JP2017085020A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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雅良 春木
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Abstract

【課題】交流電圧の周波数に同期して生じる電子部品本体の応力および機械的歪みに起因する基板の振動音(鳴き)を十分に抑制した積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】積層体30と、積層体30の第1および第2の端面36a、36bに形成された第1および第2の外部電極60a、60bとを含む電子部品本体20と、第1および第2の外部電極60a、60bに電気的に接続された一対の金属端子80とを備える積層セラミック電子部品10であって、一対の金属端子80それぞれは、第1または第2の外部電極60a、60bに接合された端子接合部82と、基板100に接合される実装部84と、端子接合部82と実装部84を一体的に接続する延長部86とを含み、延長部86の積層方向における寸法hとし、電子部品本体20の積層方向における寸法tとしたとき、h/tが0.41以上である。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミック電子部品に関し、特に、電子部品本体と、電子部品本体の外部電極に接続された一対の金属端子とを備える、積層セラミック電子部品に関する。
近年、積層セラミック電子部品の薄層化技術および多層化技術の進展が目覚しく、例えば、アルミ電解コンデンサに匹敵する高静電容量を有した積層セラミックコンデンサが商品化されるようになった。積層セラミックコンデンサの積層体を形成するセラミック材料として、一般に、誘電率の比較的高い強誘電体材料(例えば、チタン酸バリウムなど)が用いられている。強誘電体材料は圧電性および電歪性を有するため、電界が加わった際に応力および機械的歪みが生じる。そして、これに伴って生じる振動が、積層セラミックコンデンサの積層体から外部電極を経て基板へと伝わることによって、基板全体が音響放射面となり、雑音となる振動音(鳴き)を発生させる恐れがあった。
上記した問題の対策を講じた積層セラミック電子部品として、例えば、特許文献1の電子部品がある。特許文献1の電子部品は、外部電極それぞれにはんだを用いて接続される一対の金属端子を備え、一対の金属端子が弾性的変形することにより、交流電圧の周波数に同期して生じる応力を緩和する。
特許第3847265号公報
特許文献1の電子部品は、上記のような構造を有するが、振動音(鳴き)を十分に抑制できていないという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、交流電圧の周波数に同期して生じる電子部品本体の応力および機械的歪みに起因する基板の振動音(鳴き)を十分に抑制した積層セラミック電子部品を提供することである。
この発明に係る積層セラミック電子部品は、複数のセラミック層および複数の内部電極層が積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面、積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面、並びに積層方向および幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面を有する積層体と、積層体の第1の端面に形成された第1の外部電極、および積層体の第2の端面に形成された第2の外部電極とを含む電子部品本体と、第1の外部電極および第2の外部電極に電気的に接続された一対の金属端子とを備える積層セラミック電子部品であって、一対の金属端子それぞれは、第1の外部電極または第2の外部電極に接合された端子接合部と、長さ方向に延び、積層セラミック電子部品が実装される基板に接合される実装部と、積層方向に延び、端子接合部と実装部を一体的に接続する延長部とを含み、延長部の積層方向における寸法hとし、電子部品本体の積層方向における寸法tとしたとき、h/tが0.41以上である、積層セラミック電子部品である。
この発明に係る積層セラミック電子部品は、一対の金属端子の延長部の積層方向における寸法hとし、電子部品本体の積層方向における寸法tとしたとき、h/tが0.41以上である。これにより、交流電圧が加わることにより生じる電子部品本体の機械的歪み量に対して、これを吸収するための延長部の適切な積層方向における寸法hが確保される。
この発明によれば、交流電圧の周波数に同期して生じる電子部品本体の応力および機械的歪みに起因する基板の振動音(鳴き)を十分に抑制した積層セラミック電子部品を提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観正面図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観平面図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す図3のIV−IV断面図である。 この発明に係る積層セラミック電子部品の効果を確かめるために発明者らが行った実験例で用いた測定装置の概略図である。
1.積層セラミック電子部品
