JP2017086321A - 敷き寝具 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とにおける最適な反発力と質感とを達成することで、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい敷き寝具を提供すること。
【解決手段】本発明の敷き寝具は、腰臀部位10は、腰臀部位第1層11と、腰臀部位第2層12とを有し、背部位20は、背部位第1層21と、背部位第2層22とを有し、脚部位30は、脚部位第1層31と、脚部位第2層32とを有し、背部位第1層21の嵩密度を、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも小さくし、脚部位第1層31の嵩密度を、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも小さくし、腰臀部位第2層12の嵩密度を、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも大きくし、背部位第2層22の嵩密度を、背部位第1層21の嵩密度よりも大きくし、脚部位第2層32の嵩密度を、脚部位第1層31の嵩密度よりも大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、敷き布団やベッド用マットとして利用できる敷き寝具に関する。
網目状構造体である編成樹脂を、寝具用マットやクッションとして用いることが例えば特許文献1や特許文献2で提案されている。
特開2010−154965号公報 特開2006−97223号公報
ところで、人が仰臥位で横になった時の荷重の割合は、頭部、背部、腰臀部、及び脚部で分けると、腰臀部が45%近くあり、背部は腰臀部に対して75%、脚部に至っては腰臀部に対して34%程度である。
従って、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい敷き寝具を提供するためには、人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とでの最適な反発力と質感とを調整する必要がある。
しかし、特許文献1及び特許文献2では、人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とにおける最適な反発力と質感とを考慮していない。
そこで本発明は、人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とにおける最適な反発力と質感とを達成することで、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい敷き寝具を提供することを目的とする。
また本発明は、体圧分散性が高く質感を持たせることができるとともに、長期使用によるへたりを防止することができ、畳や床に敷いて用いる敷き布団として特に適している敷き寝具を提供することを目的とする。
また本発明は、高い反発力を得ることができるとともに糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した場合と比較して格段に軽量化を図ることができ、ベッド用マットとして特に適している敷き寝具を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の敷き寝具は、複数の糸状溶融樹脂が絡み合うとともに部分的に熱溶着された編成樹脂網状構造体からなる敷き寝具であって、使用時に人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、前記腰臀部位よりも前記人体の背部側に位置する背部位と、前記腰臀部位よりも前記人体の脚部側に位置する脚部位とを少なくとも有し、前記腰臀部位は、使用時に上面となる腰臀部位第1層と、前記腰臀部位第1層よりも下面となる腰臀部位第2層とを有し、前記背部位は、使用時に上面となる背部位第1層と、前記背部位第1層よりも下面となる背部位第2層とを有し、前記脚部位は、使用時に上面となる脚部位第1層と、前記脚部位第1層よりも下面となる脚部位第2層とを有し、前記背部位第1層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の嵩密度よりも小さくし、前記脚部位第1層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の前記嵩密度よりも小さくし、前記腰臀部位第2層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の前記嵩密度よりも大きくし、前記背部位第2層の嵩密度を、前記背部位第1層の前記嵩密度よりも大きくし、前記脚部位第2層の嵩密度を、前記脚部位第1層の前記嵩密度よりも大きくしたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の敷き寝具において、前記腰臀部位第2層に対する前記腰臀部位第1層の腰臀部位嵩密度比と、前記背部位第2層に対する前記背部位第1層の背部位嵩密度比と、前記脚部位第2層に対する前記脚部位第1層の脚部位嵩密度比とを同じとしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の敷き寝具において、前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位を、40mm以上80mm以下で同じ厚さとし、前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、15mm以上で同じ厚さとするとともに、前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位に対して37.5%以下の厚さとし、前記腰臀部位が、直径150mmの加圧板で前記腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が100N以上180N以下であり、前記背部位が、前記加圧板で前記背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、前記脚部位が、前記加圧板で前記脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記背部位の前記荷重を小さく、前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記脚部位の前記荷重を小さくしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の敷き寝具において、前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、ポリエチレン樹脂による糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、前記腰臀部位第2層、前記背