JP2017084758A - マグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池 - Google Patents

マグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池 Download PDF

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Abstract

【課題】過酸化水素の発生を抑制するマグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池を提供すること。
【解決手段】コバルト錯体および鉄錯体からなる群から選ばれる一種以上の金属錯体を含むマグネシウム空気電池用電極。前記金属錯体が、コバルト錯体である前記マグネシウム空気電池用電極。前記コバルト錯体が、配位原子を有し、該配位原子のうち少なくとも1つが、窒素原子または酸素原子である前記マグネシウム空気電池用電極。前記金属錯体が、鉄錯体である前記マグネシウム空気電池用電極。前記マグネシウム空気電池用電極を有するマグネシウム空気電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池に関する。
マグネシウム空気電池は、当該電池外部から正極活物質である酸素が供給されるため、電池内に正極活物質を収容する必要がない。そのため、電池内に大量の負極活物質を充填することができ、非常に高いエネルギー密度を達成することができるため、期待が寄せられている。
マグネシウム空気電池は、酸素の還元能を有する正極と、マグネシウムまたはマグネシウム合金を負極活物質とする負極と、電解液とを有する電池である。電池の放電反応は、以下の式で表わされる。
正極:O+2HO+4e → 4OH
負極:2Mg+4OH → 2Mg(OH)+4e
全反応:2Mg+O+2HO → 2Mg(OH)
マグネシウム空気電池として、例えば、特許文献1には、正極としてカーボン(炭素繊維シート)を用いたマグネシウム空気電池が開示されている。
特開2011−181382号公報
しかしながら、特許文献1に記載の正極としてカーボンのみを用いたマグネシウム空気電池は、過酸化水素が大量に発生してしまう課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、過酸化水素の発生を抑制するマグネシウム空気電池用電極およびマグネシウム空気電池を提供する。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
本発明は第一に、コバルト錯体および鉄錯体からなる群から選ばれる一種以上の金属錯体を含むマグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第二に、前記金属錯体が、コバルト錯体である前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第三に、前記コバルト錯体が、配位原子を有し、該配位原子のうち少なくとも1つが、窒素原子または酸素原子である前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第四に、前記コバルト錯体が、2つ以上の配位原子を有し、該配位原子が、窒素原子および酸素原子である前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第五に、前記コバルト錯体が、多核錯体である前記マグネシウム空気電池電極を提供する。
本発明は第六に、前記金属錯体が、鉄錯体である前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第七に、前記鉄錯体が、配位原子を有し、該配位原子の全てが窒素原子である前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第八に、更に、導電性カーボンを含む前記マグネシウム空気電池用電極を提供する。
本発明は第九に、前記マグネシウム空気電池用電極を有するマグネシウム空気電池を提供する。
本発明によれば、マグネシウム空気電池を発電させた際、過酸化水素の発生量を抑制させることができる。
本実施形態のマグネシウム空気電池の一例を示す概略模式図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
<電極>
本発明のマグネシウム空気電池用電極は、コバルト錯体および鉄錯体からなる群から選ばれる一種以上の金属錯体を含む。
(コバルト錯体)
コバルト錯体とは、中心金属としてコバルト原子またはイオンを有し、有機配位子からなる。該有機配位子は、中心金属に配位する配位原子を有しており、配位原子のうち少なくとも1つが、窒素原子または酸素原子であることが好ましく、配位原子の全てが、窒素原子および/または酸素原子であることがより好ましく、配位原子の全てが、窒素原子および酸素原子であることが更に好ましい。コバルト錯体は、酸素の還元能を有することが好ましい。ここで、酸素の還元能とは、酸素を水酸化物イオンに還元できることを意味する。
酸素の還元能を有するコバルト錯体としては、コバルトポルフィリン、コバルトベンゾポルフィリン、コバルトフタロシアニン、コバルトポルフィセン、サルコミンなどのコバルト単核錯体や、1つの分子内に複数のコバルト原子またはコバルトイオンを有するコバルト多核錯体などが例示される。
コバルト単核錯体について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。電荷、対イオンは省略している。
Figure 2017084758
コバルト多核錯体について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で置換されていてもよい。なお、コバルト多核錯体の電荷、対イオンは省略している。コバルトの一部が別の金属原子、金属イオンで置換されてもよい。
Figure 2017084758
前記置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲノ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;メルカプト基;スルホン酸基;ニトロ基;ホスホン酸基;炭素数1〜4のアルキル基を有するシリル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の全炭素数1〜50の直鎖、分岐又は環状の飽和ヒドロカルビル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等の全炭素数1〜50の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基等の全炭素数6〜60の1価の芳香族基が例示され、好ましくは、ハロゲノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜20の飽和ヒドロカルビル基、全炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基、全炭素数6〜30の1価の芳香族基であり、より好ましくは、クロロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基である。
(鉄錯体)
鉄錯体とは、中心金属として鉄原子またはイオンを有し、有機配位子からなる。該有機配位子は、中心金属に配位する配位原子を有しており、配位原子のうち少なくとも1つが、窒素原子または酸素原子であることが好ましく、配位原子の全てが、窒素原子であることがより好ましい。鉄錯体は、酸素の還元能を有することが好ましい。
酸素の還元能を有する鉄錯体としては、鉄フタロシアニンや鉄ナフタロシアニンなどの鉄単核錯体や、1つの分子内に複数の鉄原子または鉄イオンを有する鉄多核錯体などが例示される。
鉄単核錯体について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。電荷、対イオンは省略している。
Figure 2017084758
鉄多核錯体について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で置換されていてもよい。なお、鉄多核錯体の電荷、対イオンは省略している。鉄の一部が別の金属原子、金属イオンで置換されてもよい。
Figure 2017084758
前記置換基としては、上述と同じものがあげられる。
本発明のマグネシウム空気電池用電極に用いられる金属錯体は、密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)で、前記金属錯体が、酸素分子を吸着することに伴うエネルギー変化量が−50〜−230kJ/molと計算されることが好ましい。この範囲とすることで、酸素還元に優れるマグネシウム空気電池用電極が得られる。
(密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)の説明)
本発明のマグネシウム空気電池用電極に用いられる金属錯体は、密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)で、前記金属錯体が、酸素分子を吸着することに伴うエネルギー変化量が−50〜−230kJ/molと計算されることが好ましい。エネルギー変化量として、より好ましくは−55〜−200kJ/molであり、特に好ましくは−60〜−180kJ/molである。上記のエネルギー計算を行うプログラムはGAUSSIAN INC社のGAUSSIAN09である。エネルギー計算を行う時は、カチオン状態、中性またはアニオン状態の取り得る各状態で、最安定なスピン状態での構造最適化計算を行い、最も安定な状態のエネルギー値を採用する。また、上記のエネルギー計算を行う際は、金属錯体において、水和して脱離していると考えられる置換基は除いた構造で行う。酸素分子が吸着する構造についても、最も安定な状態で、最安定なスピン状態での構造最適化計算を行い、最も安定な状態のエネルギー値を採用する。そのエネルギー値から、吸着前の錯体のエネルギー値と酸素分子単独のエネルギー値を引き算して、エネルギー変化量とする。金属錯体の選定方法としては、例えば、公知の金属錯体のエネルギー変化量を計算することで、上述の範囲に含まれるものを適宜選ぶことができる。
このような金属錯体を、マグネシウム空気電池用電極に用いることで、酸素還元に優れるマグネシウム空気電池用電極が得られる理由は、定かではないが、本発明者らは次のように推定する。
金属錯体を用いた触媒反応では、一般的に反応性のある分子が配位しやすいように配位不飽和の場所が生じていると考えられ、これらの金属錯体の中でもハロゲンやアルコキシ基、カルボン酸基などの比較的大きさが小さくかつ水溶性の高い配位子を有する錯体では、それらの配位子が水中では脱離し、酸素分子が中心金属に配位しやすい環境と考えられる。本発明のマグネシウム空気電池の正極に存在する金属錯体においても、同様な配位不飽和な場所を有する構造で還元反応が進むと考える。さらにこの酸素分子還元反応は正極において起こるものであるが、この正極では、負極から導電体を通って電子が来るため、当該金属錯体はアニオンになる可能性が高いと考える。その配位不飽和で且つアニオンとなった金属錯体に、酸素分子が安定に吸着することが必要であると考える。ただし、過度の安定化は単なる金属の酸化等の望ましくない反応を引き起こすこともあるので、適度な安定性でよいものと考えられる。そこで本発明では、金属錯体の酸素分子吸着能を量子化学計算で計算した。
更に、本発明の金属錯体は、密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)で、アニオン状態の前記金属錯体が、水分子を吸着することに伴うエネルギー変化量が0〜−80kJ/molと計算されることが好ましい。水分子の吸着に伴うエネルギー変化量として、より好ましくは、−20〜−75kJ/molであり、特に好ましくは、−40〜−70kJ/molである。上記のエネルギー計算を行うプログラムは上述と同じものを用い、上述と同様に、酸素分子を、水分子に読み替えて、計算を行う。
酸素分子を吸着することに伴うエネルギー変化量が−50〜−230kJ/molと計算される金属錯体について、好ましい構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。電荷、対イオンは省略している。また、Mは鉄またはコバルトを表す。