以下、図1〜4を参照してこの発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品について説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観斜視図である。図2は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観正面図である。図3は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す外観平面図である。図4は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミック電子部品を示す図3のIV−IV断面図である。
積層セラミック電子部品10は、電子部品本体20と、一対の金属端子80とを備える。なお、この実施の形態に係る電子部品本体20はコンデンサである。
(電子部品本体20)
電子部品本体20は、積層体30と、第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bとを含む。
(積層体30)
積層体30は、複数のセラミック層40と、複数の第1の内部電極層50aおよび第2の内部電極層50bとが積層されることにより直方体状に形成され、積層(T)方向において相対する第1の主面32aおよび第2の主面32b、T方向に直交する幅(W)方向において相対する第1の側面34aおよび第2の側面34b、並びにT方向およびW方向に直交する長さ(L)方向において相対する第1の端面36aおよび第2の端面36bを含む。なお、第1の主面32aおよび第2の主面32bは、積層セラミック電子部品10が実装される基板100の実装面と平行になる。積層体30の角部および稜線部には、丸みが形成されることが好ましい。ここで、角部とは積層体30の3面が交わる部分であり、稜線部とは積層体30の2面が交わる部分である。
複数のセラミック層40は、外層部および内層部を含む。外層部は、積層体30の第1の主面32a側の領域(すなわち、第1の主面32aと、最も第1の主面32aに近い内部電極層との間の領域)、および積層体30の第2の主面32b側の領域(すなわち、第2の主面32bと、最も第2の主面32bに近い第1または第2の内部電極層50a、50bとの間の領域)に位置するセラミック層40である。そして、内層部は、外層部同士に挟まれた領域(すなわち、第1の主面32a側に位置する外層部と、第2の主面32b側に位置する外層部との間に挟まれた領域)に位置するセラミック層40である。セラミック層40の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
セラミック層40のセラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの成分を添加してもよい。この実施の形態に係る積層セラミック電子部品10は、このようなセラミック材料を用いることにより、コンデンサとして機能する。なお、セラミック材料として、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミックまたはフェライトなどの磁性体セラミックを用いることもできる。積層セラミック電子部品は、セラミック材料として圧電体セラミックを用いた場合に圧電部品として機能し、半導体セラミックを用いた場合にサーミスタとして機能し、磁性体セラミックを用いた場合にインダクタとして機能する。なお、積層セラミック電子部品がインダクタとして機能する場合、内部電極はコイル状の導体である。
第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとは、セラミック層40を挟んで交互に積層される。第1の内部電極層50aは、セラミック層40の界面を平板状に延び、その端部が積層体30の第1の端面36aに露出する。一方、第2の内部電極層50bは、セラミック層40を介して第1の内部電極層50aと対向するようにセラミック層40の界面を平板状に延び、その端部が積層体30の第2の端面36bに露出する。したがって、第1および第2の内部電極層50a、50bは、セラミック層40を介して互いに対向する対向電極部と、第1および第2の端面36a、36bに引き出された引出電極部とを含む。第1の内部電極層50aと第2の内部電極層50bとがセラミック層40を介して対向することにより静電容量が発生する。第1および第2の内部電極層50a、50bは、実装面に対して平行になるように形成されてもよいし、垂直になるように形成されてもよい。第1および第2の内部電極層50a、50bの厚みは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましい。
第1の内部電極層50aのW方向における両端辺それぞれは、積層体30の第1または第2の側面34a、34bと側部(Wギャップ)を介して相対する。また、第1の内部電極層50aのL方向における引出電極部と相対する側の端辺は、積層体30の第2の端面36bと端部(Lギャップ)を介して相対する。同様に、第2の内部電極層50bのW方向における両端辺それぞれは、積層体30の第1または第2の側面34a、34bと側部(Wギャップ)を介して相対する。また、第2の内部電極層50bのL方向における引出電極部と相対する側の端辺は、積層体30の第1の端面36aと端部(Lギャップ)を介して相対する。
第1および第2の内部電極層50a、50bとしては、例えば、Ni、Cu、Ag、PdまたはAuなどの金属や、これらの金属のうちの少なくとも1種を含む合金(例えば、Ag−Pd合金など)により構成することができる。また、第1および第2の内部電極層50a、50bは、セラミック層40に含まれるセラミックと同一組成系のセラミック粒子を含んでもよい。
(第1および第2の外部電極60a、60b)
