JP2017087668A - バリアフィルム、バリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニット - Google Patents

バリアフィルム、バリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニット Download PDF

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Abstract

【課題】他部材とのブロッキングを抑制しつつ、巻き締りによるバリア層の損傷を抑制することが可能なバリアフィルム、並びに、これを用いて得られるバリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニットの提供。【解決手段】基材層3とバリア層6とを備えるバリアフィルム10であって、基材層3は一方の最表面に配置され、バリア層6は他方の最表面に配置され、基材層3は樹脂粒子Pを含有し、少なくとも一部の樹脂粒子Pが基材層3のバリア層6と反対側の表面に露出している、バリアフィルム10。樹脂粒子Pのビッカース硬度が1〜3であり平均粒径が0.5〜5.0μmであることが好ましいバリアフィルム10。【選択図】図1

Description

本発明は、バリアフィルム、バリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニットに関する。
最近、液晶ディスプレイのバックライトユニットとして、青色発光ダイオード(青色LED)と、青色光を緑又は赤色光に変換する量子ドット発光体を用いた波長変換部材とを備えるバックライトユニットが注目を集めている。このようなバックライトユニットからは、RGBのシャープな分光スペクトルが得られるため、色再現性の向上及び消費電力の低減が期待されている。
ところが、発光体は酸素又は水蒸気と接触して長時間が経過することにより、発光体としての性能が低下することがある。このため、バックライトユニットでは、発光体を含む発光体層の両面をガスバリア性を有する保護フィルムで挟むことにより、発光体を性能低下から保護することがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−57640号公報
上記保護フィルムは製造又は使用の際に他の部材と重ねられることも多い。このため、保護フィルムにはブロッキングの防止が求められる。保護フィルムは基材層と基材層上に配置されたバリア層とを備えていることが多く、ブロッキング防止のためには、例えば基材層の表面に凹凸を設けることが提案されている。
一方、保護フィルムは保存され、保存後の保護フィルムが加工されることがある。凹凸を有する保護フィルムを保護フィルム同士又は他部材と重ねて保存した場合、保護フィルムや他部材に荷重がかかった状態で長時間が経過するため、保護フィルムの凹凸が対向する部材を傷付けることがあった。特に、対向する部材が同じ保護フィルムであり最表面にバリア層を有していた場合、バリア層を傷付けることから、発光体の性能低下に大きな影響を与えることがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ブロッキングを抑制し、保存中のバリアフィルム同士又は他部材の損傷を抑制することが可能なバリアフィルム、並びに、これを用いて得られるバリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニットを提供することを目的とする。
本発明は、基材層とバリア層とを備えるバリアフィルムであって、上記基材層は一方の最表面に配置され、上記バリア層は他方の最表面に配置され、上記基材層は樹脂粒子を含有し、少なくとも一部の上記樹脂粒子が上記基材層の上記バリア層と反対側の表面に露出している、バリアフィルムを提供する。上記バリアフィルムによれば、ブロッキングを抑制しつつ、保存中のバリアフィルム同士又は他部材の損傷を抑制することができる。
上記バリアフィルムにおいて、上記樹脂粒子のビッカース硬さが1〜30であることが好ましい。樹脂粒子のビッカース硬さが上記範囲内にあることにより、保存中のバリアフィルム同士又は他部材の損傷を一層抑制することができる。
上記バリアフィルムにおいて、上記樹脂粒子の平均粒径が0.5〜5.0μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒径が上記範囲内にあることにより、ブロッキングを一層抑制することができる。
上記バリアフィルムはさらにアンカーコート層を備え、上記バリア層は上記アンカーコート層を介して上記基材層上に形成されていることが好ましい。バリア層がアンカーコート層を介して基材層上に形成されることにより、基材層とバリア層との密着性が向上する傾向がある。
本発明はまた、第一保護層と第二保護層との積層体であって、上記第一保護層は上記バリアフィルムであり、上記第一保護層は上記バリア層が上記第二保護層と対向するように積層されている、バリアフィルム積層体を提供する。
本発明はさらに、波長変換層と、上記波長変換層を挟むように配置された二つの保護フィルムと、を備え、上記二つの保護フィルムの少なくとも一方が、上記バリアフィルム積層体である、波長変換シートを提供する。上記波長変換シートによれば、保存中のバリアフィルム同士、特にバリア層の損傷が抑制されることから、発光体性能低下に伴う黒点(ダークスポット)の発生を抑制することができる。