部位第2層、及び前記脚部位第2層を、ポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成し、前記糸状ポリエチレン溶融樹脂を、前記糸状ポリプロピレン溶融樹脂よりも細くしたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の敷き寝具において、前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位を、150mm以上300mm以下で同じ厚さとし、前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、15mm以上45mm以下で同じ厚さとし、前記腰臀部位が、直径150mmの加圧板で前記腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上120N以下であり、前記背部位が、前記加圧板で前記背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、前記脚部位が、前記加圧板で前記脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記背部位の前記荷重を小さく、前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記脚部位の前記荷重を小さくしたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の敷き寝具において、前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層の内の少なくとも一つを、前記腰臀部位第2層、前記背部位第2層、及び前記脚部位第2層の内の少なくとも一つと異なる色としたことを特徴とする。
本発明の敷き寝具によれば、人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とを有することで、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい。
また、本発明の敷き寝具によれば、腰臀部位は、腰臀部位第1層と腰臀部位第2層とを有し、背部位は、背部位第1層と背部位第2層とを有し、脚部位は、脚部位第1層と脚部位第2層とを有し、腰臀部位第2層の嵩密度は、腰臀部位第1層の嵩密度よりも大きく、背部位第2層の嵩密度は、背部位第1層の嵩密度よりも大きく、脚部位第2層の嵩密度は、脚部位第1層の嵩密度よりも大きいため、人体の腰臀部、背部、及び脚部、それぞれについて、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層で体圧分布を調整して質感を持たせることができるとともに、腰臀部位第2層、背部位第2層、及び脚部位第2層で底つきを防止することができる。
また、本発明の敷き寝具によれば、腰臀部位第1層の嵩密度は、背部位第1層の嵩密度及び脚部位第1層の嵩密度よりも大きく、腰臀部位第2層の嵩密度よりも小さくしているため、人体全体の体圧分布性がよい。
また、本発明の敷き寝具によれば、体圧分散性が高く質感を持たせることができるとともに、長期使用によるへたりを防止することができ、畳や床に敷いて用いる敷き布団として特に適している。
また、本発明の敷き寝具によれば、高い反発力を得ることができるとともに糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した場合と比較して格段に軽量化を図ることができ、ベッド用マットとして特に適している。
本発明の一実施例による敷き寝具の構成図 本発明の他の実施例による敷き寝具の構成図 本実施例による敷き寝具の製造工程を示すフローチャート 図4のステップ2における糸状工程で用いる樹脂プールを示す構成図 実施例1の腰臀部位において、下降位置を横軸、荷重を縦軸とした荷重特性図 実施例1の腰臀部位において、前後差を横軸、2.5mm単位での荷重差を縦軸とした荷重特性図 実施例2の腰臀部位において、下降位置を横軸、荷重を縦軸とした荷重特性図 実施例2の腰臀部位において、前後差を横軸、2.5mm単位での荷重差を縦軸とした荷重特性図
本発明の第1の実施の形態による敷き寝具は、使用時に人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、腰臀部位よりも人体の背部側に位置する背部位と、腰臀部位よりも人体の脚部側に位置する脚部位とを少なくとも有し、腰臀部位は、使用時に上面となる腰臀部位第1層と、腰臀部位第1層よりも下面となる腰臀部位第2層とを有し、背部位は、使用時に上面となる背部位第1層と、背部位第1層よりも下面となる背部位第2層とを有し、脚部位は、使用時に上面となる脚部位第1層と、脚部位第1層よりも下面となる脚部位第2層とを有し、背部位第1層の嵩密度を、腰臀部位第1層の嵩密度よりも小さくし、脚部位第1層の嵩密度を、腰臀部位第1層の嵩密度よりも小さくし、腰臀部位第2層の嵩密度を、腰臀部位第1層の嵩密度よりも大きくし、背部位第2層の嵩密度を、背部位第1層の嵩密度よりも大きくし、脚部位第2層の嵩密度を、脚部位第1層の嵩密度よりも大きくしたものである。本実施の形態によれば、人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、人体の背部側に位置する背部位と、人体の脚部側に位置する脚部位とを有することで、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい。また、本実施の形態によれば、腰臀部位は、腰臀部位第1層と腰臀部位第2層とを有し、背部位は、背部位第1層と背部位第2層とを有し、脚部位は、脚部位第1層と脚部位第2層とを有し、腰臀部位第2層の嵩密度は、腰臀部位第1層の嵩密度よりも大きく、背部位第2層の嵩密度は、背部位第1層の嵩密度よりも大きく、脚部位第2層の嵩密度は、脚部位第1層の嵩密度よりも大きいため、人体の腰臀部、背部、及び脚部、それぞれについて、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層で体圧分布を調整して質感を持たせることができるとともに、腰臀部位第2層、背部位第2層、及び脚部位第2層で底つきを防止することができる。また、本実施の形態によれば、腰臀部位第1層の嵩密度は、背部位第1層の嵩密度及び脚部位第1層の嵩密度よりも大きく、腰臀部位第2層の嵩密度よりも小さくしているため、人体全体の体圧分布性がよい。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による敷き寝具において、腰臀部位第2層に対する腰臀部位第1層の腰臀部位嵩密度比と、背部位第2層に対する背部位第1層の背部位嵩密度比と、脚部位第2層に対する脚部位第1層の脚部位嵩密度比とを同じとしたものである。