Figure 2017084758
前記置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲノ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;メルカプト基;スルホン酸基;ニトロ基;ホスホン酸基;炭素数1〜4のアルキル基を有するシリル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の全炭素数1〜50の直鎖、分岐又は環状の飽和ヒドロカルビル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等の全炭素数1〜50の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基等の全炭素数6〜60の1価の芳香族基が例示され、好ましくは、ハロゲノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜20の飽和ヒドロカルビル基、全炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルコキシ基、全炭素数6〜30の1価の芳香族基であり、より好ましくは、クロロ基、ブロモ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基である。
本発明の金属錯体は、式(1)で表される芳香族化合物を配位子とすることが好ましい。本錯体を用いることで、酸素還元に優れるマグネシウム空気電池用電極が得られる。
Figure 2017084758
(式(1)中、Q、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(1)中、電荷の記載は省略してある。)
式(1)は電荷の記載を省略してある。式(1)中のNはプロトンがついてもよく、式(1)中のフェノラートにはプロトンがついてフェノール構造になっていてもよい。
上記R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。R、R、Rにおける一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホン酸基、ニトロ基、ホスホン酸基、アルキル基を有する全炭素数1〜18のシリル基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、全炭素数6〜60の芳香族基が例示される。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子などが例示される。
前記アルキル基を有する全炭素数1〜18のシリル基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などが例示される。
前記全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基などが例示される。
前記全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが例示される。
前記全炭素数6〜60の芳香族基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基などが例示される。
前記Rは水素原子、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数6〜60の芳香族基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数6〜36の芳香族基がより好ましく、全炭素数6〜18の芳香族基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。該フェニル基には置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。
前記Rは水素原子、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖飽和炭化水素基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
4つあるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
前記Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基、全炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基がより好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基が更に好ましい。
6つあるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよいが、異なっていることが好ましい。6つあるRのうち、Rと結合するベンゼン環の置換基Oの位置から見て、メタ位にあるRは、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基よりも水素原子であることが好ましい。Rを有するベンゼン環のOの位置から見て、パラ位にあるRは水素原子よりも全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基であることが好ましい。
上記Qは水素原子または一価の置換基である。Qにおける一価の置換基としては、上記R、R、Rにおける一価の置換基と同じものが例示され、加えてフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、フォスファベンゼン環、などの全炭素数3〜60の芳香族複素環が例示される。これらの環はハロゲン原子や炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基、炭素原子数1〜18のヒドロカルビルオキシ基を置換基として有していてもよい。ただし、該置換基は、酸素還元活性に影響を与えない範囲で汎用溶媒に対する溶解性を増し操作性を向上させる目的で導入され得るものであるため、金属中心への電子的な寄与が少ない炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基が好ましい。また、これらの環はさらに芳香環が縮合していてもよい。
なお、Qにおける一価の置換基であるこれらの環は、一価の置換基であるので、これらの環から水素原子を一つ除いてなる基のことを指す。例えば、該これらの環が具体的にピリジン環であれば、Qはピリジル基である。
2つあるQは2つとも水素原子であるよりも少なくとも一方は一価の置換基であることが好ましく、2つとも一価の置換基であることがより好ましい。
における一価の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホン酸基、ニトロ基、ホスホン酸基、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基、全炭素数6〜18の芳香族基、全炭素数3〜18の芳香族複素環が好ましく、ハロゲン原子、全炭素数3〜18の芳香族複素環がより好ましい。該芳香族複素環としては、酸素還元活性が高くなるので、窒素含有複素環であることが好ましい。該窒素含有複素環としては、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、ジピロリルメチレン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環、アクリジン環、N−アルキルピロール環などが挙げられ、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、イミダゾール環が好ましく、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環がより好ましい。Qにおける置換基としてのハロゲン原子は、塩素原子または臭素原子が好ましい。
が一定以上嵩高いと、2つあるQ同士の立体反発により配位子の分子構造が平面性を損なって酸素還元活性が低下するので、Qは、式(1)で表される芳香族化合物が平面性を保つ程度に嵩が小さい置換基であることが好ましい。
2つあるQは同じでも異なっていてもよいが、上述のように2つあるQ同士が立体反発をしないように、片方のQが嵩高い場合はもう片方のQはコンパクトであることが好ましい。例えば、片方のQがフェナンスロリン環やビピリジン環であれば、もう方方のQは水素原子やハロゲン原子であることが好ましい。
製造容易性の観点から、2つあるQは同じであることが好ましい。
前記式(1)で表される芳香族化合物の具体例を、以下(A1)〜(A30)に示す。
Figure 2017084758
Figure 2017084758
Figure 2017084758
(A1)〜(A30)の電荷は式(1)と同様に省略してある。Meはメチル基、Etはエチル基、nBuはノルマルブチル基、tBuはtert−ブチル基、nOctはノルマルオクチル基、tOctはtert−オクチル基である。(A1)〜(A30)にRが記載されている場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基である。Rが水素原子のとき、プロトンとして外れてもよい。
A1〜A30のうち、式(1)中の2つのQに相当する置換基同士の立体障害が少ない観点で、好ましくはA1〜A3、A5〜A13、A15、A16、A18、A20、A22、A24〜30であり、式(1)中の2つのQに相当する置換基のうち少なくとも1つがハロゲン原子または窒素含有複素環である観点から、より好ましくはA5〜A13、A15、A20、A22、A24〜29であり、式(1)中の2つのQに相当する置換基が同じである観点から更に好ましくは、A5〜A13、A15、A20、A22である。
前記金属錯体は、金属の数と電価によって、全体が中性になるようにカウンターアニオンを有していてもよい。カウンターアニオンの種類の例としては、後述する金属塩のアニオン部が上げられる。すなわち、例えば酢酸イオン、ハロゲン化物イオンなどを有していてもよい。該金属錯体は、電極として用いる際の取扱容易性の観点から、錯体1分子に対しカウンターアニオン0〜1個であることが好ましい。
前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体の具体例を、以下Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26、Co2−A27、Co2−A28、Co2−A29に示す。
Figure 2017084758

Figure 2017084758
上記式の電荷およびカウンターアニオンは省略してある。Rが記載されている場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基である。
Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26、Co2−A27、Co2−A28、Co2−A29のうち、配位子構造が式(1)中の2つのQに相当する置換基が同じである観点から、好ましくは、Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22である。金属種が鉄またはコバルトである観点から、より好ましくはCo−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22である。金属種にコバルトを含む観点から、更に好ましくはCo−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Co2−A9、Co2−A10、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Co−A12、Co−A20、Co2−A22である。
(金属錯体の製造方法)
次に、本発明で用いられる金属錯体の製造方法について説明する。
金属錯体の製造方法には、特に制限はないが、本発明に好適に用いられる酸素の還元能を有する金属錯体は、例えば、配位子化合物を有機化学的に合成した後、得られた化合物を、金属原子または金属イオンを付与する反応剤(以下、「金属付与剤」と言う。)と混合し、反応させることにより得られる。反応させる金属付与剤の量は特に限定されず、目的とする金属錯体に応じて、金属付与剤の量を調節すればよいが、通常、配位子化合物に対して過剰量の金属付与剤を反応させることが好ましい。