本発明はさらに、光源と上記波長変換シートとを備える、バックライトユニットを提供する。
本発明によれば、他部材とのブロッキングを抑制し、保存中のバリアフィルム同士又は他部材の損傷を抑制することが可能なバリアフィルム、並びに、これを用いて得られるバリアフィルム積層体、波長変換シート及びバックライトユニットを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。 本発明の第二実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。 本発明の第一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。 本発明の第二実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[バリアフィルム]
図1は、本発明の第一実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。図1において、バリアフィルム10は基材層3とバリア層6とを備えており、基材層3の一方の面上にバリア層6が形成されている。図1では、さらに、バリア層6は無機薄膜層4とガスバリア性被覆層5とを備えており、無機薄膜層4が基材層3上に形成され、ガスバリア性被覆層5が無機薄膜層4上に形成されている。バリア層6は上記構成に限定されないが、上記構成を備えることにより一層優れたガスバリア性が得られる傾向がある。基材層3はバリアフィルム10の一方の最表面10aに配置され、バリア層6はバリアフィルム10の他方の最表面10bに配置されていればよく、バリアフィルム10は基材層3とバリア層6との間に別の層、例えばアンカーコート層を備えていてもよい。バリアフィルム10がアンカーコート層を備える場合、上記バリア層6は上記アンカーコート層を介して上記基材層3上に形成される。バリア層6がアンカーコート層を介して基材層3上に形成されると、基材層3とバリア層6との密着性が向上する傾向がある。
図1において、基材層3は樹脂粒子Pを含有し、複数の樹脂粒子Pのうち少なくとも1つの樹脂粒子P(少なくとも一部の樹脂粒子P)が基材層3のバリア層6と反対側の表面(言い換えると、バリアフィルム10の一方の最表面10a)に露出している。樹脂粒子Pがバリアフィルム10の最表面10aに露出していることにより、バリアフィルム10と他部材とのブロッキングを抑制することができる。
ここで、バリアフィルム10は製造後にロール状に巻き取られ、バリアフィルムロールとして、保存されることがある。バリアフィルムロールでは、バリアフィルム10と一周巻き回されたバリアフィルム10とが重なり、バリアフィルム10の最表面10aと巻き回されたバリアフィルム10の最表面10bとが接触する。バリアフィルム10の巻き取り時や巻き取り後に巻き締りが起こると、バリアフィルム10の最表面10aに露出した樹脂粒子Pが巻き回されたバリアフィルム10の最表面10b(言い換えると、バリア層6)に押し付けられる。しかし、樹脂粒子Pはシリカ粒子等の無機粒子と比べて軟らかいことから、バリア層6に押し付けられたとしてもバリア層6の損傷を抑制することができる。
樹脂粒子Pとしては、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、四フッ化エチレン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ポリエチレンワックス粒子、及びポリプロピレンワックス粒子等が挙げられる。樹脂粒子Pは、保存中のバリアフィルム10同士又は他部材の損傷を一層抑制できる観点から、ポリウレタン樹脂粒子又はポリエチレン樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子Pのビッカース硬さ(Hv)は1〜30であることが好ましく、3〜15であることがより好ましい。樹脂粒子Pのビッカース硬さが30以下であると、保存中のバリアフィルム10同士又は他部材の損傷を一層抑制できる傾向がある。樹脂粒子Pのビッカース硬さが1以上であると、ブロッキングの抑制が容易となる傾向がある。本明細書において、樹脂粒子Pのビッカース硬さは、例えば、ナノインデンテーション法により導かれる押込み硬さを換算することにより求めることができる。
樹脂粒子Pの平均粒径は0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。樹脂粒子Pの平均粒径が0.5μm以上であると、ブロッキングの抑制が容易となる傾向がある。樹脂粒子Pの平均粒径が5.0μm以下であると、バリアフィルム10の透明性を損なうことなくブロッキング抑制の効果が得られる傾向がある。
基材層3中の樹脂粒子Pの含有量は、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましい。樹脂粒子Pの含有量が0.01質量%以上であると、ブロッキングの抑制が容易となる傾向がある。樹脂粒子Pの含有量が5.0質量%以下であると、バリアフィルム10の透明性が良好となる傾向がある。
基材層3の厚さ(樹脂粒子Pが露出していない部分の厚さ)は樹脂粒子Pの平均粒径の2.0〜30.0倍であることができ、5.0〜20.0倍であることができる。基材層3の厚さが樹脂粒子Pの平均粒径の2.0倍以上であると、バリアフィルム10の透明性を損なうことなくブロッキング抑制の効果が得られる傾向がある。基材層3の厚さが樹脂粒子Pの平均粒径の30.0倍以下であると、他部材とのブロッキングを抑制しやすくなる傾向がある。基材層3の厚さ(樹脂粒子Pが露出していない部分の厚さ)は、具体的には、5.0〜100μmであることができ、10〜50μmであることができ、15〜30μmであることができる。