本実施の形態によれば、腰臀部位嵩密度比と、背部位嵩密度比と、脚部位嵩密度比とを同じとしているため、腰臀部位第1層と腰臀部位第2層との荷重に対する分担比率と、背部位第1層と背部位第2層との荷重に対する分担比率と、脚部位第1層と脚部位第2層との荷重に対する分担比率とを等しくできることで、寝姿勢保持性のバランスがよい。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による敷き寝具において、腰臀部位、背部位、及び脚部位を、40mm以上80mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層を、15mm以上で同じ厚さとするとともに、腰臀部位、背部位、及び脚部位に対して37.5%以下の厚さとし、腰臀部位が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が100N以上180N以下であり、背部位が、加圧板で背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、脚部位が、加圧板で脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位の荷重を小さくしたものである。本実施の形態によれば、畳や床に敷いて用いる敷き布団として特に適している。また、本実施の形態によれば、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層を、15mm以上で、腰臀部位、背部位、及び脚部位に対して37.5%以下の厚さとすることで、体圧分散性が高く質感を持たせることができるとともに、長期使用によるへたりを防止することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による敷き寝具において、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層を、ポリエチレン樹脂による糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、腰臀部位第2層、背部位第2層、及び脚部位第2層を、ポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成し、糸状ポリエチレン溶融樹脂を、糸状ポリプロピレン溶融樹脂よりも細くしたものである。本実施の形態によれば、糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層で体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとれ、腰臀部位第2層、背部位第2層、及び脚部位第2層を、糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成することで、高い反発力を得ることができるとともに糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した場合と比較して格段に軽量化を図ることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による敷き寝具において、腰臀部位、背部位、及び脚部位を、150mm以上300mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層を、30mm以上45mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上120N以下であり、背部位が、加圧板で背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、脚部位が、加圧板で脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位の荷重を小さくしたものである。本実施の形態によれば、ベッド用マットとして特に適している。また、本実施の形態によれば、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層を、30mm以上45mm以下の厚さとすることで、体圧分散性が高く質感を持たせることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による敷き寝具において、腰臀部位第1層、背部位第1層、及び脚部位第1層の内の少なくとも一つを、腰臀部位第2層、背部位第2層、及び脚部位第2層の内の少なくとも一つと異なる色としたものである。本実施の形態によれば、使用時の上面を判別しやすい。
以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明する。
本発明の実施例による敷き寝具は、熱可塑性樹脂を所定温度で溶融混練した溶融樹脂を、糸状に流れ落として冷却することで形成される編成樹脂を用いたものである。
ここで熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などを、単独で又は複数混合したものが用いられる。なお、原料とする熱可塑性樹脂は、使用済みで回収された包装容器や農業用ビニールを再利用できる。
溶融樹脂を糸状に流れ落として冷却することで、複数本の糸状溶融樹脂が無秩序に絡まり合い、部分的に熱溶着することで、網状の三次元構造体が形成される。
図1は、本発明の一実施例による敷き寝具であり、図1(a)は同実施例による敷き寝具の上面図、図1(b)は同実施例による敷き寝具の側面図、図1(c)は同実施例による敷き寝具の底面図、図1(d)は図1(b)のX部分に相当する製品の拡大写真である。
本実施例による敷き寝具は、使用時に人体の腰臀部1が位置する腰臀部位10と、腰臀部位10よりも人体の背部2側に位置する背部位20と、腰臀部位10よりも人体の脚部3側に位置する脚部位30とからなる。
腰臀部位10は、使用時に上面となる腰臀部位第1層11と、腰臀部位第1層11よりも下面となる腰臀部位第2層12とからなる。
背部位20は、使用時に上面となる背部位第1層21と、背部位第1層21よりも下面となる背部位第2層22とからなる。
脚部位30は、使用時に上面となる脚部位第1層31と、脚部位第1層31よりも下面となる脚部位第2層32とからなる。
背部位第1層21の嵩密度は、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも小さく、脚部位第1層31の嵩密度は、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも小さい。背部位第1層21の嵩密度は、脚部位第1層31の嵩密度と同じにする。なお、脚部位第1層31の嵩密度は、背部位第1層21の嵩密度よりも小さくしてもよい。
腰臀部位第2層12の嵩密度は、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも大きく、背部位第2層22の嵩密度は、背部位第1層21の嵩密度よりも大きく、脚部位第2層32の嵩密度は、脚部位第1層31の嵩密度よりも大きい。