前記配位子化合物について、具体的な構造式を例示する。構造式における水素原子は、他の置換基で、置換されていてもよい。
Figure 2017084758

Figure 2017084758


Figure 2017084758
前記金属付与剤としては、中心金属をコバルトとする場合、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、臭化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、水酸化コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、過塩素酸コバルト(II)、トリフルオロ酢酸コバルト(II)、トリフルオロメタンスルホン酸コバルト(II)、テトラフルオロホウ酸コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸コバルト(II)、テトラフェニルホウ酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、安息香酸コバルト(II)等があげられ、好ましくは、酢酸コバルト(II)、塩化コバルト(II)である。
前記金属付与剤は、水和物であってもよく、例えば、酢酸コバルト(II)4水和物、塩化コバルト(II)6水和物があげられる。
前記金属付与剤としては、中心金属を鉄とする場合、酢酸鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、リン酸鉄(III)、過塩素酸鉄(II)、過塩素酸鉄(III)、トリフルオロ酢酸鉄(II)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(II)、テトラフルオロホウ酸鉄(II)、テトラフェニルホウ酸鉄(II)、ステアリン酸鉄(II)、ステアリン酸鉄(III)、等があげられ、好ましくは、酢酸鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)である。
前記金属付与剤は、水和物であってもよく、例えば、塩化鉄(II)4水和物、塩化鉄(III)6水和物があげられる。
前記配位子化合物および金属付与剤を混合する工程は、適当な溶媒の存在下で行う。反応で用いられる溶媒(反応溶媒)としては、水;酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;アンモニア水、トリエチルアミン等のアミン類;メタノール、エタノール、n−プロパノ−ル、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、デュレン、デカリン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。なお、これらの反応溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、前記溶媒としては、配位子となる芳香族化合物および金属付与剤が溶解し得る溶媒が好ましい。
前記配位子化合物および金属付与剤の混合温度は、好ましくは−10℃以上250℃以下、より好ましくは0℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは0℃以上150℃以下である。
また、前記配位子化合物および金属付与剤の混合時間は、好ましくは1分間以上1週間以下、より好ましくは5分間以上24時間以下、さらに好ましくは1時間以上12時間以下である。なお、前記混合温度および混合時間は、前記配位子化合物および金属付与剤の種類を考慮して調節することが好ましい。
生成した前記金属錯体は、公知の再結晶法、再沈殿法、クロマトグラフィー法などから適した方法を選択して適用することで、前記溶媒から取り出すことができ、この時、複数の前記方法を組み合わせてもよい。なお、前記溶媒の種類によっては、生成した前記金属錯体が析出することがあり、この場合には、析出した前記金属錯体を濾別等で分離した後洗浄、乾燥等を行えばよい。
前記金属錯体は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
前記金属錯体は、公知の如何なる方法で混合してもよいが、例えばメノウの乳鉢で混合してもよい。
次に、式(1)で表される芳香族化合物の製造方法について説明する。
式(1)で表される芳香族化合物は、一般に知られている反応を組み合わせることで合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、以下に示す式(4)のスキームにより好適に製造することができる。
Figure 2017084758
式(4)に一形態を示す。原料としてQとピロール環を有する化合物を有機化学的に合成した後、Rを有するアルデヒド化合物を混合して、ピロール環部位へ結合させることができる。得られる中間生成物は2つのピロール環の間にメチン構造を有するので、メチン水素を適切な酸化剤を用いてメチレン体に変換することで本発明の芳香族化合物を得ることができる。前記酸化剤は、空気中の酸素や2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)などの一般的な酸化剤を適宜選択して用いることができる。式(4)の反応は、一般的にポルフィリン誘導体を合成する際の環化反応などに用いられる汎用な手法を適応することができる。
式(4)おいて、OH部位、NH部位はそれぞれ汎用な保護基をつけておいてもよい。例えば、OHのH部位はメトキシメチル保護やメチル保護などをした状態であってもよく、NHのH部位はtert−ブトキシカルボニル保護をした状態であってもよい。この場合、式(4)の反応を行った後に脱保護反応を行うことで、式(1)で表される芳香族化合物を合成することができる。
また、式(4)おけるQは、後の反応においてQに変換できるQとは別の置換基であってもよい。例えば、式(4)におけるQ部位が臭素原子あるいはヨウ素原子であり、式(4)の反応後に鈴木反応、山本反応、檜山反応、スティル反応などのクロスカップリング反応を行うことで窒素含有複素環基へ変換することができる。
次に、式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体の製造方法について説明する。
金属錯体の製造方法には、特に制限はないが、式(1)で表される芳香族化合物を有機化学的に合成した後、得られた化合物に、目的の金属種を含有する金属塩を溶媒中で混合して反応させることで得られる。反応させる金属塩の量は特に限定されず、目的とする錯体に応じて、金属塩の量を調節すればよいが、通常、配位子となる芳香族化合物に対して小過剰量の金属塩を用いることが好ましい。
前記金属塩としては、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナート、硫酸鉄(II)、酢酸鉄(II)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、鉄(II)メトキシド、鉄(II)エトキシド、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、臭化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、水酸化コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、過塩素酸コバルト(II)、トリフルオロ酢酸コバルト(II)、トリフルオロメタンスルホン酸コバルト(II)、テトラフルオロホウ酸コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸コバルト(II)、テトラフェニルホウ酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、安息香酸コバルト(II)等があげられ、好ましくは、酢酸鉄(II)、塩化鉄(II)、酢酸コバルト(II)、塩化コバルト(II)である。
前記金属塩は、水和物であってもよく、例えば、塩化鉄(II)4水和物、酢酸コバルト(II)4水和物、塩化コバルト(II)6水和物が挙げられる。
前記芳香族化合物および金属塩を混合する工程は、適当な溶媒の存在下で行う。反応で用いられる溶媒(反応溶媒)としては、水;酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;アンモニア水、トリエチルアミン等のアミン類;メタノール、エタノール、n−プロパノ−ル、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、デュレン、デカリン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。なお、これらの反応溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、前記溶媒としては、配位子となる芳香族化合物および金属塩が溶解し得る溶媒が好ましい。
前記配位子化合物および金属付与剤の混合温度は、特に制限はないが、好ましくは−10℃以上250℃以下、より好ましくは0℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは0℃以上150℃以下である。
また、前記芳香族化合物および金属塩の混合時間は、特に制限はないが、好ましくは1分間以上1週間以下、より好ましくは3分間以上24時間以下、さらに好ましくは10分以上12時間以下である。なお、前記混合温度および混合時間は、前記芳香族化合物および金属塩の種類を考慮して調節することが好ましい。
生成した金属錯体は、公知の再結晶法、再沈殿法、クロマトグラフィー法などから適した方法を選択して適用することで、前記溶媒から取り出すことができ、この時、複数の前記方法を組み合わせてもよい。なお、前記溶媒の種類によっては、生成した前記金属錯体が析出することがあり、この場合には、析出した前記コバルト錯体を濾別等で分離した後、洗浄、乾燥等を行えばよい。
次に、式(2)で表される芳香族化合物について説明する。本発明のマグネシウム空気用電極は、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(2)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有することが好ましい。
Figure 2017084758

(式(2)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
式(2)におけるR、R、Rの具体例と好ましい例はそれぞれ前記R、R、Rと同じである。
式(2)におけるQの具体例と好ましい例は、前記Qのうち、窒素含有複素環またはハロゲン原子に限定した構造と同じである。
すなわち、Qはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子または窒素含有複素環である。該窒素含有複素環としては、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、ジピロリルメチレン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環、アクリジン環、N−アルキルピロール環などが挙げられ、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、イミダゾール環が好ましく、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環がより好ましい。Qにおけるハロゲン原子は、塩素原子または臭素原子が好ましい。
式(2)で表される芳香族化合物の好ましい形態は、上記A5〜A13、A15、A20、A22、A24〜26である。
式(2)で表される芳香族化合物は、一般に知られている反応を組み合わせることで合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、以下に示す式(5)のスキームにより好適に製造することができる。
Figure 2017084758
式(5)に一形態を示す。式(5)の詳細は、式(4)においてQが窒素含有複素環またはハロゲン原子である場合と同様である。