基材層3は樹脂粒子Pを含有する有機高分子化合物フィルムであることができる。有機高分子化合物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系;ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、及びエチレンビニルアルコールが挙げられる。基材層3はポリエステルフィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。
本実施形態のバリアフィルム10がアンカーコート層を備える場合、アンカーコート層はアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等であることができる。アンカーコート層の厚さは0.01〜1.20μmであることが好ましく、0.03〜1.10μmであることがより好ましい。アンカーコート層の厚さが0.01μm以上であることにより、基材層3とバリア層6とが良好に密着する傾向がある。アンカーコート層の厚さが1.20μm以下であることにより、バリアフィルム10の表面の平滑性を確保して透明性を損なわない傾向がある。
無機薄膜層4としては、特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化マグネシウム等の無機酸化物、並びにそれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、バリア性及び生産性の観点から、酸化アルミニウム又は酸化珪素を用いることが好ましい。さらに、水蒸気バリア性の観点から、酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機薄膜層4の厚さは、5〜500nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましい。無機薄膜層4の厚さが5nm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、無機薄膜層4の厚さが500nm以下であることにより、無機薄膜層4のフレキシビリティを保持することができ、成膜後に折り曲げ又は引っ張り等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
無機薄膜層4の形成方法は真空成膜であることが好ましい。真空成膜としては、物理気相成長法及び化学気相成長法が挙げられる。物理気相成長法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。また、化学気相成長法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等が挙げられる。製造コストの観点から、無機薄膜層4は蒸着法で形成された無機蒸着膜層であることが好ましい。
ガスバリア性被覆層5は、後工程での二次的な各種損傷を防止するとともに、より高いガスバリア性を付与するために設けられるものである。ガスバリア性被覆層5は、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物からなる群より選択される少なくとも1種類を成分として有する組成物を無機薄膜層4上に塗布し、乾燥することにより得られる。
水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられる。水酸基含有高分子化合物はガスバリア性の観点からポリビニルアルコールであることが好ましい。
金属アルコキシドは、一般式、M(OR)(MはSi、Ti、Al及びZr等の金属であり、RはCH及びC等のアルキル基であり、nは1〜4の整数である)で表される化合物である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシド加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))、及び、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。
ガスバリア性被覆層5の厚さは、0.05〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが好ましい。ガスバリア性被覆層5の厚さが0.05μm以上であることにより、均一なバリア性を発現することができ、2.0μm以下であることにより、ガスバリア性被覆層5のフレキシビリティを保持することができ、成膜後に折り曲げ又は引っ張り等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
図2は、本発明の第二実施形態に係るバリアフィルムの概略断面図である。本実施形態に係るバリアフィルム10は、基材層3上に2つのバリア層6A,6Bが設けられている点で第一実施形態に係るバリアフィルムと異なる。図2において、バリアフィルム10は、具体的には、基材層3の一方の面上に第一無機薄膜層4A、第一ガスバリア性被覆層5A、第二無機薄膜層4B及び第二ガスバリア性被覆層5Bがこの順に積層された構成を有する。本実施形態のバリアフィルム10によれば、より優れたバリア性能を発揮することができる。バリア層は3つ以上設けられていてもよい。
