JP2017087351A - 拡径用ドリルビット - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、切刃部が受ける力を分散して耐久性を向上させることができる拡径用ドリルビットを提供することを課題としている。
【解決手段】下穴Hの一部を拡径するための拡径用ドリルビット10であって、回転に伴う遠心力により回動し、下穴Hを研削する複数の切刃部21と、複数の切刃部21を、径方向に回動自在に保持する切刃保持部22と、を備え、各切刃部21は、断面円弧状の切刃本体31と、切刃本体31を内側から支持するリブ状支持部54と、リブ状支持部54から延びるアーム部55と、アーム部55に連なり回動の基点となる回動支部56と、を有し、切刃保持部22は、回動に伴ってリブ状支持部54がスライド自在に係合するガイド保持部71と、回動支部を回動自在に保持する基点保持部66と、を有している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コンクリート等の躯体に穿孔した下穴の一部を拡径するための拡径用ドリルビットに関する。
従来、この種の拡径用ドリルビットとして、コンクリート等に穿孔したパイロットボアに切下げ部を形成する切下げツールが知られている(特許文献1参照)。
この切下げツールは、シャフトの先端に取り付けられたツール本体と、ツール本体に接続された6つの楔と、で構成されている。ツール本体と楔との接続点は、ツール本体側の接続部材(ヒンジピン)と楔側の接続部分とで構成されており、ツール本体に対し楔は、径方向に回動自在に接続されている。シャフトを介して切下げツールが回転すると、遠心力によって6つの楔が外側に変位する。この回転と外側への変位により、楔の外表面に設けた切断表面がボアの内面を研削し、ボアが切り下げられる。
特表2013−525647号公報
このような、従来の切下げツールでは、各楔がツール本体に対しヒンジ形式の接続点でのみ支持されている。このため、切下げに際し各楔が受ける力(切削抵抗)は、接続点に集中的に作用することになる。したがって、接続点を構成する接続部材および接続部分は疲労し易く、ツール寿命が短くなる問題があった。
本発明は、切刃部が受ける力を分散して耐久性を向上させることができる拡径用ドリルビットを提供することを課題としている。
本発明の拡径用ドリルビットは、躯体に穿孔した下穴に挿入して用いられ、下穴の一部を研削により拡径するための拡径用ドリルビットであって、回転に伴う遠心力によって径方向の外側に回動し、下穴の一部を研削する複数の切刃部と、複数の切刃部を、それぞれ径方向に回動自在に保持する切刃保持部と、切刃保持部を支持するシャンク部と、を備え、各切刃部は、断面円弧状の外周部を有する切刃本体と、切刃本体を内側から支持するリブ状支持部と、リブ状支持部から軸方向に延びるアーム部と、アーム部に連なり回動の基点となる回動支部と、を有し、切刃保持部は、回動に伴ってリブ状支持部がスライド自在に係合するガイド保持部と、回動支部を回動自在に保持する基点保持部と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、シャンク部を介して切刃保持部が回転すると、切刃保持部に保持されている複数の切刃部が、それぞれ径方向外側に回動する。この回転と回動とにより複数の切刃部は、下穴の内周面に接触しこれを研削する。すなわち、下穴の一部が、複数の切刃部の研削により拡径される。この場合、回動する各切刃部は、リブ状支持部を介して、その回動を切刃保持部のガイド保持部にガイドされる。このため、切削に伴って各切刃部が受ける力は、リブ状支持部を介して主にガイド保持部に受けられ、回動支部や基点保持部に集中することがない。すなわち、複数の切刃部が受ける力を、切刃保持部に分散して作用させることができ、全体として耐久性を向上させることができる。
この場合、ガイド保持部は、筒状の円筒ガイド部と、軸方向において円筒ガイド部に形成されリブ状支持部がスライド自在に係合するガイドスリットと、を含むことが好ましい。
この構成によれば、リブ状支持部の丈を大きくすることができ、複数の切刃部が受ける力を、より一層、切刃保持部に分散して作用させることができる。
