JP6666186B2 - 酸素還元用電極、空気電池および金属錯体 - Google Patents

酸素還元用電極、空気電池および金属錯体 Download PDF

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Description

本発明は、酸素還元用電極、空気電池および金属錯体に関する。
酸素還元反応は、空気電池、燃料電池、酸素センサーなどの用途に利用されている。
空気電池は、当該電池外部から正極活物質である酸素が供給されるため、電池内に正極活物質を収容する必要がない。そのため、電池内に大量の負極活物質を充填することができ、非常に高いエネルギー密度を達成することができるため、期待が寄せられている。
空気電池は、酸素の還元能を有する電極(正極)と、金属または金属合金を負極活物質とする負極と、電解液とを有する電池である。電池の放電反応は、例えば、以下の式で表わされる。
正極:O+2HO+4e → 4OH
負極:2M+4OH → 2M(OH)+4e
全反応:2M+O+2HO → 2M(OH)
空気電池として、例えば、特許文献1には、正極としてカーボン(炭素繊維シート)を、負極にはマグネシウムを用いた空気電池が開示されている。
特開2011−181382号公報
しかしながら、特許文献1に記載の正極としてのカーボンのみ用いた空気電池は、酸素還元活性が充分ではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、酸素還元に優れる酸素還元用電極、空気電池およびそれに用いられる金属錯体を提供する。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
本発明は第一に、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(1)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有する酸素還元用電極を提供する。
Figure 0006666186
(式(1)中、Q、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(1)中、電荷の記載は省略してある。)
本発明は第二に、前記Qが、窒素含有複素環またはハロゲン原子である前記酸素還元用電極を提供する。
本発明は第三に、前記金属が、コバルトおよび鉄からなる群から選ばれる1種以上の金属である前記酸素還元用電極を提供する。
本発明は第四に、空気電池用電極である前記酸素還元用電極を提供する。
本発明は第五に、前記酸素還元用電極を有する空気電池を提供する。
本発明は第六に、式(2)で表される芳香族化合物を提供する。
Figure 0006666186
(式(2)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
本発明は第七に、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体を提供する。
Figure 0006666186
(式(3)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(3)中、電荷の記載は省略してある。)
本発明によれば、酸素還元に優れる酸素還元用電極を得ることができ、空気電池の出力を向上させることができる。
本実施形態の空気電池の一例を示す概略模式図である。
以下、本実施形態について詳細に説明する。
本発明の酸素還元用電極は、金属錯体を含有する。
本発明の金属錯体は、式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする。
Figure 0006666186
(式(1)中、Q、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(1)中、電荷の記載は省略してある。)
式(1)は電荷の記載を省略してある。式(1)中のNはプロトンがついてもよく、式(1)中のフェノラートにはプロトンがついてフェノール構造になっていてもよい。
上記R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。R、R、Rにおける一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホン酸基、ニトロ基、ホスホン酸基、アルキル基を有する全炭素数1〜18のシリル基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、全炭素数6〜60の芳香族基が例示される。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子などが例示される。
前記アルキル基を有する全炭素数1〜18のシリル基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などが例示される。
前記全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基などが例示される。
前記全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが例示される。
前記全炭素数6〜60の芳香族基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基などが例示される。
前記Rは水素原子、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数6〜60の芳香族基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数6〜36の芳香族基がより好ましく、全炭素数6〜18の芳香族基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。該フェニル基には置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。
前記Rは水素原子、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖飽和炭化水素基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
4つあるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
前記Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状の飽和炭化水素基、全炭素数1〜50の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基が好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基、全炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基がより好ましく、水素原子、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基が更に好ましい。
6つあるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよいが、異なっていることが好ましい。6つあるRのうち、Rと結合するベンゼン環の置換基Oの位置から見て、メタ位にあるRは、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基よりも水素原子であることが好ましい。Rを有するベンゼン環のOの位置から見て、パラ位にあるRは水素原子よりも全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基であることが好ましい。
上記Qは水素原子または一価の置換基である。Qにおける一価の置換基としては、上記R、R、Rにおける一価の置換基と同じものが例示され、加えてフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、フォスファベンゼン環、などの全炭素数3〜60の芳香族複素環が例示される。これらの環はハロゲン原子や炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基、炭素原子数1〜18のヒドロカルビルオキシ基を置換基として有していてもよい。ただし、該置換基は、酸素還元活性に影響を与えない範囲で汎用溶媒に対する溶解性を増し操作性を向上させる目的で導入され得るものであるため、金属中心への電子的な寄与が少ない炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基が好ましい。また、これらの環はさらに芳香環が縮合していてもよい。
なお、Qにおける一価の置換基であるこれらの環は、一価の置換基であるので、これらの環から水素原子を一つ除いてなる基のことを指す。例えば、該これらの環が具体的にピリジン環であれば、Qはピリジル基である。
2つあるQは2つとも水素原子であるよりも少なくとも一方は一価の置換基であることが好ましく、2つとも一価の置換基であることがより好ましい。
における一価の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホン酸基、ニトロ基、ホスホン酸基、全炭素数1〜18の直鎖または分岐の飽和炭化水素基、全炭素数6〜18の芳香族基、全炭素数3〜18の芳香族複素環が好ましく、ハロゲン原子、全炭素数3〜18の芳香族複素環がより好ましい。該芳香族複素環としては、酸素還元活性が高くなるので、窒素含有複素環であることが好ましい。該窒素含有複素環としては、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、ジピロリルメチレン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環、アクリジン環、N−アルキルピロール環などが挙げられ、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、イミダゾール環が好ましく、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環がより好ましい。Qにおける置換基としてのハロゲン原子は、塩素原子または臭素原子が好ましい。
が一定以上嵩高いと、2つあるQ同士の立体反発により配位子の分子構造が平面性を損なって酸素還元活性が低下するので、Qは、式(1)で表される芳香族化合物が平面性を保つ程度に嵩が小さい置換基であることが好ましい。
2つあるQは同じでも異なっていてもよいが、上述のように2つあるQ同士が立体反発をしないように、片方のQが嵩高い場合はもう片方のQはコンパクトであることが好ましい。例えば、片方のQがフェナンスロリン環やビピリジン環であれば、もう方方のQは水素原子やハロゲン原子であることが好ましい。
製造容易性の観点から、2つあるQは同じであることが好ましい。
前記式(1)で表される芳香族化合物の具体例を、以下(A1)〜(A30)に示す。
Figure 0006666186
Figure 0006666186
Figure 0006666186
(A1)〜(A30)の電荷は式(1)と同様に省略してある。Meはメチル基、Etはエチル基、nBuはノルマルブチル基、tBuはtert−ブチル基、nOctはノルマルオクチル基、tOctはtert−オクチル基である。(A1)〜(A30)にRが記載されている場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基である。Rが水素原子のとき、プロトンとして外れてもよい。
A1〜A30のうち、式(1)中の2つのQに相当する置換基同士の立体障害が少ない観点で、好ましくはA1〜A3、A5〜A13、A15、A16、A18、A20、A22、A24〜30であり、式(1)中の2つのQに相当する置換基のうち少なくとも1つがハロゲン原子または窒素含有複素環である観点から、より好ましくはA5〜A13、A15、A20、A22、A24〜29であり、式(1)中の2つのQに相当する置換基が同じである観点から更に好ましくは、A5〜A13、A15、A20、A22である。
前記金属錯体における金属は、第3族〜第9族の遷移金属が例示される。この中でもスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウムが好ましく、第4周期であるチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルトがより好ましい。酸素還元活性が高いので、鉄またはコバルトが更に好ましく、コバルトが特に好ましい。
前記金属錯体における金属は、無電荷であっても、架電しているイオンであってもよい。
前記金属錯体における金属は、単核であっても2核であっても3核以上であってもよく、単核または2核であることが好ましい。2核以上の場合、それぞれの金属種は同種であっても異種であってもよい。
前記金属錯体は、金属の数と電価によって、全体が中性になるようにカウンターアニオンを有していてもよい。カウンターアニオンの種類の例としては、後述する金属塩のアニオン部が上げられる。すなわち、例えば酢酸イオン、ハロゲン化物イオンなどを有していてもよい。該金属錯体は、電極として用いる際の取扱容易性の観点から、錯体1分子に対しカウンターアニオン0〜1個であることが好ましい。
前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体の具体例を、以下Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Ti2−A13、V2−A13、Cr2−A15、Mn2−A15、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26、Co2−A27、Co2−A28、Co2−A29に示す。
Figure 0006666186

Figure 0006666186
上記式の電荷およびカウンターアニオンは省略してある。Rが記載されている場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基である。
Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Ti2−A13、V2−A13、Cr2−A15、Mn2−A15、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26、Co2−A27、Co2−A28、Co2−A29のうち、配位子構造が式(1)中の2つのQに相当する置換基が同じである観点から、好ましくは、Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Ti2−A13、V2−A13、Cr2−A15、Mn2−A15、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22である。金属種が鉄またはコバルトである観点から、より好ましくはCo−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22である。金属種にコバルトを含む観点から、更に好ましくはCo−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Co2−A9、Co2−A10、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Co−A12、Co−A20、Co2−A22である。
次に、式(1)で表される芳香族化合物の製造方法について説明する。
式(1)で表される芳香族化合物は、一般に知られている反応を組み合わせることで合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、以下に示す式(4)のスキームにより好適に製造することができる。
Figure 0006666186
式(4)に一形態を示す。原料としてQとピロール環を有する化合物を有機化学的に合成した後、Rを有するアルデヒド化合物を混合して、ピロール環部位へ結合させることができる。得られる中間生成物は2つのピロール環の間にメチン構造を有するので、メチン水素を適切な酸化剤を用いてメチレン体に変換することで本発明の芳香族化合物を得ることができる。前記酸化剤は、空気中の酸素や2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)などの一般的な酸化剤を適宜選択して用いることができる。式(4)の反応は、一般的にポルフィリン誘導体を合成する際の環化反応などに用いられる汎用な手法を適応することができる。
式(4)おいて、OH部位、NH部位はそれぞれ汎用な保護基をつけておいてもよい。例えば、OHのH部位はメトキシメチル保護やメチル保護などをした状態であってもよく、NHのH部位はtert−ブトキシカルボニル保護をした状態であってもよい。この場合、式(4)の反応を行った後に脱保護反応を行うことで、式(1)で表される芳香族化合物を合成することができる。
また、式(4)おけるQは、後の反応においてQに変換できるQとは別の置換基であってもよい。例えば、式(4)におけるQ部位が臭素原子あるいはヨウ素原子であり、式(4)の反応後に鈴木反応、山本反応、檜山反応、スティル反応などのクロスカップリング反応を行うことで窒素含有複素環基へ変換することができる。
次に、式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体の製造方法について説明する。
金属錯体の製造方法には、特に制限はないが、式(1)で表される芳香族化合物を有機化学的に合成した後、得られた化合物に、目的の金属種を含有する金属塩を溶媒中で混合して反応させることで得られる。反応させる金属塩の量は特に限定されず、目的とする錯体に応じて、金属塩の量を調節すればよいが、通常、配位子となる芳香族化合物に対して小過剰量の金属塩を用いることが好ましい。
前記金属塩としては、鉄とコバルトを代表して例示すると、 鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナート、硫酸鉄(II)、酢酸鉄(II)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、鉄(II)メトキシド、鉄(II)エトキシド、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、臭化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、水酸化コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、過塩素酸コバルト(II)、トリフルオロ酢酸コバルト(II)、トリフルオロメタンスルホン酸コバルト(II)、テトラフルオロホウ酸コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸コバルト(II)、テトラフェニルホウ酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、安息香酸コバルト(II)等があげられ、好ましくは、酢酸鉄(II)、塩化鉄(II)、酢酸コバルト(II)、塩化コバルト(II)である。
前記金属塩は、水和物であってもよく、例えば、塩化鉄(II)4水和物、酢酸コバルト(II)4水和物、塩化コバルト(II)6水和物が挙げられる。
前記芳香族化合物および金属塩を混合する工程は、適当な溶媒の存在下で行う。反応で用いられる溶媒(反応溶媒)としては、水;酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;アンモニア水、トリエチルアミン等のアミン類;メタノール、エタノール、n−プロパノ−ル、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、デュレン、デカリン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。なお、これらの反応溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、前記溶媒としては、配位子となる芳香族化合物および金属塩が溶解し得る溶媒が好ましい。
前記配位子化合物および金属付与剤の混合温度は、特に制限はないが、好ましくは−10℃以上250℃以下、より好ましくは0℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは0℃以上150℃以下である。
また、前記芳香族化合物および金属塩の混合時間は、特に制限はないが、好ましくは1分間以上1週間以下、より好ましくは3分間以上24時間以下、さらに好ましくは10分以上12時間以下である。なお、前記混合温度および混合時間は、前記芳香族化合物および金属塩の種類を考慮して調節することが好ましい。
生成した金属錯体は、公知の再結晶法、再沈殿法、クロマトグラフィー法などから適した方法を選択して適用することで、前記溶媒から取り出すことができ、この時、複数の前記方法を組み合わせてもよい。なお、前記溶媒の種類によっては、生成した前記金属錯体が析出することがあり、この場合には、析出した前記コバルト錯体を濾別等で分離した後、洗浄、乾燥等を行えばよい。
次に、式(2)で表される芳香族化合物について説明する。本発明の酸素還元用電極は、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(2)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有することが好ましい。
Figure 0006666186

(式(2)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
式(2)におけるR、R、Rの具体例と好ましい例はそれぞれ前記R、R、Rと同じである。
式(2)におけるQの具体例と好ましい例は、前記Qのうち、窒素含有複素環またはハロゲン原子に限定した構造と同じである。