腰臀部位第1層11の嵩密度は、背部位第2層22の嵩密度、及び脚部位第2層32の嵩密度よりも大きくすることが好ましい。
腰臀部位第2層12に対する腰臀部位第1層11の腰臀部位嵩密度比と、背部位第2層22に対する背部位第1層21の背部位嵩密度比と、脚部位第2層32に対する脚部位第1層31の脚部位嵩密度比とは同じとする。
敷き布団としての敷き寝具の場合は、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を、40mm以上80mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、15mm以上で同じ厚さとするとともに、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30に対して37.5%以下の厚さとし、腰臀部位10が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層11から10mm下降させた時の荷重が100N以上180N以下であり、背部位20が、加圧板で背部位第1層21から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、脚部位30が、加圧板で脚部位第1層31から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位20の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位30の荷重を小さくする。
また、ベッド用マットとしての敷き寝具の場合は、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を、150mm以上300mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、30mm以上45mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位10が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層11から10mm下降させた時の荷重が60N以上120N以下であり、背部位20が、加圧板で背部位第1層21から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、脚部位30が、加圧板で脚部位第1層31から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位20の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位30の荷重を小さくする。
なお、嵩密度は、単位体積当たりの溶融樹脂量であり、糸状溶融樹脂の太さや本数によって変更できる。
例えば、腰臀部位第1層11の嵩密度を30kg/mとした時、腰臀部位第2層12の嵩密度を60kg/m、背部位第1層21の嵩密度を12.5kg/m、背部位第2層22の嵩密度を25kg/m、脚部位第1層31の嵩密度を12.5kg/m、脚部位第2層32の嵩密度を25kg/mとする。
また、脚部位第1層31の嵩密度を背部位第1層21の嵩密度よりも小さくする場合には、例えば、腰臀部位第1層11の嵩密度を30kg/mとした時、腰臀部位第2層12の嵩密度を60kg/m、背部位第1層21の嵩密度を12.5kg/m、背部位第2層22の嵩密度を25kg/m、脚部位第1層31の嵩密度を7.5kg/m、脚部位第2層32の嵩密度を15kg/mとする。
腰臀部位10の長さL1及び背部位20の長さL2は、敷き寝具の長さLに対して30%以上34%以下とすることが好ましい。
本実施例による敷き寝具では、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31の内の少なくとも一つを、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32の内の少なくとも一つと異なる色とすることが好ましい。
本実施例によれば、人体の腰臀部1が位置する腰臀部位10と、人体の背部2側に位置する背部位20と、人体の脚部3側に位置する脚部位30とを有することで、体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとりやすい。
また、本実施例によれば、腰臀部位10は、腰臀部位第1層11と腰臀部位第2層12とを有し、背部位20は、背部位第1層21と背部位第2層22とを有し、脚部位30は、脚部位第1層31と脚部位第2層32とを有し、腰臀部位第2層12の嵩密度は、腰臀部位第1層11の嵩密度よりも大きく、背部位第2層22の嵩密度は、背部位第1層21の嵩密度よりも大きく、脚部位第2層32の嵩密度は、脚部位第1層31の嵩密度よりも大きいため、人体の腰臀部1、背部2、及び脚部3、それぞれについて、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31で体圧分布を調整して質感を持たせることができるとともに、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32で底つきを防止することができる。
また、本実施例によれば、腰臀部位第1層11の嵩密度は、背部位第1層21の嵩密度及び脚部位第1層31の嵩密度よりも大きく、腰臀部位第2層12の嵩密度よりも小さくしているため、人体全体の体圧分布性がよい。
また、本実施例によれば、腰臀部位嵩密度比と、背部位嵩密度比と、脚部位嵩密度比とを同じとしているため、腰臀部位第1層11と腰臀部位第2層12との荷重に対する分担比率と、背部位第1層21と背部位第2層22との荷重に対する分担比率と、脚部位第1層31と脚部位第2層32との荷重に対する分担比率とを等しくできることで、寝姿勢保持性のバランスがよい。
また、本実施例によれば、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31の内の少なくとも一つを、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32の内の少なくとも一つと異なる色とすることで、使用時の上面を判別しやすい。
図2は、本発明の他の実施例による敷き寝具であり、図2(a)は同実施例による敷き寝具の上面図、図2(b)は同実施例による敷き寝具の側面図、図2(c)は同実施例による敷き寝具の底面図である。なお、図1の実施例と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による敷き寝具は、腰臀部位10と、腰臀部位10と連接する背部位20と、腰臀部位10と連接する脚部位30と、背部位20と連接して敷き寝具の端部を形成する端部位40と、脚部位30と連接して敷き寝具の端部を形成する端部位40とからなる。
端部位40は、使用時に上面となる端部位第1層41と、端部位第1層41よりも下面となる端部位第2層42とからなる。