また、回動支部は、円弧状外周面を含み、円弧状外周面で、基点保持部の内面に回動自在に接触していることが好ましい。
この構成によれば、回動支部に回動中心となる軸を設ける必要がなく、回動支部およびこれに接触する基点保持部廻りの構造を単純化することができる。これにより、全体を小径に形成することができ、比較的小さい径の下穴にも対応させることができる。
さらに、切刃保持部は、アーム部を介して、各切刃部の径方向外側の回動端位置を規制する回動規制部を、有していることが好ましい。
この構成によれば、回動規制部により、各切刃部の径方向外側への回動角度を規制することができ、研削される拡径部の拡径寸法を適切に調整することができる。
一方、切刃保持部は、先端部に同軸上に位置して突設した尖塔部を有し、尖塔部は、超鋼材料で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、尖塔部を下穴の穴底に押し当てて回転させることで、下穴の穴底を基準として所定の深さ位置に拡径部を形成することができる。また、尖塔部が穴底の中心に点接触するため、回転に際し、穴底との摩擦を極力小さくすることができると共に、切刃部の回転ブレを極力抑制することができる。さらに、尖塔部が超鋼材料で構成されているため、尖塔部の摩耗を抑制することができる。したがって、常に、下穴の穴底から所定の位置に拡径部を形成することができる。
また、切刃保持部は、下穴に嵌挿されると共に、非拡開状態の複数の切刃部よりも太径に形成されたフランジ状部を有していることが好ましい。
この構成によれば、切刃保持部の一部として回転するフランジ状部が、下穴に嵌挿される径に形成されているため、これを、回転ブレを防止する部材として機能させることができる。したがって、研削時の切刃保持部や切刃部の回転が安定し、複数の切刃部による下穴の拡径作業を短時間で円滑に行うことができる。
さらに、複数の切刃部は、軸廻りの180°点対称位置に配設した2つの切刃部で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、切削性能を損なうことなく、切刃部廻りを単純な構造でコンパクトに構成することができる。
さらにまた、シャンク部は、切刃保持部を介して複数の切刃部に冷却剤を供給するための、シャンク内流路を有するシャンク本体と、シャンク内流路に連通すると共に、シャンク本体の先端部から複数の切刃部の先端近傍まで延びる冷却剤パイプと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、冷却剤パイプの先端から放出された冷却剤は、切刃保持部を介して各切刃部の先端部に供給される。これにより、冷却剤は、各切刃部の先端部から下穴の開口部に向かって流れるため、切刃部を効率良く冷却することができる。特に、拡径用ドリルビットを上向きで使用する場合でも、切刃部に冷却剤を適切に供給することができる。また、冷却剤が液体である場合、遠心力を受けた冷却剤は、放射状に飛び散るようにして各切刃部の先端部を押圧する。これにより、複数の切刃部の拡開を促進することができる。
実施形態に係る拡径用ドリルビットを含む拡径装置の外観図である。 拡径用ドリルビットのビット部廻りにおける側面図である。 拡径用ドリルビットのビット部廻りにおける非拡開状態の半部断面図(a)、および拡開状態の半部断面図(b)である。 拡径用ドリルビットにおけるビット部廻りの分解斜視図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る拡径用ドリルビットについて説明する。この拡径用ドリルビットは、主として後施工アンカーを打ち込むためにコンクリート等の躯体に形成した下穴に対し、その一部を拡径するものであり、打ち込んだ後施工アンカーの引抜き強度を高め得るものである。すなわち、下穴に打ち込んだ後施工アンカーに理論上のクサビ効果を発揮させるために、この拡径用ドリルビットは、下穴の一部に拡径部を形成するものである。