すなわち、Qはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子または窒素含有複素環である。該窒素含有複素環としては、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、ジピロリルメチレン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環、アクリジン環、N−アルキルピロール環などが挙げられ、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、フェナンスロリン環、ビピリジン環、イミダゾール環が好ましく、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環がより好ましい。Qにおけるハロゲン原子は、塩素原子または臭素原子が好ましい。
式(2)で表される芳香族化合物の好ましい形態は、上記A5〜A13、A15、A20、A22、A24〜26である。
式(2)で表される芳香族化合物は、一般に知られている反応を組み合わせることで合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、以下に示す式(5)のスキームにより好適に製造することができる。
Figure 0006666186
式(5)に一形態を示す。式(5)の詳細は、式(4)においてQが窒素含有複素環またはハロゲン原子である場合と同様である。
配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体について説明する。本発明の酸素還元用電極は、配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有することが好ましい。

Figure 0006666186
(式(3)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、R、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(3)中、電荷の記載は省略してある。)
式(3)におけるR、R、Rの具体例と好ましい例はそれぞれ前記R、R、Rと同じであり、Qの具体例と好ましい例は、前記Qと同じである。
式(3)は、前記式(1)と同様に、電荷の記載を省略してあり、式(3)中のNはプロトンがついてもよく、式(1)中のフェノラートにはプロトンがついてフェノール構造になっていてもよい。
本形態の金属錯体の構造と具体例は、前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体のうち、式(1)中のQ1の構造を窒素含有複素環またはハロゲン原子に限定したものと同じである。
式(3)で表される金属錯体の好ましい形態は、上記Co−A5、Co−A6、Co−A7、Co−A8、Fe−A5、Fe−A6、Fe−A7、Fe−A8、Co2−A9、Co2−A10、Fe2−A11、FeCo−A12、Co−A9、Co−A10、Fe−A11、Co−A12、Ti2−A13、V2−A13、Cr2−A15、Mn2−A15、Co−A20、Fe−A20、Co2−A22、Fe2−A22、Co2−A24、Co2−A25、Co2−A26である。
本形態の金属錯体は、上述の前記式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体と同じ製法で合成することができる。
酸素還元用電極に用いる前記金属錯体は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の酸素還元用電極は、前記金属錯体に酸素還元能があるため、導電部位に前記金属錯体が分散して含有すれば特に構造の制限はない。本発明の酸素還元用電極は、好ましくは、少なくとも前記金属錯体と、導電材と、結着材とを含有する。電極触媒として本発明の金属触媒を含むが、これら以外に、他の電極触媒を含んでいてもよい。これらは公知の如何なる方法で混合してもよいが、例えばメノウの乳鉢で混合してもよい。
前記導電材は、電極の導電性を向上させることができるものであればよく、導電性カーボンが好ましい。導電性カーボンとしては、「ノーリット」(NORIT社製)、「ケッチェンブラック」(Lion社製)、「バルカン」(Cabot社製)、「ブラックパールズ」(Cabot社製)、「アセチレンブラック」(電気化学工業社製)(いずれも商品名)等のカーボンブラック;C60、C70等のフラーレン;カーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、ダブルウォールカーボンナノチューブ、シングルウォールカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等のカーボン繊維、グラフェン、グラフェンオキシドが例示でき、カーボンブラックが好ましい。
前記導電性カーボンは、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子と組み合わせて用いてもよい。
前記結着材は、電極触媒、導電材等を互いに接着するものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−H)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ナフィオン(登録商標)などが例示され、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−H)、ナフィオン(登録商標)が好ましい。
前記金属錯体と、導電材との合計量に対する、前記金属錯体の配合量は、上限値としては、90重量%が好ましく、50重量%がより好ましく、30重量%がさらに好ましく、20重量%が特に好ましい。下限値としては、0.1重量%が好ましく、0.5重量%がより好ましく、1.0重量%がさらに好ましく、2.0重量%が特に好ましい。
前記結着材の配合量は、前記電極触媒1質量部に対して、上限値としては、300質量部が好ましく、200質量部がより好ましく、150質量部が特に好ましい。下限値としては、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましい。
酸素還元用電極において、前記他の電極触媒、導電材および結着材等の各構成成分は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の酸素還元用電極は、空気電池用電極、燃料電池用電極、酸素センサーなどの用途などに用いられ、特に空気電池用電極として、好適に用いられる。
次に、空気電池用電極について説明する。本発明の空気電池用電極は、前記酸素還元用電極を空気電池内に設置した電極を示す。
本発明の空気電池用電極は通常、正極に用いられる。正極は、正極触媒層と、正極集電体とを有する。正極触媒層としては、前述の、前記金属錯体と、導電材と、結着材とを含有する混合物が用いられる。
正極集電体は電流を電極触媒に供給する役割があり、その材質は、導電性であればよい。好ましい正極集電体としては、金属板、金属箔、金属メッシュ、金属焼結体、カーボンペーパー、カーボンクロスが例示できる。
前記金属メッシュおよび金属焼結体における金属としては、ニッケル、銅、クロム、鉄、チタン等の金属の単体;二種以上のこれら金属を含む合金が例示でき、ニッケル、銅、ステンレス(鉄−ニッケル−クロム合金)が好ましい。