背部位20と連接する端部位40では、端部位第1層41の嵩密度は、背部位第1層21の嵩密度よりも大きく、端部位第1層41の嵩密度は、端部位第2層42の嵩密度よりも小さい。
脚部位30と連接する端部位40では、端部位第1層41の嵩密度は、脚部位第1層31の嵩密度よりも大きく、端部位第1層41の嵩密度は、端部位第2層42の嵩密度よりも小さい。
なお、端部位第1層41の嵩密度は、腰臀部位第1層11の嵩密度以上とし、端部位第2層42の嵩密度は、腰臀部位第2層12の嵩密度以上とすることが好ましい。
本実施例に示すように、敷き寝具は、少なくとも腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を有していればよい。
また、本実施例のように、敷き寝具の両端に端部位40を有することで、敷き寝具に腰掛けた場合などの沈み込みを少なくできるとともに、長期使用による敷き寝具の両端のへたりを防止することができる。
図3は、本実施例による敷き寝具の製造工程を示すフローチャートである。
本実施例による敷き寝具として用いる編成樹脂網状構造体は、押出工程(ステップ1)と、糸状工程(ステップ2)と、成形工程(ステップ3)と、引上工程(ステップ4)と、硬化工程(ステップ5)と、裁断工程(ステップ6)と、端面加工工程(ステップ7)とから製造される。
ステップ1における押出工程では、押出機で熱可塑性樹脂を所定温度で溶融混練して溶融樹脂とし、所定の押し出し速度で溶融樹脂を樹脂プールに押し出す。
ステップ2における糸状工程では、押出機から押し出された溶融樹脂を樹脂プールにて受け、樹脂プールの底面の多数の孔から溶融樹脂を糸状に流れ落とす。
ステップ3における成形行程では、樹脂プールの底面から流れ落ちる糸状溶融樹脂を一対の成形誘導ローラー間に導き、成形誘導ローラーにて引っ張ることで冷却水槽に導き、冷却水槽内の冷却水によって冷却して成形する。
ステップ4における引上工程では、成形した編成樹脂を回転ローラーにて引っ張り、冷却水槽から引き上げる。
ステップ5における硬化行程では、引き上げた編成樹脂を硬化させる。
ステップ6における裁断行程では、硬化した編成樹脂を所定間隔で裁断する。
ステップ7における端面加工工程では、編成樹脂網状構造体の4つの側面を加熱壁で溶融押圧して圧縮成形する。すなわち、所定温度に加熱された押付壁面に編成樹脂網状構造体の端面を押し付ける。従って、編成樹脂網状構造体の4つの側面は、溶融状態で押圧されることで端面が圧縮成形される。
以上のように、本実施例による敷き寝具は、編成樹脂網状構造体を硬化させた後に端面加工を行うことで、硬化後の糸状溶融樹脂の突出を無くして敷き寝具の寸法精度を高めることができるとともに、端面でのへたりを防止できる。
図4はステップ2における糸状工程で用いる樹脂プールを示す構成図である。
図4では、2層構造の編成樹脂を形成するための樹脂プールの側面構成図と底面とを示している。
樹脂プール50は、樹脂プール50内を、仕切板51によって第1のプール室52と第2のプール室53とに区画している。また、第1のプール室52には第1の押出機61を配置し、第2のプール室53には第2の押出機62を配置している。
樹脂プール50は、底面(孔の径盤)54に形成した孔径を、第1のプール室52と第2のプール室53とで異ならせている。すなわち、第1のプール室52に位置する孔55は、第2のプール室53に位置する孔56よりも小径としている。
本実施例による敷き寝具は、第1のプール室52から流れ落とす糸状溶融樹脂によって、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41を形成し、第2のプール室53から流れ落とす糸状溶融樹脂によって、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42を形成することができる。
腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41を形成する糸状溶融樹脂と、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42を形成する糸状溶融樹脂との太さは、孔55、56の径によって異ならせることができる。
また、孔55の第1のプール室52に位置する底面54に対する密度または開口率と、孔56の第2のプール室53に位置する底面54に対する密度または開口率とを異ならせることで、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41と、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42との嵩密度を異ならせることができる。
また、それぞれの押出機61、62から押し出される糸状溶融樹脂の成分を異ならせ、またはそれぞれの押出機61、62からの溶融樹脂の押し出し量を異ならせることで、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41と、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42との嵩密度を異ならせることができる。
腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41の嵩密度は、押出機61、62からの溶融樹脂の押し出し量を変化させ、または成形誘導ローラーでの引っ張り速度を変化させることで異ならせることができる。
腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42の嵩密度についても、押出機61、62からの溶融樹脂の押し出し量を変化させ、または成形誘導ローラーでの引っ張り速度を変化させることで異ならせることができる。
本実施例のように、第1のプール室52と第2のプール室53とを隣接させて溶融樹脂を糸状に流れ落とすことで、腰臀部位第1層11と腰臀部位第2層12とが溶融結合され、
背部位第1層21と背部位第2層22とが溶融結合され、脚部位第1層31と脚部位第2層32とが溶融結合され、端部位第1層41と端部位第2層42とが溶融結合される。
なお、仕切板51の位置を変更することで、第1のプール室52と第2のプール室53との大きさを変更でき、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、及び端部位第1層41の厚さt1と、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、脚部位第2層32、及び端部位第2層42の厚さt2とを変更することができる。
以下に、畳や床に敷いて用いる敷き布団として特に適した敷き寝具の実施例について説明する。
「実施例1」