図1は、下穴に拡径部を形成する拡径装置の外観図である。同図に示すように、拡径装置1は、手持ちの電動ドリル2と、電動ドリル2に装着した冷却液アタッチメント3と、冷却液アタッチメント3に装着した拡径用ドリルビット10と、を有している。すなわち、拡径用ドリルビット10は、動力源を構成する電動ドリル2に接続された冷却液アタッチメント3の回転軸3aに、着脱自在に装着して用いられる。
この回転軸3aには、冷却液の流路が形成される一方、冷却液アタッチメント3には、図外の冷却液供給装置が接続されており、冷却液は、この冷却液供給装置から冷却液アタッチメント3を介して拡径用ドリルビット10に供給される。なお、冷却液アタッチメント3には、冷却液の流路を開閉するバルブが組み込まれており(図示省略)、バルブは、拡径用ドリルビット10を下穴Hの穴底Haに突き当てることにより「開」、穴底Haから離すことにより「閉」となる。また、下穴Hは、振動ドリル、ハンマードリル、コアビット等により穿孔される。
拡径用ドリルビット10は、下穴Hに拡径部Hbを形成するビット部11と、基端側で拡径装置1(冷却液アタッチメント3)の回転軸3aに着脱自在に装着され、先端側でビット部11を同軸上に支持するシャンク部12と、を備えている。シャンク部12は、ビット部11を支持するシャンク本体15と、回転軸3aに装着される太径のシャフト部16と、で一体に形成されている。また、シャンク本体15の先端部には、冷却液パイプ17(冷却剤パイプ)が取り付けられている(図4参照)。一方、ビット部11は、2つ(一対)の切刃部21と、2つの切刃部21を回動自在に保持する切刃保持部22と、で構成されている。この場合、ビット部11はユニット化されており、シャンク部12(シャンク本体15)の先端部にねじ接合により着脱可能に取り付けられている。
シャフト部16は、その小口に雌ねじで形成された締結部16aを有し、この締結部16aが、雄ねじで形成された冷却液アタッチメント3の回転軸3aに螺合している。また、シャンク本体15の先端部には、ビット部11が螺合する先端雄ねじ部15aが形成され、この先端雄ねじ部15aには、ビット部11の切刃保持部22が螺合している。そして、シャフト部16およびシャンク本体15の軸心部には、冷却液用のシャンク内流路18が形成されている。
冷却液パイプ17は、このシャンク内流路18に連通するように、シャンク本体15の先端部(先端雄ねじ部15a)に取り付けられている(図4参照)。冷却液パイプ17はステンレス等で形成され、基端部がシャンク本体15の先端雄ねじ部15aの軸心部(シャンク内流路18を冷却液パイプ17の肉厚分広げた部分)に圧入等により取り付けられている。そして、冷却液パイプ17の先端は、切刃保持部22内において、2つの切刃部21の先端近傍まで延びている。冷却液アタッチメント3から供給される冷却液は、このシャンク内流路18および冷却液パイプ17を通ってビット部11の先端側に供給され、研削中の2つの切刃部21を冷却する。
なお、上記の拡径装置1は、冷却液を用いる湿式のものであるが、冷却液を用いない乾式のものも用意されている。特に図示しないが、乾式の拡径装置1では、シャンク部12にシャンク内流路18が無く、拡径用ドリルビット10は、電動ドリル2に直接接続される。また、他の乾式の拡径装置1では、冷却液に代えて圧縮エアーや冷却ガスが導入されるようになっている。そして、ユニット化されたビット部11は、これら湿式および乾式の拡径用ドリルビット10(拡径装置1)において、共通部品として用いられる。
次に、図2ないし図4を参照して、ビット部11について詳細に説明する。上述のように、ビット部11は、下穴Hを研削するための2つ(一対)の切刃部21と、2つの切刃部21を、それぞれ径方向に回動自在に保持する切刃保持部22と、を備えている。切刃保持部22はシャンク部12に接続されており、シャンク部12の回転に伴って、切刃保持部22およびこれに保持した2つの切刃部21が回転する。また、切刃保持部22が回転すると、2つの切刃部21が遠心力を受けて径方向に外側に拡開するように回動する。そして、この2つの切刃部21が拡開することにより、下穴Hが研削されて、輪郭が円錐台形状の拡径部Hbが形成される。
2つの切刃部21は、軸廻りの180°点対称位置に配設されており、その非拡開状態における外径は、下穴Hの径より幾分小径に形成されている。これに対応して、切刃保持部22は、2つの切刃部21を180°点対称位置において、且つ軸方向のシャンク部12側を基点に回動自在に保持している。これにより、2つの切刃部21は、バランス良くスカート状に拡開する。