配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体について説明する。本発明のマグネシウム空気電池用電極は、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有することが好ましい。
Figure 2017084758
(式(3)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(3)中、電荷の記載は省略してある。)
式(3)におけるR、R、Rの具体例と好ましい例はそれぞれ前記R、R、Rと同じであり、Qの具体例と好ましい例は、前記Qと同じである。
式(3)は、前記式(1)と同様に、電荷の記載を省略してあり、式(3)中のNはプロトンがついてもよく、式(1)中のフェノラートにはプロトンがついてフェノール構造になっていてもよい。
本形態の金属錯体の構造と具体例は、前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体のうち、式(1)中のQ1の構造を窒素含有複素環またはハロゲン原子に限定したものと同じである。
式(3)で表される金属錯体の好ましい形態は、上記Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26である。
本形態の金属錯体は、上述の前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体と同じ製法で合成することができる。
(マグネシウム空気電池)
本実施形態のマグネシウム空気電池は、本発明の電極を正極として用い、マグネシウム単体およびマグネシウム合金からなる群より選ばれる一種以上の負極活物質を含む負極と、電解液とを備えている。
図1は、本実施形態に係るマグネシウム空気電池の一実施形態を例示する概略断面図である。
ここに示すマグネシウム空気電池1は、前記電極触媒を含む正極触媒層11、正極集電体12、前記負極活物質を含む負極活物質層13、負極集電体14、電解液15およびこれらを収容する容器(図示略)を備える。
正極集電体12は正極触媒層11に接触して配置され、これらにより正極が構成されている。また、負極集電体14は負極活物質層13に接触して配置され、これらにより負極が構成されている。また、正極集電体12には正極端子(リード線)120が接続され、負極集電体14には負極端子(リード線)140が接続されている。
正極触媒層11および負極活物質層13は、対向して配置され、これらの間にこれらに接触するように電解液15が配置されている。
なお、本実施形態に係るマグネシウム空気電池は、ここに示すものに限定されず、必要に応じて一部構成が変更されていてもよい。
(正極触媒層)
本発明の正極触媒層は、電極触媒として、金属錯体を含むが、これら以外に、他の電極触媒を含んでもよい。さらに、電極には、導電材および結着材を含むものが好ましい。前記導電材は、電極の導電性を向上させることができるものであればよく、導電性カーボンが好ましい。
前記導電性カーボンとしては、「ノーリット」(NORIT社製)、「ケッチェンブラック」(Lion社製)、「バルカン」(Cabot社製)、「ブラックパールズ」(Cabot社製)、「アセチレンブラック」(電気化学工業社製)(いずれも商品名)等のカーボンブラック;C60、C70等のフラーレン;カーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、シングルウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等のカーボン繊維、グラフェン、グラフェンオキシドが例示でき、カーボンブラックが好ましい。
前記導電性カーボンは、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子と組み合わせて用いてもよい。
前記結着材は、電極触媒、導電材等を互いに接着するものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−H)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ナフィオン(登録商標)などが例示され、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−H)、ナフィオン(登録商標)が好ましい。
前記金属錯体と、導電材との合計量に対する、前記金属錯体の配合量は、上限値としては、90重量%が好ましく、50重量%がより好ましく、30重量%がさらに好ましく、20重量%が特に好ましい。下限値としては、0.1重量%が好ましく、0.5重量%がより好ましく、1.0重量%がさらに好ましく、2.0重量%が特に好ましい。
前記結着材の配合量は、前記電極触媒1質量部に対して、上限値としては、300質量部が好ましく、200質量部がより好ましく、150質量部が特に好ましい。下限値としては、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましい。
正極触媒層において、前記他の電極触媒、導電材および結着材等の各構成成分は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
(正極集電体)
正極集電体は電流を電極触媒に供給する役割があるため、その材質は、導電性であればよい。好ましい正極集電体としては、金属板、金属箔、金属メッシュ、金属焼結体、カーボンペーパー、カーボンクロスが例示できる。
前記金属メッシュおよび金属焼結体における金属としては、ニッケル、銅、クロム、鉄、チタン等の金属の単体;二種以上のこれら金属を含む合金が例示でき、ニッケル、銅、ステンレス(鉄−ニッケル−クロム合金)が好ましい。
(正極)
正極は、正極触媒層と、正極集電体とを有する。正極触媒層と正極集電体の間に、ガス拡散層をはさんでもよい。正極は、前記の電極触媒、導電材および結着材等を混合し、該混合物を後述する正極集電体の上に配置した後、熱プレスすることで、正極集電体上に正極触媒層が形成されて、製造することができる。熱プレスの温度は、特に制限はないが、用いる結着材のガラス転移温度付近に設定することが好ましい。また、熱プレスの温度は、特に制限はなく、任意に設定することができる。また、必要に応じて、前記混合物を溶媒中に分散させた後、正極集電体の上に塗布後、乾燥することで製造することができる。溶媒としては、前記反応溶媒として例示した溶媒を用いることができる。
(負極)
本実施形態における負極として、マグネシウム単体およびマグネシウム化合物からなる群より選ばれる一種以上を負極活物質として用いることができる。マグネシウム化合物としては、マグネシウム合金などを例示することができる。
マグネシウム合金として、マグネシウムを主成分とする合金であり、例えば、マグネシウム−アルミニウム系合金、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛系合金、マグネシウム−ジルコニウム系合金、マグネシウム−亜鉛−ジルコニウム系合金、マグネシウム−希土類元素系合金、並びに、前記合金に、数%のカルシウムを添加した難燃性マグネシウム合金、が例示される。
前記負極の形状は、特に制限するものではなく、板状、粒状、粉体状、ゲル状のいずれの形状で用いてもよい。
負極集電体14は、正極集電体12と同様のものでよい。
(電解液)
電解液は、電解質を溶媒に溶解した電解液を用いることができる。溶媒としては、イオンが電離し易いため水が好ましい。
上記電解質としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムが例示される。より好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、さらに好ましくは塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムである。なお、前記電解質は、無水物であっても水和物であってもよい。
前記電解質は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
電解液中の電解質の濃度は、マグネシウム空気電池の使用環境により任意に設定することができるが、1〜99質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。
電解液に、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩などの多価カルボン酸塩を、加えてもよい。
また、電解液をポリアクリル酸などの吸水性ポリマーへ吸収させた、ゲル状電解質として用いてもよい。
<その他の構成>
容器は、正極触媒層11、正極集電体12、負極活物質層13、負極集電体14および電解液15を収容するものである。容器の材質としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等の樹脂や、前記正極触媒層11等の収容物とは反応しない金属が例示できる。
マグネシウム空気電池1においては、別途、酸素拡散膜を設けてもよい。酸素拡散膜は、正極集電体12の外側(正極触媒層11の反対側)に設けることが好ましい。こうすることで、酸素拡散膜を介して正極触媒層11に酸素(空気)が優先的に供給される。
前記酸素拡散膜は、酸素(空気)を好適に透過できる膜であればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。
マグネシウム空気電池1においては、正極と負極との接触による短絡を防止するために、これらの間にセパレータを設けてもよい。
セパレータは、電解液15の移動が可能な絶縁材料からなるものであればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。また、電解液15を水溶液として用いる場合には、前記樹脂として、親水性化されたものを用いることが好ましい。
本発明のマグネシウム空気電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、扁平型、角型などがあげられる。
本実施形態のマグネシウム空気電池は、例えば、電気自動車用電源や家庭用電源など大型なものなどに有用であり、また、携帯電話または携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源としても有用である。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。
[合成例1]
<コバルト錯体MC1の合成>
以下の反応式で示すとおり、化合物1および化合物2を経由して化合物3を合成した後、化合物3と金属付与剤とを用いて、コバルト錯体MC1を合成した。
(化合物1の合成)
Figure 2017084758
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基であり、dbaはジベンジリデンアセトンである。)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、3.94g(6.00mmol)の2,9−(3’−ブロモ−5’−tert−ブチル−2’−メトキシフェニル)−1,10−フェナントロリン(Tetrahedron.,1999,55,8377.の記載に従って合成した。)、3.17g(15.0mmol)の1−N−Boc−ピロール−2−ボロン酸、0.14g(0.15mmol)のトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム、0.25g(0.60mmol)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルおよび、5.53g(26.0mmol)のリン酸カリウムを、200mLのジオキサンと20mLの水との混合溶媒に加えて溶解させ、60℃にて6時間攪拌した。反応終了後、放冷して蒸留水およびクロロホルムを加えて、有機層を抽出した。得られた有機層を濃縮して、黒い残留物を得た。これを、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物1を得た。得られた化合物1の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.34(s,18H),1.37(s,18H),3.30(s,6H),6.21(m,2H),6.27(m,2H),7.37(m,2H),7.41(s,2H),7.82(s,2H),8.00(s,2H),8.19(d,J=8.6Hz,2H),8.27(d,J=8.6Hz,2H).