実施例1は、幅Wが970mm、長さLが1950mm、厚さtが50mmの敷き寝具において、腰臀部位10の長さL1を650mm、背部位20の長さL2を650mm、脚部位30の長さL3を650mmとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、ポリエチレン樹脂による第1糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、厚さt1を15mmとし、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32を、ポリエチレン樹脂による第2糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、厚さt2を35mmとした。
第1糸状ポリエチレン溶融樹脂を落下させる孔径は、第2糸状ポリエチレン溶融樹脂を落下させる孔径より小さくすることで、第1糸状ポリエチレン溶融樹脂の太さを0.7±0.05mm、第2糸状ポリエチレン溶融樹脂の太さを1.1±0.05mmとした。
腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32は、糸状ポリエチレン溶融樹脂の引っ張り早さを変更することで嵩密度を変更した。
第1糸状ポリエチレン溶融樹脂と第2糸状ポリエチレン溶融樹脂とを隣り合わせて落下させて成形することで、腰臀部位第1層11と腰臀部位第2層12との間、背部位第1層21と背部位第2層22との間、及び脚部位第1層31と脚部位第2層32との間には、第1糸状ポリエチレン溶融樹脂と第2糸状ポリエチレン溶融樹脂とが絡み合う中間層が5±1mmの厚さで形成されていた。
腰臀部位第2層12に対する腰臀部位第1層11の腰臀部位嵩密度比、背部位第2層22に対する背部位第1層21の背部位嵩密度比、脚部位第2層32に対する脚部位第1層31の脚部位嵩密度比は、すべて1/2としている。
腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30での嵩密度は、反発力によって調整を行った。反発力は、直径150mmの加圧板で、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、又は脚部位第1層31側から、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を10mm下降させ、30秒経過後に荷重を測定した。測定には、株式会社イマダ社製デジタルフォースゲージ(ZTA−1000N)を用いた。
腰臀部位10における荷重を120±10Nとしたとき、背部位20及び脚部位30における荷重を80±10Nとした。
図5及び図6は、実施例1の腰臀部位10について、2.5mm単位で腰臀部位第1層11側から直径150mmの加圧板で下降させたときの加重を測定したものであり、図5は下降位置を横軸、荷重を縦軸とし、図6は前後差を横軸、2.5mm単位での荷重差を縦軸としている。
例えば前後差(5−2.5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が5mmでの荷重(58.6N)と下降位置が2.5mmでの荷重(30.6N)との差が28Nである。
また、前後差(7.5−5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が7.5mmでの荷重(86.6N)と下降位置が5mmでの荷重(58.6N)との差が28Nである。
同様に、前後差(10−7.5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が10mmでの荷重(119.7N)と下降位置が7.5mmでの荷重(86.6N)との差が33.1Nである。
図5に示すように、下降位置が2.5mmから17.5mmまでは一定比率で荷重は増加し、下降位置が17.5mmから30mmまでは一定比率で荷重は増加し、下降位置が2.5mmから17.5mmまでの荷重増加率(A)よりも、下降位置が17.5mmから30mmまでの荷重増加率(B)が大きくなっている。
すなわち、腰臀部位第1層11表面から第1の下降位置までの第1反発力増加領域と、第1の下降位置を超えた下降位置での第2反発力増加領域とが存在し、第1反発力増加領域では第2反発力増加領域よりも緩やかな増加率となっている。
「実施例2」
実施例2では、敷き寝具の厚さtを40mm、厚さt2を25mmに変更し、腰臀部位10における荷重が140±10N、背部位20及び脚部位30における荷重が100±10Nとなるように嵩密度を変更した以外は、実施例1と同一形状、同一条件である。
図7及び図8は、実施例2の腰臀部位10について、2.5mm単位で腰臀部位第1層11側から直径150mmの加圧板で下降させたときの加重を測定したものであり、図7は下降位置を横軸、荷重を縦軸とし、図8は前後差を横軸、2.5mm単位での荷重差を縦軸としている。
例えば前後差(5−2.5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が5mmでの荷重(61.7N)と下降位置が2.5mmでの荷重(28.8N)との差が32.9Nである。
また、前後差(7.5−5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が7.5mmでの荷重(96.6N)と下降位置が5mmでの荷重(61.7N)との差が34.9Nである。
同様に、前後差(10−7.5)では、腰臀部位第1層11表面からの下降位置が10mmでの荷重(139.8N)と下降位置が7.5mmでの荷重(96.6N)との差が43.2Nである。
図6に示すように、下降位置が2.5mmから17.5mmまでは一定比率で荷重は増加し、下降位置が17.5mmから30mmまでは一定比率で荷重は増加し、下降位置が2.5mmから17.5mmまでの荷重増加率(A)よりも、下降位置が17.5mmから30mmまでの荷重増加率(B)が大きくなっている。
すなわち、腰臀部位第1層11表面から第1の下降位置までの第1反発力増加領域と、第1の下降位置を超えた下降位置での第2反発力増加領域とが存在し、第1反発力増加領域では第2反発力増加領域よりも緩やかな増加率となっている。
「実施例3」
実施例3は、嵩密度を変更した以外は、実施例1と同一形状、同一条件である。
実施例3では、腰臀部位10における荷重を160±10Nとしたとき、背部位20及び脚部位30における荷重を120±10Nとした。
「実施例4」
実施例4では、敷き寝具の厚さtを40mm、厚さt2を25mmに変更し、腰臀部位10における荷重が144±10N、背部位20及び脚部位30における荷重が70±10Nとなるように嵩密度を変更した以外は、実施例1と同一形状、同一条件である。
実施例4では、腰臀部位第1層11の嵩密度は30kg/m、腰臀部位第2層12の嵩密度は60kg/m、背部位第1層21の嵩密度は12.5kg/m、背部位第2層22の嵩密度は25kg/m、脚部位第1層31の嵩密度は12.5kg/m、脚部位第2層32の嵩密度は25kg/mであった。
「比較例1」
実施例1とは、厚さtを40mmに変更し、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31の厚さt1を10mmとし、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32の厚さt2を30mmとした以外は、同一形状、同一条件である。