各切刃部21は、断面円弧状の外周部を有する切刃本体31と、切刃本体31を内側から回動自在(厳密には、円運動自在)に支持する板状の切刃支持部32と、を備えている。これに対応して、切刃保持部22は、回動する切刃支持部32にスライド自在に係合する保持部本体41と、切刃支持部32の基点側を回動自在に保持する保持部受け42と、を備えている。シャンク部12側の保持部受け42に対し保持部本体41は螺合可能に構成されており、2つの切刃部21を組み込んだ保持部本体41を、保持部受け42に螺合することにより、ビット部11が組み立てられる。
切刃本体31は、断面円弧状のダイヤモンドの切刃で構成されている。すなわち、切刃本体31は、保持部本体41の外周面に沿う断面円弧状のベース51と、ベース51の外周部に塗着したダイヤモンドの研削部52とを有している。これにより、切刃部21が遠心力により回動すると、研削部52が下穴Hの内周面に接触しこれを研削する。なお、本実施形態では、研削部52をベース51の外周面全域に設けているが、一部に設けるものであってもよい。また、研削後において、切刃部21の下穴Hからの引き抜きを容易にすべく、切刃本体31の図示上側端部を面取り形状或いはテーパー形状とすることが好ましい。
切刃支持部32は、切刃本体31を内側から支持するリブ状支持部54と、リブ状支持部54から軸方向に延びるアーム部55と、アーム部55に連なり回動の基点となる回動支部56と、を有している。また、アーム部55には、保持部受け42と協働して切刃部21の径方向外側の回動端位置を規制する被規制部57が設けられている。そして、これらリブ状支持部54、アーム部55、被規制部57および回動支部56は、板状に且つ一体に形成されている。
リブ状支持部54は、好ましくは切刃本体31と同じ丈となるように板状に形成されており、その端面には切刃本体31(ベース51)がその周方向の中間位置で溶着されている。また、リブ状支持部54は、後述する保持部本体41のガイドスリット77(図4参照)にスライド自在に係合している。すなわち、リブ状支持部54は、保持部本体41の外側に位置する切刃本体31と内側に位置するアーム部55とを連結すると共に、切刃本体31に作用する切削抵抗を、ガイドスリット77を介して保持部本体41に逃がす機能を有している。
アーム部55は、リブ状支持部54の図示上端から軸方向に延在しており、切刃本体31を所定の曲率で回動させるための回動アームを構成している。また、アーム部55のリブ状支持部54側には、径方向外側に突出するように被規制部57が一体に設けられている。被規制部57は、上記保持部受け42の先端縁部(後述する回動規制部67)に当接して、切刃部21の外側回動端位置を規制している。すなわち、切刃本体31が保持部本体41の外側に沿う位置が、切刃部21の内側回動端位置(非拡開状態)となり、被規制部57が保持部受け42に当接する位置が、切刃部21の外側回動端位置(拡開状態)となる。なお、本実施形態では、被規制部57をアーム部55に設けた突出段部として構成したか、アーム部55を幅広としてもよい。また、保持部受け42の先端(回動規制部67)を延長することで、アーム部55が被規制部57を兼ねる構成としてもよい。
回動支部56は、切刃部21の回動の基点となる部位であり、保持部受け42との接触部分が円弧状に形成されている。具体的には、回動支部56は、円弧状外周面56aを有し、この円弧状外周面56aで、後述する保持部受け42の基点保持部66の内面に回動自在に接触している。すなわち、回動支部56にはヒンジピン等の部材がなく、遠心力が作用した状態で、円弧状外周面56aが基点保持部66の内面に摺動可能に接触する。
このように、各切刃部21は、切刃保持部22の内部において、切刃保持部22にラフに保持されており、遠心力が作用すると、回動支部56を中心に径方向外側に回動する。また、各切刃部21の回動は、切刃保持部22により径方向の向かうようにガイドされる。