第1の外部電極60aは、積層体30の第1の端面36aを覆うように形成される。第1の外部電極60aは、積層体30の第1の端面36aにのみ形成されてもよいし、積層体30の第1の端面36aから第1および第2の主面32a、32bそれぞれの一部、並びに第1および第2の側面34a、34bそれぞれの一部に至るように形成されてもよい。一方、第2の外部電極60bは、積層体30の第2の端面36bを覆うように形成される。第2の外部電極60bは、積層体30の第2の端面36bにのみ形成されてもよいし、第2の端面36bから第1および第2の主面32a、32bそれぞれの一部、並びに第1および第2の側面34a、34bそれぞれの一部に至るように形成されてもよい。
第1および第2の外部電極60a、60bは、下地電極層と、下地電極層を覆うように形成されるめっき層とを含む。
下地電極層は、焼付け層、樹脂層および薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む。焼付け層のガラスは、例えば、Si、Ba、B、Zn、Ca、Zr、Cuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層の金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体30に塗布して焼き付けることにより形成される。焼付け層は、第1および第2の内部電極層50a、50bと同時焼成することにより形成されてもよいし、第1および第2の内部電極層50a、50bを焼成したあと焼き付けることにより形成されてもよい。焼付け層の厚み(最も厚い部分)は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。焼付け層の表面には、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層が形成されてもよい。なお、樹脂層は、焼付け層を形成せずに積層体30上に直接形成してもよい。樹脂層は、複数層であってもよい。樹脂層の厚み(最も厚い部分)は、10μm以上150μm以下であることが好ましい。薄膜層は、スパッタ法または蒸着法などの薄膜形成法により形成される金属粒子が堆積した層である。薄膜層の厚みは、1μm以下であることが好ましい。
めっき層は、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどから選ばれる少なくとも1つを含む。好ましくは、Niめっき層とSnめっき層を含む2層構造である。Niめっき層を形成することにより、実装用はんだが下地電極層を侵食することを防止することができる。また、Snめっき層を形成することにより、実装用はんだの濡れ性が向上するため、積層セラミック電子部品10を容易に実装することができる。なお、めっき層は1層であってもよいし、3層以上であってもよい。めっき層1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
(一対の金属端子80)
一対の金属端子80は、電子部品本体20を基板100に実装するために設けられる。一対の金属端子80のうち一方は、はんだ90(接合材)を用いて第1の外部電極60aに電気的に接続される。同様に、一対の金属端子80のうち他方は、はんだ90を用いて第2の外部電極60bに電気的に接続される。
一対の金属端子80は、例えば、板状のリードフレームにより形成される。一対の金属端子80は、第1または第2の外部電極60a、60bに接続される第1の主面(すなわち、電子部品本体20側の面)と、第1の主面に相対する第2の主面(すなわち、電子部品本体20とは反対側の面)と、厚みを形成する周囲面(すなわち、第1の主面と第2の主面を接続する面)とを有する。
金属端子80は、第1または第2の外部電極60a、60bにはんだ90を用いて接合される端子接合部82と、基板100に接合される実装部84と、端子接合部82と実装部84を一体的に接続する延長部86とを含む。端子接合部82と延長部86はT方向に延びる一枚の平板状に一体的に形成され、実装部84はL方向に延びる平板状に形成される。すなわち、金属端子80は断面L字状である。なお、延長部86と実装部84とが交わる角部には丸みが形成されてもよい。
端子接合部82は、例えば矩形状である。端子接合部82の幅寸法(W方向における寸法)は、例えば、積層体30の第1または第2の端面36a、36b側に形成された第1または第2の外部電極60a、60bの幅寸法(W方向における寸法)と同等である。
実装部84は、延長部86の下端部(底辺)から電子部品本体20側に直角に屈曲してL方向に延びる。実装部84の長さ寸法(L方向における寸法)は、積層体30の第2の主面32b側に形成された第1または第2の外部電極60a、60bの長さ寸法(L方向における寸法)よりも長いことが好ましい。これにより、積層セラミック電子部品10を基板100に実装する際、下方からカメラを用いて画像認識することにより位置検出する場合、第1および第2の外部電極60a、60bを金属端子80として誤認識することを抑制できるため、検出ミスを防止することができる。また、実装部84の長さ寸法は、延長部86の長さ寸法(T方向における寸法)よりも長く形成されてもよい。なお、実装部84は、電子部品本体20とは反対側に直角に屈曲してL方向に延びてもよい。
延長部86は、例えば矩形状であり、電子部品本体20の底面(積層体30の第2の主面32b側の面)と基板100との間に隙間を形成するように設けられる。すなわち、電子部品本体20は、金属端子80の延長部86により基板100から浮いた態様になる。延長部86のT方向における寸法hとし、電子部品本体20のT方向における寸法tとしたとき、h/tは0.41以上である。