実施例1から実施例4では、体圧分散性が高く質感を持たせることができたが、比較例1では、十分な体圧分散性を得ることができなかった。第1糸状ポリエチレン溶融樹脂と第2糸状ポリエチレン溶融樹脂とが絡み合う中間層が5±1mmの厚さで形成されることで、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31における第1糸状ポリエチレン溶融樹脂だけの層が薄くなったことに起因していた。
以上のように、敷き布団としての敷き寝具は、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を、40mm以上80mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、15mm以上で同じ厚さとするとともに、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30に対して37.5%以下の厚さとし、腰臀部位10が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層11から10mm下降させた時の荷重が110N以上170N以下であり、背部位20が、加圧板で背部位第1層21から10mm下降させた時の荷重が60N以上130N以下であり、脚部位30が、加圧板で脚部位第1層31から10mm下降させた時の荷重が60N以上130N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位20の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位30の荷重を小さくすることが好ましい。
本実施例によれば、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、15mm以上で、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30に対して37.5%以下の厚さとすることで、体圧分散性が高く質感を持たせることができるとともに、長期使用によるへたりを防止することができる。
以下に、ベッド用マットとして特に適した敷き寝具の実施例について説明する。
「実施例5」
実施例5は、幅Wが970mm、長さLが1950mm、厚さtが150mmの敷き寝具において、腰臀部位10の長さL1を650mm、背部位20の長さL2を650mm、脚部位30の長さL3を650mmとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、ポリエチレン樹脂による糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、厚さt1を45mmとし、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32を、ポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成し、厚さt2を105mmとした。
糸状ポリエチレン溶融樹脂を落下させる孔径は、糸状ポリプロピレン溶融樹脂を落下させる孔径より小さくすることで、糸状ポリエチレン溶融樹脂の太さを0.65±0.30mm、糸状ポリプロピレン溶融樹脂の太さを1.20±0.30mmとした。
腰臀部位第1層11、背部位第1層21、脚部位第1層31、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32は、糸状ポリエチレン溶融樹脂の引っ張り早さを変更することで嵩密度を変更した。
糸状ポリエチレン溶融樹脂と糸状ポリプロピレン溶融樹脂とを隣り合わせて落下させて成形することで、腰臀部位第1層11と腰臀部位第2層12との間、背部位第1層21と背部位第2層22との間、及び脚部位第1層31と脚部位第2層32との間には、糸状ポリエチレン溶融樹脂と糸状ポリプロピレン溶融樹脂とが絡み合う中間層が5±1mmの厚さで形成されていた。
腰臀部位第2層12に対する腰臀部位第1層11の腰臀部位嵩密度比、背部位第2層22に対する背部位第1層21の背部位嵩密度比、脚部位第2層32に対する脚部位第1層31の脚部位嵩密度比は、すべて1/2としている。
腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30での嵩密度は、反発力によって調整を行った。反発力は、直径150mmの加圧板で、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、又は脚部位第1層31側から、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を10mm下降させ、30秒経過後に荷重を測定した。測定には、株式会社イマダ社製デジタルフォースゲージ(ZTA−1000N)を用いた。
腰臀部位10における荷重を90±10Nとしたとき、背部位20及び脚部位30における荷重を68±10Nとした。
「比較例2」
実施例5とは、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31の厚さt1を25mmとし、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32の厚さt2を125mmとした以外は、同一形状、同一条件である。
腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32がポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成されているため、比較例2では、堅さを感じクッション性で劣っていた。
以上のように、ベッド用マットとしての敷き寝具は、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、ポリエチレン樹脂による糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32を、ポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成し、糸状ポリエチレン溶融樹脂を、糸状ポリプロピレン溶融樹脂よりも細くすることが好ましい。
また、ベッド用マットとしての敷き寝具は、腰臀部位10、背部位20、及び脚部位30を、150mm以上300mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、30mm以上45mm以下で同じ厚さとし、腰臀部位10が、直径150mmの加圧板で腰臀部位第1層11から10mm下降させた時の荷重が80N以上100N以下であり、背部位20が、加圧板で背部位第1層21から10mm下降させた時の荷重が58N以上78N以下であり、脚部位30が、加圧板で脚部位第1層31から10mm下降させた時の荷重が58N以上78N以下であり、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の背部位20の荷重を小さく、加圧板で10mm下降させた時の腰臀部位10の荷重よりも、加圧板で10mm下降させた時の脚部位30の荷重を小さくすることが好ましい。