一方、切刃保持部22は、上述のように主体を為す保持部本体41と、保持部本体41が螺合するシャンク部12側の保持部受け42と、を有している。保持部受け42の外径は、非拡開状態の2つの切刃部21と同径に形成されている。なお、本実施形態では、保持部本体41と保持部受け42とをねじ接合としているが、これを溶接等により接合してもよい。すなわち、保持部本体41と保持部受け42とは、着脱可能な接合形態であってもよいし、固定的な接合形態(切刃部21を組み込んでから固定)であってもよい。
保持部受け42は、シャンク部12に接続される円錐台形状のシャンク接続部61と、シャンク接続部61に連なり、保持部本体41が接続される円筒状の本体接続部62と、で一体に形成されている。シャンク接続部61には、小径の第1雌ねじ部64が形成されている。この第1雌ねじ部64は、シャンク部12の先端雄ねじ部15aに螺合しており、これによりビット部11がシャンク部12に着脱自在に装着されている。
本体接続部62の内周面には、その先端側に第2雌ねじ部65が形成されている。第2雌ねじ部65には、保持部本体41の基端側が螺合しており、これにより保持部受け42に保持部本体41が着脱可能に組み込まれている。そして、第2雌ねじ部65の先端は請求項にいう回動規制部67を構成しており、回動規制部67は、上記の被規制部57と協働して、切刃部21の外側回動端位置(拡開状態)を規制する。なお、回動規制部67により規制される下穴Hへの切込み深さ、すなわち拡径部Hbの拡径(半径)寸法は、先端側で3〜5mm程度とすることが好ましい。
また、第2雌ねじ部65に連なる本体接続部62の内周面奥側には、シャンク接続部61との間で環状の段部が形成されており、この部分に切刃部21の回動支部56を保持する基点保持部66が構成されている。基点保持部66は単純な環状の段部であり、切刃部21の回動支部56は、基点保持部66の周方向の任意の位置に接触する。このように、切刃部21の回動支部56は保持部受け42の内側、すなわち切刃保持部22の内側に配設されている。なお、基点保持部66の内周面を、回動支部56の円弧状外周面56aと相補的な断面形状としてもよい。
保持部本体41は、切刃部21がスライド自在に係合するガイド保持部71と、ガイド保持部71の先端側に連なるフランジ状の先端フランジ部72(フランジ状部)と、先端フランジ部72の先端側に設けた尖塔部73と、を備えている。この場合、ガイド保持部71と先端フランジ部72とは一体に形成されている。そして、保持部本体41は、2つの切刃部21を組み込んだ状態で保持部受け42に装着されている。
先端フランジ部72は、先端側半部がテーパー形状に形成されており、この部分の軸心部に、尖塔部73が取り付けられている。尖塔部73は、例えば超鋼合金(超鋼材料)で構成されており、先端円錐部73aとこれに連なる円柱部73bとで一体に形成されている。また、先端フランジ部72のテーパー部分の錐角と、先端円錐部73aの錐角とは同一の角度に形成され、先端フランジ部72のテーパー部分の延長上に、先端円錐部73aが位置するようになっている。
先端フランジ部72は、同径の保持部受け42および2つの切刃部21より幾分大径(太径)に形成されている。すなわち、先端フランジ部72は、ビット部11において最も大径に形成されており、その径は、下穴Hの径よりも僅かに小径(0.5mm程度)に形成されている。実施形態の拡径用ドリルビット10は、尖塔部73を下穴Hの穴底Haに突き当てた状態で回転させ、下穴Hの奥部に拡径部Hbを形成する。すなわち、拡径部Hbの形成に際し、先端円錐部73aを穴底Haの中心に突き当てた状態で、拡径用ドリルビット10を回転させるようにしている。
これにより、先端円錐部73a(尖塔部73)が穴底Haの中心に点接触し、回転に際し、穴底Haとの摩擦を極力小さくすることができる。また、尖塔部73が超鋼合金で構成されているため、尖塔部73の摩耗を極力抑えることができる。さらに、尖塔部73と大径の先端フランジ部72とにより、ビット部11(切刃部21)の回転ブレを抑制することができる。したがって、常に下穴Hの穴底Haから所定の位置に拡径部Hbを形成することができる。なお、尖塔部73は、先端フランジ部72に溶着や焼嵌め等で取り付けられているが、回転可能に取り付けられていてもよい。