金属端子80は、端子本体と、端子本体の表面に形成されるめっき膜とにより形成される。めっき膜は、端子本体の表面に形成される下層めっき膜と、下層めっき膜の表面に形成される上層めっき膜とを有する。下層めっき膜および上層めっき膜のそれぞれは、複数層であってもよい。端子本体の厚みは、0.05mm以上0.5mm以下程度であることが好ましい。下層めっき膜の厚みは、0.2μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。上層めっき膜の厚みは、1.0μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。なお、めっき膜は、金属端子80の実装部84および延長部86の周囲面において形成されなくてもよいし、金属端子80の周囲面の全てにおいて形成されなくてもよい。金属端子80の周囲面のめっき膜を除去する方法としては、機械的に除去する方法(例えば切削、研磨など)、レーザートリミングにより除去する方法、めっき剥離剤(例えば水酸化ナトリウムなど)により除去する方法、およびめっき膜を形成しない部分をレジストで覆ってから形成する方法などがある。
端子本体は、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなる。好ましくは、端子本体は、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなる。具体的には、例えば、端子本体の母材はFe−42Ni合金やFe−18Cr合金からなる。下層めっき膜は、Ni、Fe、Cu、Ag、Crまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなる。好ましくは、下層めっき膜は、Ni、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなる。端子本体および下層めっき膜のそれぞれが高融点のNi、Fe、Crまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなることにより、第1および第2の外部電極60a、60bの耐熱性を向上させることができる。上層めっき膜は、Sn、Ag、Auまたはこれらの金属のうちの1種以上の金属を主成分として含む合金からなる。好ましくは、上層めっき膜は、SnまたはSnを主成分として含む合金からなる。上層めっき膜がSnまたはSnを主成分として含む合金からなることにより、一対の金属端子80と第1および第2の外部電極60a、60bとのはんだ付き性を向上させることができる。
(はんだ90)
はんだ90(接合材)は、一対の金属端子80それぞれの端子接合部82と、積層セラミック電子部品10とを接合する。はんだ90は、例えば、Sn−Sb系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Bi系などのLFはんだを用いることができる。なお、Sn−Sb系はんだを用いる場合、Sb含有率が5%以上15%以下程度であることが好ましい。電子部品本体20の体積Vcとし、はんだ90の体積Vhとしたとき、Vc/Vhは、21より大きく320より小さい(すなわち、21<Vc/Vh<320)ことが好ましい。Vc/Vhが21以下の場合、鳴きを十分に抑制することができない。また、Vc/Vhが320以上の場合、はんだ90の固着力が不十分となる。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミック電子部品10は、電子部品本体20を基板100から浮かせる態様とする一対の金属端子80を備える。これにより、交流電圧が加わることにより生じる電子部品本体20の機械的歪みが金属端子80の弾性変形により吸収される。そして、この実施の形態に係る積層セラミック電子部品10は、一対の金属端子80の延長部86(電子部品本体20の底面から基板100までT方向に延びる部分)のT方向における寸法hとし、電子部品本体20のT方向における寸法tとしたとき、h/tが0.41以上である。これにより、交流電圧が加わることにより生じる電子部品本体20の機械的歪み量に影響するそのT方向における寸法tに対して、これを弾性変形して吸収するための延長部86の適切なT方向における寸法hが確保される。したがって、交流電圧の周波数に同期して生じる電子部品本体20の応力および機械的歪みに起因する基板100の振動音(鳴き)を十分に抑制することができる。
また、この実施の形態に係る積層セラミック電子部品10は、その一対の金属端子80それぞれが断面L字状に形成される。これにより、積層セラミック電子部品10の基板100が撓むことに対する耐性を向上させることができる。
また、この実施の形態に係る積層セラミック電子部品10は、その一対の金属端子80のめっき膜が金属端子80の実装部84および延長部86の周囲面において形成されない場合、積層セラミック電子部品10を基板100に実装用はんだを用いて接合する際、実装用はんだの金属端子80への濡れ上がりを抑制することができる。これにより、電子部品本体20と金属端子80との間の浮き部分に実装用はんだが充填されることを防止することができるため、浮き部分の空間を十分に確保することができる。したがって、基板100に振動が伝わることを抑制することができ、積層セラミック電子部品10の鳴き抑制効果を安定して発揮することができる。
(変形例)