(化合物2の合成)
Figure 2017084758
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基である。)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、0.904g(1.08mmol)の化合物1を10mLの無水ジクロロメタンに溶解させた。得られたジクロロメタン溶液を−78℃に冷却しながら、ここに三臭化ホウ素の1.0Mジクロロメタン溶液8.8mL(8.8mmol)をゆっくり滴下した。滴下後、10分間そのまま攪拌し、室温になるまでさらに攪拌しながら放置した。3時間後、反応液を0℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムを加えて抽出し、有機層を濃縮した。得られた褐色の残留物を、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物2を得た。得られた化合物2の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.40(s,18H),6.25(m,2H),6.44(m,2H),6.74(m,2H),7.84(s,2H),7.89(s,2H),7.92(s,2H),8.35(d,J=8.4Hz,2H),8.46(d,J=8.4Hz,2H),10.61(s,2H),15.88(s,2H).
(化合物3の合成)
Figure 2017084758
反応容器内において、0.061g(0.10mmol)の化合物2と0.012g(0.11mmol)のベンズアルデヒドを5mLのプロピオン酸に溶解させ、140℃で7時間加熱した。その後、得られた反応液からプロピオン酸を留去して、得られた黒い残渣を、展開溶媒をクロロホルムとメタノールを10:1の体積比で混合した溶媒を用いたシリカゲルカラムで精製して、化合物3を得た。得られた化合物3の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.49(s,18H),6.69(d,J=4.8Hz,2H),7.01(d,J=4.8Hz,2H),7.57(m,5H),7.90(s,4H),8.02(s,2H),8.31(d,J=8.1Hz,2H),8.47(d,J=8.1Hz,2H).
(コバルト錯体MC1の合成)
Figure 2017084758
(式中、Acはアセチル基であり、Meはメチル基である。)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、0.045g(0.065mmol)の化合物3と、0.040g(0.16mmol)の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液とを混合し、80℃に加熱しながら5時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、青色固体を得た。これを水で洗浄することにより、コバルト錯体MC1を得た。なお、前記反応式中のコバルト錯体MC1において、「OAc」は、1当量の酢酸イオンが対イオンとして存在することを示す。得られたコバルト錯体MC1の同定データを以下に示す。
ESI−MS[M・]:m/z=866.0
[合成例2]
<コバルト錯体MC2の合成>
以下の反応式で示すとおり、化合物(D)および化合物(E)を経由して化合物(F)を合成した後、化合物(F)と金属付与剤とを用いて、コバルト錯体MC2を合成した。
Figure 2017084758
0.547gの2,6−ジブロモ−4−tert−ブチルアニソール、0.844gの1−N−Boc−ピロール−2−ボロン酸、0.138gのトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム、0.247gの2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、5.527gのリン酸カリウムを200mLのジオキサンと20mLの水の混合溶媒に溶解し、60℃にて9時間攪拌した。反応終了後、放冷して蒸留水、クロロホルムを加えて、有機層を抽出した。得られた有機層を濃縮して、黒い残渣を得た。これを、シリカゲルカラムを用いて精製し、化合物(D)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ1.30(s,18H),1.31(s,9H),3.19(s,3H),6.19(m,2H),6.25(m,2H),7.22(s,2H),7.38(m,2H).
化合物(E)を以下の反応式に従って合成した。
Figure 2017084758
窒素雰囲気下で0.453gの化合物(D)を15mLの無水ジクロロメタンに溶解させた。ジクロロメタン溶液をドライアイス/アセトンバスで−78℃に冷却しながら、5.4mLの三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液)をゆっくり滴下した。滴下後、10分間そのまま攪拌させた後、ドライアイス/アセトンバスを取り除き、室温まで攪拌させながら放置した。1時間後、飽和NaHCO3水溶液を加えて中和し、クロロホルムを加えて3回抽出した。得られた有機層を濃縮して、得られた黒色の残渣を、シリカゲルで精製し、化合物(E)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ1.34(s,9H),6.35(m,2H),6.40(s,1H),6.55(m,2H),6.93(m,2H),7.36(s,2H),9.15(s,2H).
大環状化合物(F)を以下の反応式に従って合成した。
Figure 2017084758
0.051gの化合物(E)と0.019gのベンズアルデヒドを20mLのプロピオン酸に溶解させ、140℃で7時間加熱した。その後、プロピオン酸を留去して、得られた黒い残渣をシリカゲルで精製して、化合物(F)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ1.38(s,18H),6.58(d,J=3.8Hz,4H),6.92(d,J=3.8Hz,4H),7.49(m,10H),7.71(s,4H),12.75(br,4H).
コバルト錯体MC2を以下の反応式にしたがって合成した。
Figure 2017084758
窒素雰囲気下において、0.057gの大環状化合物(F)と0.047gの酢酸コバルト4水和物を含んだメタノール4ml、クロロホルム6mlの混合溶液を、80℃に加熱しながら5時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させると紫色固体を得た。これを水で洗浄することにより、コバルト錯体MC2を得た。
ESI−MS[M・]+:m/z=846.0
[合成例3]
<コバルト錯体MC3の合成>
コバルト錯体MC3を以下の反応式に従って合成した。
Figure 2017084758
窒素雰囲気下において0.476gの塩化コバルト6水和物と0.412gの4―tert-ブチル−2,6−ジホルミルフェノールを含んだ10mlエタノール溶液を50mlのナスフラスコに入れ、室温にて攪拌した。この溶液に0.216gのo−フェニレンジアミンを含んだ5mlエタノール溶液を徐々に添加した。上記混合物を2時間還流することにより茶褐色沈殿が生成した。この沈殿を濾取し、乾燥することでコバルト錯体MC3を得た(収量0.465g:収率63%)。
[合成例4]
<コバルト錯体MC4の合成>
Figure 2017084758

窒素雰囲気下において0.476gの塩化コバルト6水和物と0.469gの3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドを含んだ10mlエタノール溶液を50mlのナスフラスコに入れ、室温にて攪拌した。この溶液に0.216gのo−フェニレンジアミンを含んだ10mlエタノール溶液を徐々に添加した。上記混合物を2時間還流することにより茶褐色沈殿が生成した。この沈殿を濾取し、乾燥することでコバルト錯体MC4を得た(収量0.08g:収率7%)。
[合成例5]
<コバルト錯体MC5の合成>
以下の反応式で示すとおり、化合物4〜化合物9を経由し化合物10を合成した後、化合物10と金属付与剤とを用いて、コバルト錯体MC5を合成した。
(化合物4の合成)
Figure 2017084758
遮光アルゴン気流下、3Lフラスコへ4−tert−ブチルフェノール250g(1.664mol)、クロロホルム420ml、四塩化炭素420mlを仕込み、そこへ臭素/クロロホルム溶液[臭素240g(0.9)等量、クロロホルム270ml]を内温8±2℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて一晩攪拌した。減圧濃縮を行い、化合物4(372g)のオイルを得た。収率97.5%。
(化合物5の合成)
Figure 2017084758
アルゴン気流下、10Lフラスコへ化合物4(371g)、無水炭酸カリウム(335g)、アセトン5Lを仕込み、そこにヨウ化メチル435gを30分かけて滴下した。滴下終了後、内温40℃にて一晩攪拌した。ろ過、減圧蒸留を行い、化合物5(355.8g)を得た。収率90.3%。
(化合物6の合成)
Figure 2017084758
アルゴン気流下、2Lフラスコにリチウム10g、脱水ジエチルエーテル102mlを仕込み、そこへ化合物5のジエチルエーテル溶液[化合物5:158g、脱水ジエチルエーテル1L]を30分かけて滴下し、その後1時間、還流を行った。室温まで冷却し、リチオ化液を得た。アルゴン気流下、5Lフラスコへ2,2‘−ビピリジル12.52g(0.08mol)、脱水トルエン1Lを仕込み、そこにリチオ化液を40分かけて滴下し、その後、45時間還流を行った。内温を5℃まで冷却後、水300mlを滴下、分液後、水相をジクロロメタンで抽出、有機相を合わせて、二酸化マンガン50gを添加し、一晩攪拌した。ろ過後、無水硫酸ナトリウムにて脱水した後、減圧濃縮して、粗生成物を得た。カラム精製を行い、化合物6(6.245g)を得た。収率16.2%。
(化合物7の合成)
Figure 2017084758
遮光アルゴン気流下、1Lフラスコへ化合物6(6.145g、12.79mmol)、脱水ジクロロメタン400mlを仕込み、臭素6.2gを添加し、20時間還流を行った。モノブロモ体が残存していたため、臭素を追加し、更に20時間還流した。反応終了後、中和、分析、カラム精製を行い、化合物7(7.334g)を得た。収率89.8%。
(化合物8の合成)
Figure 2017084758
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基であり、dbaはジベンジリデンアセトンである。)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、0.50g(0.77mmol)の化合物7、0.41g(1.9mmol)の1−N−Boc−ピロール−2−ボロン酸、0.018g(0.02mmol)のトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム、0.032g(0.08mmol)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルおよび、0.72g(3.1mmol)のリン酸カリウムを、25mLのジオキサンと2.5mLの水との混合溶媒に加えて溶解させ、60℃にて6時間攪拌した。反応終了後、放冷して蒸留水およびクロロホルムを加えて、有機層を抽出した。得られた有機層を濃縮して、黒い残留物を得た。これを、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物8を得た。得られた化合物8の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.34(s,18H),1.37(s,18H),3.30(s,6H),6.21(m,2H),6.27(m,2H),7.37(m,2H),7.41(s,2H),7.82(s,2H),8.00(s,2H),8.19(d,J=8.6Hz,2H),8.27(d,J=8.6Hz,2H).