ガイド保持部71は、円筒状に且つ先端フランジ部72と一体に形成されている。ガイド保持部71は、先端フランジ部72から延びる円筒ガイド部75と、円筒ガイド部75に連なり、円筒ガイド部75と同径に形成された円筒ねじ部76と、円筒ガイド部75および円筒ねじ部76に形成された2つのガイドスリット77とを有している(図4参照)。円筒ねじ部76には、外周面に雄ねじが形成されている。この雄ねじが、保持部受け42の第2雌ねじ部65に螺合しており、これにより、保持部受け42に保持部本体41が着脱可能に装着されている。
各ガイドスリット77は、円筒ねじ部76の端から切り込むようにして、軸方向に円筒ガイド部75まで延びており、そのスリット幅は、上記の切刃支持部32(リブ状支持部54)をスライド自在に係合すべく、切刃支持部32の板厚に対応している。また、2つのガイドスリット77は、円筒ガイド部75および円筒ねじ部76の周方向において、180°点対称位置に形成されている。したがって、2つの切刃部21は、ガイド保持部71により180°点対称位置に保持されている。この場合、2つの切刃部21は、円筒ねじ部76の端、すなわち小口からスライドさせるようにして、ガイド保持部71に組み込まれる。
ビット部11における2つの切刃部21は、その各部が微小なクリアランスを存して切刃保持部22内に組み込まれている。この状態でビット部11が回転すると、2つの切刃部21は、遠心力により切刃保持部22の内周面に強く接触するとともに、切刃本体31がスカート状に拡開する。この拡開は、ガイド保持部71のガイドスリット77により案内され、且つ切刃本体31が受ける切削抵抗は、ガイドスリット77を介してガイド保持部71により受けられる。すなわち、拡径部Hbの形成に伴って2つの切刃部21が受ける力は、切刃保持部22が分散するように受けることになる。なお、実験によれば、ビット部11の回転数は10000rpm以上が好ましく、拡径部Hbは10〜20sec程度で切削される。
次に、図3を参照して、拡径用ドリルビット10による下穴Hの拡径作業について説明する。この拡径作業は、予め対象となるコンクリート躯体A等に下穴Hが形成されているものとする。なお、この場合のコンクリート躯体Aには、コンクリート製の外壁、内壁、スラブの他、基礎や梁等が含まれる。
拡径作業では、先ず拡径装置1に装着した拡径用ドリルビット10を下穴Hに挿入し、そのビット部11の尖塔部73を下穴Hの穴底Haに突き当てるようにする。ビット部11を穴底Haに突き当てると、冷却液の供給が開始される。冷却液の供給を確認したら、電動ドリル2を駆動して拡径用ドリルビット10を回転させる。拡径用ドリルビット10が回転すると、2つの切刃部21に遠心力が作用し、2つの切刃部21はスカート状に拡開してゆく。
これにより、回転する切刃本体31の研削部52が下穴Hの内面を研削し、下穴Hの奥部に拡径部Hbが形成される。一方、冷却液パイプ17から供給された冷却液は、保持部本体41の内側からガイドスリット77を介して切刃本体31の先端部に向かって放出される。放出され冷却液は、ビット部11の先端側に回り込んだ後、下穴Hの開口部に向かって流れ、研削する切刃部21を冷却する。
このようにして、所定形状の拡径部Hbを形成されると、切刃部21の被規制部57が保持部受け42の回動規制部67(先端縁部)に当接し、遠心力による切刃部21の回動が規制される。この切刃部21の回動規制により、電動ドリル2の回転負荷が急激に低減され、拡径部Hbを形成が確認される。ここで作業者は、電動ドリル2の駆動を停止し、拡径用ドリルビット10を下穴Hから引き抜くようにする(冷却液の供給停止)。
以上のように、本実施形態の拡径用ドリルビット10によれば、ビット部11の回転に伴って拡開する2つの切刃部21は、切刃保持部22の2つのガイドスリット77で案内されると共に、その切削抵抗は、2つのガイドスリット77を介して切刃保持部22により受けられる。このため、切刃部21が受ける力は、切刃保持部22に分散されて受けられて、ビット部11の耐久性を向上させることができる。また、切削抵抗を切刃保持部22が受ける構造であるため、切刃部21の回動支部56廻りには大きな力が加わることがなく、回動支部56をヒンジピン等で切刃保持部22に固定的に設ける必要がない。したがって、回動支部56廻りの構造を含め、ビット部11全体の構造を単純化することができる。