[バリアフィルム積層体]
図3は本発明の第一実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。図3において、バリアフィルム積層体20は、バリアフィルム10(第一保護層)と、バリアフィルム10のバリア層6側の面上に粘着層11を介して貼り合わされた第二基材層13(第二保護層)と、第二基材層13上に形成されたコーティング層16とを備える。なお、図3において、バリアフィルム10が備える基材層3を第一基材層とし、第二基材層13と区別する。バリアフィルム積層体20はコーティング層16を備えていなくてもよいが、コーティング層16を備えていることが好ましい。
本実施形態に係るバリアフィルム積層体20は、例えば、第二基材層13上にコーティング層16を形成したコーティング付き基材層を作製し、コーティング付き基材層とバリアフィルム10とを第二基材層13とバリア層6とが対向するように配置して、これらを粘着剤を介して貼り合わせることにより得られる。
第二基材層13は有機高分子化合物フィルムであることができる。有機高分子化合物としては、第一基材層3の有機高分子化合物と同様の化合物が挙げられる。第二基材層13はポリエステルフィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。第二基材層13は無機粒子又は有機粒子を含有していてもよく、第一基材層3のように、樹脂粒子を含有していてもよい。第二基材層13の厚さは、5.0〜100μmであることができ、10〜50μmであることができ、15〜30μmであることができる。
コーティング層16は、光散乱機能を発揮させるために、バリアフィルム積層体20の表面、すなわち、後述の波長変換シートの表面に設けられている。バリアフィルム積層体20がコーティング層16を備えることにより、光散乱機能以外にも、干渉縞(モアレ)防止機能及び反射防止機能等を得ることができる。
コーティング層16はバインダー樹脂と微粒子とを含む組成物を塗布し、必要に応じて塗膜を硬化することにより得られる。そして、微粒子の一部がコーティング層16の表面から露出するようにバインダー樹脂(又はその硬化物)中に埋め込まれている。コーティング層16が上記構成を備えることにより、コーティング層16の表面には露出した微粒子による微細な凹凸が生じることとなる。このようにコーティング層16をバリアフィルム積層体20の表面、すなわち、後述の波長変換シートの表面に設けることにより、光散乱機能を発現することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び紫外線硬化性樹脂等を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、アセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、フッ素樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。上記セルロース誘導体としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース及びメチルセルロース等が挙げられる。上記ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル重合体及び共重合体、塩化ビニル重合体及び共重合体、並びに、塩化ビニリデン重合体及び共重合体等が挙げられる。上記アセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。上記アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル系重合体及び共重合体、並びに、メタアクリル系重合体及び共重合体等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等の光重合性プレポリマーが挙げられる。また、上記光重合性プレポリマーを主成分とし、希釈剤として単官能又は多官能のモノマーを使用することもできる。
微粒子としては、有機粒子又は無機粒子を使用することができる。これらのうち、いずれか一種類のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
有機粒子としては、球状アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、四フッ化エチレン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ポリエチレンワックス粒子及びポリプロピレンワックス粒子等が挙げられる。無機粒子としては、シリカ粒子、ジルコニア粒子、硫酸バリウム粒子、酸化チタン粒子及び酸化バリウム粒子等が挙げられる。
また、微粒子の平均粒径は0.5〜20μmであることが好ましい。微粒子の平均粒径が0.5μm以上であることにより、コーティング層16の表面へ凹凸を効果的に付与することができる傾向がある。一方、微粒子の平均粒径が20μm以下であることにより、コーティング層16の厚さを大きく超える粒子を使用することなく、光線透過率を高く維持することができる傾向がある。また、微粒子の平均粒径が20μm以下であることにより、LEDバックライトユニットに使用される導光板を傷付けることを抑制できる傾向がある。コーティング層16は、バインダー樹脂(又はその硬化物)100質量部に対して、微粒子を0.1〜50質量部含むことが好ましく、2〜20質量部含むことがより好ましい。コーティング層16が微粒子を上記範囲で含むことにより、第二基材層13との密着性を維持することができる。