正極は、前述の通り正極触媒層と、正極集電体とを有し、正極触媒層と正極集電体の間に、ガス拡散層をはさんでもよい。正極は、前記の電極触媒、導電材および結着材等を混合し、該混合物を正極集電体の上に配置した後、熱プレスすることで、正極集電体上に正極触媒層が形成されて、製造することができる。熱プレスの温度は、特に制限はないが、用いる結着材のガラス転移温度付近に設定することが好ましい。また、熱プレスの温度は、特に制限はなく、任意に設定することができる。また、必要に応じて、前記混合物を溶媒中に分散させた後、正極集電体の上に塗布後、乾燥することで製造することができる。溶媒としては、前記反応溶媒として例示した溶媒を用いることができる。
次に、空気電池について説明する。本発明の空気電池は、前記空気電池用電極を用いること以外は特に限定されないが、好ましくは正極に前記空気電池用電極を備え、さらに少なくとも負極と電解液とを備える。
前記負極は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、リチウム、ナトリウム、鉄、カルシウム、水素吸蔵合金などを負極活物質として用いることができる。これらは単体であってもこれらを含む合金であってもよく、好ましくは合金であってもよいマグネシウム、合金であってもよい亜鉛であり、より好ましくはマグネシウム合金である。
マグネシウム合金はマグネシウムを主成分とする合金であり、例えば、マグネシウム−アルミニウム系合金、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛系合金、マグネシウム−ジルコニウム系合金、マグネシウム−亜鉛−ジルコニウム系合金、マグネシウム−希土類元素系合金、並びに、前記合金に、数%のカルシウムを添加した難燃性マグネシウム合金、が例示される。
アルミニウム合金としては、マグネシウムの含有量が0.0001〜8質量%であり、 下記(a)および(b)の少なくとも一方を満たし、 (a)鉄の含有量が0.0001〜0.03質量% 、(b)ケイ素の含有量が0.0001〜0.02質量% 、且つ、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素および鉄以外の元素の含有量が、それぞれ0.005質量%以下であると好ましい。前記アルミニウム合金における、アルミニウムおよびマグネシウム以外の元素の含有量の合計値が0.1質量%以下であることがより好ましい。
亜鉛合金としては、1ppm〜3000ppmのビスマス、好ましくは100ppm〜1000ppmのビスマスとの合金を用いてもよい。また、1ppm〜3000ppmのインジウム、好ましくは100〜1000ppmのインジウム、あるいは1ppm〜3000ppmのインジウムと1ppm〜3000ppmのビスマス、好ましくは100ppm〜1000ppmのインジウムと100ppm〜1000ppmのビスマスとの亜鉛合金を用いてもよい。これら亜鉛合金を用いることで、亜鉛の水素過電圧を低減することができ、電池内におけるガス発生をより確実に防止できる。
水素吸蔵合金としては、LaNi5で代表されるAB5型水素吸蔵合金、ZnMn2もしくはその置換体で代表されるAB2型水素吸蔵合金、Mg2Niもしくはその置換体で代表されるマグネシウム系のA2B型水素吸蔵合金、固溶体型V基水素吸蔵合金などの水素を吸蔵・放出できる水素吸蔵合金などのいずれも用いることができる。
前記負極の形状は、特に制限するものではなく、板状、粒状、粉体状、ゲル状のいずれの形状で用いてもよい。
負極には、負極集電体として前記正極集電体同様に集電体を密着させてもよく、前記正極集電体と同様のものを用いることができる。
電解液は、電解質を溶媒に溶解した電解液を用いることができる。溶媒としては、イオンが電離し易いため水が好ましい。
上記電解質としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムが例示される。より好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、さらに好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、である。なお、前記電解質は、無水物であっても水和物であってもよい。
前記電解質は、それぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
電解液中の電解質の濃度は、空気電池の使用環境により任意に設定することができるが、1〜99質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。
電解液に、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩などの多価カルボン酸塩を、加えてもよい。
また、電解液をポリアクリル酸などの吸水性ポリマーへ吸収させた、ゲル状電解質として用いてもよい。
図1は、本実施形態に係る空気電池の一実施形態を例示する概略断面図である。
ここに示す空気電池1は、前記金属錯体を含む正極触媒層11、正極集電体12、前記負極活物質を含む負極活物質層13、負極集電体14、電解液15およびこれらを収容する容器(図示略)を備える。
正極集電体12は正極触媒層11に接触して配置され、これらにより正極が構成されている。また、負極集電体14は負極活物質層13に接触して配置され、これらにより負極が構成されている。また、正極集電体12には正極端子(リード線)120が接続され、負極集電体14には負極端子(リード線)140が接続されている。
正極触媒層11および負極活物質層13は、対向して配置され、これらの間にこれらに接触するように電解液15が配置されている。
なお、本実施形態に係る空気電池は、ここに示すものに限定されず、必要に応じて一部構成が変更されていてもよい。
容器は、正極触媒層11、正極集電体12、負極活物質層13、負極集電体14および電解液15を収容するものである。容器の材質としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等の樹脂や、前記正極触媒層11等の収容物とは反応しない金属が例示できる。
空気電池1においては、別途、酸素拡散膜を設けてもよい。酸素拡散膜は、正極集電体12の外側(正極触媒層11の反対側)に設けることが好ましい。こうすることで、酸素拡散膜を介して正極触媒層11に酸素(空気)が優先的に供給される。
前記酸素拡散膜は、酸素(空気)を好適に透過できる膜であればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。
空気電池1においては、正極と負極との接触による短絡を防止するために、これらの間にセパレータを設けてもよい。
セパレータは、電解液15の移動が可能な絶縁材料からなるものであればよく、樹脂製の不織布または多孔質膜が例示でき、前記樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が例示できる。また、電解液15を水溶液として用いる場合には、前記樹脂として、親水性化されたものを用いることが好ましい。
空気電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、扁平型、角型などがあげられる。
本実施形態の空気電池は、例えば、電気自動車用電源や家庭用電源など大型なものなどに有用であり、また、携帯電話または携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源としても有用である。