本実施例によれば、糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31で体圧分布と寝姿勢保持性のバランスをとれ、腰臀部位第2層12、背部位第2層22、及び脚部位第2層32を、糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成することで、高い反発力を得ることができるとともに糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成した場合と比較して格段に軽量化を図ることができる。
また、本実施例によれば、腰臀部位第1層11、背部位第1層21、及び脚部位第1層31を、30mm以上45mm以下の厚さとすることで、体圧分散性が高く質感を持たせることができる。
本発明の敷き寝具は、敷き布団やベッド用マットに適している。
1 腰臀部
2 背部
3 脚部
10 腰臀部位
11 腰臀部位第1層
12 腰臀部位第2層
20 背部位
21 背部位第1層
22 背部位第2層
30 脚部位
31 脚部位第1層
32 脚部位第2層
50 樹脂プール

Claims (6)

  1. 複数の糸状溶融樹脂が絡み合うとともに部分的に熱溶着された編成樹脂網状構造体からなる敷き寝具であって、
    使用時に人体の腰臀部が位置する腰臀部位と、
    前記腰臀部位よりも前記人体の背部側に位置する背部位と、
    前記腰臀部位よりも前記人体の脚部側に位置する脚部位と
    を少なくとも有し、
    前記腰臀部位は、使用時に上面となる腰臀部位第1層と、前記腰臀部位第1層よりも下面となる腰臀部位第2層とを有し、
    前記背部位は、使用時に上面となる背部位第1層と、前記背部位第1層よりも下面となる背部位第2層とを有し、
    前記脚部位は、使用時に上面となる脚部位第1層と、前記脚部位第1層よりも下面となる脚部位第2層とを有し、
    前記背部位第1層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の嵩密度よりも小さくし、
    前記脚部位第1層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の前記嵩密度よりも小さくし、
    前記腰臀部位第2層の嵩密度を、前記腰臀部位第1層の前記嵩密度よりも大きくし、
    前記背部位第2層の嵩密度を、前記背部位第1層の前記嵩密度よりも大きくし、
    前記脚部位第2層の嵩密度を、前記脚部位第1層の前記嵩密度よりも大きくした
    ことを特徴とする敷き寝具。
  2. 前記腰臀部位第2層に対する前記腰臀部位第1層の腰臀部位嵩密度比と、
    前記背部位第2層に対する前記背部位第1層の背部位嵩密度比と、
    前記脚部位第2層に対する前記脚部位第1層の脚部位嵩密度比と
    を同じとしたことを特徴とする請求項1に記載の敷き寝具。
  3. 前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位を、40mm以上80mm以下で同じ厚さとし、
    前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、15mm以上で同じ厚さとするとともに、前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位に対して37.5%以下の厚さとし、
    前記腰臀部位が、直径150mmの加圧板で前記腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が100N以上180N以下であり、
    前記背部位が、前記加圧板で前記背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、
    前記脚部位が、前記加圧板で前記脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上140N以下であり、
    前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記背部位の前記荷重を小さく、
    前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記脚部位の前記荷重を小さく
    したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の敷き寝具。
  4. 前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、ポリエチレン樹脂による糸状ポリエチレン溶融樹脂で形成し、
    前記腰臀部位第2層、前記背部位第2層、及び前記脚部位第2層を、ポリプロピレン樹脂による糸状ポリプロピレン溶融樹脂で形成し、
    前記糸状ポリエチレン溶融樹脂を、前記糸状ポリプロピレン溶融樹脂よりも細くした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の敷き寝具。
  5. 前記腰臀部位、前記背部位、及び前記脚部位を、150mm以上300mm以下で同じ厚さとし、
    前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層を、15mm以上45mm以下で同じ厚さとし、
    前記腰臀部位が、直径150mmの加圧板で前記腰臀部位第1層から10mm下降させた時の荷重が60N以上120N以下であり、
    前記背部位が、前記加圧板で前記背部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、
    前記脚部位が、前記加圧板で前記脚部位第1層から10mm下降させた時の荷重が40N以上100N以下であり、
    前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記背部位の前記荷重を小さく、
    前記加圧板で10mm下降させた時の前記腰臀部位の前記荷重よりも、前記加圧板で10mm下降させた時の前記脚部位の前記荷重を小さく
    したことを特徴とする請求項4に記載の敷き寝具。
  6. 前記腰臀部位第1層、前記背部位第1層、及び前記脚部位第1層の内の少なくとも一つを、前記腰臀部位第2層、前記背部位第2層、及び前記脚部位第2層の内の少なくとも一つと異なる色とした
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の敷き寝具。
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