なお、ガイド保持部71と保持部受け42を一体に形成し、ガイド保持部71に先端フランジ部72を螺合(接合)する構成であってもよい。また、切刃部21は、3つ以上であってもよい。
1:穿孔装置、2:電動ドリル、3:冷却液アタッチメント、10:拡径用ドリルビット、11:ビット部、12:シャンク部、17:冷却液パイプ、18:シャンク内流路、21:切刃部、22:切刃保持部、31:切刃本体、32:切刃支持部、41:保持部本体、42:保持部受け、54:リブ状支持部、55:アーム部、56:回動支部、56a:円弧状外周面、57:被規制部、66:基点保持部、67:回動規制部、71:ガイド保持部、72:先端フランジ部、73:尖塔部、75:円筒ガイド部、77:ガイドスリット、A:コンクリート躯体、H:下穴、Ha:穴底、Hb:拡径部

Claims (8)

  1. 躯体に穿孔した下穴に挿入して用いられ、前記下穴の一部を研削により拡径するための拡径用ドリルビットであって、
    回転に伴う遠心力によって径方向の外側に回動し、前記下穴の一部を研削する複数の切刃部と、前記複数の切刃部を、それぞれ径方向に回動自在に保持する切刃保持部と、前記切刃保持部を支持するシャンク部と、を備え、
    前記各切刃部は、断面円弧状の外周部を有する切刃本体と、前記切刃本体を内側から支持するリブ状支持部と、前記リブ状支持部から軸方向に延びるアーム部と、前記アーム部に連なり前記回動の基点となる回動支部と、を有し、
    前記切刃保持部は、前記回動に伴って前記リブ状支持部がスライド自在に係合するガイド保持部と、前記回動支部を回動自在に保持する基点保持部と、を有していることを特徴とする拡径用ドリルビット。
  2. 前記ガイド保持部は、
    筒状の円筒ガイド部と、
    軸方向において前記円筒ガイド部に形成され、前記リブ状支持部がスライド自在に係合するガイドスリットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の拡径用ドリルビット。
  3. 前記回動支部は、円弧状外周面を含み、前記円弧状外周面で、前記基点保持部の内面に回動自在に接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の拡径用ドリルビット。
  4. 前記切刃保持部は、前記アーム部を介して、前記各切刃部の径方向外側の回動端位置を規制する回動規制部を、有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の拡径用ドリルビット。
  5. 前記切刃保持部は、先端部に同軸上に位置して突設した尖塔部を有し、
    前記尖塔部は、超鋼材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の拡径用ドリルビット。
  6. 前記切刃保持部は、前記下穴に嵌挿されると共に、非拡開状態の前記複数の切刃部よりも太径に形成されたフランジ状部を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の拡径用ドリルビット。
  7. 前記複数の切刃部は、軸廻りの180°点対称位置に配設した2つの前記切刃部で構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の拡径用ドリルビット。
  8. 前記シャンク部は、
    前記切刃保持部を介して前記複数の切刃部に冷却剤を供給するための、シャンク内流路を有するシャンク本体と、
    前記シャンク内流路に連通すると共に、前記シャンク本体の先端部から前記複数の切刃部の先端近傍まで延びる冷却剤パイプと、を有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の拡径用ドリルビット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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