以下、実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、NMR測定にはJEOL社製400MHzNMRスペクトロメーターJNM−ECZ400S/L1を、DART−MS測定には日本電子製のThe AccuTOF TLC(JMS−T100TD)を用いた。
Figure 0006666186

<Co−A1の合成>
A1をChem. Commun.,2009,2544−2546に記載の方法で合成した。
A1の重量10mgに対し、3当量の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液を混合し、60℃に加熱しながら2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、残渣へ水を加えて懸濁ろ過して、ろ過物よりCo−A1を得た。
Figure 0006666186

<Co−A4の合成>
A4をJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 10720-10723に記載の方法で合成し、続いてCo−A4をChem.Eur.J.2012,18,14590-14593に記載の方法で合成した。得られたCo−A4のDART−MS測定の結果を下記に示す。
DART−MS(M/Z):found;685.4.calcd;685.3(M+H)+

<Co−A7の合成>
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、200mLの3つ口ナス形フラスコに、4-tert-butylanisole 10.1g(61.2mmol)と、脱水ジクロロメタン85mLとを加え、臭素7.48mL(153mmol)を10分かけて滴下した。室温で11時間撹拌した。
反応液にNa2SO3水溶液を加え、クロロホルム抽出にて水と飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮して無色液体の1,3-dibromo-5-tert-butyl-2-methoxybenzeneを19.8g(収率100%)得た。
Figure 0006666186
(以下式中、Bocはtert−ブトキシカルボニル基である)
アルゴン雰囲気下、200mLの3つ口ナス形フラスコに、1-tert-butoxycarbonyl-2-pyrrolilboronic acid 1.88g(8.72mmol)、炭酸ナトリウム2.77g(26.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 504mg (0.436mmol)を入れた。別のフラスコに、アルゴン雰囲気下で、1,3-dibromo-5-tert-butyl-2-methoxybenzene3.01g(8.72mmol)、1,4-dioxane 80mLおよび水5mLを混合し、混合液を得た。該混合液を、先の3つ口ナス形フラスコに、室温で加え、内温60℃で4時間撹拌後、100℃で1時間撹拌し、反応液を得た。
反応液をろ過、濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=4:1でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、無色液体の化合物1を1.80g(収率49.6%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.48 (d, J = 2.8, 1H), 7.41-7.40 (m, 1H), 7.23 (d, J = 2.8, 1H), 6.25-6.20 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ152.5, 149.6, 148.2, 129.9, 129.7, 129.4, 126.8, 122.5, 116.6, 114.3, 110.3, 83.6, 59.9, 34.6, 31.4, 27.4.
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、50mLの 2つ口ナス形フラスコに、化合物1を 1.00g(2.46mmol)およびプロピオン酸9gを加え、100℃で4時間撹拌し、その後、室温に戻し、反応溶液を得た。反応溶液を開放系にし、ベンズアルデヒド129.5mg(1.23mmol)を、プロピオン酸1gに溶解した溶液を加え、5時間還流した。
室温に冷ました反応溶液を濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=3:1 (v/v) でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、橙色固体の化合物2を790mg(収率91.8%) 得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.41 (s, 2H), 7.51 (d, J = 2.0, 2H), 7.38-7.28 (m, 7H), 6.53 (t, J = 3.2, 2H), 6.07 (t, J = 3.2, 2H), 5.56 (s, 1H), 3.50 (s, 6H), 1.31 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ149.5, 149.2, 142.0, 133.8, 129.0, 128.44, 128.37, 127.9, 127.4, 126.3, 117.8, 108.3, 107.5, 60.3, 44.6, 34.6, 31.3.
Figure 0006666186

50mLの2つ口ナス形フラスコに、化合物2 330mg(0.47mmol)を、ジクロロメタン5mLに溶解した溶液に、2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone (DDQ) 108 mg (0.47 mmol)を、ジクロロメタン10mLに溶解した溶液を、10分かけて滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、反応溶液を得た。
反応溶液にヘキサン30mLを加え、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=1:1 (v/v) でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、赤色固体の化合物3を267mg(収率81%)得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.92 (d, J = 2.4, 2H), 7.57-7.54 (m, 4H), 7.49-7.44 (m, 3H), 6.93 (d, J = 4.4, 2H), 6.64 (d, J = 4.4, 2H), 3.76 (s, 6H), 1.37 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ152.5, 152.2, 149.1, 141.7, 139.7, 137.7, 131.2, 131.0, 129.4, 128.8, 127.7, 127.6, 125.4, 118.6, 118.0, 61.2, 34.8, 31.5.