コーティング層16の厚さ(微粒子が露出していない部分の厚さ)は、0.1〜20μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。コーティング層16の厚さが0.1μm以上であると、均一な膜が得られやすく、光学的機能を十分に得られる傾向がある。一方、コーティング層16の厚さが20μm以下であると、コーティング層16の表面へ微粒子が露出して、凹凸付与効果が得られやすくなる傾向がある。
粘着層11に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。粘着層11の厚さは1〜20μmであることが好ましく、総厚を薄くするために10μm以下とすることがより好ましい。
図4は本発明の第二実施形態に係るバリアフィルム積層体の概略断面図である。図4において、バリアフィルム積層体20は第一バリアフィルム10A(第一保護層)と第二バリアフィルム10B(第二保護層)とコーティング層16とを備える。第二バリアフィルム10Bは第一バリア層6Aと第二バリア層6Bとが対向するように粘着層11を介して第一バリアフィルム10Aに貼り合わされており、コーティング層16は第二バリアフィルム10Bの第二基材層3B側の面上に形成されている。なお、図4において、第一バリア層6Aは第一無機薄膜層4Aと第一ガスバリア性被覆層5Aとを備えており、第一無機薄膜層4Aが第一基材層3A上に形成され、第一ガスバリア性被覆層5Aが第一無機薄膜層4A上に形成されている。また、第二バリア層6Bは第二無機薄膜層4Bと第二ガスバリア性被覆層5Bとを備えており、第二無機薄膜層4Bが第二基材層3B上に形成され、第二ガスバリア性被覆層5Bが第二無機薄膜層4B上に形成されている。第一バリアフィルム10A及び第二バリアフィルム10Bは上述のバリアフィルム10と同様の構成を備え、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。第一保護層が第一バリアフィルム10Aである場合、第二保護層は第二バリアフィルム10Bでないバリアフィルムであってもよい。第二保護層は第二バリアフィルム10Bである場合、第一保護層が第一バリアフィルム10Aでないバリアフィルムであってもよい。しかし、第一保護層は第一バリアフィルム10Aであり、且つ、第二保護層は第二バリアフィルム10Bであることが好ましい。
本実施形態に係るバリアフィルム積層体20は、例えば、第二バリアフィルム10B上にコーティング層16を形成したコーティング付きバリアフィルムを作製し、コーティング付きバリアフィルムと第一バリアフィルム10Aとを、第一バリア層6Aと第二バリア層6Bとが対向するように配置して、これらを粘着剤を介して貼り合わせることにより得られる。
[波長変換シート]
図5は本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。図5に示すように、本実施形態の波長変換シート30は波長変換層24と波長変換層24を挟むように配置された二つの保護フィルムとを備える。図5において、二つの保護フィルムのうちの一方(第一保護フィルム)には上述したバリアフィルム積層体20が用いられる。
波長変換シート30では、例えば、バリアフィルム積層体20は波長変換層24の一方の面上に第一保護層(バリアフィルム10)と波長変換層24とが対向するように(第二保護層又はコーティング層16が波長変換層24と反対側を向くように)設けられ、波長変換層24の他方の面上に第二保護フィルム22が設けられる。
図5では第一保護フィルムとしてバリアフィルム積層体20を用いているが、第一保護フィルムとして上述したバリアフィルム10を用いてもよい。第一保護フィルムとしてバリアフィルム10を用いる場合、第一保護フィルムはバリアフィルム10とコーティング層を備えることが好ましく、上記コーティング層はバリアフィルム10の基材層3側の面上に形成されていることがより好ましい。第一保護フィルムがコーティング層を備える場合、当該コーティング層はバリアフィルム積層体20の説明において上述したコーティング層16と同様の構成をとることができる。第一保護フィルムは波長変換層24の一方の面上にバリア層6と波長変換層24とが対向するように(基材層3又はコーティング層が波長変換層24と反対側を向くように)設けられ、波長変換層24の他方の面上に第二保護フィルム22が設けられる。
波長変換層24は樹脂硬化物及び蛍光体を含む。波長変換層24の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。波長変換層24は、量子ドットからなる2種類の蛍光体を含むことが好ましい。また、波長変換層24は、1種類の蛍光体を含む蛍光体層と別の種類の蛍光体を含む蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。各蛍光色は、赤色及び緑色である。各蛍光の波長、及び光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば、赤色で610nmであり、緑色で550nmである。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル型量子ドットが好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第1シェル及び第2シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第1シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第2シェルにはZnSが使用可能である。