(化合物9の合成)
Figure 2017084758
(式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基である。)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、0.28g(0.43mmol)の化合物8を10mLの無水ジクロロメタンに溶解させた。得られたジクロロメタン溶液を−20℃に冷却しながら、ここに三臭化ホウ素の1.0mol/Lジクロロメタン溶液3.46mL(3.46mmol)をゆっくり滴下した。滴下後、10分間そのまま攪拌し、室温になるまでさらに攪拌しながら放置した。3時間後、反応液を0℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムを加えて抽出し、有機層を濃縮した。得られた褐色の残留物を、展開溶媒としてクロロホルムを用いたシリカゲルカラムで精製し、化合物9を得た。得られた化合物9の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.40(s,18H),6.25(m,2H),6.44(m,2H),6.74(m,2H),7.84(s,2H),7.89(s,2H),7.92(s,2H),8.35(d,J=8.4Hz,2H),8.46(d,J=8.4Hz,2H),10.61(s,2H),15.88(s,2H).
(化合物10の合成)
Figure 2017084758
反応容器内において、80mg(0.13mmol)を150mLのプロピオン酸に溶解させ、90℃へ加熱した。14mg(0.13mmol)のベンズアルデヒドを溶解した25mLのプロピオン酸を滴下後、140℃まで加熱し、3時間攪拌した。得られた反応液からプロピオン酸を留去して、得られた黒い残渣を、展開溶媒をクロロホルムとメタノールを10:1の体積比で混合した溶媒を用いたシリカゲルカラムで精製して、化合物10を得た。得られた化合物10の同定データを以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.49(s,18H),6.69(d,J=4.8Hz,2H),7.01(d,J=4.8Hz,2H),7.57(m,5H),7.90(s,4H),8.02(s,2H),8.31(d,J=8.1Hz,2H),8.47(d,J=8.1Hz,2H).
(コバルト錯体MC5の合成)
Figure 2017084758
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、8.7mg(1.3μmol)の化合物10と、1.3mg(5.2μmol)の酢酸コバルト4水和物を含んだ2mLのメタノールおよび2mLのクロロホルムの混合溶液とを混合し、60℃に加熱しながら2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、青色固体を得た。これを水で洗浄することにより、コバルト錯体MC5を得た。なお、前記反応式中のコバルト錯体MC5において、「OAc」は、1当量の酢酸イオンが対イオンとして存在することを示す。
[合成例6]
<コバルト錯体MC6の合成>
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、200mLの3つ口ナス形フラスコに、4-tert-Butylanisole 10.1g(61.2mmol)と、脱水ジクロロメタン85mLとを加え、臭素7.48mL(153mmol)を10分かけて滴下した。室温で11時間撹拌した。
反応液にNa2SO3水溶液を加え、クロロホルム抽出にて水と飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮して無色液体の1,3-dibromo-5-tert-butyl-2-methoxybenzeneを19.8g(収率100%)得た。
Figure 2017084758
(以下式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基である)
アルゴン雰囲気下、200mLの3つ口ナス形フラスコに、1-tert-butoxycarbonyl-2-pyrrolilboronic acid 1.88g(8.72mmol)、炭酸ナトリウム2.77g(26.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 504mg (0.436mmol)を入れた。別のフラスコに、アルゴン雰囲気下で、1,3-dibromo-5-tert-butyl-2-methoxybenzene3.01g(8.72mmol)1,4-dioxane 80mLおよび水5mLを混合し、混合液を得た。該混合液を、先の3つ口ナス形フラスコに、室温で加え、内温60℃で4時間撹拌後、100℃で1時間撹拌し、反応液を得た。
反応液をろ過、濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=4:1でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、無色液体の化合物14を1.80g(収率49.6%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.48 (d, J = 2.8, 1H), 7.41-7.40 (m, 1H), 7.23 (d, J = 2.8, 1H), 6.25-6.20 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ152.5, 149.6, 148.2, 129.9, 129.7, 129.4, 126.8, 122.5, 116.6, 114.3, 110.3, 83.6, 59.9, 34.6, 31.4, 27.4.
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、50mLの 2つ口ナス形フラスコに、化合物14を1.00g(2.46mmol)およびプロピオン酸9gを加え、100℃で4時間撹拌し、その後、室温に戻し、反応溶液を得た。反応溶液を開放系にし、ベンズアルデヒド129.5mg(1.23mmol)を、プロピオン酸1gに溶解した溶液を加え、5時間還流した。
室温に冷ました反応溶液を濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=3:1 (v/v) でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、橙色固体の化合物15を790mg(収率91.8%) 得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.41 (s, 2H), 7.51 (d, J = 2.0, 2H), 7.38-7.28 (m, 7H), 6.53 (t, J = 3.2, 2H), 6.07 (t, J = 3.2, 2H), 5.56 (s, 1H), 3.50 (s, 6H), 1.31 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ149.5, 149.2, 142.0, 133.8, 129.0, 128.44, 128.37, 127.9, 127.4, 126.3, 117.8, 108.3, 107.5, 60.3, 44.6, 34.6, 31.3.
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、50mLの3つ口丸底フラスコに、化合物15を220 mg(0.312 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 54.1 mg (0.468 mmol)、脱水THF3mLおよび2-pyridylznic bromideの0.5mol/L THF溶液1.87 mL (0.937 mmol)を加え、室温で2時間撹拌後、還流した。13時間後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 27.0mg (0.234 mmol)、脱水THF2mLおよび2-pyridylzinc bromideの0.5mol/L THF溶液0.94 mL (0.47 mmol)を追加して、更に12時間還流して、反応溶液を得た。
反応溶液を冷まし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ろ過し、ろ液を濃縮してクロロホルム抽出により、水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=3:1(v/v)でアルミナゲルカラムクロマトグラフィーを2回行い、赤色固体を217mg得た。
得られた赤色固体を真空乾燥し、ジクロロメタン2mLに溶解した。これに、2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone (DDQ) 86.6mg(0.343 mmol)を、ジクロロメタン7mLに溶解した溶液を、開放系室温で撹拌しながら5分かけて滴下して、反応溶液を得た。
反応溶液を、展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=4:1(v/v)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて、青色固体を85.6mg得た。この成分はNMRシグナルがブロードであった。
得られた青色固体を、ジクロロメタン抽出にて、濃塩酸、希塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮して赤色固体の化合物16を58.0mg (収率26.5%) 得た。また、副生成物としてピリジル基1ヶ所反応物である化合物12を32.2mg(収率14.7%)得た。
化合物16のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.73-8.71 (m, 2H), 7.89 (d, J = 2.8, 2H), 7.79 (d, J = 8.0, 2H), 7.71 (td, J = 7.6, 2.0, 2H), 7.65 (d, J = 2.8, 2H), 7.59-7.57 (m, 2H), 7.48-7.45 (m, 3H), 7.25-7.22 (m, 2H), 6.93 (d, J = 4.4, 2H), 6.65 (d, J = 4.4, 2H), 3.48 (s, 6H), 1.31 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ156.9, 153.9, 153.3, 149.6, 147.1, 141.5, 139.5, 138.1, 136.2, 134.1, 131.1, 129.2, 129.0, 128.7, 127.6, 127.0, 126.8, 124.9, 122.0, 118.8, 62.1, 34.6, 31.5.