[実施例1]
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、化合物3を 30.0mg(0.428 mmol)および脱水ジクロロメタン3mLを加え、−20℃で撹拌しながら三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液1.0mol/Lを0.85mL(0.85 mmol)を5分かけて滴下した。30分後、冷浴を外し4時間撹拌し、反応溶液を得た。さらに、反応溶液を0℃にして、水1mLを滴下した。
反応溶液にクロロホルムを加え、抽出にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮後、展開溶媒クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、赤色個体を19.3mg得た。
得られた生成物に対し、3当量の酢酸コバルト4水和物を含んだ3mLのメタノールおよび3mLのクロロホルムの混合溶液を混合し、60℃に加熱しながら2時間攪拌した。得られた溶液を濃縮乾固させて、残渣へ水を加えて懸濁ろ過して、ろ過物よりCo−A7を得た。得られたCo−A7のDART−MS測定の結果を下記に示す。
DART−MS(M/Z):found;729.1.calcd;729.0(M+H)+
<A9およびCo2−A9の合成>
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、50mLの3つ口丸底フラスコに、化合物3を 220 mg(0.312 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 54.1 mg (0.468 mmol)、脱水THF3mLおよび2-pyridylznic bromideの0.5mol/L THF溶液1.87 mL (0.937 mmol)を加え、室温で2時間撹拌後、還流した。13時間後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 27.0mg (0.234 mmol)、脱水THF2mLおよび2-pyridylzinc bromideの0.5mol/L THF溶液0.94 mL (0.47 mmol)を追加して、更に12時間還流して、反応溶液を得た。
反応溶液を冷まし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ろ過し、ろ液を濃縮してクロロホルム抽出により、水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮し、展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=3:1(v/v)でアルミナゲルカラムクロマトグラフィーを2回行い、赤色固体を217mg得た。
得られた赤色固体を真空乾燥し、ジクロロメタン2mLに溶解した。これに、2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone (DDQ) 86.6mg(0.343 mmol)を、ジクロロメタン7mLに溶解した溶液を、開放系室温で撹拌しながら5分かけて滴下して、反応溶液を得た。
反応溶液を、展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=4:1(v/v)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて、青色固体を85.6mg得た。この成分はNMRシグナルがブロードであった。
得られた青色固体を、ジクロロメタン抽出にて、濃塩酸、希塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮して赤色固体の−化合物4を58.0mg (収率26.5%) 得た。また、副生成物としてピリジル基1ヶ所反応物であるOMe−A24を32.2mg(収率14.7%)得た。
−化合物4のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.73-8.71 (m, 2H), 7.89 (d, J = 2.8, 2H), 7.79 (d, J = 8.0, 2H), 7.71 (td, J = 7.6, 2.0, 2H), 7.65 (d, J = 2.8, 2H), 7.59-7.57 (m, 2H), 7.48-7.45 (m, 3H), 7.25-7.22 (m, 2H), 6.93 (d, J = 4.4, 2H), 6.65 (d, J = 4.4, 2H), 3.48 (s, 6H), 1.31 (s, 18H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ156.9, 153.9, 153.3, 149.6, 147.1, 141.5, 139.5, 138.1, 136.2, 134.1, 131.1, 129.2, 129.0, 128.7, 127.6, 127.0, 126.8, 124.9, 122.0, 118.8, 62.1, 34.6, 31.5.
OMe−A24のNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.74 (d, J = 4.4, 1H), 8.17 (d, J = 2.8, 1H), 7.84 (d, J = 7.6, 1H), 7.76-7.69 (m, 3H), 7.58-7.55 (m, 2H), 7.49-7.46 (m, 4H), 7.27-7.24 (m, 1H), 7.10 (d, J = 4.4, 1H), 6.76 (dd, J = 7.6, 4.4, 2H), 6.52 (d, J = 5.6, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.29 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ159.7, 157.0, 154.6, 151.9, 149.6, 148.7, 147.6, 145.7, 145.1, 139.3, 138.4, 137.9, 136.1, 134.1, 132.2, 131.0, 130.6, 129.8, 128.7, 127.7, 127.5, 127.4, 126.8, 126.0, 125.0, 124.8, 122.7, 122.0, 118.1, 114.8, 62.1, 60.9, 34.9, 34.6, 31.7, 31.3.
[実施例2]
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、化合物4を 30.0mg(0.428 mmol)および脱水ジクロロメタン3mLを加え、−20 ℃で撹拌しながら三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液1.0mol/Lを0.86mL(0.86 mmol)5分かけて滴下した。30分後、冷浴を外し5時間半撹拌した。反応溶液を0 ℃にして、水1mLを滴下した。
反応溶液にクロロホルムを加え、抽出にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮後、展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=4:1 (v/v)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、紫色個体のA9を17.4 mg (収率60.6%) 得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.20 (br, 2H), 8.07 (d, J = 8.0, 2H), 7.93 (d, J = 2.8, 2H), 7.85 (d, J = 2.8, 2H), 7.58-7.44 (m, 7H), 7.03-6.97 (m, 4H), 6.69 (br, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ157.0, 156.0, 147.2, 141.1, 139.4, 138.8, 136.6, 131.8, 129.8 (br), 128.9, 127.6, 126.4, 126.1, 122.3 (br), 122.1, 121.5, 119.0, 115.9 (br), 34.4, 31.7.