積層セラミック電子部品10の一対の金属端子80には、電子部品本体20の第1および第2の側面34a、34bと対向して延びるリブ部が形成されてもよい。具体的には、リブ部は、端子接合部82のW方向における端辺から電子部品本体20の第1および第2の側面34a、34bと間隙を介して対向し、L方向に延びる。このようなリブ部が設けられることにより、端子接合部82の剛性を向上させることができるため、例えば、積層セラミック電子部品10にL方向から荷重が加えられた際に生じ得る端子接合部82の変形を抑制することができる。さらに、金属端子80と第1および第2の外部電極60a、60bとの接合面積を大きくすることができるため、金属端子80と電子部品本体20との接合はずれを抑制することができる。
2.積層セラミック電子部品の製造方法
積層セラミック電子部品の製造方法について、上記した実施の形態に係る積層セラミック電子部品10を例にして説明する。はじめに電子部品本体20(コンデンサ)を作製する工程について説明し、そのあと電子部品本体20に一対の金属端子80を取り付ける工程について説明する。
(電子部品本体を作製する工程)
まず、セラミックシートと、内部電極用の導電性ペーストとを準備する。セラミックシートや内部電極用の導電性ペーストは、バインダ(例えば、公知の有機バインダなど)および溶剤(例えば、有機溶剤など)を含む。
次に、セラミックシート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極用の導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。このようにして、内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを作製する。また、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックシートも作製する。
そして、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックシートを所定枚数積層し、その表面に内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを順次積層し、その表面に外層用のセラミックシートを所定枚数積層することにより、積層シートを作製する。
さらに、積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスし、積層ブロックを作製する。
つづいて、積層ブロックを所定のサイズにカットすることにより積層チップを作製する。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みが形成されてもよい。
次に、積層チップを焼成することにより積層体を作製する。焼成温度は、セラミックや内部電極の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
最後に、積層体の両端面に外部電極用の導電性ペーストを塗布し、焼き付け、外部電極の焼き付け層を形成する。焼き付け温度は700℃以上900℃以下であることが好ましい。必要に応じて、焼付け層の表面にめっき層を形成してもよい。以上のようにして電子部品本体(コンデンサ)を作製する。
(電子部品本体に一対の金属端子を取り付ける工程)
まず、一対の金属端子を準備する。
そして、一対の金属端子を電子部品本体の外部電極に接合材を用いて接合する。接合材には、はんだを用いる。はんだ付けは、例えばリフローにおいて温度270℃以上290℃以下の熱を30秒以上与えることにより行う。以上のようにして電子部品本体に一対の金属端子を取り付ける。
3.実験例
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例について説明する。実験例では、上記した積層セラミック電子部品の製造方法にしたがい、実施例1〜5並びに比較例1および2の試料を作製し、それぞれの音圧レベル(dB)を測定し、音圧レベル比(%)を算出した。ここで、音圧レベル比(%)とは、金属端子が取り付けられていない電子部品本体(すなわち、比較例1)の音圧レベル(dB)を100%としたときの各試料の音圧レベル(dB)の比率である。なお、実施例1〜5並びに比較例1および2の試料はそれぞれ5個ずつ作製した。実施例1〜5並びに比較例1および2の測定値のそれぞれは、5個の試料の平均値である。
実施例1〜5並びに比較例1および2の電子部品本体(コンデンサ)のスペックは以下の通りである。なお、サイズなどの寸法は設計値である。
サイズ:L×W×T=3.2mm×1.6mm×1.6mm(すなわち、電子部品本体のT方向における寸法t=1.6mm)
セラミック材料:BaTi23
内部電極:Ni
外部電極:焼付け層(Cuおよびガラス)、およびめっき層(Niめっき層およびSnめっき層)からなる構造
実施例1〜5および比較例2の一対の金属端子のスペックは以下の通りである。なお、金属端子を電子部品本体に接合する接合材としてLFはんだを用いた。
端子本体:Fe−18Cr合金
めっき膜:NiめっきおよびSnめっき
(実施例)
実施例1は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、0.6mmである。
実施例2は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、0.8mmである。
実施例3は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、1.0mmである。
実施例4は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、1.3mmである。
実施例5は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、1.6mmである。