化合物12のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.74 (d, J = 4.4, 1H), 8.17 (d, J = 2.8, 1H), 7.84 (d, J = 7.6, 1H), 7.76-7.69 (m, 3H), 7.58-7.55 (m, 2H), 7.49-7.46 (m, 4H), 7.27-7.24 (m, 1H), 7.10 (d, J = 4.4, 1H), 6.76 (dd, J = 7.6, 4.4, 2H), 6.52 (d, J = 5.6, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.29 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ159.7, 157.0, 154.6, 151.9, 149.6, 148.7, 147.6, 145.7, 145.1, 139.3, 138.4, 137.9, 136.1, 134.1, 132.2, 131.0, 130.6, 129.8, 128.7, 127.7, 127.5, 127.4, 126.8, 126.0, 125.0, 124.8, 122.7, 122.0, 118.1, 114.8, 62.1, 60.9, 34.9, 34.6, 31.7, 31.3.
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、化合物16を30.0mg(0.428 mmol)および脱水ジクロロメタン3mLを加え、−20 ℃で撹拌しながら三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液1.0mol/Lを0.86mL(0.86 mmol)5分かけて滴下した。内温の変化無し、色は赤から青に変化。30分後、冷浴を外し5時間半撹拌した。反応溶液を0 ℃にして、水1mLを滴下した。
反応溶液にクロロホルムを加え、抽出にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮後、展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=4:1 (v/v)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、紫色個体の化合物13を17.4 mg (収率60.6%) 得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.20 (br, 2H), 8.07 (d, J = 8.0, 2H), 7.93 (d, J = 2.8, 2H), 7.85 (d, J = 2.8, 2H), 7.58-7.44 (m, 7H), 7.03-6.97 (m, 4H), 6.69 (br, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ157.0, 156.0, 147.2, 141.1, 139.4, 138.8, 136.6, 131.8, 129.8 (br), 128.9, 127.6, 126.4, 126.1, 122.3 (br), 122.1, 121.5, 119.0, 115.9 (br), 34.4, 31.7.
得られた化合物13のDART−MS測定の結果を下記に示す。DART−MS(M/Z):found;671.4.calcd;671.3(M+H)+
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、化合物13重量8.9 mg (0.013 mmol)を、クロロホルム3 mLに溶解した溶液を入れ、室温で撹拌しながら酢酸コバルト(II)四水和物9.9 mg(0.040mmol)を、メタノール3mLに溶解した溶液を加えた。赤から青に変化した。室温で15分撹拌後、2時間還流した。
反応溶液を冷まし、濃縮し、水で懸濁ろ過をしてろ過物よりコバルト錯体MC6を得た。
[合成例7]
<コバルト錯体MC7の合成>
Figure 2017084758

50mLの2つ口ナス形フラスコに、前記化合物15 330mg(0.47mmol)を、ジクロロメタン5mLに溶解した溶液に、2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone (DDQ) 108 mg (0.47 mmol)を、ジクロロメタン10mLに溶解した溶液を、10分かけて滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、反応溶液を得た。
反応溶液にヘキサン30mLを加え、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=1:1 (v/v) でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、赤色固体の化合物17を267mg(収率81%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.92 (d, J = 2.4, 2H), 7.57-7.54 (m, 4H), 7.49-7.44 (m, 3H), 6.93 (d, J = 4.4, 2H), 6.64 (d, J = 4.4, 2H), 3.76 (s, 6H), 1.37 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ152.5, 152.2, 149.1, 141.7, 139.7, 137.7, 131.2, 131.0, 129.4, 128.8, 127.7, 127.6, 125.4, 118.6, 118.0, 61.2, 34.8, 31.5.
Figure 2017084758
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、化合物17を30.0mg(0.428 mmol)および脱水ジクロロメタン3mLを加え、−20℃で撹拌しながら三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液1.0Mを0.85mL(0.85 mmol)を5分かけて滴下した。30分後、冷浴を外し4時間撹拌し、反応溶液を得た。さらに、反応溶液を0℃にして、水1mLを滴下した。
反応溶液にクロロホルムを加え、抽出にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮後、展開溶媒クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、赤色個体を19.3mg得た。
得られた生成物に対し、3当量の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液を混合し、60℃に加熱しながら2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、残渣へ水を加えて懸濁ろ過して、ろ過物よりCo−A7(コバルト錯体MC7)を得た。得られたCo−A7のDART−MS測定の結果を下記に示す。
DART−MS(M/Z):found;729.1.calcd;729.0(M+H)+
[実施例1]
<電極評価>
電極には、ディスク部がグラッシーカーボン(直径6.0mm)、リング部がPt(リング内径7.3mm、リング外径9.3mm)とするリングディスク電極を用いた。コバルト錯体MC1(導電性カーボンに対して3質量%)と、導電性カーボン(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン)との混合物1mgが入ったサンプル瓶へ、ナフィオン(登録商標)溶液(アルドリッチ社製、5質量%ナフィオン(登録商標)溶液)100μL、エタノール900μLを加えた後、サンプル瓶に超音波を15分間照射した。得られた分散液7.2μLを前記電極のディスク部に滴下して1時間風乾させた後、測定用電極を得た。
<酸素還元活性の評価>
この測定用電極を用いて、下記測定装置および測定条件において、酸素還元反応の電流値を測定した。電流値の測定は、窒素を飽和させた状態(窒素雰囲気下)、空気を飽和させた状態(空気雰囲気下)でそれぞれ行い、空気雰囲気下での測定で得られた電流値から、窒素雰囲気下での測定で得られた電流値を引いた値を酸素還元反応の電流値とした。この電流値を測定用電極の表面積で除すことにより、電流密度を求めた。
(測定装置)
日厚計測社製RRDE−1回転リングディスク電極装置
ALSモデル701Cデュアル電気化学アナライザー
(測定条件)
セル溶液:1.0mol/L塩化ナトリウム、0.01mol/L塩化マグネシウム水溶液
溶液温度:25℃
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:10mV/秒
リング電位:1.125V vs 銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
電極回転速度:1600rpm
測定から得られるディスク電流とリング電流の各値を用いて、上記電極触媒による酸素の4電子還元率を求めた。4電子還元率は、次式に基づいて計算した。
Figure 2017084758
ここで、iDは、ディスク電流密度、iRはリング電流密度を表し、Nr/dはリング電極におけるディスク反応生成物の補足率を表す。補足率は、[Fe(CN)63-/4-の酸化還元系を用いて測定し、実施例に用いた電極においては0.38であった。
上記捕捉率を用いることにより、前記電極触媒による酸素の4電子還元率を求めた。酸素の4電子還元率を示す。
[実施例2〜4]
コバルト錯体として、コバルト錯体MC1に代えて、コバルト錯体MC2(実施例2)、コバルト錯体MC3(実施例3)、コバルト錯体MC4(実施例4)、コバルト錯体MC5(実施例5)、コバルト錯体MC6(実施例6)、コバルト錯体MC7(実施例7)および鉄錯体MC8(実施例8、鉄フタロシアニン、アルドリッチ社製、製品コード379549、以下の式で示される化合物)をそれぞれ用いて、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2017084758
[比較例1]