得られたA9のDART−MS測定の結果を下記に示す。DART−MS(M/Z):found;671.4.calcd;671.3(M+H)+
[実施例3]
Figure 0006666186
アルゴン雰囲気下、30mLの3つ口丸底フラスコに、A9重量8.9 mg (0.013 mmol)を、クロロホルム3 mLに溶解した溶液を入れ、室温で撹拌しながら酢酸コバルト(II)四水和物9.9 mg(0.040mmol)を、メタノール3mLに溶解した溶液を加えた。室温で15分撹拌後、2時間還流した。
反応溶液を冷まし、濃縮し、水で懸濁ろ過をしてろ過物よりCo2−A9を得た。
得られたCo2−A9のDART−MS測定の結果を下記に示す。DART−MS(M/Z):found;845.3.calcd;845.2(M+H)+
<電極評価>
電極には、ディスク部がグラッシーカーボン(直径6.0mm)、リング部がPt(リング内径7.3mm、リング外径9.3mm)とするリングディスク電極を用いた。表1に後述する検体(導電性カーボンに対して3質量%)と、導電性カーボン(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン)との混合物1mgが入ったサンプル瓶へ、ナフィオン(登録商標)溶液(アルドリッチ社製、5質量%ナフィオン(登録商標)溶液)100μL、エタノール900μLを加えた後、サンプル瓶に超音波を15分間照射した。得られた分散液7.2μLを前記電極のディスク部に滴下して1時間風乾させた後、測定用電極を得た。
<酸素還元活性の評価>
この測定用電極を用いて、下記測定装置および測定条件において、酸素還元反応の電流値を測定した。電流値の測定は、窒素を飽和させた状態(窒素雰囲気下)、空気を飽和させた状態(空気雰囲気下)でそれぞれ行い、空気雰囲気下での測定で得られた電流値から、窒素雰囲気下での測定で得られた電流値を引いた値を酸素還元反応の電流値とした。この電流値を測定用電極の表面積で除すことにより、電流密度を求めた。結果を表1に示す。なお、電流密度は、銀/塩化銀電極に対して−0.1Vのときの値である。
(測定装置)
日厚計測社製RRDE−1回転リングディスク電極装置
ALSモデル701Cデュアル電気化学アナライザー
(測定条件)
セル溶液:1mol/L塩化ナトリウム
溶液温度:25℃
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:10mV/秒
リング電位:1.125V vs 銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
電極回転速度:1600rpm
[実施例4〜7]
検体として、Co−A1(実施例4)、Co−A4(実施例5)、Co−A7(実施例6)、Co2−A9(実施例7)をそれぞれ用いて評価を行った。
[比較例1〜2]
検体として、二酸化マンガン(比較例1)、Coフタロシアニン(比較例2、アルドリッチ社製、製品コード307696)、検体なし(比較例3)をそれぞれ用いて、実施例4〜7と同様に評価を行った。実施例4〜7の評価結果と合わせて表1に示す。
Figure 0006666186
Coフタロシアニン
Figure 0006666186
以上より、本発明の式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体を含有する酸素還元用電極は酸素還元活性が高い。したがって、本発明の式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体を用いることで酸素還元活性の高い空気電池用電極となる。更に、本発明の式(1)で表される芳香族化合物を配位子とする金属錯体を用いることで酸素還元活性の高い空気電池を製造することができる。
[実施例8]
<空気電池の作製>
(ガス拡散層用粉末の作製)
カーボンブラック(アセチレンブラック)、トライトン(キシダ化学)および水を1 : 1 : 30 (重量比)の割合で混合し、これにPTFE(ダイキン、D−210C)をカーボンブラックに対して67重量%になるように添加し、ミルサーで5分間粉砕後、吸引ろ過し、120℃で12時間乾燥させる。乾燥後これをミルサーで微粉化し、280℃、3時間空気中で熱処理を行う。ここで得られた粉末をミルサーで再度微粉化しガス拡散層用粉末を得る。
(触媒層用粉末の作製)
ビーカーに水100mlと1−ブタノール1mlとを入れ、その中にカーボン(ケッチェンブラック600EC)0.18g、Co−A1を0.08g加える。2時間攪拌後、PTFE(ダイキン、D−210C)0.16gを少量ずつ加えてさらに1時間攪拌する。それを吸引ろ過し、120℃で乾燥してミルサーで粉砕し、触媒層粉末を得る。
(正極の作製)
ホットプレス用金型にアルミホイルをのせ、その上にニッケルメッシュ(ニコライ社製)をのせ、ガス拡散層電極用粉末を60mg充填し、ガス拡散層用粉末の上に触媒層用粉末を60mg充填する。まず、80kgf/cmの圧力で冷間プレス行った後、350℃に保ったホットプレスを用いて10秒間プレスを行い、正極を得る。正極の反応面積は1.767cmである。
(空気電池)
前記正極、負極となるマグネシウム板(エレキット社製、マグネシウム燃料電池カーJS−7900)、負極の集電体として銅箔(アルドリッチ社製、製品コード34208)を用いてマグネシウム空気電池を組み立てる。電解液として1mol/L塩化ナトリウム水溶液を注入し、充放電試験機(東洋システム社製、製品名:TOSCAT−3000U)に接続し、発電試験を行うことで、空気電池の発電を確認することができる。
本発明の電極は、空気電池の電極として利用可能であり、また本発明は安定して発電可能な空気電池を提供することが出来る。
1…空気電池、11…正極触媒層、12…正極集電体、120…正極端子、13…負極活物質層、14…負極集電体、140…負極端子、15…電解液

Claims (7)

  1. 配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(1)で表される芳香族化合物である金属錯体を含有する酸素還元用電極。
    Figure 0006666186
    (式(1)中、Q、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(1)中、電荷の記載は省略してある。)
  2. 前記Qが、窒素含有複素環またはハロゲン原子である請求項1に記載の酸素還元用電極。
  3. 前記金属が、コバルトおよび鉄からなる群から選ばれる1種以上の金属である請求項1または2に記載の酸素還元用電極。
  4. 空気電池用電極である請求項1〜3のいずれかに記載の酸素還元用電極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の酸素還元用電極を有する空気電池。
  6. 式(2)で表される芳香族化合物。
    Figure 0006666186
    (式(2)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  7. 配位子と、金属とを有し、該配位子が、式(3)で表される芳香族化合物である金属錯体。
    Figure 0006666186
    (式(3)中、Qは窒素含有複素環またはハロゲン原子である。R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基である。複数のQ、R、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。式(3)中、電荷の記載は省略してある。)
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