なお、金属端子の延長部のT方向における寸法hは、電子部品本体のT方向における寸法t(1.6mm)よりも大きくすると実装スペースを取り過ぎるため、狙い値1.6mmより大きい実施例は作製しなかった。
(比較例)
比較例1は、電子部品本体のみ(h=0mm)である。
比較例2は、金属端子の延長部のT方向における寸法hの狙い値は、0.3mmである。
(金属端子の延長部のT方向における寸法h(実測値)の測定方法)
図2を参照して、金属端子80の延長部86のT方向における寸法hの測定方法を説明する。積層セラミック電子部品10の第1の側面34a(または第2の側面34b)から画像寸法測定機(キーエンス社製、IM−6140)を用いて画像処理を行い、はんだ90の端子接合部82側の最下点を求める。求めたはんだ90の最下点から金属端子80の下端部まで垂線を下ろし、その垂線の長さを金属端子80の外面に沿って測定した。第1の外部電極60aに接合される金属端子80の垂線の長さをh1、第2の外部電極60bに接合される金属端子80の垂線の長さをh2とし、h1とh2の平均値を金属端子80の延長部86のT方向における寸法hの実測値とした。
(電子部品本体のT方向における寸法t(実測値)の測定方法)
図2を参照して、電子部品本体20のT方向における寸法tの測定方法を説明する。積層セラミック電子部品10の第1の側面34a(または第2の側面34b)から画像寸法測定機(同前)を用いて画像処理を行い、電子部品本体20の最上点と最下点を求め、その間の距離を測定した。第1の外部電極60a側の寸法をt1、第2の外部電極60b側の寸法をt2とし、t1とt2の平均値を電子部品本体20のT方向における寸法tの実測値とした。電子部品本体20のT方向における寸法tは、金属端子80の端子接合部82および延長部86が延びる方向に沿った電子部品本体20の厚み寸法を測定することにより実測値を求めた。
(音圧レベルの測定方法)
図5は、この発明に係る積層セラミック電子部品の効果を確かめるために発明者らが行った実験例で用いた測定装置の概略図である。実施例1〜5並びに比較例1および2の各試料(積層セラミック電子部品10)を実装用はんだによって厚み1.6mmの基板100(ガラスエポキシ基板)に取り付け、図5に示すような測定装置を用いて基板100の振動音(鳴き)を測定した。すなわち、積層セラミック電子部品10が実装された基板100を無響箱102内に設置し、周波数3kHz、電圧1Vppの交流電圧を印加した。その際に発生した振動音(鳴き)を基板100から3mm離して設置した集音マイク104で集音し、その音圧レベル(dB)を騒音計106およびFFTアナライザ108(株式会社小野測器製 CF−5220)で測定した。
実施例1〜5並びに比較例1および2において、比較例1(電子部品本体20のみ)よりも30%以上音圧レベル(dB)を抑制できるものをG、30%より小さいものをNGと評価した。
(評価結果)
表1に、実施例1〜5並びに比較例1および2の実験結果を示す。なお、表1に示すh/tの値は、hの実測値(mm)とt(1.6(mm))とに基づいて算出し、有効数字3桁とした値である。
Figure 2017085020
表1に示すように、実施例1〜5の評価はいずれもGであり、音圧レベル(dB)を十分に抑制できた。一方、比較例1および2はいずれもNGであり不良であった。以上の評価結果により、一対の金属端子の延長部のT方向における寸法hとし、電子部品本体のT方向における寸法tとしたとき、h/tを0.41以上とすることにより、交流電圧の周波数に同期して生じる電子部品本体の応力および機械的歪みに起因する基板の振動音(鳴き)を十分に抑制できることを確認できた。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
10 積層セラミック電子部品
20 電子部品本体
30 積層体
32a 第1の主面
32b 第2の主面
34a 第1の側面
34b 第2の側面
36a 第1の端面
36b 第2の端面
40 セラミック層
50a 第1の内部電極層
50b 第2の内部電極層
60a 第1の外部電極
60b 第2の外部電極
80 一対の金属端子
82 端子接合部
84 実装部
86 延長部
90 はんだ
100 基板
102 無響箱
104 集音マイク
106 騒音計
108 FFTアナライザ

Claims (1)

  1. 複数のセラミック層および複数の内部電極層が積層されることにより直方体状に形成され、積層方向において相対する第1の主面および第2の主面、積層方向に直交する幅方向において相対する第1の側面および第2の側面、並びに積層方向および幅方向に直交する長さ方向において相対する第1の端面および第2の端面を有する積層体と、前記積層体の第1の端面に形成された第1の外部電極、および前記積層体の第2の端面に形成された第2の外部電極とを含む電子部品本体と、
    前記第1の外部電極および前記第2の外部電極に電気的に接続された一対の金属端子とを備える積層セラミック電子部品であって、
    前記一対の金属端子それぞれは、前記第1の外部電極または前記第2の外部電極に接合された端子接合部と、前記長さ方向に延び、前記積層セラミック電子部品が実装される基板に接合される実装部と、前記積層方向に延び、前記端子接合部と前記実装部を一体的に接続する延長部とを含み、
    前記延長部の前記積層方向における寸法hとし、前記電子部品本体の前記積層方向における寸法tとしたとき、h/tが0.41以上である、積層セラミック電子部品。
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