波長変換層24は、光源からの光を赤色又は緑色等に変換する蛍光体をすべて単一の層に分散させた単層構成を有していてもよく、各蛍光体を複数の層に別々に分散させ、これらを積層する多層構成を有していてもよい。
第二保護フィルム22には例えば上記バリアフィルム10を用いてもよく、バリアフィルム積層体20を用いてもよい。また、第二保護フィルム22はコーティング層を備えていてもよく、備えていなくてもよい。第二保護フィルム22がバリアフィルム10とコーティング層とを備える場合、上記コーティング層はバリアフィルム10の基材層3側の面上に形成されていることが好ましい。第二保護フィルム22がバリアフィルム10とコーティング層とを備える場合、当該コーティング層はバリアフィルム積層体20の説明において上述したコーティング層16と同様の構成をとることができる。第二保護フィルム22が上記バリアフィルム10である場合、第二保護フィルム22は例えば波長変換層24の他方の面上にバリア層6と波長変換層24とが対向するように(基材層3又はコーティング層が波長変換層24と反対側を向くように)設けられる。第二保護フィルム22がバリアフィルム積層体20である場合、バリアフィルム積層体20は例えば波長変換層24の他方の面上に第一保護層(バリアフィルム10)と波長変換層24とが対向するように(第二保護層又はコーティング層16が波長変換層24と反対側を向くように)、設けられる。
次に、本実施形態の波長変換シート30の製造方法について図5を参照しながら説明する。波長変換層24の形成方法としては、特に限定されず、例えば、特表2013−544018号明細書に記載される方法が挙げられる。バインダー樹脂に蛍光体を分散させ、調製した蛍光体分散液を第一保護フィルム(バリアフィルム積層体20)のコーティング層16と反対側の面(バリアフィルム10側の面)上に塗布した後、塗布面に第二保護フィルム22を貼り合わせ、波長変換層24を硬化することにより、波長変換シート30を製造することができる。また反対に、第二保護フィルム22の一方の面上に上記蛍光体分散液を塗布し、塗布面に第一保護フィルム(バリアフィルム積層体20)を第一保護層(バリアフィルム10)と波長変換層24が対向するように(コーティング層16が波長変換層24と反対側を向くように)貼り合わせ、波長変換層24を硬化することにより、波長変換シート30を製造することもできる。
また、図5では、波長変換層24を第一及び第二保護フィルム20,22で直接封止する構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、波長変換層24とは別に、当該波長変換層24を覆い、封止する封止樹脂層を設ける構成としてもよい。第一及び第二保護フィルム20,22の間に封止樹脂層を設けて波長変換層24を封止する構成とすることにより、より高いバリア性を有する波長変換シートを提供することができる。
[バックライトユニット]
図6は本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。図6において、バックライトユニット40は光源32と上記波長変換シート30とを備え、バリアフィルム積層体20が上記波長変換層24を挟んで上記光源32と反対側に配置されている。詳細には、バックライトユニット40は、波長変換シート30の第二保護フィルム22側の表面上に導光板34及び反射板36がこの順で配置され、光源32は上記導光板34の側方(導光板34の面方向)に配置される。
導光板34及び反射板36は、光源32から照射された光を効率的に反射し、導くものであり、公知の材料が使用される。導光板34としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。
光源32には発光色が青色の発光ダイオード素子が複数個設けられている。光源32から照射された光は、導光板34(D1方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って波長変換層24(D2方向)に入射する。波長変換層24を通過した光は、波長変換層24を通過する前の青色光と、その一部により蛍光体が励起されて発生するより長波長の発色光(黄色光、赤色光及び緑色光等)とが混ざることで、白色光となる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[バリアフィルムの作製]
(実施例1)
樹脂粒子としてポリウレタン樹脂粒子(ビッカース硬さ:5、平均粒径:2μm)を2質量%含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第一基材層3、厚さ:20μm)の片面上に、酸化珪素層(無機薄膜層4、厚さ:250Å)を真空蒸着法により形成した。さらに、酸化珪素層上にアルコキシシランとポリビニルアルコールからなる組成物を塗布、乾燥することにより、0.3μmの厚さを有するガスバリア性被覆層5を形成し、第一基材層3、無機薄膜層4、及びガスバリア性被覆層5からなる実施例1のバリアフィルム10を作製した。作製した長さ5000mのバリアフィルム10をロール状に巻き取り、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、120時間保存した。保存後のバリアフィルム10を切り取り、実施例1のバリアフィルム10を得た。