コバルト錯体を用いず、カーボンのみを用いて、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2017084758
本発明の電極は、酸素の4電子還元率が高いことから、過酸化水素の発生が抑制されることがわかる。
[参考例1]
コバルト錯体MC1を例に酸素吸着に伴うエネルギー変化量の計算例を述べる。金属錯体合成時にはアセチル基を有するが、水中の電極上では酢酸アニオンとして水和して脱離していると考え、アセチル基は入れない構造で、モノアニオン、ジアニオン状態の各安定構造を、GAUSSIAN09プログラムを用いて密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)での構造最適化計算を行い、モノアニオン状態が三重項状態で最も安定な構造とそのエネルギー値を得た。その後金属錯体がモノアニオン状態で酸素分子が吸着した構造についても構造最適化計算を行い、五重項状態が最安定な構造を得た。そのエネルギー値から、吸着前の錯体のエネルギー値と酸素分子単独のエネルギー値を引き算して、エネルギー変化量とした。
水分子の吸着におけるエネルギー変化量の計算については上記の方法で酸素分子を水分子に置き換えた。水分子が吸着した金属錯体は三重項状態が最安定であった。
他の金属錯体についても同じ方法で行うが、ハロゲンやアセチル基等配位子を有せず配位不飽和なサイトがある中性の金属錯体については、モノアニオン、ジアニオン状態でエネルギー計算を行い、最安定な状態において、各エネルギー変化量の計算を行った。結果を表2に示す。また、上述の測定用電極を用いて酸素還元活性の評価を行った。酸素還元反応の電流値を表2に示す。なお、電流密度は、銀/塩化銀電極に対して−0.1Vのときの値である。
[参考例2]〜[参考例4]
金属錯体として、コバルト錯体MC1に代えて、コバルト錯体MC5(実施例2)、コバルト錯体MC6(実施例3)、鉄錯体MC8(実施例4)およびコバルト錯体MC9(実施例5)をそれぞれ用いて、参考例1と同様に評価を行った。コバルト錯体MC9は、次の合成例8により合成した。
[合成例8]
<コバルト錯体MC9の合成>
Figure 2017084758
化合物11をJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 10720-10723に記載の方法で合成し、続いてコバルト錯体MC9をChem.Eur.J.2012,18,14590-14593に記載の方法で合成した。得られたコバルト錯体MC9のDART−MS測定の結果を下記に示す。
DART−MS(M/Z):found;685.4.calcd;685.3(M+H)+
[比較参考例1]〜[比較参考例4]
金属錯体として、コバルト錯体MC1に代えて、コバルト錯体RE1(比較参考例1)、コバルト錯体RE2(比較参考例2)およびコバルト錯体RE3(比較参考例3)をそれぞれ用いて、参考例1と同様に評価を行った。また、比較参考例4として、金属錯体を用いずに、参考例1と同様に酸素還元活性の評価を行った。コバルト錯体RE1は、アルドリッチ社製、製品コード446645(以下の構造式で示される化合物)を用いた。コバルト錯体RE2およびコバルト錯体RE3は、それぞれ、次の合成例9および合成例10により合成した。
Figure 2017084758
[合成例9]
<コバルト錯体RE2の合成>
コバルト錯体RE2は、以下の反応式に従って配位子と酢酸コバルト4水和物を含んだエタノールを混合、反応させることにより合成した。錯体の原料となる下記配位子はTetrahedron.,1999,55,8377に基づき合成した。
Figure 2017084758
窒素雰囲気下において、0.300gの該配位子と0.149gの酢酸コバルト4水和物を含んだ4mlのエタノールを25mlのナスフラスコに入れ、80℃にて1時間攪拌した。生成した褐色沈殿を濾取してエタノールで洗浄後、乾燥することでコバルト錯体RE2を得た(収量0.197g)。
[合成例10]
<コバルト錯体RE3の合成>
コバルト錯体RE3は、下記反応式に従って、AustralianJournal of Chemistry,23,2225(1970)に記載の方法を参考に合成した。
Figure 2017084758
まず、窒素雰囲気下において1.9gの塩化コバルト6水和物と1.31gの4―メチル−2,6−ジホルミルフェノールを含んだ50mlメタノール溶液を100mlのナスフラスコに入れ、室温にて攪拌した。この溶液に0.59gの1,3−プロパンジアミンを20mlのメタノールに溶解した溶液を徐々に添加した。上記混合物を3時間還流することにより茶褐色沈殿が生成した。この沈殿を濾取し、乾燥することでコバルト錯体RE3を得た(収量1.75g:収率74%)。
Figure 2017084758
密度汎関数法(B3LYP/LANL2DZ)で、前記金属錯体が、酸素分子を吸着することに伴うエネルギー変化量が−50〜−230kJ/molと計算される金属錯体を含む電極は、酸素還元の電流密度が高い、つまり、酸素の還元能が高く、マグネシウム空気電池に最適な電極である。
[参考例6]〜[参考例7]
金属錯体として、コバルト錯体MC7(参考例6)およびコバルト錯体MC10(参考例7)を用いて、上述の測定用電極を作成して、酸素還元活性の評価を行った。酸素還元反応の電流値を表3に示す。なお、電流密度は、銀/塩化銀電極に対して−0.1Vのときの値である。コバルト錯体MC10は、次の合成例11により合成した。
[合成例11]
Figure 2017084758

<Co−A1の合成>
A1をChem. Commun.,2009,2544−2546に記載の方法で合成した。
A1の重量10mgに対し、3当量の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液を混合し、60℃に加熱しながら2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、残渣へ水を加えて懸濁ろ過して、ろ過物よりコバルト錯体MC10を得た。
[比較参考例5]〜[比較参考例6]
コバルト錯体MC7に代えて、二酸化マンガン(比較参考例5)およびコバルトフタロシアニン(比較参考例6、アルドリッチ社製、製品コード307696)をそれぞれ用いて、参考例6と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2017084758
Coフタロシアニン
Figure 2017084758
参考例3および参考例5〜7と、比較参考例4〜6の結果により、式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体を含む電極は、酸素還元の電流密度が高い、つまり、酸素の還元能が高く、マグネシウム空気電池に最適な電極である。
[実施例9]
<マグネシウム空気電池の作製>
(ガス拡散層用粉末の作製)
カーボンブラック(アセチレンブラック)、トライトン(キシダ化学)および水を1 : 1 : 30 (重量比)の割合で混合し、これにPTFE(ダイキン、D−210C)をカーボンブラックに対して67重量%になるように添加し、ミルサーで5分間粉砕後、吸引ろ過し、120℃で12時間乾燥させる。乾燥後これをミルサーで微粉化し、280℃、3時間空気中で熱処理を行う。ここで得られた粉末をミルサーで再度微粉化しガス拡散層用粉末を得る。
(触媒層用粉末の作製)
ビーカーに水100mlと1−ブタノール1mlとを入れ、その中にカーボン(ケッチェンブラック600EC)0.18g、合成例1で作製したコバルト金属錯体MC1を0.08g加える。2時間攪拌後、PTFE(ダイキン、D−210C)0.16gを少量ずつ加えてさらに1時間攪拌する。それを吸引ろ過し、120℃で乾燥してミルサーで粉砕し、触媒層粉末を得る。
(正極の作製)
ホットプレス用金型にアルミホイルをのせ、その上にニッケルメッシュ(ニコライ社製)をのせ、ガス拡散層電極用粉末を60mg充填し、ガス拡散層用粉末の上に触媒層用粉末を60mg充填する。まず、80kgf/cmの圧力で冷間プレス行った後、350℃に保ったホットプレスを用いて10秒間プレスを行い、正極を得る。正極の反応面積は1.767cmである。
(マグネシウム空気電池)
前記正極、負極となるマグネシウム板(エレキット社製、マグネシウム燃料電池カーJS−7900)、負極の集電体として銅箔(アルドリッチ社製、製品コード34208)を用いてマグネシウム空気電池を組み立てる。電解液として1M塩化ナトリウム水溶液を注入し、充放電試験機(東洋システム社製、製品名:TOSCAT−3000U)に接続し、発電試験を行うことで、マグネシウム空気電池の発電を確認することができる。
本発明の電極は、マグネシウム空気電池の電極として利用可能であり、また本発明は安定して発電可能なマグネシウム空気電池を提供することが出来る。
1…マグネシウム空気電池、11…正極触媒層、12…正極集電体、120…正極端子、13…負極活物質層、14…負極集電体、140…負極端子、15…電解液

Claims (9)

  1. コバルト錯体および鉄錯体からなる群から選ばれる一種以上の金属錯体を含むマグネシウム空気電池用電極。
  2. 前記金属錯体が、コバルト錯体である請求項1記載のマグネシウム空気電池用電極。
  3. 前記コバルト錯体が、配位原子を有し、該配位原子のうち少なくとも1つが、窒素原子または酸素原子である請求項2記載のマグネシウム空気電池用電極。
  4. 前記コバルト錯体が、2つ以上の配位原子を有し、該配位原子が、窒素原子および酸素原子である請求項2または3に記載のマグネシウム空気電池用電極。
  5. 前記コバルト錯体が、多核錯体である請求項2〜4のいずれか一項に記載のマグネシウム空気電池用電極。
  6. 前記金属錯体が、鉄錯体である請求項1記載のマグネシウム空気電池用電極。
  7. 前記鉄錯体が、配位原子を有し、該配位原子の全てが窒素原子である請求項6記載のマグネシウム空気電池用電極。
  8. 更に、導電性カーボンを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のマグネシウム空気電池用電極。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のマグネシウム空気電池用電極を有するマグネシウム空気電池。
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