax)に対する引抜力最小値(Fmin)の比(Fmin/Fmax)が0.40以上である、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記ラッピングフィラメントの直径が、0.10mm以上でありかつ前記主フィラメントの直径よりも小さい、請求項1記載の空気入りタイヤ。
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