次に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(第二基材層13、商品名:T60、厚さ:25μm、東レ社製)の片面上に、アクリル樹脂(商品名:アカリディック、DIC社製)100質量部とシリカ粒子(商品名:トスパール120、平均粒子径:2.0μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)20質量部からなる組成物を塗布した。塗膜を加熱してアクリル樹脂を硬化することにより、第二基材層13上に厚さ5μmのコーティング層16を形成し、コーティング付き基材層を得た。コーティング付き基材層の第二基材層13と、バリアフィルム10のガスバリア性被覆層5とが対向するように、コーティング付き基材層とバリアフィルム10とを重ねて配置し、これらをアクリル系粘着剤で貼り合わせることにより、実施例1のバリアフィルム積層体20を得た。
(実施例2)
ポリウレタン樹脂粒子(ビッカース硬さ:5、平均粒径:2μm)を2質量%含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(基材層3、厚さ:20μm)の片面上に、酸化珪素層(第一無機薄膜層4A、厚さ:250Å)を真空蒸着法により形成した。第一酸化珪素層上にアルコキシシランとポリビニルアルコールからなる組成物を塗布、乾燥することにより、0.3μmの厚さを有する第一ガスバリア性被覆層5Aを形成した。第一ガスバリア性被覆層5A上に、酸化珪素層(第二無機薄膜層4B、厚さ:250Å)を真空蒸着法により形成した。さらに、第二無機薄膜層4B上にアルコキシシランとポリビニルアルコールからなる組成物を塗布、乾燥することにより、0.3μmの厚さを有する第二ガスバリア性被覆層5Bを形成した。このようにして、基材層3、第一無機薄膜層4A、第一ガスバリア性被覆層5A、第二無機薄膜層4B及び第二ガスバリア性被覆層5Bからなるバリアフィルム10を作製した。作製した長さ5000mのバリアフィルム10をロール状に巻き取り、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、120時間保存した。保存後のバリアフィルム10を切り取り、実施例2のバリアフィルム10を得た。
次に、保存後のバリアフィルム10の基材層3側の面上に、アクリル樹脂(商品名:アカリディック、DIC社製)100質量部とシリカ粒子(商品名:トスパール120、平均粒子径:2.0μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)20質量部からなる組成物を塗布した。塗膜を加熱してアクリル樹脂を硬化することにより、基材層3上に厚さ5μmのコーティング層16を形成し、実施例2のバリアフィルム積層体20を得た。
(比較例1)
基材層として、シリカ粒子(ビッカース硬さ:>100、平均粒径:2μm)を2質量%含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作にて、比較例1のバリアフィルム及びバリアフィルム積層体を得た。
(比較例2)
基材層として、シリカ粒子(ビッカース硬さ:>100、平均粒径:2μm)を2質量%含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作にて、比較例2のバリアフィルム及びバリアフィルム積層体を得た。
[評価方法]
(ビッカース硬さ)
本明細書において、ビッカース硬さHVは、以下で説明するナノインデンテーション法により導かれるバーコビッチ圧子を用いたナノインデンテーション押込み硬さHITを下記式(1)に基づいて変換することにより求められる。
HV=HIT×0.0945 (1)
さらに、ナノインデンテーション押込み硬さHITは下記式(2)及び(3)に基づいて算出される。
IT=Fmax/A (2)
=23.96×[hmax−ε(hmax−h)] (3)
式(2)中、Fmaxはナノインデンテーション法による押込み試験における最大試験荷重、Aは圧子と試験片との接触投影面積を示す。また、式(3)中、hmaxは最大押込み深さ、hは弾性回復初期の曲線の傾き(接線)より得られる深さ、εは圧子の幾何学形状による補正係数を示す。バーコビッチ圧子を用いた場合、εは0.75である。
次にナノインデンテーション法による押込み試験について説明する。実施例及び比較例に用いた基材層の表面を表面粗さRaが100nm以下となるように研磨した。研磨後の基材層を薄膜硬度計(商品名:PICODENTOR HM500、ヘルムートフィッシャー社製)の試料台に置き、研磨により一部が削られて断面が露出した粒子の中から断面積が1μm以上の粒子を選択し、粒子の断面中央に対してバーコビッチ圧子を負荷速度50mg/秒で押し込んだ。30秒経過後、圧子を10秒間停止させ、その後除荷速度50mg/秒で圧子を基材層から離した。上記工程における押込み負荷(試験荷重)と押込み深さとを連続的に測定し、押込み負荷を縦軸とし押込み深さを横軸としたグラフを作成した。グラフ中の圧子停止後、除荷直前の押込み負荷及び押込み深さをそれぞれFmax及びhmaxとして読み取り、除荷開始直後の曲線の接線と押込み負荷ゼロの直線との交点における押込み深さをhとして読み取った。得られた値と式(1)〜(3)とから、実施例及び比較例に用いた基材層が有する粒子のビッカース硬さHVを求めた。実施例及び比較例に用いた基材層が有する粒子のビッカース硬さHVの値を表1に示す。
(アンチブロッキング性)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルム各々を、基材層側の面とバリア層側の面とが対向するように積層させ、50kgf/cmの荷重下で、2時間放置した。その後、バリアフィルムを目視によって観察して、下記基準に従ってアンチブロッキング性を評価した。評価結果を表1に示す。アンチブロッキング性は、重ねられたフィルム同士の貼り付き難さを示す。実施例、比較例のいずれも、ブロッキングは認められなかった。
A:ブロッキングが認められない。
B:ブロッキングが認められる。
(水蒸気透過度)
実施例及び比較例で得られたバリアフィルム積層体の水蒸気透過度を、等圧式水蒸気透過率測定装置(モコン社製、アクアトラン)を用いて、JIS K7129(附属書B)に記載の方法に従って、透過セルの温度を40℃、高湿度チャンバの相対湿度を90%、低湿度チャンバの相対湿度を0%に設定して、測定した。測定結果を表1に示す。
[波長変換シートの作製]
実施例1で得られたバリアフィルム10とバリアフィルム積層体20とを準備した。次に、セレン化カドミウム(CdSe)の粒子に硫化亜鉛(ZnS)を被覆したコア・シェル構造を有する蛍光体(商品名:CdSe/ZnS 530、SIGMA−ALDRICH社製)を溶媒に分散して濃度調整することで蛍光体分散液を調製した。上記蛍光体分散液をエポキシ系感光性樹脂と混合して、蛍光体組成物を得た。蛍光体組成物をバリアフィルム10のガスバリア性被覆層5上に塗布、乾燥し、100μmの厚さを有する波長変換層を形成した。
波長変換層上に、バリアフィルム積層体20を、コーティング層16と反対側の面が波長変換層に対向するように配置して積層した後、UV照射により波長変換層(感光性樹脂)を硬化することで実施例1のバリアフィルム10及びバリアフィルム積層体20を用いた波長変換シートを得た。
また、バリアフィルム及びバリアフィルム積層体として、それぞれ、実施例2及び比較例1〜2で得られたバリアフィルム及びバリアフィルム積層体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜2のバリアフィルム及びバリアフィルム積層体を用いた波長変換シートを得た。
[波長変換シートの評価]
(ダークスポット数)
得られた波長変換シートを、温度85℃相対湿度0%の環境下に、1000時間曝露した。曝露後の波長変換シートにUVランプ光(波長365nm)を照射し、コーティング層側から透過光を目視にて観察し、波長変換シート中央の5cm×5cmの範囲内にあるダークスポットの個数を数えた。評価結果を表1に示す。
Figure 2017087668
実施例及び比較例で得られたバリアフィルムでは、良好なアンチブロッキング性が得られた。一方、実施例と比べて比較例で得られたバリアフィルム及びバリアフィルム積層体を波長変換シートにおいて、高温環境下曝露後のダークスポットの発生数が多かった。これは比較例で得られたバリアフィルムをロールの状態で保存した際に、巻き締りにより、基材層の表面に露出したシリカ粒子が対向するバリア層を傷付けたことが原因であると考えられる。上記結果から、実施例で得られたバリアフィルムはロールの状態で保存した際の巻き締りによるバリア層の損傷が抑制されていることが確認された。
3,3A,3B,13…基材層、4,4A,4B…無機薄膜層、5,5A,5B…ガスバリア性被覆層、6,6A,6B…バリア層、10,10A,10B…バリアフィルム、16…コーティング層、20…バリアフィルム積層体、24…波長変換層、30…波長変換シート、40…バックライトユニット、P…樹脂粒子。

Claims (7)

  1. 基材層とバリア層とを備えるバリアフィルムであって、
    前記基材層は一方の最表面に配置され、前記バリア層は他方の最表面に配置され、
    前記基材層は樹脂粒子を含有し、
    少なくとも一部の前記樹脂粒子が前記基材層の前記バリア層と反対側の表面に露出している、バリアフィルム。
  2. 前記樹脂粒子のビッカース硬さが1〜30である、請求項1に記載のバリアフィルム。
  3. 前記樹脂粒子の平均粒径が0.5〜5.0μmである、請求項1又は2に記載のバリアフィルム。
  4. さらにアンカーコート層を備え、
    前記バリア層は前記アンカーコート層を介して前記基材層上に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリアフィルム。
  5. 第一保護層と第二保護層との積層体であって、
    前記第一保護層は請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリアフィルムであり、
    前記第一保護層は前記バリア層が前記第二保護層と対向するように積層されている、バリアフィルム積層体。
  6. 波長変換層と、前記波長変換層を挟むように配置された二つの保護フィルムと、を備え、
    前記二つの保護フィルムの少なくとも一方が、請求項5に記載のバリアフィルム積層体である、波長変換シート。
  7. 光源と請求項6に記載の波長変換シートとを備える、バックライトユニット。
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